JP2020162928A - 眼底撮影装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る眼底撮影装置の実施形態を説明する。眼底撮影装置は、眼底画像を撮影する。なお、本開示では、眼底の正面画像を「眼底画像」と称する。
制御部は、眼底撮影装置における各部の制御処理と、演算処理とを行う処理装置(プロセッサ)である。例えば、制御部は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で実現される。本実施形態において、制御部は画像処理部を兼ねていてもよい。画像処理部は、眼底画像の生成、および、眼底画像に対する各種画像処理のうち少なくとも何れかを実行する。
撮影光学系は、照射光学系と、受光光学系と、を含む。照射光学系は、被検眼の眼底に照明光を照射する。受光光学系は、少なくとも撮像素子を有する。また、受光光学系は、照明光の眼底からの戻り光を、撮像素子によって受光する。眼底撮影装置は、撮像素子からの受光信号に基づいて眼底の正面画像である眼底画像を取得する。
光学素子は、照明光および戻り光のうち少なくとも何れかの光路上に配置され、これによって、眼底上にスリット状の撮影領域を形成する。光学素子は、例えば、眼底と共役な位置に配置されるスリット開口を有していてもよい。なお、光学素子は、照明光の光路(つまり、照射光学系の光路)と戻り光の光路(つまり、受光光学系の光路)とのそれぞれに配置されることが好ましい。照明光の光路と戻り光の光路とのそれぞれに光学素子が配置されることで、アーチファクトの原因となる迷光が撮像され難くなる。
走査部は、スリット状の撮影領域を、眼底に対して走査する。
光学素子は、走査部の一部であってもよい。この場合、光学素子は、スリット状の撮影領域を眼底上で走査するために、駆動されてもよい。
走査部は、光学素子とは別体であってもよい。例えば、走査部は、光の進行方向を偏向するデバイス(以下、「偏向デバイス」という)であってもよい。偏向デバイスは、照明光および戻り光を、制御信号に応じた方向へ偏向する。偏向デバイスは、例えば、ガルバノミラー、MEMS、および、AOD(Acousto−Optic Deflector)等の各種デバイスのうち、いずれかであってもよい。偏向デバイスは、被検眼の前眼部と共役な位置に配置されることが好ましい。
制御部は、装置の撮影モードを、第1撮影モードと、第2撮影モードと、の間で切換える。ここで、第1撮影モードにおいて、制御部は、第1の幅で撮影領域を走査することによって、第1眼底画像を撮影する。第2撮影モードにおいて、制御部は、第2の幅で撮影領域を走査することによって、第2眼底画像を撮影する。これにより、投受光される光量を変えて眼底画像を撮影できる。第1撮影モードでは、第2撮影モードと比べて、撮影領域がより幅狭となることで、対物レンズ等の反射によるアーチファクトが生じ難くなる。一方、第2撮影モードでは、第1撮影モードと比べて、撮影領域がより幅広となることで、光量に関して投受光の効率が良くなる。
この場合において、制御部は、オプティカルチョッパーを制御して、回転体を連続的に回転させつつ、撮像素子からの信号に基づいて、一定のフレームレートで観察画像を取得してもよい。
例えば、第1撮影モードは、第1眼底画像として眼底のカラー画像を撮影するために設定されてもよい。また、第2撮影モードは、第2眼底画像として眼底の蛍光画像を撮影するために設定されてもよい。この場合、制御部は、眼底画像の撮影に用いる撮影領域の幅を撮影モードに応じて変更すると共に、少なくとも照明光の波長を撮影モードに応じて変更する。例えば、制御部は、撮影モードに応じて光源を制御することによって、第1撮影モードでは、白色光等の可視光を光源から照射させ、第2撮影モードでは、蛍光物質に応じた励起光を照射させてもよい。また、第2撮影モードにおいて、制御部は、更に、戻り光の光路上に、バリアフィルタを挿入してもよい。バリアフィルタは、眼底反射光を遮光し、眼底からの蛍光を撮像素子側へ通過させる分光特性を有する。対物レンズ等の反射についても、バリアフィルタによって遮光されるので、眼底の蛍光画像において、アーチファクトは生じ難い。
ところで、フレアーを低減するために、撮影光学系において、射出瞳と入射瞳とは分離される。本実施形態において、射出瞳と入射瞳との間隔は変更可能であってもよい。射出瞳と入射瞳との間隔を近づけた場合、より瞳孔の小さな被検眼でも撮影できる。その反面、射出瞳と入射瞳との間隔を近づけることで、対物レンズでの反射等によるアーチファクトが生じやすくなる。
撮影光学系は、被検眼における視度の誤差を補正するための視度補正部を有していてもよい。視度補正部は、例えば、照射光学系と受光光学系との共通光路上に配置されていてもよいし、照射光学系と受光光学系との独立光路のそれぞれに配置されていてもよい。
次に、図1〜図7を参照して、実施例を説明する。
図1を参照して、撮影装置1の外観構成を説明する。撮影装置1は、撮影ユニット3を有する。撮影ユニット3は、図2で示す光学系を主に備える。撮影装置1は、基台7、駆動部8、顔支持ユニット9、および、顔撮影カメラ110を有し、これらを用いて、被検眼Eと撮影ユニット3との位置関係を調整する。
図2を参照して、撮影装置1の光学系を説明する。撮影装置1は、撮影光学系(眼底撮影光学系)10と、前眼部観察光学系40と、を有している。これらの光学系は、撮影ユニット3に設けられている。
図2に示すように、更に、撮影光学系10は、フォーカス指標投影光学系の1例として、スプリット指標投影光学系50を有する。スプリット指標投影光学系50は、2つのスプリット指標を眼底に投影する。スプリット指標は、フォーカス状態の検出に利用される。また、本実施例では、フォーカス状態の検出結果から、被検眼Eの屈折度数が取得される。
走査部は、例えば、図4に示すようなオプティカルチョッパー150であってもよい。オプティカルチョッパー150は、外周に複数のスリット開口が形成されたホイール151持ち、ホイール151を回転させることで、高速にスリットをスキャンできる。ホイール151は、ディスク状の回転体の一例である。
図2に戻って光学系の説明を続ける。撮影装置1は、バリアフィルタ61を更に有する。蛍光撮影時において、受光光学系10bでは、励起光に基づく眼底からの蛍光が、撮像素子28へ導かれる。バリアフィルタ61は、受光光学系の独立光路上に配置され得る。バリアフィルタ61は、励起光と同じ波長域の光を遮光し蛍光を通過させるような分光特性を持つ。一例として、本実施例では、自発蛍光撮影に適した分光特性をバリアフィルタ61は有している。例えば、励起光である緑または青色の光を遮光し、それよりも長波長側の光を、撮像素子28側に通過させる。これにより、自発蛍光が選択的に撮像素子28へ受光される。その結果、眼底の自発蛍光画像が良好に得られる。撮影装置1は、バリアフィルタ61を挿脱する駆動部61a有していてもよい。また、バリアフィルタの挿脱は、例えば、制御部100によって制御される。
次いで、前眼部観察光学系40を説明する。前眼部観察光学系40は、対物レンズ22とダイクロイックミラー43と、を撮影光学系10と共用する。前眼部観察光学系40は、更に、光源41、ハーフミラー45、撮像素子47等を含む。撮像素子47は、二次元撮像素子であり、例えば瞳孔Epと光学的に共役な位置に配置される。前眼部観察光学系40は、赤外光で前眼部を照明し、前眼部の正面画像を撮影する。
次に、図3を参照して、撮影装置1の制御系を説明する。本実施例では、制御部100によって、撮影装置1の各部の制御が行われる。また、便宜上、撮影装置1で得られた各種画像の画像処理についても、制御部100によって行われるものとする。換言すれば、本実施例では、制御部100が、画像処理部を兼用している。
次に、図7のフローチャートを参照し、撮影動作について説明する。
撮影装置1は、被検者の顔が顔支持部9に対して配置され、顔検出カメラ110の撮影範囲に含まれることによって、自動的に撮影動作がスタートしてもよい。
続いて、制御部100は、眼底観察画像の取得および表示を開始する。詳細には、制御部100は、光源11c,11dを同時に点灯させると共に、駆動部15cの駆動を開始させ、眼底Er上の所定の範囲で、スリット状の照明光が、繰り返し走査される。
次に、眼底観察画像に基づいて、照射光学系および受光光学系におけるフォーカス状態が調整される。本実施例では、アライメント完了後、視度補正光学系を駆動してフォーカス調整が行われる。このとき、本実施例では、照射側視度補正光学系17と、受光側視度補正光学系25との、両方が駆動される。
続いて、制御部100は、撮影モードを選択し、撮影条件を撮影モードに応じて調整する。撮影モードは、例えば、検者からの指示に応じて選択される。制御部100は、通常撮影モードと、蛍光撮影モードと、の間で撮影モードを選択してもよい。通常撮影モードは、眼底反射光に基づく眼底画像を撮影するために設定される。蛍光撮影モードは、蛍光眼底画像を撮影するために設定される。
以上、実施形態に基づいて説明を行ったが、本開示を実施するうえで、実施形態の内容を適宜変更することができる。
例えば、上記実施例において、撮影モードは、通常撮影モードと、蛍光撮影モードと、の間で選択されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、通常撮影モードと、小瞳孔撮影モードとの間で、撮影モードが切換えられてもよい。通常撮影モードと小瞳孔撮影モードとのいずれにおいても、眼底からの反射光に基づいて撮影画像が取得される。
10 撮影光学系
10a 照射光学系
10b 受光光学系
22 対物レンズ
100 制御部
150 オプティカルチョッパー
E 被検眼
Er 眼底
Claims (8)
- 被検眼の眼底に照明光を照射する照射光学系と、前記照明光の眼底からの戻り光を受光する撮像素子を含む受光光学系と、を備える撮影光学系を備え、前記撮像素子からの受光信号に基づいて眼底の正面画像である眼底画像を取得する眼底撮影装置であって、
前記撮影光学系は、
局所的な撮影領域を、スリット状に形成するための光学素子と、
前記撮影領域を前記眼底に対して走査する走査部と、を備え、
前記光学素子は、前記撮影領域の幅を、第1の幅と、前記第1の幅よりも広い第2の幅と、のうちいずれかに切換可能であり、
前記制御手段は、前記第1の幅の前記撮影領域の走査に基づく第1眼底画像を撮影画像として取得する第1撮影モードと、前記第2の幅の前記撮影領域の走査に基づく第2眼底画像を撮影画像として取得する第2撮影モードと、の少なくとも2つの間で、撮影モードを切換える、眼底撮影装置。 - 前記制御手段は、撮影モードに応じて少なくとも前記照明光の波長を変更することで、前記第1撮影モードにおいて、前記第1眼底画像として眼底のカラー画像を取得し、前記第2撮影モードにおいて、前記第2眼底画像として眼底の蛍光画像を取得する、請求項1記載の眼底撮影装置。
- 被検眼の瞳孔の大きさに関する情報を検出する検出手段を、更に備え、
前記制御手段は、前記第1撮影モードと前記第2撮影モードとの中からいずれかを、前記瞳孔の大きさに関する情報に基づいて選択する請求項1記載の眼底撮影装置。 - 前記光学素子は、1つの円周上に複数のスリット開口が並んで配置される回転体であり、
前記走査部は、前記回転体を含み、前記回転体を回転駆動させることによって、複数の前記スリット開口を連続的に前記照明光または前記戻り光の光路に対して横断させるオプティカルチョッパーであり、
前記回転体は、前記第1の幅と対応する第1スリット開口が1つ又は2つ以上連続して配置される第1エリアと、前記第2の幅と対応する第2スリット開口が1つ又は連続して2つ以上配置される第2エリアと、を備え、
前記制御手段は、前記第1撮影モードでは、前記第1エリアが前記光路を通過する第1期間で露光された前記撮像素子からの信号に基づいて前記第1眼底画像を取得し、前記第2撮影モードでは、前記第2エリアが前記光路を通過する第2期間で露光された前記撮像素子からの信号に基づいて前記第2眼底画像を取得する、請求項1から3のいずれかに記載の眼底撮影装置。 - 前記制御手段は、更に、前記オプティカルチョッパーを制御して、前記回転体を連続的に回転させつつ、前記撮像素子からの信号に基づいて、前記眼底画像を観察画像として一定のフレームレートで逐次取得する請求項4記載の眼底撮影装置。
- 前記制御手段は、
前記観察画像として、前記第1期間で露光された前記撮像素子からの信号に基づく第1観察画像と、前記第2期間で露光された前記撮像素子からの信号に基づく第2観察画像と、を前記第1期間と第2期間とが切替わる毎に、交互に取得すると共に、
前記観察画像を取得する際には、前記第1期間に比べて、前記第2期間においては、前記照明光の光量および前記撮像素子からの信号のゲインのうちいずれかを低減させる、請求項5記載の眼底撮影装置。 - 前記制御手段は、
前記観察画像の各フレームを、前記第1期間の少なくとも一部と前記第2期間の少なくとも一部との両方で露光された前記撮像素子からの信号に基づいて取得する請求項5記載の眼底撮影装置。 - 前記撮影光学系は、被検眼における視度の誤差を補正するための視度補正部を有し、
前記制御手段は、前記視度補正部における視度補正量に応じて、前記第1撮影モードと前記第2撮影モードと、のうちいずれかを選択的に設定する、請求項1から7のいずれかに記載の眼底撮影装置。
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