JP2020162219A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(3)前記制限手段は、前記相関温度が低いほど前記上限速度を低い値に設定することが好ましい。
(5)前記分配手段は、前記制限手段により制限される前記駆動トルクが増加するように補正するともに、前記相関温度が低いほど、前記制限手段により制限される前記駆動トルクの増加側への補正量を大きくすることが好ましい。
[1−1.装置構成]
図1に示すように、車両10は、油冷式のリヤモータ3r(単に「モータ3r」ともいう)を駆動源に持つ車両であり、モータ3rの駆動トルクを左右の後輪2rに伝達するトランスアクスル5と、モータ3r及びトランスアクスル5にオイルを供給するためのオイルポンプ6とを備える。本実施形態の車両10には、左右の後輪2rを独立して駆動する二つのモータ3r(左モータ及び右モータ)が搭載される。左モータ3r及び右モータ3rは、各々の回転軸がトランスアクスル5に接続されており、トランスアクスル5を介して後輪2rの車軸4rに接続される。
ECU1の内部には、制御手段1Aと判定手段1Bと制限手段1Cとが設けられる。これらの要素1A〜1Cは、ECU1の機能を便宜的に分類して示したものであり、ECU1のハードウェア資源を用いて実行されるソフトウェアとして設けられる。これらの要素1A〜1Cは、個々の要素を独立したプログラムとして記述されてもよいし、複数の機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述されてもよい。
図3は、上述したトルク制限制御の内容を説明するためのフローチャート例である。このフローは、例えば車両10のメイン電源がオンのときに、ECU1において所定の演算周期で繰り返し実施される。
本実施形態によれば、オイルの潤滑性能が低下していると判定された状況において、車速が所定速度V1以上且つ上限速度V2未満の場合、制御Iにより、制限量Lでモータ3rの駆動トルクが抑制される。この場合、車速が高い(モータ3rの回転速度が高い)ほど、制限量Lが増大する。このことは、モータ3rの回転速度が高くなり過ぎる前にモータ3rの回転速度を低下させるように作用する。
(1)上述したECU1では、潤滑性能の低下が判定された場合に、制限手段1Cが、車速が高いほどモータ3rの駆動トルクの制限量Lを増やすため、モータ3rの回転速度を低下させることができる。これにより、潤滑性能の低下(オイル不足)による軸受の焼き付きを抑制することができる。
[2−1.装置構成]
図5は、第二実施形態のECU(制御装置)1′が設けられた車両20の全体構成を示す模式図を示す。なお、図5は図1に対応する図である。本実施形態の車両20は、上記の車両10に対し、前輪2fを駆動するフロントモータ3fを有する点を除いて同様に構成されている。以下、図1〜図4を参照して説明した第一実施形態と共通の構成要素については、第一実施形態と共通の符号を付与して、その説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、第一実施形態のモータ3rを、フロントモータ3fと区別して「リヤモータ3r」と呼ぶ。
本実施形態のECU1′は、第一実施形態のECU1に対し、要求トルクTRを前後に分配する機能を持つ。図5に示すECU1′の制御手段1A′は、要求トルクTRを算出して、要求トルクTRを指示トルクTDに設定することに加えて、指示トルクTDを予め設定された初期配分に従う比率で前後輪2f,2rに分配して、フロントモータ3fの指示トルクTDf及びリヤモータ3rの指示トルクTDrに設定する。潤滑性能が低下していない通常状態では、要求トルクTRが指示トルクTDに設定されるので、要求トルクTRが初期配分に従う比率で前後輪2f,2rに分配される。
図7は、第二実施形態に係るトルク制限制御及び分配制御の内容を説明するためのフローチャート例である。なお、図7のフローチャートは図3のフローチャートと対応している。図7のステップS21〜S28は、図3のステップS1〜S7,S9と同様に構成されており、図3を参照して既に説明した第一実施形態と共通のステップについては、その説明を適宜省略する。
ステップS30では、分配手段1Dにより分配制御が行われる。つまり、前記ステップS29で設定されたリヤモータ3rの指示トルクTDrが増加側に補正されるとともに、前記ステップS29で設定されたフロントモータ3fの指示トルクTDfが減少側に補正される。これにより、結果的に、指示トルクTDは、初期配分とは異なる配分(比率)で、フロントモータ3fの指示トルクTDfとリヤモータ3rの指示トルクTDrとに分配される。
本実施形態によれば、潤滑性能の低下が判定されたとき、制限手段1Cによるトルク制限制御に加えて、分配手段1Dが指示トルクTDを初期配分とは異なる配分でフロントモータ3fの指示トルクTDfとリヤモータ3rの指示トルクTDrとに分配することで、前後輪2f,2rの駆動トルクの配分を変更する。例えば、リヤモータ3r側の駆動トルクが増加側に変更された場合、リヤモータ3rの発熱量が増大するので、油温の上昇が促される。これにより、リヤモータ3rの回転速度を低下させることと、油温の上昇により潤滑性能を積極的に向上させることとの両立を図る。
(4)上述した車両20では、トランスアクスル5付きのリヤモータ3rの潤滑性能が低下している場合には、制限手段1Cによりリヤモータ3r側の駆動トルクが制限される。このとき、分配手段1Dにより前後輪2f,2rのトルクが初期配分とは異なる配分で分配される。例えば、前後輪のトルクのうち、制限手段1Cにより制限されるリヤモータ3r側の駆動トルクが増加するように配分が変更される場合には、軸受の焼き付きを抑制しつつリヤモータ3rの発熱量を増大させることができる。これにより、オイル温度の上昇を促すことができ、潤滑性能を積極的に向上させることができる。また、前後輪のトルクのうち、制限手段1Cにより制限されるリヤモータ3r側の駆動トルクが減少するように配分が変更される場合には、制限駆動トルクTLが更に制限されることになるので、より一層、軸受の焼き付きを抑制できる。
上述したトルク制限制御の内容は一例であって、上述したものに限られない。
例えば、上述した制限手段1Cは、車速が所定速度V1以上且つ上限速度V2未満のときに制御Iを行い、上限速度V2以上の高速時に制御IIを行うように構成されていたが、所定速度V1を省略してもよい。例えば、制限手段1Cは、車速が上限速度V2以上の高速時に制御IIを行い、上限速度V2未満のときには制御Iを行わないように構成されてもよい。あるいは、制限手段1Cは、所定速度V1を省略し、車速が上限速度V2未満のときには制御Iを行い、上限速度V2以上の高速時には制御IIを行うように構成されてもよい。
また、上記の車両10,20には二つのリヤモータ3rが搭載され、各モータ3rが左右輪を独立して駆動しているが、1つのモータで左右輪を駆動するものであってもよい。
1A,1A′ 制御手段
1B 判定手段
1C 制限手段
1D 分配手段
3f モータ,フロントモータ
3r モータ,リヤモータ
5 トランスアクスル
6 オイルポンプ
10,20 車両
12 車速センサ
13 外気温センサ
14 油温センサ
15 ポンプ回転数センサ
Claims (5)
- 車両を駆動する油冷式のモータと、前記モータの駆動トルクを左右輪に伝達するトランスアクスルと、前記モータ及び前記トランスアクスルにオイルを供給する油路に介装されたオイルポンプと、を備えた車両の制御装置であって、
前記オイルの温度に相関する相関温度及び前記オイルポンプの回転数の少なくとも一方が所定の閾値未満である場合に、前記オイルの潤滑性能の低下を判定する判定手段と、
前記判定手段により前記潤滑性能が低下していると判定された場合に、前記駆動トルクを制限する制限手段と、を備え、
前記制限手段は、前記車両の車速が高いほど前記駆動トルクの制限量を増大させる
ことを特徴とする、車両の制御装置。 - 前記制限手段は、前記車速が所定の上限速度以上である高車速時には前記駆動トルクを0に制限する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の制御装置。 - 前記制限手段は、前記相関温度が低いほど前記上限速度を低い値に設定する
ことを特徴とする、請求項2記載の車両の制御装置。 - 前記車両は、前記モータとは異なる第二のモータを備え、二つの前記モータのそれぞれによって前後輪を駆動する四輪駆動車であり、
前記制御装置は、前記判定手段により前記潤滑性能が低下していると判定された場合に、各々の前記モータに発生させる前記駆動トルクを、予め設定された初期配分とは異なる配分で分配する分配手段を備える
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記分配手段は、前記制限手段により制限される前記駆動トルクが増加するように補正するとともに、前記相関温度が低いほど、前記制限手段により制限される前記駆動トルクの増加側への補正量を大きくする
ことを特徴とする、請求項4記載の車両の制御装置。
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