JP2020163963A - 車両用制動装置 - Google Patents

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平田 淳一
Junichi Hirata
淳一 平田
唯 増田
Yui Masuda
唯 増田
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Abstract

【課題】車両の後退時の制動力を、車両の前進時の制動力と同程度まで向上することができ、前進および後退時の制動距離を低減することができる車両用制動装置を提供する。【解決手段】車両用制動装置1の制動制御装置9は、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する前進・後退状態推定手段7と、前進状態にあるときのフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分を決定する第一の制動配分手段16aと、後退状態にあるときの制動力配分を決定する第二の制動配分手段16bとを有する。さらに前進・後退状態推定手段の推定結果に応じて第一および第二の制動配分手段16a,16bのいずれか一方を選択し選択した制動配分手段で決定された制動力配分で制動機構8を制御する制動機構制御手段16cを有する。第一および第二の制動配分手段16a,16bは、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なる。【選択図】図1

Description

この発明は、車両に搭載される車両用制動装置に関し、前進および後退方向の制動力配分を調整可能な制動機構を制御する技術に関する。
制動装置として、例えば、二輪車の前後制動力配分を制御する技術が提案されている(特許文献1)。
特許第6270181号公報
例えば、特許文献1のような、車両の減速度が大きくなると前輪側のブレーキ配分を大きくする制動装置を用いることで、より安全に制動できる車両を構成することができる。
しかしながら、前進および後退駆動可能な車両において、車両の前進時と後退時とでは、前後重量配分が反転する。このため、例えば、操縦者の操作ミス等によって後退時に急な制動を行う必要が生じた場合、適切な制動配分とはならず制動距離が不所望に延びてしまう場合がある。
この発明の目的は、車両の後退時の制動力を、車両の前進時の制動力と同程度まで向上することができ、前進および後退時の制動距離を低減することができる車両用制動装置を提供することである。
この発明の車両用制動装置は、車両の重心に対する前部に位置する車輪13を制動するフロント制動機構部8aおよび後部に位置する車輪14を制動するリア制動機構部8bを有し前記フロント制動機構部8aと前記リア制動機構部8bとの制動力配分を調整可能な制動機構8と、この制動機構8を制御する制動制御装置9と、を備えた車両用制動装置であって、
前記制動制御装置9は、
前記車両の車輪の回転運動、前記車両の前後加速度、前記車両の位置情報および前記車両のシフト操作手段20におけるシフト操作状態、の少なくともいずれか一つの情報に基づき、前記車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する前進・後退状態推定手段7と、
前記車両が前記前進状態にあるときの前記フロント制動機構部8aと前記リア制動機構部8bとの制動力配分を決定する第一の制動配分手段16aと、
前記車両が前記後退状態にあるときの前記フロント制動機構部8aと前記リア制動機構部8bとの制動力配分を決定する第二の制動配分手段16bと、
前記前進・後退状態推定手段7の推定結果に応じて前記第一および第二の制動配分手段16a,16bのいずれか一方を選択しその選択した制動配分手段で決定された制動力配分で前記制動機構8を制御する制動機構制御手段16cと、を有し、
前記第一および第二の制動配分手段16a,16bは、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なる。
前記定められた制動力は、設計等によって任意に定める制動力であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な制動力を求めて定められる。
前記車両の前進状態と後退状態とで制動力配分の符号が互いに異なるため、前記制動力配分の比率を「絶対値」とした。
この構成によると、制動機構制御手段16cは、前記推定結果に応じて前記第一および第二の制動配分手段16a,16bのいずれか一方を選択する。さらに制動機構制御手段16cは、選択した制動配分手段で決定された制動力配分で前記制動機構8を制御する。この場合に、第一および第二の制動配分手段16a,16bは、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なるため、車両が前進状態と後退状態とでフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分を変更することができる。
前記制動力配分の比率は、車両のホイールベース、重心高、重量配分、および減速度に基づいて決定される。車両の前進状態で制動する場合、例えば、減速度が大きい程フロント制動機構部8aの制動力配分がリア制動機構部8bよりも大きくなる制動力配分とすることで、車両の前進時の制動距離を低減することができる。車両の後退状態で急制動する場合などにおいて、リア制動機構部8bによる制動力をフロント制動機構部8aによる制動力よりも大きくすることで、車両の後退時の制動力を、車両の前進時の制動力と同程度まで向上することができ、前進および後退時の制動距離を低減することができる。したがって、安全性をより向上することができる。
前記第一および第二の制動配分手段16a,16bは、
前記第一の制動配分手段16aにて前記フロント制動機構部8aが前記リア制動機構部8bよりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、前記第二の制動配分手段16bにて前記リア制動機構部8bが前記フロント制動機構部8aよりも配分が大きくなる制動力配分に決定され、
前記第一の制動配分手段16aにて前記リア制動機構部8bが前記フロント制動機構部8aよりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、前記第二の制動配分手段16bにて前記フロント制動機構部8aが前記リア制動機構部8bよりも配分が大きくなる制動力配分に決定されてもよい。
前記各定められた制動力は、それぞれ設計等によって任意に定める制動力であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な制動力を求めて定められる。
この構成のように制動力配分を決定することで、前進および後退時の制動距離を容易に且つ確実に低減することができる。
前記制動制御装置9は、
前記フロント制動機構部8aの最大制動力を定められた値に制限する第一の制動力制限手段18aと、
前記車両が前記前進状態にあるときの前記リア制動機構部8bの最大制動力を定められた値に制限する第二の制動力制限手段18bと、
前記車両が前記後退状態にあるときの前記リア制動機構部8bの最大制動力を定められた値に制限する第三の制動力制限手段18cと、を有し、
前記第二の制動力制限手段18bによる最大制動力の制限値は、前記第一の制動力制限手段18aによる最大制動力の制限値よりも小さな値に設定され、
前記第三の制動力制限手段18cによる最大制動力の制限値である第三の制限値は、前記第二の制動力制限手段18bによる最大制動力の制限値である第二制限値よりも大きく、且つ、前記第一の制動力制限手段18aによる最大制動力の制限値である第一制限値以下となるように設定されてもよい。
前記各定められた値は、それぞれ設計等によって任意に定める値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な値を求めて定められる。
車両の前進時においては、一般に制動力が大きくなる程フロント制動機構部8aの制動力配分が大きくなるよう設定されるため、制動力の制限値もフロント制動機構部8aの方が大きくなるように設定される。一方、特に車両の後退時の急制動において、必要な制動力の大きさの関係は前進時に対して反転する。このため、車両の後退時には、リア制動機構部8bに十分な制動力を発揮できるように制限値を大きくすることで、より強力な制動力を得られて安全性が向上する。
前記制動制御装置9は、前記車両が前記後退状態にあるときに前記第二制限値を超過した制動力を前記リア制動機構部8bが発揮した回数、および前記第二制限値を超過した制動力を前記リア制動機構部8bが発揮したときの前記制動力の大きさ、のいずれか一方または両方を記憶する記憶手段19を有し、
前記制動制御装置9は、前記記憶された回数が定められた回数よりも多くなる条件、または前記記憶された制動力の大きさが定められた値より大きい条件、またはその両方の条件を充足するとき、前記第三の制動力制限手段18cによる前記第三の制限値を元の制限値よりも小さくするよう再設定してもよい。
前記定められた回数、前記定められた値は、それぞれ設計等によって任意に定める回数、値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な回数、値を求めて定められる。
一般に制動機構の耐久性は常用条件すなわち車両の前進時での制動を想定して設計される場合が多い。そのため、この構成の前記条件を充足するとき、第三の制動力制限手段18cによる第三の制限値を元の制限値よりも小さくするよう再設定することで、車両の後退時に大きな制動力を比較的繰り返し発生させた後であっても制動機構8の耐久性を確保することが可能となる。
前記車両の各車輪に、車輪の角度または角速度を検出する回転運動検出手段12がそれぞれ設けられ、
前記前進・後退状態推定手段7は、
前記各車輪に設けられた前記回転運動検出手段12による検出結果につき、全ての回転運動検出手段12が前記車両の前進状態に相当する回転運動を検出したとき、前記車両が前進状態であると判断し、
全ての回転運動検出手段12が前記車両の後退状態に相当する回転運動を検出したとき、前記車両が後退状態であると判断してもよい。
この場合、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを簡易に且つ迅速に判断することができ、安全性に寄与することができる。
前記前進・後退状態推定手段7は、前記車両が前進状態であると判断する場合の判断条件および前記後退状態であると判断する場合の判断条件のいずれにも該当しないとき、前記車両が前進状態であると判断してもよい。
前述の各判断条件のいずれにも該当しない曖昧な条件について、車両が前進状態であると判断することができる。
前記制動機構8は、二つ以上が前記車両に設けられ、前記車両の前進状態および後退状態となる両回転方向にそれぞれ独立して駆動可能に設けられた駆動用モータ4を含み、前記制動制御装置9が、前記駆動用モータ4の回生トルクによる制動力を制御する機能を有してもよい。この場合、駆動用モータ4の機能性の向上を図ることができる。前記駆動用モータ4は、インホイールモータまたは車体に設置されるオンボードモータであってもよい。
前記制動機構8が、電動モータ2aの駆動力によりブレーキロータ2bと摩擦材2cとを当接させて摩擦制動力を発生させる電動ブレーキ装置2を含むものであってもよい。この場合、電動ブレーキ装置2の機能性の向上を図ることができる。
この発明の車両用制動装置は、車両の重心に対する前部に位置する車輪を制動するフロント制動機構部および後部に位置する車輪を制動するリア制動機構部を有し前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を調整可能な制動機構と、この制動機構を制御する制動制御装置と、を備えた車両用制動装置であって、前記制動制御装置は、前記車両の車輪の回転運動、前記車両の前後加速度、前記車両の位置情報および前記車両のシフト操作手段におけるシフト操作状態、の少なくともいずれか一つの情報に基づき、前記車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する前進・後退状態推定手段と、前記車両が前記前進状態にあるときの前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を決定する第一の制動配分手段と、前記車両が前記後退状態にあるときの前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を決定する第二の制動配分手段と、前記前進・後退状態推定手段の推定結果に応じて前記第一および第二の制動配分手段のいずれか一方を選択しその選択した制動配分手段で決定された制動力配分で前記制動機構を制御する制動機構制御手段と、を有し、前記第一および第二の制動配分手段は、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なる。このため、車両の後退時の制動力を、車両の前進時の制動力と同程度まで向上することができ、前進および後退時の制動距離を低減することができる。
この発明の実施形態に係る車両用制動装置の構成例を示すブロック図である。 同車両用制動装置の前後の制動力配分例を示す図である。 他の制動力配分例を示す図である。 その他の制動力配分例を示す図である。 各制動機構における制動力制限の例を示す図である。 同車両用制動装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る車両用制動装置の構成例を示すブロック図である。 同車両用制動装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。
[第1の実施形態]
この発明の実施形態に係る車両用制動装置を図1ないし図6と共に説明する。この車両用制動装置は車両に搭載される。
<制御系について>
図1に示すように、車両用制動装置1は、複数の電動ブレーキ装置2と、各電動ブレーキ装置2をそれぞれ独立制御可能な電動ブレーキ制御装置3と、駆動用モータ4と、この駆動用モータ4を制御する駆動用モータ制御装置5と、制動力制御演算器6と、前進・後退状態推定手段7とを備える。この実施形態では、複数の電動ブレーキ装置2と駆動用モータ4とで制動機構8が構成される。複数の電動ブレーキ制御装置3と、駆動用モータ制御装置5と、制動力制御演算器6と、前進・後退状態推定手段7とで、前記制動機構8を制御する制動制御装置9が構成される。車両用制動装置1に、加速指令手段10、ブレーキ指令手段11および複数の車輪速センサ12等が接続されている。
複数の電動ブレーキ装置2のうち、前輪側電動ブレーキ装置2は、車両の重心に対する前部に位置する車輪(図6の例では前輪13)に設けられた電動ブレーキ装置である。前輪側電動ブレーキ装置2と駆動用モータ4とで、制動機構8におけるフロント制動機構部8aが構成される。電動ブレーキ装置2は、比較的小型の電動モータ2aの駆動によりブレーキロータ2bと摩擦材2cとを当接させて摩擦制動力を発生させる。複数の電動ブレーキ装置2のうち、後輪側電動ブレーキ装置2は、前記と同様の構成であり、車両の重心に対する後部に位置する車輪(図6の例では後輪14)に設けられている。後輪側電動ブレーキ装置2は、制動機構8におけるリア制動機構部8bである。
前記前輪側および後輪側電動ブレーキ装置2は、一つのブレーキ装置ないし複数のブレーキ装置群のいずれも含むものとする。例えば、二輪車においては、前輪側および後輪側にそれぞれ一つずつのブレーキ装置を備えることが好ましい。但し、二輪車に車両用制動装置を搭載する場合、二輪車は、前進および後退駆動可能な構成とする。四輪車においては、前輪側電動ブレーキ装置として、右前輪を制動する電動ブレーキ装置および左前輪を制動する電動ブレーキ装置、後輪側電動ブレーキ装置として、右後輪を制動する電動ブレーキ装置および左後輪を制動する電動ブレーキ装置、のように四輪に対して車両の重心回りに四つ電動ブレーキ装置を設けると、アンチスキッド、横滑り防止等の図示外の車両制御を高精度に実施することができるため好ましい。四つより多い車輪を適用する車両については、全ての車輪に電動ブレーキ装置を備えていてもよく、少なくとも車両の重心周り四象限に一つずつ以上配置されるように構成されていてもよい。
駆動用モータ4は、前後輪のいずれか一方または両方(図6の例では前輪13のみ)を駆動するモータである。例えば、ディファレンシャルギアおよびシャフト等を介して前進側および後退側となる両回転方向に駆動力を付与する。駆動用モータ4として、永久磁石式の同期電動機を適用すると省スペースで高効率かつ高トルクとなり好適である。但し、駆動用モータ4として、例えば、ブラシを用いたDCモータ、永久磁石を用いないリラクタンスモータ、あるいは誘導モータ等を適用することもできる。
制動力制御演算器6は、ブレーキ指令手段11から与えられるブレーキ指令信号に基づいて、各車輪の制動力指令を導出し、電動ブレーキ装置2および駆動用モータ4に前記制動力指令に基づく指令を与える機能を有する。制動力制御演算器6は、例えば、ブレーキ統合制御装置15(図6)等に実装される。ブレーキ指令手段11は、例えば自動車においてはブレーキペダル等のブレーキ操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力をブレーキ指令信号として制動力制御演算器6に与える。制動力制御演算器6は、前後制動配分演算部16と、回生配分演算部17と、制動力制限手段18と、記憶手段19を有する。
前後制動配分演算部16は、定められた制動力を発生させる際に、車両が前進状態にあるときのフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分の比率と、車両が後退状態にあるときのフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分の比率とを決定する機能を有する。制動力配分の比率は、車両のホイールベース、重心高、重量配分、および減速度に基づいて決定され、車両が前進状態にあるとき減速度が大きい程フロント制動機構部8aの制動力配分を増加させ、車両が後退状態にあるとき減速度が大きい程リア制動機構部8bの制動力配分を増加させることが好ましい。但し、処理を簡略化する目的で、前進・後退状態のそれぞれにつき、予め所定の減速度の際に最適とする制動力配分に決定し、減速度によらず一定の制動力配分とする処理としてもよい。
前後制動配分演算部16は、第一の制動配分手段16aと、第二の制動配分手段16bと、制動機構制御手段16cとを有する。
第一の制動配分手段16aは、車両が前進状態にあるときのフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分を決定する。第二の制動配分手段16bは、車両が後退状態にあるときのフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分を決定する。第一および第二の制動配分手段16a,16bは、定められた制動力に対して決定する制動力配分の比率の絶対値が互いに異なる。制動機構制御手段16cは、後述する前進・後退状態推定手段7の推定結果に応じて第一および第二の制動配分手段16a,16bのいずれか一方を選択しその選択した制動配分手段で決定された制動力配分で制動機構8を制御する。
回生配分演算部17は、車両に発生させる制動力のうちどの程度をモータ回生による制動力に割り当て、どの程度を摩擦ブレーキ(この例では電動ブレーキ装置2)による制動力に割り当てるかの回生比率を決定する機能を有する。前記回生比率は、例えば、モータ定格出力、高圧バッテリ耐久性、高圧バッテリ残存電力、制動力等に基づいて決定されてもよい。なお、摩擦ブレーキのみで制動を行う場合、または高出力のモータおよびバッテリを車両に搭載して駆動用モータ4のみで制動を行う場合などにおいては、本回生配分演算部17の機能を省略することもできる。
制動力制限手段18は、要求される制動力に対して実際に発生させる制動力を所定の制限値に制限する機能を有する。前記制限値は、例えば、制動機構8の耐久性および消費電力等に基づいて決定することができる。制動力制限の例については後述する。
前進・後退状態推定手段7は、車両の車輪の回転運動、車両の前後加速度、車両の位置情報および車両のシフト操作手段20におけるシフト操作状態、の少なくともいずれか一つの情報に基づき、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する。この例では、車両の各車輪に、車輪の角速度を検出する回転運動検出手段である車輪速センサ12がそれぞれ設けられ、前進・後退状態推定手段7は、各車輪にそれぞれ設けられた車輪速センサ12の出力(検出結果)に基づいて、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する機能を有する。
前記車輪速センサ12は、例えば、車輪の回転に対してパルス信号を出力するセンサを設けてもよい。前記パルス信号は、例えば、磁気エンコーダおよび磁気センサを用いて生成されるものであってもよく、突起部が設けられた磁性体およびピックアップコイルにより生成されるものであってもよい。あるいは、回転運動検出手段として、前記車輪速センサ12に代えて、例えば、車輪の角度を検出するレゾルバ等の角度センサが設けられていてもよい。
前進・後退状態推定手段7は、各車輪に設けられた車輪速センサ12による検出結果につき、全ての車輪速センサ12が車両の前進状態に相当する回転運動を検出したとき、車両が前進状態であると判断することが可能となる。また前進・後退状態推定手段7は、全ての車輪速センサ12が車両の後退状態に相当する回転運動を検出したとき、車両が後退状態であると判断することが可能となる。前述のいずれにも該当し得ない中庸状態においては、少なくとも車両の速度が零または極めて低い状態と考えられるため、システム構成要件の都合により走行状態を任意に決定しても差し支えないと考えられる。特に、車両の走行状態として前進状態が定常的と考えれば、前進・後退状態推定手段7は、前記中庸状態を前進状態にあるものとして捉えることが好ましい。
駆動用モータ制御装置5は、加速指令手段10から与えられる加速指令信号および制動力制御演算器6から与えられる指令のいずれか一方または両方に基づいて、駆動用モータ4を制御する。前記加速指令手段10は、例えば自動車においてはアクセルペダル等のアクセル操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力を加速指令信号として駆動モータ制御装置5に与える。この駆動用モータ制御装置5は、力行制御部5aと回生制御部5bとを有する。力行制御部5aは、駆動用モータ4の回転速度とトルクとが同一符号である力行時に駆動用モータ4を制御し、回生制御部5bは、駆動用モータ4の回転速度とトルクとが逆符号である回生時に駆動用モータ4を制御する。
電動ブレーキ制御装置3は、制動力制御演算器6から与えられる指令に基づいて、対応する電動ブレーキ装置2を制御する。
駆動用モータ制御装置5および電動ブレーキ制御装置3は、例えば、IGBT等のスイッチング素子と、制御演算のための演算器と、電源回路および周辺回路等から構成され、駆動用モータ4、電動モータ2aに供給する電力を制御する。また電動ブレーキ制御装置3は、各電動ブレーキ装置2を独立に制御可能な電動ブレーキ制御機能部として電動ブレーキ装置毎に少なくとも一つずつ備えていればよく、例えば、複数の電動ブレーキ装置2を独立制御可能なコンポーネントとして、複数の電動ブレーキ装置2に対して一つの電動ブレーキ制御装置3という構成を採用することもできる。
<前後制動力配分例>
図2〜図4は、図1に記載の前後制動配分演算部16において導出される、前後の制動力配分例を示す。以後、図1も適宜参照しつつ説明する。図2は、車両の前進時と後退時における前後の制動力配分の設定例を示す。この場合に、第一および第二の制動配分手段16a,16bは、第一の制動配分手段16aにてフロント制動機構部8aがリア制動機構部8bよりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、第二の制動配分手段16bにてリア制動機構部8bがフロント制動機構部8aよりも配分が大きくなる制動力配分に決定される。また、第一の制動配分手段16aにてリア制動機構部8bがフロント制動機構部8aよりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、第二の制動配分手段16bにてフロント制動機構部8aがリア制動機構部8bよりも配分が大きくなる制動力配分に決定される。
図3は、例えば、摩擦ブレーキ構造の耐久性等の制約から、リア制動機構部8bでフロント制動機構部8aと同等までの制動力を得られない場合の例を示す。この場合に、制動力制限手段18は、車両が後退状態にあるときのリア制動機構部8bの最大制動力を定められた値に制限する。
図4では、回生配分演算部17において、所定の制動力まで前輪を駆動する駆動用モータ4の回生ブレーキを有効とする例を示す。なお、後輪を駆動する駆動用モータを車両に設けた場合においても、本図4におけるフロント側のみによる配分を設定した領域をリア側のみとなる変更が為されればよい。
<制動力制限の例>
図5は、各制動機構における制動力制限の例を示す。
車両の後退時には、リア制動機構部8bによるリア制動力が比較的大きく求められる。このため、少なくとも車両の前進状態の際のリア制動力の制限値よりも、車両の後退状態のリア制動力が大きく設定されていることが好ましく。また車両の後退状態のリア制動力は、最大でもフロント制動機構部8aによるフロント制動力まで発揮できれば十分と考えられるため、前記範囲内で設定することが好ましい。
この場合に図1に示すように、制動力制限手段18は、第一の制動力制限手段18aと、第二の制動力制限手段18bと、第三の制動力制限手段18cとを有する。第一の制動力制限手段18aは、フロント制動機構部8aの最大制動力を定められた値に制限する。第二の制動力制限手段18bは、車両が前進状態にあるときのリア制動機構部8bの最大制動力を定められた値に制限する。第三の制動力制限手段18cは、車両が後退状態にあるときのリア制動機構部8bの最大制動力を定められた値に制限する。
第二の制動力制限手段18bによる最大制動力の制限値は、第一の制動力制限手段18aによる最大制動力の制限値よりも小さな値に設定され、第三の制動力制限手段18cによる最大制動力の制限値である第三の制限値は、第二の制動力制限手段18bによる最大制動力の制限値である第二制限値よりも大きく、且つ、第一の制動力制限手段18aによる最大制動力の制限値である第一制限値以下となるように設定される。
なお、第三の制限値(後退時のリア制動力制限値)については、図5に示す大小関係に限定されるものではなく、上記範囲内でシステム構成および設計都合等に基づき適宜設定されるものとする。
また、上記のように車両の後退状態のリア制動力制限値を、前進状態のリア制動力制限値よりも大きく設定する場合、制動機構8が前進状態を前提に設計されていれば、設計時の耐久性の設計要件を超過する制動力となり得る。そのような場合、例えば、車両の後退状態においてリア制動力が前進状態のリア制動力制限値を超過した発生させた際に、前記発生させた回数、または発生させた制動力の大きさ、またはその両方を記憶しておき、この記憶情報に基づいて車両の後退時のリア制動力を引き下げる処理を設けてもよい。
この場合、制動制御装置9は、車両が後退状態にあるときに第二制限値を超過した制動力をリア制動機構部8bが発揮した回数、および第二制限値を超過した制動力をリア制動機構部8bが発揮したときの前記制動力の大きさ、のいずれか一方または両方を記憶する記憶手段19を有し、制動制御装置9は、記憶された回数が定められた回数よりも多くなる条件、または記憶された制動力の大きさが定められた値より大きい条件、またはその両方の条件を充足するとき、第三の制動力制限手段18cによる第三の制限値を元の制限値よりも小さくするよう再設定する。
このように制限値を再設定することで、設計要件を超過するような制動力を繰り返し印加することによる制動機構8の異常等を未然に防止することが可能となり、また、このような措置を設けたとしても、一般には車両後退時に極めて大きな制動力を発生させる機会は限定されるため、実用上の支障は生じない。
<車両の構成例>
図6は、少なくとも前後制動力を可変配分可能な車両の例を示す。
この例では、各車輪13,14に独立制御可能な電動ブレーキ装置2および電動ブレーキ制御装置3と、前輪13を駆動可能な駆動用モータ4および駆動モータ用制御装置5と、制動力の前後配分および回生比率を決定するブレーキ統合制御装置15と、を備えた例を示す。
電動ブレーキ装置2を制御するブレーキ制御装置は、本図6のように前輪側の二つの電動ブレーキ装置2,2と、後輪側の二つの電動ブレーキ装置2,2と、を制御可能な電動ブレーキ制御装置3,3を設けてもよく、あるいは油圧ブレーキのX配管のように、左前および右後の二つの電動ブレーキ装置2,2と、右前および左後の二つの電動ブレーキ装置2,2と、を制御可能な制御装置を設けてもよい。あるいは、四つの電動ブレーキ装置それぞれに一つずつブレーキ制御装置を設けてもよく、これらを適宜組み合わせた構成(例えば、左前の電動ブレーキ装置を制御可能なブレーキ制御装置、右前の電動ブレーキ装置を制御可能なブレーキ制御装置、右後および左後の電動ブレーキ装置を制御可能なブレーキ制御装置、の計三つのブレーキ制御装置)としてもよい。
駆動用モータ4は、後輪を駆動可能な駆動用モータとし、駆動用モータ制御装置5は、前記後輪駆動用の駆動用モータを制御する制御装置であってもよい。また、駆動用モータ4は、例えば、インホイールモータ、または複数のモータから成るオンボードモータのような、左右輪それぞれを独立駆動可能な構成であってもよい。
ブレーキ統合制御装置15は、他の制御装置に統合される構成であってもよい。例えば、本図6におけるブレーキ制御装置のうちのいずれか、または駆動用モータ制御装置5が、ブレーキ統合制御装置15を含むものであってもよい。
加速指令手段10およびブレーキ指令手段11は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダルのような、車両操縦者の操作によるものであってもよく、例えば、自動運転システムのような、操縦者の操作によらない統合制御装置であってもよい。
<作用効果>
以上説明した車両用制動装置1によると、制動機構制御手段16cは、前記推定結果に応じて第一および第二の制動配分手段16a,16bのいずれか一方を選択する。さらに制動機構制御手段16cは、選択した制動配分手段で決定された制動力配分で制動機構8を制御する。この場合に、第一および第二の制動配分手段16a,16bは、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なるため、車両が前進状態と後退状態とでフロント制動機構部8aとリア制動機構部8bとの制動力配分を変更することができる。
前記制動力配分の比率は、車両のホイールベース、重心高、重量配分、および減速度に基づいて決定される。車両の前進状態で制動する場合、例えば、減速度が大きい程フロント制動機構部8aの制動力配分がリア制動機構部8bよりも大きくなる制動力配分とすることで、車両の前進時の制動距離を低減することができる。車両の後退状態で急制動する場合などにおいて、リア制動機構部8bによる制動力をフロント制動機構部8aによる制動力よりも大きくすることで、車両の後退時の制動力を、車両の前進時の制動力と同程度まで向上することができ、前進および後退時の制動距離を低減することができる。したがって、安全性をより向上することができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図7は、図1の例に対し、独立制御可能な複数(この例は前輪側、後輪側の二つ)の駆動用モータ4および駆動用モータ制御装置5と、ブレーキマスタシリンダ21の液圧を電動モータで制御する油圧ブレーキ2Aおよび電動ブレーキ制御装置3と、を備える例を示す。ブレーキが独立制御可能である図1に対し、図7では駆動用モータ4が独立制御可能である点が異なり、他は概ね同一の仕様となる。
また、駆動用モータ制御装置5は、各駆動用モータ4を独立に制御可能な駆動用モータ制御機能として駆動用モータ毎に少なくとも一つずつ備えていればよく、例えば、複数の駆動用モータ4を独立制御可能なコンポーネントとして、複数の駆動用モータ4に対して一つの駆動用モータ制御装置という構成を採用することもできる。
その他、図1、図7を複合し、独立制御可能なブレーキおよび駆動用モータを備えることもできる。また図1、図7に示す機能ブロックはあくまで記述の便宜上設けたものであり、ハードウェアないしソフトウェアの構成およびパーティション等を制約し得るものではない。ソフトウェアまたはハードウェアの具体的構成は、図1、図7に示す機能に支障がない範囲で任意に構成し得るものとし、また必要に応じて図1、図7に示す各ブロックの機能を統合ないし分割してもよい。あるいは、本図の機能に支障がない範囲で図示外要素を加えることも可能であり、例えば、ブレーキ装置のアンチスキッド制御、ブレーキ解除時のパッドクリアランス制御、横滑り防止制御、等の付加制御、またはその他セーフティメカニズム等をシステム要件に基づいて適宜加えてもよい。
車両用制動装置1Aを備えた車両として、図8は、前後の制駆動力を独立して制御可能な駆動用モータ4および駆動用モータ制御装置5と、各車輪13,14の油圧ブレーキ2Aに制動力を発生させるマスタシリンダ21と、を備える車両の構成例を示す。
その他、図1に示すように、操縦者が車両の前進状態および後退状態を切り替えるためのシフト操作手段20を設け、前進・後退状態推定手段7は、このシフト操作手段20におけるシフト操作状態に基づき、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定してもよい。
その他、車両の位置情報を検出する全地球測位システム(Global Positioning System:略称GPS)22、または車両の前後・左右・旋回等の加速度を検出する加速度センサ23を車両に備え、前進・後退状態推定手段7は、前記位置情報または前記加速度等の情報に基づき、車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定してもよい。これらは車両構成要件に基づいて適宜設けられるものとする。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…電動ブレーキ装置、2a…電動モータ、2b…ブレーキロータ、2c…摩擦材、4…駆動用モータ、7…前進・後退状態推定手段、8…制動機構、8a…フロント制動機構部、8b…リア制動機構部、9…制動制御装置、12…車輪速センサ(回転運動検出手段)、13…前輪(車輪)、14…後輪(車輪)、16a,16b…第一,第二の制動配分手段、16c…制動機構制御手段、18a…第一の制動力制限手段、18b…第二の制動力制限手段、18c…第三の制動力制限手段、19…記憶手段、20…シフト操作手段

Claims (8)

  1. 車両の重心に対する前部に位置する車輪を制動するフロント制動機構部および後部に位置する車輪を制動するリア制動機構部を有し前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を調整可能な制動機構と、この制動機構を制御する制動制御装置と、を備えた車両用制動装置であって、
    前記制動制御装置は、
    前記車両の車輪の回転運動、前記車両の前後加速度、前記車両の位置情報および前記車両のシフト操作手段におけるシフト操作状態、の少なくともいずれか一つの情報に基づき、前記車両が前進状態にあるか後退状態にあるかを推定する前進・後退状態推定手段と、
    前記車両が前記前進状態にあるときの前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を決定する第一の制動配分手段と、
    前記車両が前記後退状態にあるときの前記フロント制動機構部と前記リア制動機構部との制動力配分を決定する第二の制動配分手段と、
    前記前進・後退状態推定手段の推定結果に応じて前記第一および第二の制動配分手段のいずれか一方を選択しその選択した制動配分手段で決定された制動力配分で前記制動機構を制御する制動機構制御手段と、を有し、
    前記第一および第二の制動配分手段は、定められた制動力に対して決定する前記制動力配分の比率の絶対値が互いに異なる車両用制動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動装置において、前記第一および第二の制動配分手段は、
    前記第一の制動配分手段にて前記フロント制動機構部が前記リア制動機構部よりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、前記第二の制動配分手段にて前記リア制動機構部が前記フロント制動機構部よりも配分が大きくなる制動力配分に決定され、
    前記第一の制動配分手段にて前記リア制動機構部が前記フロント制動機構部よりも配分が大きくなる制動力配分が決定される定められた制動力に対しては、前記第二の制動配分手段にて前記フロント制動機構部が前記リア制動機構部よりも配分が大きくなる制動力配分に決定される車両用制動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用制動装置において、
    前記制動制御装置は、
    前記フロント制動機構部の最大制動力を定められた値に制限する第一の制動力制限手段と、
    前記車両が前記前進状態にあるときの前記リア制動機構部の最大制動力を定められた値に制限する第二の制動力制限手段と、
    前記車両が前記後退状態にあるときの前記リア制動機構部の最大制動力を定められた値に制限する第三の制動力制限手段と、を有し、
    前記第二の制動力制限手段による最大制動力の制限値は、前記第一の制動力制限手段による最大制動力の制限値よりも小さな値に設定され、
    前記第三の制動力制限手段による最大制動力の制限値である第三の制限値は、前記第二の制動力制限手段による最大制動力の制限値である第二制限値よりも大きく、且つ、前記第一の制動力制限手段による最大制動力の制限値である第一制限値以下となるように設定される車両用制動装置。
  4. 請求項3に記載の車両用制動装置において、前記制動制御装置は、前記車両が前記後退状態にあるときに前記第二制限値を超過した制動力を前記リア制動機構部が発揮した回数、および前記第二制限値を超過した制動力を前記リア制動機構部が発揮したときの前記制動力の大きさ、のいずれか一方または両方を記憶する記憶手段を有し、
    前記制動制御装置は、前記記憶された回数が定められた回数よりも多くなる条件、または前記記憶された制動力の大きさが定められた値より大きい条件、またはその両方の条件を充足するとき、前記第三の制動力制限手段による前記第三の制限値を元の制限値よりも小さくするよう再設定する車両用制動装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用制動装置において、前記車両の各車輪に、車輪の角度または角速度を検出する回転運動検出手段がそれぞれ設けられ、
    前記前進・後退状態推定手段は、
    前記各車輪に設けられた前記回転運動検出手段による検出結果につき、全ての回転運動検出手段が前記車両の前進状態に相当する回転運動を検出したとき、前記車両が前進状態であると判断し、
    全ての回転運動検出手段が前記車両の後退状態に相当する回転運動を検出したとき、前記車両が後退状態であると判断する車両用制動装置。
  6. 請求項5に記載の車両用制動装置において、前記前進・後退状態推定手段は、前記車両が前進状態であると判断する場合の判断条件および前記後退状態であると判断する場合の判断条件のいずれにも該当しないとき、前記車両が前進状態であると判断する車両用制動装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用制動装置において、前記制動機構は、二つ以上が前記車両に設けられ、前記車両の前進状態および後退状態となる両回転方向にそれぞれ独立して駆動可能に設けられた駆動用モータを含み、前記制動制御装置が、前記駆動用モータの回生トルクによる制動力を制御する機能を有する車両用制動装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用制動装置において、前記制動機構が、電動モータの駆動力によりブレーキロータと摩擦材とを当接させて摩擦制動力を発生させる電動ブレーキ装置を含む車両用制動装置。
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