JP2020162564A - 餅菓子 - Google Patents

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美友紀 金谷
Miyuki Kanaya
美友紀 金谷
愛 藤山
Ai Fujiyama
愛 藤山
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Abstract

【課題】本発明は、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供することを課題とする。【解決手段】本発明により、下記A)及びB)を含む餅菓子、A)米及び/又は米を加工した粉、B)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物、であることで、調製後から数日経過後においても、老化現象を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供できることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、餅菓子に関するものである。
大福餅や団子などの餅菓子は、従来、老化しやすく、調製後すぐに老化しはじめ、常温保存、又は、特に冷蔵保存において、翌日には食感が硬くなりやすい。
餅の食感に関連する出願としては、例えば特許文献1〜3が存在する。特許文献1では、「45〜55重量%の絹ごし豆腐、30〜37重量%の餅粉、8〜12重量%の加工デンプン、4〜8重量%の豆乳を有することを特徴とする餅菓子。」について記載されている。
特許文献2では、「食用油又は食用乳化剤を添加した食用油と大豆蛋白質粉末とを予め混合してスラリーを作り、これを餅類の生地に添加混合することを特徴とする餅類の製造法。」について記載されている。
特許文献3では、「油脂及びカゼインナトリウム水溶液からなる水中油滴型の乳化物又はその乾燥物を原料の一部として添加することを特徴とする餅類の製造方法」に関して記載されている。
特開2015−100354号公報 特開昭62−12978号公報 特開昭60−118155号公報
餅菓子の老化の問題から、調製後から時間が経っても、やわらかい食感及び餅様の良好な伸張性を維持できる餅菓子が望まれている。常温保存の場合だけでなく、特に冷蔵で保存した場合において、餅菓子は老化しやすいという問題があり、老化を抑制でき、調製後から数日経過後においても食感及び伸張性が良好な餅菓子が望まれている。
本発明は、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供することを課題とする。
餅菓子は、調製後から一定時間以上保存すると、老化しやすく、硬くなりやすい。このような餅菓子の老化の問題を解決するため、餅菓子に糖類を添加する方法や、酵素を使用することなどで、餅菓子の老化抑制を図っていた。しかしながら、糖類を添加する方法では、餅生地の風味が甘くなりすぎる傾向にあり、もち本来の風味や内包するあんこの風味などの素材本来の味が感じにくくなりやすい。また、酵素を使用すると、餅菓子の販売に際して、商品の原材料表示に記載する必要があり、消費者が求める健康イメージに反するなどの問題があった。
即ち本発明は、
(1)下記A)及びB)を含む餅菓子、
A)米及び/又は米を加工した粉、
B)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物、
(2)前記A)が、もち米及び/又はもち米を加工した粉である、(1)記載の餅菓子、
(3)前記B)の固形分が30〜50質量%である、(1)又は(2)記載の記載の餅菓子、
(4)前記A)を20〜50質量%、及び前記B)を1〜50質量%含む、(1)〜(3)いずれか1項に記載の餅菓子、
(5)前記A)が餅粉である、(1)〜(4)いずれか1項に記載の餅菓子、
(6)前記B)の脂質/蛋白質含量比が質量基準で3以上である、(1)〜(5)いずれか1項に記載の餅菓子、
(7)餅菓子において、下記A)20〜50質量%に、下記B)1〜50質量%を添加することを特徴とする、餅菓子の老化抑制方法、
A)米及び/又は米を加工した粉、
B)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物、
に関するものである。
なお、大豆蛋白をはじめとする植物蛋白素材は、昨今の植物性素材に対する健康イメージから、各種の製品に用いられる場合がある。
植物性蛋白素材を餅菓子に用いる試みがなされてきたが、特許文献1では、絹ごし豆腐を必須としており、豆腐の使用は原料の均一化工程が煩雑であり、また本願では豆腐を必須としないため、引用文献1は参考とはならなかった。
また、特許文献2は大豆蛋白質粉末を使用する発明であるが、本願のような米及び/又は米を加工した粉、及び水中油型乳化物であって、かつpH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物を含有することで、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供できる旨記載はない。
特許文献3では、大豆蛋白と油脂の混合物(乳化物)を餅類の生地に添加する方法は「特有の色素を有する大豆蛋白を乳化物の水相として使用するので、餅類の色調がうす褐色となる欠点がある。」旨記載があり、特許文献3においては大豆蛋白を使用することは想定されておらず、本発明を完成させる上で参考とはならなかった。
本発明者らは、餅菓子において、調製後から数日経過後においても、常温域又は冷蔵域で保存した場合に、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供することが出来れば、更なる市場の拡大につながるのではないかと、鋭意検討を重ねた。その結果、A)米及び/又は米を加工した粉、及びB)水中油型乳化物であって、かつpH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物を含有することで、前記課題を解決し本発明を完成するに至った。
本発明により、調製後から数日経過後においても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供することができる。好ましい態様として、冷蔵で保存した場合においても、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供できる。
本発明で言う餅菓子とは、米及び/又は米を加工した粉と、特定の大豆乳化組成物とを含む原料を混合し、蒸すなどの加熱処理をした後、つく工程、又は練る工程などを経て得られた菓子のことを言う。餅菓子の具体例としては、大福餅、団子(串団子)、白玉、うぐいす餅、桜餅、かしわ餅、つばき餅、くるみ餅、すあまなどの餅菓子を例示できる。本発明に係る餅菓子は、もちもちしたやわらかい食感を有し、口に含んだ際、団子又は焼成した切り餅のように、餅様に伸びる伸張性を有するものである。
以下に、本発明に使用する米及び/又は米を加工した粉、及び大豆乳化組成物について、詳細を記載する。
(米原料)
本発明に係る餅菓子には、米及び/又は米を加工した粉を使用する。ここでいう米とは、うるち米及び/又はもち米のことを指す。また、米を加工した粉として、一般的に餅菓子に使用される、うるち米を加工した粉及び/又はもち米を加工した粉をいずれも使用することができる。具体的には、うるち米を加工した上新粉、上用粉、もち米を加工した白玉粉、求肥粉、道明寺粉、羽二重粉及び餅粉などを使用することができる。
また、本発明では、米及び/又は米を加工した粉として、もち米及び/又はもち米を加工した粉を使用することが好ましい。
本発明の餅菓子中の米及び/又は米を加工した粉の含量は、20質量%以上、22質量%以上、25質量%以上、28質量%以上又は30質量%以上などとすることができる。また、さらに50質量%以下、48質量%以下、45質量%以下、42質量%以下又は40質量%以下などとすることができる。適当な量の米及び/又は米を加工した粉を含むことで、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を得ることができる。
(大豆乳化組成物)
本発明に係る餅菓子に使用する大豆乳化組成物とは、大豆原料を用いた水中油型乳化物であって、かつ、pH3.5以上6.5未満であるものを言う。なお、大豆原料を用いた水中油型乳化物には、大豆原料として全脂大豆、部分脱脂大豆、脱脂大豆などを例示でき、かかる大豆原料を用いて得られる水中油型乳化物を用いることができる。また、豆乳などの水中油型乳化物を使用してもよい。
以下に、本発明に係る大豆乳化組成物について、詳細を説明する。
本発明において、大豆乳化組成物は、固形分が30〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは固形分が35〜45質量%であることが好ましい。なお、本発明で言う大豆乳化組成物の固形分とは、大豆乳化組成物に含まれる、水分以外のものすべてのことを指す。
大豆乳化組成物中の蛋白質含量は1〜10質量%であるのが好ましく、より好ましくは1.5〜8質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%である。蛋白質含量が1質量%未満であると、餅菓子の口溶けがべたつくものになる場合がある。逆に、10質量%を超えると、豆乳感がやや強すぎる風味となる傾向にある。
また、大豆乳化組成物中の脂質含量 は15〜40質量%であるのが好ましく、より好ましくは20〜35質量%である。
本発明において、該大豆乳化組成物は、脂質/蛋白質含量比が質量基準で下限が3以上、4以上又は5以上であるのが好ましい。また上限は15以下、13以下又は12以下が好ましい。なお、日本食品標準成分表2015年版(七訂、文部科学省)によれば、豆乳中の脂質/蛋白質含量比は質量基準で約0.56、丸大豆は産地や品種により変動があるが質量基準で約0.53〜0.67である。
(pH)
本発明の大豆乳化組成物のpHは、pH3.5以上6.5未満である必要がある。より好ましくはpH3.8〜6.3であり、更に好ましくはpH4.0〜6.0であり、最も好ましくはpH4.3〜5.9であることが好ましい。
前記範囲のpHとするために、乳酸発酵及び/または酸により、所定のpHとすることが好ましい。
本発明の大豆乳化組成物を前記のpH範囲とする手段として、好ましくは、酸を使用することができる。用いられる酸としては、食用として用いられているものであれば無機酸、有機酸の何れを用いてもよく、例えば、リン酸等の無機酸や、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸等の有機酸が挙げられる。本発明においては、これらの酸を単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。また乳酸を用いる場合、乳酸を添加する代わりに、以下のように乳酸菌を原料に添加して乳酸発酵させて乳酸を生成させても良い。また該乳酸発酵と酸の添加を併用することもできる。
本発明の大豆乳化組成物を、前記のpH範囲とする手段として、好ましくは、大豆原料の一部又は全部を乳酸発酵させることができる。
乳酸発酵に使用される乳酸菌は特に限定はされず、通常の発酵乳に使用する一般的な乳酸菌、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス、ストレプコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ヘルベチカス、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・サンフランシスコ、ラクトバチルス・パネックス、ラクトバチルス・コモエンシス、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ヒルガルディ、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ルテリ、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・ジアセチルラクチス、ロイコノストック・メセンテロイデス、ロイコノストック・クレモリス、ビフィドバクテリム属等の単独または混合物を使用することができる。
該大豆乳化組成物には、原料を混合した後のpH又は乳酸発酵物の発酵停止時のpHに寄っては、必要により乳酸やクエン酸等の有機酸、あるいは逆にアルカリ剤を添加し、適宜目的とするpHに調整することが好ましい。pHが3.5未満であると、酸味が強くなりすぎる傾向がある。pHが6.5を超えると、餅菓子が硬くなる傾向にある。
本発明の餅菓子中の前記大豆乳化組成物の含量は、下限を1質量%以上、1.5質量%以上、2質量%以上、3質量%以上又は5質量%以上などとすることができる。また、さらに上限を、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下又は25質量%以下などとすることができる。適当な量の前記大豆乳化組成物を含むことで、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を得ることができる。
(餅菓子の水分)
本発明の餅菓子の水分としては、飲用に適する限り特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラルウォーター等を用いることができる。特に、本発明においては、前記大豆乳化組成物に含まれる水分や、大豆乳化組成物以外で餅菓子に配合する他の原料に含まれる水分に由来するが、由来は特に限定されない。
本発明の餅菓子生地配合中の水分含量は、上記水以外の原料中に含まれる水分も含めた水分含量として、餅菓子生地配合中、15質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、35質量%以上又は40質量%以上などとすることができる。また、さらに55質量%以下、50質量%以下又は48質量%以下などとすることができる。
(餅菓子の脂質)
また、本発明に係る餅菓子生地中の脂質含量は、上記植物油脂以外の原料中に含まれる脂質も含めた脂質含量として、0.3質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、4質量%以上、5質量%以上又は6質量%以上などとすることができる。また、さらに20質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下又は9質量%以下などとすることができる。
本発明の餅菓子には、前記の原料以外にも、本発明の効果を妨げない範囲で、一般的に餅菓子に使用される原料を含有することができる。たとえば、糖類、ゲル化剤、色素、風味剤、香料、果肉、果汁、乳化剤、保存料等を使用することができる。
(糖類)
糖類としては、例えば、ショ糖、果糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、転化糖、トレハロース、糖アルコール、コーンシロップ、水あめ、デキストリン等を例示できる。また、糖アルコールとしては、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等の単糖アルコール、イソマルチトール、マルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール、オリゴ糖アルコール等の四糖以上の糖アルコール、還元澱粉糖化物、還元澱粉分解物等を例示できる。また、乳蛋白質を含有する原料中に存在する乳糖も、本発明の糖類に含まれる。
(ゲル化剤)
ゲル化剤の具体例としては、寒天、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、ウェランガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、プルラン、白キクラゲ抽出物、アルギン酸塩、水溶性大豆多糖類、カラギーナン、タマリンド種子ガム及びタラガムから選択される1種又は2種以上の増粘多糖類を選択し、適宜使用することができる。
以下に、本発明に係る餅菓子の製造法について説明する。
(餅菓子の調製)
本発明に係る餅菓子の調製は、米を加工した粉を使用する場合、米を加工した粉と水とを混合し、練り上げる方法が挙げられる。練り上げた生地を、蒸すなどして90℃以上になるよう加熱し、加熱後の生地の温度が冷めないうちに、前記の大豆乳化組成物及び糖類などを添加し、混合して捏ね上げる。なお、捏ね上げ作業は手作業で行うこともできるが、より簡便に行うために、ミキサーのような装置を使用することができる。例えば本発明ではケンミキサー(愛工舎製作所製「KENMIX KMM770」)及び付属のビーターを使用することを例示できる。
捏ね上げた該生地を、所望の大きさに分割し、成形することで、餅菓子得ることができる。また例えば、餡を包むことで大福餅等の包餡型の餅菓子とすることができる。
また、米を使用する場合は、たとえば、もち米を使用する場合、水に浸したもち米の水気を切り、蒸し器へ投入して加熱し、蒸したもち米が熱いうちにつく。その後、再度蒸し、蒸した生地に、前記の大豆乳化組成物及び糖類などを添加して生地をつき、その後、所望の大きさに分割し、成形することで、餅菓子を得ることができる。
本発明において、米及び/又は米を加工した粉、及び前記の大豆乳化組成物を使用することで、餅菓子生地が老化しにくく、調製後から時間が経っても、出来立てのようなやわらかい食感を有し、かつ良好な餅様の伸張性、及びべたつかず良好な口溶けを有する餅菓子を提供することができる。
本発明に係る餅菓子は、調製後、常温温度域で保存することができる。本発明で言う常温とは、11〜30℃であることが好ましく、より好ましくは15〜25℃であり、更に好ましくは18〜22℃である。常温温度域で1〜10日間保存した場合であっても、餅菓子が老化しにくく、硬くならずに、本発明の効果を有する餅菓子を提供することができる。また、保存期間は、1〜5日間であることが好ましく、1〜2日間であることがより好ましい。
また、本発明に係る餅菓子は、調製後、常温だけでなく、好ましい態様として、冷蔵温度域で保存することができる。本発明で言う冷蔵とは、0〜10℃であることが好ましく、より好ましくは4〜10℃であり、更に好ましくは5〜8℃である。冷蔵温度域においても、1〜5日間保存した場合であっても、餅菓子が老化しにくく、硬くならずに、本発明の効果を有する餅菓子を提供することができる。また、保存期間は、1〜2日間であることがより好ましい。
本発明に係る餅菓子は、好ましい態様として、調製後から数日間、常温又は冷蔵保存した場合であっても、やわらかい食感及び餅様の良好な伸張性を有する餅菓子を提供できるものである。
なお、本発明で言う「やわらかい食感」とは、常温域又は冷蔵域で数日保管した場合であっても、硬くなることなくやわらかい食感であることを言う。また、本発明で言う「餅様の良好な伸張性」とは、口に含んだ際、団子又は焼成した切り餅のように、餅様に伸びることを言う。「口溶け」とは、餅菓子を口に含み、食す際に、べたつきがなく、すっと溶けるような良好な食感のことを言う。
以下に実施例を記載する。以下「%」及び「部」は特に断りのない限り「質量%」及び「質量部」を意味するものとする。
検討1.餅菓子の調製
(実施例1)
餅粉(群馬製粉株式会社製「糯粉 No.10」)100部及び水82部を混合し、耳たぶくらいの固さになるように、ケンミキサー(愛工舎製作所製「KENMIX KMM770」)と付属の備品であるビーターで練り合わせた。餅粉及び水を練り合わせた生地を分割し、蒸し器に並べ、40分間蒸した。蒸した生地が熱いうちに、上白糖35部、及び水中油型乳化物である大豆乳化組成物「大豆舞珠mou」(不二製油株式会社製、固形分38.6%、蛋白質含量5.0%、脂質含量29.9%、脂質/蛋白質含量比6.0、発酵:有り、pH5.85)54部を添加し、ケンミキサー(愛工舎製作所製「KENMIX KMM770」)と付属の備品であるビーターを使用し、捏ね上げた。捏ね上げた生地を、直径3cmの球状に成形し、実施例1の餅菓子を得た。
(実施例2)
実施例1の「大豆舞珠mou」54部に代えて、水中油型乳化物である大豆乳化組成物「大豆舞珠」(不二製油株式会社製、固形分42.9%、蛋白質含量2.3%、脂質含量26.3%、脂質/蛋白質含量比11.4、発酵:有り、pH5.30)54部を使用した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、実施例2の餅菓子を得た。
(比較例1)
実施例1の「大豆舞珠mou」54部に代えて、大豆原料ではなく乳原料を用いた水中油型乳化物「クレマ・デ・マスカルポーネ」(不二製油株式会社製、固形分46.9%、蛋白質含量4.4%、脂質含量34.0%、発酵:有り、pH5.95)63部を使用した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、比較例1の餅菓子を得た。
(比較例2)
実施例1の「大豆舞珠mou」54部に代えて、市販の牛乳(固形分12.6%、蛋白質含量3.3%、脂質含量3.8%、発酵:無し、pH6.70)38部を使用した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、比較例2の餅菓子を得た。
(比較例3)
実施例1の「大豆舞珠mou」54部に代えて、無調整豆乳(不二製油株式会社製、固形分:9.7%、蛋白質含量:4.7%、脂質含量:3.0%、発酵:無し、pH7.20)37部を使用した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、比較例3の餅菓子を得た。
表1.配合
Figure 2020162564
表2.大豆乳化組成物の組成及び性状
Figure 2020162564
○評価法
実施例及び比較例の餅菓子について、評価を行った。常温(20℃)保管では調製後から1日後及び調製後から4日後の各餅菓子について、また、冷蔵(5℃)保管では調製後から1日後及び調製後から3日後の各餅菓子について、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性、及び口溶けを官能評価で評価した。
官能評価は、パネラー10名にて盲検にて試食を行い、以下の基準に従って評価した。
なお、本評価におけるパネラーは、従前から和菓子の研究に従事し、熟練したパネラー10名であった。
やわらかい食感:硬くなることなく、やわらかい食感であることを良好として評価した。
餅様の伸張性:口に含んだ際、団子又は焼成した切り餅のように、餅様に伸びることを良好として評価した。
口溶け:餅菓子を口に含み、食す際に、べたつきがなく、すっと溶けるような食感を良好として評価した。
<やわらかさ(食感)>
5点:非常に良好(非常にやわらかい)
4点:良好(やややわらかい)
3点:許容できる
2点:やや不良(やや硬い)
1点:不良(硬い、又は餅様食感とは異なる)
<餅様の伸張性>
5点:非常に良好(明らかに餅様に伸びる)
4点:良好(やや伸びる)
3点:許容できる
2点:やや不良
1点:不良(伸びず、すぐ切れる)
<口溶け>
5点:非常に良好(明らかに口溶けが良い)
4点:良好(やや口溶けがよい)
3点:許容できる
2点:やや不良(ややべたつく)
1点:不良(べたつく、又はねちゃつく)
各パネラーの評点の平均値を求めた。そして平均値より、
A:4.5点以上
B:3.5点以上4.5点未満
C:2.5点以上3.5点未満
D:1.5点以上2.5点未満
E:1.5点未満
の5段階で評価付けを行い、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性及び口溶けのすべての評価がC評価以上のものを、合格品質とした。結果を表3〜6に示した。
表3.結果(常温、調製後から1日後)
Figure 2020162564
表4.結果(常温、調製後から4日後)
Figure 2020162564
比較例1の餅菓子では、一部硬い部分が複数箇所点在しており、やわらかさが均一ではないため、やわらかさ(食感)の評価がBであった。
表5.結果(冷蔵、調製後から1日後)
Figure 2020162564
表6.結果(冷蔵、調製後から3日後)
Figure 2020162564
表3〜6の結果より、常温(20℃)保管では調製後から1日後及び4日後において、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性及び口溶けの評価結果が合格であった実施例1〜2が最終合格であった。また、冷蔵(5℃)保管では調製後から1日後及び3日後において、実施例1〜2が最終合格であった。
比較例1より、pH3.5以上6.5未満であって、乳原料を用いた水中油型乳化物を使用した場合は、最終合格とはならず、本発明で目的する餅菓子が得られなかった。また、比較例3より、原料が大豆である水中油型乳化物であっても、pH3.5以上6.5未満ではない場合は、目的の餅菓子が得られなかった。
検討2.大豆乳化組成物の配合量の検討
配合する大豆乳化組成物(不二製油株式会社製「大豆舞珠mou」)の配合量を54部(実施例1)から2.3部(実施例3)、11.5部(実施例4)、24部(実施例5)、93部(実施例6)、145部(実施例7)に変更した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、餅菓子を得た。
得られた各餅菓子を常温(20℃)及び冷蔵(5℃)で保管し、常温(20℃)保管では調製後から1日後及び調製後から4日後の各餅菓子について、また、冷蔵(5℃)保管では調製後から1日後及び調製後から3日後の各餅菓子について、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性及び口溶けについて、検討1と同じ評価基準に従って評価を行い、A〜Eの5段階で評価付けを行った。
表7.配合
Figure 2020162564
○評価
検討1と同様の評価方法で、実施例3〜7の各餅菓子について、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性、及び口溶けについて、官能評価にて評価した。結果を表8〜11に示した。
表8.評価結果(常温、調製後から1日後)
Figure 2020162564
表9.評価結果(常温、調製後から4日後)
Figure 2020162564
表10.評価結果(冷蔵、調製後から1日後)
Figure 2020162564
表11.評価結果(冷蔵、調製後から3日後)
Figure 2020162564
表8〜11の結果より、常温保管では調製後から1日後及び4日後において、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性及び口溶けの評価結果が合格であった実施例3〜7が最終合格であった。冷蔵保管においても、調製後から1日後及び3日後において、やわらかさ(食感)、餅様の伸張性及び口溶けの評価結果が合格であった実施例3〜7が最終合格であった。
また、水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物の配合量が10質量%以上である実施例5〜7が評価結果がより良好であり、配合量が20質量%以上である実施例6〜7がさらに良好な結果であった。
考察
以上の結果より、本発明において、A)米及び/又は米を加工した粉、及びB)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物を含むことで、調製後から時間が経っても、老化を抑制でき、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供できることを見出した。さらに、常温又は冷蔵で保存した場合においても、やわらかい食感を有し、かつ餅様の良好な伸張性及び良好な口溶けを有する餅菓子を提供できることを見出した。

Claims (7)

  1. 下記A)及びB)を含む餅菓子。
    A)米及び/又は米を加工した粉
    B)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物
  2. 前記A)が、もち米及び/又はもち米を加工した粉である、請求項1記載の餅菓子。
  3. 前記B)の固形分が30〜50質量%である、請求項1又は2記載の記載の餅菓子。
  4. 前記A)を20〜50質量%、及び前記B)を1〜50質量%含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の餅菓子。
  5. 前記A)が餅粉である、請求項1〜4いずれか1項に記載の餅菓子。
  6. 前記B)の脂質/蛋白質含量比が質量基準で3以上である、請求項1〜5いずれか1項に記載の餅菓子。
  7. 餅菓子において、下記A)20〜50質量%に、下記B)1〜50質量%を添加することを特徴とする、餅菓子の老化抑制方法。
    A)米及び/又は米を加工した粉
    B)水中油型乳化物であり、pH3.5以上6.5未満である大豆乳化組成物
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