JP2020164535A - 振動バッフル付き反応器を用いたオレフィン水和プロセス - Google Patents

振動バッフル付き反応器を用いたオレフィン水和プロセス Download PDF

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Abstract

【課題】水及び混合ブテンから精製された混合ブタノールを生成するための改良されたブタノール生成システムの提供。【解決手段】内壁125によって画定された内部流体導管を有する内部バッフルシングルパス反応器120を有し、内部流体導管は、水、混合ブテン及び混合ブタノールを含むプロセス流体を含み、粗生成物を生成する。内部流動バッフル146は、内部流体導管の長さに沿って位置し、バッフルセル147は、内壁によって外径で、及び内部流動バッフルによって端部で画定される。分離システムは、粗生成物から水と混合ブテンを分離して、精製された混合ブタノールを生成する。プロセス流体が内部バッフルシングルパス反応器に沿って概して正弦波の運動をするように、振動器アセンブリ149は、内部バッフルシングルパス反応器に連結されており、かつ前後直線運動で選択的に移動可能な、プロセス流体と連通している往復振動器ヘッド151を有する。【選択図】図1B

Description

[関連特許出願の相互参照]
本出願は、2013年9月3日に出願された「振動バッフル付き反応器を用いたオレフィン水和プロセス」と題する米国特許出願第14/016798号明細書、現在は米国特許第9187388号明細書(これは、2012年9月5日に出願された米国特許仮出願第61/697076号明細書に対する優先権およびその利益を主張する。)の一部継続であり、それに対する優先権およびその利益を主張する。米国特許実務のために、そのような各出願の全開示は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
本発明の分野は、ブタノールの生成に関する。より具体的には、本分野はブテン水和によるブタノールの生成に関する。
ブタノールは、従来の酸素化物および燃料貯蔵増量剤に対する効率の良い代替物であり、これは、メチルtert−ブチルエーテルおよびエタノールを含む。ブタノールは、オクタン価増強に寄与するだけでなく、燃料混合の中に、取り込まれた酸素も供給する。混合ブタノールまたは配合ブタノールはまた、比較的安価でもある。
ブタノール、特に混合ブタノールを生成するための一次手段は、ブテン水和プロセスによるものである。既知のブテン水和プロセスは、液液二相系を含む。ブテンおよび水は、低い相対濃度(水中のブテンおよびブテン中の水の両方)の系で互いに非混和性である。操作条件を高めても非混和性は緩和しない。反応物の非混和性は、既知の低い単一パス変換率の理由の1つである。
加えて、非混和性は水和触媒の分布に影響を与える。典型的な水和触媒は、水性相または炭化水素相のいずれかを好み、通常両方を好まない。水和触媒のこの分配不良は、二相系全体にわたって触媒反応を促進するのではなく、むしろ単相のみで主に促進する。
したがって、ブテン水和システムおよびブテン水和プロセスにおいて、ブテンのブタノールへの単一パス変換収率を改善する必要がある。
水および混合ブテンから精製された混合ブタノールを生成するためのブタノール生成システムは、内壁および基端部と先端部との間の操作長さによって画定された内部流体導管を有する内部バッフルシングルパス反応器を含み、内部流体導管は、水、混合ブテンおよび混合ブタノールを含むプロセス流体を選択的に含み、かつ混合して粗生成物を生成する。内部バッフルシングルパス反応器はまた、内部流体導管の操作長さの少なくとも一部に沿って位置する内部流動バッフルを含み、内部流動バッフルは環状であり、かつ内壁に固定されている。バッフルセルは、操作長さに沿って連続して位置し、かつ内壁によって外径で、ならびに内部流動バッフルによって第1の端部および第2の端部で画定され、内部流動バッフルのうちの1つは、バッフルセルのうちの1つの第2の端部および隣接するバッフルセルの第1の端部の両方を画定する。分離システムは、精製された混合ブタノールが生成されるように粗生成物を選択的に受け入れ、かつ粗生成物から水と混合ブテンを分離するために配向された内部バッフルシングルパス反応器と流体連通している。プロセス流体が内部バッフルシングルパス反応器に沿って概して正弦波の運動をするように、振動器アセンブリは、内部バッフルシングルパス反応器の基端部に連結されており、前後直線運動で選択的に移動可能な、プロセス流体と連通している往復振動器ヘッドを有する。
代替の実施形態では、内部流動バッフルのそれぞれは、円板状プレートを通って延びるオリフィスを有する円板状プレートで形成することができる。円板状プレートの外径は、内壁に固定され得る。オリフィスは、バッフルセル内のプロセス流体内に渦を発生させるサイズにして、プレート内に配置することができる。バッフルセルは、内部流体導管の操作長さ全体に沿って位置することができる。
他の代替の実施形態では、振動器ヘッドの外径は、内壁と摺動係合することができる。分離システムは、内部流体導管の先端部と流体連通することができ、または、バッフルセルのうちの少なくとも1つと流体連通することができる。振動器ヘッドは、2〜5ヘルツの往復振動数を有することができ、かつ、20〜40ミリメートルの往復振幅を有することができる。振動器アセンブリは、振動器ヘッドに機械的に連結され、かつ振動器ヘッドを選択的に駆動する外部運動ドライバを含むことができる。振動器アセンブリは、内部バッフルシングルパス反応器とプロセス流体振動器部材とを密封係合する振動器シール部を含むことができ、プロセス流体振動器部材は、外部運動ドライバを振動器ヘッドに機械的に結合する。
本開示の別の実施形態では、水と混合ブテンとの組み合わせから精製された混合ブタノールを生成するための方法は、内部バッフルシングルパス反応器を提供するステップを含む。内部バッフルシングルパス反応器は、内壁および基端部と先端部との間の操作長さによって画定された内部流体導管を有する。内部流動バッフルは、内部流体導管の操作長さの少なくとも一部に沿って位置し、環状であり、かつ内壁に固定されている。バッフルセルは、操作長さに沿って連続して位置し、かつ内壁によって外径で、ならびに内部流動バッフルによって第1および第2の端部で画定され、内部流動バッフルのうちの1つは、バッフルセルのうちの1つの第2の端部および隣接するバッフルセルの第1の端部の両方を画定する。混合ブテン、水および混合ブタノールを含むプロセス流体は、内部バッフルシングルパス反応器に通される。内部バッフルシングルパス反応器の基端部に連結されており、前後直線運動で選択的に移動可能な往復振動器ヘッドを有する振動器アセンブリを含む内部バッフルシングルパス反応器に沿ってプロセス流体内に概して正弦波の運動を誘起することにより、プロセス流体は、内部バッフルシングルパス反応器内で混合されて粗生成物を生成する。水と混合ブテンは、内部バッフルシングルパス反応器と流体連通している分離システム内で粗生成物から分離され、精製された混合ブタノールを生成する。
代替の実施形態では、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体を混合するステップは、プロセス流体を内部流動バッフル内に押し通すことによりバッフルセル内のプロセス流体内に渦を誘起するステップを含むことができる。プロセス流体は、内部流体導管の先端部において分離システムに移すことができ、または、分離システムにバッフルセルのうちの少なくとも1つの内部から分離システムに移すことができる。
他の代替の実施形態では、振動器アセンブリは、2〜5ヘルツの往復振動数および20〜40ミリメートルの往復振幅で操作することができる。振動器ヘッドは、振動器ヘッドに機械的に連結されている外部運動ドライバを用いて駆動することができる。内部バッフルシングルパス反応器とプロセス流体振動器部材は、外部運動ドライバを振動器ヘッドに機械的に結合する振動器シール部で密封係合することができる。
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の発明を実施するための形態、添付の特許請求の範囲、および添付図面を参照することでよりよく理解される。
図1Aは、ブタノール生成システムの実施形態のプロセスフロー図である。 図1Bは、ブタノール生成システムの実施形態のプロセスフロー図である。
図2は、ブタノール生成システムの他の実施形態のプロセスフロー図である。
図3は、ブタノール生成システムの他の実施形態のプロセスフロー図である。
図4は、本開示の実施形態による内部バッフルシングルパス反応器の一部の概略詳細図である。
図5は、本開示の実施形態による内部バッフルシングルパス反応器および外部運動ドライバの概略図である。
図6は、振動バッフル反応器およびオートクレーブ反応器におけるブテンからブタノールへのモルパーセントでの変換と対比した導入された1−ブテンに対する水のモル比を示すグラフである。
添付の図では、類似の構成要素もしくは特徴またはその両方が同じ参照番号を有することができる。図およびその説明は、ブタノール生成システムおよびその使用方法のよりよい理解を容易にする。図は、決して本発明の範囲を限定または定義すべきではない。図は、説明を容易にするための簡単な図である。当業者であれば、このようなシステムが、意図される目的のためにそれらを操作可能にする補助設備およびサブシステムを有する複雑な構造であることを理解する。
発明の概要、図面の簡単な説明、および発明を実施するための形態を含む本明細書、ならびに添付の特許請求の範囲は、本発明の特定の特徴(プロセスまたは方法のステップを含む)について言及している。当業者であれば、本発明がすべての考えられる組み合わせおよび本明細書に記載される特定の特徴の使用を含むことを理解する。当業者であれば、本発明が本明細書に挙げられる実施形態の説明に、またはそれによって限定されないことを理解する。本発明の主題は、本明細書および添付の特許請求の範囲の趣旨のみを除いて限定されない。
当業者であれば、特定の実施形態を記載するために使用される用語が、本発明の範囲または広さを限定しないことも理解する。本明細書および添付の特許請求の範囲を解釈する際に、すべての用語は、各用語の文脈と一致した可能な限り広い様式で解釈されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるすべての技術的かつ科学的用語は、別段定義されない限り、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上別段明確に示さない限り、複数の言及を含む。動詞「備える(comprises)」およびその活用形は、非排他的様式で要素、構成要素、またはステップを指すと解釈されたい。参照される要素、構成要素、またはステップは、明示的に言及されない他の要素、構成要素またはステップととともに存在し、利用され、組み合わせられ得る。動詞「連結する(couple)」およびその活用形は、2つ以上の予め結合されていない物体から単数の物体を形成するために、電気的、機械的または流体を含む任意のタイプの必要とされる接合を完成することを意味する。第1のデバイスを第2のデバイスに連結する場合、この接続は、直接かまたは共通のコネクタを介するかのいずれかで生じ得る。「任意に(Optionally)」およびその様々な形態は、その後記載される事象または状況が生じ得るか、または生じ得ないことを意味する。この記述は、事象または状況が生じる例およびそれが生じない例を含む。「操作可能な(Operable)」およびその様々な形態は、その適切な機能することに適合し、その意図される使用に使用されることができることを意味する。「関連した(Associated)」およびそのさまざまな形態は、それらがともに生じるか、またはその1つのものが他のものを生成することに伴い、何か他のものと関連がある何かを意味する。
空間的用語は、物体の相対位置、または別の物体の群に対する物体の群を説明する。空間的関係は、垂直軸および水平軸に沿って適用される。「上流(upstream)」および「下流(downstream)」を含む配向用語および相関的用語ならびに他の同様の用語は、記述的便宜上のためであり、別段指示されない限り、限定的ではない。
本明細書または添付の特許請求の範囲が値の範囲を提供する場合、その間隔は、上限と下限との間の各介在値ならびに上限および下限を包含することが理解される。本発明は、提供される任意の特定の排除に供する間隔のより小さい範囲を包含および結合する。「実質的に含まない(Substantially free)」ということは、指示された測定単位による1%未満を意味する。「有意な(Significant)」は、指示された測定単位による10%以上を意味する。
2つ以上の定義されるステップを含む方法に対して本明細書および添付の特許請求の範囲で参照がなされる場合、定義されるステップは、文脈がその可能性を排除する場合を除いて、任意の順または同時に実施され得る。
[図1A〜図1B]
図1A〜図1Bは、ブタノール生成システムの実施形態のプロセスフロー図を含む。図1A〜図1Bのブタノール生成プロセスは、混合ブテン供給物102、水供給物104、水和触媒供給物106、およびエントレーナ供給物108を含む供給口ラインを通るいくつかの供給物をブタノール生成システム100に導入する。ブタノール生成システム100は、廃触媒110、生成水112、ブタノール生成物114、および使用済みエントレーナ116を含む生産ラインを通るいくつかの生成物を生成する。
ブタノール生成システム100は、ブテンからブタノールへの変換および精製されたブタノール生成物の生成を支持するいくつかのユニットを含む。内部バッフルシングルパス反応器120は、混合ブタノールへのブテンの触媒的に誘導された水和を支持する。混合ブテン供給物102、水供給物104、および水和触媒供給物106はすべて、内部バッフルシングルパス反応器120を通ってブタノール生成システム100に入る。内部バッフルシングルパス反応器120は、生成された混合ブタノールを回収するために有用な粗生成物流を生成する。
内部バッフルシングルパス反応器120は、反応物と触媒と反応生成物との混合物であるプロセス流体を含む。そのプロセス流体は、内壁125によって画定された内部流体導管を介して基端部122から先端部124へ内部バッフルシングルパス反応器120を通過する。プロセス流体の組成物は、ブテン水和反応が生じるとき、内部バッフルシングルパス反応器120の操作可能な長さに沿って変化し、生成物の混合ブタノールを形成し、水および混合ブテンの反応物を消費する。
分離システム160は、内部バッフルシングルパス反応器120と流体連通している。分離システム160は、精製された混合ブタノールが生成されるように粗生成物を選択的に受け入れ、かつ粗生成物から水と混合ブテンを分離するために配向されている。分離システム160(破線ボックス)において、冷却器170は内部バッフルシングルパス反応器120に連結しており、内部バッフルシングルパス反応器120から粗生成物を受け入れ、かつ分離処理のために粗生成物の温度を下げるように操作可能である。図1Aの実施形態において、分離システム160は、内部バッフルシングルパス反応器120の先端部124に連結しており、これと流体連通している。図1Bの実施形態において、分離システム160は、内部バッフルシングルパス反応器120の他の領域に連結しており、この領域と流体連通している。一例として、分離システム160は、バッフルセル147のうちの少なくとも1つにおいて、内部バッフルシングルパス反応器120に連結することができる。
ブタノール生成システム100では、サイクロン172は、冷却器170に連結し、冷却された粗生成物を受容し、任意の残留不均一系水和触媒を除去する。サイクロン172は、廃触媒110を通る使用済み触媒、および無触媒粗生成物の両方を生成する。
デブタナイザー塔180は、サイクロン172に連結し、無触媒粗生成物を受容し、未反応ブテンを除去する。デブタナイザー塔180は、回収されたブテンおよびブテンを含まない粗生成物を生成する。回収されたブテンは、ブタノール生成システム100によるブテン再循環182を介して内部バッフルシングルパス反応器120の基端部へ再循環される。
ブタノール抽出塔184は、デブタナイザー塔180に連結し、ブテンを含まない粗生成物を受容し、エントレーナ供給物108を通ってエントレーナも受容する。ブタノール抽出塔184は、ブテンを含まない粗生成物の水相からブタノールを抽出するために導入されたエントレーナを用いることによって操作し、ブタノールに乏しい水相およびブタノールに富むエントレーナとブタノール相を形成する。水は、生成水112を介してブタノール抽出塔184から通過する。エントレーナおよびブタノール相は、ブタノール抽出塔184の塔低液として通過する。
ブタノール分離塔186は、ブタノール抽出塔184に連結し、エントレーナおよびブタノール相を受容し、エントレーナからブタノールを分離する。ブタノール分離塔186は、水、ブテン、およびエントレーナを実質的に含まない精製された混合ブタノールを生成する。精製されたブタノール混合物は、ブタノール生成物114を介してブタノール分離塔186から通過する。回収されたエントレーナは、使用済みエントレーナ116を介してブタノール分離塔186から通過する。
図1A〜図1Bに示されるように、内部バッフルシングルパス反応器120の構成は、基端部122および先端部124を有し、先端部124が冷却器170に連結する蛇行状の導管である。いくつかのポート126は、内部バッフルシングルパス反応器120の内側にアクセスするためのものである。いくつかの注入ポートは、内部バッフルシングルパス反応器120の内側への供給通路を提供し、水注入ポート128と、ブテン注入ポート130と、触媒注入ポート132とを含む。
プロセス流体はまた、外部熱交換システムを通って反応器の中に伝達された熱を搬送することによって水和反応を助けるための潜熱を提供する。例えば、図1A〜図1Bは、内部バッフルシングルパス反応器120の一部分をおおう温度制御ジャケット140を示す。温度制御ジャケット140は、プロセス流体内の水和反応を促進するために内部バッフルシングルパス反応器120の覆われた部分に熱を提供するように操作可能である。温度制御流体供給導管142は、新たな温度制御流体を導入し、温度制御流体戻り導管144は、使い果たした温度制御流体を通す。
内部バッフルシングルパス反応器120は、その操作可能な長さに沿って内部流動バッフル146を有する。各内部流動バッフル146は、内壁125に固定されている環状部材にすることができて、したがって内部バッフルシングルパス反応器120内で移動できないように固定されている。バッフルセル147は、連続する内部流動バッフル146の間に位置する。バッフルセル147は、内壁125によって外径で、ならびに内部流動バッフル146によって第1の端部および第2の端部で画定され、内部流動バッフル146のうちの1つは、バッフルセル147のうちの1つの第2の端部および隣接するバッフルセル147の第1の端部の両方を画定する。バッフルセル147は、内部バッフルシングルパス反応器120の操作長さに沿って連続して位置する。
内部流動バッフル146は、流体運動量を分裂させ、プロセス流体が反応器120を流れるとき、その流体の流路を変更する。流動運動量の分裂および流体流路の変更は、プロセス流体内のブテン、水、および触媒を合わせた均質混合をバッフルセル147内で生じさせる。内部バッフルシングルパス反応器120の中心軸と一直線ではない流体流動はまた、内部バッフルシングルパス反応器120の内壁125からバルクプロセス流体の中に熱を搬送することによって流体への伝熱を容易にする。固定された内部流動バッフル146はまた、プロセス滞留時間を増加させ、これは、ブテンのブタノールへの変換を改善する。
振動器アセンブリ149は、内部バッフルシングルパス反応器120の基端部122に連結されている。振動器アセンブリ149は、内部バッフルシングルパス反応器120の基端部122付近に位置するプロセス流体振動器部材148を含む。振動器アセンブリ149はまた、内部バッフルシングルパス反応器120と、外部運動ドライバ152を振動器ヘッド151に機械的に結合するプロセス流体振動器部材148とを密封係合する振動器シール部150を含む。外部の汚染物質をプロセス流体に曝すことなく、プロセス流体を外部環境に漏らすことなくプロセス流体振動器部材148が内部バッフルシングルパス反応器120の外側から内側へと進むように、プロセス流体振動器部材148は、振動器シール部150を介して内部バッフルシングルパス反応器120に連結する。振動器ヘッド151の外径が内壁と摺動係合するように、プロセス流体振動器部材148は、振動器ヘッド151で内部バッフルシングルパス反応器120の内壁125と連結する。プロセス流体が内部バッフルシングルパス反応器120の長さに沿って概して正弦波の運動をするように、振動器ヘッド151は、前後に往復直線運動をし、プロセス流体と連通している。振動器ヘッド151は、プロセス流体と直接接触することができ、または振動器ヘッド151の運動をプロセス流体の概して正弦波の運動に変えることができるダイアフラムもしくは他の部材によるなど、プロセス流体と間接的に連通することができる。
プロセス流体振動器部材148の相対位置への変更は、振動器ヘッド151とのその接触およびプロセス流体の非圧縮性により、プロセス流体の位置変更を付与する。プロセス流体の位置変更は、内部バッフルシングルパス反応器120の操作可能な長さに沿ってプロセス流体流動の流動運動量における不安定性を付与する。プロセス流体流動における不安定性は、混合および熱吸収を高める。非圧縮性プロセス流体を押すことおよび引くことは、プロセス流体の流動を反応器120の内側の固定位置に対して上昇および後退させる。内部バッフルシングルパス反応器120内のプロセス流体のこの混合は、振動器アセンブリ149を含む内部バッフルシングルパス反応器120に沿ってプロセス流体内に概して正弦波の運動を誘起することにより、粗生成物が生成する。
振動器アセンブリ149はまた、外部運動ドライバ152を含む。外部運動ドライバ152は、プロセス流体振動器部材148によって振動器ヘッド151に連結されており、プロセス流体振動器部材148および振動器ヘッド151を選択的に駆動するために使用することができる。振動器シール部150の構成、外部運動ドライバ152との連結および内部バッフルシングルパス反応器120の内壁125との振動器ヘッド151が有する接触は、プロセス流体振動器部材148を限られた可動域に拘束する。プロセス流体振動器部材148は、操作可能であるとき、前後型の直線方向に振動器ヘッド151を移動させる。
[図2]
図2は、ブタノール生成システムの他の実施形態のプロセスフロー図である。図2のブタノール生成プロセスは、組み合わせられた混合ブテンおよび水供給物201ならびに水和触媒供給物106を含むいくつかの供給物をブタノール生成システム200の中に導入する。組み合わせられた混合ブテンおよび水供給物201は、ブテンおよび水注入ポート203を通って内部バッフルシングルパス反応器120に入る。ブタノール生成システム200は、精製ベント292およびブタノール生成物114を含むいくつかの生成物を生成する。システム再循環流のブテン再循環182および水再循環288の両方は、組み合わせられた供給物201中の混合ブテンおよび水の補給量を最小限にすることに寄与する。
図2の分離システム260は、図1A〜図1Bの分離システム160とは異なって構成される。高圧(HP)水分離器272は、冷却器170に連結し、冷却された粗生成物を受容し、かなりの部分の水を除去し、水の少ない粗生成物を形成する。回収された水および水和触媒は、内部バッフルシングルパス反応器120への再導入のために水再循環288を通過する。
デブタナイザー塔180は、HP水分離器272に連結し、水の少ない粗生成物を受容し、水の少ない粗生成物から未反応ブテンを除去するように操作し、ブテンを含まない粗生成物を形成する。回収されたブテンは、ブテン再循環182を介して内部バッフルシングルパス反応器120の基端部に移る。
浸透気化ユニット284は、浸透気化膜286を含む。浸透気化ユニット284は、デブタナイザー塔180に連結し、ブテンを含まない粗生成物を受容し、ブテンを含まない粗生成物から浸透気化膜286を用いた透過としてブタノールを分離するように操作可能である。浸透気化ユニット284は、透過側にブタノール蒸気、および浸透気化膜286の供給側に主に水からなる残液を形成する。水残液は、水再循環288を通って内部バッフルシングルパス反応器120に移る。
ブタノール分離塔290は、浸透気化ユニット284に連結し、ブタノール蒸気を受容し、ブタノール蒸気を精製して精製された混合ブタノールにするように操作する。精製された混合ブタノールは、水およびブテンを実質的に含まず、ブタノール生成物114を介して搬送される。ブタノール分離塔290は、軽量および不凝縮ガスを放出する。軽量および不凝縮ガスの一部分は、精製ベント流292を通って放出され、残りは、ブタノール回収のために蒸留再循環294を通って浸透気化ユニット284に再循環される。
[図3]
図3は、ブタノール生成システムの他の実施形態のプロセスフロー図である。図3のブタノール生成プロセスは、図2のプロセスに示されるものと同様の供給物を導入する。ブタノール生成システム300は、廃触媒110およびブタノール生成物114を含むいくつかの生成物を生成する。システム300再循環流のブテン再循環182および水再循環288はいずれも、組み合わせられた供給物201中の混合ブテンおよび水の補給量を最小限にすることに寄与する。
図3の分離システム360は、分離システム160および260とは異なって構成される。サイクロン172は、冷却器170に連結し、冷却された粗生成物を受容し、廃触媒110を介して任意の残留不均一系水和触媒、ポリマー、および他の固体を除去する。サイクロン172は、廃触媒110を介する使用済み触媒、および触媒を含まない粗生成物の両方を生成する。高圧(HP)水分離器272は、サイクロン172に連結し、触媒を含まない粗生成物を受容し、高圧下で水相からブタノールおよびブテンを含む有機相を分離する。水相はそれでもなおいくらかのブタノールを含むが、有機相よりはるかに少ない。デブタナイザー塔180は、HP水分離器272に連結し、有機ブタノールおよびブテン相を受容し、有機相を再循環可能なブテンおよび精製された混合ブタノールに分離する。回収されたブテンは、ブテン再循環182を介してプロセスの前方に搬送され、精製された混合ブタノールは、ブタノール生成物114を介して通過される。共沸塔390は、HP水分離器272に連結し、水相を受容し、水相をブタノール/水の共沸混合物および再循環可能な水に分離する。ブタノール/水の共沸混合物は、ブタノール/水再循環392を介して分離システム360の前方に再循環され、再循環可能な水は、水再循環288を介してプロセスの前方に搬送される。
[図4]
図4は、内部バッフルシングルパス反応器120の操作可能な長さに沿った内部流動バッフル146の実施形態の詳細図である。図4の実施形態の例において、内部流動バッフル146のそれぞれは、円板状プレートを通って延びるオリフィス394を有する円板状プレートで形成することができる。円板状プレートの外径は、内壁125に固定される。プロセス流体がバッフルセル147を通過するとき、プロセス流体と内部流バッフル146との相互作用により、プロセス流体内に渦が発生する。オリフィス394は、バッフルセル147内のプロセス流体内に渦を発生させるサイズにして、各内部流動バッフル146内に配置することができ、その結果、プロセス流体の混合が最適化される。一例として、内部流動バッフル146の直径に対するオリフィス394の直径ならびに内部流動バッフル146内のオリフィス394の位置は、プロセス流体の混合を最適化するよう選択することができる。
プロセス流体が内部バッフルシングルパス反応器120内を流れるとき、プロセス流体の一部は、内部流動バッフル146のオリフィス394を通過する。他のプロセス流体は、内部流動バッフル146の固い環部分に接触し、バッフルセル147内で向きが変わり、プロセス流体内に渦を形成する。バッフルセル147内で形成された渦はプロセス流体の混合を改善する。
[図5]
図5は、本開示の実施形態による外部運動ドライバ152の実施形態の一例を示す。図5の例において、外部運動ドライバ152は回転円板396を含む。プロセス流体振動器部材148の第1の端部は回転円板396に接続される。図5の実施形態において、プロセス流体振動器部材148は接続された部材である。外部運動ドライバ152が回転するとき、プロセス流体振動器部材148の第2の端部は、内部バッフルシングルパス反応器120の基端部122に対して前後に直線的に移動する。プロセス流体振動器部材148の第2の端部は振動器ヘッド151に取り付けられており、内部バッフルシングルパス反応器120内で振動器ヘッド151が往復直線運動をすることになる。
振動器ヘッド151が内部バッフルシングルパス反応器120内でさらに先に移動すると、振動器ヘッド151は、基端部122から先端部124に向かう方向にプロセス流体を押す。振動器ヘッド151が基端部122に向かって反対方向に移動すると、振動器ヘッド151は、図5の方向を示す矢印で示す通り、先端部124から基端部122の方向にプロセス流体を押す。この振動器ヘッド151の前後運動により、プロセス流体は、内部バッフルシングルパス反応器120内を、概して全体的に正弦波の前後運動で移動する。このようにして、内部バッフルシングルパス反応器120内のすべての反応物に対して振動運動が重ね合わせられる。この正弦波型の運動は、特有の半径方向混合を可能にする。
[プロセス流体および粗生成物]
プロセス流体は、内部バッフルシングルパス反応器内の間のブタノール生成プロセスの操作条件において混和しないブテンと水の二相プロセスである。反応器の操作長さに沿った所与の点において、プロセス流体は、ブテン、水、任意選択でブテン水和触媒およびブテン水和生成物、特にブタノールを含む。
ブテン水和反応は内部バッフルシングルパス反応器内で起こる。プロセス流体は、反応器内のブテン水和触媒の存在下で、混合ブタノールへの混合ブテンの水和反応を助ける。ブタノール生成プロセスの一部として、プロセス流体は、反応器の先端部に隣接した位置で反応器から粗生成物として進む。
粗生成物は、生成物であるブタノール、水、ブテンおよび任意選択で依然として活性があり得るブテン水和触媒の組み合わせである。粗生成物は、内部バッフルシングルパス反応器の先端部から進んだ後のプロセス流体である。
[混合ブテン]
混合ブテンは、ブタノール生成プロセスの一部として反応物として導入される。混合ブテンは精製することができて、あるいはFCCユニットもしくは熱分解ユニットの生成物、MTBEもしくはTBAプロセスからのラフィネート、液化石油ガス(LPG)の一部として、またはいくつかの同様の源から組み合わせた流れとして含む石油化学精製装置内の源に由来し得る。混合ブテンは、1−ブテン、片方または両方の2−ブテン(すなわち、cisまたはtrans)およびイソブチレンのうちの1つまたは複数を含む。混合ブテンはまた、他のアルカンおよびアルケンを含むことができる。
ブタノール生成の一実施形態において、混合ブテンは1−ブテンを含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、混合ブテンが実質的に1−ブテンからなる場合を含む。新たな、または「補給」1−ブテンは、好ましくは重合グレードである。新たな1−ブテンは、少なくとも99体積%の1−ブテン、または99.5体積%の1−ブテン、または99.9体積%の1−ブテン、または99.95体積%の1−ブテン、またはさらに高純度である。新たな1−ブテン中の不純物は5体積ppm以下である。
ブタノール生成システムの他の部分からブテンを再循環すると、ブテンの変換効率が最大になる。ブタノール生成システムは、粗生成物から回収可能な混合ブテンを選択的に分離する分離システムを含む。ブタノール生成システムの一実施形態は、選択的に分離された混合ブテンを内部バッフルシングルパス反応器に導入するようにブタノール生成システムが操作可能である場合を含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、別々に選択的に分離された混合ブテンが内部バッフルシングルパス反応器に導入されるようにブタノール生成システムを操作することを含む。再循環された材料は既にブタノール生成システムの内部にあり、新たな不活性物質または汚染物質を導入し得ないため、再循環されたブテンは、新たなブテンよりも低い成分純度を有し得る。
混合ブテンの導入は、加圧ガス、液体、超臨界流体またはこれらの組み合わせとして行われる。1−ブテンの臨界温度は146.4℃であり、臨界圧は40.2barである。イソブチレンの臨界温度は144.7℃であり、臨界圧は40.01barである。導入された混合ブテンを予熱すると、水和を促進する熱がプロセス流体に供給される。
[水]
水は、ブタノール生成プロセスの一部として反応物として導入される。ブタノール生成システムに導入される新たな水または補給水は、少なくとも99体積%の水、または99.5体積%の水、または99.9体積%の水、または99.95体積%の水、またはさらに高純度である。汚染物質をブタノール生成システムに導入しないために、水は、脱気、脱塩および脱イオンされるべきである。不純物は5体積ppm以下である。
ブタノール生成システムの他の部分から水を再循環すると、導入される補給水の量が最小になる。水は典型的には、ブタノール生成プロセス内で過剰に使用される。分離システムは、内部バッフルシングルパス反応器から進む粗生成物から回収可能な水を選択的に分離する。ブタノール生成システムの一実施形態は、選択的に分離された水を内部バッフルシングルパス反応器に導入するようにブタノール生成システムが操作可能である場合を含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、別々に選択的に分離された水が内部バッフルシングルパス反応器に導入されるようにブタノール生成システムを操作することを含む。中和されていない均一系触媒を使用するとき、再循環された水は、活性のある水和触媒をブタノール生成システムの前まで運ぶことができる。ブタノール生成プロセスの実施形態は、別々に選択的に分離された水が均一系ブテン水和触媒も含む場合を含む。
ブタノール生成プロセスの一実施形態は、1−ブテンに対する水のモル比の値が約1〜約21の範囲内にあるように水と混合ブテンが内部バッフルシングルパス反応器に導入される場合を含む。
[水和触媒]
ブテン水和触媒は、ブタノール生成システムが所定の不均一系酸触媒を含まないとき、ブタノール生成プロセスの一部としての反応物として導入される。ブテン水和触媒の導入は、ブタノール生成システムが所定の不均一系酸触媒を含まないときに任意である。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、基端部に近接して、プロセス流体が形成するようにブテン水和触媒をブタノール生成システムの内部バッフルシングルパス反応器の中に導入することを含み、そこでブテン水和触媒は、均一酸、不均一酸、およびこれらの組み合わせから選択される。
均一酸である有用なブテン水和触媒としては、例えば、硫酸およびリン酸が含まれる。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、導入されるブテン水和触媒が均一であることを含む。有用なリン酸の例としては、オルトリン酸、ポリリン酸(PPA)、および過リン酸(SPA)が挙げられる。ポリリン酸は、一般化学式H(POH)OHを有するリンの酸素酸であり、式中、nは、分子中のリン単位の数を表す整数である。PPAの商業的混合物は、オルト−(n=1)、パイロ−(n=2)、トリ−(n=3)、テトラ−(n=4)、および高次の縮合鎖酸の混合を有する。約95%〜約118%のリン酸(HPO)の当量濃度の範囲のPPA濃度は、ポリリン酸の完全加水分解の際に生じる同量のリン酸を表す。一例は、オルトリン酸(HPO)(Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,Mo.)である。
有用なブテン水和触媒としては、不均一系酸性触媒も含まれる。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、導入されるブテン水和触媒が不均一であることを含む。このような酸は、それらの金属、セラミック、微粒子、または高分子構造に組み込まれた酸官能性を有する。蒸発、気化、蒸留、および遠心分離システムを含む回収プロセスは、プロセス流体または粗生成物から固体触媒を抽出することができる。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、分離システムが粗生成物からブテン水和触媒を別々に選択的に分離するように、ブタノール生成システムを操作することを含み、そこでブテン水和触媒は、不均一系触媒である。例としては、D008−1およびD008−2(KaiRui Chemical Co.Ltd.;Hebei City,China)が挙げられ、これは、スルホン酸(SOH)官能基が付加されたポリマー樹脂である。
本方法の一実施形態は、均一系ブテン水和触媒、不均一系水和触媒、およびこれらの組み合わせからなる群から導入されたブテン水和触媒を選択することを含む。いくつかの均一/不均一酸の結合系が、アルケンからアルコールへの変換効率もしくは選択性またはその両方に関して相乗効果をもたらすことは既知である。バッフルセル内の不均一系水和触媒を含むブタノール生成システムの実施形態では、ブタノール生成プロセスの一実施形態は、均一系ブテン水和触媒を内部バッフルシングルパス反応器の中に導入することを含む。
水和触媒の導入は、純物質として生じるか、または送達溶液中に希釈されるかのいずれかである。水和触媒は、分散を高めるために水中または混合ブテン中に希釈されて、プロセス流体の中に導入され得る。
[ブタノール生成プロセス生成物]
一次生成物は、精製された混合ブタノールである。精製されたブタノール生成物の組成は、少なくとも99体積%の混合ブタノール、または99.5体積%の混合ブタノール、または99.7体積%の混合ブタノール、または99.9体積%の混合ブタノール、またはさらに高純度である。ブタノール生成システムの一実施形態は、分離システムが少なくとも99体積パーセントの混合ブタノールの純度を有する精製された混合ブタノールを生成するように操作可能であることを含む。ブテン、ブタン、および不活性成分を含む溶存ガスは、精製された混合ブタノール生成物中に存在し得る微量不純物である。
ブタノール生成システムは、粗生成物から固体を回収することができる。このような固体は、触媒活性水和触媒を含むことができる。ブタノール生成プロセスは、水和触媒を回収し、それを中和し、次いでブタノール生成プロセスの外側にそれを処分することができる。外部プロセスは、回収された水和触媒を処理または再生することができ、内部バッフルシングルパス反応器の中への再導入のためにそれを再循環する。
ブタノール生成プロセスは、精製プロセスの一部として粗生成物から水を選択的に分離する。回収された水は、有機物、酸触媒、および固体に対して処理され、次いでシステムパージとして処分され得る。
ブタノール生成システムは、分離システムの一部としてガスを放出することができる。ベントガスは、システムパージとしての機能を果たす。ベントガスは、ブテンのわずかな部分を含む不活性成分および軽量の有機ガスを含む。
[内部バッフルシングルパス反応器]
内部バッフルシングルパス反応器は、加圧、加熱、流体封入環境で混合ブテン水和を支持するように操作可能な内壁によって画定された内部流体導管を有するチューブラーである。このチューブラーは、第1の端部(基端部または上流端部)と第2の端部(先端部または下流端部)との間で一定体積を部分的に包囲する内面または壁を有する。反応器の操作可能な長さは、基端部と先端部との間のチューブラーの流体長さである。チューブラーの長さは、その直径よりはるかに大きい。チューブラーはまた、熱が内部と外部との間で伝達するその操作長さに沿って外面または壁を有する。
内部バッフルシングルパス反応器は、反応物および任意に水和触媒が基端部の近くの反応器の中に入り、プロセス流体を混合および形成するように操作可能である。プロセス流体は、流体流路に沿って基端部のあたりから先端部まで反応器の操作可能な長さを通過する。粗生成物は、先端部に近接した反応器から通過する。
図1〜3は、蛇行状の内部バッフルシングルパス反応器を示すが、反応器は、標準管を含む接続された線形および非線形流体導管区分の使用に基づいて任意の数の物理的構成をとることができる。当業者であれば、温度制御、物理的空間、保守、および資本コストを含む操作選好および性能に基づいて内部バッフルシングルパス反応器の全体形状を想定することができる。
内部バッフルシングルパス反応器を通るプロセス流体に対する主要な流動要因は、基端部の周囲における反応物および水和触媒の協調的導入、および先端部のあたりからの粗生成物の通過である。必須ではないが、ポンプおよび回転インラインブレードを含む補助流動ドライバは、プロセス流体に補足運動量を提供することができる。
内部バッフルシングルパス反応器は、反応器の基端部の近くに少なくとも1つの反応物供給位置を有する。混合ブテンおよび水の導入は、結合された流れまたは別個の流れであってもよい。新たなおよび再循環された混合ブテンおよび水流は、混合されるか、または反応器の中に別々に供給され得る。
内部バッフルシングルパス反応器は、少なくとも1つの水和触媒供給位置を有する。水和触媒供給位置は、内部バッフルシングルパス反応器の基端部の近くの少なくとも1つの反応物供給位置の下流である。反応物供給位置に対するこの位置は、反応物が水和触媒の導入前に互いに混合することを可能にし、これは、改善された選択性および変換を容易にする。
ブタノール生成システムの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器の操作可能な長さに沿って複数の反応区間を含む。一実施形態では、反応区間は、第1の混合ブテン導入位置と第2の混合ブテン導入位置との間の操作可能な長さである。他の実施形態では、反応区間は、混合ブテン導入位置と反応器の先端部との間である。他の実施形態では、反応区間は、第1のブテン水和触媒導入位置と第2のブテン水和触媒導入位置との間の操作可能な長さである。他の実施形態では、反応区間は、ブテン水和触媒導入位置と内部バッフルシングルパス反応器の先端部との間である。反応器の操作可能な長さに沿って複数の位置を通って混合された複数のブテンまたは1つのブテン水和触媒を導入することは、高められたレベルのプロセス制御およびブテン変換効率を可能にする。各反応区間は、内部バッフル構造、プロセス流体流量、コンピュータ制御システム、および反応区間温度の操作、ならびに圧力操作を含む、生成を容易にする異なる内部および外部プロセス支援装置を有する。
内部バッフルシングルパス反応器の操作可能な長さに沿った任意の所定の点では、内部流体導管軸は、その点で内部流体導管の断面積に対して垂直である。内部追加物(例えば、内部流動バッフル)がないと、流体は、内部バッフルシングルパス反応器の操作可能な長さを通過し、流れている間、内部流体導管軸と概して一直線のままである。
[内部流動バッフルおよびバッフルセル]
内部バッフルシングルパス反応器は、その操作可能な長さの少なくとも一部分に沿った一連の内部流動バッフルを有する。ブタノール生成システムの一実施形態は、一組の内部流動バッフルが内部流体導管の操作可能な長さ全体に沿って位置することを含む。
内部バッフルシングルパス反応器内の各内部流動バッフルでは、バッフルは、反応器の基端部に向かって方向付けられる一方の側(上流向きの側)、および反応器の先端部に向かって方向付けられる反対側(下流向きの側)を有する。バッフルは従来、反応器の内壁に沿った位置から垂直に延在し、かつ内部流体導管の中に内側に突出するように配向される。バッフルは通常、内部流体導管軸に垂直であるように配向されるが、他の構成が当業者に実現可能である。バッフルは、プロセス流体が、伝熱および混合を促進するようにプロセス流体流路の長さの大部分に対して内部流体導管軸と一直線に流れるのを防ぐ。
内部流動バッフルは、ロッド、有孔板、メッシュスクリーン、オリフィス板(中心にある流通窓、および中心から外れた流通窓)、ならびに区分された板を含む多くの物理的形状を有することができる。各バッフルは、各バッフルに対する流通窓を少なくとも部分的に画定する窓縁を有する。オリフィス板等のいくつかのバッフルでは、窓縁は、プロセス流体が流れるバッフル内に円形空隙を完全に画定する。他のバッフルでは、窓縁は、プロセス流体が流れる空隙を部分的に画定する。このようなバッフルを反応器の中に取り付けると、反応器の内壁は、流通窓の残部を画定する。バッフルの寸法に対する流通窓の寸法、内部流体導管の中心に対するその位置、他の隣接する内部バッフルに対するその形状(平行、斜行、垂直)は、プロセス流体の進行方向を変更する際の重要な要因である。
内部バッフルシングルパス反応器の内側を通る流体流路は、内部流体導管軸に対する隣接するバッフルの形状、流通窓、間隔、および配向を含む、反応器の内壁および内部流動バッフルの配列の両方によって画定される。プロセス流体流路の長さは、反応器の操作可能な長さより長い。バッフルは、プロセス流体が基端部から先端部までの距離を流れなければならないだけでなく、内部バッフルの周囲も移動しなければならないことにより、プロセス流体が反応器を通って通過する距離を増加させる。
複数の反応区間を有する反応器では、バッフルの異なる組は、各反応区間内に存在し得る。内部流動バッフルの配列は、各組内に、バッフルが位置する操作可能な長さの部分に沿って直列に配列され、かつその組における各隣接するバッフル間に等距離離間するような配列である。ブタノール生成システムの一実施形態は、その操作可能な長さに沿って1組以上の内部流動バッフルを有する内部バッフルシングルパス反応器を含む。
内壁を伴う内部流動バッフルは、内部バッフルシングルパス反応器の内部流体導管内に1組のバッフルセルを画定する。各バッフルセルは、一組のバッフルの中で上流バッフルの下流向きの側および下流バッフルの上流向きの側、ならびに反応器の内壁によって結合される。一組の内部流動バッフルと関連付けられたバッフルセルの数は常に、その組におけるバッフルの数未満のものである。
プロセス流体が内部バッフルシングルパス反応器を通過するとき、プロセス流体は、上流バッフルによって少なくとも一部画定された流通窓を通ってバッフルセルに入る。バッフルセルに入ると、プロセス流体を内部流動バッフル内に押し通すことによりプロセス流体内に誘起された渦の形成および概して正弦波の運動の両方を通じて、プロセス流体は、セル内で循環し、反応物、触媒、生成物をともに混合し、ならびに、プロセス流体の異なる部分間であるが、プロセス流体と反応器の内壁との間でも双方とも内部で熱を伝達する。プロセス流体は次に、下流バッフルによって少なくとも一部画定された流通窓を通ってバッフルセルから通過する。バッフルセルを通過するプロセスは、プロセス流体が反応器の操作可能な長さに沿ってバッフルセルからバッフルセルまで通過するときに繰り返される。
ブタノール生成プロセスの一実施形態では、ブテン水和触媒の導入は任意である。このようなプロセスでは、内部バッフルシングルパス反応器は、プロセス流体内の混合ブテンを混合ブタノールに選択的に変換する固体の不均一系ブテン水和触媒を含む。触媒は反応器の内部流体導管内のどこにでも含まれ得るが、反応物の混合および変換を最大限にする触媒を位置決めするための最も効果的な位置は、各バッフルセル内である。
各バッフルセル内の固体の不均一系ブテン水和触媒の位置は、材料、構造、およびバッフルセル構成要素への触媒の適用によって異なり得る。ペレットの形状、球体、または他の緩んだ、一般に構造化されていない形態では、触媒は、流動穴またはスロットおよびワイヤメッシュバッグを有する構造化フレームを含む容器または他の物理的拘束手段内に含まれてもよく、これは、プロセス流体が触媒を容器から搬送されることを可能にしない間、触媒の蓄積の中に、およびそこから自由に流れることを可能にする。これは、触媒が内部バッフルシングルパス反応器の先端部に向かって下流にプロセス流体流動とともに移動し、かつ分離システムを汚染することを防ぐ。非構造化触媒の自由形式構造は、内部流動バッフルの流通窓を含む、プロセス流体流路内の直接配置を可能にすることができる。ブタノール生成システムの一実施形態は、下流バッフルの流通窓を流れるプロセス流体が不均一系ブテン水和触媒と接触するように、不均一系ブテン水和触媒が位置することを含み、ブタノール生成プロセスの実施形態は、混合ブテンと水との反応が下流の流通窓に近接した各バッフルセル内で生じることを含む。触媒の位置は、上流バッフルの流通窓を流れるプロセス流体が不均一系ブテン水和触媒と接触するような位置であり得る。格子、マトリクス、およびシート等の構造化形態、ならびに硬化性、熱可塑性、および他の展性のある形状等の「非晶質(amorphous)」形態を含む触媒の他の形態は、触媒が内壁の内側向きの表面およびバッフルセルを画定する内部流動バッフル上に取り付けられ、付着され、塗装され、またはスプレーコーティングされることを可能にする。ブタノール生成システムの一実施形態は、触媒がバッフルセルを画定する内壁上に位置することを含み、ブタノール生成プロセスの実施形態は、混合ブテンと水との反応が内壁に沿って各バッフルセル内で生じることを含む。各バッフルセルでは、上流バッフルの下流向きの側および下流向きのバッフルの上流向きの側は、バッフルセルに向かって内側に方向付けられる。ブタノール生成システムの一実施形態は、触媒がバッフルセルに向かって内側に方向付けられる内部流動バッフルの側に位置することを含む。
[外部運動ドライバ]
ブタノール生成システムは、温度、質量流量、および圧力を含む、ブタノール生成プロセスの他の操作パラメータを変更せずに、プロセス流体の流動における不安定性を誘発する内部バッフルシングルパス反応器の外部のデバイスを含む。プロセス流体に運動を直接伝達することによってプロセス流体の流動における不安定性を誘発することは、外部運動ドライバを使用する。外部運動ドライバは、2〜5ヘルツの往復振動数および20〜40ミリメートルの往復振幅で操作することができる。
外部運動ドライバは、プロセス流体に運動を付与または伝達するために、電気、電気機械、水圧、空気圧、ガス注入、圧縮ガス、化学反応、および任意の他のシステムまたは装置を含む。
ブタノール生成プロセスの間、外部運動ドライバは、流体が内部バッフルシングルパス反応器を流れるとき、流体の運動量を分裂させることによってプロセス流体流動に不安定性を誘発する。外部運動ドライバは、プロセス流体が反応器の基端部から先端部に通過するとき、物理的様式でプロセス流体に作用する。外部運動ドライバは、プロセス流体と接触する装置の部分を用いて、振動、往復運動、変数、および非同期流体運動を含む運動をプロセス流体に伝達する。内部流体導管内の連結された装置の運動は、プロセス流体流動における不安定性を形成する。
不安定性を誘発せずに、ブタノール生成プロセスは、内部バッフルシングルパス反応器内に「定常状態(steady state)」条件を維持することができる。定常状態条件は、システム内の任意の点での流体特性が時間と比較したときに変化しない条件である。石油、石油化学、および化学操作の分野の当業者であれば、「定常状態操作(steady state operation)」が時々、いくつかのわずかなプロセス変動を含むが、一般に、操作条件、供給率、生成率が大幅に変化しないことを理解する。
外部運動ドライバによる運動の適用は、プロセス流体流動の流体運動量を分裂させることによって、定常状態流動条件を非定常状であるものに変化させる。非定常条件は、流体運動量の不安定化に反応して、システムの伝熱、反応効率、および全体的な生産性を含む、他のプロセスおよび生成条件に影響を与えるカスケード効果をもたらす。不安定性は、不安定にする運動の導入モーメント中に生じ、ある期間続き、その後、時間の関数として効果を減少する。追加の不安定相互作用がなく、かつ別の方法で一貫した操作条件を維持することによって、新しい定常状態条件、元の定常状態に類似し得るものが達成され得る。プロセス流体に方向付けられた不安定運動の繰り返される、定期的、または断続的な適用は、不安定性の連続的な条件を存在させる。
プロセス流体の誘発された非定常流動条件は、内部バッフルシングルパス反応器内の定位置と比較してプロセス流体の相対運動(例えば、加速、遅延)を変更する。非定常条件の誘発は、供給物導入および通過する粗生成物がプロセスの全体的な体積または質量流量に影響を与えるとき、反応器によって単位時間あたりの総体積または質量流量に影響を与えない。
プロセス流体内の流体渦および逆流の過渡形成および散逸は、非定常流動中に生じる。乱流と関連付けられたランダム方向の流動に類似して、非定常流動はまた、層状型流動に特有の低いレイノルズ数の流動様式で生じ得る。プロセス流体の非定常流動は、内部バッフルシングルパス反応器を通って移動するプロセス流体の一部分を過渡期のみ、予測不可能かつ非定常様式で流させることによってバッフルセル内の混合、反応、および伝熱を促進する。
外部運動ドライバは、プロセス流体に運動を直接付与するように操作可能であるデバイスに連結する。ピストンのような操作要素の操作は、さらに概して基端部から先端部に内部流体導管を流れる間、プロセス流体流動を上昇および後退させる。プロセス流体と流体接触する振動板のような装置は、非圧縮性プロセス流体に対して拡大および縮小し、内部流体導管内の類似の体積を変位させ、所望のプロセス流体流動の不安定性を形成する。
ブタノール生成システムの一実施形態は、2〜5ヘルツの往復振動数を有する振動器ヘッドを有する振動器アセンブリを含む。このような実施形態において、外部運動ドライバは、2〜5ヘルツの振動数で振動することによってプロセス流体流れ内に非定常性を誘起するように操作可能であり、代替の実施形態では、外部運動ドライバは約3ヘルツで振動する。ブタノール生成システムの実施形態は、20〜40ミリメートルの往復振幅を有する振動器ヘッドを有する振動器アセンブリを含む。このような実施形態において、外部運動ドライバは、20〜40ミリメートルの振幅で振動することによってプロセス流体流れ内に非定常性を誘起するように操作可能であり、代替の実施形態では、外部運動ドライバは約30ミリメートルの振幅で振動する。
ブタノール生成システムの一実施形態は、各外部運動ドライバがプロセス流体に運動量を直接付与するように操作可能なデバイスに連結する2つ以上の外部運動ドライバを含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、第1および第2の外部運動ドライバを同期的に操作することを含む。ブタノール生成プロセスの他の実施形態は、第1および第2の外部運動ドライバを非同期的に操作することを含む。
[温度制御システム]
温度制御システムは、温度修正流体を内部バッフルシングルパス反応器の外側に搬送して、ブタン水和反応に対して適切な温度を維持する。内部バッフルシングルパス反応器内の温度を維持するために有用な温度制御システムの例としては、熱交換器、冷却ジャケット、および送風機が挙げられる。有用な温度修正流体の例としては、水、エチレングリコール、および空気が挙げられる。温度修正流体の強制対流が典型的である。
[分離システム]
ブタノール生成システムは、粗生成物から混合ブタノール、混合ブテン、および水を分離するように操作可能な分離システムを含む。
ブタノール生成システムは、粗生成物から混合ブテンを選択的に分離して、ブテンを含まない粗生成物および回収された混合ブテンを生成するように操作可能である。回収された混合ブテンは、ブタノール生成システムによる再循環および反応物供給として内部バッフルシングルパス反応器への導入に有用である。未反応な混合ブテンの再循環は、ブテンプロセス効率を改善させる。
ブタノール生成システムはまた、粗生成物から水を選択的に分離して、水を含まない粗生成物を生成するように操作可能である。回収された水は、ブタノール生成システムによる再循環および反応物供給として内部バッフルシングルパス反応器への導入に有用である。水はまた、システムパージの一部として処分され得る。
ブタノール生成システムの一実施形態は、粗生成物からブテン水和触媒を別々に選択的に分離するように操作可能である。サイクロン分離システムは、より重質な液体および固体をより形質な生成物から分離させる粗生成物への遠心力を誘発する。サイクロン分離システムは、固体が角運動量の適用時に残りの液体から容易に分離するように、固体の不均一系触媒で特に有用である。インライン濾過はまた、粗生成物から固体を除去する類似の作業を行うことができ、固体が蓄積し、フィルタ表面からそれら自体の重量で剥離することを可能にする。気化器は、粗生成物の部分が蒸気を形成するように熱を粗生成物の中に導入することができる。薄膜蒸発器を含む蒸発器は、より低い操作圧力で気相状態を達成し得る粗生成物の部分から高温で沸騰する生成物および固体を分離することができる。水和触媒および回収された任意の他の固体または非常に重質な液体は、回収または処分のためにブタノール生成システムから排出され得る。
同伴流体は、粗生成物からブタノールを選択的に抽出することに有用である。粗生成物は、ある程度の水を含み、したがって水から容易に分離可能な水非混和性有機化合物を含み、抽出を実施するのに有用な水と比較して混合ブタノールが即時の親和力を有する。大気圧で混合ブタノールより低い蒸留沸点を有するエントレーナ流体はまた、これが混合ブタノールからエントレーナを分離することを比較的学問的にするときに有用である。有用なエントレーナ流体の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘキセン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびこれらの混合物が挙げられる。
粗生成物中の水と非混和性の希薄なエントレーナ流体の導入は、粗生成物を二相、エントレーナを含むブタノールに富んだ有機相、およびブタノールに乏しい水相に分離させる。ブタノール抽出塔は、エントレーナ相から水相を分離することができる。図1A〜図1Bは、生成水112として通過するブタノールの乏しい水相、およびブタノール分離塔186に移るブタノールに富んだエントレーナとブタノールとの混合物を生成するブタノール抽出塔184を示す。他の精製システムのプロセスは、ブタノールに富んだエントレーナ流体を精製された混合ブタノールおよび希薄なエントレーナ流体に変換する。
浸透気化膜は、粗生成物から混合ブタノールを直接分離することができる。浸透気化膜を含むブタノール生成プロセスは、混合ブタノールを選択的に浸透気化し、水を選択的に浸透気化しない。この浸透気化物は、精製された混合ブタノールを形成するように凝縮および蒸留され得る蒸気質の混合ブタノールである。この濾液は、いくつかの混合ブタノールを含む主に水からなる液体である。この種の精製システムからの濾液は、所望のブタノールを再捕捉するだけでなく、再利用するために水を貯蔵するために再循環することにも有用である。
[支持設備]
実施形態は、記載される装置、プロセス、方法、およびシステムを可能にし、操作可能にする多くの追加の標準構成要素または設備を含む。当業者に既知のこのような標準設備の例としては、熱交換、ポンプ、送風機、再沸器、蒸気発生、復水操作、膜、単段および多段圧縮器、分離および分別設備、バルブ、スイッチ、コントローラ、ならびに圧力検知デバイス、温度検知デバイス、レベル検知デバイス、および流動検知デバイスが挙げられる。
プロセスまたは方法の部分もしくは、プロセスまたは方法の全ステップの操作、制御、および性能は、人間の相互作用、予めプログラムされたコンピュータ制御システムおよび応答システム、またはこれらの組み合わせによって生じ得る。
[ブタノール生成システムの稼動]
ブテン水和触媒は、内部バッフルシングルパス反応器の操作条件でプロセス流体内の混合ブテンを混合ブタノールに選択的に変換するように操作可能である。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の温度が約80℃〜約150℃の範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の温度が約100℃〜約120℃の範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の圧力が約5バール〜約70バールの範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。
液体もしくは臨界流体状態における混合ブタノールもしくは混合ブタノールの構成要素のうちのいくつか、またはその両方の組み合わせを維持することは、内部バッフルシングルパス反応器内での混合を高めることができる。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の温度および圧力が、混合ブテンが液体状態であるような範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の温度および圧力が、混合ブテンが超臨界状態であるような範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。
内部バッフルシングルパス反応器内で生じる改善された混合は、標準の一定体積の反応器システムを有するものより、材料の高いスループットを可能にする。ブタノール生成プロセスの一実施形態は、内部バッフルシングルパス反応器内のプロセス流体の滞留時間が約0.1時間〜約0.2時間の範囲に維持されるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。滞留時間が短いと、空間速度がより大きくなり、有用性の低い2−ブテンへの異性化を引き起こし得る温度への1−ブテンの曝露を最小限に抑えられる。
[実施例]
特定の実施形態の実施例は、ブタノール生成システムおよびプロセスのより良い理解を容易にする。実施例は、決して本発明の範囲を限定または定義するべきではない。
[実施例1〜4および比較例1〜4]
振動バッフル反応器(OBR)は、5つの実施例の混合物(1〜4)を処理する。オートクレーブ反応器は、5つの比較例の混合物(1〜4)を処理する。各実施例は、類似の水:1−ブテンのモル値比および触媒:1−ブテンの相対関係の比較例を有する。例えば、実施例1は、比較例1と比較可能であり、実施例2は、比較例2と比較可能であり、以下同様である。表1は、実施例1〜4および比較例1〜4の組成を示す。導入された1−ブテン、水、および全体積は、ミリリットル(mL)である。モル比は、値のない数である。
各実施例および比較例を処理するために、各実施例または比較例のためのブテン水和触媒(D008;KaiRui Chemical Co.Ltd.;Hebei City,China)および水の量は、指定された反応器タイプ(OBR、オートクレーブ)の中に導入される。窒素圧下の1−ブテンの量は、それぞれの実験のために指定された反応器タイプの中に導入される。反応器を密閉すると、反応器は、操作温度(100〜110℃)まで昇温する。オートクレーブ反応器内の実験では、加熱ジャケットは、実験全体にわたって操作温度を維持する。OBR内の実験では、高温シリコーンオイルバスは、操作温度を維持する。反応時間は、オートクレーブおよびOBRの両方において1時間である。実施例の処理中、OBR反応器は、3ヘルツ(Hz)の周波数および30ミリメートルの振幅で実施例の組成物を混合し、一方、オートクレーブは、毎分200回転数(RPM)の速度で各比較例の組成物を撹拌する。両反応器は、これらの組成物を混合して、非混和性反応物の不均一系混合物を形成する。1時間後、各タイプの反応器は、混合することを中断し、室温まで冷却し、未反応の1−ブテンを放出する。各実施例および比較例の液体生成物を分析することは、存在する2−ブタノールの量および1−ブテンの変換効率を決定するのに役立つ。
表1は、同様の処理条件(すなわち、温度、時間、フィード組成)下、OBR内およびオートクレーブ反応器内で実施例および比較例のフィード組成物を処理した結果を示す。4つすべての試験において、重量パーセントでの量および1−ブテンの変換モルパーセントのいずれも、オートクレーブ処理した材料よりもOBR処理した材料の方が高い。
表1に見られるように、OBR実験運転のすべては、比較可能なオートクレーブ実施例の運転に対してより高い1−ブテンの変換率を有する。
図6は、振動バッフル反応器(実施例)およびオートクレーブ反応器(比較例)におけるモル百分率でのブテンからブタノールへの変換と対比した導入された水:1−ブテンのモル比を図示する。図6は、測定された1−ブテン変換率と対比する反応器の中に導入されたモル比の表3からのデータのプロットである。各組に対する情報のデータ(実施例および比較例)は、Microsoft Excel 2010(Redmond,Wash.)を使用して二次多項式を用いて曲線適合される。
図6はまた、導入された水:1−ブテンのモル比と1−ブテンのモルパーセントの変換率間の二次多項式の関係を示す。OBRでは、決定された二次関係は、0.99を超えるR値でよく適合される。OBR実験運転の二次多項式は、式1として表される。
(式1)
式中、MCRC4=/BtOHは、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへのモル変換率であり、MRH2O:C4=は、導入された混合物中の水対1−ブテンのモル比である。式1は、約1〜約21のモル比範囲に対して決定される。
加えて、OBR実験運転(実施例1〜4)の全モル変換率値は、ブタノールへの1−ブテンのモル変換率を推定するのに有用な2つの二次多項式関係間で適合する。式1に類似する2つの式は、破線「多項式(低)(Poly.(Low))」および「多項式(高)(Poly.(High))」として図4に図示される。式2および式3は、実施例のモル比範囲に対する実施例1〜4のモル変換率値を含む。
(式2)
(式3)
式中、EMCRC4=/BtOHは、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへの推定モル変換率であり、MRH2O:C4=は、導入された混合物中の水対1−ブテンのモル比であり、これは、約1〜約21の範囲である。ブタノール生成方法の一実施形態は、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへのモル変換率が、式2および式3によって決定されるように、推定モル変換率値の範囲内であるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。ブタノール生成方法の一実施形態は、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへのモル変換率が、式2によって決定されるように、推定モル変換率値をほぼ超えるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。加えて、式1〜3に類似するあと2つの式が、破線「多項式(中低)(Poly.(MedLow))」および「多項式(中高)(Poly.(MedHigh))」として図6に図示される。式4および式5は、実施例1に近く、かつ式2と式3の中間の実施例のモル比範囲に対する実施例1〜4のモル変換率値を含む。
(式4)
(式5)
式中、EMCRC4=/BtOHは、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへの推定モル変換率であり、MRH2O:C4=は、導入された混合物中の水対1−ブテンのモル比であり、これは、約1〜約21の範囲である。ブタノール生成方法の一実施形態は、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへのモル変換率が、式4および式5によって決定されるように、推定モル変換率値の範囲内であるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。ブタノール生成方法の一実施形態は、モルパーセントでの1−ブテンからブタノールへのモル変換率が、式4によって決定されるように、推定モル変換率値の範囲をほぼ超えるように、ブタノール生成システムを操作することを含む。
[実施例5および比較例5]
実施例1〜4に使用されるOBRは、実施例の混合物5を処理する。比較例1〜4に使用されるオートクレーブ反応器は、比較例の混合物5を処理する。実施例および比較例は、類似の水:1−ブテンのモル値率および触媒:1−ブテンの体積関係を有する。表2は、実施例5および比較例5の組成を示す。導入された1−ブテン、水、および全体積は、ミリリットル(mL)である。モル比は、値のない数である。
実施例5および比較例5の処理は、ブテン水和触媒がオルトリン酸(HPO)(Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,Mo.)であることを除いて、実施例1〜4および比較例1〜4に対するプロセスにそれぞれ類似する。
表2は、類似の処理条件(すなわち、温度、時間、組成)下でOBR対オートクレーブ反応器内での実施例および比較例の組成物の処理の結果を示す。これらの運転では、重量パーセントの量および1−ブテンの変換モル百分率の両方は、オートクレーブ処理材料に対するものよりもOBR処理材料に対するものが高い。酸水和変換触媒を使用することによって、類似の処理条件におけるOBRの使用が、1−ブテンを水和させるためのオートクレーブ反応器よりも優れていることが確認される。

Claims (14)

  1. 水および混合ブテンから精製された混合ブタノールを生成するためのブタノール生成システムであって、
    水、混合ブテンおよび混合ブタノールを含むプロセス流体を選択的に含み、かつ混合して粗生成物を生成する、内壁および基端部と先端部との間の操作長さによって画定された内部流体導管と、
    前記内部流体導管の前記操作長さの少なくとも一部に沿って位置する、環状であり、かつ前記内壁に固定され、プロセス流体内に渦を発生させる内部流動バッフルと、
    前記操作長さに沿って連続して位置し、かつ前記内壁によって外径で、ならびに前記内部流動バッフルによって第1の端部および第2の端部で画定されたバッフルセルであって、前記内部流動バッフルのうちの1つは、前記バッフルセルのうちの1つの前記第2の端部および隣接するバッフルセルの前記第1の端部の両方を画定する、バッフルセルと
    を有する内部バッフルシングルパス反応器と、
    精製された混合ブタノールが生成されるように、前記粗生成物を選択的に受け入れ、かつ前記粗生成物から前記水と前記混合ブテンを分離するために配向された、前記内部バッフルシングルパス反応器と流体連通している分離システムであって、前記分離システムは、前記内部バッフルシングルパス反応器の内部へのポートを介して前記内部バッフルシングルパス反応器の前記バッフルセルの少なくとも1つと流体連通している分離システムと、
    前記プロセス流体が前記内部バッフルシングルパス反応器に沿って概して正弦波の運動をするように、前後直線運動で選択的に移動可能な、前記プロセス流体と連通している往復振動器ヘッドを有する、前記内部バッフルシングルパス反応器の前記基端部に連結されている振動器アセンブリと
    を含み、
    前記振動器アセンブリが、前記振動器ヘッドに機械的に連結され、かつ前記振動器ヘッドを選択的に駆動する外部運動ドライバを含み、
    前記振動器アセンブリが、前記内部バッフルシングルパス反応器と、前記外部運動ドライバを前記振動器ヘッドに機械的に結合するプロセス流体振動器部材と、を密封係合する振動器シール部を含み、
    前記外部運動ドライバは、前記プロセス流体振動器部材に結合した回転円板を含む、
    ブタノール生成システム。
  2. 前記内部流動バッフルのそれぞれが、円板状プレートを通って延びるオリフィスを有する円板状プレートで形成されている、請求項1に記載のブタノール生成システム。
  3. 前記円板状プレートの外径が前記内壁に固定されている、請求項2に記載のブタノール生成システム。
  4. 前記オリフィスが、前記バッフルセル内の前記プロセス流体内に渦を発生させるサイズにされ、かつ前記プレート内に配置されている、請求項2に記載のブタノール生成システム。
  5. 前記振動器ヘッドの外径が前記内壁と摺動係合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブタノール生成システム。
  6. 前記分離システムが、前記内部流体導管の前記先端部と流体連通している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブタノール生成システム。
  7. 前記バッフルセルが、前記内部流体導管の操作長さ全体に沿って位置する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブタノール生成システム。
  8. 前記振動器ヘッドが、2〜5ヘルツの往復振動数を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブタノール生成システム。
  9. 前記振動器ヘッドが、20〜40ミリメートルの往復振幅を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のブタノール生成システム。
  10. 水と混合ブテンとの組み合わせから精製された混合ブタノールを生成するための方法であって、
    内壁および基端部と先端部との間の操作長さによって画定された内部流体導管と、
    前記内部流体導管の前記操作長さの少なくとも一部に沿って位置する、環状であり、かつ前記内壁に固定された内部流動バッフルと、
    前記操作長さに沿って連続して位置し、かつ前記内壁によって外径で、ならびに前記内部流動バッフルによって第1の端部および第2の端部で画定されたバッフルセルであって、前記内部流動バッフルのうちの1つは、前記バッフルセルのうちの1つの前記第2の端部および隣接するバッフルセルの第1の端部の両方を画定する、バッフルセルと
    を有する内部バッフルシングルパス反応器を提供するステップと、
    混合ブテン、水および混合ブタノールを含むプロセス流体を前記内部バッフルシングルパス反応器に通すステップと、
    前記内部バッフルシングルパス反応器内の前記プロセス流体を混合して、前後直線運動で選択的に移動可能な往復振動器ヘッドを有する、前記内部バッフルシングルパス反応器の前記基端部に連結されている振動器アセンブリを含む前記内部バッフルシングルパス反応器に沿って前記プロセス流体内に概して正弦波の運動と渦の形成を誘起することにより粗生成物を生成するステップと、
    前記振動器ヘッドに機械的に連結されている外部運動ドライバを用いて前記振動器ヘッドを駆動するステップであって、前記外部運動ドライバを前記振動器ヘッドに機械的に結合する振動器シール部で前記内部バッフルシングルパス反応器とプロセス流体振動器部材とを密封係合し、前記外部運動ドライバは、前記プロセス流体振動器部材に結合した回転円板を含むステップと、
    前記内部バッフルシングルパス反応器と流体連通している分離システム内で前記水と前記混合ブテンを前記粗生成物から分離して、精製された混合ブタノールを生成するステップと、
    前記バッフルセルのうちの少なくとも1つの内部から前記分離システムに前記プロセス流体を移すステップとを含み、
    前記分離システムは、前記内部バッフルシングルパス反応器の前記バッフルセルの少なくとも1つと前記内部バッフルシングルパス反応器の内部へのポートを介して流体連通している、方法。
  11. 前記内部バッフルシングルパス反応器内の前記プロセス流体を混合するステップが、前記プロセス流体を前記内部流動バッフル内に押し通すことにより前記バッフルセル内の前記プロセス流体内に渦を誘起するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記内部流体導管の前記先端部の前記分離システムに前記プロセス流体を移すステップをさらに含む、請求項10または請求項11に記載の方法。
  13. 前記振動器アセンブリを2〜5ヘルツの往復振動数で操作するステップをさらに含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記振動器アセンブリを20〜40ミリメートルの往復振幅で操作するステップをさらに含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
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