JP2020163324A - 化学吸収方法及び吸収塔 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性ガスを含むガスから、酸性ガスを化学吸収により吸収する際に、吸収しきれずに吸収塔塔頂から酸性ガスが漏れるのを防止することが可能な化学吸収方法及びそれに用いられる吸収塔を提供する。【解決手段】本発明の化学吸収方法は、吸収塔1を用いた酸性ガスの化学吸収方法であって、吸収塔1の下部から酸性ガスを含むガスを導入させる工程Aと、吸収塔1の塔頂にアミン系吸収液を導入さえる工程Bと、吸収部7において酸前記酸性ガスを前記アミン系吸収液に吸収させる工程Cと、吸収部7の高さを1としたとき、塔頂から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部7の温度を計測する工程Dと、を有し、工程Dでの計測結果に基づいて所定の条件を満たした場合に、警報を発報する工程Eを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、化学吸収方法及び吸収塔に関する。
化石燃料、木質バイオマス、都市ごみ、活性汚泥等に代表される非ガス原料をガス化したガス(生成ガス)、あるいは、燃焼排ガス、天然ガス、石油随伴ガス、消化ガス等のガスから硫化水素や二酸化炭素などの酸性ガスを吸収して除去する方法として、アルカノールアミン等のアミン系吸収液とする化学吸収方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
化学吸収に用いられるアミン系吸収液には、同様の目的で使用される物理吸収液と異なり、硫化水素や二酸化炭素が溶液に容易に吸収されるが、吸収量に飽和点がある。
ところで、吸収法では、溶液循環量を下げてゆき、最適点を求めることが行われる。
化学吸収法は化学反応に基づく酸性ガス除去方法であるため、化学反応熱を考慮しなければならない。酸性ガスの吸収反応は発熱反応、一方、酸性ガスを吸収したアミン系吸収液の再生反応は吸熱反応である。したがって、吸収塔内では、酸性ガスの吸収による発熱で、アミン系吸収液の温度が上昇する。
一方、酸性ガスのアミン系吸収液への吸収量は温度の上昇に伴って減少する。よって、酸性ガスの吸収反応に伴う発熱により、吸収塔内の温度が上昇し、吸収塔塔頂からの硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスの漏れ(リーク)が始まる。この吸収塔内の過度な温度上昇を温度バルジと呼ぶ(例えば、非特許文献1及び2参照)。
温度バルジの過多は、酸性ガスの吸収反応の発熱量と、吸収塔内の冷却要因の間のバランスによって決まる。ここで吸収塔内の冷却要因には、低温のアミン系吸収液の吸収塔へのフィードに伴う冷却用顕熱と、低温のフィードガスの冷却用顕熱が挙げられる。
一般に、フィードガス中の酸性ガスの流量が少ない場合には、酸性ガスの流量に応じて吸収塔へのアミン系吸収液の循環量が決められるため、循環量は少なく設定される。したがって、フィードガス中の酸性ガスの流量が少ない場合には、吸収塔への吸収液のフィードに伴う冷却用顕熱が少ないため、比較的顕著に温度バルジが発生し、吸収塔塔頂から酸性ガスのリークが急激に始まる傾向が認められる。
特開2013−180281号公報 Oostwouder、 S.、 ‘Successful MDEA conversion’、 Hydrocarbon Engineering、 May (2000) Stewart E. and M. Lloyd、 ‘Increasing treating capacity’、 Hydrocarbon Engineering、 December (2000)
上記のようなリークが始まってしまうと、装置そのものを停止しなければならず、酸性ガスの回収を効果的に行うことが困難であった。
そこで、本発明では、化石燃料、木質バイオマス、都市ごみ、活性汚泥等に代表される非ガス原料をガス化したガス(生成ガス)、あるいは、燃焼排ガス、天然ガス、石油随伴ガス、消化ガス等から、硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスを化学吸収により吸収する際に、吸収しきれずに吸収塔塔頂から酸性ガスが漏れるのを防止することが可能な化学吸収方法及び吸収塔を提供することを目的とする。
本発明は、吸収塔を用いた酸性ガスの化学吸収方法であって、
前記吸収塔の下部に酸性ガスを含むガスを導入させる工程Aと、
前記吸収塔内の塔頂にアミン系吸収液導入させる工程Bと、
前記吸収塔内の吸収部において前記導入された前記酸性ガスを含むガスが上昇し、前記導入されたアミン系吸収液が下降する際に前記酸性ガスの少なくとも一部が前アミン系吸収液に吸収される工程Cと、
前記吸収部の高さを1としたとき、塔頂側から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部内の温度を計測する工程Dと、を有し、
下記式(1)で算出されるΔ(i、j)が25℃以上1000℃、又は、下記式(2)で算出されるΔ(i、j)が5℃以上30℃以下となったときに警報を発する工程Eを有する化学吸収方法である。
(R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
(T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
また、本発明は、化学吸収方法により酸性ガスを吸収する吸収塔であって、
前記吸収塔の下部に酸性ガスを含むガスを導入するガス導入ラインと、
前記吸収塔の塔頂に、前記アミン系吸収液を循環させる吸収液循環ラインと、
前記導入された前記ガスの少なくとも一部を前記導入されたアミン系吸収液に吸収させる吸収部と、
前記吸収部の高さを1としたとき、塔頂側から2/9以上7/9以下の範囲内で前記吸収部内の温度を計測する計測部と、
下記式(1)で算出されるΔ(i、j)が25℃以上1000℃、又は、下記式(2)で算出されるΔ(i、j)が5℃以上30℃以下となったときに警報を発する警報装置を有する吸収塔である。
(R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
(T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
本発明によれば、化石燃料、木質バイオマス、都市ごみ、活性汚泥等に代表される非ガス原料をガス化したガス(生成ガス)、あるいは、燃焼排ガス、天然ガス、石油随伴ガス、消化ガス等から、硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスを化学吸収により吸収する際に、吸収液循環量が減少し、温度バルジが発生することにより吸収しきれずに吸収塔塔頂から酸性ガスが過剰に漏れるのを防止することが可能な化学吸収方法及び吸収塔を提供することができる。
本発明の吸収塔を備えた化学吸収装置の一例を示す模式図である。 基準の相対循環量(=1)から0.7まで変えた場合の吸収部の温度分布を示すグラフである。 相対循環量を変えた場合の吸収塔塔頂からのCOのリークを示すグラフである。 相対循環量を変えた際のΔ(i、j)の変動を示すグラフである。 相対循環量を変えた際のΔ(i、j)の変動を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、吸収塔を用いた酸性ガスの化学吸収方法であって、
前記吸収塔の下部に酸性ガスを含むガスを導入させる工程Aと、
前記吸収塔内の塔頂にアミン系吸収液導入させる工程Bと、
前記吸収塔内の吸収部において前記導入された前記酸性ガスを含むガスが上昇し、前記導入されたアミン系吸収液が下降する際に前記酸性ガスの少なくとも一部が前アミン系吸収液に吸収される工程Cと、
前記吸収部の高さを1としたとき、塔頂側から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部内の温度を計測する工程Dと、を有し、
下記式(1)で算出されるΔ(i、j)が25℃以上1000℃、又は、下記式(2)で算出されるΔ(i、j)が5℃以上30℃以下となったときに警報を発する工程Eを有する化学吸収方法である。
(R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
(T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
このような特徴を有することにより、化石燃料、木質バイオマス、都市ごみ、活性汚泥等に代表される被ガス原料をガス化したガス(生成ガス)、あるいは、燃焼排ガス、天然ガス、石油随伴ガス、消化ガス等から、硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスを化学吸収により吸収する際に、十分に吸収しきれずに吸収塔塔頂から酸性ガスが漏れるのを防止することができる。
以下、本発明の化学吸収方法の説明に先立ち、本発明の吸収塔について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の吸収塔を備えた化学吸収装置の一例を示す模式図である。
図1に示す化学吸収装置100は、フィードガス中の酸性ガスを化学的に吸収除去する装置であり、吸収塔1と、再生塔2とを備えている。
吸収塔1は、吸収塔1の下部から吸収塔1の内部に酸性ガスを含むフィードガスを導入するガス導入ライン11と、吸収塔1の塔頂からアミン系吸収液を導入させる吸収液循環ライン12aと、導入されたガスとアミン吸収液が接触してガス中の酸性ガスを化学吸収する吸収部7と、吸収部7の所定の位置において吸収部7内の温度を計測する計測部13と、計測された温度結果から算出される所定の条件において警報を発報する警報装置14と、を有する。
なお、吸収部7は、複数の棚段、又は、一つまたは複数の充填層から構成される。吸収部7は、棚段で構成される場合は最下段の下の面から最上段の上の面を指し、複数の充填層で構成される場合は最下段の充填層の底面から最上段の充填層の上面までを指す。
ガス導入ライン11は、吸収塔1の下部に設けられている。
ガス導入ライン11には、酸性ガスを含むフィードガスがガス導入ライン11を介して吸収塔1内に導入される。導入されたガスは、吸収塔1内を上昇し、特には吸収部7において、塔頂部から吸収液導入ライン12aを介して導入されるアミン系吸収液と向流接触し、フィードガス中の酸性ガスがアミン系吸収液に吸収される。そして、酸性ガスが除去されたガスは、塔頂より処理ガスとして取り出される。
吸収液循環ライン12aを介して導入されたアミン系吸収液(以下単に吸収液ともいう)は、吸収塔1の塔頂より下部に向かって流れる。酸性ガスを吸収した吸収液、すなわちリッチ溶液(酸性ガス吸収済吸収液)を吸収塔1の下部から排出され、吸収塔1の下部に接続する吸収液循環ライン12bを介して、再生塔2に導入される。再生塔2において酸性ガス吸収済吸収液は酸性ガスが除去されて再生された吸収液、すなわちリーン溶液となる。さらに、リーン溶液は再生塔2の下部に接続する吸収液循環ライン12aを介して再度吸収塔1の塔頂に導入される
吸収液循環ライン12a、12bで吸収液を循環させる過程において、吸収塔1の下部より出されるリッチ溶液は、吸収された酸性ガスを放出できる温度にまでリーン・リッチ熱交換器3で加熱され、再生塔2へ導かれる。そして、再生塔2において、酸性ガスがリッチ溶液から除去・回収される。再生されたリーン溶液は、再生塔2の下部から取り出されてリーン・リッチ熱交換器3で冷却され、さらに、溶液クーラー4により温度調整がなされ、吸収塔1の塔頂より導入される。
また、再生塔2において分離され、再生塔2の塔頂から出される酸性ガスを含む再生塔塔頂ガス中には水蒸気が含まれている。再生塔塔頂ガスをオーバーヘッドコンデンサー5で冷却した後、冷却された再生塔塔頂ガス中の酸性ガスと凝縮した水とをドラム6で気液分離することにより酸性ガスと水とを分離する。水が分離された酸性ガスは回収される。なお、再生塔2の処理で失われる水分は再生塔2塔頂から補給しても良い。
計測部13は、吸収塔1内の吸収部7の温度を計測する機能を備えている。例えば、棚段であれば任意の段のダウンカマー中の液相の温度を測定する。充填塔であれば充填層の温度を測定する。
計測部13は、吸収塔1の吸収部7の高さを1としたとき、塔頂から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所に設けられている。すなわち、吸収部7の高さを1としたとき、塔頂から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部7の温度を計測する。なお、計測部13は、吸収部7の高さを1としたとき、塔頂から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所に設けられているが、塔頂から3/9以上6/9以下の範囲内の少なくとも一カ所に設けられているのが好ましい。なお、計測部13は、二カ所以上設けられていてもよい。
警報装置14は、計測部13の計測結果を基に、警報を発報する機能を備えている。
本発明において、警報の発報は、以下の二つのいずれかの条件を満たした場合に行われる。
条件1は、吸収塔1におけるアミン系吸収液の設計基準の循環量を1としたときのアミン系吸収液の相対循環量をX軸、計測部13での計測温度をY軸に取った時のグラフについての傾きの絶対値Δ(i、j)が25℃以上1000℃以下である場合である。なお、設計基準とは、吸収塔を設計する上で様々な要因を考慮して決定されるので、ある程度の余裕を見越した値である。すなわち、上述の設計する上で考慮すべき様々な要因には、まず異なる複数の運転モードへの対応、例えばフィード組成や流量の変更、目標とする酸性ガス除去濃度の変更や運転圧力の変更などが挙げられる。加えて、例えば、冷却用海水や河川水の水温の変動、空冷冷却装置を使用している場合には、大気気温や大気湿度などの変動に伴う冷却可能な温度の変動や、制御機構の制御操作上の制御値の変動などの運転上の様々な外乱なども設計上考慮しなければならない。したがって、これらの要因を考慮した設計の際に利用する循環量を設計基準の循環量とする。
条件2は、吸収塔の塔頂における前記アミン系吸収液の温度を基準温度としたときの、前記工程Cでの計測時における温度上昇(温度変位)Δ(i、j)が、5℃以上30℃以下である場合である。
なお、Δ(i、j)は、25℃以上1000℃以下であるが、70℃以上750℃以下であることが好ましい。
また、温度上昇Δ(i、j)は、5℃以上30℃以下であるが、7℃以上20℃以下であることが好ましい。商業運転されている吸収塔1の吸収部7で測定される温度には揺らぎがあり、下限値を下回る温度で警報を発報しても温度バルジが発生していない場合もあるので適切ではない。また上限値を上回る場合は、すでに温度バルジが発生して酸性ガスが塔頂からリークしているので適切ではない。
再生塔2は、リッチ溶液から酸性ガスを分離・除去する機能を備えている。
再生塔2の下部には、リボイラー21が設けられている。下降した吸収液はリボイラー21によって加熱されると再生塔2内を上昇する。塔頂から出る塔頂ガスはオーバーヘッドコンデンサー5で一部は凝縮され、凝縮された液は再生塔の塔頂部に戻される。リッチ溶液は再生塔内部でリッチ溶液に含まれる酸性ガスが除去されてリーン溶液として再生される。
上記のような吸収塔1を用いた化学吸収方法は、ガス導入ライン11により吸収塔1の下部から酸性ガスを含むフィードガスを導入させる工程Aと、吸収塔1内の塔頂から吸収液循環ライン12aを介してアミン系吸収液を導入する工程Bと、フィードガス中の酸性ガスをアミン系吸収液に化学吸収させる工程Cと吸収塔1内の吸収部の高さを1としたとき、塔頂から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部7内の温度を計測する工程Dと、を有している。そして、上述した条件1又は条件2を満たした場合に、警報を発報する工程Eを有している。
このような酸性ガス化学吸収方法によれば、吸収液の相対循環量を小さくしすぎるとこなくフィードガスから、硫化水素や二酸化炭素等の酸性ガスを化学吸収により吸収する際に、吸収しきれずに吸収塔塔頂から過剰に酸性ガスが漏れるのを防止することができる。
なお、アミン系吸収液としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。アミン系吸収液としては、具体的には、例えば、モノエタノールアミン(MEA)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(DGA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジメチルエタノールアミン(MDEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)が挙げられ、これらのうち、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、上述したΔ(i、j)及びΔ(i、j)の定義方法について説明する。
図2は、基準の相対循環量(=1)から0.7まで変えた場合の吸収部7の温度分布を示すグラフ、図3は、相対循環量を変えた場合の吸収塔塔頂からのCOのリークを示すグラフである。なお、図2中の場所i=#1は吸収塔塔頂、場所i=#10は吸収塔塔底を示しており、図2は吸収塔を9分割とした場合の温度分布を示している。また、図中、℃をdegCと示している。
図3より基準の循環量(R=1)の時には、塔頂からのCOの顕著なリークは始まっていないことがわかる。相対循環量の0.85では、顕著なリークは始まっていないが、図2に示すように、吸収部の温度分布は温度バルジ、つまり吸収部の任意の場所において温度の急激な上昇がみられる。特に、場所i=#7〜9ではほぼ温度がフラットになっており、これは温度バルジによりこの部位ではもはやCO吸収が進んでいないことを意味している。一方で、塔頂部(i=#1)では顕著な温度上昇がみられない。
さらに図2より相対循環量0.7では全面にわたって温度バルジが認められ、CO吸収が進んでいない部位が広範囲にわたっている。この場合、COリークは図3に示したようにきわめて大きくなっている。
そこで、温度バルジを利用して、破局的なCOリークが始まる前に警報を発報するために、特定の好ましい場所で温度の変位をモニターすればよいこと見出した。
警報を発報するために、以下の二種類の温度変位を定義した。なお、図4は、相対循環量を変えた際のΔ(i、j)の変動を示すグラフ、図5は、相対循環量を変えた際のΔ(i、j)の変動を示すグラフである。
Δ(i、j)は、図5における曲線の傾きの絶対値、すなわち下記式(1)で表される。
(R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
Δ(i、j)は、基準循環量(相対循環量が1のとき)の温度分布からの任意の循環量における温度の変位である。すなわち、Δ(i、j)は下記式(2)で表される。
(T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
図3によると、この運転条件では相対循環量が0.83程度からCOリークは急激に大きくなっており、実際のところ余裕を見て相対循環量が0.85程度で、警報を発報することが望ましい。
図4に示すように、警報は、場所i=#4〜#6の温度のモニター値から、Δ(i、j)が150〜250℃で発報すればよいことがわかる。図5によると、場所i=#4〜#6の温度のモニター値により、Δ(i、j)が5〜12℃で警報を発報すればよい。
以上、本発明の化学吸収方法及び吸収塔の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本発明の化学吸収方法は、任意の工程が追加されてもよい。
また、本発明の吸収塔は、図示の構成に限定されない。
表1に実施例1〜4の主なプロセス条件を示した。表2は警報を発報すべき条件を示している。変位を観測した場所は#1から#10で示される。#1が塔頂、#10が塔底を示し、#2〜#9は吸収部において高さ方向に均等に定められた場所である。
表1に示した実施例1〜4の条件で基準の循環量R(base)から循環量を徐々に減少させ、各実施例で塔頂からのCOリーク量が適正な範囲にとどまる相対循環量を求めた。
具体的には運転モードの変更に基づく運転条件の変更や運転上の外乱についても十分対応可能な吸収液循環量を基準循環量(相対循環量=1)から慎重に循環量を下げつつ、塔頂からのCOリーク量を観察する。同時に各場所#1〜#10(特には#4〜#6)における吸収部の温度を測定した。測定した温度に基づき変位Δ(i、j)、Δ(i、j)を求めた。最も少ない相対循環量におけるΔ(i、j)及びΔ(i、j)が警報を発報すべき変位量となる。
この結果を表2に示す。
温度を観測する場所(場所=#4、#5、#6)によって、変位Δ(i、j)及びΔ(i、j)には表2に示したように幅がある。実際の工業規模の吸収塔では静定し比較的安定した状態においても、様々な要因に起因する外乱で観測値は変動する。しかし、表2に示した変位量の幅であれば、温度バルジを回避可能であり、これを超える場合は警報を発報するように設定すればよいことがわかる。
100 化学吸収装置
1 吸収塔
11 ガス導入ライン
12a、12b 吸収液循環ライン
13 計測部
14 警報装置
2 再生塔
21 リボイラー
3 リーン・リッチ熱交換器
4 溶液クーラー
5 オーバーヘッドコンデンサー
6 ドラム
7 吸収部

Claims (5)

  1. 吸収塔を用いた酸性ガスの化学吸収方法であって、
    前記吸収塔の下部に酸性ガスを含むガスを導入させる工程Aと、
    前記吸収塔内の塔頂にアミン系吸収液導入させる工程Bと、
    前記吸収塔内の吸収部において前記導入された酸性ガスを含むガスが上昇し、前記導入されたアミン系吸収液が下降する際に前記酸性ガスの少なくとも一部が前アミン系吸収液に吸収される工程Cと、
    前記吸収部の高さを1としたとき、塔頂側から2/9以上7/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で吸収部内の温度を計測する工程Dと、を有し、
    下記式(1)で算出されるΔ(i、j)が25℃以上1000℃、又は、下記式(2)で算出されるΔ(i、j)が5℃以上30℃以下となったときに警報を発する工程Eを有する化学吸収方法。
    (R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
    (T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
  2. 前記工程Dでは、塔頂側から3/9以上6/9以下の範囲内の少なくとも一カ所で前記吸収部の温度を計測する請求項1に記載の化学吸収方法。
  3. 前記Δ(i、j)は、70℃以上750℃以下である請求項1又は2に記載の化学吸収方法。
  4. 前記Δ(i、j)は、7℃以上20℃以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化学吸収方法。
  5. 化学吸収方法により酸性ガスを吸収する吸収塔であって、
    前記吸収塔の下部に酸性ガスを含むガスを導入するガス導入ラインと、
    前記吸収塔の塔頂に、前記アミン系吸収液を循環させる吸収液循環ラインと、
    前記導入された前記ガスの少なくとも一部を前記導入されたアミン系吸収液に吸収させる吸収部と、
    前記吸収部の高さを1としたとき、塔頂側から2/9以上7/9以下の範囲内で前記吸収部内の温度を計測する計測部と、
    下記式(1)で算出されるΔ(i、j)が25℃以上1000℃、又は、下記式(2)で算出されるΔ(i、j)が5℃以上30℃以下となったときに警報を発する警報装置を有する吸収塔。
    (R(j)、R(j+1)は、任意の相対循環量であり、0<R(j)<R(j+1)の関係を満足する。また、また、Δ(i、j)は、下記式(2)で表される温度変位[℃]である。)
    (T(i、j)は、任意の相対循環量R(j)における吸収部の任意の場所iの温度[℃]、T(i、base)は、基準の循環量R(base)=1における吸収部の任意の場所iの温度[℃]である。)
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