上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例において、「前」および「表」は「遊技機を基準とする前方」、つまり「遊技者に近接する方向(遊技者から見て手前側)」を示し、「後」および「裏」は「遊技機を基準とする後方」、つまり「遊技者から離間する方向(遊技者から見て奥側)」を示す。また、「上」とは遊技者から見て「上」であることを示し、「下」とは遊技者から見て「下」であることを示し、「左」とは遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは遊技者から見て「右」であることを示す。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の後述する遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述するセグメント表示部を視認可能である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの右側の周縁部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの左側の周縁部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの上方の左右には一対の上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面側には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、および下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図4参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、遊技者による回転操作が可能な発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図4参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが作動して、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の手前側の縁部には、遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には、遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図4参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40には、液晶表示器によって構成された演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41の表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。例えば、演出図柄として3つの識別図柄41a,41b,41cを表示可能であり、これらの識別図柄41a,41b,41cが、複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示を実行する。
遊技領域21における中央装置40の左方には、普通図柄作動ゲート27が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、内蔵のゲートセンサー27s(図4参照)によって検知されて、下方へと流下していく。尚、本実施例の普通図柄作動ゲート27は、本発明の「通過装置」に相当している。
遊技領域21における中央装置40の下方には、始動口24が設けられている。始動口24は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性が不変であって、到達した遊技球が常時入球可能になっている。始動口24に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、始動口センサー24s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における始動口24の左方には、開閉入賞口25が設けられている。開閉入賞口25の詳細な構成については別図を用いて後述するが、開閉入賞口25は、遊技球の入球可能性が変化可能になっている。開閉入賞口25に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、開閉入賞口センサー25s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における普通図柄作動ゲート27の下方には、開閉入賞口25に向かって下方に傾斜した傾斜面26が設けられている。普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球は、後述するように傾斜面26上を転動して開閉入賞口25へと導かれるようになっている。
遊技領域21における始動口24の右方には、前方に向けて略長方形状に大きく開口した大入賞口28が設けられている。大入賞口28は、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29が前方に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、大入賞口センサー28s(図4参照)によって検知される。
また、遊技領域21には、遊技球が流下する経路に影響を与える多数の遊技釘32が設けられている。図2では、多数の遊技釘32のうち、一部のみを図示しており、残りの大半の図示を省略している。さらに、遊技領域21の最下部には、アウト口33が設けられており、上述した始動口24、開閉入賞口25、大入賞口28の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
本実施例のパチンコ機1において、複数の遊技釘32の配置などにより、上述した普通図柄作動ゲート27、始動口24、開閉入賞口25には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が通過または入球可能である。これに対して、大入賞口28には、中央装置40の右方の領域を流下する遊技球が入球可能である。以下では、中央装置40の左方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「左打ち」とも表現し、中央装置40の右方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、開閉入賞口25に遊技球が入球した場合は、賞球として1個の遊技球が払い出され、始動口24に遊技球が入球した場合は、賞球として3個の遊技球が払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、賞球として13個の遊技球が払い出される。
また、遊技盤20における遊技領域21の右下方には、複数のLEDの組み合わせによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。尚、セグメント表示部50の表示内容については別図を用いて後述する。
図3は、本実施例の開閉入賞口25の構成を示す斜視図である。まず、図3(a)に示されるように開閉入賞口25は、上方に向けて略長方形状に大きく開口した開口部25aを有している。また、開閉入賞口25は、遊技領域21を前後方向に移動可能な開閉板25bを備えている。図3(a)には、開閉板25bが後方に移動して遊技盤20の裏面側に位置し、開閉入賞口25の開口部25aが開閉板25bによって覆われることなく開放された開状態が示されている。尚、本実施例の開閉入賞口25は、本発明の「入球口」に相当している。
前述したように普通図柄作動ゲート27の下方には、傾斜面26が設けられており、この傾斜面26は、開閉入賞口25に向かって下方に傾斜している。本実施例の開閉入賞口25には、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球が傾斜面26上を転動して到達し、普通図柄作動ゲート27を通過しなかった遊技球は、複数の遊技釘32の配置によって開閉入賞口25に到達不能になっている。
そして、図3(a)の開状態では、傾斜面26上を転動してきた遊技球が開口部25aから開閉入賞口25へと入球する。そのため、遊技球が開閉入賞口25を越えて始動口24に入球することはない。
一方、図3(b)には、開閉板25bが前方に移動して遊技盤20から突出し、開閉入賞口25の開口部25aが開閉板25bによって覆われた閉状態が示されている。開閉板25bは、始動口24に向かって下方に傾斜しており、閉状態の開閉板25b上に至った遊技球を傾斜によって始動口24に導くことができる。そして、図3(b)の閉状態では、傾斜面26上を転動してきた遊技球が続いて開閉板25b上を転動していくことにより、開閉入賞口25を越えた遊技球が始動口24へと入球する。尚、本実施例のパチンコ機1では、開閉板25b上を転動して開閉入賞口25を越えた遊技球の全てが始動口24に入球するように、始動口24の周囲の遊技釘32が配置されている。また、普通図柄作動ゲート27を通過しなかった遊技球(例えば、右打ちされた遊技球)が始動口24に入球しないように、始動口24の周囲の遊技釘32が配置されている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図4は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図4におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図4におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図4におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、始動口24へ入球した遊技球を検知する始動口センサー24sや、開閉入賞口25へ入球した遊技球を検知する開閉入賞口センサー25s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口センサー24sや、開閉入賞口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応したコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、開閉入賞口25の開状態と閉状態とを切り換え可能な開閉板25bを駆動する開閉板ソレノイド25mや、大入賞口28の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉29を駆動する大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、開閉板ソレノイド25m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信したり、ランプ制御基板226に対して、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(以下「演出操作部10a,10b」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、その操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した音声データを音声ROM236から読み出して、その音声データの信号をアンプ基板224に送信することにより、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から音声を出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、その検知信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信すると、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には発射装置ユニット261が接続されている。発射装置ユニット261は、遊技球を発射するための発射モーター262や、遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263などを有している。遊技者が発射ハンドル9に触れていることをタッチスイッチ263で検知すると、発射モーター262の作動が可能となり、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望の領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射したり(左打ちを行ったり)、中央装置40の右方の領域を流下するように遊技球を発射したり(右打ちを行ったり)することができる。
前述したように中央装置40の左方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、左打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて普図当りか外れかを判定する普図当り判定を行う。続いて、普図当り判定の結果に基づいて、セグメント表示部50にて普通図柄の変動表示を行う。尚、本実施例の普通図柄は、本発明の「識別情報」に相当しており、本実施例のセグメント表示部50は、本発明の「識別情報表示手段」に相当している。
図5は、セグメント表示部50を拡大して示した説明図である。前述したようにセグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。図示されるようにセグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部51が設けられており、4個のLEDで構成されている。普通図柄は、普図表示部51で4個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、所定の組み合わせのLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、普図当り判定の結果が普図当りであれば、普図当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、開閉入賞口25の開閉板25bが開状態となるので、傾斜面26上を転動してきた遊技球が開口部25aから開閉入賞口25へと入球する。尚、本実施例の普図当り図柄は、本発明の「特定態様」に相当している。
尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過しても、普通図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を普図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、普通図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、普図保留に基づいて普図当り判定や、普通図柄の変動表示を行う。図5に示されるようにセグメント表示部50には、普図保留の記憶数(普図保留数)を表示する普図保留表示部52が設けられており、2個のLEDで構成されている。そして、保留数が0個であればLEDが2個とも消灯し、保留数が1個であれば1個のLEDが点灯し、保留数が2個であれば2個のLEDが点灯し、保留数が3個であれば1個のLEDが点滅し、保留数が4個であれば、2個のLEDが点滅する。
また、前述したように中央装置40の下方には、始動口24が設けられている。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球が傾斜面26上を転動して開閉入賞口25に到達し、開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態であれば、開閉板25b上を転動して開閉入賞口25を越えた遊技球が始動口24へと入球する。遊技球が始動口24に入球して、始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて大当りか外れかを判定する大当り判定を行った後、セグメント表示部50にて特別図柄の変動表示を行う。
図5に示されるようにセグメント表示部50には、特別図柄を表示する特図表示部53が設けられており、9個のLEDで構成されている。特別図柄は特図表示部53で9個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、所定の組み合わせのLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、大当り判定の結果が大当りであれば、大当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。
尚、始動口24に遊技球が入球しても、特別図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を特図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、特別図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、特図保留に基づいて大当り判定や、特別図柄の変動表示を行う。図5に示されるようにセグメント表示部50には、2個のLEDで構成された特図保留表示部54が設けられており、特図保留の記憶数(特図保留数)は特図保留表示部54に表示される。
また、特別図柄の変動表示と連動して、演出表示装置41では識別図柄41a,41b,41cが複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示する演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。3つの識別図柄41a,41b,41cは、特別図柄が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組み合わせ(バラケ目)で停止表示されるのに対して、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃う組み合わせ(ゾロ目)で停止表示される。このため、3つの識別図柄のうち2つが停止表示されたときに同じ数字であると、最後に停止表示される識別図柄も同じ数字で揃うのではないかと、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように2つの識別図柄が同じ図柄で停止表示された状態で最後の識別図柄を変動表示させながら行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、リーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となる大当り遊技を実行する。大当り遊技では、開放した大入賞口28を、上限個数(例えば9個)の遊技球が入球するか、あるいは所定の開放時間(例えば30秒)が経過したら閉鎖するラウンド遊技が複数回繰り返される。本実施例のパチンコ機1では、複数の大当り図柄が設けられており、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数が異なる(例えば、10回、13回、15回)。前述したように大入賞口28には、右打ちされた遊技球が入球可能であり、大入賞口28に遊技球が入球すると、賞球として13個の遊技球が払い出されることから、大当り遊技によって遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。
本実施例のパチンコ機1では、複数設けられた大当り図柄が「通常当り図柄」と「確変当り図柄」とに大別されている。特別図柄が何れの大当り図柄で停止表示された場合でも、大当り遊技の終了後に始動入賞容易状態が設定され、非始動入賞容易状態よりも始動口24への遊技球の入球が容易となる。前述したように始動口24には、閉状態の開閉板25b上を転動して開閉入賞口25を越えた遊技球が入球する。始動入賞容易状態では、普通図柄の変動時間、普通図柄が普図当り図柄で停止表示されてから開閉板25bが開状態となるまでのオープニング時間、開閉板25bが閉状態に復帰してから普通図柄の新たな変動表示が許可されるまでのエンディング時間の少なくとも1つが非始動入賞容易状態に比べて長く設定され易くなることにより、開閉板25bが閉状態である可能性が高まる。図5に示されるようにセグメント表示部50には、3個のLEDで構成された始動入賞容易表示部55が設けられており、始動入賞容易表示部55で3個のLEDを点灯することで始動入賞容易状態中であることを表す。
そして、特別図柄が通常当り図柄で停止表示された場合は、大当り遊技の終了後に、始動入賞容易状態であると共に、大当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が所定の通常確率(低確率)に設定され、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると非始動入賞容易状態に設定される。一方、特別図柄が確変当り図柄で停止表示された場合は、大当り遊技の終了後に、始動入賞容易状態であると共に、大当り確率が通常確率よりも高い高確率に設定され、次回の大当り遊技まで継続される。以下では、大当り確率が高確率に設定された状態を「確変状態」と称することがある。また、始動入賞容易状態では、非始動入賞容易状態よりも特別図柄の変動時間が短く設定され易くなることから、始動入賞容易状態であって、且つ大当り確率が通常確率に設定された状態を「時短状態」と称することがある。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したことに基づいて普通図柄による遊技が進行すると共に、遊技球が始動口24に入球したことに基づいて特別図柄による遊技が進行する。そして、普通図柄による遊技の進行と、特別図柄による遊技の進行とが密接に関係している。
図6は、普通図柄による遊技の主な進行態様を示す説明図である。本実施例の普通図柄作動ゲート27は、中央装置40の左方に設けられており、左打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。左打ちを行っていると、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することにより(ev.1)、普通図柄の変動表示が行われる(ev.2)。本実施例の普図当り判定では、判定結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く設定されており、普通図柄の変動表示の多くは普図当り図柄で停止表示され(ev.3)、開閉入賞口25の開閉板25bが開状態となる(ev.4)。
前述したように普通図柄作動ゲート27を通過しなかった遊技球は、複数の遊技釘32の配置によって開閉入賞口25に到達不能になっており、普通図柄作動ゲート27を通過して傾斜面26上を転動してきた遊技球が開状態の開閉入賞口25へと入球する(ev.5)。このように開閉入賞口25が開状態であると、始動口24よりも手前で遊技球が開閉入賞口25に入球することにより、始動口24に遊技球が入球することはない。
一方、確率は低いものの、普図当り判定の結果が外れになると、普通図柄が外れ図柄で停止表示され(ev.6)、開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態のままとなる(ev.7)。開閉入賞口25が閉状態である場合は、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球が傾斜面26上を転動して開閉入賞口25に到達すると、続いて閉状態の開閉板25b上を転動するので、開閉入賞口25を越えた遊技球が始動口24に入球する(ev.8)。
このように始動口24に遊技球が入球するか否かは、始動口24の周辺の遊技釘32ではなく、普図当り判定の結果に基づく開閉入賞口25の開閉板25bの状態(開状態か閉状態か)によって左右されるので、普図当り確率に応じて、左打ちされた遊技球のうち始動口24に入球する割合(いわゆるスタート率)を固定することができる。そして、例えば、普図当り確率を高くすれば、開閉板25bが開状態となる可能性が高まり、遊技球が始動口24に入球し難くなることから、普図当り確率を調節することで、スタート率を設計値(期待値)に近付けて固定することが可能となる。
図7は、特別図柄による遊技の主な進行態様を示す説明図である。左打ちを行っていると、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球が傾斜面26上を転動して開閉入賞口25に到達し、開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態であれば、開閉板25b上を転動して開閉入賞口25を越えた遊技球が始動口24に入球することにより(ev.11)、特別図柄の変動表示が行われる(ev.12)。本実施例のパチンコ機1は、遊技ホールの管理者による設定ボタン(図示省略)の操作に基づいて、設定1〜設定6の中で変更が可能な設定変更機能を有しており、設定1〜設定6は、それぞれ大当り確率が異なっている。
図8は、設定1〜設定6の大当り確率を例示した説明図である。前述したように本実施例のパチンコ機1では、大当り確率が通常確率(低確率)に設定される場合(以下「低確率時」ともいう)と、確変状態のように大当り確率が高確率に設定される場合(以下「高確率時」ともいう)とがある。そのため、設定1〜設定6の各々に、低確率時の大当り確率と、高確率時の大当り確率とが予め定められている。
図示した例によれば、設定1の大当り確率は、低確率時が160分の1であり、高確率時が50分の1である。また、設定2の大当り確率は、低確率時が155分の1、高確率時が47分の1であり、設定1よりも確率が高くなっている。さらに、設定3の大当り確率は、低確率時が150分の1、高確率時が44分の1であり、設定4の大当り確率は、低確率時が145分の1、高確率時が41分の1であり、設定5の大当り確率は、低確率時が130分の1、高確率時が38分の1であり、設定6の大当り確率は、低確率時が120分の1、高確率時が35分の1であることから、設定値が上がるほど、大当り確率が高くなる。
このように低確率時よりも高確率時の大当り確率が高く、設定値が上がるほど大当り確率が高いものの、何れの場合も、特別図柄の変動表示は、ほとんどが外れ図柄で停止表示される(ev.13)。そして、特別図柄の変動表示が繰り返されるうちに、大当り判定の結果が大当りになると、特別図柄が大当り図柄で停止表示され(ev.14)、大当り遊技が行われる(ev.15)。大当り遊技で開放状態となる大入賞口28には、右打ちされた遊技球が入球可能であり、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数は、停止表示された大当り図柄の種類によって異なっている。
そして、大当り遊技が終了すると、大当り図柄が確変当り図柄であれば、大当り確率が高確率である確変状態に設定され(ev.16)、大当り図柄が通常当り図柄であれば、大当り確率が通常確率(低確率)である時短状態に設定される(ev.17)。また、前述したように確変状態および時短状態の何れにおいても、始動入賞容易状態に設定される。本実施例のパチンコ機1では、予め複数の始動入賞容易状態が設けられており、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技の終了後に設定される始動入賞容易状態が異なっている。
図9は、複数の始動入賞容易状態の違いを示した説明図である。まず、本実施例のパチンコ機1では、普通図柄の変動時間が所定時間(例えば5秒)よりも長く設定される確率(以下「長変動確率」ともいう)を、低・中・高の3段階に変更することが可能であり、普通図柄の変動表示中は開閉入賞口25の開閉板25bが開状態になることはなく閉状態のままであることから、長変動確率が高いほど、始動口24に遊技球が入球する可能性が高まる。また、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合のオープニング時間やエンディング時間が所定時間(例えば3秒)よりも長く設定される確率(以下「長OP・ED確率」ともいう)を、低・中・高の3段階に変更することが可能であり、オープニング時間中やエンディング時間中は開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態であることから、長OP・ED確率が高いほど、始動口24に遊技球が入球する可能性が高まる。尚、長変動確率や長OP・ED確率は3段階に限られず、より多段階にしてもよい。
非始動入賞容易状態である通常状態では、長変動確率および長OP・ED確率が何れも「低」であり、前述のように本実施例の普図当り確率は高く設定されて開閉入賞口25が開状態となる可能性が高いことから、始動口24への遊技球の入球は容易ではない。これに対して、複数の始動入賞容易状態(状態1〜状態8)では、長変動確率および長OP・ED確率の少なくとも一方が「中」または「高」であることによって、開閉板25bが閉状態である可能性が高まり、始動口24への遊技球の入球が容易となる。
すなわち、始動入賞容易状態の状態1では、長変動確率が「低」、長OP・ED確率が「中」であり、状態2では、長変動確率が「低」、長OP・ED確率が「高」である。また、状態3では、長変動確率が「中」、長OP・ED確率が「低」であり、状態4では、長変動確率が「中」、長OP・ED確率が「中」であり、状態5では、長変動確率が「中」、長OP・ED確率が「高」である。さらに、状態6では、長変動確率が「高」、長OP・ED確率が「低」であり、状態7では、長変動確率が「高」、長OP・ED確率が「中」である。そして、状態8では、長変動確率および長OP・ED確率が何れも「高」であることから、始動口24への遊技球の入球が最も容易である。
このように始動入賞容易状態を設定することにより、大当り遊技の終了後に、通常状態(非始動入賞容易状態)に比べて始動口24に遊技球が入球する可能性(すなわち、特別図柄の変動表示が行われる可能性)が高まる期間を発生させることができるので、遊技者の興趣を高めることが可能となる。そして、複数の始動入賞容易状態(状態1〜状態8)を、停止表示された大当り図柄の種類によって切り換えることにより、大当り遊技の終了後の時短状態や確変状態で始動口24に遊技球が入球する可能性に変化を付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、前述したように設定変更機能を有しており、非始動入賞容易状態である通常状態(低確率時)において、良い設定(設定1<設定6)であるほど大当り確率が高い(いわゆる初当りし易い)ことから、始動口24に遊技球が入球する可能性が高まる始動入賞容易状態が発生し易くなる。
こうした始動入賞容易状態は、確変状態であれば、次回の大当り遊技まで継続されるのに対して、時短状態であれば、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、非始動入賞容易状態である通常状態に設定される(図7のev.18)。
C.本実施例のパチンコ機の制御内容 :
図10は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、所定周期で(例えば、4msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて図10の遊技制御処理を実行する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、まず、出力処理(S10)を行う。本実施例の主制御基板200では、後述する各処理においてサブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドを、RAM203に確保された出力バッファに一旦記憶するようになっており、出力処理(S10)では、出力バッファに記憶されている各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われることになる。
主制御基板200のCPU201は、出力処理(S10)に続いて、入力処理(S20)を行う。前述したように、始動口24、開閉入賞口25、大入賞口28の何れかに遊技球が入球すると、賞球として遊技球を払い出すようになっている。そこで、入力処理(S20)では、入球を検知する各種センサー(始動口センサー24s、開閉入賞口センサー25s、大入賞口センサー28sなど)について、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、遊技球を検知した場合は、遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを、上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは、次回の出力処理(S10)で払出制御基板240に向けて送信される。コマンドを受信した払出制御基板240は、前述したように遊技球の入球が開閉入賞口25であれば、1個の遊技球を払い出し、始動口24であれば、3個の遊技球を払い出し、大入賞口28であれば、13個の遊技球を払い出す。
入力処理(S20)を終了すると、次に、乱数更新処理(S30)を行う。前述したように、普図当り判定や特別図柄の大当り判定は、所定の判定乱数の値に基づいて行われる。また、これ以外にも、後述する各種の決定が専用の乱数の値に基づいて行われる。乱数更新処理(S30)では、これらの乱数の更新を行う。尚、乱数の更新は、遊技制御処理の中の乱数更新処理(S30)においてだけでなく、遊技制御処理を一旦終了してから次回の遊技制御処理を開始する(タイマ割り込みが発生する)までの間に行うこととしてもよい。また、乱数更新のための専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新してもよい。
乱数更新処理(S30)を終了したら、ゲートセンサー検知処理(S40)を行う。ゲートセンサー検知処理(S40)では、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球をゲートセンサー27sで検知すると、普図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を普図保留としてRAM203に記憶する。ここでの判定乱数としては、普図当り判定を行うための普図当り判定乱数や、普図当りの場合に普通図柄で停止表示する普図当り図柄の種類を決定するための普図決定乱数や、普通図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動パターンを決定するための普図変動パターン決定乱数などを取得する。
ゲートセンサー検知処理(S40)に続いて、始動口センサー検知処理(S50)を行う。始動口センサー検知処理(S50)では、始動口24に入球した遊技球を始動口センサー24sで検知すると、特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を特図保留としてRAM203に記憶する。ここでの判定乱数としては、大当り判定を行うための大当り判定乱数や、大当りの場合に特別図柄で停止表示する大当り図柄の種類を決定するための特図決定乱数や、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動パターンを決定するための特図変動パターン決定乱数などを取得する。そして、始動口センサー検知処理(S50)を終了すると、次に、普通動作処理(S60)を行う。
図11は、本実施例の普通動作処理を示したフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、普通動作処理(S60)を開始すると、まず普通図柄が変動表示中であるか否かを判断し(S61)、普通図柄が変動表示中ではない場合は(S61:no)、続いて、普図当りのオープニング時間中であるか否かを判断する(S62)。前述したように普通図柄が普図当り図柄で停止表示されると、オープニング時間が経過した後に、開閉入賞口25の開閉板25bが開状態となる。
オープニング時間中ではない場合は(S62:no)、開閉入賞口25の開閉板25bが開状態であるか否かを判断する(S63)。開閉板25bが閉状態である場合は(S63:no)、さらに、普図当りのエンディング時間中であるか否かを判断する(S64)。前述したように開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態に復帰した後、エンディング時間が経過すると、普通図柄の新たな変動表示が許可される。
エンディング時間中ではない場合は(S64:no)、普図保留数が「0」であるか否かを判断する(S65)。特図保留数が「0」である場合は(S65:yes)、普通図柄の変動表示を開始することなく、図11の普通動作処理を終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。
一方、普図保留数が「0」ではない場合は(S65:no)、最先に普図保留として記憶された各種の判定乱数(すなわち、普図当り判定乱数、普図決定乱数、普図変動パターン決定乱数)の値を読み出し(S66)、普図当り判定処理(S67)を行う。普図当り判定処理(S67)では、普図保留として読み出した普図当り判定乱数の値を用いて、普図当り判定テーブル(図示省略)を参照しながら普図当り判定を行う。普図当り判定テーブルは、普図当り判定乱数の値に「普図当り」または「外れ」の判定結果が対応付けられたテーブルであり、本実施例では、多くの乱数値に「普図当り」を対応付けることで、普図当り確率が高く設定されている。また、普図当り判定テーブルを変更することによって、普図当り確率を調節することが可能である。尚、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「確率変更手段」に相当している。こうした普図当り判定テーブルを参照して、普図保留として読み出した普図当り判定乱数の値が「普図当り」に対応する値(普図当り値)であれば、普図当りと判定し、「外れ」に対応する値(外れ値)であれば、外れと判定する。
また、普図当り判定の結果が普図当りであれば、停止表示する普図当り図柄を決定する。本実施例のパチンコ機1では、複数の普図当り図柄が設けられており、停止表示された普図当り図柄の種類によって、オープニング時間やエンディング時間の長さが異なっている。普図当り図柄の決定は、普図保留として読み出した普図決定乱数の値を用いて、普図当り図柄決定テーブル(図示省略)を参照しながら行う。普図当り図柄決定テーブルは、普図決定乱数の値と複数の普図当り図柄とが対応付けられたテーブルである。そして、読み出した普図決定乱数の値に対応付けられた普図当り図柄を、停止表示する図柄(停止図柄)として決定する。これに対して、普図当り判定の結果が外れであれば、外れ図柄を停止図柄として決定する。尚、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「オープニング時間設定手段」および「エンディング時間設定手段」に相当している。
前述したように本実施例のパチンコ機1では、長OP・ED確率として低・中・高の3段階が設けられており、参照する普図当り図柄決定テーブルを切り換えることによって、始動入賞容易状態における長OP・ED確率を変更することが可能である。すなわち、オープニング時間やエンディング時間が長い普図当り図柄に多くの乱数値が対応付けられた普図当り図柄決定テーブルを参照することで、長OP・ED確率が高まる。
普図当り判定処理(S67)に続いて、普図変動パターン決定処理(S68)を行う。ここで、普通図柄の変動パターンとは、普通図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)を識別するためのものであり、複数の変動パターンは、互いに設定されている変動時間が異なっている。普図変動パターン決定処理(S68)では、普図保留として読み出した普図変動パターン決定乱数の値を用いて、普図変動パターン決定テーブル(図示省略)を参照しながら、変動表示を開始する普通図柄の変動パターンを決定する。普図変動パターン決定テーブルは、普図変動パターン決定乱数の値と複数の変動パターンとが対応付けられたテーブルである。そして、読み出した普図変動パターン決定乱数の値に対応付けられた変動パターンを、今回の普通図柄の変動パターンに決定する。尚、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「変動時間設定手段」に相当している。
前述したように本実施例のパチンコ機1では、長変動確率として低・中・高の3段階が設けられており、参照する普図変動パターン決定テーブルを切り換えることによって、始動入賞容易状態における長変動確率を変更することが可能である。すなわち、変動時間が長めの変動パターンに多くの乱数値が対応付けられた普図変動パターン決定テーブルを参照することで、長変動確率が高まる。
普図変動パターン決定処理(S68)を終了すると、普通図柄の変動表示を開始する(S69)。また、変動表示の開始に伴って、普図保留数から「1」を減算する。こうして普通図柄の変動表示を開始したら、図11の普通動作処理を一旦終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。そして、次に普通動作処理(S60)を再開すると、図11のS61の判断において、先ほど開始した普通図柄の変動表示中であると判断し(S61:yes)、普通図柄停止処理(S70)を行う。
普通図柄停止処理(S70)では、まず変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。前述したように普通図柄の変動時間は、変動表示の開始に際して決定した変動パターンによって定められている。未だ変動時間が経過していなければ、普通図柄の変動表示を継続したまま普通図柄停止処理(S70)を終了し、図11の普通動作処理も終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。
その後、処理を繰り返すうちに、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したら、決定しておいた停止図柄(普図当り図柄または外れ図柄)で普通図柄を停止表示する。そして、停止表示された普通図柄が普図当り図柄および外れ図柄の何れであるかを判断し、外れ図柄である場合は、そのまま図11の普通動作処理を終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、停止表示された普通図柄が普図当り図柄である場合は、オープニング時間を設定する。前述したようにオープニング時間の長さは、停止表示された普図当り図柄の種類によって異なっている。こうしてオープニング時間が設定された状態で、図11の普通動作処理を終了すると、次回の普通動作処理では、S62の判断において、オープニング時間中であると判断し(S62:yes)、オープニング処理(S71)を行う。
オープニング処理(S71)では、オープニング時間が経過したか否かを判断し、未だオープニング時間が経過していなければ、そのままオープニング処理(S71)を終了し、図11の普通動作処理も終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。その後、オープニング時間が経過したら、開閉板ソレノイド25mを駆動して開閉入賞口25の開閉板25bを開状態とする。こうして開閉板25bが開状態とされて、図11の普通動作処理を終了すると、次回の普通動作処理では、S63の判断において、開閉板25bが開状態であると判断し(S63:yes)、閉状態復帰処理(S72)を行う。
閉状態復帰処理(S72)では、開閉板25bの開状態を維持しておく所定の開時間(例えば3秒)が経過したか否かを判断し、未だ開時間が経過していなければ、開閉板25bを開状態としたまま閉状態復帰処理(S72)を終了し、図11の普通動作処理も終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。その後、開時間が経過したら、開閉入賞口25の開閉板25bを閉状態に復帰させ、エンディング時間を設定する。前述したようにエンディング時間の長さは、停止表示された普図当り図柄の種類によって異なっている。
こうしてエンディング時間が設定された状態で、図11の普通動作処理を終了すると、次回の普通動作処理では、S64の判断において、エンディング時間中であると判断し(S64:yes)、そのまま図11の普通動作処理を終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。その後、エンディング時間が経過したら、普通図柄の新たな変動表示が許可される。そして、普通動作処理を再開すると、S64の判断において、エンディング時間中ではないと判断されるので(S64:no)、普図保留数が「0」でなければ(S65:no)、上述したS66〜S69の処理を行って新たな普通図柄の変動表示を開始する。
図10の遊技制御処理では、普通動作処理(S60)から復帰すると、続いて、特別動作処理を行う(S80)。特別動作処理(S80)では、主に次のような処理を行う。まず、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中、大当り遊技中の何れかであるか否かを判断する。これらの何れでもない場合は、特図保留が記憶されているか否かを判断し、記憶されていれば、最先に特図保留として記憶された各種の判定乱数(すなわち、大当り判定乱数、特図決定乱数、特図変動パターン決定乱数)の値を読み出す。
こうして読み出した大当り判定乱数の値を用いて、大当り判定テーブル(図示省略)を参照しながら大当り判定を行う。大当り判定テーブルは、大当り判定乱数の値に「大当り」または「外れ」の判定結果が対応付けられたテーブルである。読み出した大当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値(大当り値)であれば、大当りと判定し、「外れ」に対応する値(外れ値)であれば、外れと判定する。前述したように確変状態では、非確変状態よりも大当り確率が高いことから、大当り判定テーブルは、確変状態用と非確変状態用とが設けられている。また、本実施例のパチンコ機1は、前述した設定変更機能を有しており、設定1〜設定6の各々に対応する大当り判定テーブルが設けられている。尚、本実施例の大当り乱数の値は、本発明の「取得情報」に相当しており、本実施例の大当り値は、本発明の「所定の情報」に相当している。
そして、大当り判定の結果が大当りである場合は、停止表示する大当り図柄を決定する。前述したように大当り図柄は複数設けられており、通常当り図柄と確変当り図柄とに大別される。大当り図柄の決定は、特図保留として読み出した特図決定乱数を用いて、大当り図柄決定テーブル(図示省略)を参照しながら行う。大当り図柄決定テーブルは、特図決定乱数の値と複数の大当り図柄とが対応付けられたテーブルであり、読み出した特図決定乱数に対応付けられた大当り図柄を、停止表示する図柄(停止図柄)として決定する。これに対して、大当り判定の結果が外れであれば、外れ図柄を停止図柄として決定する。
こうして特別図柄の停止図柄を決定したら、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)を識別するためのものであり、複数の変動パターンは、互いに設定されている変動時間が異なっている。特別図柄の変動パターンの決定は、特図保留として読み出した特図変動パターン決定乱数の値を用いて、特図変動パターン決定テーブル(図示省略)を参照しながら行う。特図変動パターン決定テーブルは、特図変動パターン決定乱数と複数の変動パターンとが対応付けられたテーブルであり、読み出した特図変動パターン決定乱数の値に対応付けられた変動パターンを、変動表示を開始する特別図柄の変動パターンに決定する。前述したように始動入賞容易状態では、非始動入賞容易状態よりも特別図柄の変動時間が短く設定され易くなる。そのため、始動入賞容易状態用の特図変動パターン決定テーブルには、非始動入賞容易状態用の特図変動パターン決定テーブルに比べて、変動時間が長めの変動パターンに多くの乱数値が対応付けられている。
特別図柄の変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始する。また、変動表示の開始に伴って、特図保留数から「1」を減算する。さらに、特別図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。これらのコマンドは、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、これらのコマンドを受信することで、特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置41で図柄変動演出を実行する。
特別図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断する。前述したように特別図柄の変動時間は、特別図柄の変動パターンによって定められており、変動時間が経過すると、決定しておいた大当り図柄または外れ図柄で特別図柄を停止表示する。また、停止表示した特別図柄を確定表示しておく時間(確定時間)を設定する。そして、特別図柄の停止表示を示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、変動停止コマンドに基づいて、演出表示装置41の図柄変動演出を終了する。
特別図柄の確定表示中は、確定時間が経過したか否かを判断し、確定時間が経過したら、停止表示された特別図柄が大当り図柄および外れ図柄の何れであるかを判断する。その結果、外れ図柄であった場合は、時短状態であるか否かを判断し、時短状態であれば、時短状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、非始動入賞容易状態である通常状態に設定する。また、遊技状態の変更に伴い、遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(ラウンド回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定して、大当り遊技を開始する。また、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。尚、本実施例の大当り遊技は、本発明の「特定遊技」に相当しており、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「特定遊技実行手段」に相当している。
大当り遊技中は、大入賞口ソレノイド29mを駆動して大入賞口28を開放状態とすることでラウンド遊技を開始する。その後、開放時間が経過するか、あるいは大入賞口28に上限個数の遊技球が入球すると、大入賞口28を閉鎖状態としてラウンド遊技を終了し、閉鎖時間の経過を待って次のラウンド遊技を開始する。そして、設定されたラウンド回数を全て消化したら、大当り遊技を終了する。また、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
さらに、停止表示された大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。すなわち、大当り図柄が確変当り図柄であれば、大当り確率が高確率である確変状態に設定するのに対して、大当り図柄が通常当り図柄であれば、大当り確率が通常確率(低確率)である時短状態に設定する。そして、確変状態および時短状態の何れにおいても、始動入賞容易状態に設定するようになっており、停止表示された大当り図柄の種類によって、始動入賞容易状態(状態1〜状態8)が異なっている。また、遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。こうして特別動作処理(S80)を終了したら、図10の遊技制御処理を一旦終了し、4msec毎のタイマ割り込みが発生すると、再び図10の遊技制御処理を実行する。尚、本実施例の始動入賞容易状態は、本発明の「入球容易状態」に相当しており、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「入球容易状態設定手段」に相当している。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、遊技領域21に始動口24を1つ設けていたが、これとは別に始動口を追加することとして、例えば、右打ちされた遊技球が入球可能に設けてもよい。また、追加した始動口に対応する特別図柄を設けてもよい。
また、前述した実施例では、左打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能となっていたが、左打ちされた遊技球の全てが普通図柄作動ゲート27を通過するようにしてもよい。これにより、左打ちされた遊技球のうち始動口24に入球する割合(いわゆるスタート率)を、普図当り確率に基づく開閉入賞口25の開閉板25bの状態(開状態か閉状態か)によって、より確実に制御(固定)することが可能となる。
また、前述した実施例では、複数の始動入賞容易状態で、非始動入賞容易状態に比べて長変動確率および長OP・ED確率の少なくとも一方を高めることで、始動口24への遊技球の入球を容易とする(開閉入賞口25の開閉板25bが閉状態である可能性を高める)ようになっていた。しかし、これに限らず、始動入賞容易状態では、非始動入賞容易状態よりも普図当り確率を低くしてもよい。また、開閉入賞口25の開閉板25bを開状態で維持しておく開時間を変更可能として、始動入賞容易状態では、非始動入賞容易状態よりも開時間を短くしてもよい。
また、前述した実施例のように設定変更機能を有するパチンコ機1では、設定1〜設定6の各々に異なる普図当り確率(普図当り判定テーブル)を定めておくこととして、設定値が上がるほど、大当り確率が高くなるのに加えて、普図当り確率が低くなるようにしてもよい。
また、前述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
<上述した実施例から抽出できる遊技機A1〜A7>
上述した実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1〜A7として捉えることができる。
<遊技機A1>
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
前記遊技領域に設けられて、前記遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口への前記遊技球の入球に基づいて取得される取得情報が所定の情報であると、遊技者にとって有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記遊技領域の前記始動口よりも上流側に設けられて、流下する前記遊技球が通過可能な通過装置と、
前記通過装置での前記遊技球の通過検知に基づいて識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
前記通過装置を通過した前記遊技球が到達し、該通過装置を通過しなかった前記遊技球が到達不能に設けられて、上方に向けて開口した開口部を有する入球口と、
前記開口部を覆った閉状態と、前記開口部を開放した開状態とに切り換えが可能であり、前記識別情報が特定態様で停止表示されると、所定時間にわたって前記開状態となる開閉板と
を備え、
前記始動口には、前記閉状態の前記開閉板上を転動して前記入球口を越えた前記遊技球が入球する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A1では、始動口を狙って遊技領域に発射されて通過装置を通過した遊技球は、識別情報が特定態様で停止表示されて開閉板が開状態になると、入球口に入球して始動口に到達せず、識別情報が特定態様で停止表示されずに開閉板が閉状態であれば、入球口を越えて始動口に入球する。このように始動口に遊技球が入球するか否かは、始動口の周辺の遊技釘ではなく、識別情報の停止表示に基づく開閉板の状態(開状態か閉状態か)によって左右されるので、識別情報が特定態様で停止表示される確率に応じて、始動口に遊技球が入球する割合を固定することができる。
<遊技機A2>
遊技機A1において、
前記閉状態における前記開閉板は、前記始動口に向けて下方に傾斜している
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A2では、通過装置を通過して閉状態の開閉板上に至った遊技球を傾斜によって始動口に導くことができる。
<遊技機A3>
遊技機A1または遊技機A2において、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示される確率を変更可能な確率変更手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A3では、識別情報が特定態様で停止表示される確率を調節することによって、始動口に遊技球が入球する割合を設計値に近付けて固定することが可能となる。
<遊技機A4>
遊技機A1ないし遊技機A3の何れか1つの遊技機において、
前記識別情報の変動時間を設定する変動時間設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A4では、識別情報の変動表示中は開閉板が閉状態のままであるので、識別情報の変動時間を長く設定することによって、始動口に遊技球が入球する可能性を高めることができる。
<遊技機A5>
遊技機A1ないし遊技機A4の何れか1つの遊技機において、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示されてから前記開閉板が前記開状態となるまでのオープニング時間を設定するオープニング時間設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A5では、オープニング時間中は開閉板が閉状態のままであるので、オープニング時間を長く設定することにより、始動口に遊技球が入球する可能性を高めることができる。
<遊技機A6>
遊技機A1ないし遊技機A5の何れか1つの遊技機において、
前記開閉板が前記閉状態に復帰してから次回の前記識別情報の変動表示が許可されるまでのエンディング時間を設定するエンディング時間設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A6では、エンディング時間中は開閉板が閉状態のままであるので、エンディング時間を長く設定することにより、始動口に遊技球が入球する可能性を高めることができる。
<遊技機A7>
遊技機A1ないし遊技機A6の何れか1つの遊技機において、
前記特定遊技が終了した後に、前記識別情報の変動時間が所定の第1時間よりも長く設定される確率、前記識別情報が前記特定態様で停止表示されてから前記開閉板が前記開状態となるまでのオープニング時間が所定の第2時間よりも長く設定される確率、前記開閉板が前記閉状態に復帰してから次回の前記識別情報の変動表示が許可されるまでのエンディング時間が所定の第3時間よりも長く設定される確率の少なくとも1つを高めることで前記始動口への前記遊技球の入球を容易とする入球容易状態を設定する入球容易状態設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A7では、始動入賞容易状態を設定することにより、特定遊技の終了後に、始動口に遊技球が入球する可能性(すなわち、取得情報が所定の情報であるか否かの判定が行われる可能性)が高まる期間を発生させることができるので、遊技者の興趣を高めることが可能となる。