JP6843866B2 - ハロゲン化アルカンを調製するための改善されたプロセス - Google Patents

ハロゲン化アルカンを調製するための改善されたプロセス Download PDF

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Description

本開示は一般にハロゲン化アルカンを調製するためのプロセスに関する。
ハロゲン化アルカンは、農産物、医薬品、洗浄溶媒、溶媒、ゴム、シリコーン、及び冷媒を含む多くの生成物の有用な中間体である。ハロゲン化アルカンを調製するためのプロセスは、時間がかかり、ほどほどに効率的であり、再現性に欠ける場合がある。
クロロプロパン、特に1,1,1,3−テトラクロロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、多くの生成物のための、特に冷媒のための有用な中間体である。それらの調製のための一般的なプロセスは、アルケン、四塩化炭素、トリアルキルホスフェート、及び鉄触媒を反応させることからなる。US4,650,914は、非粉末形態の鉄及び機械的撹拌を使用してバッチ式モードで行われるそのようなプロセスを教示している。US6,313,360及びUS8,907,147は、粉末鉄及び機械的撹拌を使用する連続式プロセスを開示している。これらの場合の各々おいて、これらのプロセスはほどほどに効率的であるが、再現性及び一貫した収率に欠ける場合がある。ハロゲン化アルカン、及び塩素化プロパンを生成し得るプロセスであって、高い再現性、一貫したより高い収率を示すであろうプロセスを開発することは様々な再循環策略を利用し、より高いスループットが有利であろう。
アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせと少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンとの間の反応を介してハロゲン化アルカンを調製及び単離するためのプロセスが本明細書で提供される。そのプロセスは、a.少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種のリン含有化合物を含む液相と、金属、金属塩、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種の触媒と、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせとを接触させることによって反応器内で反応混合物を形成することであって、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせが、液相中に少なくとも部分的に吸収される、形成することと、b.反応混合物を撹拌することと、c.反応混合物を加熱することと、d.ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成することと、を含み、反応混合物の上に気相が存在する。当業者は、反応混合物を撹拌すること及び反応混合物を加熱することが、他方の前または同時に起こり得ることを理解するであろう。これは本出願全体を通して真実である。そのプロセスは、以下のプロセス工程のうちの少なくとも1つを更に含む:(I)反応混合物を撹拌することがジェット混合を含む、(II)プロセスが、工程eを更に含み、工程eが、i.2つの生成物ストリーム(a)及び(b)が形成される第1の分離器に反応器の内容物の少なくとも一部を移送することであって、生成物ストリーム(a)が、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及びアルケンまたはハロゲン化アルケンを含み、生成物ストリーム(b)が、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む、移送することと、ii.生成物ストリーム(b)の少なくとも一部をイオン交換樹脂と接触させて生成物ストリーム(c)を形成することであって、生成物ストリーム(c)が、生成物ストリーム(b)と比較したときにより少ない少なくとも1種の金属イオンを含有する、形成することと、iii.生成物ストリーム(c)の少なくとも一部を反応器に戻すことと、を含み、(III)プロセスが工程fを更に含み、工程fがi.2つの生成物ストリーム(a)及び(b)が形成される第1の分離器に反応器の内容物の少なくとも一部を移送することであって、生成物ストリーム(a)が、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及びアルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含み、生成物ストリーム(b)が、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む、移送することと、ii.生成物ストリーム(b)の少なくとも一部を反応器に移送して戻すことと、iii.生成物ストリーム(a)を第2の分離器に移送し、2つの生成物ストリーム(d)及び(e)を生成することであって、生成物ストリーム(d)がハロゲン化アルカンを含み、生成物ストリーム(e)が少なくとも1つの塩素原子を有するハロゲン化メタン及びアルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含む、生成することと、iv.任意に、生成物ストリーム(e)の少なくとも一部を反応器に導入することと、を含み、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つが、リボイラー、底部段、またはその両方を含み、第1の分離器または第2の分離器が、分離しているか、または単一の分離装置内に収容され得、第1及び第2の分離装置が単一の分離装置内に収容されている場合、単一の分離装置が、生成物ストリーム(d)の少なくとも一部を生成物ストリーム(b)及び(e)から分離し、分離器のうちの1つ以上が、アルカン、アルケン、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アルケン、または窒素を含む気体または低沸点液体のうちの1つ以上が、第1の分離器のリボイラー、第2の分離器のリボイラー、第1の分離器の底部段、第2の分離器の底部段、またはこれらの組み合わせに導入される多段蒸留塔である。
本発明の他の特徴及び反復を以下により詳細に説明する。
ジェットノズル(基準ケース)及び気体排出ノズル(それぞれ反応器の頂部に設置され、2つのレベルの循環流のために下方に向けられている)を介して液体循環を伴う連続式反応器におけるTetの転化率対反応器滞留時間を示している。より高い循環流が基準ケースの要因として示されている。 バッチ式オートクレーブにおける2つのレベルの鉄金属表面積での反復実行の転化率対時間のデータを示している。より大きな金属表面積でより高い転化率が達成される。 1,1,1,3−テトラクロロプロパン(250fb)の生成を試験するための実験室スケールのバッチ式オートクレーブのダイアグラムを示している。 バッチ式オートクレーブにおける2つのレベルの鉄金属表面積での反復実行の転化率対時間のデータを示している。より大きな金属表面積でより高い転化率が達成される。 バッチ式オートクレーブにおける2つのレベルの鉄金属表面積での反復実行の選択率対転化率のデータを示している。より小さな金属表面積でわずかに高い選択率が達成された。 バッチ式オートクレーブにおける鉄及びTBPの濃度を変動させた2時間の実行時間におけるTet転化率を示しており、遊離(モル過剰の溶解鉄)TBPが反応速度を改善することを実証している。反応速度は、鉄金属を有しないか、塩化鉄を添加していない場合に非常に遅い。匹敵する遊離TBPレベルでは、実行の開始時に高い塩化鉄の添加(高いFeCl3:遊離TBPのモル比)がより遅い反応速度をもたらす。 総TBP濃度に対してプロットされた図4のデータを示しており、鉄と錯体化したTBPがより高い転化率に寄与しないことを実証している。 触媒及びTBPの濃度を変動させた場合の250fbデータに対する選択率対転化率を示している。一般に、より高いFe−TBP錯体及びより高い遊離TBPはいずれもより高い選択率に寄与する。 温度及び撹拌速度を変動させた場合の250fbデータに対する選択率対転化率を示している。一般に、温度が高いほどより高い選択率をもたらした。 バッチ式オートクレーブにおける2時間におけるTet転化率対温度のデータを示している。反応速度は、約90℃より高く最大で120℃の温度に影響を受けなかった。 液体を反応器の底部に注入して内部反応器循環を誘導する液体ジェットを介して反応液体が循環される潜在的な反応器設計を示している。 液体を反応器の頂部に気相を介して液相に注入する液体ジェットを介して反応液体が循環される代替的な反応器設計を示している。 反応器の頂部からの気体を液体循環ストリームと混合し、得られた混合物を反応器の液相の頂部に注入する排出ノズルを有する代替的な反応器設計を示している。液相への拡張は、反応器における液体循環を誘導するために、反応器の底部においてドラフトタブ内に任意である。 反応器の頂部からの気体を液体循環ストリームと混合し、得られた混合物を反応器の底部に注入する排出ノズルを有する代替的な反応器設計を示しており、液体及び気体バブルは床を通って上方に移動する。 塔T1、T2、及びT3を含む1,1,1,3−テトラクロロプロパンを生成するための連続式プロセスの簡略化されたダイアグラムを示している。 3つの蒸留塔を用いる1,1,1,3−テトラクロロプロパン(1113)を生成するための連続式プロセスのブロックダイアグラムを示している。 塔の数を3から2に減少させるための側部抜き出し蒸留塔を用いる1,1,1,3−テトラクロロプロパン(1113)を生成するための連続式プロセスのブロックダイアグラムを示している。 塔の数を3から1に減少させるための側部抜き出し蒸留塔を用いる1,1,1,3−テトラクロロプロパン(1113)を生成するための連続式プロセスのブロックダイアグラムを示している。
本明細書では、ハロゲン化アルカンを調製するためのプロセスが開示されている。一般に、そのプロセスは、以下に詳述する条件下で、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせと、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンとの間の反応を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物は、少なくとも1つの排出器ノズルを使用するジェット混合によって撹拌され、その排出器ノズルからの流れは、反応混合物の液相の方に向けられることが利用される。
別の好ましい実施形態では、反応混合物は2つの生成物ストリームに分離される。生成物ストリーム(a)は、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを含み、アルケンまたはハロゲン化アルケンは、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む生成物ストリーム(b)から分離される。生成物ストリーム(b)は生成物蒸気(c)を生成するイオン交換触媒と接触し得る。このイオン交換触媒は、上記プロセスで生成された不活性化された鉄触媒、金属イオン、及び他の不純物を除去し得、生成物ストリーム(c)はプロセスに戻されて、プロセスの増大した反応速度及びより高いコスト効率を提供し得る。
更に別の好ましい実施形態では、より低い温度での効果的な分離を容易にし、それにより副反応または高圧を最小にし、それにより真空機器のための資本コスト及び/またはエネルギーを低減するために、低沸点液体が分離器に注入され得る。
追加の好ましい実施形態では、反応混合物は、少なくとも1つの排出器ノズルを使用するジェット混合によって撹拌され、その排出器ノズルからの流れは、反応混合物の液相の方に向けられることが利用され、反応混合物が2つの生成物ストリームに分離される。生成物ストリーム(a)は、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを含み、アルケンまたはハロゲン化アルケンは、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む生成物ストリーム(b)から分離される。生成物ストリーム(b)は生成物蒸気(c)を生成するイオン交換触媒と接触し得る。このイオン交換触媒は、上記プロセスで生成された不活性化された鉄触媒、金属イオン、及び他の不純物を除去し得、生成物ストリーム(c)はプロセスに戻されて、プロセスの増大した反応速度及びより高いコスト効率を提供し得る。
また別の好ましい実施形態では、反応混合物は2つの生成物ストリームに分離される。生成物ストリーム(a)は、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを含み、アルケンまたはハロゲン化アルケンは、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む生成物ストリーム(b)から分離される。生成物ストリーム(b)は生成物蒸気(c)を生成するイオン交換触媒と接触し得る。このイオン交換触媒は、上記プロセスで生成された不活性化された鉄触媒、金属イオン、及び他の不純物を除去し得、生成物ストリーム(c)はプロセスに戻されて、プロセスの増大した反応速度及びより高いコスト効率を提供し得る。また、分離プロセス中に、より低い温度での効果的な分離を容易にし、それにより副反応または高圧を最小にし、それにより真空機器のための資本コスト及び/またはエネルギーを低減するために、低沸点液体が分離器に注入され得る。
更に別の好ましい実施形態では、反応混合物は、少なくとも1つの排出器ノズルを使用するジェット混合によって撹拌され、その排出器ノズルからの流れは、反応混合物の液相の方に向けられることが利用され、反応混合物が2つの生成物ストリームに分離される。また、分離プロセス中に、より低い温度での効果的な分離を容易にし、それにより副反応または高圧を最小にし、それにより真空機器のための資本コスト及び/またはエネルギーを低減するために、低沸点液体が分離器に注入され得る。
更に別の好ましい実施形態では、反応混合物は、少なくとも1つの排出器ノズルを使用するジェット混合によって撹拌され、排出器ノズルからの流れは、反応混合物の液相の方に向けられることが利用され、反応混合物が2つの生成物ストリームに分離される。また、反応混合物は2つの生成物ストリームに分離される。生成物ストリーム(a)は、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを含み、アルケンまたはハロゲン化アルケンは、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む生成物ストリーム(b)から分離される。生成物ストリーム(b)は生成物蒸気(c)を生成するイオン交換触媒と接触し得る。このイオン交換触媒は、上記プロセスで生成された不活性化された鉄触媒、金属イオン、及び他の不純物を除去し得、生成物ストリーム(c)はプロセスに戻されて、プロセスの増大した反応速度及びより高いコスト効率を提供し得る。また、分離プロセス中に、より低い温度での効果的な分離を容易にし、それにより副反応または高圧を最小にし、それにより真空機器のための資本コスト及び/またはエネルギーを低減するために、低沸点液体が分離器に注入され得る。
これらのプロセスは、他の従来の方法と比較して、収率、純度、循環時間、選択率、及びスループットにおける改善を示している。本発明の別の態様では、分離された反応物は、プロセスに戻して再循環されて、プロセスの改善された効率及びコスト低下を提供する。
(I)ハロゲン化アルカンの調製プロセス
本開示の一態様は、ハロゲン化アルカンの調製プロセスを包含する。そのプロセスは、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンと、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせと、トリアルキルホスファイト、トリアルキルホスフェート、及びこれらの組み合わせを含む少なくとも1種のリン含有化合物と、少なくとも1種の触媒と、を含む、反応混合物を形成することを含む。この反応混合物が形成されると、反応混合物が撹拌及び加熱されて、ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成する。
(a)反応混合物
プロセスは、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンと、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせと、リン含有化合物と、少なくとも1種の触媒と、を含む、反応混合物を調製することによって開始する。
(i)アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせ
多種多様なアルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせがプロセスで使用され得る。当業者によって理解されるように、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせが液体または気体として反応において導入され得るが、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは液相に少なくとも部分的に可溶性であり得る。様々な実施形態では、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは、反応器におけるポートを介して液相の表面より上または液相の表面より下に導入され得る。以下に詳述するプロセスの条件下で、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは液体であり得、次いで液体から気体への相転移を受け得る。当業者によって理解されるように、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは反応器に導入されて、反応器と圧力を維持し得る。
一般に、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは、1〜5個の炭素原子を含む。アルケンの非限定的な例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、及び3−メチル−1−ブテンが含まれ得る。ハロゲン化アルケンの非限定的な例は、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化アリル、フッ化アリル、1−クロロ−2−ブテン、1−フルオロ−2−ブテン、3−クロロ−1−ブテン、3−フルオロ−1−ブテン、3−クロロ−1−ペンテン、3−フルオロ−1−ペンテン、及びこれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、アルケンはエチレンである。別の実施形態では、ハロゲン化アルケンは塩化ビニルである。
(ii)少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン
少なくとも1つの塩素原子を含む多種多様なハロゲン化メタンがこのプロセスで使用され得る。少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの非限定的な例には、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジフルオロクロロメタン、トリフルオロクロロメタン、ブロモクロロメタン、ジブロモクロロメタン、トリブロモクロロメタン、クロロヨードメタン、クロロジヨードメタン、クロロトリヨードメタン、ブロモクロロフルオロメタン、ブロモクロロジフルオロメタン、クロロジブロモフルオロメタン、ブロモクロロフルオロヨードメタン、ブロモクロロジヨードメタン、及びこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンは四塩化炭素である。
一般に、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが過剰に使用され得る。一般に、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせに対するモル比は、0.1:1〜約100:1の範囲であり得る。様々な実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせに対するモル比は、0:1〜約100:1、0.5:1〜約75:1、1:1〜約10:1、または1.2:1〜約5:1の範囲であり得る。様々な実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせに対するモル比は、1.2:1〜約2:1の範囲であり得る。少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン及びアルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは、本質的に乾燥している。すなわち、それは、1000ppm未満の水含有量を有する。より低い水濃度が好ましいが、必須ではない。
(iii)リン含有化合物。
様々な実施形態では、リン含有化合物がプロセスで使用され得る。リン含有化合物は、当業者が理解するように、遷移金属と錯体を形成して、反応媒体に可溶性である遷移金属リン含有化合物錯体を形成し得る。リン含有化合物の例には、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。トリアルキルホスフェート及びトリアルキルホスファイトの好適な非限定的な例には、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、及びトリ−tertブチルホスファイトが含まれ得る。一実施形態では、リン含有化合物は、トリアルキルホスフェート、とりわけトリブチルホスフェートである。
(iv)触媒
多種多様な触媒がプロセスで使用され得る。いくつかの実施形態では、触媒は遷移金属触媒であり得る。本明細書で使用される場合、「遷移金属触媒」という用語は、遷移金属元素、遷移金属塩、遷移金属含有合金、またはこれらの組み合わせを指す。少なくとも1種の触媒における遷移金属の非限定的な例には、鉄及び銅が含まれ得る。当業者によって理解されるように、好適な金属の酸化状態は変動し得、例えば、(0)、(I)、(II)、及び(III)であり得る。好適な遷移金属の非限定的な例は、銅(0)、銅(I)、銅(II)、鉄(0)、鉄(II)、及び鉄(III)であり得る。一実施形態では、遷移金属は、(0)、(II)、(III)の酸化状態の鉄、及びこれらの組み合わせであり得る。別の実施形態では、遷移金属は、(0)、(I)、(II)の酸化状態の銅、及びこれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒は遷移金属元素を含み得る。例えば、遷移金属元素は、ホイル、シート、スクリーン、ウール、ワイヤ、ボール、板、パイプ、棒、バー、または粉末の形態であり得るが、粉末は好ましくない。他の実施形態では、遷移元素は合金の一部であり得る。合金の非限定的な例は、ギルディングメタル、青銅、マグネシウム青銅、スズ青銅、アルミニウム青銅、リン青銅、丹銅、黄銅、鋳鉄、銑鉄、鋼、工具鋼、及びウーツ鋼であり得る。様々な実施形態では、少なくとも1種の触媒は、担体の表面上に集められ得る。好適な担体の非限定的な例は、アルミナ、シリカ、シリカゲル、珪藻土、炭素、及びクレーであり得る。非限定的な例には、アルミナ上の銅、シリカ上の銅、炭素上の鉄、珪藻土上の鉄、及びクレー上の鉄が含まれ得る。一実施形態では、遷移金属は、元素の鉄、元素の銅、銅の合金、鉄の合金、またはこれらの組み合わせの形態の鉄または銅であり得る。
一実施形態では、少なくとも1種の触媒は遷移金属塩を含み得る。好適な遷移金属塩の非限定的な例には、アセテート、アセチアセトネート、アルコキシド、ブチレート、カルボニル、ジオキシド、ハライド、ヘキソネート、ヒドリド、メシラート、オクタネート、ナイトレート、ニトロシルハライド、ニトロシルナイトレート、スルフェート、スルフィド、スルホネート、ホスフェート、及びこれらの組み合わせが含まれ得る。好適な遷移金属塩の非限定的な例には、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、臭化鉄(III)、酸化銅(II)、及び酸化鉄(III)が含まれ得る。一実施形態では、遷移金属塩は、塩化銅(I)、塩化銅(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、またはこれらの組み合わせであり得る。
様々な実施形態では、プロセスで使用される鉄触媒は、Fe(0)、Fe(II)、及びFe(III)などの様々な酸化状態であり得る。一態様では、鉄触媒は、元素の鉄または鉄合金としてFe(0)単独であり得る。追加の態様では、鉄触媒は、Fe(0)及びFe(II)塩の混合物を含み得る。別の態様では、鉄触媒は、Fe(0)及びFe(III)塩の混合物を含み得る。また別の態様では、鉄触媒は、Fe(II)塩及びFe(III)塩の混合物を含み得る。更に別の態様では、鉄触媒は、Fe(0)、Fe(II)塩、及びFe(III)塩の混合物を含み得る。また別の実施形態では、反応におけるFe(II)及びFe(III)の比を調節するために電気化学セルが利用され得る。
他の実施形態では、プロセスで使用される銅触媒は、Cu(0)、Cu(I)、及びCu(II)などの様々な酸化状態であり得る。一態様では、銅触媒は、元素の銅または銅合金としてCu(0)単独であり得る。追加の態様では、銅触媒は、Cu(0)及びCu(I)塩の混合物を含み得る。別の態様では、銅触媒は、Cu(0)及びCu(II)塩の混合物を含み得る。また別の態様では、銅触媒は、Cu(I)塩及びCu(II)塩の混合物を含み得る。更に別の態様では、銅触媒は、Cu(0)、Cu(I)塩、及びCu(II)塩の混合物を含み得る。また別の実施形態では、反応におけるCu(I)及びCu(II)の比を調節するために電気化学セルが利用され得る。
一般に、少なくとも1種の触媒の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比は、約0:1〜約0.1:1の範囲であり得る。様々な実施形態では、少なくとも1種の触媒の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比は、0:1〜約0.1:1、0.0001:1〜約0.05:1、0.0025:1〜約0.01:1、または0.005:1〜約0.008:1の範囲であり得る。好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比は、約0.001:1〜約0.007:1の範囲であり得る。
一般に、溶解した元素金属のリン含有化合物に対するモル比は、1:1〜約1:1000の範囲であり得る。様々な実施形態では、溶解した元素金属のリン含有化合物に対するモル比は、1:1〜約1:1000、1:1〜約1:500、1:1〜約1:100、または1:1〜約1:10の範囲であり得る。1つの好ましい実施形態では、溶解した元素金属のリン含有化合物に対するモル比は、1:1.5〜約1:3の範囲であり得る。
一般に、金属塩のリン含有化合物に対するモル比は、1:1〜約1:1000の範囲であり得る。様々な実施形態では、金属塩のリン含有化合物に対するモル比は、1:1〜約1:1000、1:1〜約1:500、1:1〜約1:100、または1:1〜約1:10の範囲であり得る。1つの好ましい実施形態では、金属塩のリン含有化合物に対するモル比は、1:1.5〜約1:3の範囲であり得る。
別の実施形態では、連続式反応器内の少なくとも1種の触媒は、固定触媒床の一部であり得る。また別の実施形態では、連続式反応器内の少なくとも1種の触媒は、カートリッジの一部であり得る。また別の実施形態では、少なくとも1つの触媒は、金属が充填物または非構造化充填物の一部である構造化または非構造化充填物の一部であり得る。固定床、カートリッジ、構造化充填物、または非構造化充填物を使用して、触媒が含有され、容易に置換され得る。
一実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対する触媒の表面積の比は、少なくとも0.1cm/(g/時)である。別の実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対する触媒の表面積の比は、少なくとも2.0cm/(g/時)である。
(v)任意のフリーラジカル開始剤
別の実施形態では、フリーラジカル開始剤がプロセスで任意に利用され得る。一般に、フリーラジカル開始剤は、有機または無機のフリーラジカル開始剤であり得る。好適な有機または無機のフリーラジカル開始剤の非限定的な例には、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシド、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、過硫酸カリウム、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。
一般に、有機または無機のフリーラジカル触媒の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比は、約1:10〜約1:100000の範囲であり得る。様々な実施形態では、有機または無機のフリーラジカル触媒の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比は、1:10〜約1:100000、1:100〜約1:10000、1:500〜約1:5000、または約1:750〜約1:1000の範囲であり得る。
(vi)UVまたは可視光の任意の使用
様々な実施形態では、反応を促進するためにUVまたは可視光が使用され得る。一般に、反応へのUVまたは可視光の暴露は、数分間の期間またはプロセス全体を通して生じ得る。
(vii)プロセスへの触媒(複数可)の導入
一般に、少なくとも1種の触媒は、様々な手法でプロセスに導入され得る。一態様では、金属、金属塩(複数可)、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種の触媒がプロセスに直接導入され得る。別の態様では、少なくとも1種の触媒を含む触媒溶液は、金属、金属塩(複数可)、またはこれらの組み合わせの少なくとも一部を、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンとリン含有化合物との混合物に溶解させ、次いでこの溶液を反応器に添加することによって調製され得る。更に別の実施形態では、触媒溶液は、金属、金属塩(複数可)、またはこれらの組み合わせと、リン含有化合物と、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンとを混合することによって反応器の内部で生成され得る。当業者によって理解されるように、少なくとも1種の触媒または少なくとも1種の触媒の溶液を反応器に導入するための他の方法が考えられ得る。触媒が添加される前にアルケンが反応器に存在し得るか、またはアルケンは触媒の後に反応器に添加され得る。
(b)反応条件
当業者によって理解されるように、上記プロセスはバッチ式モードまたは連続式モードで実行され得、連続式モードが好ましい。
連続式モードでは、撹拌タンク反応器が使用され得るか、または理想的なプラグ流反応器の性能に近づけるための一連の撹拌タンク反応器が利用されてプロセスの全体の効率を改善し得る。別の実施形態では、連続式モードでのプロセスは、当業者によって理解されるように、気体−液体−固体システムの混合を改善するために様々な方法で撹拌され得る。
一般に、ハロゲン化アルカンの調製プロセスは、内部または外部の熱交換器を使用して約80℃〜約140℃の温度を維持するために行われる。当業者によって理解されるように、反応物及び生成物の一部を沸騰または蒸発させることによって反応器の温度が部分的に維持される。様々な実施形態では、反応の温度は、約80℃〜約140℃、85℃〜約130℃、90℃〜約120℃、または約95℃〜約115℃で維持され得る。
一般に、プロセスは約大気圧(約14.7psi)〜約200psiの圧力で行われ得るので、気体及び液体の量は好適な量であるため、反応が進行してプロセスの反応速度を維持し得る。様々な実施形態では、プロセスの圧力は、約大気圧(約14.7psi)〜約200psi、約20psi〜約180psi、約40psi〜約160psi、約80psi〜約140psi、または100psi〜約120psiであり得る。
一般に、クロマトグラフィ(例えば、GC−ガスクロマトグラフィ)などの当業者に既知の任意の方法によって決定されるように、反応が完了するまで十分な時間、反応を進行させる。反応の持続時間は、約5分〜約16時間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、反応の持続時間は、約5分〜約16時間、約1時間〜約12時間、約2時間〜約10時間、約4時間〜約8時間、または約5時間〜約7時間の範囲であり得る。
(c)反応の撹拌
当業者によって理解されるように、反応器の内容物を撹拌するための、及び/または液相への増加した気体吸収を提供するための多くの方法が存在する。これらの方法は、プロセスの増大した反応速度を提供するであろう。様々な実施形態では、これらの方法は単に反応混合物の液相を混合する。他の実施形態では、その方法は、反応混合物の液相を混合するだけでなく、反応混合物の液相への増大した気体吸収を提供する。また別の実施形態では、その方法は、反応器の反応混合物の液相への増大した気相の吸収を提供する。反応器の液相内容物を適切に撹拌するための非限定的な方法は、ジェット撹拌、インペラ、反応器内のバッフル、またはこれらの組み合わせであり得る。反応器の内容物を混合するためだけでなく、反応混合物の液相への増加した気体吸収を提供するための方法の非限定的な例は、少なくとも1つの排出器を使用するジェット撹拌、少なくとも1つのノズル及び少なくとも1つの排出器を含むジェット撹拌、気相を介して液相に向けられた少なくとも1つのノズルを含むジェット撹拌、液相中への適切な気体吸収を作り出す特別に設計されたインペラ、特別に設計されたバッフルを有する反応器、及びこれらの組み合わせであり得る。反応器の液相への増加した気相の吸収を提供するための方法の非限定的な例は、噴霧ノズルであり得、液相は噴霧ノズルを介して気相中にポンプ輸送され、気体の液体噴霧への吸収をもたらす。これらの方法のうちの少なくとも1つが、プロセスの反応速度を維持するためにプロセスで利用され得る。
少なくとも1つのノズルを利用するジェット混合は、当業者によって理解されるように、反応混合物の液相の一部を反応器から抜き出し、液相を少なくとも1つのノズルを介して反応器にポンプ輸送して戻し、それにより液相中に乱流を作り出す。少なくとも1つのノズルは、液相の表面の下に配置され得、それにより液相中に乱流を作り出し、更なる混合を提供する。少なくとも1つのノズルは、液相の表面に配置され得るか、または気相を介して液相中に向けられ得、それにより反応混合物の更なる乱流を提供するだけでなく、液相中への気相の更なる吸収を提供する。
少なくとも1つの排出器を利用するジェット混合は、当業者によって理解されるように、反応混合物の液相の一部を反応器から抜き出し、液相を少なくとも1つの排出器ノズルを介して反応器にポンプ輸送して戻す。排出器ノズルは、反応混合物の気相から気体を引き抜く排出器における吸引を提供し、循環液相と気体を混合し、得られた液体と気体との混合物を反応器の液相に戻す(液体は、循環液体相と比較して増加した気体の吸収を有していた)。排出器ノズルからの流れが反応混合物の液相の方に向けられる場合、液相における気体の気体吸収が増大し、反応混合物の乱流が増大する結果となる。
ジェット混合はまた、少なくとも1つのノズル及び少なくとも1つの排出器を利用し得る。この構成では、上述したように、反応混合物中の増大した乱流だけでなく、気体の液相への増大した気体吸収が実現され得る。
噴霧ノズルの使用も利用され得る。噴霧ノズルを使用して、反応混合物からの液相の液滴を生成する噴霧ノズルを介して液相がポンプ輸送される。これらの液滴は気相中に放出され、それらは気相の少なくとも一部を吸収する。液滴は次いで反応混合物の液相に再度組み込まれ、それにより反応混合物の液相に溶解した気体の量を増加させる。
他の実施形態では、ドラフトチューブがプロセスで利用され得る。ドラフトチューブは、反応混合物の内部再循環を提供する。循環は、少なくとも1つの液体ジェットから、少なくとも1つの気体排出器ノズルから、反応器内の上昇気体バブルから、またはこれらの組み合わせからのエネルギーによって誘導され得る。
当業者によって理解されるように、方法の少なくとも1つまたはこれらの組み合わせがプロセスで利用され得る。好ましい実施形態では、少なくとも1つの排出器ノズルを使用するジェット混合であって、排出器ノズルからの流れが反応混合物の液相の方に向けられる、ジェット混合が利用される。
(d)ハロゲン化アルカンを調製するためのプロセスからの産生
プロセスは、上記で概要を述べたように、ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成する。一般に、プロセスは、反応器の液相中に少なくとも50重量パーセント(重量%)のハロゲン化アルカンを生成する。様々な実施形態では、ハロゲン化アルカンは、反応器の液相中に少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%で生成される。
一般に、プロセスは、ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成する。これらの重質副生成物は、生成物全体の分布において5重量%未満で生成される。様々な実施形態では、これらの重質不純物は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満であり得る。
好ましい態様では、ハロゲン化アルカンはシクロアルカンであり、シクロアルカンは1,1,1,3−テトラクロロプロパンまたは1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンである。
(II)ハロゲン化アルカン及び再循環ストリームの分離
プロセスにおける次のステップは、所望の収率及び/または純度でハロゲン化アルカンを単離するために、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つを介して、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせ、リン含有化合物、少なくとも1種の触媒、重質副生成物、及び軽質不純物を含む反応器の内容物から、精製されたハロゲン化アルカンを分離することを含む。様々な実施形態では、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つは、蒸留塔または多段蒸留塔であり得る。また、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つが、リボイラー、底部段、またはこれらの組み合わせを更に含み得る。様々な蒸留塔がこの能力で使用され得る。一実施形態では、中間段または分割された壁塔(分割壁塔(DWC))からの出口ストリームを提供する側部抜き出し塔または蒸留塔は、3つ以上の成分の混合物を高い純度の生成物に分離することが可能な単一シェルの完全に熱結合した蒸留塔であり、それが分離器として使用され得る。プロセスによって生成された様々な生成物ストリームの一部は反応器に戻して再循環され得、反応速度の上昇、効率の上昇、プロセスの全体のコストの減少、所望のハロゲン化アルカンの選択率の上昇、及び所望のハロゲン化アルカンの収率の増加を提供し得る。
1つの分離器を利用するプロセスは、反応器の内容物の一部または内容物を分離器に移送することによって開始する。この操作では、プロセスの内容物の一部が、2つの別個の生成物ストリーム、すなわち、生成物ストリーム(a)及び(b)に分離され得る。生成物ストリーム(a)は、ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを含み、アルケンまたはハロゲン化アルケンは、重質副生成物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む生成物ストリーム(b)から分離される。
一実施形態では、固体/液体相分離装置が利用され得る。プロセスの加熱中に固体が形成される。この固体/液体分離装置を利用することにより、固体が除去され、反応器の汚染が防止される。
別の実施形態では、生成物ストリーム(b)は更なる処理を受け得る。生成物ストリーム(b)は生成物蒸気(c)を生成するイオン交換触媒と接触し得る。このイオン交換触媒は、不活性化された鉄触媒、金属イオン、及び上記プロセスで生成された他の不純物を除去し得る。これらの種の除去は、精製塔における反応器及び/またはリボイラーの汚染を防止し得るだけでなく、少なくとも1種の触媒の活性を維持する。生成物蒸気(c)は、生成物ストリーム(b)と比較して少ない金属イオンを含有するであろう。イオン交換触媒を接触させた後の生成物ストリーム(c)は次いで、反応器に戻して再循環され得る。この生成物ストリームは、有用な量のリン含有化合物を含有し得、少なくとも1種の触媒の活性を維持し得、プロセスの反応速度を維持し得、プロセスのコストを低減し得る。
様々な実施形態では、イオン交換樹脂はカチオン交換樹脂であり得る。カチオン交換樹脂の非限定的な例は、スルホン酸基を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、カルボン酸基を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、及びこれらの組み合わせであり得、カチオン交換樹脂はナトリウムまたは水素形態であり、反応混合物中の金属イオンはナトリウムまたは水素イオンと交換される。好ましい態様では、カチオン交換樹脂は、スルホン酸基を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、及びこれらの組み合わせであり得、反応混合物中の金属イオンはナトリウムまたは水素イオンと交換される。
別の実施形態では、生成物ストリーム(a)の一部は、2つの追加の生成物ストリーム(d)及び(e)を生成する第2の分離器に移送され得る。生成物ストリーム(d)は精製されたハロゲン化アルカンを含む一方で、生成物ストリーム(e)は少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン及びアルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含む。生成物ストリーム(d)は、ハロゲン化アルカンの所望の収率及び/または純度を達成するために、追加の分離器に更に移送され得る。
別の実施形態では、第1及び第2の分離装置は、単一の分離装置内に収容され得る。この構成では、ハロゲン化アルカンを含む生成物ストリーム(d)は、側部ストリームとして取り出され得、少なくとも1つの塩素原子を有する未転化のハロゲン化メタン、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせ、及び軽質副生成物を含む生成物ストリーム(e)は、塔頂流として取り出され得、リン含有化合物及び重質副生成物を含む生成物ストリーム(b)は、底部流として取り出され得る。この構成は、他の構成と比較して追加の効率を提供するであろう。各生成物ストリーム(b)、(d)、及び/または(e)は、反応器に戻され、精製され、またはパージされ得る。更に別の実施形態では、第1の塔は、生成物の精製を改善するために分割壁塔を使用し得る。分離装置のこの構成を使用して、生成物ストリーム(d)の一部が生成物ストリーム(b)及び(e)から分離され得る。
第1もしくは第2のいずれか、または両方の分離器は、より低い温度での分離を容易にするための、大気圧超または真空下で稼働される多段蒸留塔であり得、それにより生成物の損失または機器の汚染を引き起こし得る副反応を受ける傾向を低減する。一実施形態では、より低い温度での効果的な分離を容易にし、それにより副反応または高圧を最小にし、それにより真空機器のための資本コスト及び/またはエネルギーを低減するために、アルカン、アルケン、ハロゲン化アルケン、窒素、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化アルカン、またはこれらの組み合わせを含む低沸点液体は、分離器、好ましくは第1の分離器のリボイラー、第2の分離器のリボイラー、第1の底部段、第2の底部段、またはこれらの組み合わせに注入され得る。別の実施形態では、少なくとも1つの塩素原子を有するハロゲン化アルカンは、反応器の内容物を受け入れる第1の蒸留塔に注入される一方で、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせは、第2及び/または第3の塔に注入される。別の実施形態では、第1の蒸留塔のリボイラーが反応器である。この構成では、プロセスのスループットを増加させるために、反応物及び生成物の一部を沸騰除去または蒸発させることによって反応器の温度が部分的に維持される。また別の実施形態では、反応器の圧力は、約大気圧(約14.7psi)〜200psiに維持され得る。分離のためのこれらの条件は、不純物を最小にしながら高純度のハロゲン化アルカンを維持する。
様々な実施形態では、生成物ストリーム(b)及び/または(e)の少なくとも一部は、反応器に戻して再循環され得るか、または反応器に戻して再循環される前に新鮮な供給物と混合され得る。これらのストリームはまた、別のプロセスに供給されて他の生成物を生成し得る。更に別の実施形態では、生成物ストリーム(b)は分離されて重質副生成物の一部が反応器に戻される一方で、重質副生成物の残りの部分は反応器からパージされ得る。これらのストリームはまた、別のプロセスに供給されて他の生成物を生成し得る。これらの工程は、効率を改善し、コストを低減し、汚染物質を低減し、プロセスのスループットを増大させるために実施され得る。
更に別の実施形態では、少なくとも1種の触媒が、抽出によって生成物ストリームから分離され得る。この抽出は、水または別の極性溶媒を使用して、使用済みのまたは不活性化された触媒を除去し得る。別の実施形態では、抽出は、反応器または他の下流のプロセスに導入して戻され得る活性遷移金属リン錯体を分離し得る。上記で定義された抽出プロセスを使用することは、全体のコストに関してプロセスに追加の効率を提供し得る。
プロセスで生成されたハロゲン化アルカンを含む生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態では、プロセスで生成されたハロゲン化アルカンを含む生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の収率を有し得る。
プロセスからの生成物ストリーム(c)または(d)に含有されるハロゲン化アルカンは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
好ましい態様では、ハロゲン化アルカンは、1,1,1,3−テトラクロロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンである。
(III)好ましい態様:1,1,1,3−テトラクロロプロパン
(a)1,1,1,3−テトラクロロプロパンの調製プロセス
本開示の一態様は、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの調製プロセスを包含する。そのプロセスは、上述の反応条件下で、エチレン、四塩化炭素、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含むリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を接触させることによって開始する。
(b)反応条件
反応条件は、節(I)(b)で上述されている。
(c)反応混合物の撹拌
反応混合物の撹拌は、節(I)(c)で上述されている。
(d)1.1.1.3−テトラクロロプロパンを調製するためのプロセスからの産生
好ましい実施形態では、プロセスは、1,1,1,3−テトラクロロプロパン、ならびに所望の生成物1113よりも高い沸点を有する重質副生成物及び他の不純物(所望の生成物1113よりも低い沸点を有する軽質副生成物など)を生成する。当業者によって理解されるように、プロセスは、副生成物の形成を最小にし、かつ1,1,1,3−テトラクロロプロパンの形成を最大にするために行われる。重質副生成物の非限定的な例には、1,1,1,5−テトラクロロペンタン及びペンタクロロプロパン異性体が含まれ得る。
一般に、プロセスは、少なくとも50重量%の収率で1,1,1,3−テトラクロロプロパンを生成し、生成物全体の分布において5重量%未満の重質副生成物不純物を生成する。様々な実施形態では、1,1,1,3−テトラクロロプロパンは、反応器の液相中に少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%で生成される。他の実施形態では、重質副生成物は、反応器の液相中に4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満であり得る。
(e)1,1,1,3−テトラクロロプロパン及び再循環ストリームの分離
1,1,1,3−テトラクロロプロパン及び再循環ストリームの分離は、節(I)(e)で上述されている。
プロセスで生成された1,1,1,3−テトラクロロプロパンの生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態では、プロセスで生成された1,1,1,3−テトラクロロプロパンを含む生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の収率を有し得る。
プロセスからの生成物ストリーム(c)または(d)に含有される1,1,1,3−テトラクロロプロパンは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
(IV)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの調製プロセス
(a)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの調製プロセス
本開示の一態様は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの調製プロセスを包含する。そのプロセスは、上述の反応条件下で、塩化ビニル、四塩化炭素、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含むリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を接触させることによって開始する。
(b)反応条件
反応条件は、節(I)(b)で上述されている。
(c)反応混合物の撹拌
反応混合物の撹拌は、節(I)(c)で上述されている。
(d)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを調製するためのプロセスからの産生
好ましい実施形態では、プロセスは、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、ならびに所望の生成物11133よりも高い沸点を有する重質副生成物及び所望の生成物11133よりも低い沸点を有する軽質副生成物などの他の不純物を生成する。当業者によって理解されるように、プロセスは、副生成物の形成を最小にし、かつ1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの形成を最大にするために行われる。重質副生成物の非限定的な例には、ヘキサクロロプロパン異性体が含まれ得る。
一般に、プロセスは、少なくとも50重量%で1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを生成し、生成物全体の分布において5重量%未満の重質副生成物不純物を生成する。様々な実施形態では、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、反応器の液相中に少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%で生成される。他の実施形態では、重質副生成物は、反応器の液相中に4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満であり得る。
(e)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン及び再循環ストリームの分離
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン及び再循環ストリームの分離は、節(I)(e)で上述されている。
プロセスで生成された1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態では、プロセスで生成された1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを含む生成物ストリーム(a)または(d)は、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の収率を有し得る。
プロセスからの生成物ストリーム(c)または(d)に含有される1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
定義
本明細書に記載された実施形態の要素を導入する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び「前記(said)」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図されている。「含む(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であり、かつ列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味することが意図されている。
以下の略語は、実施例における様々な成分を説明するために使用される。
本発明を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び変形が可能であることは明らかである。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。実施例に開示された技術が、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって発見された技術を表すことは、当業者によって理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態において多くの変更がなされ得、依然として類似または同様の結果が得られることを理解するはずであり、そのため説明された全ての事項は、例示的なものであり、限定的な意味ではないと解釈されるべきである。
実施例1:連続式反応器における1,1,1,3−テトラクロロプロパンの試験生成
Monelから7Lの容積を有する連続式円筒状反応器を構築した。底部区分は鉄(Fe(0))が充填され、単位液体体積当たりの表面積は2.27 1/cmであった。反応器内の液体体積は約3.5リットルで維持され、これはFe充填物よりわずかに上であった。頂部区分は、液体ジェットノズル(基準ケース)及び気体排出ノズルを含む、反応器の底部から抜き出された液体がポンプ輸送される様々な装置を備えていた。反応器の底部から頂部に循環される液体の流れを、基準ケースの速度の約1倍から3倍に変動させた。液体はまた、反応器の底部から熱交換器を介して循環され、90〜110℃の特定の温度を維持した。Tet供給混合物を反応器に連続的にポンプ輸送し、液体生成物を連続的に抜き出してレベルを維持した。循環配管及び機器内の体積を除き、Tet供給に基づく反応器における表面上の滞留時間は1〜2時間であった。エチレンを、5〜12barの特定の圧力を維持するのに十分な速度で反応器の頂部に供給した。反応器からの液体のサンプルを集め、ガスクロマトグラフィによって分析した。
図1は、反応器の頂部への2つのレベルの液体循環速度における滞留時間に対してプロットされたM4転化率を示している。ジェットノズル(基準ケース)及び排出器の2つの異なるノズルを使用して循環液体を噴射した。より高い循環速度は、改善された気体/液体及び液体/固体塊移送特質のために、より速い反応速度をもたらした。図1はまた、一定の温度、圧力、及びTBP濃度で、基準ケース及び排出器ケースの両方でより長い滞留時間(より低いM4供給速度)及びより高い再循環速度でTet転化率が改善したことを示している。「基準ケース」と表示されたデータは、液体の下方に向けられた反応器の頭部スペースの頂部における1/2インチのID液体ノズルを有していた。図2は、基準ケースと排出器ノズルケースの選択率が、80%のM4転化率で94%超のままであり、より低い転化率でより高いことを示している。
実施例2:バッチ式オートクレーブにおける1,1,1,3−テトラクロロプロパンの試験生成
以下のプロトコルは、オートクレーブ内で約10〜15ccの液体体積で鉄触媒(金属及び/またはFeCl)及びアルキルホスフェート促進剤の存在下での四塩化炭素(Tet)とエチレンとの反応による実験室における1,1,1,3−テトラクロロプロパン(250fb)の生成を試験するために設計された。実験設定が図3に示されている。反応速度及び選択率を測定した。温度、鉄表面積、FeCl、及びホスフェート添加、エチレン圧力、及び/または撹拌速度を変動させた様々な試験実行を実施した。オートクレーブは、鉄ワイヤまたはチップをオートクレーブに添加することによって調製された(ワイヤは、撹拌インペラに巻き付けられ得るか、または反応器の底部で巻き付けられ得る)。代替的には、鉄ビーズまたは他の形状を採用して、必要な表面積を提供し得る。重量で10%のFeCl、17.5%のトリブチルホスフェート(TBP)、及び72.5%の四塩化炭素(Tet)のストック溶液を調製した。基準実行(1.9cm2の金属を使用するM、R、S、T、U、W、2A、及び11.5cm2のFe金属を使用する2B−2F、2J、2P)、17gのTet、0.126gのトリブチルホスフェート、及び0.765gのストック溶液をバイアルに添加して混合した。液体反応物を反応器(オートクレーブ)に注ぎ、反応器を密閉し、撹拌を開始した。オートクレーブを窒素で2回パージし、エチレンで3回パージした(撹拌しながらいくらかの不活性物質及び微量の水を液体反応物から除去した)。次いで、オートクレーブに約120psigまでエチレンを充填し、エチレン供給口を閉鎖した。オートクレーブを所望の温度(90〜120℃)に加熱した。所望の温度に達したら、エチレン供給バルブを開き、圧力を所望のレベルに設定した。サンプル(0.3cc)を定期的な間隔(例えば、1、2、3時間)で取り出し、GCによって分析した。反応が完了したとき(または所望のTet変換が達成されたとき)、加熱を止め、システムを35℃未満に冷却し、エチレンを止め、システムを排気した。鉄ワイヤの最終重量を測定した。表1は試験実行の反応条件を示している。実行は、90〜120℃、60〜140psig、及び150〜1100rpmの撹拌速度で行った。鉄金属、塩化鉄、及びTBPの量を変動させた。表2は試験実行のためのいくつかの反応パラメータを示しており、表3は転化率及び選択率のデータを示している。
図3は実験室オートクレーブ装置を示している。図4は、2つのレベルの鉄金属表面積での基準実行のTet転化率対時間の典型的な傾向を示している。図5は、類似する実行セットの選択率対転化率を示している。より高い表面積は、より高い転化率をもたらしたが、わずかに低い選択率をもたらした。図6及び7は、遊離TBPの量(添加された塩化鉄と比較したモル過剰量)及び総TBPのそれぞれに対する2時間での転化率を示している。図6は、鉄金属を有しないか、塩化鉄を添加していない場合に反応速度が非常に遅いことを明確に示している。塩化鉄は必要とされるが、それは鉄金属からその場で生成することができ、しかし反応速度は最初遅い。図6は、匹敵する遊離TBPレベルで、実行の開始時に高い塩化鉄の添加(高いFeCl:遊離TBPのモル比)がより遅い反応速度をもたらすことを示している。図6と7の比較は、鉄金属及び塩化鉄のいくらかの最小の必要レベルを考慮すると、遊離TBP(総TBPではない)が反応速度の主要な推進要因であることを示している。これは、図7における実行3Lの0.836gの総TBPの添加ポイント(非常に高い)を、図6における対応するポイントと比較することによって特に明らかである。総TBPは高かったが、Fe−TBP錯体(実行3E)の高いレベルは、図6における同様の遊離TBPレベルでの実行と比較して反応速度を抑制した。これは、Fe−TBP錯体の再循環が、遊離TBPの供給と比較して同じ利益を提供しないことを示している。触媒再循環ストリームから鉄を除去するためにいくつかの方法が利用可能であるとしたら、触媒再循環がより効果的であろうし、反応器への新鮮なTBP供給の量を減少させ得るであろう。図8では、選択された実行の転化率に対して250fbへの選択率がプロットされている。低い転化率での低い選択率は、典型的には、選択率計算に含まれた出発反応物中の不純物によって引き起こされるが、より高い転化率ではそれほど重要ではなくなった。図8は、添加される遊離TBPが一定である場合に、Fe−TBP錯体の量を減少させると、より低い選択率をもたらすことを示している。一定のFeClの添加で、添加される遊離TBPを減少させることも選択率を低下させる。実行3LにおけるFe−TBP錯体の非常に高いレベルでは、選択率はより低く開始したが、観察された最も高い選択率レベルの1つまで上昇した。高い初期の遊離TBP及びFeClの添加なしでは、Fe−TBP錯体を発生させるために3時間消化した後、選択率は低く開始し、次いで上昇した。図9は、選択率が一般により高い温度でより高いことを示している。実行2Vは、この結論と矛盾した唯一の実行であった。図10は、反応速度が一般に約100℃を超える温度に対して感受性でないことを示している。これは、典型的なアレニウスの挙動から逸脱し、恐らく液相におけるエチレン溶解度に対する温度の影響による。
実施例3:金属Feを用いないFe+2/+3の組み合わせの使用
金属鉄を使用せずに1,1,1,3−テトラクロロプロパン(250fb)をTet+エチレンから調製し得るかどうかを試験するために、実施例2からの基準ケース(実行2B−2F、2J、及び2P)を、Fe(0)ワイヤを使用しなかったことを除き、本質的に上記で詳述したように実施した。むしろ、基準実行におけるFeClと同じモル量でFeClを使用する。実行2Lは鉄金属を有していなかったが、第二鉄の代わりに第一鉄を含有していた。2時間の滞留時間で、98.1%の選択率で16%のTet転化率が達成される(表1参照)。反応器生産性にはFe(0)が必要とされ、FeCl単独では、基準実行におけるFe(0)と組み合わせたFeClと比較して約4倍遅い反応速度を提供する。
実施例4:分離工程における金属鉄及びTBPからの活性種の生成及び主反応器への供給
実験条件は、FeClを使用しなかったことを除き、実施例2に詳述された基準ケース(2B−2F、2J、及び2P)で使用されたものと同様であった。むしろ、エチレンの添加及び反応の開始の前に、Tet及びTBPの溶液をFe(0)の存在下、100℃で約3時間加熱した。Tet転化率は2時間後で52%、2.9時間後で67%であった。選択率は96%を超えた。反応速度は基準ケースよりも大幅に低かったが、商業的使用には十分であった。
実施例5:1,1,1,3−テトラクロロプロパンまたは1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの連続生成プロセス
以下の実施例は、反応物を混合する手段として内部再循環を伴う連続流反応器において、FeCl及び/またはFeCl、アルキルホスフェート、及び非粉末Fe(例えば、金属挿入物)からなる触媒システムを使用して、CClをエチレンと反応させて1113を生成するか、またはCClを塩化ビニル(VCM)と反応させて11133を生成することによる1,1,1,3−テトラクロロプロパン(1113または250fb)または1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(11133または240fa)の生成を詳述する。図15は、1113を生成するためのプロセスの簡略化されたダイアグラムを示している。図16は、1113を生成するためのプロセスのより詳細なブロックダイアグラムを示している。図17及び図18は、より少ない資本コストでより少ない蒸留塔を使用する代替的なプロセスを示している。
250fb(1,1,1,3−テトラクロロプロパンまたは1113)の生成のための提案された反応器設計が図11に示されている。ここで、反応物C、CCl、及び触媒促進剤TEP(トリエチルホスフェート)またはTBP(トリブチルホスフェート)がライン10に供給されてスパージャーチューブ12に入れられる。供給スパージャーチューブ12は、表4に示される寸法を有する反応器チャンバ15内の中心チューブ13に接続されている。反応物は、チューブ中心13を上方に流れ、チューブを反応器チャンバの頂部に残し、そこでエチレンなどの軽質反応物が気相ゾーン14の頂部に集められる。軽質反応物のエチレンと液体反応物(CCl)との間の混合が促進されるように、反応物は、乱流より高い速度(Re#>3000)でチューブ13を出て噴出する。当業者によって理解されるように、流れは、混合が生じるのであれば、乱流でも非乱流でもよい。混合反応物は次いで、固定床として支持された触媒Fe(0)ゾーン21に流下する。表5に示されるように、床の空隙率は非常に高いが、その理由は、Fe(0)がワイヤ、構造化または非構造化充填物の形態であり得るからである。表5はまた、中心チューブ13のIDの関数としてのFe(0)床21の潜在的な寸法を示している。反応物は、床21を通って流れた後または流れている間に生成物に転化され、ポンプ17によって駆動される出口ライン20を通って反応器の底部における環領域で反応器を出る。ポンプを出る生成物の一部は、ライン23を介する精製のために取り出され、残りは、表4に示されるように所望の温度を維持するために交換器18によって冷却または加熱された後にライン22を介して反応器に戻して再循環される。表4はまた、表6に示される生成物の30KTAを生成するための他の所望の稼働条件を示している。再循環ストリーム22の質量流は、望ましくは、ライン10における新鮮な反応物流の3倍より大きい。
図12は、触媒床を通る内部チューブがなく、液体を反応器の気相を介して液相に向けたノズルを介して反応器の頂部に液体循環ストリームが戻されることを除き、表4〜6に詳述されたものと同様の特性を有する代替的な反応器設計のダイアグラムを示している。ノズルは、気体/液体塊移送を提供するための噴霧ノズル、または気体を液相に押し込み、液相に乱流を作り出すジェットノズルであり得る。
別の反応器設計がまた図13に示されている。この反応器は、ジェット排出器及び反応温度を制御するための外部熱交換器を使用し、Tet、TBP、及び任意にFeClはポンプ吸引に供給されるか、または反応器に直接添加され得る。ポンプからの循環ストリームは、原動流体として排出器に供給され、その排出器は、気相において反応器の頭部内に備え付けられている。反応器の頭部からの気体は排出器に引き抜かれ、排出器への液体供給物と混合する。得られた混合物は排出器を出て、反応器内部の液相に導かれる。排出器の出口の任意の拡張チューブを使用して、排出器を出る混合物中の気相を反応器内の液相に押し込み、それによりバブルを作り出し得る。
また別の反応器設計が図14に示されている。この設計は、排出器が反応器の外側に備え付けられ、液体循環ストリームが反応器の頂部において液相から抜き出され、気体/液体混合物を含有する排出器出口が、鉄触媒床の下の反応器の底部に向けられていることを除き、図13に示されるものと類似している。エチレンは反応器の頂部に供給され得、Tet、TBP、及び任意にFeClがポンプ吸引に供給され得る。
図16は、上記で示した反応器設計のいずれかと共に使用され得るプロセス設計を示している。T1は、1113及び1115の分離のための凝縮器及びリボイラーを有するフラッシュ塔である。リボイラー温度は90℃で実行し得る。液体滞留時間は1日未満であり得る。圧力は200Torrまたは4psiaであり得る。
T2は、重質物パージ(すなわち、1115)及び触媒再循環のための凝縮器及びリボイラーを有する触媒再循環塔である。リボイラー温度は110℃で実行し得る。液体滞留時間は6時間未満であり得、圧力は50Torrまたは1psiaであり得る。焼却に対する重質物ストリームのパージ率は10%であり得る。
T3は、Tet及び1113の分離のための凝縮器及びリボイラーを有する軽質物蒸留塔である。リボイラー温度は110℃で実行し得る。液体滞留時間は、200Torrまたは4psiaの圧力で4時間未満であり得る。
実施例6:連続式プロセスの変更
実施例5に詳述され、図15及び16に図示される連続式プロセスは、より低い底部温度(リボイラー汚染を最小にするために)及び/またはより高い圧力(真空ポンプのサイズ及びエネルギーを低減するために)での煮沸を容易にするためにTet(低沸点液体)をT−2の蒸留リボイラーに注入することによって変更された。また、より高い圧力は蒸留塔のサイズを縮小させ、そのため資本コストを潜在的に低減する。
表8は、2つの異なる条件下での標準実行及びTet注入実行の結果を示している。
実施例7:連続式プロセスの変更
実施例5に詳述され、図15及び16に図示される連続式プロセスは、より低い底部温度での煮沸を容易にするために(リボイラー汚染を最小にするために)Tet(低沸点液体)をT−1の蒸留リボイラーに注入することによって変更された。塔供給は一定のままであった。表9は、標準実行及びTet注入実行の結果を示している。
実施例8:250FBの精製を改善するためのCを使用する精製
250FB仕上げ塔T−3の精製を改善するためのCの使用を図16に図示される従来の真空蒸留性能と比較する。この方法は、23℃低いリボイラー温度で同様の生成物品質を得ることができることを示している。この方法はまた、潜在的に大幅に少ないリボイラー汚染及びリボイラー稼働に必要とされるより少ないエネルギーを示唆している。
実施例9:2つの蒸留塔及び3つの蒸留塔を比較する250FBを生成するためのプロセス。
図17は、CCl及びCの反応から250FBを生成するプロセスを表し、2つの蒸留塔が使用されて生成物を精製する。蒸留塔T−2及びT−3の理論段の数は17であり、追加の塔T−1がまた17段を使用する3つの蒸留塔を用いる場合と同じように維持されている。反応器R−1からの粗液体生成物を第1の蒸留T−2に供給し、ここで重質副生成物を含む底部生成物をT−2底部ストリームから81℃で採取する。T−2底部ストリームの約75%がR−1に再循環される一方で、残りはプロセスからパージされる。−13℃でのT−2の塔頂ストリームを圧縮し、T3塔頂蒸気ストリーム(T3OH−V)と組み合わせて0.1℃で冷蔵凝縮器に入れる。凝縮した液体をT−3塔に供給し、ここでT−3底部ストリームにおいて99.2%の純度(モルによる)を有する生成物が得られる。主としてCClからなるT−3塔頂液体ストリームは、液体貯蔵庫に送られ、更に下流プロセスに送られてPercを製造する。C−1液体リングコンプレッサの塔頂からのエチレンを含む排出ストリームもまたPercに送られ得る。T−2底部重質物ストリームはまたTBP−FeClx(xは1、2、または3である)錯体を含み、それらの組成はここには示されていないことに留意されたい。表11は、3つの塔と同じ純度で250FBを提供する2つの塔を示しており、それ故、これは、より少ない稼働及び資本コストでのプロセスを提供する。
実施例10:1つの蒸留塔を使用して250FBを調製するためのプロセス。
図18は、1つの蒸留塔のみを使用して250FBを生成するためのプロセスを示している。各ストリームのストリーム進路には、10ppmを超えるモル分率の成分が提供される。表12は、3塔対1塔を使用した生成物の純度レベルを比較しており、生成物は、30段を有する蒸留塔の頂部から段23の液体からの側部ストリームから取り出される。これは、3塔の使用と比較して、1塔のみを使用すると約1%未満のより低い純度しか達成されないことを示している。
実施例11:イオン交換によるFe除去
100ccのビーカーに、オートクレーブ実行のうちの1つからの6.84gの粗製250fbを添加した。そのサンプルは、Fe−TBP錯体として1050重量ppmの総Feを有していた。これに、約40%の水を含有する0.33gのDowex50WX2(H型)(元の樹脂の重量は0.93gであり、約79%の水を含有し、窒素で部分的に乾燥されていた)を添加した。ビーカーの内容物を30分間撹拌し、総Fe濃度を分析し、それは253ppmであった。遊離TBPの増加したレベルは、250fb反応器へ再循環された場合、主としてFe−TBP錯体の形態であるTBPを再循環させるより活性であることが想定されるが実証されてはいない。
以下に、本願の出願当初の発明を実施の態様として付記する。
[1]
ハロゲン化アルカンを生成するためのプロセスであって、前記プロセスが、
a.少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種のリン含有化合物を含む液相と、金属、金属塩、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種の触媒と、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせとを接触させて、それにより反応混合物を形成することによって反応器内で反応混合物を形成することであって、前記アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせが、前記液相中に少なくとも部分的に吸収される、形成することと、
b.前記反応混合物を撹拌することと、
c.前記反応混合物を加熱することと、
d.ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成することと、を含み、
前記反応混合物の上に気相が存在し、工程b及びcの順序が、交換され得るかまたは同時に行われ得、
前記プロセスが、以下のうちの少なくとも1つを更に含み、
(I)前記反応混合物を撹拌することが、ジェット混合を含み、
(II)前記プロセスが工程eを更に含み、工程eが、
i.2つの生成物ストリーム(a)及び(b)が形成される第1の分離器に前記反応器の内容物の少なくとも一部を移送することであって、生成物ストリーム(a)が、前記ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及びアルケンまたはハロゲン化アルケンを含み、生成物ストリーム(b)が、前記重質副生成物、前記少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む、移送することと、
ii.生成物ストリーム(b)の少なくとも一部をイオン交換樹脂と接触させて生成物ストリーム(c)を形成することであって、生成物ストリーム(c)が、生成物ストリーム(b)と比較したときにより少ない少なくとも1種の金属イオンを含有する、形成することと、
iii.生成物ストリーム(c)の少なくとも一部を前記反応器に戻すことと、を含み、
(III)前記プロセスが工程fを更に含み、工程fが、
i.2つの生成物ストリーム(a)及び(b)が形成される第1の分離器に前記反応器の内容物の少なくとも一部を移送することであって、生成物ストリーム(a)が、前記ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及び前記アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含み、生成物ストリーム(b)が、前記重質副生成物、前記少なくとも1種のリン含有化合物、及び前記少なくとも1種の触媒を含む、移送することと、
ii.生成物ストリーム(b)の少なくとも一部を前記反応器に移送して戻すことと、
iii.生成物ストリーム(a)を第2の分離器に移送し、2つの生成物ストリーム(d)及び(e)を生成することであって、生成物ストリーム(d)が前記ハロゲン化アルカンを含み、生成物ストリーム(e)が少なくとも1つの塩素原子を有するハロゲン化メタン及び前記アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含む、生成することと、
iv.任意に、生成物ストリーム(e)の少なくとも一部を前記反応器に導入することと、を含み、
前記第1の分離器及び前記第2の分離器のうちの少なくとも1つが、リボイラー、底部段、またはその両方を含み、
前記第1の分離器または前記第2の分離器が、分離しているか、または単一の分離装置内に収容され得、
第1及び第2の分離装置が単一の分離装置内に収容されている場合、前記単一の分離装置が、生成物ストリーム(d)の少なくとも一部を生成物ストリーム(b)及び(e)から分離し、
前記分離器のうちの1つ以上が、アルカン、アルケン、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アルケン、または窒素を含む気体または低沸点液体が第1の分離器のリボイラー、第2の分離器のリボイラー、第1の分離器の底部段、第2の分離器の底部段、またはこれらの組み合わせに導入される多段蒸留塔である、プロセス。
[2]
前記プロセスが(I)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[3]
前記プロセスが(II)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[4]
前記プロセスが(III)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[5]
前記プロセスが(I)及び(II)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[6]
前記プロセスが(II)及び(III)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[7]
前記プロセスが(I)及び(III)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[8]
前記プロセスが(I)、(II)、及び(III)を利用する、[1]に記載のプロセス。
[9]
ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つのノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻してジェットを作り出し、それにより前記液相中に乱流を作り出す、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のプロセス。
[10]
ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つのノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻して、前記気相を介して前記反応混合物の前記液相に向けられたジェットを作り出し、それにより前記液相中に気体を取り込ませる、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のプロセス。
[11]
ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つの気体排出ノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻し、排出器の吸引が、前記反応混合物の前記気相から気体を引き抜き、循環液体と前記気体を混合し、得られた液体と気体との混合物を前記反応器の前記液相に戻す、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のプロセス。
[12]
前記液相の一部を前記反応混合物から抜き出し、噴霧ノズルを介してポンプ輸送し、前記噴霧ノズルを離れる噴霧が、前記気相を通過し、前記気相の一部を吸収し、前記反応混合物に戻る、[1]〜[11]のいずれか1項に記載のプロセス。
[13]
前記反応器が、前記反応器の内側に内部再循環を生成するためのドラフトチューブを更に含む、[1]〜[12]のいずれか1項に記載のプロセス。
[14]
前記反応混合物の温度が、内部または外部の熱交換器によって制御される、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のプロセス。
[15]
前記少なくとも1つの塩素原子を有するハロゲン化メタンが四塩化炭素である、[1]〜[14]のいずれか1項に記載のプロセス。
[16]
前記アルケンがエチレンを含み、前記ハロゲン化アルケンが塩化ビニルを含む、[1]〜[15]のいずれか1項に記載のプロセス。
[17]
前記ハロゲン化アルカンがクロロアルカンである、[1]〜[16]のいずれか1項に記載のプロセス。
[18]
前記クロロアルカンが1,1,1,3−テトラクロロプロパンである、[17]に記載のプロセス。
[19]
前記クロロアルカンが1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンである、[17]に記載のプロセス。
[20]
少なくとも1種の触媒が、鉄金属、銅金属、鉄含有化合物、銅含有化合物、鉄含有合金、銅含有合金、またはこれらの組み合わせを含む、[1]〜[19]のいずれか1項に記載のプロセス。
[21]
少なくとも1種の触媒が、Fe(0)、Fe(II)、Fe(III)、またはこれらの組み合わせを含む、[1]〜[20]のいずれか1項に記載のプロセス。
[22]
少なくとも1種の触媒が、Cu(0)、Cu(I)、Cu(II)、またはこれらの組み合わせを含む、[1]〜[21]のいずれか1項に記載のプロセス。
[23]
前記少なくとも1種の触媒が、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを更に含み、前記トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせが、Fe(II)、Fe(III)、Cu(I)、Cu(II)、またはこれらの組み合わせに対して錯体化されている、[21]または[22]のいずれかに記載のプロセス。
[24]
電気化学セルが使用されて前記触媒の酸化状態を調節する、[1]〜[23]のいずれか1項に記載のプロセス。
[25]
前記トリアルキルホスフェートが、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、またはこれらの組み合わせを含む、[1]〜[24]のいずれか1項に記載のプロセス。
[26]
前記トリアルキルホスファイトが、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ−tertブチルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含む、[1]〜[25]のいずれか1項に記載のプロセス。
[27]
前記プロセスがフリーラジカル開始剤を更に含む、[1]〜[26]のいずれか1項に記載のプロセス。
[28]
前記フリーラジカル開始剤が、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシド、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、過硫酸カリウム、紫外線、可視光、またはこれらの組み合わせを含む、[27]に記載のプロセス。
[29]
前記プロセスが本質的に無水である、[1]〜[28]のいずれか1項に記載のプロセス。
[30]
鉄触媒、銅触媒、またはこれらの組み合わせ、リン含有化合物、及び少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが混合され、加熱され、次いで前記反応器に添加される、[1]〜[29]のいずれか1項に記載のプロセス。
[31]
鉄触媒、銅触媒、またはこれらの組み合わせ、リン含有化合物、及び少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが前記反応器内で混合及び加熱される、[1]〜[30]のいずれか1項に記載のプロセス。
[32]
前記反応混合物が、約80℃〜約140℃の温度で維持される、[1]〜[31]のいずれか1項に記載のプロセス。
[33]
前記プロセスが、約大気圧(約14.7psi)〜約200psiの圧力で行われる、[1]〜[32]のいずれか1項に記載のプロセス。
[34]
前記プロセスが約16時間以内に完了する、[1]〜[33]のいずれか1項に記載のプロセス。
[35]
前記プロセスが連続式である、[1]〜[34]のいずれか1項に記載のプロセス。
[36]
前記ハロゲン化アルカンの重量%が、前記反応器の前記液相中に少なくとも50重量%である、[1]〜[35]のいずれか1項に記載のプロセス。
[37]
前記反応が一連の撹拌タンク反応器内で行われる、[1]〜[36]のいずれか1項に記載のプロセス。
[38]
前記反応混合物の前記加熱の間に固体が形成され、前記固体の少なくとも一部が固体/液体相分離装置によって除去される、[1]〜[37]のいずれか1項に記載のプロセス。
[39]
前記イオン交換樹脂がカチオン交換樹脂を含む、[1]〜[38]のいずれか1項に記載のプロセス。
[40]
前記カチオン交換樹脂が、スルホン酸基を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、スルホン酸基を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、スルホン酸基の塩を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、カルボン酸基を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン樹脂、カルボン酸基の塩を含有するポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、及びこれらの組み合わせを含み、前記カチオン交換樹脂がナトリウムまたは水素形態であり、前記反応混合物中の金属イオンがナトリウムまたは水素イオンと交換される、[1]〜[39]のいずれか1項に記載のプロセス。
[41]
前記リン化合物及び少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが前記反応器に連続的に添加され、前記リン化合物の、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対するモル比が、約0.1モル%を超え約2.0モル%未満である、[35]〜[40]のいずれか1項に記載のプロセス。
[42]
前記金属が構造化充填物または非構造化充填物の一部である前記少なくとも1種の触媒、[1]〜[41]のいずれか1項に記載のプロセス。
[43]
前記金属の表面積の、前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの供給速度に対する比が、少なくとも約0.1cm /(g/時)または少なくとも約2.0cm /(g/時)である、[42]のいずれか1項に記載のプロセス。
[44]
前記循環液体ストリームの質量流が、前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの供給の1倍を超え、3倍を超え、または5倍を超える、[35]〜[43]のいずれか1項に記載のプロセス。

Claims (22)

  1. ハロゲン化アルカンを生成するためのプロセスであって、前記プロセスが、
    a.少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種のリン含有化合物を含む液相と、金属、金属塩、またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種の触媒と、アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせとを接触させて、それにより反応混合物を形成することによって反応器内で反応混合物を形成することと、ここで、前記アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせが、前記液相中に少なくとも部分的に吸収される、
    b.前記反応混合物を撹拌することと、
    c.前記反応混合物を加熱することと、
    d.ハロゲン化アルカン及び重質副生成物を生成することと、を含み、
    前記反応混合物の上に気相が存在し、工程b及びcの順序が、交換され得るかまたは同時に行われ得、
    前記プロセスが、以下のうちの少なくとも1つを更に含み、
    (I)前記反応混合物を撹拌することが、ジェット混合を含み、
    (II)前記プロセスが工程eを更に含み、工程eが、
    i.2つの生成物ストリーム(a)及び(b)が形成される第1の分離器に前記反応器の内容物の少なくとも一部を移送することと、ここで、生成物ストリーム(a)が、前記ハロゲン化アルカン、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及びアルケンまたはハロゲン化アルケンを含み、生成物ストリーム(b)が、前記重質副生成物、前記少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の触媒を含む、
    ii.生成物ストリーム(b)の少なくとも一部をイオン交換樹脂と接触させて生成物ストリーム(c)を形成することと、ここで、生成物ストリーム(c)が、生成物ストリーム(b)と比較したときにより少ない少なくとも1種の金属イオンを含有する、
    iii.生成物ストリーム(c)の少なくとも一部を前記反応器に戻すことと、を含み、
    (III)前記プロセスが工程fを更に含み、工程fが、
    i.3つの生成物ストリーム(e)、(b)及び(d)が形成される第1の分離器に前記反応器の内容物の少なくとも一部を移送することと、ここで、生成物ストリーム(e)が、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及び前記アルケン、ハロゲン化アルケン、またはこれらの組み合わせを含み、生成物ストリーム(b)が、前記重質副生成物、前記少なくとも1種のリン含有化合物、及び前記少なくとも1種の触媒を含み、生成物ストリーム(d)が、前記ハロゲン化アルカンを含む、
    ii.生成物ストリーム(e)及び/又は(b)の少なくとも一部を前記反応器に移送して戻すことと、
    を含み、
    前記第1の分離器が、リボイラー、底部段、またはその両方を含み、
    アルカン、アルケン、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アルケン、または窒素を含むストリッピング気体または低沸点ストリッピング液体が、前記リボイラー、前記底部段、またはこれらの組み合わせに導入され、前記ストリッピング気体または低沸点ストリッピング液体は前記反応器に由来する成分に追加される、プロセス。
  2. 前記プロセスが(I)を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記プロセスが(II)を含む、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスが(III)を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つのノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻してジェットを作り出し、それにより前記液相中に乱流を作り出す、請求項1に記載のプロセス。
  6. ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つのノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻して、前記気相を介して前記反応混合物の前記液相に向けられたジェットを作り出し、それにより前記液相中に気体を取り込ませる、請求項1に記載のプロセス。
  7. ジェット混合が、前記反応混合物の前記液相の一部を前記反応器から抜き出し、前記液相を少なくとも1つの気体排出ノズルを介して前記反応器にポンプ輸送して戻し、排出器の吸引が、前記反応混合物の前記気相から気体を引き抜き、循環液体と前記気体を混合し、得られた液体と気体との混合物を前記反応器の前記液相に戻す、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記液相の一部を前記反応混合物から抜き出し、噴霧ノズルを介してポンプ輸送し、前記噴霧ノズルを離れる噴霧が、前記気相を通過し、前記気相の一部を吸収し、前記反応混合物に戻る、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記反応器が、前記反応器の内側に内部再循環を生成するためのドラフトチューブを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記少なくとも1つの塩素原子を有するハロゲン化メタンが四塩化炭素である、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記アルケンがエチレンを含み、前記ハロゲン化アルケンが塩化ビニルを含む、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記ハロゲン化アルカンがクロロアルカンであり、前記クロロアルカンが1,1,1,3−テトラクロロプロパン又は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンである、請求項1に記載のプロセス。
  13. 少なくとも1種の触媒が、鉄金属、銅金属、鉄含有化合物、銅含有化合物、鉄含有合金、銅含有合金、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記少なくとも1種の触媒が、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせを更に含み、前記トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、またはこれらの組み合わせが、Fe(II)、Fe(III)、Cu(I)、Cu(II)、またはこれらの組み合わせに対して錯体化されている、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記トリアルキルホスフェートが、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、またはこれらの組み合わせを含み、前記トリアルキルホスファイトが、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ−tertブチルホスファイト、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
  16. 前記反応混合物が、80℃〜140℃の温度で維持され、前記プロセスが、大気圧(14.7psi)〜200psiの圧力で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  17. 前記プロセスが連続式である、請求項1に記載のプロセス。
  18. 前記ハロゲン化アルカンの重量%が、前記反応器の前記液相中に少なくとも50重量%である、請求項1に記載のプロセス。
  19. 前記反応が一連の撹拌タンク反応器内で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  20. 前記イオン交換樹脂がカチオン交換樹脂を含む、請求項1に記載のプロセス。
  21. 前記リン化合物及び少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが前記反応器に連続的に添加される、請求項17に記載のプロセス。
  22. 前記少なくとも1種の触媒金属が構造化充填物または非構造化充填物の一部である、請求項1に記載のプロセス。
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