JP2020163341A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

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政幸 森川
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庸宏 江田
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Abstract

【課題】微生物処理系内の微量金属イオン濃度及び酸素濃度を安定かつ均一に維持できる、微生物を用いる水処理装置及びこの水処理装置を用いる水処理方法の提供。【解決手段】被処理水中に含まれた微生物を利用して水処理を行う水処理装置であって、水処理装置内の被処理水を撹拌する撹拌手段と、被処理水に酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、被処理水に微量金属を供給する微量金属供給源と、処理した被処理水を排出する処理水出口とを備える水処理装置及びこの水処理装置を用いる水処理方法。【選択図】図1B

Description

本発明は、水処理装置及び水処理方法に関する。
原水に対して生物学的な処理を施して、有害物質を除去することがある。例えば、硝化細菌を用いて、原水中のアンモニア(NH)を亜硝酸イオン(NO )を経由して硝酸イオン(NO )まで酸化する硝化は、世界中で広く行われている水処理のひとつである。硝化においては、1mgのアンモニウムイオン(NH )を硝酸イオン(NO )まで完全に酸化するために、4.57mgの酸素(O)を必要とする。さらに、硝化細菌が増殖し、活性を維持するためには、リン等の元素の他に、微量金属が必要である。例えば、アンモニア酸化細菌のアンモニアモノオキシダーゼは、アンモニアからヒドロキシルアミンへの酸化を触媒する酵素であるが、銅(Cu)、鉄(Fe)及びコバルト(Co)を含有する。微量金属としては、他に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)及びホウ素(B)等がある。微量金属の欠乏により、硝化細菌の増殖及び活性が阻害され、硝化反応が完全に進行せず、原水からのアンモニアの除去が不完全となるおそれがある。
このような問題に対して、特許文献1では、図2に示すような、微量金属を供給する手段を備えた水処理装置及びこの水処理装置を用いる水処理方法が提案されている。図2に示す水処理装置20は、微生物を用いて水処理を行う装置である。水処理装置20は、原水の入口22及び微生物による処理がされた処理水の出口23を有する反応槽21と、反応槽21内に配置されたフィルター24及び微量金属供給源33とを備える。フィルター24は、多孔質フィルター材料及び微生物バイオマスを含む。フィルター24は、反応槽21に対して静止している。微量金属供給源33は、フィルター24の上流に配置され、フィルター24を通って流れる水に微量金属を供給するように構成される。微量金属は、流れる水と微量金属の供給源との間の接触又は電気分解によって、供給源から放出される。微量金属が電気分解によって供給される場合、供給源は電気分解システムの電極であってもよい。
国際公開第2015/132283号
しかし、特許文献1に記載の水処理装置及び水処理方法には、以下の問題がある。
水処理装置20では、フィルター24の上部と下部とでは、微量金属イオン濃度に不均衡が生じてしまう。そのため、微量金属イオン濃度が高いフィルター24の上部では微生物の硝化活性が相対的に高いものの、微量金属イオン濃度が低いフィルター24の下部では微生物の硝化活性が相対的に低くなる。結果的に、水処理装置20全体の硝化効率は期待するものよりも低くなってしまう。微量金属イオン濃度の不均衡に対しては、供給する微量金属イオン濃度を高くすることが考えられる。しかし、フィルター24の下部においても高い硝化活性を発揮させようとして、原水に供給する微量金属イオンの濃度を高くし過ぎると、今度は微量金属イオンによる硝化活性阻害が強くなってしまい、水処理装置20全体の硝化効率を高くすることができない。また、フィルター24の内部に微量金属供給源を配置することも考えられるが、水処理装置の構造が複雑になり、初期コスト及び維持管理コストが高いものとなる。
また、水処理装置20では、フィルター24の上部と下部とでは、酸素濃度に不均衡が生じてしまう。そのため、酸素濃度が高いフィルター24の上部では微生物の硝化活性が相対的に高いものの、酸素濃度が低いフィルター24の下部では微生物の硝化活性が相対的に低くなってしまう。結果的に、水処理装置20全体の硝化効率は期待するものよりも低くなってしまう。酸素濃度の不均衡に対しては、フィルター24の上流に酸素供給手段を設置して、フィルター24に供給される原水中の酸素濃度を高くすることが考えられる。しかし、水に溶解可能な酸素量には限界があるため、フィルター24の上部と下部との間での酸素濃度の不均衡を解決することはできず、水処理装置20全体の効率を高くすることができない。また、フィルター24の内部に酸素供給手段を配置することも考えられるが、水処理装置の構造が複雑になり、初期コスト及び維持管理コストが高いものとなる。
そこで、本発明は、微生物処理系内の微量金属イオン濃度及び酸素濃度を安定かつ均一に維持できる、微生物を用いる水処理装置及びこの水処理装置を用いる水処理方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の構成によって解決される。
[1] 被処理水中に含まれた微生物を利用して水処理を行う水処理装置であって、水処理装置内の被処理水を撹拌する撹拌手段と、前記被処理水に酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、前記被処理水に微量金属を供給する微量金属供給源と、処理した前記被処理水を排出する処理水出口と、を備える、水処理装置。
[2] 前記微生物が前記水処理装置内に設置された流動担体に付着している、[1]に記載の水処理装置。
[3] 前記流動担体が多孔質である、[2]に記載の水処理装置。
[4] 前記微生物が硝化細菌を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[5] 前記酸素供給手段が前記撹拌手段を兼ねる、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[6] 前記微量金属が銅、コバルト、クロム、モリブデン、ニッケル、タングステン及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[7] 前記微量金属供給源が被処理水と接する位置にある、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[8] 前記微量金属供給源が原水と接する位置にある、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[9] [1]〜[8]のいずれか1つに記載の水処理装置を用い、原水を流入させ、微生物による水処理を行い、処理水を流出させる、水処理方法。
本発明によれば、処理系内の微量金属イオン濃度及び酸素濃度を安定かつ均一に維持できる、微生物を用いる水処理装置及びこの水処理装置を用いる水処理方法を提供できる。
図1Aは、本発明の水処理装置の実施形態の一例の概略構成図である。 図1Bは、本発明の水処理装置の実施形態の別の一例の概略構成図である。 図2は、従来の水処理装置の概略構成図である。 図3は、通水日数と、アンモニア負荷量、硝化量及び硝化率との関係を表すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本明細書において、特に断らない限り、細菌は真正細菌及び古細菌を包含するものとする。
また、本明細書において、水処理装置内で微生物による処理を行うために水処理装置外から水処理装置内に流入させる水を原水、水処理装置内で微生物による処理が行われる水を被処理水、水処理装置内で微生物による処理を行い水処理装置内から水処理装置外へ流出させる水を処理水という。
また、本明細書において、微生物処理系は、水処理装置において微生物による処理が行われる系を意図する。
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、被処理水中に含まれた微生物を利用して水処理を行う水処理装置であって、水処理装置内の被処理水を撹拌する撹拌手段と、前記被処理水に酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、前記被処理水に微量金属を供給する微量金属供給源と、処理した前記被処理水を排出する処理水出口と、を備える、水処理装置である。
(微生物)
本発明の水処理装置において使用される微生物は、特に限定されるものではなく、従来公知の水処理に使用される微生物を、従来公知の水処理に使用される態様で使用することができる。
本発明の水処理装置に用いる微生物の種類は、原水に含まれるアンモニア性窒素を処理するには、硝化細菌を使用することが好ましい。硝化細菌は、通常、アンモニア酸化細菌及び亜硝酸酸化細菌の2群に大別される。アンモニア酸化細菌は、酸素を用いて、アンモニア(アンモニウムイオンを含む。)を亜硝酸イオンまで酸化する能力を有する細菌群である。アンモニア酸化細菌を含む属としては、例えば、Nitrosomonas属、Nitorosococcus属及びNitrosospira属、Nitrosovibrio属、Nitrosolobus属が挙げられる。また、亜硝酸酸化細菌は、酸素を用いて、亜硝酸イオン(NO )を硝酸イオン(NO )まで酸化する能力を有する細菌群である。亜硝酸酸化細菌を含む属としては、例えば、Nitrobacter属及びNitrospira属、Nitrococcus属が挙げられる。硝化処理は、毒性が高いアンモニア及び亜硝酸イオンを毒性が低い硝酸イオンに変換できる点で有用である。
本発明の水処理装置は流動床型の水処理装置であり、水処理装置内に設置された担体に微生物を付着させた微生物保持担体を用いる生物膜法による水処理を行うことが好ましい。
微生物保持担体に用いる担体は、被処理水中での流動性を向上させるため、流動担体であることが好ましい。また、微生物保持担体に用いる担体は、微生物が付着する表面積を大きくしたり、見かけの比重を小さくしたりするため、多孔質であることが好ましい。
担体の材質としては、例えば、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリウレタンが挙げられるが、これらに限定されない。
担体の形状としては、例えば、直方体、球体、筒体又は糸状体が挙げられるが、これらに限定されない。
微生物保持担体の量は、特に限定されないが、被処理水に対して、10〜90体積%が好ましく、25〜50体積%がより好ましい。被処理水に対する微生物保持担体の量がこの範囲内であると、被処理水の水流によって流動させることがより容易になるとともに、水処理を行う微生物量を大きくすることができる。
(撹拌手段)
撹拌手段は、被処理水を撹拌するための手段である。
撹拌手段が被処理水を撹拌して被処理水中に水流を作ることにより、微生物処理系内での酸素、微量金属及び微生物の分布を均一化し、さらに、均一な状態を維持できる。
撹拌手段は、被処理水を撹拌して被処理水中に水流を作ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、被処理水中に設置される撹拌羽根とその撹拌羽根を回転させるための回転軸を含むものが挙げられる。撹拌手段により作られる水流は、旋回流が好ましい。旋回流であると、微生物処理系内での酸素、微量金属及び微生物の分布をより均一化しやすくなる。
撹拌手段により被処理水中に旋回流を生じさせる場合、被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速は、特に限定されないが、0.1〜0.5m/sが好ましく、0.1〜0.2m/sがより好ましい。旋回流の上昇流の流速は、電磁流速計等により測定できる。
撹拌手段を設置する位置は、被処理水を撹拌することができる位置であれば、特に限定されないが、例えば、被処理水を水槽に収容している場合には、水槽の底部に設置することが好ましい。水槽の底部に撹拌手段を配置すると、被処理水をより効率的に撹拌できる。
また、撹拌手段の数は、1つに限定されず、2つ以上でもよい。
(酸素供給手段)
酸素供給手段は、被処理水に酸素含有ガスを供給するための手段である。
酸素供給手段が被処理水に酸素含有ガスを供給することにより、被処理水の溶存酸素濃度を上昇させる。被処理水は撹拌手段により撹拌され、被処理水中には水流が作られているので、被処理水に供給された酸素含有ガスの気泡が被処理水の全体に行き渡るとともに、溶存酸素濃度が上昇した被処理水も被処理水の全体に拡散される。酸素供給手段が被処理水に酸素含有ガスを供給し、撹拌手段が被処理水を撹拌することによって、被処理水の溶存酸素濃度を上昇させ、被処理水の溶存酸素濃度を均一化し、さらに、均一な状態を維持できる。
酸素供給手段は、被処理水に酸素含有ガスを供給できるものであれば特に限定されないが、例えば、散気管を含むものが挙げられる。散気管は、特に限定されず、パイプにメッシュを取り付けた構造のもの等、従来公知のものを使用することができる。
酸素供給手段には、酸素含有ガスを酸素供給手段に供給するための酸素ガス供給手段が接続される。酸素ガス供給手段から酸素供給手段への酸素含有ガスの供給量は、酸素ガス供給手段と酸素供給手段との間に設置した酸素含有ガス供給量調整手段によって調整することが好ましい。酸素含有ガスの供給量は、特に限定されず、適宜設定することができる。
酸素供給手段による被処理水への酸素供給量は、特に限定されないが、被処理水中の溶存酸素濃度を、飽和溶存酸素濃度(5℃で約12mg/L、25℃で約8mg/L)程度まで増加させられる量とすることが好ましい。
酸素供給手段を設置する位置は、被処理水に酸素含有ガスを供給できる位置であれば、特に限定されないが、例えば、被処理水を水槽に収容している場合には、水槽の底部に設置することが好ましい。水槽の底部に酸素供給手段を配置すると、被処理水と酸素含有ガスとの接触時間をより長くでき、被処理水中の溶存酸素濃度を増加させやすい。
また、酸素供給手段の数は、1つに限定されず、2つ以上でもよい。
酸素含有ガスは、酸素ガスを含むガスであれば特に限定されない。酸素含有ガスが酸素ガスと酸素ガス以外のガスとの混合ガスである場合は、酸素ガス以外のガスは不活性ガスが主成分であることが好ましい。酸素含有ガスとしては、例えば、空気が挙げられる。空気は、通常、酸素ガスを約21体積%、窒素ガスを約79体積%、微量の二酸化炭素ガス等を含む混合ガスである。空気は安価に入手可能であることから、特に好ましい。空気以外の酸素含有ガスとしては、工業用の高純度酸素ガス(純度99.5体積%以上)、医療用の酸素ガス(酸素濃度約25体積%以上)、水の電気分解により発生させた酸素ガス及び光合成により発生させた酸素ガスが例示されるが、これらに限定されることなく、使用できる。
酸素供給手段は、上述した撹拌手段を兼ねていてもよい。例えば、酸素供給手段が被処理水に酸素含有ガスを供給する際に、酸素含有ガスの噴流によって、被処理水中に旋回流を生じさせることができる。
酸素供給手段により被処理水中に旋回流を生じさせる場合、酸素供給手段からの酸素含有ガスの供給量は、供給された酸素含有ガスによって形成される旋回流の上昇流の流速が0.1〜0.5m/sに保持される量とすることが好ましく、0.1〜0.2m/sに保持される量とすることがより好ましい。旋回流の上昇流の流速がこの範囲内であると、微生物保持担体の流動性及び酸素供給手段の電力効率がより優れる。旋回流の上昇流の流速は、電磁流速計等により測定できる。
(微量金属供給源)
微量金属供給源は、被処理水に微量金属を供給するための手段である。微量金属供給源から被処理水に微量金属を供給すると、撹拌手段により作られた水流が、被処理水中に微量金属を行き渡らせ、微生物処理系内の微量金属濃度を均一化し、さらに、均一な状態を維持できる。
微量金属は、被処理水に直接供給してもよいし、水処理装置に流入させる原水に供給してもよい。
微量金属の供給方法は、特に限定されず、微量金属の単体又は合金を被処理水又は原水と接触させ、微量金属を溶出させることにより被処理水又は原水に供給してもよいし、微量金属の水溶性化合物又はその水溶液を、被処理水又は原水に添加することにより被処理水又は原水に供給してもよい。
微量金属供給源を原水又は水と接触させて微量金属を供給する方法は、特に限定されないが、例えば、被処理水中に微量金属の単体又は合金を板状又は線状に成形したものを浸漬して、微量金属供給源と被処理水を接触させる方法が挙げられる。被処理水との接触面積を大きくすることが好ましい。また、原水を水処理装置に供給する配管を、微量金属を含む合金製として原水と接触させることで、原水中に微量金属を溶出させ、被処理水に微量金属を供給することもできる。微量金属供給源を被処理水又は原水に接触させて微量金属を溶出させる場合、溶存酸素濃度が高いほど微量金属の溶出が促進される傾向がある。
微量金属供給源の配置は、微量金属を被処理水に供給することができる位置であれば特に限定されないが、微量金属供給源と原水又は被処理水とを接触させて微量金属を供給する場合は、微量金属供給源が原水又は被処理水と接する位置にあることが好ましい。
微量金属の種類は、特に限定されないが、例えば、銅、コバルト、クロム、モリブデン、ニッケル、タングステン及び亜鉛が挙げられる。微量金属供給源は、これらの微量金属からなる群から選択される少なくとも1種を供給することが好ましい。
被処理水中の微量金属の濃度は、微生物による処理の内容などに応じて適宜設定すればよいが、通常、微生物の活性が高い状態を維持できる濃度範囲内となるようにすることが好ましい。例えば、銅の場合で、被処理水中の銅イオン濃度を0.5〜10.0μg/Lとすることが好ましい。
(処理水出口)
処理水出口は、処理後の被処理水を水処理装置から排出するものである。
処理水出口から処理後の被処理水を排出することにより、処理水を得られる。また、水処理装置に新たな原水を流入させる余地が生じる。
処理水出口は、処理装置内の被処理水の体積がある閾値を超えたら、水処理装置外に処理後の被処理水を排出する構造が好ましい。このような構造としては、例えば、被処理水を収容する水槽の上端を一部低くしておき、その部分から溢れ出る処理後の被処理水を排出するもの、又は、被処理水を収容する水槽の水位を監視しておき、水位が所定の値を超えた場合に、ポンプ等を用いて、水槽から処理後の被処理水を抜き取るものがあり得るが、これらに限定されない。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、上述した本発明の水処理装置を用いる水処理方法である。
より具体的には、本発明の水処理方法は、撹拌手段を用いて被処理水を撹拌するとともに、酸素供給手段を用いて被処理水に酸素含有ガスを供給し、さらに、微量金属供給源から被処理水に微量金属を供給して、微生物による水処理を行うものである。
[水処理装置及び水処理方法の実施形態]
本発明の水処理装置及び水処理方法の実施形態について、図1A又は図1Bを参照しながら、より具体的に説明する。
<実施形態の一例>
図1Aは、本発明の水処理装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。
図1Aに示す水処理装置1は、生物反応槽2、撹拌手段3、酸素供給手段4、微量金属供給源5、原水配管6(原水出口6a、原水供給管6b)、処理水出口7で構成される。図1Aに示す微量金属供給源5は、被処理水12に微量金属を供給するように構成されているが、原水配管の一部又は全部を微量金属を含む材料で構成するなどして、原水11に微量金属を供給するように構成することも可能である。原水出口6aは、生物反応槽2内の、被処理水12の液面よりも上方に配置されている。
生物反応槽2内には、さらに、微生物保持担体9と被処理水12を分離するための固液分離手段を設置してもよい(図示せず)。固液分離手段を設置することにより、生物反応槽2から微生物保持担体9が排出されることを抑制しつつ処理水13を排出することが容易になる。固液分離手段は、例えば、スクリーンである。固液分離手段を微量金属又は微量金属を含む合金で構成して、微量金属供給源5を兼用させてもよい。
水処理装置1において、生物反応槽2への原水11の供給量は、原水供給量調整手段(図示せず)により調整できることが好ましい。また、酸素供給手段4への酸素含有ガスの供給量は、酸素含有ガス供給量調整手段(図示せず)により調整できることが好ましい。
生物反応槽2は、その底部に設けられた酸素供給手段4から酸素含有ガスを供給することによって、生物反応槽2内の被処理水12を曝気することができ、被処理水12中に撹拌羽根が配置された撹拌手段3によって被処理水12に旋回流を生じさせることができる水槽である。
撹拌手段3によって被処理水12中に生じさせる旋回流の上昇流の流速は、特に限定されないが、0.1〜0.5m/sが好ましく、0.1〜0.2m/sがより好ましい。旋回流の上昇流の流速がこの範囲内であると、微生物保持担体9の流動性及び撹拌手段3の電力効率がより優れる。旋回流の上昇流の流速は、電磁流速計等により測定できる。
微量金属供給源5は、被処理水12に浸漬されている。微量金属供給源5と被処理水12との接触により、微量金属供給源5から微量金属が金属イオンとして溶出する。硝化処理など、水処理の進行によって水素イオン濃度が増加する場合には、イオン化傾向が水素イオンよりも大きい微量金属はイオン化しやすく、溶出しやすくなる。また、酸素供給手段4からの酸素含有ガスの供給により被処理水12中の溶存酸素濃度が増加するに従い、微量金属供給源5から微量金属が溶出しやすくなる。微量金属供給源5から溶出した微量金属は、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。被処理水12中の微量金属濃度は、0.1〜5μg/Lが好ましく、0.5〜1μg/Lがより好ましい。
酸素供給手段4から供給された酸素含有ガスの気泡8は、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。気泡8と被処理水12との接触によって、被処理水12中の溶存酸素濃度が増加する。
微生物保持担体9も、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。微生物保持担体9と被処理水12との接触によって、被処理水12の処理が進行する。微生物保持担体9は、例えば、発泡ポリウレタン製の直方体形状の多孔質担体に硝化細菌等の微生物を付着させたものである。
水処理装置1を用いる水処理方法としては、連続処理と回分処理がある。
連続処理は、原水11を連続的に生物反応槽2に供給し、同量の処理水13を連続的に生物反応槽2から排出する水処理方法である。
回分処理は、原水11を生物反応槽2に所定量供給した後、原水11の供給を停止し、生物反応槽2内で微生物による水処理を行い、処理が終了した後、処理水13を生物反応槽2から排出する水処理方法である。
原水11中の被処理物質の濃度が変化した場合には、連続処理では、原水11の供給量を調整して、被処理水12の生物反応槽2内の滞留時間を調節することにより、回分処理では、原水11を生物反応槽2に供給する時間間隔を調整して、被処理水12の生物反応槽2内の滞留時間を調節することにより、所望の水質を所望のコストで、処理することができる。
水処理装置1を用いた硝化処理についてより詳しく説明する。
まず、原水11を、原水配管6を経て、硝化細菌が付着した微生物保持担体9が充填された生物反応槽2内に供給する。撹拌手段3を作動させて被処理水12を撹拌するとともに、空気を酸素供給手段4から被処理水12に供給して曝気する。被処理水12に浸漬された微量金属供給源5から銅等の微量金属が溶出する。撹拌手段3によって被処理水12中に生じた旋回流により、微生物反応系内の酸素濃度、微量金属濃度、硝化細菌の分布が均一化され、さらに均一化された状態が維持される。
被処理水12中のアンモニア性窒素は、次の2段階の化学反応により、亜硝酸イオンを経て硝酸イオンに酸化される。
2NH+3O → 2H+2NO +2HO (1)
2NO +O → 2NO (2)
硝化細菌としては、アンモニア性窒素の生物硝化に用いられる公知の硝化細菌を利用できる。硝化細菌の微生物保持担体9への付着は、例えば、種菌が付着した微生物保持担体を一定量添加する方法により行うことができる。Nitrosomonas属細菌を代表とする硝化細菌は、独立栄養細菌であり、有機物基質を必要とせずアンモニアの存在下で生育できるが、その増殖速度は極めて小さい。従って、生物硝化反応を高く保持するには、硝化細菌を生物反応槽2内に大量に保持する操作が必要となる。このために、硝化細菌を、浮遊菌体ではなく微生物保持担体9に付着した状態で保持する生物反応槽2が好適である。
生物反応槽2に供給する原水11としては、アンモニア性窒素を含む地下水及びアンモニア性窒素を含む表流水のいずれか一方または両方を用いることが好ましい。
原水11のアンモニア性窒素濃度は、特に限定されないが、1〜100mg/Lが好ましい。アンモニア性窒素濃度は、例えば、イオン電極又は比色計により測定できる。水処理装置1には、微量金属供給源5が備えられているので、硝化細菌の活性を高く維持できる。そのため、本発明の水処理装置1は、従来よりも高濃度のアンモニア性窒素を処理することができる。
原水11の生物学的酸素要求量(BOD)は、5mg/L以下が好ましい。BODは、溶存酸素の減少速度から測定される。
被処理水12の水温は、生物硝化反応を高く保持する観点から、10〜50℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
原水11の供給量は、原水11のアンモニア性窒素濃度、アンモニア性窒素負荷及び生物反応槽2内での被処理水12の滞留時間等を考慮して設定される。
原水11のアンモニア性窒素負荷は、特に限定されないが、0.1〜0.5kg−N/m/dが好ましく、0.15〜0.25kg−N/m/dがより好ましい。原水11のアンモニア性窒素負荷がこの範囲内であると、水処理装置1の処理水量及び処理水質がより良好となる。
なお、原水11のアンモニア性窒素負荷は、原水11のアンモニア性窒素濃度と原水11の通水量の積と、生物反応槽2の容積との関係により求められる。
被処理水12の滞留時間は、生物反応槽2から排出される処理水13の所望のアンモニア性窒素濃度に応じて設定され、特に限定されないが、通常、0.5〜2.0時間程度である。
酸素供給手段4から被処理水12に供給する空気の量(供給量)は、特に限定されないが、被処理水12の1mあたり、8m以上の酸素供給が好ましい。この範囲内であるとともに、旋回流を保持するために供給量を更に加算する必要がある。
撹拌手段3によって被処理水12中に形成される旋回流の上昇流の流速は、特に限定されないが、0.1〜0.5m/sが好ましく、0.1〜0.2m/sがより好ましい。
本発明の水処理装置1を用いて連続処理をする場合であっても、生物反応槽2に原水11を供給しない期間を設けてもよい。
例えば、地下水又は表流水の飲用化処理においては、飲用水需要が多い昼間に水処理装置1を稼働して水処理を行い、飲用水需要が少ない夜間に水処理装置1を停止して水処理を行わないようにすることがある。飲用水需要に応じて水処理装置1の稼働期間及び停止期間を設定することにより、水処理装置1の運転コストを低減でき、さらに、飲用化処理における処理水13の水質変動を抑制できる。
生物反応槽2に原水11を供給する期間は、特に限定されないが、24時間から原水11を供給しない期間を除いた期間とすることが好ましい。
撹拌手段3が被処理水12を撹拌する期間及び酸素供給手段4が被処理水12に空気を供給する期間は、生物反応槽2に原水11を供給する期間と同じである。
本発明の実施形態の一例において、水処理装置1を用いて原水11を処理して得られる処理水13のアンモニア性窒素濃度は、0.5mg/L以下が好ましく、0.1mg/L以下がより好ましい。
<実施形態の別の一例>
図1Bは、本発明の水処理装置の実施形態の別の一例を示す概略構成図である。
図1Bに示す水処理装置10は、生物反応槽2、酸素供給手段14、微量金属供給源5、原水配管6(原水出口6a、原水供給管6b)、処理水出口7で構成される。図1Bに示す微量金属供給源5は、被処理水12に微量金属を供給するように構成されているが、原水配管の一部又は全部を微量金属を含む材料で構成するなどして、原水11に微量金属を供給するように構成することも可能である。原水出口6aは、生物反応槽2内の、被処理水12の液面よりも上方に配置されている。
図1Bに示す水処理装置10は、図1Aに示す水処理装置1のように、独立した撹拌手段を有してないが、酸素供給手段14が撹拌手段を兼ねており、被処理水12中に水流を生じさせることができる。
生物反応槽2内には、さらに、微生物保持担体9と被処理水12を分離するための固液分離手段を設置してもよい(図示せず)。固液分離手段を設置することにより、生物反応槽2から微生物保持担体9が排出されることを抑制しつつ処理水13を排出することが容易になる。固液分離手段は、例えば、スクリーンである。固液分離手段を微量金属又は微量金属を含む合金で構成して、微量金属供給源5を兼用させてもよい。
水処理装置10において、生物反応槽2への原水11の供給量は、原水供給量調整手段(図示せず)により調整できることが好ましい。また、酸素供給手段14への酸素含有ガスの供給量は、酸素含有ガス供給量調整手段(図示せず)により調整できることが好ましい。
生物反応槽2は、その底部に設けられた酸素供給手段14から噴き出す酸素含有ガスによって、被処理水12を曝気するとともに、被処理水12中に旋回流を生じさせることができる水槽である。
酸素供給手段14から被処理水12に供給される酸素含有ガスの量は、酸素含有ガスの噴流によって被処理水12中に生じる旋回流の上昇流の流速が、0.1〜0.5m/sとなる量が好ましく、0.1〜0.2m/sとなる量がより好ましい。酸素含有ガスの供給量がこの範囲内であると、微生物保持担体9の流動性及び撹拌手段3の電力効率がより優れる。旋回流の上昇流の流速は、電磁流速計等により測定できる。
微量金属供給源5は、被処理水12に浸漬されている。微量金属供給源5と被処理水12との接触により、微量金属供給源5から微量金属が金属イオンとして溶出する。硝化処理など、水処理の進行によって水素イオン濃度が増加する場合には、イオン化傾向が水素イオンよりも大きい微量金属はイオン化しやすく、溶出しやすくなる。また、酸素供給手段14からの酸素含有ガスの供給により被処理水12中の溶存酸素濃度が増加するに従い、微量金属供給源5から微量金属が溶出しやすくなる。微量金属供給源5から溶出した微量金属は、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。被処理水12中の微量金属濃度は、0.1〜5μg/Lが好ましく、0.5〜1μg/Lがより好ましい。
酸素供給手段14から供給された酸素含有ガスの気泡8は、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。気泡8と被処理水12との接触によって、被処理水12中の溶存酸素濃度が増加する。
微生物保持担体9も、被処理水12中の旋回流により、被処理水12の全体に行き渡る。微生物保持担体9と被処理水12との接触によって、被処理水12の処理が進行する。微生物保持担体9は、例えば、発泡ポリウレタン製の直方体形状の多孔質担体に硝化細菌等の微生物を付着させたものである。
水処理装置10を用いる水処理方法としては、連続処理と回分処理がある。
連続処理は、原水11を連続的に生物反応槽2に供給し、同量の処理水13を連続的に生物反応槽2から排出する水処理方法である。
回分処理は、原水11を生物反応槽2に所定量供給した後、原水11の供給を停止し、生物反応槽2内で微生物による水処理を行い、処理が終了した後、処理水13を生物反応槽2から排出する水処理方法である。
原水11中の被処理物質の濃度が変化した場合には、連続処理では、原水11の供給量を調整して、被処理水12の生物反応槽2内の滞留時間を調節することにより、回分処理では、原水11を生物反応槽2に供給する時間間隔を調整して、被処理水12の生物反応槽2内の滞留時間を調節することにより、所望の水質を所望のコストで、処理することができる。
水処理装置10を用いた硝化処理についてより詳しく説明する。
まず、原水11を、原水配管6を経て、硝化細菌が付着した微生物保持担体9が充填された生物反応槽2内に供給する。酸素供給手段14から空気を被処理水12中に噴出させて、被処理水12を撹拌するとともに、曝気する。被処理水12に浸漬された微量金属供給源5から銅等の微量金属が溶出する。酸素供給手段14から噴出した空気によって被処理水12中に生じた旋回流により、微生物反応系内の酸素濃度、微量金属濃度、硝化細菌の分布が均一化され、さらに均一化された状態が維持される。
被処理水12中のアンモニア性窒素は、次の2段階の化学反応により、亜硝酸イオンを経て硝酸イオンに酸化される。
2NH+3O → 2H+2NO +2HO (1)
2NO +O → 2NO (2)
硝化細菌としては、アンモニア性窒素の生物硝化に用いられる公知の硝化細菌を利用できる。硝化細菌の微生物保持担体9への付着は、例えば、種菌が付着した微生物保持担体を一定量添加する方法により行うことができる。Nitrosobactorを代表とする硝化細菌は、独立栄養細菌であり、有機物基質を必要とせずアンモニアの存在下で生育できるが、その増殖速度は極めて小さい。従って、生物硝化反応を高く保持するには、硝化細菌を生物反応槽2内に大量に保持する操作が必要となる。このために、硝化細菌を、浮遊菌体ではなく微生物保持担体9に付着した状態で保持する生物反応槽2が好適である。
生物反応槽2に供給する原水11としては、アンモニア性窒素を含む地下水及びアンモニア性窒素を含む表流水のいずれか一方または両方を用いることが好ましい。
原水11のアンモニア性窒素濃度は、特に限定されないが、1〜100mg/Lが好ましい。アンモニア性窒素濃度は、例えば、イオン電極又は比色計により測定できる。水処理装置10には、微量金属供給源5が備えられているので、硝化細菌の活性を高く維持できる。そのため、本発明の水処理装置10は、従来よりも高濃度のアンモニア性窒素を処理することができる。
原水11の生物学的酸素要求量(BOD)は、5mg/L以下が好ましい。BODは、溶存酸素の減少速度から測定される。
被処理水12の水温は、生物硝化反応を高く保持する観点から、10〜50℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
原水11の供給量は、原水11のアンモニア性窒素濃度、アンモニア性窒素負荷及び生物反応槽2内での被処理水12の滞留時間等を考慮して設定される。
原水11のアンモニア性窒素負荷は、特に限定されないが、通常、原水及び生物反応槽2から排出される処理水13の所望のアンモニア性窒素濃度に応じて設定され、0.1〜0.5kg−N/m/d程度である。
なお、原水11のアンモニア性窒素負荷は、原水11のアンモニア性窒素濃度と原水11の通水量の積と、生物反応槽2の容積との関係により求められる。
被処理水12の滞留時間は、通常、原水及び生物反応槽2から排出される処理水13の所望のアンモニア性窒素濃度に応じて設定され、特に限定されないが、通常、0.5〜2.0時間程度である。
酸素供給手段14から被処理水12に供給する空気の量は、空気の噴流によって被処理水12中に生じる旋回流の上昇流の流速が、0.1〜0.5m/sとなる量が好ましく、0.1〜0.2m/sとなる量がより好ましい。
本発明の水処理装置10を用いて連続処理をする場合であっても、生物反応槽2に原水11を供給しない期間を設けてもよい。
例えば、地下水又は表流水の飲用化処理においては、飲用水需要が多い昼間に水処理装置10を稼働して水処理を行い、飲用水需要が少ない夜間に水処理装置10を停止して水処理を行わないようにすることがある。飲用水需要に応じて水処理装置10の稼働期間及び停止期間を設定することにより、水処理装置10の運転コストを低減でき、さらに、飲用化処理における処理水13の水質変動を抑制できる。
生物反応槽2に原水11を供給する期間は、特に限定されないが、24時間から原水11を供給しない期間を除いた期間とすることが好ましい。
酸素供給手段14が被処理水12に空気を供給し、被処理水12を撹拌する期間は、生物反応槽2に原水11を供給する期間と同じである。
本発明の実施形態の別の一例において、水処理装置10を用いて原水11を処理して得られる処理水13のアンモニア性窒素濃度は、0.5mg/L以下が好ましく、0.1mg/L以下がより好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの実施例によって示されるものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[実施例1、2、比較例1、2]
本例においては、図1Bに示す水処理装置10と同様の水処理装置を用いて、以下の手順で生物硝化を行った。
原水として、アンモニア性窒素が平均値で9.8mg/Lの地下水を用意した。原水中の銅イオン濃度は平均値で0.2μg/Lであった。
生物反応槽2として、完全混合槽型のパネル水槽を用いた。このパネル水槽は、幅:2000m、奥行き:3000mm、高さ:3000mm(有効水量13.5m)の片側旋回流パネル水槽である。水槽底部には散気管が設けられている。このパネル水槽に微生物保持担体9を充填率が30体積%となるように充填した。微生物保持担体9としては、発泡ポリウレタン製のスポンジ担体(イノアックコーポレーション社製、商品名ウォターフレックス、5mm角型:品番AQ−14)を用いた。
スポンジ担体をパネル水槽に充填する前に、すでに培養して硝化細菌が付着しているスポンジ担体を一定量添加した。
さらに、微量金属供給源5として、銅線(直径2mm、長さ10m)を被処理水中に設置した。
パネル水槽に地下水(20℃)を通水した。通水は、水槽底部の散気管から空気を導入し、曝気流動状態にて、被処理水の滞留時間が1.35〜6.75時間となるように行った。この時のアンモニア性窒素負荷は0.04〜0.17kg−N/m/dであった。空気の導入量は、被処理水の旋回流の上昇流の流速が0.2m/s以上に保持される量とした。
アンモニア性窒素負荷を0.04kg−N/m/d(滞留時間6.75時間)として通水開始から6ヶ月過経過するも硝化率は平均75%であった(比較例1)。硝化率の算出方法は後述する。
銅線を投入して微量金属の供給を開始したところ、供給直後から硝化率は約100%となり、安定状態を示すようになった。その後、アンモニア性窒素負荷を段階的に高めた結果、0.17kg−N/m/d(滞留時間1.35時間)でも硝化率99%を維持した(実施例1)。
銅線を取り出して微量金属の供給を停止して、さらに2週間通水を続けた(比較例2)。銅線取り出し後の硝化量及び処理水量を算出した。
銅線を取り出してから1か月後に銅線を再浸漬して、さらに1か月間通水を続けた(実施例2)。銅線再浸漬後の硝化量及び処理水量を算出した。
(硝化率の算出方法)
以下の式に従って、硝化率を算出した。
(原水アンモニア濃度(mg/L)−処理水アンモニア濃度(mg/L))÷原水アンモニア濃度(mg/L)×100=硝化率(%)
(硝化量の算出方法)
以下の式に従って、硝化量を算出した。
(原水アンモニア濃度(mg/L)−処理水アンモニア濃度(mg/L))×水槽容積()÷滞留時間(1/d)÷1000=硝化量(g−N/d)
(処理水量の算出方法)
以下の式に従って、処理水量を算出した。
原水通水量(m)÷1日当たりの原水通水時間(h)=処理水量(m/h)
(処理水中の銅イオン濃度の測定)
原水及び処理水を採水し、上水試験方法(ICP発光分光分析法)に準拠して銅イオン濃度を測定した。
図3のグラフに、通水日数と、アンモニア負荷量、硝化量及び硝化率との関係を示す。
(結果の説明)
銅線浸漬前は微量金属が不足しており、硝化率が70〜80%の範囲で推移し、硝化性能が安定していなかった。銅線浸漬以降は硝化率が直ちに99%以上に到達し、硝化性能が安定した。従来の微量金属供給源を持たない水処理装置では、性能を十分に発揮していなかったことが示唆された。その後、2週間と短期間ではあるが銅線の浸漬を停止したところ硝化性能は維持された。これは硝化菌が銅イオンを細胞内に取り込んだため、微量金属供給源が無くても硝化性能を維持していると考えられる。ただし、長期間浸漬を停止した場合、硝化菌の流出と増殖が繰り返され、いずれは銅イオンを取り込んでいない硝化菌が優占化し、硝化性能が低下すると考えられる。
銅線再浸漬後の処理水中の銅イオン濃度の平均値は0.6μg/Lであり、水道水質基準(銅イオン濃度1000μg/L以下)を満たしている。
本発明の水処理装置及び水処理方法は、被処理水に微量金属を供給することによって、微生物の活性を高く維持し、従来よりも高い水処理効率を達成することができるため、水処理コストのよりいっそうの低減を図ることができる。
1,10 水処理装置
2 生物反応槽
3 撹拌手段
4,14 酸素供給手段
5 微量金属供給源
6 原水配管
6a 原水出口
6b 原水供給管
7 処理水出口
8 気泡
9 微生物保持担体
11 原水
12 被処理水
13 処理水

Claims (9)

  1. 被処理水中に含まれた微生物を利用して水処理を行う水処理装置であって、
    水処理装置内の被処理水を撹拌する撹拌手段と、
    前記被処理水に酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、
    前記被処理水に微量金属を供給する微量金属供給源と、
    処理した前記被処理水を排出する処理水出口と、
    を備える、水処理装置。
  2. 前記微生物が前記水処理装置内に設置された流動担体に付着している、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記流動担体が多孔質である、請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記微生物が硝化細菌を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理装置。
  5. 前記酸素供給手段が前記撹拌手段を兼ねる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水処理装置。
  6. 前記微量金属が銅、コバルト、クロム、モリブデン、ニッケル、タングステン及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水処理装置。
  7. 前記微量金属供給源が被処理水と接する位置にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水処理装置。
  8. 前記微量金属供給源が原水と接する位置にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の水処理装置を用い、原水を流入させ、微生物による水処理を行い、処理水を流出させる、水処理方法。
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