JP2020163419A - エレメントの製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】治具を用いることなく、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れ可能とする。【解決手段】エレメントの製造装置は、エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に外縁の厚み方向における端部で周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き用金型と、半抜き部を周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型と、素材の送り方向における半抜き用金型と抜き落とし用金型との間に配置されて半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置と、を備える。【選択図】図26

Description

本明細書は、エレメントの製造装置および製造方法について開示する。
従来、無段変速機のベルトを構成するエレメントの焼入れに用いられる焼入れ用治具として、主にモリブデンを構成材料に含むと共に、多数のエレメントを連続的に立て掛けることが可能な櫛歯部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この焼入れ用治具において、櫛歯部の各歯部は、鉛直方向に対して1.5°から8°の角度で傾いており、エレメントは、自動挿入機によって、隣り合う各歯部の間に形成された凹部に1個ずつ挿入される。多数のエレメントが挿入された焼入れ用治具は、熱処理炉内に一定時間だけ載置され、それにより多数のエレメントが加熱される。加熱処理の完了後、多数のエレメントが挿入された焼入れ用治具に対して、上方から略鉛直下方に向けて冷却ガスが一定のガス圧で吹きかけられる。これにより、多数のエレメントが冷却されて焼入れ処理が完了する。
特開2010−280966号公報
しかしながら、モリブデンは高価であり、焼入れ用治具をモリブデンにより形成したとしても、加熱と冷却とが繰り返される焼入れ用治具の長寿命化を図るのは容易ではない。しかも、焼入れ処理に焼入れ用治具を用いると、治具に多数のエレメントを挿入する工程や、焼入れ処理の後に治具から多数のエレメントを取り出す工程も必要となり、工数が増えるという問題もある。このため、治具を用いることなく、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れ可能な技術へのニーズが存在している。
本開示のエレメントの製造装置および製造方法は、治具を用いることなく、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れ可能なエレメントの製造装置および製造方法を提供することを主目的とする。
本開示のエレメントの製造装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示のエレメントの製造装置は、
帯状の素材を長手方向に送ってプレス加工を行なうことにより、無段変速機のベルトを構成するエレメントを製造するエレメントの製造装置であって、
前記エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に前記外縁の厚み方向における端部で前記周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き用金型と、
前記半抜き部を前記周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型と、
前記素材の送り方向における前記半抜き用金型と前記抜き落とし用金型との間に配置され、前記半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置と、
を備えることを要旨とする。
この本開示のエレメントの製造装置では、エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に外縁の厚み方向における端部で周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き用金型と、半抜き部を周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型との間に配置されて、半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置を備える。半抜き部は元の帯状の素材に対して長手方向に整列した状態でつながっているから、帯状の素材ごと半抜き部に対して焼入れ処理を行なうことで、治具を用いることなく、半抜き部の表面を均一に焼入れすることができる。この結果、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れすることができる。なお、半抜き部は、周囲の素材に対して厚み方向における端部でのみつながるから、焼入れによって半抜き部の硬度が増しても、その後の抜き落とし工程において、半抜き部を容易に抜き落とすことが可能である。
伝動ベルトを有する無段変速機の概略構成図である。 伝動ベルトの概略構成図である。 エレメントの製造装置の概略構成図である。 エレメントの製造工程を示す説明図である。 予備抜き用金型の概略構成図である。 予備抜き用金型の概略構成図である。 予備抜き後の帯板素材の外観斜視図である。 予備抜き後の帯板素材の断面図である。 予備抜き後の帯板素材の側面図である。 予備抜き後の帯板素材の背面図である。 予備抜き後の帯板素材の正面図である。 段差つぶし成形用金型の概略構成図である。 段差つぶし成形後の帯板素材の外観斜視図である。 段差つぶし成形後の帯板素材の側面図である。 段差つぶし成形により材料が流動する様子を示す説明図である。 板厚つぶし成形用金型の概略構成図である。 板厚つぶし成形後の帯板素材の外観斜視図である。 板厚つぶし成形後の帯板素材の側面図である。 エンボス成形用金型の概略構成図である。 エンボス成形後の帯板素材の外観斜視図である。 エンボス成形後の帯板素材の側面図である。 半抜き用金型の概略構成図である。 半抜き後の帯板素材の外観斜視図である。 半抜き後の帯板素材の側面図である。 抜き落とし用金型の概略構成図である。 加熱装置および冷却装置の概略構成図である。 エレメントの側面に相当する部位の半抜きの様子を示す説明図である。 エレメントの側面に相当する部位の抜き落としの様子を示す説明図である。 半抜き用金型のダイにおける面取り部を示す部分拡大図である。 半抜き用金型のダイにおける第1比較例の面取り部を示す部分拡大図である。 半抜き用金型のダイにおける第2比較例の面取り部を示す部分拡大図である。 半抜き用金型のダイにおける他の実施形態の面取り部を示す部分拡大図である。 他の実施形態のエレメントを含む伝動ベルトの概略構成図である。 他の実施形態のエレメントの製造工程を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について説明する。
図1は、伝動ベルトを有する無段変速機の概略構成図であり、図2は、伝動ベルトの概略構成図である。無段変速機1は、図1に示すように、駆動側回転軸としてのプライマリシャフト2と、当該プライマリシャフト2に設けられたプライマリプーリ3と、プライマリシャフト2と平行に配置される従動側回転軸としてのセカンダリシャフト4と、当該セカンダリシャフト4に設けられたセカンダリプーリ5とを有する。伝動ベルト10は、プライマリプーリ3のプーリ溝(V字状溝)とセカンダリプーリ5のプーリ溝(V字状溝)とに巻き掛けられる。
プライマリシャフト2は、図示しない前後進切換機構を介して、エンジン(内燃機関)などの動力発生源に連結された図示しないインプットシャフトに連結される。プライマリプーリ3は、プライマリシャフト2と一体に形成された固定シーブ3aと、ボールスプライン等を介してプライマリシャフト2により軸方向に摺動自在に支持される可動シーブ3bとを有する。また、セカンダリプーリ5は、セカンダリシャフト4と一体に形成された固定シーブ5aと、ボールスプライン等を介してセカンダリシャフト4により軸方向に摺動自在に支持されると共にリターンスプリング8により軸方向に付勢される可動シーブ5bとを有する。
更に、無段変速機1は、プライマリプーリ3の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるプライマリシリンダ6と、セカンダリプーリ5の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるセカンダリシリンダ7とを有する。プライマリシリンダ6は、プライマリプーリ3の可動シーブ3bの背後に形成され、セカンダリシリンダ7は、セカンダリプーリ5の可動シーブ5bの背後に形成される。プライマリシリンダ6とセカンダリシリンダ7とには、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ5との溝幅を変化させるべく図示しない油圧制御装置から作動油が供給され、それにより、エンジン等からインプットシャフトや前後進切換機構を介してプライマリシャフト2に伝達されたトルクを無段階に変速してセカンダリシャフト4に出力することができる。セカンダリシャフト4に出力されたトルクは、ギヤ機構、デファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して車両の駆動輪(何れも図示省略)に伝達される。
伝動ベルト10は、図2に示すように、弾性変形可能な複数(本実施形態では、例えば9個)のリング材11を厚み方向(リング径方向)に積層することにより構成された2個の積層リング12と、積層リング12の内周面に沿って環状に配列(結束)される複数(例えば、数百個)のエレメント20とを有する。積層リング12を構成する複数のリング材11は、それぞれ鋼板製のドラムから切り出された弾性変形可能なものであって、概ね同一の厚みおよびそれぞれについて予め定められた異なる周長を有するように加工されている。また、各リング材11は、軸方向の中央部が径方向外側に僅かに突出するように緩やかに湾曲させられている。
各エレメント20は、均一な板厚を有する金属製の帯板状の素材(帯板素材)50からプレス加工により打ち抜かれたものであり、図2に示すように、図中水平に延びる胴部21と、当該胴部21の幅方向における中央部から伝動ベルト10の外周側(伝動ベルト10や積層リング12の径方向における外側)に延出されたネック部22と、胴部21から離間するようにネック部22から胴部21の幅方向における両側に延出された一対のイヤー部23aを含むヘッド部23とを有する。胴部21の幅は、ヘッド部23の幅と同一若しくはそれよりも大きく、胴部21、ネック部22およびヘッド部23の各イヤー部23aにより2つのリング収容部(凹部)24が画成される。また、ヘッド部23の正面(一方の表面)の幅方向における中央部には、1個の突起(ディンプル)23pが形成されており、ヘッド部23の背面(他方の表面)には、突起23pの裏側に位置するように窪み23rが形成されている。
各エレメント20のリング収容部24には、当該エレメント20を両側から挟み付けるように積層リング12が嵌め込まれ、各エレメント20の突起23pは、隣り合うエレメント20の窪み23rに遊嵌される。これにより、2個の積層リング12により多数のエレメント20が環状に配列された状態で結束される。また、リング収容部24を画成する胴部21の表面(図2における上面)は、積層リング12(最内層のリング材11)の内周面に接触するサドル面21aとなる。すなわち、サドル面21aは、ネック部22の幅方向における両側に位置する。
各サドル面21aは、積層リング12側に湾曲する凸曲面である。すなわち、各サドル面21aは、幅方向における中央部付近を頂部として当該頂部から幅方向における外側およびネック部22側に向かうにつれて図中下方に緩やかに傾斜した左右対称の凸曲面形状(クラウニング形状)を有する。これにより、サドル面21aとの摩擦により積層リング12に頂部Tに向かう求心力を付与し、当該積層リング12をセンタリングすることが可能となる。ただし、サドル面21aは、伝動ベルト10等の径方向における外側に湾曲する凸曲面を複数含むものであってもよい。また、サドル面21a(凸曲面)の曲率半径は、最内層のリング材11(積層リング12)の軸方向に沿った湾曲の曲率半径よりも小さく定められている。
また、各エレメント20の胴部21は、伝動ベルト10の内周側から外周側(伝動ベルト等の径方向における外側)に向かうにつれて互いに離間するように形成された一対の側面21fを有する。各側面21fは、プライマリプーリ3のプーリ溝やセカンダリプーリ5のプーリ溝の表面に摩擦接触してプーリ3,5からの挟圧力を受け、摩擦力によりプライマリプーリ3からセカンダリプーリ5へとトルクを伝達するトルク伝達面(フランク面)となる。本実施形態において、各側面21fの表面には、図示するように、各エレメント20とプライマリプーリ3やセカンダリプーリ5との接触部を潤滑・冷却するための作動油を保持するための凹凸(複数の溝)が形成されている。
更に、図2に示すように、本実施形態のエレメント20の正面(突起23p側の表面)は斜面21sを含み、その背面は平坦に形成されている。すなわち、胴部21の外周側(伝動ベルト10等の径方向における外側)の一部、ネック部22およびヘッド部23は、略一定の厚みを有し、胴部21には、サドル面21aよりも内周側(伝動ベルト10等の径方向における内側)の位置から更に内周側に向かうにつれて背面に近接する斜面21sが形成されている。また、胴部21の内周部(図2における下端部)には、当該胴部21の斜面21sを含む部分よりも肉薄かつ略一定の厚みを有する段差部21bが形成されている。そして、ネック部22やヘッド部23等を含む平坦部と斜面21sとの境界部分は、伝動ベルト10の進行方向において隣り合うエレメント20同士を接触させて両者の回動の支点となるロッキングエッジ25を形成する。すなわち、各エレメント20において、ロッキングエッジ25は、各サドル面21aよりも内周側に位置する。
次に、こうして構成されるエレメント20の製造工程について説明する。図3は、エレメントの製造装置の概略構成図であり、図4は、エレメントの製造工程を示す説明図である。エレメントの製造装置100は、図3に示すように、帯板素材50が巻回されたコイル材Cを巻き解すアンコイラ101と、アンコイラ101によって巻き解された帯板素材50を長手方向に送る送り装置102と、送り装置102により送られた帯板素材50を打ち抜いてエレメント20を成形する2つのプレス加工機105,107と、2つのプレス加工機105,107の間に配置される焼入れ装置としての加熱装置180および冷却装置185と、を有する。プレス加工機105は、図3に示すように、送り装置102により順送される帯板素材50を各プレス位置においてプレス加工する順送プレス加工機として構成され、帯板素材50の長手方向にヘッド部23の頂部23t(ヘッド部23の胴部21側とは反対側の端部)同士が向かい合った状態で2個一対のエレメント20が成形されるようにプレス加工を行なう。プレス加工機105は、順送方向における上流側から順に、パイロット穴抜き・スリット穴抜き用金型110,予備抜き用金型120,段差つぶし成形用金型130,板厚つぶし成形用金型140,エンボス成形用金型150,半抜き用金型160を有する。これにより、プレス加工機105は、パイロット穴抜き・スリット穴抜き工程(S1),予備抜き工程(S2),段差つぶし成形工程(S3),板厚つぶし成形工程(S4),エンボス成形工程(S5),半抜き工程(S6)を実行する。プレス加工機105を通過した帯板素材50は、加熱装置180および冷却装置185による焼入れ工程(S8)を経て、もう一つのプレス加工機107へ送られる。プレス加工機107は、抜き落とし用金型170を有する。これにより、プレス加工機107は、プレス加工機105の半抜き工程(S6)においてエレメント20の外形に沿った外縁で成形され焼き入れ工程(S8)により焼入れされた半抜き部を抜き落とす抜き落とし工程(S7)を実行する。
以下、エレメント20を製造するための各製造工程の詳細について説明する。
パイロット穴抜き・スリット穴抜き工程(S1)は、パイロット穴抜き・スリット穴抜き用金型110を用いて帯板素材50に対して2個の円形のパイロット穴50pと1個の楕円形(オーバル形)のスリット穴50sとを形成する工程である。2個のパイロット穴50pは、後工程のプレス加工(例えばエンボス成形工程など)において帯板素材50を位置決めするために用いられ、成形される2個一対のエレメント20の向かい合うヘッド部23の頂部23t同士の間の中央を通り且つ胴部21の幅方向(帯板素材50の幅方向)に平行な直線上であって、当該幅方向における中央部からそれぞれ等距離離間した位置に形成される。また、スリット穴50sは、後工程の予備抜き工程においてプレス加工した際の材料の流動先を確保するために用いられ、成形される2個一対のエレメント20の胴部21の内周部に相当する位置から帯板素材50の長手方向に所定距離離間した位置に、帯板素材50の幅方向に延出するように形成される。
予備抜き工程(S2)は、予備抜き用金型120を用いて2個一対のエレメント20のヘッド部23の頂部23t同士の間に相当する位置をつなぎ部53として周囲の帯板素材50に残すと共に、当該つなぎ部53を除く2個一対のエレメント20を含む領域が切り離し部51,52として周囲の帯板素材50から切り離されるように打ち抜く工程である。図5および図6は、予備抜き用金型の概略構成図であり、図7は、予備抜き後の帯板素材の外観斜視図であり、図8は、図7の帯板素材のA−A断面図であり、図9は、図7の帯板素材をB方向から見た側面図であり、図10は、図7の帯板素材をC方向から見た背面図であり、図11は、図7の帯板素材のD方向から見た正面図である。予備抜き用金型120は、図5および図6に示すように、2つの開口部121oを有するダイ121と、帯板素材50を背面(エレメント20の背面側となる表面、すなわち図中、上方の面)側から押圧してダイ121の2つの開口部121oに押し付けるパンチ122と、ダイ121の2つの開口部121oの内部にパンチ122と対向するように配置され帯板素材50の正面(エレメント20の正面側となる表面、すなわち図中、下方の面)と当接する2つのノックアウト123と、パンチ122の周囲にダイ121と対向するように配置されて帯板素材50を押さえるストリッパ124とを備える。
ダイ121の2つの開口部121oは、ヘッド部23の頂部23t同士が向かい合った状態の2個一対のエレメント20の輪郭に余肉部を加えた線を打ち抜き線として帯板素材50が打ち抜かれるように形成される。ダイ121は、図5および図6に示すように、2つの開口部121oの隔壁をなすと共にパンチ122の表面(図中、下方の面)に形成される凹部122oに対向するように形成され、周囲の表面よりも一段低い表面を有する段差部121aを備える。段差部121aは、つなぎ部53を板厚方向における端部において周囲の帯板素材50とつながるように半抜きする半抜き部として構成される。
こうして構成された予備抜き用金型120により、切り離し部51,52は、図6〜図9に示すように、正面(エレメント20の正面側となる表面、すなわち図中、下方の面)側が背面(エレメント20の背面側となる表面、すなわち図中、下方の面)側よりも周囲の帯板素材50に対して板厚方向に離間し且つ板厚方向に重ならないように切り離される。つなぎ部53は、半抜きにより板厚方向における端部において周囲の帯板素材50とつながり、当該周囲の帯板素材50に対して板厚方向に段差が生じる。この段差は、パンチ122側の表面(切り離し部51,52の背面側)には、図10に示すように、帯板素材50の長手方向に平行な直線状の稜線53aが形成されるように成形され、ダイ121側の表面(切り離し部51,52の正面側)には、図11に示すように、帯板素材50の幅方向(短手方向)における外側に脹らむ円弧状(凸曲面)の稜線53bが形成されるように成形される。これにより、つなぎ部53の強度(周囲の帯板素材50との連結強度)を十分に確保しつつ、切り離し部51,52の範囲を大きく取ることができる。
段差つぶし成形工程(S3)は、段差つぶし成形用金型130を用いて切り離し部51,52の正面側のエレメント20の胴部21の斜面21sおよび段差部21bに相当する領域を圧縮して板厚方向につぶす工程である。図12は、段差つぶし成形用金型の概略構成図であり、図13は、段差つぶし成形後の帯板素材の外観斜視図であり、図14は、段差つぶし成形後の帯板素材の側面図である。段差つぶし成形用金型130は、図12に示すように、切り離し部51,52の正面(エレメント20の正面側となる表面)を押圧するノックアウト131〜134と、ノックアウト131〜134の周囲に配置されて当該ノックアウト131〜134を保持するノックアウトホルダ135と、ノックアウト131〜134に対向するように配置されると共に切り離し部51,52の背面(エレメント20の背面側となる表面)を押さえる押さえパンチ136とを備える。
ノックアウト131,132は、切り離し部51,52の正面側に配置されると共に切り離しにより形成された帯板素材50の開口部50oよりも大きな外径により形成され、切り離し部51,52の正面側の胴部21の斜面21sおよび段差部21tに相当する領域に当接する当接面(押圧面)を有する。ノックアウト133,134は、ノックアウト131,132の内部に配置され、切り離し部51,52の正面側の胴部21の平坦部とヘッド部23とネック部22とに相当する領域に当接する平坦面を有する。押さえパンチ136は、切り離し部51,52の背面側に切り離しにより形成された帯板素材50の開口部50oを隔てて配置されると共に当該開口部50oよりも一回り小さな外形により形成され、当該開口部50oに挿通されて切り離し部51,52の背面側の胴部21の一部とネック部22とヘッド部23に相当する領域に当接する平坦面を有する。
ノックアウト131,132の当接面(押圧面)には、図12に示すように、切り離し部51,52の正面(エレメント20の正面側となる表面)に斜面51s,52sおよび段差部51b,52b(図14参照)が形成されるよう斜面形成部131s,132sおよび段差部形成部131b,132bを有する。斜面51s,52sは、切り離し部51,52から2個一対のエレメント20が成形された際に、それぞれのエレメント20の胴部21の正面に形成される斜面21sとなる。また、段差部51b,52bは、切り離し部51,52から2個一対のエレメント20が成形された際に、それぞれのエレメント20の胴部21の正面に形成される段差部21bとなる。
上述したように、切り離し部51,52は、帯板素材50の長手方向にヘッド部23の頂部23t同士が向かい合った状態で2個一対のエレメント20が成形されるように且つ周囲の帯板素材50から板厚方向に重ならないように打ち抜かれているから、図12に示すように、段差つぶし成形用金型130を用いて切り離し部51,52をプレス加工(つぶし成形)した際に外方(図中、左右)へ流動する材料は、周囲の帯板素材50と干渉しない。これにより、切り離し部51,52に斜面51s、52sや段差部51b、52bを高い精度で形成することができる。すなわち、切り離し部51,52から2個一対のエレメント20を成形した際に、それぞれのエレメント20の胴部21に斜面21sや段差部21bを高い精度で形成することができる。
また、上述したように、つなぎ部53は、前工程の予備抜き工程(S2)において切り離し部51,52の背面側に形成される段差の稜線53aが帯板素材50の長手方向に平行な直線状に形成されると共に切り離し部51,52の正面側に形成される段差の稜線53bが帯板素材50の幅方向(短手方向)における外側に脹らむように円弧状に形成されるため、段差つぶし成形工程(S3)において切り離し部51,52をプレス加工した際に、図15に示すように、内方へ流動する材料がつなぎ部53を介して帯板素材50のパイロット穴50pが形成された領域へ流動するのを阻止することができ、当該パイロット穴50pの位置ずれや変形を抑制することができる。更に、2個のパイロット穴50pは両切り離し部51,52の中央を通り且つ帯板素材50の幅方向に平行な直線上に位置するように形成されているから、段差つぶし成形工程(S3)において切り離し部51,52をプレス加工した際にパイロット穴50pへ材料が流動するものとしても、図15に示すように、材料の流動によるパイロット穴50pの位置ずれ方向は互いに逆向きとなってキャンセルされる。これにより、パイロット穴50pの位置ずれを抑制することができる。
板厚つぶし成形工程(S4)は、板厚つぶし成形用金型140を用いて切り離し部51,52のエレメント20の胴部21の平坦部,ネック部22およびヘッド部23に相当する領域を板厚方向につぶして板厚調整を行なう工程である。図16は、板厚つぶし成形用金型の概略構成図であり、図17は、板厚つぶし成形後の帯板素材の外観斜視図であり、図18は、板厚つぶし成形後の帯板素材の側面図である。板厚つぶし成形用金型140は、図16に示すように、切り離し部51,52の正面(エレメント20の正面側となる表面)を押圧するノックアウト141と、ノックアウト141と対向するように配置され切り離し部51,52の背面(エレメント20の背面側となる表面)を押さえる押さえパンチ142とを備える。
押さえパンチ142は、切り離し部51,52の背面側に切り離しにより形成された帯板素材50の開口部50oを隔てて配置されると共に当該開口部50oよりも一回り小さな外形により形成され、当該開口部50oに挿通されて切り離し部51,52の背面に当接する平坦面を有する。ノックアウト141は、押さえパンチ142と略同じ外形により形成され、切り離し部51,52の正面に当接する平坦面を有する。ノックアウト141と押さえパンチ142とにより切り離し部51,52を板厚方向に圧縮することにより、図17および図18に示すように、切り離し部51,52のエレメント20の胴部21の平坦部,ネック部22およびヘッド部23に相当する領域の板厚を調整することができる。本実施形態では、板厚つぶし成形工程(S4)は、段差つぶし成形工程(S3)の後に、段差つぶし成形工程(S3)とは独立して行なわれるため、切り離し部51,52の胴部21の平坦部,ネック部22およびヘッド部23に相当する領域の板厚を精度よく調整することができる。
エンボス成形工程(S5)は、エンボス成形用金型150を用いて切り離し部51,52の正面側のエレメント20のヘッド部23に相当する領域に突起51p,52pを形成すると共にその背面側に窪み51r,52rを形成する工程である。図19は、エンボス成形用金型の概略構成図であり、図20は、エンボス成形後の帯板素材の外観斜視図であり、図21は、エンボス成形後の帯板素材の側面図である。エンボス成形用金型150は、図19に示すように、小径かつ円筒状の2つの開口部151oを有するエンボスダイ151と、開口部151oよりも僅かに小さな外径により円柱状に形成され切り離し部51,52を背面(エレメント20の背面側となる表面)側から押圧してエンボスダイ151の2つの開口部151oに押し付ける2つのエンボスパンチ152と、2つのエンボスパンチ152の周囲に配置されて当該2つのエンボスパンチ152を支持するストリッパ153とを備える。
ストリッパ153は、切り離し部51,52の背面側に切り離しにより形成された帯板素材50の開口部50oを隔てて配置されると共に当該開口部50oよりも一回り小さな外形により形成され、当該開口部50oに挿通されて切り離し部51,52の背面側の胴部21の一部とネック部22とヘッド部23に相当する領域に当接する平坦面を有する。2つのエンボスパンチ152は、先端部がストリッパ153の平坦面から突出するようにストリッパ153に対して支持される。エンボスダイ151とエンボスパンチ152とにより切り離し部51,52がプレス加工されることにより、図20および図21に示すように、切り離し部51,52の正面に突起51p,52pが形成され、切り離し部51,52の背面に突起51p,52pの裏側に位置するように窪み51r,52rが形成される。突起51p,52pは、切り離し部51,52から2個一対のエレメント20が成形された際に、それぞれのエレメント20のヘッド部23の正面に形成される突起21pとなる。また、窪み51r,52rは、切り離し部51,52から2個一対のエレメント20が成形された際に、それぞれのエレメント20のヘッド部23の背面に形成される窪み21rとなる。
半抜き工程(S6)は、半抜き用金型160を用いて切り離し部51,52から余肉部51e,52eを除いた2個一対のエレメント20の外形の輪郭線を打ち抜き線として切り離し部51,52を半抜きする工程である。図22は、半抜き用金型の概略構成図であり、図23は、半抜き後の帯板素材の外観斜視図であり、図24は、半抜き後の帯板素材の側面図である。半抜き用金型160は、図22に示すように、2つの開口部161oを有するダイ161と、切り離し部51,52を背面(エレメント20の背面側となる表面)側から押圧してダイ161の2つの開口部161oに押し付けるパンチ162と、ダイ161の2つの開口部161oの内部にパンチ162に対向するように配置され切り離し部51,52の正面(エレメント20の正面側となる表面)と当接する2つのノックアウト163とを備える。
ダイ161の2つの開口部161oは、ヘッド部23の頂部23t同士が向かい合う2個一対のエレメント20の外形と略同一の内形となるように形成される。パンチ162は、ダイ161の2つの開口部161oと概ね同一形状の外形により形成され、切り離し部51,52の背面(エレメント20の背面側となる表面)に当接する平坦面を有する。2つのノックアウト163は、パンチ162の外径と略同じ外形により形成されると共に当該2つの開口部161oの内部にパンチ162と対向するように配置され、表面が切り離し部51,52の正面(エレメント20の正面側となる表面)の形状に倣うように形成される当接面を有する。半抜き用金型160により切り離し部51,52がプレス加工されることにより、図23および図24に示すように、エレメント20の外形に沿った外縁で板厚方向に突出すると共に板厚方向における端部において切り離し部51,52の余肉部51e,52eと全周に亘ってつながるエレメント成形部55,56(半抜き部)が成形される。
抜き落とし工程(S7)は、抜き落とし用金型170を用いて切り離し部51,52のエレメント成形部55,56と余肉部51e,52eとを切り離す工程である。図25は、抜き落とし用金型の概略構成図である。抜き落とし用金型170は、図25に示すように、2つの開口部171oを有するダイ171と、ダイ171の2つの開口部171oに向かってエレメント成形部55,56を押圧する2つのパンチ172とを備える。ダイ171の2つの開口部171oは、図示しない搬出口と連通しており、抜き落とされたエレメント成形部55,56は、開口部171oを介して搬出口からプレス加工機107の機外へと搬出される。そして、機外へ排出されたエレメント成形部55,56は、バラ置きされた状態で加熱炉により一定時間加熱されることで焼戻された後(焼戻し工程)、研磨などの仕上げ工程を経て、それぞれエレメント20として完成される。なお、抜き落とし工程(S7)は、2つのエレメント成形部55,56の抜き落としを1つの抜き落とし用金型170を用いて一度に行なうものとしたが、2つのエレメント成形部55,56の抜き落としを2つ抜き落とし用金型を用いてそれぞれ別工程で行なうものとしてもよい。
焼入れ工程(S8)は、半抜き工程(S6)の後であって抜き落とし工程(S7)の前に、加熱装置180および冷却装置185により実行される。図26は、加熱装置および冷却装置の概略構成図である。図示するように、加熱装置180は、エレメント成形部55,56を含む帯板素材50が内部を通過するように設置されたコイル181を有し、コイル181に高周波誘導電流を印加することにより、当該コイル181を通過するエレメント成形部55,56の表面に渦電流を発生させて抵抗熱により当該エレメント成形部55,56の表面を加熱する高周波加熱装置として構成される。また、冷却装置185は、エレメント成形部55,56を含む帯板素材50が内部を通過するように設置された環状の給水管186を有し、給水管186から径方向における内側に向かって冷却水を噴出することにより、エレメント成形部55,56の表面を冷却する水冷式の冷却装置として構成される。このように、加熱装置180によりエレメント成形部55,56の表面を加熱した後、冷却装置185により当該エレメント成形部55,56を急冷させることにより、エレメント成形部55,56の表面の機械的強度を高めることができる。なお、加熱装置180は、電気炉やガス炉などの加熱炉が用いられてもよい。また、冷却装置185は、冷却ガスにより冷却するガス冷式の冷却装置が用いられてもよい。
このように、焼入れ工程(S8)は、半抜き工程(S6)により成形されたエレメント成形部55,56(半抜き部)が抜き落とし工程(S7)により抜き落とされる前に、当該エレメント成形部55,56に対して行なわれる。これにより、焼入れ工程(S8)を、エレメント成形部55,56が元の帯板素材50に対して長手方向に整列するようにつながれた状態で行なうことができるため、抜き落とし工程(S7)の後のエレメントに焼入れする場合のように、エレメントを整列させるための治具を必要とすることなく、エレメント成形部55,56の表面を均一に焼入れすることができる。この結果、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れすることができる。また、半抜き工程(S6)により成形されたエレメント成形部55,56は、周囲の素材に対して板厚方向における端部でのみつながるから、焼入れ工程(S8)によってエレメント成形部55,56の硬度が増しても、その後の抜き落とし工程(S7)において、エレメント成形部55,56を容易に抜き落とすことが可能である。
ここで、焼入れ工程(S8)の実行中にエレメント成形部55,56が周囲の帯板素材50から脱落することがことがないように、半抜き工程(S6)においては、図22に示すように、エレメント成形部55,56のヘッド部23の頂部23tや胴部21の内周側の端面に相当する部位おける周囲の帯板素材50との板厚方向のつなぎ代L1に厚みをもたせるものとした。
一方、上述したように、エレメント20の胴部21の幅方向における両側に形成される一対の側面21fは、プライマリプーリ3のプーリ溝やセカンダリプーリ5のプーリ溝の表面に摩擦接触してトルクを伝達するフランク面として構成されるため、その成形に当っては高い精度が要求される。このため、エレメント成形部55,56の側面21fに相当する面は、半抜き工程(S6)と抜き落とし工程(S7)とにより全せん断加工されることが望ましい。図27は、エレメントの側面に相当する部位の半抜きの様子を示す説明図であり、図28は、エレメントの側面に相当する部位の抜き落としの様子を示す説明図であり、図29は、半抜き用金型のダイにおける面取り部を示す部分拡大図である。半抜き用金型160のダイ161は、図27に示すように、その開口部161oの内周面に、開口端に向かって拡径した面取り部165を有する。面取り部165は、図29に示すように、第1開き角θ1により拡径した第1テーパ面166と、第1テーパ面166から開口端にかけて第1開き角θ1よりも大きな第2開き角θ2により拡径した第2テーパ面167とにより構成される。パンチ162は、図27に示すように、その外周面とダイ161の開口部161oの内周面とのクリアランス(図中、d)が概ねゼロとなるように形成され、半抜き用金型160は、プレス加工の際に、パンチ162が下死点まで移動したときの先端面(ダイ161側の表面)の位置が開口部161oにおける面取り部165の基端(第1テーパ面166の第2テーパ面167とは反対側の端部)よりも所定距離手前の位置となるように構成される。これにより、エレメント成形部55,56の胴部21の側面21fに相当する部位おける周囲の帯板素材50との板厚方向のつなぎ代L2を、上述したつなぎ代L1よりも小さくなるようにした。本実施形態では、つなぎ代L2は、板厚に対して2〜4%程度となるように調整されている。
図30は、半抜き用金型のダイにおける第1比較例の面取り部を示す部分拡大図である。第1比較例のダイ161Cの面取り部165Cは、図30に示すように、開口部161oの内周面に上記第1の開き角θ1と同等の開き角θcにより開口端まで一様に拡径したテーパ面により構成される。第1比較例の面取り部165Cでは、半抜き工程において元の素材(切り離し部51,52の余肉部51e,52e)と成形品(エレメント成形部55,56)とをつなぐブリッジ部Bの素材側(図中、一点鎖線で囲まれた領域)が薄肉となるため、その後の抜き落とし工程において、ブリッジ部Bが素材側で分断し、成形品に大きなバリが残るおそれがある。図31は、半抜き用金型のダイにおける第2比較例の面取り部を示す部分拡大図である。第2比較例のダイ161Dの面取り部165Dは、図31に示すように、開口部161oの内周面に上記第2の開き角θ2と同等の開き角θdにより開口端まで一様に拡径したテーパ面により構成される。第2比較例の面取り部165Dでは、半抜き工程において、せん断部で材料が周りに逃げて材料不足が生じ、加工途中で破断するおそれがある。このように、ダイの開口部に一様な開き角度のテーパ面が形成される場合、その開き角度を小さくしても大きくしても、せん断部において十分な精度を確保することが困難である。
本実施形態のダイ161は、その開口部161o内周面に、第1開き角θ1により拡径した第1テーパ面166と、第1テーパ面166から開口端にかけて第1開き角θ1よりも大きい第2開き角θ2により拡径した第2テーパ面167とからなる面取り部165を有するから、半抜き工程(S6)によりブリッジ部Bを、成形品(エレメント成形部55,56)側で肉薄とすると共に素材(余肉部51e,52e)側で厚肉とすることができる。したがって、次の抜き落とし工程(S7)において、図28および図29に示すように、ブリッジ部Bを成形品側の位置で分断させることが容易となり、成形品側において発生するバリを最小化することができる。この結果、仕上げ工程をより簡素化することができ、エレメント20の十分な精度を確保しつつ、その製造効率をより向上させることができる。また、ダイ161に面取り部165を形成した後にテーパ面166,167が適正に形成されているか否かの精度検査を行なう場合、その検査を容易に行なうことができるため、成形品のせん断面の精度を保証することができる。
上述した実施形態では、面取り部165は、開き角が異なる2つのテーパ面により構成されるものとした。しかし、面取り部は、開口部161oの開口端に向うにつれて開き角が大きくなる3つ以上の連続するテーパ面により構成されてもよい。また、面取り部は、開口部161oの開口端に向うにつれて曲率半径が小さくなると共に滑らかにつながる2以上の連続する凸曲面により構成されてもよい。更に、図32に示す他の実施形態のダイ161Bに示すように、面取り部165Bは、テーパ面166と、テーパ面166から開口端にかけて湾曲(円弧状の湾曲)した凸曲面167Bとにより構成されてもよい。これらの場合でも、半抜き工程(S6)によりブリッジ部Bを成形品側で肉薄とすると共に素材側で厚肉とすることができるから、次の抜き落とし工程(S7)において、ブリッジ部Bを成形品側の位置で分断させることができ、成形品側において発生するバリを最小化することができる。
上述した実施形態では、パイロット穴抜き・スリット穴抜き工程(S1)において、後工程の予備抜き工程(S2)において流動する材料を逃がすためのスリット穴50sを形成するものとしたが、予備抜き工程において流動する材料は僅かであるから、スリット穴50sを省略するものとしてもよい。
上述した実施形態では、切り離し部51,52に対して一回のプレス加工(エンボス成形工程)で突起51p,52pおよび窪み51r,52r(エンボス)を成形するものとしたが、複数回(2回)のプレス加工によりエンボスを成形するものとしてもよい。この場合、後に行なわれるプレス加工を半抜き工程に含めて同一工程で行なうものとしてもよい。
上述した実施形態では、帯板素材50の長手方向にヘッド部23の頂部23t同士が向かい合った状態で2個一対のエレメント20が成形されるようにプレス加工するものとしたが、帯板素材50の幅方向(短手方向)にヘッド部23の頂部23t同士が向かい合った状態で2個一対のエレメント20が成形されるようにプレス加工するものとしてもよい。
図33は、他の実施形態のエレメントを含む伝動ベルトを示す概略構成図である。伝動ベルト210は、弾性変形可能な複数(本実施形態では、例えば9個)のリング材11を厚み方向(リング径方向)に積層することにより構成された1個の積層リング12と、1個のリテーナリング15と、積層リング12の内周面に沿って環状に配列(結束)される複数(例えば、数百個)のエレメント220とを有する。
リテーナリング15は、例えば鋼板製のドラムから切り出された弾性変形可能なものであり、リング材11と概ね同一若しくはそれよりも薄い厚みを有する。また、リテーナリング15は、積層リング12の最外層のリング材11の外周長よりも長い内周長を有する。これにより、積層リング12とリテーナリング15とが同心円状に配置された状態(張力が作用しない無負荷状態)では、図33に示すように、最外層のリング材11の外周面とリテーナリング15の内周面との間に、環状のクリアランスが形成される。
各エレメント220は、均一な板厚を有する金属製の帯板状の素材(帯板素材)50からプレス加工により打ち抜かれたものであり、図33に示すように、図中水平に延びる胴部221と、当該胴部221の両端部から同方向に延出された一対のピラー部222と、各ピラー部222の遊端側に開口するように一対のピラー部222の間に画成された単一のリング収容部(凹部)224とを有する。一対のピラー部222は、リング収容部224の底面であるサドル面224aの幅方向における両側から伝動ベルト210の径方向における外側(伝動ベルト210の内周側から外周側に向かう方向、すなわち図中上方)に延出されており、各ピラー部222の遊端部には、サドル面224aの幅方向に突出するフック部222fが形成されている。一対のフック部222fは、積層リング12(リング材11)の幅よりも若干長く、かつリテーナリング15の幅よりも短い間隔をおいて互いに対向する。
リング収容部224内には、図33に示すように、積層リング12が配置され、当該リング収容部224のサドル面224aは、積層リング12(最内層のリング材11)の内周面に接触する。サドル面224aは、幅方向における中央部を頂部として幅方向外側に向かうにつれて図中下方に緩やかに傾斜した左右対称の凸曲面形状(クラウニング形状)を有する。これにより、サドル面224aとの摩擦により積層リング12に頂部に向かう求心力を付与して、当該積層リング12をセンタリングすることが可能となる。ただし、サドル面224aは、積層リング12の径方向における外側に湾曲する凸曲面を複数含むものであってもよい。
また、リテーナリング15は、すべてのエレメント220のリング収容部224内に積層リング12が配置された状態で、弾性変形させられて各エレメント220の一対のフック部222fの間を介してリング収容部224に嵌め込まれる。そして、リテーナリング15は、積層リング12の最外層のリング材11の外周面と各エレメント220のフック部222fとの間に配置されて積層リング12を包囲し、各エレメント220が積層リング12から脱落するのを規制する。これにより、複数のエレメント220は、積層リング12の内周面に沿って環状に結束(配列)される。
また、エレメント220の正面は斜面221sを含み、その背面は平坦に形成されている。すなわち、胴部221の外周側(伝動ベルト210等の径方向における外側)の一部およびピラー部222は、略一定の厚みを有し、胴部221には、サドル面224aよりも内周側(伝動ベルト210等の径方向における内側)の位置から更に内周側に向かうにつれて背面に近接する斜面221sが形成されている。斜面221sの外周側の縁部(エレメント220の厚みが変化する境界部分)は、伝動ベルト10の進行方向において隣り合うエレメント220同士を接触させて両者の回動の支点となるロッキングエッジ225を形成する。これにより、ロッキングエッジ225は、サドル面224aよりも内周側に位置する。また、胴部221の正面(一方の表面)の幅方向における中央部には、1個の突起(ディンプル)221pが形成されており、胴部221の背面(他方の表面)には、突起221pの裏側に位置するように窪み211rが形成されている。更に、エレメント220の胴部221は、伝動ベルト210等の内周側から外周側(伝動ベルト210等の径方向における外側)に向かうにつれて互いに離間するように形成されてフランク面として機能する一対の側面221fを有する。
こうして構成されたエレメント220は、本実施形態のエレメント20と同様に、順送プレス加工機を用いて帯板素材50を打ち抜くことにより製造することができる。すなわち、エレメント220の製造は、帯板素材50をプレス加工機の各プレス位置に順送し、各プレス位置において帯板素材50に対してプレス加工を行なうことにより行なわれる。エレメント220のプレス加工工程としては、図33に示すように、エレメント20のプレス加工工程と同様に、パイロット穴抜き・スリット穴抜き工程(S1)と、予備抜き工程(S2)と、段差つぶし成形工程(S3)と、板厚つぶし成形工程(S4)と、エンボス成形工程(S5)と、半抜き工程(S6)と、抜き落とし工程(S7)と、を有する。各工程のプレス加工は、帯板素材50の長手方向にピラー部222の遊端側同士が向かい合った状態で2個一対のエレメント220が成形されるように打ち抜くことにより行なうことができる。そして、半抜き工程(S6)と抜き落とし工程(S7)との間に焼入れ工程(S9)を実行することにより、本実施形態と同様に、半抜き工程(S7)により成形されたエレメント成形部(半抜き部)の焼入れを、当該エレメント成形部が帯板素材50の長手方向に整列した状態で行なうことができるため、治具を必要とすることなく、エレメント成形部の表面を均一に焼入れすることができる。この結果、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れすることができる。
以上説明したように本開示のエレメントの製造装置は、帯状の素材(50)を長手方向に送ってプレス加工を行なうことにより、無段変速機(1)のベルト(10)を構成するエレメント(20)を製造するエレメント(20)の製造装置(100)であって、前記エレメント(20)の外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に前記外縁の厚み方向における端部で前記周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部(55,56)を形成する半抜き用金型(160)と、前記半抜き部(160)を前記周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型(170)と、前記素材(50)の送り方向における前記半抜き用金型(160)と前記抜き落とし用金型(170)との間に配置され、前記半抜き部(55,56)に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置(180,185)と、を備えることを要旨とする。
この本開示のエレメントの製造装置では、エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に外縁の厚み方向における端部で周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き用金型と、半抜き部を周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型との間に配置されて、半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置を備える。半抜き部は元の帯状の素材に対して長手方向に整列した状態でつながっているから、帯状の素材ごと半抜き部に対して焼入れ処理を行なうことで、治具を用いることなく、半抜き部の表面を均一に焼入れすることができる。この結果、エレメントの歪みの発生を抑制しつつ多数のエレメントを低コストで焼入れすることができる。なお、半抜き部は、周囲の素材に対して厚み方向における端部でのみつながるから、焼入れによって半抜き部の硬度が増しても、その後の抜き落とし工程において、半抜き部を容易に抜き落とすことが可能である。
こうした本開示のエレメントの製造装置において、前記半抜き用金型(160)は、前記半抜き部(55,56)の外縁の厚み方向における前記周囲の素材とのつなぎ代が、前記エレメント(20)の前記無段変速機(1)のプーリ(3,5)と接触する側面(21f)に相当する部分で前記エレメント(20)の前記ベルト(20)の径方向における端面(23t)に相当する部分よりも小さくなるように半抜き加工するものとしてもよい。こうすれば、エレメントの側面の精度をより良好なものとしつつ、半抜き部の外縁の一部を周囲の素材に対して十分なつなぎ代でつなげることで、焼入れ装置により半抜き部を焼入れする際に半抜き部が脱落するのを防止することができる。ここで、エレメント(20)のベルト(20)の径方向における端面に相当する部分は、エレメントのベルトの外周側の端面に相当する部分,エレメントのベルトの内周側の端面に相当する部分が含まれる。
この態様の本開示のエレメントの製造装置において、前記半抜き用金型(160は、前記エレメント(20)の外形に対応した輪郭の開口部(161o)を有するダイ(161)と、前記ダイ(161)の開口部(161o)に前記素材(51,2)を押し付けるパンチ(162)と、を有し、前記ダイ(161)の開口部(161o)の内周面には、開き角度が前記パンチ(162)側の開口端に向かって増加側に変化するように拡径した面取り部(165)が形成されるものとしてもよい。すなわち、ダイの開口部の内周面のうちパンチ側の開口端から離間した部位では、拡径の開き角度が小さく形成されているため、パンチにより素材をダイの開口部の当該部位に押し付けた際に、材料がせん断部に流れ込み易くなり、材料不足による破断を生じさせることなく、良好なせん断面を得ることができる。また、ダイの開口部のパンチ側の開口端に近い部位では、拡径の開き角度が大きく形成されているため、半抜き加工において基の素材とプレス成形品とをつなぐブリッジ部の素材側を厚肉化することができる。このため、その後の抜き落とし工程において、ブリッジ部の素材側に応力集中が発生しないようにして、ブリッジ部の分断をプレス成形品側で起こさせることができ、プレス成形品に残るバリをより小さくすることができる。これらの結果、半抜き工程と抜き落とし工程とにより帯状の素材を打ち抜くものにおいて、良好なせん断面を確保しつつ、プレス成形品に残るバリをより小さくすることができる。
この態様の本開示のエレメントの製造装置において、前記面取り部(165)は、第1の開き角度(θ1)で拡径した第1のテーパ面(166と、前記第1のテーパ面(166)から前記開口端に向かって連続して形成され前記第1の開き角度(θ1)よりも大きい第2の開き角度(θ2)で拡径した第2のテーパ面(167)と、を有するものとしてもよい。こうすれば、面取り部を容易に成形することができる。また、成形後の面取り部の精度検査を容易に行なうことができるため、成形品のせん断面の精度を保証することができる。あるいは、前記面取り部(165)は、所定の開き角度(θ1)で拡径したテーパ面(166B)と、該テーパ面(166B)から連続して形成され前記開口端に向かうにつれて開き角度が前記第1の開き角度(θ1)から徐々に大きくなるように拡径した凸曲面(167B)と、を有するものとしてもよい。こうすれば、ブリッジ部の素材側をより厚肉にすることができ、その後の抜き落とし加工において、ブリッジ部が素材側で分断されるのをより確実に抑制することができる。
本開示では、エレメントの製造装置の形態に限られず、エレメントの製造方法の形態とすることもできる。
すなわち、本開示のエレメントの製造方法は、帯状の素材(50)を長手方向に送ってプレス加工を行なうことにより、無段変速機(1)のベルト(10)を構成するエレメント(20)を製造するエレメント(20)の製造方法であって、前記エレメント(20)の外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に前記外縁の厚み方向における端部で前記周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部(55,56)を形成する半抜き工程(S6)と、前記半抜き工程(S6)の後に前記半抜き部(55,56)に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ工程(S8)と、前記焼入れ工程(S8)の後に前記半抜き部(55,56)を前記周囲の素材から抜き落とす抜き落とし工程(S7)と、を備えることを要旨とする。
こうした本開示のエレメントの製造方法において、前記抜き落とし工程(7)の後に、抜き落とされたエレメント(20)を加熱して焼戻す焼戻し工程を行なうものとしてもよい。焼戻し工程は、対象物を長時間に亘って加熱することより行なわれるため、多数のエレメントをバラ置きして状態でも良好な品質を確保することができる。
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、エレメントの製造産業に利用可能である。
1 無段変速機、2 プライマリシャフト、3 プライマリプーリ、3a 固定シーブ、3b 可動シーブ、4 セカンダリシャフト、5 セカンダリプーリ、5a 固定シーブ、5b 可動シーブ、6 プライマリシリンダ、7 セカンダリシリンダ、8 リターンスプリング、10 伝動ベルト、11 リング材、12 積層リング、20,220 エレメント、21,221 胴部、21a,224a サドル面、21b 段差部、21f,221f 側面、21s,221s 斜面、22 ネック部、23 ヘッド部、23a イヤー部、23p,221p 突起、23r,221r 窪み、23t 頂部、24,224 リング収容部、25,225 ロッキングエッジ、50 帯板素材、50o 開口部、50p パイロット穴、50s スリット穴、51,52 切り離し部、51s,52s 斜面、51r,52r 段差部、51p,52p 突起、51r,52r 窪み、51e,52e 余肉部、53 つなぎ部、53a,53b 稜線、100 エレメントの製造装置、101 アンコイラ、102 送り装置、105,107 プレス加工機、110 パイロット穴抜き・スリット穴抜き用金型、120 予備抜き用金型、121 ダイ、121a 段差部、121o 開口部、122 パンチ、122o 凹部、123 ノックアウト、124 ストリッパ、130 段差つぶし成形用金型、131〜134 ノックアウト、131s,132s 傾斜形成部、131b,132b 段差部形成部、135 ノックアウトホルダ、136 押さえパンチ、140 板厚つぶし成形用金型、141 ノックアウト、142 押さえパンチ、150 エンボス成形用金型、151 エンボスダイ、151o 開口部、152 エンボスパンチ、153 ストリッパ、160 半抜き用金型、161,161B,161C,161D ダイ、161o 開口部、162 パンチ、163 ノックアウト、165,165B,165C,165D 面取り部、166 第1テーパ面、166B テーパ面、167 第2テーパ面、167B 凸曲面、170 抜き落とし用金型、171 ダイ、171o 開口部、172 パンチ、180 加熱装置、181 コイル、185 冷却装置、186 給水管、222 ピラー部、222f フック部、C コイル材,B ブリッジ部。

Claims (7)

  1. 帯状の素材を長手方向に送ってプレス加工を行なうことにより、無段変速機のベルトを構成するエレメントを製造するエレメントの製造装置であって、
    前記エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に前記外縁の厚み方向における端部で前記周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き用金型と、
    前記半抜き部を前記周囲の素材から抜き落とす抜き落とし用金型と、
    前記素材の送り方向における前記半抜き用金型と前記抜き落とし用金型との間に配置され、前記半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ装置と、
    を備えるエレメントの製造装置。
  2. 請求項1に記載のエレメントの製造装置であって、
    前記半抜き用金型は、前記半抜き部の外縁の厚み方向における前記周囲の素材とのつなぎ代が、前記エレメントの前記無段変速機のプーリと接触する側面に相当する部分で前記エレメントの前記ベルトの径方向における端面に相当する部分よりも小さくなるように半抜き加工する、
    エレメントの製造装置。
  3. 請求項2に記載のエレメントの製造装置であって、
    前記半抜き用金型は、前記エレメントの外形に対応した輪郭の開口部を有するダイと、前記ダイの開口部に前記素材を押し付けるパンチと、を有し、
    前記ダイの開口部の内周面には、開き角度が前記パンチ側の開口端に向かって増加側に変化するように拡径した面取り部が形成される、
    エレメントの製造装置。
  4. 請求項3に記載のエレメントの製造装置であって、
    前記面取り部は、第1の開き角度で拡径した第1のテーパ面と、前記第1のテーパ面から前記開口端に向かって連続して形成され前記第1の開き角度よりも大きい第2の開き角度で拡径した第2のテーパ面と、を有する、
    エレメントの製造装置。
  5. 請求項3に記載のエレメントの製造装置であって、
    前記面取り部は、所定の開き角度で拡径したテーパ面と、該テーパ面から連続して形成され前記開口端に向かうにつれて開き角度が前記第1の開き角度から徐々に大きくなるように拡径した凸曲面と、を有する、
    エレメントの製造装置。
  6. 帯状の素材を長手方向に送ってプレス加工を行なうことにより、無段変速機のベルトを構成するエレメントを製造するエレメントの製造方法であって、
    前記エレメントの外形に対応した外縁で周囲の素材から厚み方向に突出すると共に前記外縁の厚み方向における端部で前記周囲の素材とつながるように半抜き加工して半抜き部を形成する半抜き工程と、
    前記半抜き工程の後に前記半抜き部に対して加熱と冷却とを順に行なって焼入れする焼入れ工程と、
    前記焼入れ工程の後に前記半抜き部を前記周囲の素材から抜き落とす抜き落とし工程と、
    を備えるエレメントの製造方法。
  7. 請求項6に記載のエレメントの製造方法であって、
    前記抜き落とし工程の後に、抜き落とされたエレメントを加熱して焼戻す焼戻し工程を行なう、
    エレメントの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112382913A (zh) * 2020-11-04 2021-02-19 乐清市嘉得电子有限公司 一种连接器端子冲床机
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