JP2020161587A - 半導体装置、パワーデバイスおよび制御用電子装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体装置(MIMS−FET)101において、第1の主表面にチャネルが形成されている半導体層11、その主表面に接して半導体層11とショットキー接合をなすショットキー金属層13およびインピーダンスを有する緩衝膜14を介してショットキー金属層13と少なくとも一部に対向して配置されるゲート電極15を有する。ショットキー金属層13は電気的に浮遊している。
【選択図】図1
Description
そして、MESFETの性能をより高めるために、MESFETの半導体層をシリコン系やGaAs系から、例えば特許文献1に開示があるように、窒化ガリウム、酸化ガリウムなどのバンドギャップの広い材料系とした研究が鋭意進められている。
半導体ダイヤモンドは、広いバンドギャップエネルギー(5.47eV)、低い比誘電率(5.7)、高い絶縁破壊電界強度(10MV/cm)、高いキャリア飽和速度(電子および正孔についてそれぞれ1.5〜2.7×107cm/sおよび0.85〜1.2×107cm/s)、高い熱伝導率(22W/cm・K)および高いキャリア移動度(電子および正孔についてそれぞれ4500cm2/V・sおよび3800cm2/V・s)といったいくつかの際立った物理的特性を有している。ここで、上記の特性値は室温での値である。
このため、半導体としてダイヤモンドを用いた電子デバイスは、大電力動作、高速・高周波動作、高い熱限界を示すとして期待されている。
例えば、ノーマリーオフ型のMESFETは、ゲートに電圧を印加してソースとドレイン間に電流を流した際、ソースとゲート間にもリーク電流が流れて低消費電力化の阻害になる。また、ヘテロ接合による2次電子ガス層を用いた窒化ガリウム半導体層を用いたMESFETは、ヘテロ構造の製造ばらつき、およびドーピング制御の難しさにより、所望の性能を得にくい、という問題があった。
また、キャリア移動度が高く、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が優れ、ゲートリーク電流が少なく、ノーマリーオフ動作に好適なパワーデバイスおよび制御用電子装置を提供することである。
(構成1)
第1の主表面にチャネルが形成されている半導体層、前記第1の主表面に接して前記半導体層とショットキー接合をなすショットキー金属層、およびインピーダンスを有する緩衝膜を介して前記ショットキー金属層と少なくとも一部に対向して配置されるゲート電極を有し、
前記ショットキー金属層が電気的に浮遊している、半導体装置。
(構成2)
前記緩衝膜は絶縁体膜である、構成1記載の半導体装置。
(構成3)
前記緩衝膜は、Al2O3,SiO2,HfO2,AlN,BN,Si3N4,SiON,Ta2O5,TiO2,WO3,LaF3,CaF2およびMgF2からなる群より選ばれる1以上からなる、構成1または2記載の半導体装置。
(構成4)
前記半導体層は炭素を含む、構成1から3の何れか1記載の半導体装置。
(構成5)
前記半導体層はダイヤモンドからなる、構成1から4の何れか1記載の半導体装置。
(構成6)
前記ダイヤモンドは水素終端されている、構成5記載の半導体装置。
(構成7)
前記チャネルは二次元ホールガス層を有する、構成1から6の何れか1記載の半導体装置。
(構成8)
前記半導体層は酸化グラフェンからなる、構成1から4の何れか1記載の半導体装置。
(構成9)
前記半導体層はカーボンナノチューブからなる、構成1から4の何れか1記載の半導体装置。
(構成10)
前記半導体層はMoS2からなる、構成1から3の何れか1記載の半導体装置。
(構成11)
前記チャネルの表面は平滑な面である、構成1から10の何れか1記載の半導体装置。
(構成12)
前記ショットキー金属層は、Al、TiまたはCoからなる、構成1から11の何れか1記載の半導体装置。
(構成13)
前記ゲート電極は金属元素、合金、金属化合物およびドープドポリシリコンからなる群より選ばれる1以上からなる、構成1から12の何れか1記載の半導体装置。
(構成14)
ソース電極とドレイン電極を有する、構成1から13の何れか1記載の半導体装置。
(構成15)
構成1から14の何れか1記載の半導体装置を有する、パワーデバイス。
(構成16)
構成1から14の何れか1記載の半導体装置を備える、制御用電子装置。
また、キャリア移動度が高く、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が優れ、ゲートリーク電流が少なく、ノーマリーオフ動作に好適なパワーデバイスおよび制御用電子装置を提供することが可能になる。
<素子の構造>
本発明の半導体装置101は、図1に示すように、半導体の第1主表面がチャネル(チャネル層12)になっている半導体層11、チャネル層12に接して形成されたショットキー金属層13、ショットキー金属層13上に形成された緩衝膜14、緩衝膜14上に形成されたゲート電極15、チャネル層12に接して形成されてチャネル層12とオーミックコンタクトするソース電極16およびドレイン電極17を有する。ここで、アクティブ領域以外の半導体層11の第1主表面は酸化膜や酸化物層などの絶縁体層18で覆われていることが好ましい。なお、図1は、断面図(a)と平面視図(b)からなる。断面図(a)は、図1(b)のAとA′を結ぶ線で切断したときの断面を示す。ここで、図1(a)では、両端に形成されている絶縁体層18は省略されて描かれている。
ダイヤモンドは、ワイドバンドギャップ(5.47eV)であるから、高温動作に向いている。ダイヤモンドは高い熱伝導率(室温で22W/cm・K)をもつことから、チャネル部分からの優れた放熱性を有する。さらに、ダイヤモンドの比誘電率は5.7と低く、高速・高周波動作に好ましい特性も有するという特徴がある。
また、水素終端のダイヤモンドを用いた場合は、シリコンなどを用いた場合とは異なり、チャネルとなる水素終端表面がたとえ大気中であっても酸化されずに非常に安定であるため、安定した特性の半導体装置101を供給する上で大きな長所となる。
半導体層11の第1主表面、すなわちチャネル層12の表面は、表面粗さの少ない平滑な面であることが好ましい。表面が粗い凹凸のある面であるとキャリアが散乱され、キャリア移動度が低下する。
平滑な面は表面粗さRaによって定量化されるが、半導体層11の第1主表面の表面粗さRaは、10μm四方内において、0nm以上3nm以下が好ましく、0nm以上1nm以下が特に好ましい。なお、表面粗さRaは、AFM(Atomic Force Microscope)によって測定できる。
したがって、半導体装置101をノーマリーオフ動作させる場合は、ショットキー金属層13のポテンシャルが及ぶ範囲で、チャネル層12は空乏層となる厚さである必要がある。
チャネル層12の厚さは、1原子層以上500nm以下が許容されるが、半導体装置101をノーマリーオフ動作させる場合は、チャネル層12の厚さは、1原子層以上20nm以下が好ましく、1原子層以上5nm以下がより好ましい。
チャネル層12としては、具体的には、表層が水素終端された単結晶ダイヤモンドの水素終端層、数原子層の厚さからなるグラフェン酸化物層、表層が活性にδドーピングされた半導体のδドーピング部、数原子層の厚さからなるMoS2、ZnOおよびGa2O3を挙げることができる。
この中でも、特に単結晶ダイヤモンドの水素終端層は、上述のように、化学的にも安定していて、かつ厚さも一定であるため、安定した特性の半導体装置101を提供する上で好ましい。
ここで、電気的に浮遊するとは、ゲート電極15とは、静的な観点、すなわち直流の観点で電気的に直接接触することはなく、またこの半導体装置101を含む電気回路を通してもゲート電極15とは電気的に繋がっていないことを意味する。但し、緩衝膜14が完全な絶縁体膜ではなく電気抵抗の高い高抵抗体膜の場合、ゲート電極15とショットキー金属層13は高抵抗な緩衝膜14を介して厳密な意味では電気的に繋がっているが、流れる電流が極めて少ないために、ここでは「電気的浮遊」として扱うこととする。
絶縁体膜は電気的絶縁性の膜である。
絶縁体膜は、具体的には、Al2O3,SiO2,HfO2,AlN,BN,Si3N4,SiON,Ta2O5,TiO2,WO3,LaF3,CaF2およびMgF2からなる群より選ばれる1以上、すなわち、これらの材料のいずれかからなる単層膜、またはこれらの材料の膜が複数積層された積層膜を挙げることができる。
また、空間(空気層、真空層、エアギャップ)も絶縁体膜の1つとみなす。したがって、ショットキー金属層13とゲート電極15が緩衝膜14とみなされる空間を介して対向していてもよい。
高抵抗体膜は、106Ω・cm以上1010Ω・cm以下の電気抵抗をもつ膜をいい、具体的にはノンドープのポリシリコン、酸素欠損を僅かに有するWOx、TiOxおよびTaOx等の金属酸化物を挙げることができる。
また、絶縁体膜は、半導体装置101を高周波数でスイッチング動作させるときの応答性に優れるという特徴がある。
また、高抵抗体膜は、半導体装置101を高周波数でスイッチング動作させるときの位相遅れが絶縁体膜を用いたときと異なり、その位相の違いを利用することが可能となる特徴を有する。
なお、緩衝膜14の膜厚は、8nm以上200nm以下を好んで使用することができるが、この膜厚範囲に限定されるものではない。
これらの導電膜は、チャネル層12と接する部分でオーミックコンタクトが取れるように、少なくともチャネル層12と直接接触する部分はPdやTiなどのオーミックコンタクトがとれて接着力にも優れる材料を用いるのが好ましい。なお、Tiは酸化されやすいので、Tiを用いる場合は、チャネル層12側からTi、その上にPt、AuやWといった材料が積層された導電膜構造とすることが好ましい。
ここでは、ポテンシャル状態を模式的に示した図2を参照しながら、半導体装置101の素子動作を説明する。なお、同図のVgはゲート電極15に印加する電圧(ソース電極16に対してゲート電極15に印加する電圧)、Ecはコンダクションバンド、EFはフェルミレベルおよびEVはバレンスバンドを示す。また、同図は、緩衝膜14として絶縁体膜を用い、キャリアをホールとした場合を例示している。
その結果、チャネル層12に形成された空乏層は薄くなり、電圧によっては空乏層が消失する。この状態ではソース電極16とドレイン電極17はチャネル12を通じて導通状態になる。すなわち、半導体装置101はオン状態になる。
この状態で、ゲート電極15とソース電極16の間を流れる電流であるリーク電流は、緩衝膜14により少ないものとなって、省電力が達成される。
この状態で、ゲート電極15とソース電極16の間を流れる電流であるリーク電流は、Vg<0の場合と同様に、緩衝膜14により少ないものとなって、省電力が達成される。
本発明と、特許文献3および4に開示された発明(公知例)との、根本かつ本質的な違いはチャネル層の位置である。すなわち、本発明では、上述のように、チャネル層12は半導体層11の第1主表面上に、ショットキー金属層13と接して形成される。一方、特許文献3および4では、ヘテロ接合の半導体を用いてそのヘテロ接合面に形成される2次元電子ガス層をチャネル層として用いている。したがって、チャネル層はショットキー金属層から離れた位置に形成されている。
このため、これらの公知例には、半導体層の厚さなど製造上のばらつきにより、ショットキー電極によるショットキーポテンシャルの影響がばらつき、空乏層の程度に影響を与えて、電気特性が不安定になるという問題がある。また、チャネル層がショットキー金属層から離散しているため、このチャネル層に対するショットキーポテンシャルの影響が少なくなって十分な余裕をもってノーマリーオフ動作を行うことが難しいという問題がある。
そこで、特許文献3では、ノーマリーオフ動作とする場合は、半導体層中に凹部を形成したり、凸部を形成したりしてチャネル層をショットキー金属層に近づける構造としている。しかし、この方法では、凹部や凸部の形成精度により電気特性がばらつき、また凹部や凸部の形成に伴い欠陥や準位等による半導体の品質低下が起こりやすいという問題が生じる。なお、特許文献4は、ノーマリーオフ動作を目的としているが、同特許文献の図3に示すように、ゲート電圧が0Vでもドレイン電流は流れており、完全なノーマリーオフ動作ではない。また、この方式は、ヘテロ構造半導体層の膜厚ばらつきなどで特性が変化しやすく、安定したノーマリーオフ動作を行うのが難しいという問題がある。
このことは、半導体からなるチャネル層一般、例えばMoS2半導体からなるチャネル層一般にいえることであった。
特に、水素終端層をチャネルとしたダイヤモンド半導体は、ショットキーポテンシャルが約―0.64Vと大きいが拡散もしやすいアルミニウム(Al)をショットキー金属層13としても、厚さが原子層レベルの水素終端ダイヤモンドによるチャネル層12に悪影響を与えずに、安定して十分な電気特性が得られる半導体装置が供給できることを見出した。しかも、この半導体装置101は、実施例のところで述べるように、350℃(623K)というような高温の環境下でも安定して十分な電気特性を示していた。
なお、高温下でも常温下と同様に安定した電気特性が得られるということは、経時変化特性にも優れるということを意味する。
次に、半導体装置101の製造方法を、図3を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、チャネル層12が第1主表面に形成された半導体層11(半導体基板)、例えば水素化終端処理したダイヤモンド基板を準備する。
水素化終端処理したダイヤモンド基板を用いる場合は、例えば、IbタイプあるいはIIaタイプで、結晶面が100あるいは111のダイヤモンドを基板として好んで用いることができる。ここで、ダイヤモンドの第1主表面は、高いキャリア移動度を確保するために、平坦で原子レベルの平滑な面であることが好ましい。その後、水素終端とした薄膜ダイヤモンド半導体層11を、例えば、CH4ガスとH2ガスを用いたマイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により成膜する。この場合は、水素終端層がチャネル層12になる。
ここで、ショットキー金属層13aは、水、炭化水素やレジスト残渣などの異物を挟まないようにして形成する。このような異物を挟むと、界面準位が発生しやすいためである。
このゲート電極膜15の形成法は、リフトオフ法でも、金属膜の成膜、リソグラフィおよびエッチングによるエッチング法でもよい。ゲート電極を構成する金属膜の成膜法としては、スパッタリング法、蒸着法などの物理堆積法、CVD、MOCVDなどの化学堆積法、および貼り合わせ法などを挙げることができる。
ここで、スパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法などを挙げることができるが、スループットの観点からはRFスパッタリング法がより好ましい。蒸着法としては、加熱蒸着法や電子線蒸着法などを挙げることができる。ゲート電極15の材料としてポリシリコンを用いるときは、ポリシリコンの成膜法としてCVD法を好んで用いることができる。この際、リン(P)などのドーパントを添加して、低抵抗化しておくことが好ましい。
なお、上記方法に代えて、チャネル層12の上に、リフトオフ法で、ショットキー金属層13、緩衝膜14およびゲート電極15を順次形成してもよい。
ソース電極16およびドレイン電極17の形成法は、リフトオフ法でも、金属膜の成膜、リソグラフィおよびエッチングによるエッチング法でもよい。ゲート電極を構成する金属膜の成膜法としては、スパッタリング法、蒸着法などの物理堆積法、CVD、MOCVDなどの化学堆積法、および貼り合わせ法などを挙げることができる。
以上の工程により、半導体装置101は製造される。
なお、上記では、ゲート電極15をソース電極16およびドレイン電極17より先に形成する方法を説明したが、ソース電極16およびドレイン電極17を形成してからゲート電極15を形成してもよい。
特に、水素終端されたダイヤモンドを用い、半導体層11をダイヤモンド、チャネル層12を水素終端されたダイヤモンドの表層部とすると、キャリア移動度は特段に高くなり、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が得られる。加えて、ダイヤモンド半導体層11は、高い熱伝導率と耐熱性を有し、絶縁破壊電界強度も高く、半導体装置101は、それらの良好な特性を備えたものとなる。
また、半導体装置101を有した制御用電子装置は、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が優れ、リーク電流が少なく、ノーマリーオフ動作に好適な省電力型の制御用電子装置になる。
<素子の構造と特徴>
実施の形態1では、ショットキー金属層13とゲート電極15のゲート長が等しくオンザライン状に形成された場合を示したが、ショットキー金属層13とゲート電極15の大きさの関係は等しい場合に限らない。
実施の形態2では、図4に示すように、ゲート電極25の大きさ(ゲート長)がショットキー金属層23のそれより大きく、ゲート電極25がショットキー金属層23を覆いかぶさる構造(オーバーハング構造)の半導体装置201について説明する。
絶縁膜29は、製造方法のところで述べるように、絶縁体膜のコンフォーマル形成と異方性エッチングを組み合わせた側壁形成法による絶縁膜であることが好ましい。この方法によると、ゲート電極25−ソース電極26間およびゲート電極25−ドレイン電極27間を自己整合的かつ極めて高い精度で形成することが可能になり、距離dも極めて小さくすることができる。例えば、距離dを2nmとすることも可能である。距離dが小さくなると、キャリアは高速に移動し、半導体装置201のスイッチング速度(オン/オフ速度)を高めることができる。また、距離dの精度が高まると、スイッチング速度のばらつきも少ないものとなるという効果が得られる。
次に、半導体装置201の製造方法を、図5を用いて説明する。
まず、図5(a)に示すように、チャネル層22が第1主表面に形成された半導体層21(半導体基板)、例えば水素化終端処理したダイヤモンド基板を準備する。
水素化終端処理したダイヤモンド基板を用いる場合は、例えば、IbタイプあるいはIIaタイプで、結晶面が100あるいは111のダイヤモンドを基板として好んで用いることができる。ここで、ダイヤモンドの第1主表面は、高いキャリア移動度を確保するために、平坦で原子レベルの平滑な面であることが好ましい。その後、水素終端とした薄膜ダイヤモンド半導体層21を、例えば、CH4ガスとH2ガスを用いたマイクロ波プラズマCVDにより成膜する。この場合は、水素終端層がチャネル層22になる。
このゲート電極膜25の形成法は、リフトオフ法でも、金属膜の成膜、リソグラフィおよびエッチングによるエッチング法でもよい。この際、緩衝膜24aも加工して、緩衝膜24とする(図5(d))。
ソース電極26およびドレイン電極27の形成法は、リフトオフ法でも、金属膜の成膜、リソグラフィおよびエッチングによるエッチング法でもよい。ゲート電極を構成する金属膜の成膜法としては、スパッタリング法、蒸着法などの物理堆積法、およびCVD、MOCVDなどの化学堆積法などを挙げることができる。
以上の工程により、半導体装置201は製造される。
このため、半導体装置201は、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が得られ、かつゲートリーク電流が少なく、ノーマリーオフ動作に好適な半導体装置となる。
第3の実施の形態は、カーボンナノチューブを半導体層とし、カーボンナノチューブの表面層をチャネル層32とした場合であり、その半導体装置301の構成を図6に示す。
半導体装置301は、チャネル層32に接して形成されたショットキー金属層33、ショットキー金属層33上に形成された緩衝膜34、緩衝膜34上に形成されたゲート電極35、チャネル層32に接して形成されてチャネル層32とオーミックコンタクトするソース電極36およびドレイン電極37を有する。ここで、ショットキー金属層33、緩衝膜34、ゲート電極35、ソース電極36およびドレイン電極37は実施の形態1と同様のものである。
半導体装置301は、カーボンナノチューブからなる半導体の表層部に形成されて散乱や準位の少ないチャネル層32のキャリアを、チャネル層32に直付けのショットキー金属33と緩衝膜34を介してゲート電極35により制御される。このため、半導体装置301は、急峻なオン/オフ特性などスイッチング特性が得られ、かつゲートリーク電流が少なく、ノーマリーオフ動作に好適な半導体装置となる。
第4の実施の形態は、図7に示すように、第3の実施の形態で説明した半導体装置301を多数用いた半導体装置302である。
半導体装置302は、半導体装置301を多数並列に並べ、各半導体装置301のゲート電極35、ソース電極36よびドレイン電極37をそれぞれ電気的に繋いだゲート集電局45、ソース集電極46よびドレイン集電極47を備える。
半導体装置302は、多数のトランジスタが並列に配置されることにより大電流対応となるため、特にパワー用途に適する半導体装置である。
実施例1では、ショットキー金属層53として厚さ20nmのアルミニウム(Al)を用いた半導体装置501試料を作製した。ここでは、その試料の作製方法と、電気特性を評価した結果について述べる。
以下、試料の作製工程を断面図である図8を参照しながら説明する。
最初に、基板としてIb型絶縁性(100)面方位ダイヤモンド基板(高圧高温製)を用い、その上に半導体層51として、マイクロ波プラズマ気相成長(MPCVD)法を用いてダイヤモンドエピタキシャル層を形成した。
原料ガス: メタン(CH4),流量0.5sccm
キャリア(希釈)ガス: 水素(H2),流量500sccm
CH4/H2比: 0.1%
成長中圧力: 80Torr(10.7KPa)
マイクロ波パワー: 800−950W
基板温度: 800−950℃
成長時間: 2−5時間
エピタキシャル層の厚さ:100−250nm
エピタキシャル層成膜後、メタンガスの供給を止め、エピタキシャル層を30分間水素雰囲気下で基板温度に保って、ダイヤモンド層の表面を水素終端して、チャネル層52aを形成した(図8(a))。そして、試料を3日間大気中で保管した。
次に、図8(e)に示すように、緩衝膜(絶縁体膜)54として、厚さ25nmのAl2O3をショットキー金属層53上に原子層堆積(ALD)によって形成した。ALD装置としては、SUNALE R−100B(Picosun社)を用いた。
ここで、形成温度は393Kとした。また、MIMS−FETの高温電気的挙動を調べる実験用に、厚さ25nmのALD−Al2O3を573Kで堆積させた試料も作製した。
その後、図8(f)に示すように、Al2O3からなる緩衝膜54上に厚さ10nmのTiおよび厚さ100nmのAuを順次堆積させてTi/Auからなるゲート電極55を形成して、特性を評価するための半導体装置501を得た。
図9は、上記方法によって作製した、ゲート長(Lg)5μm、ゲート幅(Wg)100μm、ソース―ゲート間距離(Lsg)5μm、およびゲート―ドレイン間距離(Lgd)5μmのMIMS−FETのトランジスタ特性の一例を示す。電気特性の評価には、2600B(ケースレー製)を用いた。
図9(a)は、ゲート電圧Vgを0Vから−6Vまで−0.5Vのステップで変化させたときのドレイン電圧に対するドレイン電流依存性を示す。良好なトランジスタ特性が得られている。
図9(b)は、ドレイン電圧(ドレイン−ソース間電圧)−8VにおけるMIMS−FETの伝達曲線である。この図の中に挿入した図は、図9(b)の測定データを基にして縦軸を|−Ids|0.5に換えてリプロットしたものであるが、そこからしきい値電圧Vthは−0.64Vと計算され、ノーマリーオフの動作をしていることがわかる。
図9(c)は、Vg=0Vとし、ドレインに最大−200Vを印加したときのドレイン電圧に対するドレインリーク電流の依存性を示す。ドレインに−200Vまで電圧をかけてもドレインリーク電流は絶対値で16nA以下という低い値に収まっていることがわかる。
ここで、MESFETは緩衝膜54を、MOSFETはショットキー金属層53を省いた以外、実施例1の半導体装置501と同様の構造を、同様の方法で作製した試料である。
図10(a)から(c)は電気伝達曲線を示し、(a)はMESFET、(b)はMOSFETおよび(c)はMIMS−FETの場合である。この図から、MIMS−FETは、MESFETと同様に、ノーマリーオフ動作をしていることがわかる。一方、MOSFETはノーマリーオン動作である。
図10(d)から(f)は、ドレイン電圧Vdを−8Vに固定したときのゲートリーク電流特性、すなわちゲート電極とソース電極の間に流れる電流|IG|を示し、(d)はMESFET、(e)はMOSFETおよび(f)はMIMS−FETの場合である。MIMS−FETは、MOSFETと同様にゲートリーク電流は極めて少ない。一方、MESFETはゲートリーク|IG|が大きく、例えばゲート電圧Vgが‐2Vのときには10−5Aに近いリーク電流が流れる。MIMS−FETのリーク電流|IG|は、同様の条件で約5×10−12Aである。
この結果から、MIMS−FETのみ、ノーマリーオフ動作と低リーク電流を両立して達成できることが実証された。
その結果、MIMS−FET試料は、少なくとも623Kまでノーマリーオフ動作を示すことが確認された。
SS=(κT/q)・log10〔1+(Cdep+Cit)/Ci〕 ・・・(A2)
また、図14(b)に示されるように、しきい値電圧も300Kから623Kに亘って−0.5V〜−0.2Vの範囲に収まっており、全ての温度域でノーマリーオフの動作になっていることが確認された。
実施例2は、ショットキー金属層53として厚さ20nmのチタン(Ti)を用いた場合で、ショットキー金属層53の材料以外は実施例1と同様の条件で作製した試料を用いて、その電気特性を評価した。
その結果を図15に示す。ここで、トランジスタの 寸法は、Lg=10μm、Wg=100μm、Lsg=Lgd=5μmである。
図15(a)は、ゲート電圧Vgを0Vから−5Vまで−0.5Vのステップで変化させたときのドレイン電圧に対するドレイン電流依存性を示す。良好なトランジスタ特性が得られている。
図15(b)は、ドレイン電圧−8VにおけるMIMS−FETの伝達曲線である。
図15(c)は、図15(b)の測定データを基にして縦軸を|−Ids|0.5に換えてリプロットしたものであるが、そこからしきい値電圧Vthは‐0.04Vと計算され、ノーマリーオフの動作をすることがわかった。MIMS−FETのしきい値電圧Vthは、ショットキー金属層53の材料の選択によって調整できることが確認された。
実施例3は、ショットキー金属層53として厚さ20nmのコバルト(Co)を用いた場合で、ショットキー金属層53の材料以外は実施例1と同様の条件で作製した試料を用いて、その電気特性を評価した。
その結果を図16に示す。ここで、トランジスタの 寸法は、Lg=10μm、Wg=100μm、Lsg=Lgd=5μmである。
図16(a)は、ゲート電圧Vgを0Vから−4Vまで−0.5Vのステップで変化させたときのドレイン電圧に対するドレイン電流依存性を示す。良好なトランジスタ特性が得られている。
図16(b)は、ドレイン電圧−8VにおけるMIMS−FETの伝達曲線である。
図16(c)は、図16(b)の測定データを基にして縦軸を|−Ids|0.5に換えてリプロットしたものであるが、そこからしきい値電圧Vthは約0Vと計算された。MIMS−FETのしきい値電圧Vthは、ショットキー金属層53の材料の選択によって調整できることが実施例3においても確認された。
このため、本発明は、低消費電力、省エネルギーでかつ高性能なスイッチング半導体装置の道を切り開くものとなっており、民生用途および産業用途のいずれにも上大いに利用されることが期待される。
また、半導体層としてダイヤモンドを用いた場合には、350℃というような高温でも低リーク電流でスイッチング特性が優れるので、過酷環境を含めた広い応用が期待される。
12:チャネル層
13,13a:ショットキー金属層
14,14a:緩衝膜(インピーダンス膜、絶縁体膜)
15:ゲート電極
16:ソース電極
17: ドレイン電極
18:絶縁体層
21:半導体層
22:チャネル層
23:ショットキー金属層
24,24a:緩衝膜(インピーダンス膜、絶縁体膜)
25:ゲート電極
26:ソース電極
27:ドレイン電極
29:絶縁膜
32:チャネル層(カーボンナノチューブ)
33:ショットキー金属層
34:緩衝膜
35:ゲート電極
36:ソース電極
37:ドレイン電極
45:ゲート集電極
46:ソース集電極
47:ドレイン集電極
51:半導体層
52,52a:チャネル層
53:ショットキー金属層
54:緩衝膜(絶縁体膜)
55:ゲート電極
56:ソース電極
57:ドレイン電極
59:電気的不導体層(絶縁体層)
101:半導体装置(MIMS−FET)
201:半導体装置
301:半導体装置
302:半導体装置
501:半導体装置(MIMS−FET)
Claims (16)
- 第1の主表面にチャネルが形成されている半導体層、前記第1の主表面に接して前記半導体層とショットキー接合をなすショットキー金属層、およびインピーダンスを有する緩衝膜を介して前記ショットキー金属層と少なくとも一部に対向して配置されるゲート電極を有し、
前記ショットキー金属層が電気的に浮遊している、半導体装置。 - 前記緩衝膜は絶縁体膜である、請求項1記載の半導体装置。
- 前記緩衝膜は、Al2O3,SiO2,HfO2,AlN,BN,Si3N4,SiON,Ta2O5,TiO2,WO3,LaF3,CaF2およびMgF2からなる群より選ばれる1以上からなる、請求項1または2記載の半導体装置。
- 前記半導体層は炭素を含む、請求項1から3の何れか1記載の半導体装置。
- 前記半導体層はダイヤモンドからなる、請求項1から4の何れか1記載の半導体装置。
- 前記ダイヤモンドは水素終端されている、請求項5記載の半導体装置。
- 前記チャネルは二次元ホールガス層を有する、請求項1から6の何れか1記載の半導体装置。
- 前記半導体層は酸化グラフェンからなる、請求項1から4の何れか1記載の半導体装置。
- 前記半導体層はカーボンナノチューブからなる、請求項1から4の何れか1記載の半導体装置。
- 前記半導体層はMoS2からなる、請求項1から3の何れか1記載の半導体装置。
- 前記チャネルの表面は平滑な面である、請求項1から10の何れか1記載の半導体装置。
- 前記ショットキー金属層は、Al、TiまたはCoからなる、請求項1から11の何れか1記載の半導体装置。
- 前記ゲート電極は金属元素、合金、金属化合物およびドープドポリシリコンからなる群より選ばれる1以上からなる、請求項1から12の何れか1記載の半導体装置。
- ソース電極とドレイン電極を有する、請求項1から13の何れか1記載の半導体装置。
- 請求項1から14の何れか1記載の半導体装置を有する、パワーデバイス。
- 請求項1から14の何れか1記載の半導体装置を備える、制御用電子装置。
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