以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
本実施形態では、図1に示されるプリンタ10を説明する。プリンタ10は、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに使用する態様、及びユーザがサービス提供者と契約を締結して使用する態様の両方の態様で使用可能なプリンタである。以下では、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに使用する態様を通常使用態様と記載し、ユーザがサービス提供者と契約を締結して使用する態様を契約使用態様と記載して説明する。
通常使用態様で使用されるプリンタ10は、パーソナルコンピュータなどの端末装置とUSBケーブルなどによって接続され、或いはLAN(Local Area Networkの略)などのローカルネットワークに接続され、さらに或いは単体で使用される。一方、契約使用態様で使用されるプリンタ10は、端末装置とUSBケーブルなどによって接続され、或いはLANなどのローカルネットワークに接続される。そして、プリンタ10は、端末装置やルータなどを介してインターネット12と接続される。契約使用態様で使用されるプリンタ10は、ルータ及びインターネット12を通じて、インクの残量や印刷枚数などを示す情報を、インターネット12と接続された情報処理装置11に送信する。情報処理装置11は、サービス提供者が所持、或いは使用権限を有するサーバやパーソナルコンピュータなどである。サービス提供者は、情報処理装置11を用いて、プリンタ10で使用されるインクの残量や印刷枚数などを監視する。そして、サービス提供者は、インクの残量が少なくなると、インクを貯留するカートリッジ13(図2)の発送を手配する。すなわち、サービス提供者は、カートリッジ13をプリンタ10のユーザに提供するサービスを行う。ユーザとサービス提供者との契約において、サービス提供者は、例えば、印刷枚数やインクの使用量に拘わりなく、所定の期間ごとに定額でユーザにプリンタ10を使用させる。或いは、サービス提供者は、インクの使用量に拘わりなく、印刷枚数に応じた金額で、ユーザにプリンタ10を使用させる。すなわち、ユーザは、サービス提供者と契約を締結することにより、インクの使用量に拘わりなく、プリンタ10を使用することができる。
本実施形態では、ヘッド34のクリーニングに関して、プリンタ10が通常使用態様で使用される場合と、契約使用態様で使用される場合とで、表示パネル43に表示させる画面の内容を変えるプリンタ10を説明する。以下、詳しく説明する。
プリンタ10は、図2に示されるように、筐体20と、筐体20に保持されるパネルユニット21、カバー22、給紙トレイ23、及び排紙トレイ24と、を備える。
パネルユニット21は、パネル本体41と、パネル本体41に保持されたタッチパネル42及び複数の操作スイッチ45とを備える。パネル本体41は、矩形板状であり、筐体20の一面に取り付けられている。以下では、プリンタ10が水平面に載置された状態において、パネル本体41が位置する筐体20の一面を前面として前後方向8を定義し、鉛直方向に沿う方向を上下方向7として説明する。また、プリンタ10を前方から見た場合の左右を左右方向9として定義して説明する。前後方向8及び左右方向9は、水平面と平行であって、かつ上下方向7とそれぞれ直交しており、さらにかつ、互いに直交している。
タッチパネル42は、図1に示されるように、画像を表示する表示パネル43と、表示パネル43に重畳された透明な膜状のタッチセンサ44と、を有する。タッチセンサ44は、ユーザがタッチした表示パネル43における位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示パネル43の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとした場合のx−y平面上の座標(x,y)である。
タッチパネル42の表示パネル43及びタッチセンサ44は、ケーブルなどによって、後述のコントローラ51と接続されている。コントローラ51は、表示パネル43に画像データを入力して表示パネル43に画像を表示させる。また、コントローラ51は、タッチセンサ44が出力した位置情報を受け付ける。コントローラ51は、タッチセンサ44から入力された位置情報が示す位置に表示させているアイコンなどのオブジェクトを、ユーザが選択したオブジェクトと判断する。
操作スイッチ45は、ユーザ操作に応じて開閉される接点を有する。操作スイッチ45は、接点が開かれた場合と、閉じられた場合とで、異なる電圧値を出力する。操作スイッチ45は、ケーブルなどによって、コントローラ51と接続されている。コントローラ51は、操作スイッチ45から入力された電圧値によって、操作スイッチ45がユーザによって操作されたか否かを判断する。タッチセンサ44及び操作スイッチ45は、ユーザインタフェースの一例である。なお、タッチセンサ44と操作スイッチ45との一方のみがパネルユニット21に設けられていてもよい。
給紙トレイ23は、図2に示されるように筐体20の下部に位置しており、着脱可能に筐体20に保持されている。排紙トレイ24は、筐体20の下部であって、給紙トレイ23の上に位置しており、給紙トレイ23或いは筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の前面の右部に位置しており、回動可能に筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の右部に設けられた開口30を閉塞する閉塞位置と、開口30を開放する開放位置との間で回動する。装着ケース32が、開口30の奥に配置されており、筐体20に保持されている。装着ケース32は、カートリッジ13を着脱可能に保持する構成を有する。当該構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。装着ケース32は、装着部の一例である。
装着ケース32は、複数のカートリッジ13を着脱可能に保持する。図示例では、装着ケース32は、4つのカートリッジ13を着脱可能に保持している。4つのカートリッジ13は、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色のインクのうちの1つの色のインクをそれぞれ貯留する。すなわち、プリンタ10は、いわゆるインクジェットプリンタ、かつ、カラープリンタである。ただし、装着ケース32は、ブラックの色のインクを貯留する1つのカートリッジ13のみを着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるモノクロプリンタであってもよい。
装着ケース32は、図1に示されるカートリッジI/F49を有する。I/Fは、インタフェースの略である。カートリッジI/F49は、例えば端子である。カートリッジI/F49は、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が有するICチップ14の不図示の電極と当接する位置に位置する。カートリッジI/F49は、不図示のケーブルによって、後述のコントローラ51と接続されている。
なお、カートリッジI/F49は、アンテナであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、パターンアンテナを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ14は、同様のアンテナを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ14のアンテナに受信される電波を出力し、ICチップ14のアンテナが出力した電波を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、電波によって、ICチップ14から情報やデータを受信し、ICチップ14に対して情報やデータを送信する。
また、カートリッジI/F49は、発光ダイオード及びフォトダイオードであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、発光ダイオード及びフォトダイオードを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ14は、同様の発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ14のフォトダイオードに受光される光を出射し、ICチップ14の発光ダイオードが出射した光を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、光によって、ICチップ14から情報やデータを受信し、ICチップ14に対して情報やデータを送信してもよい。
カートリッジ13は、インクを貯留する内部空間を有する箱状である。カートリッジ13の基本的な構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。カートリッジ13は、ICチップ14を備える。図3に示す例では、ICチップ14は、カートリッジ13の上面に取り付けられている。ICチップ14は、図1に示すように、端子であるカートリッジI/F49と当接する不図示の電極と、当該電極と電気的に接続されたICメモリ15と、を有する。或いは、ICチップ14は、電極に代えて、パターンアンテナなどのアンテナ、或いは発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。ICメモリ15は、カートリッジメモリの一例である。ICメモリ15は、種々の情報を記憶する。具体的には、ICメモリ15は、型番及び種別情報などを記憶する。
型番は、カートリッジ13が貯留するインクの色や、染料や顔料などのインクの種別に応じてカートリッジ13に付与される識別情報である。種別情報は、カートリッジ13が通常使用態様で使用されるカートリッジであるか、契約使用態様で使用されるカートリッジであるか、を示す情報である。例えば、種別情報は、ICメモリ15の所定のアドレスに記憶された「0」又は「1」を示す1ビットのデータである。例えば、「0」は、通常使用態様で使用されるカートリッジであることを示し、「1」は、契約使用態様で使用されるカートリッジであることを示す。ただし、種別情報は、型番に含まれていてもよい。すなわち、一の型番は、一のインクの色及び種別と、通常使用態様で使用されるか契約使用態様で使用されるかを示していてもよい。「1」の種別情報は、特定情報の一例である。型番が契約使用態様を示す場合、当該型番は、特定情報の一例である。
筐体20は、図3に示される印刷エンジン40を内部に保持する。印刷エンジン40は、給紙ローラ25、搬送ローラ26、排紙ローラ27、プラテン28、記録ユニット29、及びメンテナンス機構60を主に備える。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に載置されたシート6に当接可能に、筐体20内に設けられた不図示のフレームに保持されている。給紙ローラ25は、不図示のモータによって回転される。回転する給紙ローラ25は、シート6を搬送路37に送り出す。搬送路37は、不図示のガイド部材によって区画された空間である。図示例では、搬送路37は、給紙トレイ23の後端から給紙トレイ23の上方となる位置まで湾曲して延びており、次いで、前方に向かって延びている。
搬送ローラ26は、シート6の搬送向きにおける給紙トレイ23の下流に位置している。搬送ローラ26は、従動ローラ35とともに、ローラ対を構成している。搬送ローラ26は、不図示のモータによって回転される。回転する搬送ローラ26及び従動ローラ35は、給紙ローラ25によって搬送路37に送り出されたシート6を挟持しつつ搬送する。排紙ローラ27は、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流に位置している。排紙ローラ27は、従動ローラ36とともに、ローラ対を構成している。排紙ローラ27は、不図示のモータによって回転される。回転する排紙ローラ27及び従動ローラ36は、シート6を挟持しつつ搬送し、排紙トレイ24に排出する。プラテン28は、前後方向8における搬送ローラ26と排紙ローラ27との間であって、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流、かつ排紙ローラ27の上流に位置している。
記録ユニット29は、プラテン28の上方に位置している。記録ユニット29は、フレームの一部であるガイドレールによって左右方向9に移動可能に保持されていてもよいし、フレームに固定されていてもよい。すなわち、プリンタは、いわゆるシリアルプリンタであってもよいし、いわゆるラインプリンタであってもよい。記録ユニット29は、ヘッド34を有する。ヘッド34は、インクが流通する流路を内部に有する。当該流路は、チューブ31によって、装着ケース32に装着されたカートリッジ13の内部空間と連通されている。すなわち、チューブ31を通じて、カートリッジ13が貯留するインクがヘッド34に供給される。
ヘッド34は、図1に示されるように、駆動素子50を有している。駆動素子50の一部は、ヘッド34内の流路を構成する。駆動素子50は、不図示のケーブルなどによってコントローラ51と電気的に接続されている。駆動素子50は、圧電素子やヒータである。圧電素子である駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって変形し、流路内のインクに圧力を加え、流路の開口であるノズルからインク滴を吐出させる。ヒータである駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって発熱し、流路内のインクを突沸させて、ノズルからインク滴を吐出させる。ヘッド34は、図4(A)に示されるように、4つのノズル列38Bk、38M、38C、38Yを有している。ノズル列38Bkは、ブラックのインクを吐出する複数のノズルからなる。ノズル列39Mは、マゼンタのインクを吐出する複数のノズルからなる。ノズル列38Cは、シアンのインクを吐出する複数のノズルからなる。ノズル列38Yは、イエローのインクを吐出する複数のノズルからなる。なお、以下では、ノズル列38Bk、38M、38C、38Yを区別しない場合は、ノズル列38と記載して説明する。
図4(B)に示されるメンテナンス機構60は、ヘッド34のノズルからインクを吸引する機能を有する。メンテナンス機構60は、例えば、粘度が高くなったインクや、エアが混入したインク、及びヘッド34に付着したゴミを吸引することにより、ヘッド34をクリーニングする。以下では、後述のコントローラ51がメンテナンス機構60を駆動させる処理を、クリーニング処理と記載して説明する。
メンテナンス機構60は、キャップ61と、リフトアップ機構62と、チューブ63、64、65、66と、ポンプ67と、バルブ機構68と、排液タンク69と、を備える。キャップ61は、ヘッド34の下面に当接してノズル列38を覆うキャップ位置と、ヘッド34の下面から下方に離間する待機位置と、の間で移動可能にリフトアップ機構62に保持されている。キャップ61は、ゴム材によって成型された部材である。キャップ61は、不図示のモータによって、キャップ位置と待機位置との間で移動される。また、キャップ61は、2つの凹部71、72を上面に有する。凹部71は、キャップ61がキャップ位置にある場合に、ノズル列38Bkの全てのノズルと連通する。凹部72は、キャップ61がキャップ位置にある場合に、ノズル列38M、38C、38Yの全てのノズルと連通する。チューブ63の一端は、キャップ61と接続している。そして、チューブ63の内部空間は、凹部71と連通している。チューブ64の一端は、キャップ61と接続している。そして、チューブ64の内部空間は、凹部72と連通している。チューブ63、64の他端は、バルブ機構68と接続している。また、チューブ65、66の一端は、バルブ機構68と接続している。チューブ65、66の他端は、排液タンク69と接続している。バルブ機構68は、不図示のモータによって、第1状態、第2状態、及び第3状態に状態を切り換えられる。第1状態は、チューブ63とチューブ65とが連通した状態である。第2状態は、チューブ64とチューブ66とが連通した状態である。第3状態は、チューブ63とチューブ65とが連通し、かつチューブ64とチューブ66とが連通した状態である。バルブ機構68が第1状態にある状態でポンプ67が駆動されると、ヘッド34のノズルからブラックのインクが吸引される。バルブ機構68が第2状態にある状態でポンプ67が駆動すると、ヘッド34のノズルからマゼンタ、シアン、及びイエローのインクが吸引される。バルブ機構68が第3状態にある状態でポンプ67が駆動すると、ヘッド34のノズルから、全ての色のインクが吸引される。後述のコントローラ51は、ヘッド34のクリーニングの指示をユーザから受け付ける際、ヘッド34から吸引するインクの色の指定を受け付ける。そして、コントローラ51は、指定されたインクの色に応じてモータを駆動させ、バルブ機構68を第1状態、第2状態、及び第3状態のいずれかの状態にする。詳しくは後述する。ポンプ67は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。但し、ポンプ67には、他の種類のポンプが使用されてもよい。なお、メンテナンス機構60は、ポンプ67によってヘッド34のノズルからインクを吸引可能であれば、どのような構成であってもよい。
プリンタ10は、図1に示されるコントローラ51と、クロックモジュール46と、通信I/F47と、電源回路48と、駆動回路39と、をさらに備える。クロックモジュール46は、例えば、日時を示す日時情報を出力するICである。
電源回路48は、プリンタ10に供給された商用の交流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換して出力する回路である。電源回路48は、例えば、AC/DCコンバータである。駆動回路39は、ポンプ67を駆動させる回路である。具体的には、駆動回路39は、電源回路48が出力した直流電圧を、安定した一定の直流電圧に変換して出力するスイッチングレギュレータなどの定電圧回路である。駆動回路39は、コントローラ51から駆動信号が入力されると、ポンプ67に直流電圧を供給してポンプ67を駆動させる。コントローラ51は、ポンプ67を駆動させる時間を増減させることにより、ポンプ67がヘッド34から吸引するインクの量を変える。詳しくは後述する。
なお、コントローラ51は、ポンプ67に供給される直流電圧の電圧値や、電力を増減させることにより、ポンプ67がヘッド34から吸引するインクの量を変えてもよい。例えば、駆動回路39は、入力する一定周波数の駆動信号のデューティ比に応じた電圧値の直流電圧を出力するスイッチングレギュレータである。コントローラ51は、駆動回路39に入力する駆動信号のデューティ比を増減させることにより、ポンプ67に供給される直流電圧の電圧値を増減させる。或いは、駆動回路39は、一定の電圧値の直流電圧を出力する出力端に、スイッチング素子を有する。コントローラ51は、当該スイッチング素子に入力する一定周波数の駆動信号のデューティ比を増減させることにより、ポンプ67に供給される電力を増減させる。
コントローラ51は、中央演算処理装置であるCPU52と、メモリ53と、通信バス54と、を有する。CPU52、メモリ53、タッチパネル42、操作スイッチ45、駆動素子50、クロックモジュール46、通信I/F47、駆動回路39、及びカートリッジI/F49は、通信バス54と接続されている。すなわち、CPU52は、通信バス54を通じて、メモリ53やタッチパネル42や操作スイッチ45等と情報やデータや駆動信号を送信或いは受信可能に接続されている。
メモリ53は、ROM55と、RAM56と、EEPROM57と、を有する。ROM55は、オペレーティングシステムであるOS58と、制御プログラム59と、を予め記憶する。OS58及び制御プログラム59に記述された命令は、CPU52によって実行される。すなわち、OS58及び制御プログラム59は、CPU52によって実行される。CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、表示パネル43に画像を表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45を通じてユーザの入力を受け付ける。また、CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、通信I/F47やカートリッジI/F49を通じて情報やデータを送受信し、受信した情報やデータをメモリ53に記憶させる。
制御プログラム59は、単一のプログラムであってもよいし、複数のモジュールからなるプログラムであってもよい。制御プログラム59は、例えば、UI(User Interfaceの略)モジュール、通信モジュール、及び印刷制御モジュールを有する。各モジュールは、いわゆるマルチタスク処理により、疑似的に並行して実行される。UIモジュールは、画像データを表示パネル43に入力して、アイコンなどのオブジェクトを含む画像を表示パネル43に表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45が出力する信号を受け付けるプログラムである。通信モジュールは、通信I/F47が接続される通信回線の通信プロトコルにしたがって情報やデータを送受信するプログラムである。印刷制御モジュールは、印刷データに基づいて、上述のモータの駆動回路や駆動素子50の駆動回路に入力する駆動信号を生成して出力するプログラムである。
また、ROM55は、後述の種々の画面を示す画像データを記憶する。詳しくは後述する。RAM56は、OS58及び制御プログラム59の実行に用いられ、また、OS58及び制御プログラム59の実行において、情報やデータを一時的に記憶する。
EEPROM57は、第1設定値、第2設定値、第3設定値、及び所定期間を予め記憶する。但し、第1設定値、第2設定値、第3設定値、及び所定期間は、ROM55に記憶されていてもよい。第1設定値、第2設定値、及び第3設定値は、ポンプ67を駆動させてヘッド34のノズルからインクを吸引する後述のクリーニング処理において、ポンプ67の駆動時間を決定する値である。第1設定値が示す第1駆動時間は、第2設定値が示す第2駆動時間よりも短い。第1設定値は、後述の強度選択画面(図9(B))において「弱」アイコン87が選択された場合に用いられる値である。第2駆動時間は、第1駆動時間よりも長く、かつ第3設定値が示す第3駆動時間よりも短い。第2設定値は、強度選択画面において「普通」アイコン88が選択された場合に用いられる値である。第3駆動時間は、第1駆動時間及び第2駆動時間よりも長い。第3設定値は、後述の強度選択画面において「強力」アイコン89が選択された場合に用いられる値である。
上述のように、駆動回路39は、一定の電圧値の直流電圧をポンプ67に供給する。したがって、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値は、ポンプ67に供給する電力量を決定する値でもある。第1設定値が示す第1駆動時間によって決まるポンプ67への供給電力量を第1電力量とし、第2設定値が示す第2駆動時間によって決まるポンプ67への供給電力量を第2電力量とし、第3設定値が示す第3駆動時間によって決まるポンプ67への供給電力量を第3電力量とすると、第1電力量<第2電力量<第3電力量となる。したがって、ユーザが「弱」アイコン87を選択すると、一番小さい電力量でポンプ67が駆動される。ユーザが「強力」アイコン89を選択すると、一番大きい電力量でポンプ67が駆動される。ユーザが「普通」アイコン88を選択すると、中間の電力量でポンプ67が駆動される。なお、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値は、ポンプ67に供給される直流電圧の電圧値や、ポンプ67に供給される電力を決定する値であってもよい。その場合、ユーザが「弱」アイコン87を選択した場合であっても、「普通」アイコン88を選択した場合であっても、「強力」アイコン89を選択した場合であっても、ポンプ67は、同じ駆動時間で駆動される。すなわち、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値は、駆動時間や電圧値や電力など、ポンプ67に供給される電力量を決定する値であればよい。
所定期間は、後述の受付処理において、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させるか否かの判断(S57)に用いられる。詳しくは後述する。
以下、制御プログラム59が実行する処理について、図5から図10までを参照して説明する。なお、以下では、制御プログラム59が実行する処理は、コントローラ51(特にCPU52)が実行する処理として説明する。
コントローラ51は、プリンタ10に電源が投入されたことや、タッチセンサ44や操作スイッチ45から特定の操作信号が入力されたことなどに応じて、図5に示される動作モード決定処理を実行する。動作モード決定処理は、プリンタ10が、通常使用態様で使用される第1モード或いは契約使用態様で使用される第2モードに、動作モードを決定する処理である。
まず、コントローラ51は、装着ケース32にカートリッジ13が装着されているか否かの判断に相当する処理を実行する(S11)。具体的には、コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信可能か否かを判断する。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信可能であることにより、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていると判断する(S11:Yes)。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信できないことにより、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていないと判断する(S11:No)。なお、装着ケース32にカートリッジ13が装着されているか否かの判断に相当する処理であれば、コントローラ51は、上述の処理以外の処理を実行してもよい。
コントローラ51は、ステップS11の判断を、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13に対して実行する。コントローラ51は、1つでもカートリッジ13が装着ケース32に装着されていないと判断すると(S11:No)、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる(S12)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶されたカートリッジ装着指示画面を示す画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。カートリッジ装着指示画面は、例えば、カバー22を開いてカートリッジ13を装着ケース32に装着することを示す文字を含む画面である。
コントローラ51は、全てのカートリッジ13が装着ケース32に装着されたと判断するまで、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる。コントローラ51は、全てのカートリッジ13が装着ケース32に装着されていると判断すると(S11:Yes)、カートリッジI/F49を通じてICメモリ15から上述の種別情報を取得する(S13)。そして、コントローラ51は、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13のICメモリ15から取得した種別情報が、全て通常使用態様を示すか、全て契約使用態様を示すか、或いは通用使用態様と契約使用態様とが混在するかを判断する(S14)。具体的には、コントローラ51は、取得した種別情報が、全て通常使用態様を示す「0」であるか、全て契約使用態様を示す「1」であるか、通常使用態様を示す「0」と契約使用態様を示す「1」とが混在するか、を判断する。なお、カートリッジ13の型番が使用態様を示す場合、コントローラ51は、当該型番をICメモリ15から取得する。そして、コントローラ51は、取得した型番が通常使用態様を示す型番としてメモリ53に予め記憶されている型番と一致するか否か、及び取得した型番が契約使用態様を示す型番としてメモリ53に予め記憶されている型番と一致するか否かを判断する。
コントローラ51は、取得した種別情報が、全て通常使用態様を示すと判断すると(S14:全て通常使用態様)、メモリ53に記憶された動作モード情報が、第1モードを示すか、第2モードを示すか、動作モードを示さないかを判断する(S15)。動作モード情報は、コントローラ51が、動作モードを決定したことに応じてメモリ53のEEPROM57に記憶させる情報である。動作モード情報は、例えば、EEPROM57に記憶された第1モードフラグ及び第2モードフラグである。「ON」の値の第1モードフラグは、第1モードを示す。「ON」の値の第2モードフラグは、第2モードを示す。「OFF」の値の第1モードフラグ及び第2モードフラグは、動作モードが決定されていないことを示す。第1モードフラグ及び第2モードフラグの初期値はともに「OFF」である。第1モードは、通常使用態様を示すモードである。第2モードは、契約使用態様を示すモードである。
コントローラ51は、「OFF」の値の第1モードフラグ及び「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が動作モードを示さないと判断する(S15:なし)。コントローラ51は、動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S15:なし)、動作モードを第1モードに決定し(S16)、動作モード決定処理を終了する。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ13が装着されると、動作モードは、第1モードに決定される。コントローラ51は、「ON」の値の第1モードフラグ及び「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が第1モードを示すと判断する(S15:第1モード)。コントローラ51は、動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S15:第1モード)、動作モード決定処理を終了する。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ13が装着されると、動作モードは、第1モードに維持される。コントローラ51は、「OFF」の値の第1モードフラグ及び「ON」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が第2モードを示すと判断する(S15:第2モード)。コントローラ51は、動作モード情報が第2モードを示すと判断すると(S15:第2モード)、エラー報知を行う(S17)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶されたエラー表示画面を示す画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ13が装着されると、エラー表示画面が表示パネル43に表示される。エラー表示画面は、例えば、「適切なカートリッジが装着されていません。適切なカートリッジを装着してください」の文字と、「OK」アイコンと、「キャンセル」アイコンとを含む。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、エラー表示画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、ステップS11以降の処理を再度実行する。例えば、ユーザは、適正なカートリッジ13である契約使用態様のカートリッジ13を装着ケース32に装着し直した後、エラー表示画面において「OK」アイコンを選択する。コントローラ51は、エラー表示画面において「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると、動作モードを第1モードに変更し(S18)、動作モード決定処理を終了する。具体的には、コントローラ51は、「ON」の値の第1モードフラグをEEPROM57に記憶させ、「OFF」の値の第2モードフラグをEEPROM57に記憶させる。
コントローラ51は、ステップS14において、取得した種別情報が全て契約使用態様を示すと判断すると(S14:全て契約使用態様)、ステップS15と同様の処理であるステップS19の処理を実行する。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S19:なし)、動作モードを第2モードに決定し、動作モード決定処理を終了する。具体的には、「ON」の値の第2モードフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用形態であるカートリッジ13が装着されると、動作モードは、第2モードに決定される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第2モードを示すと判断すると(S19:第2モード)、動作モード決定処理を終了する。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用形態であるカートリッジ13が装着されると、動作モードは、第2モードに維持される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S19:第1モード)、ステップS17と同様の処理であるエラー報知を行う(S21)。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用形態であるカートリッジ13が装着されると、動作モードは、第1モードに維持される。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、エラー表示画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、ステップS11以降の処理を再度実行する。例えば、ユーザは、適正なカートリッジ13である通常使用態様のカートリッジ13を装着ケース32に装着し直した後、エラー表示画面において「OK」アイコンを選択する。コントローラ51は、エラー表示画面において「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると、動作モード決定処理を終了する。
コントローラ51は、ステップS14において、取得した種別情報が、通常使用態様と契約使用態様とが混在すると判断すると(S14:混在)、ステップS15と同様の処理であるステップS22の処理を実行する。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S22:第1モード)、上述のステップS21の処理を行う。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ13と契約使用形態であるカートリッジ13とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、第1モードに維持される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第2モードを示すと判断すると、或いは動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S22:第2モード/なし)、上述のステップS17、S18の処理と同様のステップ23、S24の処理を行う。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ13と契約使用形態であるカートリッジ13とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、動作モードが第1モードに変更される。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグがEEPROM57に記憶され、「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶される。また、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ13と契約使用形態であるカートリッジ13とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、動作モードが第1モードに決定される。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグがEEPROM57に記憶される。
次に、図6から図10を参照して、コントローラ51が待機画面などの画面を表示パネル43に表示させてクリーニングの実行指示を受け付けてクリーニング処理を実行する受付処理について説明する。まず、コントローラ51は、決定した動作モードが第1モードであるか第2モードであるかを判断する(S31)。具体的には、コントローラ51は、第1モードフラグと第2モードフラグとのいずれのフラグの値が「ON」であるかを判断する。コントローラ51は、第1モードフラグの値が「ON」であることにより、決定した動作モードが第1モードであると判断する(S31:第1モード)。コントローラ51は、第2モードフラグの値が「ON」であることにより、決定した動作モードが第2モードであると判断する(S31:第2モード)。コントローラ51は、動作モードが第1モードであると判断すると(S31:第1モード)、第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に記憶された第1待機画面を示す画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。なお、以下では、ROM55から画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力して、画像データが示す画像を表示パネル43に表示させることを、「画面を表示パネル43に表示させる」と記載する。
図8(A)は、第1待機画面を示す。第1待機画面は、「ファックス」アイコンや、「コピー」アイコンや、「スキャン」アイコンや、「メニュー」アイコン81などの種々のアイコンを含む。第1待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81は、第1オブジェクトの一例である。コントローラ51は、図6に示されるように、プリンタ10の電源がオフにされたことに応じて(S33:Yes)、受付処理を終了する。コントローラ51は、電源がオフされていないことに応じて(S33:No)、受付処理を継続して実行する。コントローラ51は、第1待機画面において、「メニュー」アイコン81が選択されたか否かを判断する(S34)。具体的には、コントローラ51は、「メニュー」アイコン81が表示された表示パネル43上の位置を示す位置情報がタッチセンサ44から入力したか否かを判断する(S34)。以下では、アイコンが表示された表示パネル43上の位置情報がタッチセンサ44から入力したことを、「アイコンが選択された」と記載して説明する。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第1待機画面において、「メニュー」アイコン81以外のアイコンが選択されたと判断すると、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。
コントローラ51は、「メニュー」アイコン81が選択されるまで(S34:No)、第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。コントローラ51は、第1待機画面において、「メニュー」アイコン81が選択されたと判断すると(S34:Yes)、メニュー選択画面を表示パネル43に表示させる(S35)。図8(B)は、メニュー選択画面を示す。メニュー選択画面は、「インク」アイコン82や、「Wi−Fi(登録商標)」アイコンや、「静音モード」アイコンや、「トレイ設定」アイコンや、「見るだけ受信」アイコンや、「全てのメニュー」アイコンを含む。
コントローラ51は、メニュー選択画面において、「インク」アイコン82が選択されたか否かを判断する(S36)。コントローラ51は、「インク」アイコン82が選択されるまで(S36:No)、メニュー選択画面を表示パネル43に表示させる(S35)。コントローラ51は、メニュー選択画面において、「インク」アイコン82が選択されたと判断すると(S36:Yes)、メンテナンス選択画面を表示パネル43に表示させる(S37)。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、「インク」アイコン82以外のアイコンがメニュー選択画面において選択されたと判断すると、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。また、コントローラ51は、メニュー選択画面や後述の種々の画面を表示パネル43に表示させている場合に、特定の操作スイッチ45(例えば、ホームボタン)が操作されたと判断すると、第1待機画面を表示パネル43に表示させる。
図8(C)は、メンテナンス選択画面を示す。メンテナンス選択画面は、「インク残量」アイコンや、「印刷品質のチェックと改善」アイコンや、「ヘッドクリーニング」アイコン83や、「詰まった紙片の除去」アイコンなどのアイコンを含む。コントローラ51は、図6に示されるように、メンテナンス選択画面において、「ヘッドクリーニング」アイコン83が選択されたか否かを判断する(S38)。コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン83が選択されるまで(S38:No)、メンテナンス選択画面を表示パネル43に表示させる(S37)。コントローラ51は、メンテナンス選択画面において、「ヘッドクリーニング」アイコン83が選択されたと判断すると(S38:Yes)、クリーニング色選択画面を表示パネル43に表示させる(S39)。なお、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン83以外のアイコンがメンテナンス選択画面において選択されたと判断すると、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。
図9(A)は、クリーニング色選択画面を示す。クリーニング色選択画面は、「色を選んでください」の文字と、「ブラックのみ」アイコン84と、「カラーのみ」アイコン85と、「全色」アイコン86と、を含む。なお、プリンタ10が、いわゆるモノクロプリンタである場合、コントローラ51は、メンテナンス選択画面において「ヘッドクリーニング」アイコン83が選択されたと判断すると、後述の強度選択画面を表示パネル43に表示させる(S41)。
コントローラ51は、図6に示されるように、クリーニング色選択画面において、アイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンの選択を受け付けたか否かを判断する(S40)。コントローラ51は、クリーニング色選択画面において、いずれかのアイコンの選択を受け付けるまで(S40:No)、クリーニング色選択画面を表示パネル43に表示させる(S39)。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、クリーニング色選択画面において、「ブラックのみ」アイコン84が選択されたことに応じて、上述のバルブ機構68を、ポンプ67がブラックのインクのみを吸引する第1状態にすると決定する。具体的には、コントローラ51は、「ブラックのみ」アイコン84が選択されたことに応じて、「ON」の値のブラックフラグをメモリ53のEEPROM57に記憶させる。また、コントローラ51は、クリーニング色選択画面において、「カラーのみ」アイコン85が選択されたことに応じて、上述のバルブ機構68を、ポンプ67がマゼンタ、シアン、及びイエローのインクのみを吸引する第2状態にすると決定する。具体的には、コントローラ51は、「カラーのみ」アイコン85が選択されたことに応じて、「ON」の値のカラーフラグをメモリ53のEEPROM57に記憶させる。また、コントローラ51は、「全色」アイコン86が選択されたことに応じて、上述のバルブ機構68を、ポンプ67が全色のインクを吸引する第3状態にすると決定する。具体的には、コントローラ51は、「全色」アイコン86が選択されたことに応じて、「ON」の値のブラックフラグ及び「ON」の値のカラーフラグをメモリ53のEEPROM57に記憶させる。なお、ブラックフラグ及びカラーフラグの初期値は「OFF」である。コントローラ51は、クリーニングが終了したことや、待機画面を表示させる指示がタッチセンサ44や操作スイッチ45から入力されたことに応じて、「OFF」の値のブラッククフラグ及び「OFF」の値のカラーフラグをEEPOM57に記憶させる。
コントローラ51は、クリーニング色選択画面において、アイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンの選択を受け付けたと判断すると(S40:Yes)、強度選択画面を表示パネル43に表示させる(S41)。図9(B)は、強度選択画面を示す。強度選択画面は、「強さを選んでください」の文字と、「弱」アイコン87と、「普通」アイコン88と、「強力」アイコン89と、を含む。コントローラ51は、図6に示されるように、強度選択画面において、アイコン87、88、89のうちのいずれかのアイコンが選択されたか否かを判断する(S42)。コントローラ51は、アイコン87、88、89のうちのいずれかのアイコンが選択されるまで(S42:No)、強度選択画面を表示パネル43に表示させる(S41)。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、強度選択画面において、「弱」アイコン87が選択されたと判断すると、EEPROM57に記憶された第1設定値が示す第1駆動時間の間、ポンプ67を駆動させる第1駆動モードに決定する。コントローラ51は、強度選択画面において、「普通」アイコン88が選択されたと判断すると、EEPROM57に記憶された第2設定値が示す第2駆動時間の間、ポンプ67を駆動させる第2駆動モードに決定する。コントローラ51は、強度選択画面において、「強力」アイコン89が選択されたと判断すると、EEPROM57に記憶された第3設定値が示す第3駆動時間の間、ポンプ67を駆動させる第3駆動モードに決定する。例えば、コントローラ51は、第1駆動モードに決定したことに応じて、「ON」の値の第1駆動モードフラグをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、第2駆動モードに決定したことに応じて、「ON」の値の第2駆動モードフラグをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、第3駆動モードに決定したことに応じて、「ON」の値の第3駆動モードフラグをEEPROM57に記憶させる。「ON」の値の第1駆動モードフラグは、第1設定値を用いることを示す。「ON」の値の第2駆動モードフラグは、第2設定値を用いることを示す。「ON」の値の第3駆動モードフラグは、第3設定値を用いることを示す。第1駆動モードフラグ、第2駆動モードフラグ、及び第3駆動モードフラグの初期値は「OFF」である。コントローラ51は、クリーニングが終了したことや、待機画面を表示させる指示がタッチセンサ44や操作スイッチ45から入力されたことに応じて、「OFF」の値の第1駆動モードフラグ、第2駆動モードフラグ、及び第3駆動モードフラグをEEPROM57に記憶させる。
コントローラ51は、強度選択画面において、アイコン87、88、89のうちのいずれかのアイコンが選択されたと判断すると(S42:Yes)、第1クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる(S43)。図9(C)は、第1クリーニング実行指示画面を示す。第1クリーニング実行指示画面は、「ヘッドクリーニングを行います。[スタート]を押してください。[普通][強力]は、[弱]よりもインクを消費します。」の文字と、「スタート」アイコン90と、「キャンセル」アイコン91と、を含む。「スタート」アイコン90は、実行指示アイコンの一例である。コントローラ51は、「スタート」アイコン90或いは「キャンセル」アイコン91が選択されるまで、第1クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、図6に示されるように、第1クリーニング実行指示画面において、「スタート」アイコン90が選択されたか、「キャンセル」アイコン91が選択されたかを判断する(S44)。コントローラ51は、第1クリーニング実行指示画面において、「キャンセル」アイコン91が選択されたと判断すると(S44:キャンセル)、第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。コントローラ51は、第1クリーニング実行指示画面において、「スタート」アイコン90が選択されたと判断すると(S44:スタート)、ポンプ67を駆動させる第1クリーニング処理を実行する(S45)。
詳しく説明すると、まず、コントローラ51は、不図示のモータを駆動させて、待機位置にあるキャップ61をキャップ位置に移動させ、キャップ61をヘッド34の下面に密着させる。次に、コントローラ51は、ブラックフラグ及びカラーフラグの値に応じて不図示のモータを駆動させ、バルブ機構68の状態を切り換える。具体的には、コントローラ51は、ブラックフラグの値が「ON」であり、カラーフラグの値が「OFF」であると判断したことに応じて、バルブ機構68を第1状態にする。コントローラ51は、ブラックフラグの値が「OFF」であり、カラーフラグの値が「ON」であると判断したことに応じて、バルブ機構68を第2状態にする。コントローラ51は、ブラックフラグの値が「ON」であり、カラーフラグの値が「ON」であると判断すると、バルブ機構68を第3状態にする。次に、コントローラ51は、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値のうち、ステップS41で決定した設定値が示す駆動時間の間、ポンプ67を駆動させる。具体的には、コントローラ51は、第1駆動モードフラグ、第2駆動モードフラグ、及び第3駆動モードフラグのうち、「ON」の値の駆動モードフラグが示す設定値が示す駆動時間の間、ポンプ67を駆動させる。
ユーザが、第1待機画面において「メニュー」アイコン81を選択した後において、メニュー選択画面において「インク」アイコン82を選択し(1回目の操作)、メンテナンス選択画面において「ヘッドクリーニング」アイコン83を選択し(2回目の操作)、クリーニング色選択画面においてアイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンを選択し(3回目の操作)、強度選択画面においてアイコン87、88、89のうちのいずれかのアイコンを選択し(4回目の操作)、第1クリーニング実行指示画面において「スタート」アイコン90を選択する操作(5回目の操作)は、第1特定操作の一例である。ユーザが、第1待機画面において「メニュー」アイコン81を選択した後に、メニュー選択画面、メンテナンス選択画面、クリーニング色選択画面、強度選択画面、及び第1クリーニング実行指示画面においてアイコンを選択する5回の操作回数は、第1特定操作で要する操作回数の一例である。メンテナンス選択画面、クリーニング色選択画面、強度選択画面は、第1表示画面の一例である。メンテナンス選択画面に含まれる「ヘッドクリーニング」アイコン、クリーニング色選択画面に含まれるアイコン84、85、86、強度選択画面に含まれるアイコン87、88、89は、切替オブジェクトの一例である。
コントローラ51は、ポンプ67を駆動させたことに応じて、不図示のクリーニング中画面を表示パネル43に表示させる(S46)。クリーニング中画面は、「クリーニング中」の文字を含む。
次に、コントローラ51は、クリーニングを終了するか否かを判断する(S47)。例えば、コントローラ51は、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値のうち、ステップS41で決定した設定値が示す駆動時間を初期値として不図示のタイマカウンタのカウントダウンを開始する。コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップするまで、クリーニング中画面を表示パネル43に表示させる(S46)。コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップしたことに応じて、クリーニングを終了すると判断する(S47:Yes)。コントローラ51は、クリーニングを終了すると判断したことに応じて(S47:Yes)、ポンプ67の駆動を停止させる(S48)。そして、コントローラ51は、クロックモジュール46が出力する日時情報である駆動日時情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる(S49)。そして、コントローラ51は、不図示のクリーニング終了画面を表示パネル43に表示させる(S50)。クリーニング終了画面は、例えば、「クリーニングが終了しました」の文字と、「OK」アイコンと、を含む。コントローラ51は、「OK」アイコンが選択されたことに応じて、第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。或いは、コントローラ51は、クリーニング終了画面を表示パネル43に表示させてからの経過時間が、EEPROM57に予め記憶された所定の時間に達したことに応じて、第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。
一方、コントローラ51は、ステップS31において、動作モードを第2モードに決定したと判断すると(S31:第2モード)、第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S51、図7参照)。図10(A)は、第2待機画面を示す。第2待機画面は、「コピー」アイコンや、「スキャン」アイコンや、「メニュー」アイコン81など、第1待機画面に含まれるアイコンに加え、「ヘッドクリーニング」アイコン92をさらに含む。第2待機画面に含まれる「ヘッドクリーニング」アイコン92は、第2オブジェクトの一例である。第2待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81は、第3オブジェクトの一例である。なお、第2待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81は、第2待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81と、形状やサイズなどが違っていてもよい。
表示パネル43における「ヘッドクリーニング」アイコン92の表示サイズは、第1待機画面及び第2待機画面において表示される「メニュー」アイコン81の表示サイズよりも大きい。すなわち、第2モードでは、ユーザが「メニュー」アイコン81よりも「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択し易いように、「ヘッドクリーニング」アイコン92の表示サイズは、「メニュー」アイコン81の表示サイズよりも大きくされている。
コントローラ51は、図7に示されるように、プリンタ10の電源がオフにされたことに応じて(S52:Yes)、受付処理を終了する。コントローラ51は、電源がオフされていないことに応じて(S52:No)、受付処理を継続して実行する。
次に、コントローラ51は、第2待機画面において、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたか、「メニュー」アイコン81が選択されたかを判断する(S53)。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第2待機画面において、「ヘッドクリーニング」アイコン92及び「メニュー」アイコン81以外のアイコンが選択されたと判断すると、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。
コントローラ51は、「メニュー」アイコン81が選択されたと判断すると(S53:メニュー)、図6のステップS35からステップS50までの処理と同様の処理を実行する。すなわち、コントローラ51は、「メニュー」アイコン81が選択されたと判断すると、メニュー選択画面やメンテナンス選択画面やクリーニング色選択画面や強度選択画面や第1クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させて、クリーニングの実行指示を受け付ける。
ユーザが、第2待機画面において「メニュー」アイコン81を選択した後に、メニュー選択画面において「インク」アイコン82を選択し(1回目の操作)、メンテナンス選択画面において「ヘッドクリーニング」アイコン83を選択し(2回目の操作)、クリーニング色選択画面においてアイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンを選択し(3回目の操作)、強度選択画面においてアイコン87、88、89のうちのいずれかのアイコンを選択し(4回目の操作)、第1クリーニング実行指示画面において「スタート」アイコン90を選択する操作(5回目の操作)は、第3特定操作の一例である。ユーザが、第2待機画面、メニュー選択画面、メンテナンス選択画面、クリーニング色選択画面、強度選択画面、及び第1クリーニング実行指示画面においてアイコンを選択する5回の操作回数は、第3特定操作で要する操作回数の一例である。コントローラ51が、第2待機画面において「メニュー」アイコン81が選択されたと判断し、かつ強度選択画面にいて「弱」アイコン87が選択されたと判断したことに応じて決定する第1駆動モードは、第1駆動モードの一例である。コントローラ51が、第2待機画面において「メニュー」アイコン81が選択されたと判断し、かつ強度選択画面にいて「普通」アイコン88或いは「強力」アイコン89が選択されたと判断したことに応じて決定する第2駆動モード或いは第3駆動モードは、第2駆動モードの一例である。
コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたと判断すると(S53:ヘッドクリーニング)、ステップS49で記憶させた駆動日時情報をEEPROM57から読み出す(S55)。そして、コントローラ51は、読み出した駆動日時情報と、クロックモジュール46が出力する現在の日時情報であるオブジェクト選択日時情報とに基づいて、クリーニング処理を実行してからの経過期間を算出する(S56)。コントローラ51は、算出した経過期間が、EEPROM57に予め記憶された所定期間未満であるか否かを判断する(S57)。例えば、クリーニングを実行してからの経過期間が3時間や6時間などである場合、印刷の実行に支障を及ぼすほどインクの粘度が高くなることはないし、インクに異物などが混入しているおそれも低い。ステップS57では、クリーニング処理を実行してからの経過期間が、印刷に支障を及ぼす可能性がある程度の期間であるか否かが判断される。
コントローラ51は、算出した経過期間が所定期間未満であると判断すると、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させる(S58)。図10(B)は、クリーニング確認画面を示す。クリーニング確認画面は、「ヘッドは正常に保たれています。クリーニングしますか?」の文字と、「はい」アイコン93と、「いいえ」アイコン94と、を含む。クリーニング確認画面に含まれる「ヘッドは正常に保たれています。クリーニングしますか?」の文字は、報知オブジェクトの一例である。
コントローラ51は、クリーニング確認画面において、「はい」アイコン93或いは「いいえ」アイコン94が選択されるまで、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、クリーニング確認画面において、「はい」アイコン93が選択されたか、「いいえ」アイコン94が選択されたかを判断する(S59)。コントローラ51は、「いいえ」アイコン94が選択されたと判断したことに応じて(S59:「いいえ」アイコン)、第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S51)。コントローラ51は、「はい」アイコン93が選択されたと判断したことに応じて(S59:「はい」アイコン)、第2クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる(S60)。図10(C)は、第2クリーニング実行指示画面を示す。第2クリーニング実行指示画面は、「ヘッドクリーニングを行います。[スタート]を押してください。」の文字と、「スタートアイコン95と、「キャンセル」アイコン96と、を含む。すなわち、第2待機画面(図10(A))において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合は、メニュー選択画面やメンテナンス選択画面やクリーニング色選択画面や強度選択画面は、表示パネル43に表示されない。すなわち、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合、クリーニングを実行するインクの色や、クリーニングの強度の選択は受け付けない。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたことに応じて、「ON」の値のブラックフラグ及び「ON」の値のカラーフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたことに応じて、全ての色のインクをヘッド34から吸引することに決定する。また、コントローラ51は、第1設定値が示す第1駆動時間でポンプ67を駆動させることに決定する。具体的には、「ON」の値の第1駆動モードフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合、強度選択画面(図9(B))において「弱」アイコン87が選択された場合と同じ、一番短い第1駆動時間(一番小さい電力量)でポンプ67を駆動させることに決定する。
コントローラ51は、第2クリーニング実行指示画面において、「スタート」アイコン90或いは「キャンセル」アイコン91が選択されるまで、第2クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、第2クリーニング実行指示画面において、「キャンセル」アイコン91が選択されたと判断すると(S61:キャンセル)、第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S51)。コントローラ51は、第2クリーニング実行指示画面において、「スタート」アイコン90が選択されたと判断すると(S61:スタート)、第2クリーニング処理を実行する(S62)。第2クリーニング処理は、メンテナンス機構60の上述のバルブ機構68を第3状態にし、かつ、第1設定値が示す第1駆動時間でポンプ67を駆動させる処理である。すなわち、第2クリーニング処理では、全ての色のインクが、一番短い駆動時間で駆動されるポンプ67によって、ヘッド34から吸引される。すなわち、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合に実行されるクリーニング処理では、第2駆動時間や第3駆動時間でポンプ67が駆動された場合にヘッド34から吸引されるインクの量よりも少ない量のインクがヘッド34から吸引される。契約使用態様の場合に決定される第2モードでは、ユーザは、ヘッド34のクリーニングを、第1モードの場合よりも頻繁に実行する傾向にあるので、ヘッド34から吸引されるインクの量が少なくても、ヘッド34は、印刷を実行できる程度の品質に保たれる。
ユーザが、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択した後に、ステップS57:Yesの処理を経て、クリーニング確認画面において「はい」アイコン93を選択し(1回目の操作)、第2クリーニング実行指示画面において「スタート」アイコン90を選択する操作(2回目の操作)は、第2特定操作の一例である。また、ユーザが、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択した後に、ステップS57:Noの処理を経て、第2クリーニング実行指示画面において「スタート」アイコン90を選択する操作は、第2特定操作の一例である。ユーザが、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択した後に、ステップS57:Yesの処理を経て、クリーニング確認画面及び第2クリーニング実行指示画面においてアイコンを選択する2回の操作回数は、第2特定操作で要する操作回数の一例である。ユーザが、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択した後に、ステップS57:Noの処理を経て、第2クリーニング実行指示画面においてアイコンを選択する1回の操作回数は、第2特定操作で要する操作回数の一例である。
コントローラ51は、ステップS62の処理の実行後、上述のステップS46からステップS50までの処理を実行し、第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S51)。
[実施形態の作用効果]
コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICメモリ15から取得した種別情報に基づいて、動作モードを第1モード或いは第2モードに決定する。そして、コントローラ51は、動作モードを第1モードに決定したことに応じて、「メニュー」アイコン81を含み、「ヘッドクリーニング」アイコン92を含まない第1待機画面を表示パネル43に表示させる。コントローラ51は、動作モードを第2モードに決定したことに応じて、「メニュー」アイコン81及び「ヘッドクリーニング」アイコン92を含む第2待機画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、プリンタ10は、通常使用態様で使用される場合と、契約使用態様で使用される場合とで、表示パネル43に表示させる待機画面の内容を変えることができる。その結果、プリンタ10は、プリンタ10が使用される態様に適した待機画面を表示パネル43に表示させることができる。
また、コントローラ51は、第1待機画面において「メニュー」アイコン81が選択された場合、メニュー選択画面、メンテナンス選択画面、クリーニング色選択画面、及び強度選択画面を経て、第1クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、コントローラ51は、5回のアイコンの選択を受け付けて、第1クリーニング処理を実行する。一方、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合、クリーニング確認画面を経て、或いはクリーニング確認画面を経ることなく、第2クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、コントローラ51は、1乃至2回のアイコンの選択を受け付けて、第2クリーニング処理を実行する。すなわち、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合、通常使用態様で使用される場合よりも、ユーザがプリンタ10にクリーニングを実行させるために必要な作業の手間を低減することができる。
また、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたと判断したことに応じて、一番短い第1駆動時間(一番小さい電力量)でポンプ67を駆動させる第2クリーニング処理を実行する。上述したように、第2待機画面は、通常使用態様で使用される場合よりも頻繁にクリーニングが実行される契約使用態様において表示パネル43に表示される。したがって、プリンタ10は、印刷を実行可能な程度にヘッド34の品質を維持できるとともに、クリーニングにおけるインクの消費量を低減することができる。
また、コントローラ51は、第2待機画面において「メニュー」アイコン81が選択されたと判断したことに応じて、強度選択画面においてポンプ67の駆動時間をユーザに選択させた後、第1クリーニング処理を実行する。したがって、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合であっても、第2駆動時間や第3駆動時間でポンプ67を駆動させてヘッド34をクリーニングすることができる。
また、コントローラ51は、第2待機画面において「メニュー」アイコン81の選択を含む5回のアイコンの選択を受け付けて第1クリーニング処理を実行し、「ヘッドクリーニング」アイコン92を含む1乃至2回のアイコンの選択を受け付けて第2クリーニング処理を実行する。したがって、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合、ユーザがクリーニングの実行をプリンタ10に容易に入力可能な手段と、ユーザが詳細な設定をしてクリーニングの実行をプリンタ10に入力可能な手段との、異なる2つの手段をユーザに提供することができる。その結果、プリンタ10の使い勝手が良くなる。
また、コントローラ51は、クリーニングを実行してからの経過期間が短い場合(S57:Yes)、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させる(S58)。したがって、クリーニングの実行が不要なことをユーザに認識させることができる。その結果、インクの消費量を、さらに低減することができる。
また、第2待機画面に含まれる「ヘッドクリーニング」アイコン92の表示サイズは、第2待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81の表示サイズよりも大きい。したがって、プリンタ10は、一番短い第1駆動時間でポンプ67を駆動する「ヘッドクリーニング」アイコン92の方を、第1駆動時間よりも長い第2駆動時間や第3駆動時間でポンプ67を駆動することがある「メニュー」アイコン81よりも、ユーザに選択させ易くすることができる。したがって、プリンタ10は、インクの消費量を、さらに低減することができる。
また、第2待機画面に含まれる「ヘッドクリーニング」アイコン92の表示サイズは、第1待機画面に含まれる「メニュー」アイコン81の表示サイズよりも大きい。したがって、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合、通常使用態様で使用される場合よりも、クリーニングの実行の指示を受け付けるアイコンをユーザに容易に認識させることができる。
また、コントローラ51は、第2待機画面において「メニュー」アイコン81が選択された場合、メニュー選択画面、メンテナンス選択画面、クリーニング色選択画面、及び強度選択画面を経て、第1クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、コントローラ51は、「メニュー」アイコン81が選択された場合、5回のアイコンの選択を受け付けて、第1クリーニング処理を実行する。一方、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択された場合、クリーニング確認画面を経て、或いはクリーニング確認画面を経ることなく、第2クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、コントローラ51は、1乃至2回のアイコンの選択を受け付けて、第2クリーニング処理を実行する。すなわち、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合、最初に「メニュー」アイコン81を選択してクリーニングの実行の指示をプリンタ10に入力する手段と、最初に「ヘッドクリーニング」アイコン92を選択してクリーニングの実行の指示をプリンタ10に入力する手段との、操作回数の異なる2つの手段をユーザに提供することができる。
[変形例]
上述の実施形態では、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されると、全ての色のインクが、一番短い第1駆動時間で駆動されたポンプ67によって、ヘッド34から吸引される例を説明した。しかしながら、ヘッド34から吸引されるインクの色をユーザが選択可能であってもよい。具体的には、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたと判断すると、クリーニング色選択画面を表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、ヘッド34から吸引するインクの色の選択を受け付ける。コントローラ51は、クリーニング色選択画面において、アイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンの選択を受け付けると、第2クリーニング実行指示画面を表示パネル43に表示させる。この場合、コントローラ51は、2乃至3回のアイコンの選択を受け付けて、第2クリーニング処理を実行する。詳しく説明すると、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92の選択を受け付けた後、「クリーニング色選択画面」においてアイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンの選択を受け付け(1回目の操作)、その後、ステップS57:Yesの処理を経て、「クリーニング確認画面」において、「はい」アイコン93の選択を受け付け(2回目の操作)、次いで、「第2クリーニング実行指示画面」において、「スタート」アイコン95の選択を受け付ける(3回目の操作)。或いは、コントローラ51は、第2待機画面において「ヘッドクリーニング」アイコン92の選択を受け付けた後、「クリーニング色選択画面」においてアイコン84、85、86のうちのいずれかのアイコンの選択を受け付け(1回目の操作)、その後、ステップS57:Noの処理を経て、「第2クリーニング実行指示画面」において、「スタート」アイコン95の選択を受け付ける(2回目の操作)。したがって、ヘッド34から吸引されるインクの色をユーザが選択可能としても、コントローラ51が第2クリーニング処理を実行するまでに受け付けるアイコンの選択回数(2乃至3回)は、コントローラ51が第1クリーニング処理を実行するまでに受け付けるアイコンの選択回数(5回)よりも少ない。したがって、この場合においても、プリンタ10は、契約使用態様で使用される場合、通常使用態様で使用される場合よりも、ユーザがプリンタ10にクリーニングを実行させるために必要な作業の手間を低減することができる。同様に、ポンプ67の駆動時間をユーザが選択可能であってもよい。或いは、ユーザが、ヘッド34から吸引されるインクの色及びポンプ67の駆動時間を選択可能であってもよい。さらに或いは、コントローラ51が第2クリーニング処理を実行するまでに受け付けるアイコンの選択回数が、第1クリーニング処理を実行するまでに受け付けるアイコンの選択回数よりも少なければ、コントローラ51が、「ヘッドクリーニング」アイコン92を受け付けてから第2クリーニング実行指示画面を表示するまでに、他の画面が表示パネル43に表示されてもよい。
上述の実施形態では、クロックモジュール46が出力する日時情報により、クリーニング処理を行ってからの経過期間を特定して、クリーニング確認画面を表示させるか否かを判断する例を説明した。しかしながら、タイマカウンタを用いて、クリーニング確認画面を表示させるか否かを判断してもよい。具体的には、コントローラ51は、EEPROM57に記憶された所定期間を初期値として、タイマカウンタのカウントダウンを開始する。そして、コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたときにタイマカウンタがタイムアップしていることに応じて、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させないことに決定する。コントローラ51は、「ヘッドクリーニング」アイコン92が選択されたときにタイマカウンタがタイムアップしていないことに応じて、クリーニング確認画面を表示パネル43に表示させる。
上述の実施形態では、第2待機画面が「メニュー」アイコン81を含む例を説明した。しかしながら、第2待機画面は、「メニュー」アイコン81を含んでいなくてもよい。
上述の実施形態では、タッチセンサ44により、アイコンを選択するユーザ操作を受け付けるプリンタ10を説明した。しかしながら、プリンタ10は、操作スイッチ45により、アイコンを選択するユーザ操作を受け付けてもよい。