JP2020162571A - 軟骨再生促進剤、食品組成物および皮膚外用剤 - Google Patents

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大喜 野坂
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Abstract

【課題】 魚類軟骨プロテオグリカンの新たな用途を提供する。【解決手段】 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤、および軟骨再生促進剤。上記魚類軟骨プロテオグリカンは分子量180万以上のプロテオグリカンを含有することが好ましい。また、本発明によれば、魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とし、軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられる、食品組成物および皮膚外用剤も提供される。【選択図】図4

Description

本発明は、軟骨再生促進剤、食品組成物、皮膚外用剤等に関するものであり、特にプロテオグリカンを有効成分とする軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤、軟骨再生促進剤、食品組成物および皮膚外用剤に関するものである。
プロテオグリカンは、コラーゲンなどとともに結合組織の細胞外マトリックス中の基質を形成している主要な生体高分子である。従来、プロテオグリカンの供給源は、哺乳動物(特に牛)の軟骨であったが、牛海綿状脳症(BSE)発症が報告されてからは哺乳動物の軟骨から抽出されるものは忌避されるようになり、プロテオグリカンの新たな供給源の探索が進められている。このような状況の中、プロテオグリカンの新たな供給源として水棲動物の組織が注目されており、例えば、本発明者らは、魚類軟骨からプロテオグリカンを抽出する手法を開発している(例えば、特許文献1〜2参照)。
また、プロテオグリカンを含む魚類軟骨水抽出物は、有用な作用が多数報告されていることから、当該抽出物の新たな作用及びその用途に関する研究が現在もさかんに行われている。例えば、本発明者らは、プロテオグリカンを含有する魚類軟骨水抽出物が脂質代謝改善作用を有すること(特許文献3参照)、プロテオグリカンが骨密度増加作用等を有すること(特許文献4参照)などを報告している。
特開2009−173702号公報 国際公開第2012/099216号 特開2017−066097号公報 特開2015−182960号公報
本発明は、前述した従来技術に鑑みなされたものであり、魚類軟骨プロテオグリカンの新たな用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を行った結果、魚類プロテオグリカンが軟骨細胞活性化作用等に優れた成分であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨細胞活性化剤。
〔2〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨細胞増殖促進剤。
〔3〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする酸性粘液多糖類産生促進剤。
〔4〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨再生促進剤。
〔5〕 前記魚類軟骨プロテオグリカンが、分子量180万以上のプロテオグリカンを含有する、〔1〕〜〔4〕に記載の剤。
〔6〕 前記分子量180万以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸量全量に対する質量割合が、10質量%以上である、〔5〕に記載の剤。
〔7〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とし、
軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられる
ことを特徴とする食品組成物。
〔8〕 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とし、
軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられる
ことを特徴とする皮膚外用剤。
本発明によれば、プロテオグリカンを有効成分とすることにより、作用効果に優れた軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤を提供することができる。
また、本発明によれば、プロテオグリカンを有効成分とすることにより、軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、または軟骨再生促進の用途に好適な食品組成物および皮膚外用剤を提供することができる。
ラット大腿骨から得た関節軟骨部のパラフィン包埋薄片をpH2.5にてトルイジンブルー染色(TB pH2.5)した結果を表す写真である。 ラット大腿骨から得た関節軟骨部のパラフィン包埋薄片をpH7.0にてトルイジンブルー染色(TB pH7.0)した結果を表す写真である。 ラット大腿骨から得た関節軟骨部のパラフィン包埋薄片をサフラニンO染色(SFO)した結果を表す写真である。 ラット大腿骨から得た関節軟骨部のパラフィン包埋薄片の観察結果に基づき、OARSIスコアにより各項目をスコア化し評価した結果を表すグラフである。グラフ中、“*”はE群に対し、“△”はD群に対し、“◎”はC群に対し、“☆”はB群に対し、それぞれp値が小さな値であったことを表す記号であり、記号が1個の場合はp<0.05、2個の場合はp<0.01、3個の場合はp<0.001であることを、それぞれ表す。 ラット大腿骨から得た関節軟骨部のパラフィン包埋薄片の観察結果に基づき、厚さmin、厚さmax、および連続性の3項目について、試験方法に記載の基準に沿ってスコア化し評価した結果を表すグラフである。グラフ中、“*”はE群に対し、“△”はD群に対し、“◎”はC群に対し、“☆”はB群に対し、それぞれp値が小さな値であったことを表す記号であり、記号が1個の場合はp<0.05、2個の場合はp<0.01、3個の場合はp<0.001であることを、それぞれ表す。 ラット大腿骨から得た骨端軟骨部のパラフィン包埋薄片をpH2.5にてトルイジンブルー染色(TB pH2.5)した結果を表す写真である。 ラット大腿骨から得た骨端軟骨部のパラフィン包埋薄片をサフラニンO染色(SFO)した結果を表す写真である。 ラット大腿骨から得た骨端軟骨部のパラフィン包埋薄片の観察結果に基づき、染色強度、細胞増殖・肥大、および配列極性の3項目について、試験方法に記載の基準に沿ってスコア化し評価した結果を表すグラフである。グラフ中、“*”はE群に対し、“△”はD群に対し、“◎”はC群に対し、“☆”はB群に対し、それぞれp値が小さな値であったことを表す記号であり、記号が1個の場合はp<0.05、2個の場合はp<0.01、3個の場合はp<0.001であることを、それぞれ表す。 骨端軟骨部の染色強度をスコア化する基準について説明する写真である。 骨端軟骨部の細胞増殖・肥大をスコア化する基準について説明する写真である。 骨端軟骨部の配列極性をスコア化する基準について説明する写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、プロテオグリカンを有効成分とするものである。
また、本実施形態の食品組成物および皮膚外用剤は、プロテオグリカンを有効成分とし、軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられるものである。
〔魚類軟骨プロテオグリカン〕
プロテオグリカンは、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)およびタンパク質が結合した構造を有する、生体由来の化合物である。グリコサミノグリカンは、2糖の繰り返し構造を有する酸性糖であり、具体例としては、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸等が挙げられる。酸性糖が有する2糖の繰り返し構造において、当該2糖のうち、通常、一方はアミノ糖であり、もう一方がウロン酸であることが知られている。そのため、プロテオグリカンの検出には、ウロン酸を検出するための常法の1つであるカルバゾール硫酸法を用いることができる。
また、タンパク質に櫛の歯状にグリコサミノグリカンが結合した化合物はプロテオグリカンモノマーとも呼ばれ、当該プロテオグリカンモノマーにおけるタンパク質はコアタンパク質とも呼ばれる。特に、生体内では、プロテオグリカンモノマーがリンクタンパク質を介してヒアルロン酸と結合した会合体を形成していると考えられており、当該会合体はプロテオグリカン集合体(proteoglycan aggregate)とも呼ばれる。なお、本明細書において、「プロテオグリカン」とは、プロテオグリカンモノマーおよびプロテオグリカン集合体を包含する意味で用いられる。また、ヒアルロン酸はグリコサミノグリカンの一種である。
プロテオグリカンとしては、例えば、サケ、サメ、タラ、クジラ等の水棲生物やウシ等の陸棲生物などから得られる軟骨を原材料にして精製されたものが知られている。本実施形態においては、これらのなかでも、魚類の軟骨(魚類軟骨)を原料としたものを用いる。魚類としては、サケ科サケ属の魚のほか、サメ、タラ等が例示されるが、サケ科サケ属の魚が好ましく、具体的には、マス(カラフトマス、サクラマス、サツキマス等)、サケ(シロザケ、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ、スチールヘッド等)などが好ましい。これらは主に北東北または北海道沿岸で漁獲され、容易に入手することができる。
また、軟骨を得る部位は特に制限されず、例えば、頭部の軟骨を用いることができる。頭部軟骨の中では、特に、鼻軟骨が好ましい。通常、魚類(特に、サケやマス)が食品製品等へ加工される際に頭部は廃棄されることから、頭部軟骨の入手コストは安く、大量に安定供給され得るという利点もある。
上記原料からのプロテオグリカンの抽出は、公知の方法により行うことができ、例えば、魚類の軟骨等の原材料を、水、親水性有機溶媒等の抽出溶媒を用いて抽出することができる。魚類軟骨は、魚類から採取した軟骨をそのまま抽出に供してもよいし、微細化(例えば、小片化、粉末化等)してから抽出に供してもよい。また、後述するように、例えば、抽出前にエタノールなどの有機溶媒を用いて魚類軟骨に脱脂処理を施す等の前処理を行ってもよい。このようにして、プロテオグリカンを抽出することができる。また、あるいは、水抽出を行う際、水を加熱しつつ行なう、あるいは沸騰水などの熱水を用いることにより、効率良く魚類軟骨水抽出物を得ることができる。
以下、魚類軟骨から得られるプロテオグリカンを、「魚類軟骨プロテオグリカン」、あるいは単に「プロテオグリカン」と記載することがある。
魚類軟骨は、魚類から採取した軟骨をそのまま抽出に供することができる。抽出に供するまで、凍結して保存しておくことが好ましい。凍結方法は特に制限されず、公知の凍結方法を用いることができる。例えば、フリーザーを用いて、魚類軟骨を−20〜−80℃程度で24〜72時間程度保存する方法が例示できる。また、魚類軟骨は、脱脂(すなわち脂肪除去)処理されているものを用いることもできる。脱脂処理されたものを用いることで、脂質の混入が少ない精製度の高い魚類軟骨水抽出物を得ることができるため好ましい。脱脂処理方法としては、後述する「脱脂処理された魚類軟骨」を得る方法が例示できる。
微細化魚類軟骨は、魚類軟骨を微細化したものである。微細化は、公知の方法により行うことができる。例えば、公知のブレンダーやミル等の機器を用いて、魚類軟骨(好ましくは凍結魚類軟骨)を微細化することができる。微細化操作は、できるだけ低温で行うことが好ましい。例えば、微細化された魚類軟骨が凍結状態を保持可能な温度であることが好ましい。具体的には0℃以下が例示できる。
また、微細化魚類軟骨は、抽出効率の観点からは、凍結された微細化魚類軟骨(凍結微細化魚類軟骨)であることが好ましい。凍結微細化魚類軟骨は、(i)魚類軟骨を凍結した後微細化することで、または(ii)魚類軟骨を微細化した後凍結することで、得ることができるが、(i)により得られるものが特に好ましい。凍結方法は特に制限されず、公知の凍結方法を用いることができる。例えば、フリーザーを用いて、魚類軟骨を−20〜−80℃程度で24〜72時間程度保存する方法が例示できる。
微細化魚類軟骨または凍結微細化魚類軟骨は、1微細片あたり0.001〜0.5g程度が好ましく、0.005〜0.3g程度がより好ましく、0.01〜0.1g程度がさらに好ましい。微細化操作は、このような微細片が得られるように行われるのが好ましい(使用機器条件を検討することにより、このような微細片が得られる機器使用条件は簡単に決定できる)。
用いられる微細化魚類軟骨は、脱脂(すなわち脂肪除去)されているものも使用できる。つまり、微細化脱脂魚類軟骨も使用できる。脱脂処理されたものを用いることで、脂質の混入が少ない精製度の高い魚類軟骨水抽出物を得ることができるからである。微細化脱脂魚類軟骨は、(a)脱脂処理された魚類軟骨を微細化することにより、あるいは(b)魚類軟骨を微細化した後に脱脂処理することにより、得ることができる。
脱脂方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、上記(a)において魚類軟骨を脱脂処理する方法としては、例えば、魚類軟骨を1〜24時間程度流水(例えば水道蛇口からの流水)にさらす方法が例示される。また、魚類軟骨の入手は公知の方法で行うことができ、例えば魚類組織(好ましくは魚類頭部)を水に1〜24時間程度漬けて膨潤させ、軟骨(好ましくは鼻軟骨)以外の組織を除去する方法や、あるいは、凍結サケ頭部を解凍後、直ちに鼻軟骨を取り出し、さらに流水に1〜24時間程度さらして洗浄および脱脂する方法が例示される。肉片等が残存する場合は、ピンセット等により残存する肉片等を取り除くことが好ましい。なお、この段階では魚類軟骨は微細化されていないため、流水にさらす等しても、ほとんどプロテオグリカンは抽出されないと考えられる。また、下記の(b)の場合と同様に、有機溶媒により脂質を抽出除去する方法も用いることができる。
また、例えば、(b)において、微細化魚類軟骨を脱脂処理する方法としては、例えば、有機溶媒により脂質を抽出除去する方法が例示される。有機溶媒としては、エタノール、ヘキサン、アセトン等が例示される。より具体的には、上記(b)の方法として、特開2009−173702号公報に記載される方法を好ましく用いることができる。例えば、以下の工程b1〜b5を含む方法により、粉末化脱脂魚類軟骨を得、これを本実施形態に用いることができる。
b1:凍結した水棲動物組織(魚類組織)を破砕し、これに水を加え、温度0〜20℃、pH4.8〜7で処理する工程
b2:b1の固液混合物を遠心分離し、最上部の脂質層と中間層の水層を取り除き、沈殿物を回収する工程
b3:沈殿物を乾燥し、微粉末化する工程
b4:得られた乾燥微粉末に、溶媒としてヘキサン、アセトンまたはエタノールを加え、残存脂質を抽出除去する工程
b5:溶媒を除去する工程
なお、凍結処理および脱脂処理が両方なされた微細化魚類軟骨(凍結微細化脱脂魚類軟骨)を用いるのが、さらに好ましい。これらは、例えば、脱脂処理された魚類軟骨を凍結し、これを微細化することにより得ることができる。
また、これらの脱脂方法は、微細化魚類軟骨だけでなく、魚類から採取した軟骨そのものにも適用できる。
魚類軟骨(微細化魚類軟骨を含む。)は水抽出に供される。水抽出に用いる水(以下、「抽出水」と記載する場合がある。)としては、例えば、ミリQ水、蒸留水、脱イオン水、精製水、水道水等が例示される。また、抽出水のpHは、通常5.5〜8.0程度、好ましくはpH6.0〜7.5程度、より好ましくはpH6.5〜7.5程度である。酸やアルカリ、塩基類などpHを大きく変動される物質を溶解させるのは好ましくない。なお、有機酸や無機酸等の酸化合物や水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物を抽出水に添加すると、高分子量プロテオグリカン(特に分子量が1000万を超える高分子量プロテオグリカン)が減少若しくは消失するため、酸化合物やアルカリ化合物は添加しないことが好ましい。なお、限定的な解釈を望むものではないが、これは、酸化合物やアルカリ化合物の影響により、抽出処理中にプロテオグリカン集合体が崩壊することが原因ではないかと推測される。
水抽出は、例えば、魚類軟骨を水に適当な時間(例えば30分以上、好ましくは30分〜24時間程度、より好ましくは1〜12時間程度、さらに好ましくは2〜6時間程度、よりさらに好ましくは3〜4時間程度)浸漬させることで行うことができる。水の量は、特に制限されないが、例えば抽出に供される微細化魚類軟骨が全て水に浸かる程度の量が例示される。水抽出の際、静置してもよいし、撹拌してもよい。撹拌することが好ましい。また、抽出時の水の温度は特に制限はされないが、常温よりも高い温度であることが好ましい。具体的には、30℃以上であり、50〜100℃程度が好ましく、70〜100℃程度がより好ましく、80〜100℃程度がさらに好ましく、90〜100℃程度が特に好ましい。本明細書において、このような、常温よりも高い温度の水を「熱水」と、当該熱水を用いた抽出により得られる抽出物を「魚類軟骨熱水抽出物」と、それぞれ記載する場合がある。また、熱水を用いる場合、抽出時に加温してもよいし、抽出前に予め温めておいてもよい。また、加圧下で加熱してもよい。また、加熱を行う場合は、高分子量のプロテオグリカンが熱により分解されるおそれがあるため、加熱された抽出水を抽出処理中に置換してもよい。抽出水を置換する場合の各抽出水における抽出時間間隔は、例えば15分〜4時間毎、好ましくは30分〜2時間または1時間程度が例示される。好ましい一態様としては、魚類軟骨に、これらを全量浸漬できる量の水(好ましくは加熱された水)を加え、3〜4時間加熱しつつ静置若しくは撹拌する、という方法が挙げられる。また、他の好ましい一態様としては、“魚類軟骨に、これらを全量浸漬できる量の水(好ましくは加熱された水)を加え、1時間加熱しつつ静置し、この水を回収する”という工程を4回繰り返す方法が挙げられる(この場合、合計4時間の水抽出を行うことになる)。
水抽出後は、液体部分を回収することで、プロテオグリカンを含有する魚類軟骨水抽出物を得ることができる。液体部分の回収は、例えば遠心分離(例えば5000rpm、20分、4℃での遠心分離が例示できる)処理や連続遠心分離処理などを行い、上清を回収することで行い得る。当該液体(上清)をそのまま本実施形態に係る軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤等の有効成分として用いてもよいし、公知の方法により更に精製(例えば脱脂)してもよい。あるいは、減圧蒸留法等により、濃縮してもよい。またあるいは、凍結乾燥法やスプレードライ法等により、乾燥や粉末化してもよい。
以上のようにして得られるプロテオグリカンは、高分子量のプロテオグリカンを含有し得ることから、本実施形態において特に好適に用いることができる。
ここで、本明細書において、「高分子量のプロテオグリカン」とは、分子量(単位:ダルトン(Da))が180万以上のプロテオグリカンを意味する。上記プロテオグリカンは、分子量が250万以上、300万以上、400万以上、500万以上、600万以上、700万以上、800万以上、900万以上、1000万以上、1100万以上、1200万以上、1300万以上、1400万以上、1500万以上、1600万以上、1700万以上、1800万以上、1900万以上、または2000万以上のプロテオグリカンを含むことがより好ましい。
なお、本実施形態で用いるプロテオグリカンが、所定の分子量以上のプロテオグリカンが含まれるか否かについては、例えば、プロテオグリカンを下記の条件のゲル濾過クロマトグラフィーにより処理し、得られる各フラクションに含まれるウロン酸量(プロテオグリカン量を反映する)をカルバゾール硫酸法により定量し、当該ウロン酸量に基づくクロマトグラムを作成することにより確認することができる。以下、このようなウロン酸量に基づくクロマトグラムを、「ウロン酸量クロマトグラム」と記載する場合がある。
[ゲル濾過クロマトグラフィー条件]
・カラム
Sepharose CL-2B充填カラム(Sepharose CL-2Bを担体としてφ1cm×50cmのカラムに充填したもの。Sepharose CL-2Bのデキストランの分画範囲は100〜20,000kDaであり、GE Healthcare社等から入手できる。Sepharose CL-2Bは、2%架橋アガロース、粒子径60〜200μm(レーザー回折散乱法による)、CAS登録番号65099-79-8である。
・バッファー
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.1,0.2M NaCl含有)
・アプライサンプル量
魚類軟骨水抽出物4mg(乾燥質量換算)(1mLバッファーに溶解させて使用)
・流速
0.15mL/min
・分画フラクション量
1mL/tube
分子量検量線は、下記の各種デキストラン分子量マーカーについて上記と同様の条件でゲル濾過クロマトグラフィーを行うことで作成することができる。より具体的には、各種デキストラン分子量マーカーをゲル濾過クロマトグラフィーに供し、糖検出のための周知の方法であるフェノール・硫酸法により各フラクションの吸光度(デキストラン量を反映する)を測定し、各マーカーが溶出されたフラクションを求め、当該条件のゲル濾過クロマトグラフィーの各フラクションに含まれる成分の分子量を反映する検量線を作成する。なお、「各マーカーが溶出されたフラクション」とは、各マーカーが最も多く溶出されたフラクションを意味する。換言すれば、各デキストラン分子量マーカーをゲル濾過した際の、デキストラン量を反映するクロマトグラムにおけるピークトップに相当するフラクションである。
(デキストラン分子量マーカー)
Dextran from Leuconostoc mesenteroides(mol wt 5,000,000−40,000,000)(SIGMA)・・・カラムのvoid volume測定用、20,000kDa
Dextran Standard 1,400,000(SIGMA)・・・1,400kDa
Dextran Standard 270,000(SIGMA) ・・・270kDa
但し、Dextran from Leuconostoc mesenteroidesについては、これに含まれる低分子のデキストランを除去する前処理を行った後、マーカーとして用いる。当該前処理は、上述のゲル濾過クロマトグラフィー条件によりDextran from Leuconostoc mesenteroidesそのものを溶出させ、分子量20,000kDa以上の分子を回収し、凍結乾燥させることで行う。具体的には、フェノール・硫酸法により各フラクションの吸光度を測定して作成した、デキストラン量を反映するクロマトグラムにおいて、最初に出現したピークに相当するフラクションを回収し、これを凍結乾燥する(これにより、分子量20,000kDa以上の分子を回収、凍結乾燥できると考えられる)。この凍結乾燥物を実際にマーカー(カラムのvoidvolume測定用)として用いる。
デキストラン量を反映するクロマトグラムを得るための吸光度測定は、Hodge, J. E. and Hofreiter, B. T., Method in Carbohydrate Chemistry, 1, 338 (1962)に記載の方法(フェノール・硫酸法)に従う。具体的には、次のようにして行う。
〔1〕105×15mmの試験管に試料水溶液を500μL加える。
〔2〕フェノール試薬(5v/v%フェノール水溶液)を500μL加え、撹拌する。
〔3〕濃硫酸を2.5mL加え、すぐに10秒間激しく撹拌する。
〔4〕室温に20分以上放置する。
〔5〕分光光度計で490nmの吸収を測定する。
カルバゾール硫酸法は、ウロン酸(グルクロン酸(GlcA)、イズロン酸等)の発色色素であるカルバゾール溶液を測定検体に添加し、分光光度計を用いて吸光度を測定し、当該吸光度を基にウロン酸量を算出する周知の方法である。濃度を規定したグルクロン酸標準溶液を用いて検量線を作成し、検体中のグルクロン酸含量を求める。より具体的には、次のようにして行う。ホウ酸ナトリウム・10水和物0.95gを濃硫酸100mLに溶解した試薬2.5mLを試験管にとり、氷冷する。これに被検体0.5mL(2〜20μgのウロン酸を含むようにするのが好ましい)を静かに重層する。室温以上にならないように水冷しながらよく攪拌する。ガラス球で蓋をした後に、沸騰湯浴中で10分間加熱し、室温まで水冷する。これに、カルバゾール125mgを無水メチルアルコール100mLに溶解した試薬を0.1mL加えて混合し、更に15分間沸騰湯浴中で加熱する。その後、室温まで水冷し530nmにおける吸光度を測定する。ブランクは蒸留水0.5mLを用いる。同時に、グルクロン酸を用いて検量線を作成する。
ここで、上記ウロン酸量は、プロテオグリカンに含まれるウロン酸の他、プロテオグリカンから分断された糖鎖に含まれるもの等も測定される。
本実施形態においては、高分子量のプロテオグリカンの割合が多い方が好ましい。高分子量のプロテオグリカンの割合は、具体的には、所定の分子量以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸全量に対する質量割合として定量することができる。
例えば、本実施形態で用いるプロテオグリカンにおいて、分子量180万以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸全量に対する質量割合は、10質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、または55質量%以上である。
また、本実施形態で用いるプロテオグリカンにおいて、分子量250万以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸全量に対する質量割合は、10質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、または60質量%以上である。
さらに、本実施形態で用いるプロテオグリカンにおいて、分子量500万以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸全量に対する質量割合は、7質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上、13質量%以上、16質量%以上、20質量%以上、24質量%以上、27質量%以上、30質量%以上、34質量%以上、または37質量%以上である。
なお、特定の分子量以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸全量に対する質量割合は、上述したウロン酸量クロマトグラムのピーク面積から求めることができる。具体的には、当該ウロン酸量クロマトグラムのピーク面積全体に対して、所定の分子量以上のウロン酸が占める面積割合を求めればよい。より具体的には、縦軸をウロン酸量、横軸をフラクションNo.としたウロン酸量クロマトグラムにおいて、所定の分子量のプロテオグリカンを含むフラクションを通るように垂線を引き、その垂線で分断されたピーク部分のうち、分子量のより大きいプロテオグリカンを含むピーク部分の面積が、ピーク全体の面積のどの程度の割合を占めるかを求めればよい。
以上述べたプロテオグリカンは、優れた軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用および軟骨再生促進作用を有しており、軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤の有効成分として好適に用いることができる。
〔軟骨細胞活性化剤,軟骨細胞増殖促進剤,酸性粘液多糖類産生促進剤,軟骨再生促進剤〕
本実施形態に係る軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とするものである。本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の幅広い用途に使用することができる。
ここで、プロテオグリカンが有する軟骨再生促進作用は、例えば、軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、および酸性粘液多糖類産生促進作用からなる群より選択される1または2以上の作用に基づいて発揮される。ただし、プロテオグリカンが有する軟骨再生促進作用は、上記作用に基づいて発揮される軟骨再生促進作用に限定されるものではない。
本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、プロテオグリカンのみからなるものでもよいし、プロテオグリカンを製剤化したものでもよい。プロテオグリカンを製剤化して軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤とする場合は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、他の組成物に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤を製剤化した場合、プロテオグリカンの含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
なお、本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤は、必要に応じて、軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用または軟骨再生促進作用を有する他の天然抽出物等を、プロテオグリカンとともに配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤の患者に対する投与方法としては、経口投与、経皮投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態の軟骨細胞活性化剤は、有効成分である魚類軟骨プロテオグリカンの作用により、軟骨細胞を活性化することができる。軟骨細胞の活性化としては、軟骨細胞の増殖促進、酸性粘液多糖類の産生促進、間葉系幹細胞や骨髄間質細胞から軟骨細胞への分化促進、細胞外マトリックスの形成促進などが挙げられる。本実施形態の軟骨細胞活性化剤は、関節軟骨や骨端軟骨において軟骨細胞を活性化することができ、これにより、後述する軟骨再生用途の他、骨端軟骨の成長に伴う骨の成長にも寄与することができる。
ただし、本実施形態に係る軟骨細胞活性化剤は、これらの用途以外にも軟骨細胞活性化作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の軟骨細胞増殖促進剤は、有効成分である魚類軟骨プロテオグリカンの作用により、軟骨細胞の増殖を促進することができる。本実施形態の軟骨細胞増殖促進剤は、例えば、関節軟骨や骨端軟骨において軟骨細胞の増殖を促進することができ、これにより、後述する軟骨再生用途の他、骨端軟骨の成長に伴う骨の成長にも寄与することができる。
ただし、本実施形態に係る軟骨細胞増殖促進剤は、これらの用途以外にも軟骨細胞増殖促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の酸性粘液多糖類産生促進剤は、有効成分である魚類軟骨プロテオグリカンの作用により、酸性粘液多糖類の産生を促進することができる。かかる酸性粘液多糖類としては、コンドロイチン硫酸、ムコイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ケラト硫酸、ケラタン硫酸 などが挙げられ、これらの中でも、コンドロイチン硫酸、および/またはヒアルロン酸の産生を促進することが好ましい。
本実施形態の酸性粘液多糖類産生促進剤は、その酸性粘液多糖類産生促進作用を通じて、軟骨の再生を促進することができるとともに、軟骨細胞自身の生体機能を維持することができ、また、骨端軟骨の成長に伴う骨の成長にも寄与することができる。
ただし、本実施形態に係る軟骨細胞増殖促進剤は、これらの用途以外にも軟骨細胞増殖促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の軟骨再生促進剤は、有効成分である魚類軟骨プロテオグリカンが有する軟骨再生促進作用(例えば、軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、および酸性粘液多糖類産生促進作用からなる群より選択される1または2以上の作用)を通じて、軟骨の再生を促進することができる。本実施形態の軟骨再生促進剤は、軟骨の減少や障害に起因した疾患、たとえば、変形性関節症、関節痛、外傷性関節傷害、自己免疫性障害から起きる関節損傷、変形性椎間板疾患等の予防、治療または改善;軟骨の炎症に起因した疾患、例えば、骨関節炎、リウマチ関節炎、若年性慢性関節炎、他の自己免疫性疾患、脊椎関節炎等の関節炎や、離断性骨軟骨炎等の予防、治療または改善;などの用途に用いることができる。
ただし、本実施形態に係る軟骨再生促進剤は、これらの用途以外にも軟骨再生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤および軟骨再生促進剤は、優れた軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用および軟骨再生促進作用を有するので、かかる作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
〔食品組成物〕
プロテオグリカンは、優れた軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用および軟骨再生促進作用を有しているため、食品組成物における軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用または軟骨再生促進作用の有効成分としても好適に用いることができる。この場合、プロテオグリカンをそのまま配合してもよいし、プロテオグリカンから製剤化した軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤を配合してもよい。プロテオグリカンまたはプロテオグリカンから製剤化した軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤を配合することにより、食品組成物にこれらの作用を付与することができ、かかる食品組成物は、軟骨細胞活性化用途、軟骨細胞増殖促進用途、酸性粘液多糖類産生促進用途または軟骨再生促進用途に好適に用いることができる。
ここで、食品組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口または消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「食品組成物」は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。本実施形態に係る食品組成物は、当該食品組成物またはその包装に、プロテオグリカンが有する好ましい作用を表示することのできる食品組成物であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品,機能性表示食品、栄養機能食品)、医薬部外品および医薬品であることが特に好ましい。
プロテオグリカン、またはプロテオグリカンから製剤化した軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤もしくは軟骨再生促進剤を食品組成物に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象となる食品組成物の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの摂取量がプロテオグリカン量に換算して約1〜1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象の食品組成物が顆粒状、錠剤状またはカプセル状の食品組成物の場合、プロテオグリカン、またはプロテオグリカンから製剤化した軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤もしくは軟骨再生促進剤の添加量は、添加対象の食品組成物に対し、プロテオグリカン量に換算して通常0.1〜100質量%であり、好ましくは5〜100質量%である。
本実施形態の食品組成物は、プロテオグリカンをその活性を妨げないような任意の食品組成物に配合したものであってもよいし、プロテオグリカンを主成分とする栄養補助食品であってもよい。
本実施形態の食品組成物を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の食品組成物にすることができる。
プロテオグリカンを配合し得る食品組成物は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液および調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられる。これらの食品組成物にプロテオグリカンを配合するときには、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
〔皮膚外用剤〕
プロテオグリカンは、優れた軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用および軟骨再生促進作用を有しているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。この場合、プロテオグリカンをそのまま配合してもよいし、プロテオグリカンから製剤化した軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤または軟骨再生促進剤を配合してもよい。プロテオグリカンまたは上記軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤もしくは軟骨再生促進剤を配合することにより、皮膚外用剤にこれらの作用を付与することができ、かかる皮膚外用剤は、軟骨細胞活性化用途、軟骨細胞増殖促進用途、酸性粘液多糖類産生促進用途または軟骨再生促進用途に好適に用いることができる。
プロテオグリカン、または上記軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤もしくは軟骨再生促進剤を配合し得る皮膚外用剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、ジェル、美容オイル、パック、ファンデーション等が挙げられる。
プロテオグリカンまたは上記軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤もしくは軟骨再生促進剤を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、プロテオグリカン量に換算して約0.0001〜10質量%であり、特に好適な配合率は約0.001〜1質量%である。
本実施形態の皮膚外用剤は、プロテオグリカンが有する軟骨細胞活性化作用、軟骨細胞増殖促進作用、酸性粘液多糖類産生促進作用または軟骨再生促進作用を妨げない限り、通常の皮膚外用剤の製造に用いられる主剤、助剤またはその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
なお、本実施形態の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤、軟骨再生促進剤、食品組成物および皮膚外用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
本試験例においては、被験試料として、下記のウロン酸量を有するサケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン(サンスター社製,SPG)を使用した。なお、ウロン酸量は、前述した条件にてゲル濾過クロマトグラフィーを行い、各フラクションに含まれるウロン酸量をカルバゾール硫酸法により定量して得られたウロン酸量クロマトグラムに基づき、所定の分子量以上のウロン酸が占める割合として求めたものである。
〔試験例〕関節軟骨および骨端軟骨の評価試験
(飼育条件)
8週齢の雌SDラット50匹を用い、馴化飼育後、10匹ずつ無作為に5群に分類し、うち4群について両側卵巣を摘出し閉経モデルラット(OVX)を作製した。なお、残り1群には偽手術(Sham)を施した。そして、表2に示すように、ラット飼育用固形餌(MF)、MFに上記サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン(SPG)が10質量%または5質量%となるよう配合した飼料(MF+10%SPG,MF+5%SPG)、カルシウムが含まれていないMF(無Ca MF)を、それぞれ各群に12週間自由摂取させた。なお、ラットの飼育は照明設備及び換気施設を有する専門の動物飼育施設で行い、照明は12時間明暗循環とし、飲水は自由摂取とした。
(染色標本の作製)
12週間の自由摂取期間終了後、各ラットを安楽死させ、両側大腿骨を外科的に摘出した。得られた両側大腿骨を中性緩衝ホルマリンで48時間処理して固定し、10%EDTA水溶液(pH7.4)にて6週間脱灰した後、さらに70%エタノールにて1週間脱水し、パラフィン包埋してブロックを作製した。得られたパラフィンブロックを3μmに薄切し、pH2.5または7.0でのトルイジンブルー染色(それぞれTB pH2.5,TB pH7.0)、およびサフラニンO染色(SFO)を行った。得られた染色標本を顕微鏡にて観察した。
(関節軟骨の評価)
関節軟骨部についてのTB pH2.5染色での結果を図1に、TB 7.0染色での結果を図2に、SFO染色での結果を図3に、それぞれ示す。ここで、TB pH2.5染色ではコンドロイチン硫酸が効果的に染色され、一方、TB 7.0染色ではヒアルロン酸が効果的に染色される。
また、関節軟骨については、OARSIスコア(Osteoarthritis and Cartilage 18 (2010) S80-S92)により各項目をスコア化し評価した。結果を図4に示す。ここで、OARSIスコアは国際関節症学会(OARSI)により推奨される関節変性の組織学的評価方法であり、重症化するにつれ大きなスコアとして評価される。また、上記文献のOARSIスコアは、Structure、Cells、Cloning、Interterritorial TB、およびTide markの5項目を評価するものであり、軟骨細胞の活性化を評価する基準として好適と認められる。
さらに、以下に示す基準により、各項目をスコア化し評価した。結果を図5に示す。
=厚さ(min)=
関節軟骨は厚さが一定であることが求められるため、各群の関節軟骨厚さの最小値(min)および最大値(厚さmax)が、いずれもE群(Sham,陽性対照)の厚さmaxとの対比において一定範囲にあるか否かを、下記基準により評価した。
スコア0:厚さminが、E群(Sham)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値以上となる症例(100%以上)
スコア1:厚さminが、E群(Sham)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の76〜99%となる症例
スコア2:厚さminが、E群(Sham)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の51〜75%となる症例
スコア3:厚さminが、E群(Sham)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の50%未満となる症例
=厚さ(max)=
スコア0:厚さmaxが、E群(Sham群)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値以上となる症例(100%以上)
スコア1:厚さmaxが、E群(Sham群)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の76〜99%となる症例
スコア2:厚さmaxが、E群(Sham群)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の51〜75%となる症例
スコア3:厚さmaxが、E群(Sham群)厚さmaxの平均値を100%としたときに当該平均値の50%未満となる症例
=連続性=
スコア0:染色濃度が一様であり、変化が認められない症例
スコア1:染色濃度変化において最大濃度と最低濃度との間に軽度の変化(25%未満)が生じている症例
スコア2:染色濃度変化において最大濃度と最低濃度との間に中等度の変化(50%未満)が生じている症例
スコア3:染色濃度変化において最大濃度と最低濃度との間に高度の変化(75%未満)が生じている症例
スコア4:無染色箇所が生じている症例
(骨端軟骨の評価)
骨端軟骨部についてのTB pH2.5染色での結果を図6に、SFO染色での結果を図7に、それぞれ示す。また、骨端軟骨については、以下に示す基準により、各項目をスコア化し評価した。結果を図8に示す。
=染色強度=
評価基準については図9も参照。
スコア0:SFO染色の強度が高く(健常コントロールを比較対照とし染色強度が同等以上)全幅にわたり均一である。
スコア1:染色強度は高い(75〜100%)が(健常コントロールを比較対照とした場合)一部において強度の低下が認められる。
スコア2:染色強度が50〜75%に低下(健常コントロールを比較対照とした場合)し、低下が全幅にわたり認められる。
スコア3:染色強度が50%以下に低下(健常コントロールを比較対照として50%)し、低下が全幅にわたり認められる。
=細胞増殖・肥大=
評価基準については図10も参照。
スコア0:全幅に増殖軟骨細胞が認められ、かつ増殖軟骨細胞層が厚く肥大軟骨細胞層が薄い
スコア1:増殖軟骨細胞の減少が認められるものの、肥大軟骨細胞は増加していない
スコア2:増殖軟骨細胞の減少と、肥大軟骨細胞の増加がともに認められる。
スコア3:増殖軟骨・肥大軟骨ともに減少が認められる。
=配列極性=
評価基準については図11も参照。
スコア0:全幅に軟骨細胞が存在
スコア1:幅50%以上に軟骨細胞が存在
スコア2:幅50%以下に軟骨細胞が存在
スコア3:幅50%以下かつ空隙が存在
(考察)
関節軟骨部について、E群(Sham,陽性対照)と対比すると、D群(MF,陰性対照)やC群(無Ca)ではTB pH2.5染色およびTB 7.0染色での染色強度が低下したことから、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸等の酸性粘液多糖類の産生が低下していることが確認され、またE群に対しD群やC群ではSFO染色強度も低下していたことから、軟骨細胞の密度が低下していることが確認された。
これらに対し、A群(10%SPG)やB群(5%SPG)では、D群(MF,陰性対照)やC群(無Ca)に対し、TB pH2.5染色、TB 7.0染色およびSFO染色の染色強度が向上し、E群(Sham,陽性対照)と同程度にまで回復していたことから、SPGの投与により、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸等の酸性粘液多糖類が増加しているとともに、軟骨細胞の密度が向上していることが確認された。
関節軟骨の状態をOARSIスコアにより評価したところ、A群(10%SPG)およびB群(5%SPG)の両方が、D群(MF,陰性対照)およびC群(無Ca)に対し、Cells、Cloning、Interterritorial TBの3項目において有意に改善しており、5項目の合計スコアにおいても有意に改善していた。
さらに、OARSIスコア以外の上記の3項目(厚さmin,厚さmax,連続性)によっても、関節軟骨の状態(特に、骨端軟骨における軟骨細胞の活性、より詳細には軟骨細胞の増殖活性および酸性粘液多糖類産生活性)を評価したところ、A群(10%SPG)は、D群(MF,陰性対照)に対しては厚さminおよび厚さmaxの2項目において、C群(無Ca)に対しても厚さmaxにおいて、有意にスコアが低く、スコア合計値も有意に低かった。また、B群(5%SPG)は、D群(MF,陰性対照)に対し、厚さminおよび厚さmaxの2項目において、さらにスコア合計値において、有意に低かった。
また、骨端軟骨部についても、関節軟骨部と同様に、D群(MF,陰性対照)やC群(無Ca)では、E群(Sham,陽性対照)に対し、TB pH2.5染色およびSFO染色での染色強度が低下したことから、コンドロイチン硫酸等の酸性粘液多糖類の産生が低下し、また軟骨細胞の密度が低下していることが確認された。
これらに対し、A群(10%SPG)やB群(5%SPG)では、D群(MF,陰性対照)やC群(無Ca)に対し、TB pH2.5染色およびSFO染色の染色強度が向上していたことから、SPGの投与により、コンドロイチン硫酸等の酸性粘液多糖類が増加しているとともに、軟骨細胞の密度が向上していることが確認された。
さらに、上記の3項目(染色強度,細胞増殖・肥大,配列極性)により、骨端軟骨の状態(特に、骨端軟骨における軟骨細胞の活性、より詳細には軟骨細胞の増殖活性および酸性粘液多糖類産生活性)を評価したところ、A群(10%SPG)は、3項目全てにおいて、D群(MF,陰性対照)およびC群(無Ca)に対し、有意にスコアが低く、スコア合計値も有意に低かった。また、B群(5%SPG)は、D群(MF,陰性対照)に対しては、細胞増殖・肥大、および配列極性の2項目において有意にスコアが低く、C群(無Ca)に対しては3項目全てにおいて有意にスコアが低かった。そして、B群(5%SPG)は、D群(MF,陰性対照)およびC群(無Ca)の両方に対し、3項目のスコア合計値が有意に低かった。
これらの結果より、サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン(SPG)は、関節軟骨部および骨端軟骨部において、軟骨細胞の増殖を促進するとともに、軟骨細胞の機能を活性化して酸性粘液多糖類の産生を促進し、(卵巣摘出により減少した)軟骨の再生に寄与しているものと認められた。
ここで、関節軟骨の活性化は、関節軟骨の再生を促進し、変形性関節症や外傷性関節傷害、各種関節炎等の予防、治療または改善用途につながるものと考えられる。
一方、骨端軟骨の活性化および再生は、骨端軟骨を活性化することで、骨の成長や骨のクッション性の確保等に寄与しているものと考えられる。
〔配合例1〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン 5.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
〔配合例2〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン 0.3質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)
〔配合例3〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルレチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例4〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカン 0.05g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
本発明の軟骨細胞活性化剤、軟骨細胞増殖促進剤、酸性粘液多糖類産生促進剤、軟骨再生促進剤、食品組成物および皮膚外用剤は、例えば、軟骨の再生促進;変形性関節症や外傷性関節傷害等の軟骨の減少や障害に起因した疾患の予防、治療または改善;関節炎やリウマチ関節炎等の軟骨炎症に起因した疾患の予防、治療または改善;などに大きく貢献できる。

Claims (8)

  1. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨細胞活性化剤。
  2. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨細胞増殖促進剤。
  3. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする酸性粘液多糖類産生促進剤。
  4. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とすることを特徴とする軟骨再生促進剤。
  5. 前記魚類軟骨プロテオグリカンが、分子量180万以上のプロテオグリカンを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剤。
  6. 前記分子量180万以上のプロテオグリカンに含まれるウロン酸量の、ウロン酸量全量に対する質量割合が、10質量%以上である、請求項5に記載の剤。
  7. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とし、
    軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする食品組成物。
  8. 魚類軟骨プロテオグリカンを有効成分とし、
    軟骨細胞活性化、軟骨細胞増殖促進、酸性粘液多糖類産生促進、および軟骨再生促進の1または2以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする皮膚外用剤。
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JP2018035117A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 地方独立行政法人青森県産業技術センター 細胞増殖促進剤、細胞増殖促進用サプリメント、細胞増殖促進用飲食品及び細胞増殖促進用化粧料

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Title
今淳ほか: "鮭鼻軟骨プロテオグリカンによる軟骨再生", 青森県立保健大学研究推進・知的財産センター 2010年度年報, JPN6023004055, 2011, pages 41 - 42, ISSN: 0005086312 *

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