JP2020163764A - 感熱記録ライナーレスラベルの製造方法 - Google Patents

感熱記録ライナーレスラベルの製造方法 Download PDF

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JP2020163764A JP2019067774A JP2019067774A JP2020163764A JP 2020163764 A JP2020163764 A JP 2020163764A JP 2019067774 A JP2019067774 A JP 2019067774A JP 2019067774 A JP2019067774 A JP 2019067774A JP 2020163764 A JP2020163764 A JP 2020163764A
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邦男 森田
Kunio Morita
邦男 森田
松本 真一郎
Shinichiro Matsumoto
真一郎 松本
透 中澤
Toru Nakazawa
透 中澤
池澤 善実
Yoshisane Ikezawa
善実 池澤
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【課題】発色感度や長期間保存後の画像保存性等に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られる、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法を提供する。【解決手段】長尺支持体の一方の面に、染料前駆体および顕色剤を少なくとも含有する感熱記録層を形成する第1の工程と、該感熱記録層上に保護層を介さずに紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する剥離層塗工液を塗工し、その後、紫外線を照射することで該シリコーン樹脂を硬化させる第2の工程、および前記した長尺支持体のもう一方の面に、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を塗工する第3の工程を有し、前記した第3の工程の後、加熱することなくロール状に巻き取る第4の工程を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、発色感度や長期間保存後の画像保存性等に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られる、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法に関する。
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性染料前駆体(以下、染料前駆体と記載する。)、及び電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と記載する。)を主成分として含有する感熱記録層を有し、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時に反応して記録画像が得られるものである。近年、感熱記録材料は、粘着加工を行い、ラベル用途に使用することが増加している。
従来、感熱記録ラベルは、感熱記録層とは反対面側の支持体上に、粘着剤層と剥離紙(ライナー)を積層した構成(前記した感熱記録層とは反対面側の支持体上に、一般的な粘着シートが貼り合わされた構成)を有しており、該感熱記録ラベルは対象物へ貼り合わされる際に、剥離紙を剥がして粘着剤層を露出させた後、加圧のみで簡便に貼り合わせることができるため、例えば食品、物流の分野で広く利用されている。しかし剥離された剥離紙は、ほとんどの場合、廃棄処分されていた。
一方、感熱記録ライナーレスラベルは、感熱記録層の表面に剥離性を有する剥離層を形成して巻き取ることによって、感熱記録層とは反対面側の粘着剤層上に剥離紙を設けなくても、従来の感熱記録ラベルと同様の取り扱い性を付与することが可能になり、廃棄物が大幅に減少することから近年では好ましく利用されている。
しかし、感熱記録ライナーレスラベルは、感熱記録層を有する面の表面に、離型性を有するシリコーン樹脂などを塗工して剥離層を形成するため、感熱記録層内にシリコーン樹脂などが浸透して、発色感度や長期保管後の画像保存性の低下、または地肌かぶりなどの不具合が生じてしまうことがあった。また、剥離層形成や粘着剤層形成時の硬化・乾燥などによりカールが大きくなり、粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルの、プリンター内での搬送性が低下し、紙詰まりを起こしやすくなることがあった。したがって、発色感度、長期保管後の画像保存性に優れ、耐地肌かぶり性およびプリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルが要望されていた。
特開2008−231171号公報(特許文献1)には、感熱記録層を有する側とは反対側の面に、粘着剤層と剥離紙が順次積層された感熱記録用粘着ラベルが記載され、該剥離紙の離型剤層として、無溶剤型シリコーン樹脂を熱硬化させた剥離層を有する感熱記録ラベルが記載されている。しかし感熱記録ライナーレスラベルの感熱記録層上に無溶剤型シリコーン樹脂を熱硬化させた剥離層を設けた場合、上述したように発色感度や長期保管後の画像保存性の低下させてしまう場合があり、また地肌かぶりを起こしやすいという問題を抱えていた。
特開2013−121718号公報(特許文献2)には、感熱記録層上にバリア層を設け、該バリア層上に、無溶剤型シリコーン樹脂を熱硬化させた剥離層を有する感熱記録ラベルが記載されている。感熱記録層と剥離層の間にバリア層を設けた場合、シリコーン樹脂の感熱記録層への浸透は軽減されるが、該バリア層は発色感度の低下を招いたり、あるいは強いカールが生じることでプリンター内での搬送性が低下するという不具合を起こす場合があった。
特表2018−509316号公報(特許文献3)には、支持体上の感熱記録層を有する側の面の最表面に、紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する化合物を紫外線硬化させた剥離層を有する感熱記録ラベルが記載されている。紫外線硬化型シリコーン樹脂は硬化が速いことから、感熱記録層に浸透しにくく、発色感度や長期保管後の画像保存性の低下が発生しにくい。しかし該感熱記録ラベルが有する粘着剤層はコーティング後に乾燥および/または架橋することで形成されることから、カールが大きくなりやすいという問題があり、プリンター内での搬送性の点で十分満足できるものではなかった。
特開2008−231171号公報 特開2013−121718号公報 特表2018−509316号公報
本発明の目的は、発色感度、長期間保管後の画像保存性に優れ、耐地肌かぶり性およびプリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られる、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法を提供することである。
上記した課題は、以下の発明により解決される。
長尺支持体の一方の面に、染料前駆体および顕色剤を少なくとも含有する感熱記録層を形成する第1の工程と、該感熱記録層上に保護層を介さずに紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する剥離層塗工液を塗工し、その後、紫外線を照射することで該シリコーン樹脂を硬化させる第2の工程、および前記した長尺支持体のもう一方の面に、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を塗工する第3の工程を有し、前記した第3の工程の後、加熱することなくロール状に巻き取る第4の工程を少なくとも具備する、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法。
本発明によって、発色感度、長期間保管後の画像保存性に優れ、耐地肌かぶり性およびプリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られる、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
本発明において、感熱記録ライナーレスラベルが有する長尺支持体は、透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、該長尺支持体としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートが例示される。中でも紙支持体は、容易にカットすることができる、所謂、手切れ性が良い感熱記録ライナーレスラベルが得られるため好ましく、含水率を容易にコントロールできることから、中性紙、酸性紙などの紙支持体が特に好ましく用いられる。紙支持体を抄紙する抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等が例示され、適宜選択して使用することができる。また中性紙、酸性紙などの紙支持体上に各種サイズプレス機及びロールコーターなどで公知のデンプン等の天然接着剤やポリビニルアルコール等の合成接着剤、及び各種サイズ剤を用いて表面サイズ処理を行うことも可能である。
紙支持体を製造する際に使用されるパルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒し亜硫酸パルプ(NBSP)、広葉樹晒し亜硫酸パルプ(LBSP)、TMP、CTMP、BCTMP、GP、RGP、CGP、木綿パルプ等の各種パルプやDIP等の各種古紙パルプ、ケナフ等の非木材繊維が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
紙支持体が含有する填料としては公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。このような填料としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、イライト、クレー、焼成クレー、二酸化チタン等の無機填料、及びプラスチックピグメント等の有機填料等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
紙支持体は内添のためのサイズ剤(内添サイズ剤)を含有してもよく、酸性抄造の場合、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、合成系サイズ剤などが、中性抄造の場合、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、高級脂肪酸系、中性ロジンサイズ剤などを含有せしめることもできる。また内添のためのサイズ剤は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。一方、外添のためのサイズ剤(外添サイズ剤)としては、スチレンマレイン酸系共重合体樹脂、スチレンアクリル酸系共重合体樹脂などのカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマー、スチレン系ポリマー、イソシアネート系ポリマーなどのカチオン性ポリマー、ロジン、トール油及びフタル酸などのアルキド樹脂ケン化物、石油樹脂とロジンのケン化物などのアニオン性低分子化合物、α−オレフィン/マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル/アクリル酸系共重合体樹脂、アルキルケテンダイマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また外添サイズ剤は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
さらに紙支持体は、上記したサイズ剤以外にも、ノニオン性、カチオン性、アニオン性あるいは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等で例示される各種の抄紙用内添助剤を必要に応じて含有することができる。歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、非晶質シリカ、各種デンプン類、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。
本発明において紙支持体の坪量を100g/m以下とすると、ラベル自体の剛直度が低下することで、例えば食品等の曲面体にラベルを貼合することが容易になるため好ましいが、その反面、感熱記録ライナーレスラベルを製造した際にカールが生じやすく、良好なプリンター内での搬送性を得ることが困難となるが、このような場合において本発明はとりわけ有効に作用する。
また上記した紙支持体の感熱記録層を形成する側の面は、後述するアンダーコート層を有していても良い。
本発明の感熱記録ライナーレスラベルの製造方法は、まず第1の工程として、上記した長尺支持体の一方の面に、染料前駆体および顕色剤を少なくとも含有する感熱記録層を形成する工程を有する。
感熱記録層が含有する染料前駆体としては、黒系の染料前駆体、赤系の染料前駆体、緑系の染料前駆体、青系の染料前駆体、および機能性の染料前駆体等を例示することができる。
黒系の染料前駆体としては、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−(4−トルイジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−n−ブチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
赤系の染料前駆体としては、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−プロポキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフルオラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム、
緑系の染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−(N−フェニル−N−メチル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メチル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニリノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−(4−シクロヘキシルアニリノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
青系の染料前駆体としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ペンチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジクロロアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブロモアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−プロポキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ヘキシルオキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−メチルシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−メトキシシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2,3−ジエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−クロロインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ブロモインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−ニトロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブロモ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−n−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリドなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
機能性の染料前駆体として、近赤外領域に吸収を有するものがある。この染料前駆体を高温発色用の染料前駆体として、単独、または他の染料前駆体と併用して用いると、高温発色画像が近赤外領域に吸収のある、近赤外光での自動読み取りが可能な画像とすることができる。本発明にこの染料前駆体を用いると、可視領域のみに吸収のある画像、近赤外領域に吸収のある画像などの併用が可能となり、セキュリティ性の高い記録材料を得ることができる。
このような、近赤外領域に吸収を有する染料前駆体としては、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−〔1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチルフルオラン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(p−n−ブチルアミノアニリノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔p−(p−クロロアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3′−フェニル−7−N−ジエチルアミノ−2,2′−スピロジ(2H−1−ベンゾピラン)、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トリスルホニルメタン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジンなどが挙げられる。これらの染料前駆体は必要に応じて1種、または2種以上組み合わせて用いることもできる。
十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、染料前駆体の総量が1〜30質量%を占めることが好ましい。
感熱記録層が含有する顕色剤としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料で使用される顕色剤を使用できるが、特に限定されるものではない。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−〔2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、4,4′−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、3−(3−トシルウレイド)フェニル−p−トルエンスルホナート、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N−(2−{[(4−メチルフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−{2−[(フェニルカルバモイル)アミノ]フェニル}ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−(2−{[(4−メチルフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−ブチルブチル−4−[3−(p−トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート、3,3′−(4,4′メチレンジフェニル)ビス(ウレイドp−トリススルホン)、ビス{3−[3′−(p−トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート}、1,5−(3−オキソペンチレン)ビス{3′−[3′−(p−トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート}、N−フェニルスルホニル−N′−フェニルウレアの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの顕色剤は必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。
十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、顕色剤の総量は、染料前躯体に対して10〜500質量%が好ましい。
本発明において感熱記録層は、上記した染料前駆体および顕色剤のバインダーとして、通常の塗工で用いられる種々の水溶性高分子化合物、または水分散性高分子化合物を含有することが好ましい。具体的には、デンプン類、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン等のプロテイン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、スチレン/イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子化合物、およびスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性高分子化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を含有することができる。バインダーは感熱記録層の総固形分中5〜35質量%の範囲であることが好ましい。また感熱記録層が、アクリル樹脂とシラノール変成ポリビニルアルコールを含有する場合、感熱記録層とシリコーン樹脂を含有する剥離層との密着性が良くなるため好ましい。
本発明において感熱記録層は、その熱応答性を更に向上させるために、発色反応を促進する低融点の熱可溶成分(以下、増感剤と記載する。)を含有することができる。この場合、増感剤としては、融点が60〜180℃の化合物が好ましい。
増感剤の具体例としては、パルミチン酸モノアミド、ステアリン酸モノアミド等の脂肪酸モノアミド類、ジフェニルスルホン、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、p−トルエンスルホンアミド、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′−ジフェノキシ−o−キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ビス(4−メチルベンジル)エステル、蓚酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類等公知の増感剤が挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるものではない。
増感剤として、これらの化合物のうち2種以上を併用し使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、増感剤の総量が3〜50質量%を占めることが好ましい。
本発明において感熱記録層は、必要に応じて、さらにヒンダードフェノール系化合物、またはヒンダードアミン系化合物、リン酸エステル誘導体、あるいはベンゾトリアゾール誘導体を含有することができる。
感熱記録層が含有するヒンダードフェノール系化合物の具体的な例としては、1,1,2,2−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−フェニル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3,3−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,5,5−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン、1,1,3,3−テトラキス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(5−フェニル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、2,2′−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]4−[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、などを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、また、これらの化合物は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
感熱記録層が含有するヒンダードアミン系化合物の具体的な例としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸−テトラキス[1,2,2,6,6−ペンタメチル(4−ピペリジル)]エステル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸−テトラキス[2,2,6,6−テトラメチル(4−ピペリジル)]エステルなどを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、また、これらの化合物は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
感熱記録層が含有するリン酸エステル誘導体の具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4−クロロフェニル)ホスフェート、ビス(ベンジルオキシフェニル)ホスフェート、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ジメチルオキシホスフェート、ジエチルオキシホスフェート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスフェート、3,5−ジ−tert−ブチルジフェニルホスフェート、ジエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスフェート、及び2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートのナトリウム塩、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートのカルシウム塩、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートの亜鉛塩、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートのアンモニウム塩、およびカリウム塩などを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、また、これらの化合物は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
感熱記録層が含有するベンゾトリアゾール誘導体の具体的な例としては、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−tert−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、メチル−3−(3−tert−ブチル−5−ベンゾトリアゾリル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、5−tert−ブチル−3−(5−クロロ−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロピオン酸オクチル、2−(2−ヒドロキシ−3−sec−ブチル−5−tert−ブチルフェニル)−5−tert−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩、2−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシ−5−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−(5−メチルベンゾトリアゾリル)フェノール]、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾリル)フェノール]、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリルフェノール]、2,2′−メチレンビス(4−tert−ブチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2′−プロピリデンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2′−イソプロピリデンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2′−イソプロピリデンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリルフェノール]、2,2′−オクチリデンビス[4−メチル−6−(5−メチルベンゾトリアゾリル)フェノール]などを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、また、これらの化合物は必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。
本発明において、上記した感熱記録層に必要に応じて用いられるヒンダードフェノール系化合物またはヒンダードアミン系化合物、リン酸エステル誘導体、あるいはベンゾトリアゾール誘導体の含有量は合計量で、染料前躯体に対して5〜100質量%が好ましい範囲であり、さらに好ましい範囲は10〜80質量%である。
本発明において、耐スティッキング性向上、白色度向上等の目的に応じて、感熱記録層は各種顔料を含有することができる。例えば、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の白色無機顔料等公知の顔料が挙げられる。
また、感熱記録層は耐スティッキング性向上のために脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス類を、耐水性を持たせるために各種の硬膜剤、架橋剤を、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料、着色染料、ブルーイング剤、消泡剤等を含有することができる。
本発明において感熱記録層が含有する種々の発色成分は、分散媒中に分散された分散液として支持体上に、あるいはアンダーコート層上に塗布、乾燥される。その分散液は、発色成分を構成する化合物を乾式粉砕して分散媒中に分散する方法、または発色成分を構成する化合物を分散媒に混入し湿式粉砕する方法等により得られる。本発明において、顕色剤、増感剤はそれぞれ単独、もしくは共に、水を分散媒体として使用し、サンドグラインダー、ボールミル、アトライター、ビーズミル等の各種湿式粉砕機によって分散剤と共に体積平均粒子径を好ましくは0.1〜5.0μmに粉砕して微粒子とした後、感熱記録層塗工液の調製に用いられることが好ましい。染料前駆体は、顕色剤とは別に、水を分散媒体として使用し、サンドグラインダー、ボールミル、アトライター、ビーズミル等の各種湿式粉砕機によって分散剤と共に体積平均粒子径を好ましくは0.1〜5.0μmに粉砕して微粒子とした後、感熱記録層塗工液の調製に用いられることが好ましい。
本発明において、感熱記録層が含有する発色成分を構成する化合物の分散時に使用する分散剤としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、リン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン等のプロテイン、キトサンの酸中和物、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、エチレン/アクリル酸共重合体塩、スチレン/アクリル酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルスルホン酸塩等の水溶性高分子化合物、ドデシルベンゼンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪酸金属塩等のアニオン系低分子界面活性剤、アセチレングリコール等のノニオン系界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。分散剤は各種発色成分に対して0.5〜30質量%であることが好ましい。
また上記した感熱記録層が含有する発色成分を粉砕する際、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト等の無機顔料と共に粉砕しても良い。さらに、種々の発色成分を粉砕した後の分散液を40〜80℃の範囲で加温処理しても良い。
本発明の第1の工程において、長尺支持体の一方の面に感熱記録層を形成する形成方式については、特に限定されることなく、周知の技術を用いて形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター、各種ロールコーター等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いることができる。更に、表面平滑性を改良するために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシング等の装置を利用することができる等、感熱記録材料製造における種々の公知技術を用いることができる。また、長尺支持体の感熱記録層を有する面のもう一方の面に、フリューデックス等の加湿器により水蒸気を噴射、もしく水を塗布・乾燥を行うことで、カール矯正を行うこともできる。
また本発明において長尺支持体と感熱記録層の間には、発色感度向上を目的に、アンダーコート層を有することが好ましい。アンダーコート層は、バインダー及び各種無機や有機の顔料、中空粒子、発泡粒子などを含有することができる。また、アンダーコート層が含有する他の成分としては、公知の界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、紫外線吸収剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明においてアンダーコート層が含有する顔料としては、例えば、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル等の有機顔料が挙げられ、これらを単独または2種以上併用して含有することができる。十分な発色性を得るためには、アンダーコート層における顔料の含有量はアンダーコート層の総固形量に対して20質量%以上とすることが好ましい。
本発明においてアンダーコート層が含有する中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有する微小球状中空粒子であり、平均粒子径は0.1〜10μmのものが好ましい。この平均粒子径(粒子外径)が0.1μmよりも小さいものは、中空率の制御が難しい等の生産上の問題が生じる場合があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、熱ヘッドとの密着性が低下し発色感度の向上効果が低下する場合がある。かかる中空粒子は中空率が40%以上のものが好ましく、例えば、ダウケミカル日本(株)よりローペイク(登録商標)SN−1055、日本ゼオン(株)よりNipol(登録商標)MH8055等が市販されており、入手することができる。ここで言う中空率とは、中空樹脂の中空部の体積を、中空粒子の体積で除した値である。本発明において、アンダーコート層における中空粒子の含有量はアンダーコート層の総固形量に対して20質量%以上とすることが好ましい。
アンダーコート層が含有するバインダーとしては、通常の塗工で用いられる種々の水溶性高分子化合物、または水分散性高分子化合物を含有することができる。その具体例としては、例えば、デンプン類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、スチレン/イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子化合物、及びウレタン樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体等の水分散性高分子化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダーは1種、もしくは2種以上を含有することができる。またバインダーはアンダーコート層の総固形分中10〜30質量%の範囲で含有することが好ましい。
本発明において、アンダーコート層は、水等を媒体とし、顔料及び必要によりバインダーや助剤とを共に混合攪拌して調製されたアンダーコート層用塗工液を支持体上に塗布、乾燥して形成されることが好ましい。
本発明において、アンダーコート層が含有する各種成分を水等を媒体として混合攪拌する際には、分散性を良くするために分散剤を使用することができる。使用する分散剤としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン等のプロテイン、キトサンの酸中和物、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、エチレン/アクリル酸共重合体塩、スチレン/アクリル酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルスルホン酸塩等の水溶性高分子化合物、ドデシルベンゼンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪酸金属塩等のアニオン系低分子界面活性剤、アセチレングリコールに代表されるノニオン系界面活性剤、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。分散剤は各種成分に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。
上記したアンダーコート層は、例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター、各種ロールコーター等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いて形成することができる。また表面平滑性を改良するために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシング等の装置を利用することができる。
次に、本発明における第2の工程について説明する。本発明の感熱記録ライナーレスラベルの製造方法では、上記した第1の工程で得られた感熱記録層上に、保護層を介さずに紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する剥離層塗工液を塗工し、その後、紫外線を照射することで該シリコーン樹脂を硬化させる第2の工程を有する。感熱記録層上に保護層を設け、該保護層上に紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する剥離層を設けた場合、後述する実施例において示したように、良好な発色感度が得られない。
剥離層塗工液が含有する紫外線硬化型シリコーン樹脂としては、紫外線照射により硬化することが可能なシリコーン樹脂であれば特に制限されず、各種の硬化タイプ(硬化メカニズム)のものを用いることができる。このような硬化タイプとしては、例えば、カチオン重合により硬化するカチオン重合型、ラジカル重合により硬化するラジカル重合型、ラジカル付加重合により硬化するラジカル付加型、ヒドロシリル化反応により硬化するヒドロシリル化反応型などが挙げられる。紫外線硬化型シリコーン樹脂の硬化タイプとしては、特に、ラジカル重合型とラジカル付加型が好ましい。これにより発色感度、長期間保管後の画像保存性にとりわけ優れた感熱記録ライナーレスラベルを得ることができる。これらのような紫外線硬化型シリコーン樹脂は市販品を利用することもでき、例えばエボニックジャパン(株)よりTEGO(登録商標) RC902、TEGO RC715等の製品名で市販されているものを入手し利用することも可能である。
剥離層塗工液には、必要に応じて、他の紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、光重合開始剤、架橋剤、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、潤滑剤等の各種助剤を含有させることができる。また、剥離層表面のベック平滑度は300〜15000秒であることが好ましい。これにより印字品位(印字部に白抜けが少ない)に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られる。
剥離層塗工液の塗工方法としては、通常の塗工機、例えば、バーコーター、多段ロールコーター、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ロールアプリケーター、カーテンコーター等によって塗工することができる。剥離層塗工液の塗工量としては、固形分塗工量で0.2〜3.0g/mが好ましい。固形分塗工量が0.2g/m未満では剥離層としての効果が乏しい場合があり、3.0g/mを超える場合、発色感度の低下が起きることがある。また、剥離層塗工液を硬化させる紫外線照射装置としては、一般には出力30W/cm以上のランプが複数本並列されて使用されることが多い。なお、紫外線照射に際しては、酸素濃度が高いと紫外線硬化樹脂の硬化が妨げられることがあるため、窒素、ヘリウム等の不活性ガスや二酸化炭素等による置換を行い、酸素濃度を500ppm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。さらに、シリコーン樹脂のような感熱記録層の発色を阻害する物質の感熱記録層への浸透を抑えるために、剥離層塗工液を塗工した後は、1秒以内に紫外線を照射して硬化させることが好ましい。
次に、本発明における第3の工程について説明する。本発明の感熱記録ライナーレスラベルの製造方法では、上記した第2の工程において感熱記録層上に剥離層を形成した後、長尺支持体のもう一方の面に、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を塗工する第3の工程を有する。
本発明では、第3の工程でホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を塗工することにより、長期間保管後の画像保存性に優れ、プリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルを製造することができる。その理由は次のように推測される。
従来技術において、例えば特許文献1などでは、アクリルエマルジョン粘着剤を塗工・乾燥して(熱を付与して)粘着剤層を形成することが行われていたが、かかる方法では長期間保管後に画像が消色してしまうことがあった。これは該アクリルエマルジョン粘着剤 が固まり、粘着剤層を形成するまでに時間がかかるため、感熱記録層にアクリルエマルジョン粘着剤を含有する塗工液の成分の一部が移行したためと推測される。さらにかかる方法では支持体を湿潤・乾燥させるため、感熱記録ライナーレスラベルのカールバランスを大きく崩し、プリンター内での搬送性に問題が生じる場合があった。しかしホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を用いて粘着剤層を形成した場合、乾燥等の目的で加熱は行われず、塗工後の粘着剤層は急速に冷却されて短時間で層を形成するため、該粘着剤が含有する成分の移行が速やかに制限され、この結果、長期間保管後の画像保存性に優れ、かつ良好なプリンター内での搬送性が得られるものと推測される。
本発明において、第3の工程で用いる粘着剤層塗工液が含有するホットメルト粘着剤としては、シリコーン樹脂に対する剥離性、粘着力の安定性、ブリードの点から、ゴム系のホットメルト粘着剤が好ましいが、本発明はこれに限定されず、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等を使用してもよい。
ゴム系のホットメルト粘着剤としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系共重合体を含有する粘着剤が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また必要に応じて1種、もしくは2種以上を使用することができる。これらのようなホットメルト粘着剤は市販品を利用することもでき、例えば積水フーラー(株)よりJM−6197、JM−6189ZP等の製品名で市販されているものを入手し利用することも可能である。
本発明におけるホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液は、上記した成分に加え、粘着性改良、塗工適正改良を目的に、各種粘着付与剤、軟化剤、ワックスなどを含有することができる。粘着付与剤としては、例えば、脂肪族(C5)系石油樹脂、芳香族(C9)系石油樹脂、共重合(C5/C9)系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、およびこれらの水添型樹脂等が挙げられ、軟化剤としては、例えば、各種可塑剤、ポリブテン、液状粘着付与剤樹脂、ポリイソブチレン低重合体、ポリビニルイソブチルエーテル低重合体、ラノリン、塊重合ゴム、プロセスオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、加硫オイル、鉱油等が挙げられ、ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、鉱物系ワックス、合成ワックスに加え、これらの加工・変性ワックスが挙げられる。
本発明におけるホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液の粘度は、塗工性の点から1000〜10000mPa・sが好ましい。粘度値が1000mPa・s未満、もしくは10000mPa・sを超えると、塗膜面が不均一になり、粘着特性に影響を及ぼす恐れがある。また、ホットメルト粘着剤のJIS K−6863(1994)により測定される軟化点は80〜150℃であることが好ましく、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液の溶融温度は200℃以下であることが好ましい。溶融温度が200℃を超えると、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液の塗工時に、感熱記録材料が地肌かぶりを起こす場合がある。下限は80℃以上であることが望ましい。
本発明おいてホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液は、バーコーター法、ロールコーター法、コンマコーター法、グラビアコーター法、スロットダイ法、カーテンコーター法等により塗工することができる。また、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液の塗工量(固形分量)が10〜25g/mであれば、ラベルを貼る被着体の表面形状に拘わらず、安定した粘着力を得ることができるため好ましい。該塗工量が10g/mを下回ると、ダンボールのような粗面においては、ダンボール表面を粘着剤で覆うことができなくなるため、粘着力が低下してしまう場合がある。また、該塗工量が25g/mを超えると、最終形態であるロール形状にした場合に、粘着剤のはみ出し等の問題が発生する場合がある。
本発明において、上記した第3の工程の粘着剤層塗工液を塗工した後、加熱することなくロール状に巻き取る第4の工程を行い、感熱記録ライナーレスラベルを製造する。第4の工程で加熱することなくロール状に巻き取ることにより、耐地肌かぶり性およびプリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルを製造することができる。なお、本発明において加熱することなくとは、第3の工程以降ロール状に巻き取るまで、感熱記録ライナーレスラベルに感熱記録ライナーレスラベル外部から50℃以上の加温による加熱を行わないことを意味する。また、上記した第3の工程の粘着剤層塗工液を塗工した後にクーリングロールや送風による冷却などを行っても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、特に注意書きの無い場合は、%及び部はすべて質量基準である。また塗工量は絶乾塗工量である。
実施例1
(1)アンダーコート層塗工液の調製
以下の配合を混合し、充分攪拌して、アンダーコート層塗工液を得た。
20%プラスチック中空粒子分散液 200部
(ダウケミカル日本(株)製、ローペイク SN−1055(粒子径1μm、中空率55%)を水で希釈したもの)
焼成カオリン(BASF社製、アンシレックス(登録商標)) 60部
10%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液 3部
10%アンモニア水 1部
20%尿素変性リン酸エステル化デンプン水溶液 25部
(日本食品化工(株)製、MS4600を水に溶かしたもの)
40%スチレン/ブタジエン共重合体の水分散物 37.5部
(旭化成ケミカルズ(株)製、E1585を水で希釈したもの)
水 13.5部
(2)アンダーコート層の形成
上記(1)で調製したアンダーコート層塗工液を、幅400mm、長さ10000mの坪量60g/mの中性上質紙(長尺支持体)の一方の面上に、固形分塗工量として10g/mとなるように、ロッド塗工法で塗布し乾燥してアンダーコート層を形成した。
(3)染料前駆体分散液の調製
以下の配合を混合し、ビーズミルで体積平均粒子径が0.7μmになるまで湿式粉砕した後、70℃で30分間加温処理を行って、染料前駆体分散液を得た。
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30部
10%スルホン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 30部
(日本合成化学(株)製、ゴーセネックス(登録商標)L−3266を水に溶かしたもの)
アセチレン系ジアルコール組成物 0.15部
(エアープロダクツジャパン(株)製、サーフィノール(登録商標)104E)
水 39.85部
(4)顕色剤・増感剤分散液の調製
以下の配合を混合し、ビーズミルで体積平均粒子径が0.7μmになるまで湿式粉砕して、顕色剤・増感剤分散液を得た。
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 60部
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 40部
10%スルホン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 100部
(日本合成化学(株)製、ゴーセネックスL−3266を水に溶かしたもの)
アセチレン系ジアルコール組成物 0.5部
(エアープロダクツジャパン(株)製、サーフィノール104E)
水 164.5部
(5)感熱記録層用顔料分散液の調製
以下の配合を混合攪拌して、感熱記録層用顔料分散液を得た。
軽質炭酸カルシウム 65部
(奥多摩工業(株)製、タマパール(登録商標)TP−123)
10%ポリアクリル酸アンモニウム水溶液 7部
(互応化学工業(株)製、ミクロゾールKE−511を水で希釈したもの)
水 148部
(6)感熱記録層塗工液の調製
以下の配合を混合し、充分攪拌して、感熱記録層塗工液を得た。
染料前駆体分散液 100部
顕色剤・増感剤分散液 365部
感熱記録層用顔料分散液 220部
10%シラノール変性ポリビニルアルコール水溶液 350部
((株)クラレ製、25−98R(R−1130)を水で溶かしたもの)
10%コアシェル型アクリルエマルジョン 350部
(三井化学(株)製、BM−1000を水で希釈したもの)
20%ステアリン酸亜鉛水分散液 150部
(中京油脂(株)製、ハイドリン(登録商標)L−536を水で希釈したもの)
(7)感熱記録材料の作製
上記(2)で作製したアンダーコート層上に、上記(6)で調製した感熱記録層塗工液を固形分塗工量で5.0g/mとなるように、エアナイフ塗工法で塗工、乾燥し、更にスーパーカレンダーを用いてカレンダー処理を行って感熱記録材料を作製した。なお、カレンダー処理後の感熱記録層表面のベック平滑度は300秒であった。
(8)剥離層塗工液1の調製
以下の配合を混合し、剥離層塗工液を得た。
シリコンアクリレート 30部
(エボニックジャパン(株)製、TEGO RC902)
アクリレート 30部
(エボニックジャパン(株)製、TEGO RC1717)
シリコンアクリレート 20部
(エボニックジャパン(株)製、TEGO RC1772)
光重合開始剤 2部
(エボニックジャパン(株)製、TEGO A−18)
(9)剥離層を有する感熱記録材料の作製
上記(7)で作製した感熱記録材料の感熱記録層上に、上記(8)で調製した剥離層塗工液1を固形分塗工量で1.0g/mとなるように、グラビア塗工法で塗工した。剥離層塗工液塗工後1秒以内に、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でUVランプ(80W/cm)を用いて紫外線を照射し、剥離層塗工液を硬化させて、剥離層を形成して、剥離層を有する感熱記録材料を作製した。なお、該剥離層表面のベック平滑度は1000秒であった。
(10)感熱記録ライナーレスラベルの作製
上記(9)で作製した剥離層を有する感熱記録材料の感熱記録層を有する面とは他方の面に、ホットメルト粘着剤(積水フーラー(株)製、JM−6197、軟化点106℃)を160℃で加熱溶融させた後(粘度値9500mPa・s)、固形分塗工量20g/mとなるようスロットダイ法で塗工、冷却して粘着剤層を形成し、剥離層と粘着剤層と貼り合わせてロール状に巻き取ることで、実施例1の感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例2
実施例1の(10)感熱記録ライナーレスラベルの作製において、ホットメルト粘着剤(積水フーラー(株)製、JM−6197)を、ホットメルト粘着剤(積水フーラー(株)製、JM−6189ZP、軟化点100℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。なお、該ホットメルト粘着剤の加熱溶融時の粘度値は6000mPa・sであった。
実施例3
実施例1の(4)顕色剤・増感剤分散液の調製において、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを、3−(3−トシルウレイド)フェニル−p−トルエンスルホナート(BASF社製、PERGAFAST(登録商標)201)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
比較例1
実施例1の(8)剥離層塗工液1の調製において、剥離層塗工液1を下記剥離層塗工液2に変更し、該剥離層塗工液2を固形分塗工量が1.0g/mとなるようにグラビア塗工法で塗工し、その後、ドライヤーボックスを用いて加熱して熱硬化させて、剥離層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。なお、該剥離層表面のベック平滑度は1000秒であった。
(8)剥離層塗工液2の調製
ビニル基含有無溶剤型シリコン樹脂 100部
(東レ・ダウコーニング(株)製、BY24−468C)
硬化触媒 3部
(東レ・ダウコーニング(株)製、白金系触媒SRX212)
比較例2
実施例1の(10)感熱記録ライナーレスラベルの作製において、ホットメルト粘着剤(積水フーラー(株)製、JM−6197)を、アクリルエマルジョン粘着剤(サイデン化学(株)製、AT−1202)に変更して、ロールコーター塗工法で塗工後、ドライヤーボックスを用いて70℃で加熱して乾燥させた以外は実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
比較例3
比較例1の(10)感熱記録ライナーレスラベルの作製において、ホットメルト粘着剤(積水フーラー(株)製、JM−6197)を、アクリルエマルジョン粘着剤(サイデン化学(株)製、AT−1202)に変更して、ロールコーター塗工法で塗工後、ドライヤーボックスを用いて70℃で加熱して乾燥させた以外は比較例1と同様にして、比較例3の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
比較例4
実施例1の(7)感熱記録材料の作製において、感熱記録層上に下記の保護層塗工液を固形分塗工量で2.0g/mとなるようにエアナイフ塗工法で塗工、乾燥し、更にスーパーカレンダーを用いてカレンダー処理を行って保護層を形成した。カレンダー処理後の保護層表面のベック平滑度は2000秒であった。その後、該保護層上に剥離層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例4の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。なお、該剥離層表面のベック平滑度は3000秒であった。
(11)保護層塗工液の調整
5%非晶質シリカ水分散液 800部
(水澤化学工業(株)製、ミズカシル(登録商標)P−527を水で分散したもの)
10%シラノール変性ポリビニルアルコール水溶液 1000部
((株)クラレ製、25−98R(R−1130)を水で溶かしたもの)
20%ステアリン酸亜鉛水分散液 25部
(中京油脂(株)製、ハイドリンL−536を水で希釈したもの)
20%グリオキザール水溶液 100部
以上のようにして得た実施例1〜3、及び比較例1〜4の感熱記録ライナーレスラベルを、巻き芯は内径1.5インチ、肉厚2mmの紙管を使用して、幅60mm、長さ60mの寸法のロール(粘着剤層が巻き芯側(内側))に断裁、巻き取って、下記の評価に供した。各々の結果について、表1に示した。
<発色感度>
作製した各感熱記録ライナーレスラベルそれぞれについて、23℃・50%RHの環境下でラベルプリンター((株)新盛インダストリーズ:HALLO neo−7 H23T−CL)を用いて、印字濃度8、印字速度130mm/秒、ライナーレス設定ONの条件で黒ベタ印字を行った。印字した感熱記録ライナーレスラベルを坪量60g/mの中性上質紙に貼り付けた後、23℃・50%RHの環境下で印字部の光学濃度を濃度計(GretagMacbeth社製、RD19)(ブラックモード)にて測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.4以上
○:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.2以上1.4未満
×:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.2未満、または印字欠けが目立つ
<長期間保管後の画像保存性>
作製した各感熱記録ライナーレスラベルそれぞれについて、23℃・50%RHの環境下でラベルプリンター((株)新盛インダストリーズ:HALLO neo−7 H23T−CL)を用いて、印字濃度8、印字速度130mm/秒、ライナーレス設定ONの条件で黒ベタ印字を行った。印字した感熱記録ライナーレスラベルを坪量60g/mの中性上質紙に貼り付けた後、23℃・50%RHの環境下で90日間保管し、その後、23℃・50%RHの環境下で印字部の光学濃度を濃度計(GretagMacbeth社製、RD19)(ブラックモード)にて測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.2以上
○:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.0以上1.2未満
×:黒ベタ印字部分の光学濃度が1.0未満
<耐地肌かぶり性>
作製した各感熱記録ライナーレスラベルそれぞれについて、坪量60g/mの中性上質紙に貼り付けた後、23℃・50%RHの環境下で白紙部分の光学濃度を濃度計(GretagMacbeth社製、RD19)(ブラックモード)にて測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:白紙部分の光学濃度が0.1未満
○:白紙部分の光学濃度が0.1以上0.2未満
×:白紙部分の光学濃度が0.2以上
<プリンター内での搬送性>
作製した各感熱記録ライナーレスラベルそれぞれについて、23℃・50%RHの環境下でラベルプリンター((株)新盛インダストリーズ:HALLO neo−7 H23T−CL)を用いて、印字濃度8、印字速度130mm/秒、ライナーレス設定ON、ラベル寸法幅60mm×長さ60mmの条件で黒ベタ印字を行って、以下の基準に従い評価した。
○:プリンター内で詰まることなく、問題なく印字ができる。
△:問題なく印字はできるが、印字後のカールがやや大きく、ラベルを貼合する際の取り扱い性がやや劣る。
×:プリンター内で詰まる
Figure 2020163764
表1の記載から明らかなように、本発明によって、発色感度、長期間保管後の画像保存性に優れ、耐地肌かぶり性およびプリンター内での搬送性に優れた感熱記録ライナーレスラベルが得られることが判る。

Claims (1)

  1. 長尺支持体の一方の面に、染料前駆体および顕色剤を少なくとも含有する感熱記録層を形成する第1の工程と、該感熱記録層上に保護層を介さずに紫外線硬化型シリコーン樹脂を含有する剥離層塗工液を塗工し、その後、紫外線を照射することで該シリコーン樹脂を硬化させる第2の工程、および前記した長尺支持体のもう一方の面に、ホットメルト粘着剤を含有する粘着剤層塗工液を塗工する第3の工程を有し、前記した第3の工程の後、加熱することなくロール状に巻き取る第4の工程を少なくとも具備する、感熱記録ライナーレスラベルの製造方法。
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