JP2008258558A - ショットキーゲート型電界効果トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、有機半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタにおいて、トランジスタの易動度を大きくするとともにトランジスタの電極材料の選択を容易にすることである。
【解決手段】有機低分子、有機高分子、金属錯体、フラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種の有機単結晶半導体6をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタである。
【選択図】図1
【解決手段】有機低分子、有機高分子、金属錯体、フラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種の有機単結晶半導体6をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタである。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機単結晶半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタに関する。
電界効果トランジスタは、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ等のスイッチィング素子として実用化されており、シリコンを中心に無機材料を半導体として用いることにより作製されている。
最近、電界効果トランジスタ用の半導体材料として、有機半導体材料が注目を集めている。有機半導体は、無機半導体を用いた従来の電界効果トランジスタに比べて、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。
プロセス温度の低温化は、一般に耐熱性の低いプラスチック基板上への形成が可能となり、ディスプレイの軽量化や低コスト化、さらにはプラスチック基板のフレキシビリティを生かしたことによる用途の多様化等に大いに期待できる。
最近、電界効果トランジスタ用の半導体材料として、有機半導体材料が注目を集めている。有機半導体は、無機半導体を用いた従来の電界効果トランジスタに比べて、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。
プロセス温度の低温化は、一般に耐熱性の低いプラスチック基板上への形成が可能となり、ディスプレイの軽量化や低コスト化、さらにはプラスチック基板のフレキシビリティを生かしたことによる用途の多様化等に大いに期待できる。
このようなフレキシブルエレクトロニクスの実現にはトランジスタの更なる高機能化が不可欠である。しかしながら、これまでの有機半導体材料を用いたMISFETの開発では、良好な有機半導体・絶縁体界面を作製する事が困難である。また、高機能化のために短チャンネル化し駆動周波数を向上させるには極薄の絶縁膜が必要であり、同時に接触抵抗の低減が必要であるため、実用化の妨げの一つとなっている。
この点、金属―半導体電界効果トランジスタ(ショットキーゲート型電界効果トランジスタ)は、絶縁膜を必要としないため、MISFETの場合のように良好な接合特性が要求される有機半導体−絶縁体界面を作製する必要がない。また、短チャンネル化のためにはゲート電極のみを微細加工するだけでよい為、既存の微細加工技術によって高機能化が容易に可能である。このショットキーゲート型電界効果トランジスタの実現にはオーミック接合とショットキー接合を任意に作製する必要があるが、これまでの有機薄膜を用いた報告においては、特に良好なショットキー接合を作製する事が困難であったため飽和特性を伴う良好なFET特性は実現されていない。
また有機半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタも提案されている(非特許文献1)が、電界効果トランジスタの特性に影響を及ぼす易動度が低いことが問題となっている。すなわち例えば非特許文献1における有機半導体として3アルキルチオペンを用いたショットキーゲート型電界効果トランジスタでは、易動度として4.1×10−5cm2/Vsが報告されているが実用化という面では不十分な数値といわざるを得ない。
特開平5−55568号公報
特開2002−353165号公報
Synthetic Metals, Vol.58, 187-193 (1993)
本発明が解決しようとする課題は、有機半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタにおいて、トランジスタの易動度を大きくするとともにトランジスタの電極材料の選択を容易にすることである。
上記の課題を解決するために本発明は、次のようなショットキーゲート型電界効果トランジスタを提供するものである。
(1)有機単結晶半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(2)上記有機単結晶半導体は、有機低分子、有機高分子、金属錯体、フラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(3)上記有機単結晶半導体は、結晶内もしくは結晶表面への化学的な添加物により、又は光照射によって抵抗が下げられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(4)ゲート電極材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより0.5eV以上又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより0.5eV以下であることを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(5)ソース電極及びドレイン電極の材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより±1eV以内又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより±1eV以内であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(1)有機単結晶半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(2)上記有機単結晶半導体は、有機低分子、有機高分子、金属錯体、フラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(3)上記有機単結晶半導体は、結晶内もしくは結晶表面への化学的な添加物により、又は光照射によって抵抗が下げられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(4)ゲート電極材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより0.5eV以上又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより0.5eV以下であることを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
(5)ソース電極及びドレイン電極の材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより±1eV以内又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより±1eV以内であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
本発明は、ショットキーゲート型電界効果トランジスタにおいて、有機単結晶半導体をチャンネル層とすることにより、トランジスタの易動度を大きくするとともにトランジスタの電極材料の選択を容易にすることができる。
以下、本発明を具体化した有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ及びその製造方法の一例として、第1、第2及び第3の実施形態を順に説明する。
まず、第1の実施形態に係る有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1の構造について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1は、有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1の平面図であり、図2は、図1のX−X線における矢視方向断面図のうち、有機単結晶半導体6が形成されている部分を拡大した部分断面図である。
まず、第1の実施形態に係る有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1の構造について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1は、有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1の平面図であり、図2は、図1のX−X線における矢視方向断面図のうち、有機単結晶半導体6が形成されている部分を拡大した部分断面図である。
図1及び図2に示す有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1は、ゲート電極3が有機単結晶半導体6より上側(基板2と反対側)に位置するトップゲート型の有機単結晶トランジスタである。この有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ1は、所定の厚みを有する板状の基板2を備えている。この基板2は、有機単結晶トランジスタ1を構成する各部材を支持する部材であり、基板2として、例えば、ガラス基板並びに、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等で構成されるプラスチック基板等の絶縁性で板状の基板が用いられる。
この基板2に可撓性を付与する場合には、プラスチック基板が用いられる。なお、この基板2上には、基板2と有機単結晶半導体6との密着性を向上させるための密着層等、もしくは有機単結晶半導体6の抵抗を下げるためのキャリアドープ層等の各種下地層(膜)が設けられていてもよい。
この基板2の上面中央部には、有機単結晶半導体6が形成されている。有機単結晶半導体6は、例えば、ルブレン、ペンタセンやオリゴチオフェン等の有機低分子、ポリチオフェン等の有機高分子、フタロシアニン等の金属錯体、C60、C70、 金属内包フラーレン等のフラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種を利用することできる。有機単結晶半導体6は、ハロゲン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、各種分子を結晶内又は表面に添加し抵抗を下げていてもよい。また、光を照射して結晶の抵抗を下げてもよい。
この有機単結晶半導体6の上面には、導電性材料を含む材料を用いてパターニングされたゲート電極3、ソース電極4、ドレイン電極5が所定の幅(例えば、100μm)で帯状に形成されている。導電性材料としては、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ユーロピウム(Eu)、鉄(Fe)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)チタン(Ti)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の金属の他、ITO(Indium tin oxide)等の透明導電材料、導電性ペースト、PEDOT等の導電性ポリマー、カーボンナノチューブが適用可能であり、これらの導電性材料は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、PEDOTは、3、4−エチレンジオキシチオフェンを高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
電子を流す場合は、ゲート電極材料の仕事関数が有機半導体の伝導帯のエネルギーより0.5eV以上、ソース電極及びドレイン電極材料の仕事関数が有機半導体の伝導帯のエネルギーより±1eV以内になるようにする。また、ホールを流す場合は、ゲート電極材料の仕事関数が有機半導体の価電子帯のエネルギーより0.5eV以下、ソース電極及びドレイン電極材料の仕事関数が有機半導体の価電子帯のエネルギーより±1eV以内になるようにする。
トランジスタの形態は、図3に示すようにゲート電極9が有機単結晶半導体12の下(基板8側)となっても、図4に示すように上下両方であってもよい。図4の場合、上部ゲート電極材料15aと下部ゲート電極材料15bが、異なる材料でもよい。また、ソース電極16、ドレイン電極17も有機単結晶半導体18の上であっても下であっても、また上下両方であってもよい。
[実験例1]
試験体は、次の構成とした(図5左図参照)。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極を金(Au)を用いて形成した。Auの厚みは100nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。
試験体は、次の構成とした(図5左図参照)。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極を金(Au)を用いて形成した。Auの厚みは100nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。
図5の右図に、この試験体の電流電圧特性を示す。比較的線形な電流電圧特性を示しており、オーミックに近い接合がルブレンと金の間で形成されている事を示している(図5左図)。様々な金属を試した結果、高電圧下では電極材料の仕事関数が有機半導体の伝導帯のエネルギーより±1eV以内又は有機半導体の価電子帯のエネルギーより±1eV以内である時にオーミックに近い接合が得られる事が明らかとなった。
[実験例2]
試験体は、次の構成とした(図6左図参照)。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ドレイン電極をAuを用いて形成した。Auの厚みは100nmである(図6左図)。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。また、ソース電極をインジウム(In)を用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつインジウムの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。
試験体は、次の構成とした(図6左図参照)。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ドレイン電極をAuを用いて形成した。Auの厚みは100nmである(図6左図)。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。また、ソース電極をインジウム(In)を用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつインジウムの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。
図6の右図に、この試験体の電流電圧特性を示す。Auからホールを注入する場合(正のドレイン電圧)ではオーミックな振る舞いを示しているが、Inからホールを注入する時(負のドレイン電圧)は、ほとんど電流が流れておらず、オーミック接合特有の整流特性を示している。様々な金属を試した結果、低電圧下では電極材料の仕事関数が有機半導体の伝導帯のエネルギーより0.5eV以上又は有機半導体の価電子帯のエネルギーより0.5eV以下である時に良好なショットキー接合が得られる事が明らかとなった。
[実験例3]
試験体である有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ(トップゲート構造)は、次の構成とした。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極をAuを用いて形成した。Auの厚みは100nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。ソース電極とドレイン電極の間に、ゲート電極をInを用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつインジウムの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。
試験体である有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ(トップゲート構造)は、次の構成とした。基板にガラス基板を用い、この基板上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極をAuを用いて形成した。Auの厚みは100nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAuの仕事関数は5.1eVであるため、Auの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。ソース電極とドレイン電極の間に、ゲート電極をInを用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつインジウムの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。
図7に、様々なゲート電圧でドレイン電圧を変化させた時のドレイン電流、ソース電流、ゲート電流を示す。典型的なトランジスタ特性を示しており、この試験体がショットキーゲート型電界効果トランジスタとして良好に駆動している事を示している。また、ドレイン電流とソース電流が飽和し、かつゲート電流がほとんど流れていない事より、ゲート電極とルブレン単結晶の間で良好なショットキー接合が形成されている事を示している。このことより、単結晶半導体を用いると良好なショットキーゲート型電界効果トランジスタを作製できる事が明らかとなった。
[実験例4]
試験体である有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ(ボトムゲート構造)は、次の構成とした(図8左図参照)。基板にガラス基板を用い、まずゲート電極をInを用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつInの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。このゲート電極上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極を銀ペーストを用いて形成した。銀ペーストの厚みは1000nm以上である。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAgの仕事関数は4.26eVであるため、Agの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。
試験体である有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ(ボトムゲート構造)は、次の構成とした(図8左図参照)。基板にガラス基板を用い、まずゲート電極をInを用いて形成した。Inの厚みは1000nmである。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつInの仕事関数は4.12eVであるため、Inの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの0.5eV以下でありホールを流す上での良好なショットキー接合を形成できる。このゲート電極上に昇華法で作製したルブレン単結晶を置き、その上に、ソース電極、ドレイン電極を銀ペーストを用いて形成した。銀ペーストの厚みは1000nm以上である。ルブレンの価電子帯のエネルギーは約5eVであり、かつAgの仕事関数は4.26eVであるため、Agの仕事関数はルブレンの価電子帯のエネルギーの±1eV以内でありホールを流す上でのオーミック接合を形成できる。
図8の右図に、様々なゲート電圧でドレイン電圧を変化させた時のドレイン電流を示す。典型的なトランジスタ特性を示しており、この試験体がショットキーゲート型電界効果トランジスタとして良好に駆動している事を示している。また、ドレイン電流とソース電流が飽和し、かつゲート電流がほとんど流れていない事より、ゲート電極とルブレン単結晶の間で良好なショットキー接合が形成されている事を示している。得られた易動度は0.1cm2/Vsであり、有機材料を用いたショットキーゲート型電界効果トランジスタとしては最も高い易動度である。このことより、有機単結晶半導体を用いると良好なショットキーゲート型電界効果トランジスタをボトムゲート構造でも作製できる事が明らかとなった。
さらに、光照射によってキャリアをドープした時の特性を図9に示す。電流量が大幅に増大し、易動度も0.5cm2/Vsと約5倍となった。また、化学的添加物によっても同様な効果を確認しており、有機単結晶半導体の抵抗を下げる事による特性の向上も示す事ができた。
なお光照射は、対象とする材料のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射することによってキャリア数を多くすると同時にトラップ準位を埋め、結果的に易動度と伝導度を上げようとするものである。
また化学的添加物としては、アクセプター性(電子を奪う能力)もしくはドナー性(電子を与える能力)が高い分子であり、対象とする有機結晶の材料によって異なるが、例えばルブレンであればテトラシアノキノジメタンやテトラフルオロテトラシアノキノジメタンがアクセプター性が強い分子に当たる。
また化学的添加物としては、アクセプター性(電子を奪う能力)もしくはドナー性(電子を与える能力)が高い分子であり、対象とする有機結晶の材料によって異なるが、例えばルブレンであればテトラシアノキノジメタンやテトラフルオロテトラシアノキノジメタンがアクセプター性が強い分子に当たる。
本発明において0.5〜1.0eVまでの材料を選択するとオーミック接合となりショットキー接合ゲートを構成しない場合が考えられるが、0.5〜1.0eVまでの材料においては、プロセスによってコンタクトの特性が変化し、例えば早い蒸着方法などによりダメージを与える方法で電極を作製するとオーミック接合に、逆にダメージを与えない例えば、既に作りこんだ電極に結晶を貼り付ける方法で電極を作製するとショットキー接合になる。
したがって0.5〜1.0eVまでの材料を選択するに際し、上記の点を留意することにより本願発明を実施することは可能である。
したがって0.5〜1.0eVまでの材料を選択するに際し、上記の点を留意することにより本願発明を実施することは可能である。
1,7,13 有機単結晶ショットキーゲート型電界効果トランジスタ
2,8,14 基板
3,9,15a,15b ゲート電極
4,10,16 ソース電極
5,11,17 ドレイン電極
6,12,18 有機単結晶半導体
2,8,14 基板
3,9,15a,15b ゲート電極
4,10,16 ソース電極
5,11,17 ドレイン電極
6,12,18 有機単結晶半導体
Claims (5)
- 有機単結晶半導体をチャンネル層とするショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
- 上記有機単結晶半導体は、有機低分子、有機高分子、金属錯体、フラーレン類及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
- 上記有機単結晶半導体は、結晶内もしくは結晶表面への化学的な添加物により、又は光照射によって抵抗が下げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
- ゲート電極材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより0.5eV以上又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより0.5eV以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
- ソース電極及びドレイン電極の材料の仕事関数が有機単結晶半導体の伝導帯のエネルギーより±1eV以内又は有機単結晶半導体の価電子帯のエネルギーより±1eV以内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のショットキーゲート型電界効果トランジスタ。
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