JP2020160210A - 微細穴光学素子の製造方法および改質装置 - Google Patents

微細穴光学素子の製造方法および改質装置 Download PDF

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Abstract

【課題】LEOを、品質が安定し且つ簡便に製造する。【解決手段】微細穴光学素子の製造方法であって、上記複数の第1スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第1スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを、上記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第1改質工程と、上記複数の第2スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第2スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを上記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第2改質工程と、上記第1改質工程および上記第2改質工程で改質された箇所を除去して上記第1スリット穴および上記第2スリット穴を形成する除去工程と、上記第1スリット穴および上記第2スリット穴それぞれの内壁に反射層を形成する反射層形成工程と、を備える。【選択図】 図8

Description

本発明は、微細穴光学素子の製造方法および改質装置に関する。
X線は、可視光とは異なり、直入射光学系の利用が困難である。このため、金属のX 線に対する屈折率が1よりも小さいことを利用した金属面の全反射による斜入射光学系が用いられている。この場合の全反射の臨界角は1度程度と小さいので、反射面の有効面積を大きくとるために、直径の異なる金属製の円筒状の反射鏡を、同軸状に多数配置する方法が知られている。
また、可視光以外のX線を観測することにより太陽よりも高温の恒星等の観測が可能である。X線は大気に吸収されるので地上での観測が不可能であり、大気圏外で観測するためには宇宙船にX線集光鏡を設置する必要がある。しかし、上述したような、金属製の円筒状の反射鏡を同軸状に多数配置する方法ではX線反射装置全体の重量が増大するため(1mあたり1トン以上の重量)、宇宙空間で利用する場合に、地上からの輸送に支障を来すので軽量化が求められている。
特許文献1には、軽量かつ比較的容易に製造できるX線光学系基材として、異方性エッチングによるシリコンウェハ壁面をX線反射鏡として利用するX線光学系基材が提案されている。これは、薄いウェハに微細な穴を開けるため、従来よりも一桁以上軽い鏡となるうえ、一度のエッチングにより鏡を大量に生産できるという利点もある。しかし、異方性エッチングで形成できる穴は、直線的なスリット状の穴に限られるため、X線光学系を作る際には、反射鏡としての理想曲面を直線で近似する必要があり、集光性能が制限される。また、理想曲面に近づけるため、X線光学系を小さくして理想曲面に沿って配置することになるので、多数のX線光学系が必要になり、製作に要する労力・コストが大きい。
また、天球上のどの方角から素子を見た場合にもミラー面が存在する光学素子として、ロブスターアイ型光学素子(LEO)が知られている。LEOは、特許文献1に記載のウォルター型光学系に比べ、観測範囲が広いことが利点である
特許文献2には、ロブスターアイ型光学素子(LEO)の構成例が開示されている。また、従来、天文学的な物体、すなわち無限遠(x=∞)に存在する物体の観測に使用されていたLEOを、非天文学的な物体、すなわちLEOのレンズ半径Rと比較可能な有限の距離(x〜R)に存在する物体の撮影に応用することが記載されている。
特許第4025779号公報 特表2009−503506号公報
従来のLEOの製造方法は、下記工程を経て製造される。
工程1.中実のコア材および中空のクラッド材を準備する。
工程2.クラッド材の内部にコア材を挿入して一体化し、アセンブリを複数作成する。
工程3.複数のアセンブリを引き延ばしつつ束ねて積層体を形成する。
工程4.工程3で得た積層体を軸方向に対し直交方向に薄くスライスした後に、所定の曲率を持つように曲げる。
なお、上記3および4の工程に代えて、以下の工程を実施する場合もある。
工程3´.工程2で得た複数のアセンブリを束ねた積層体を所定の曲率を持つように曲げる。
工程4´.工程3´後の積層体を軸方向に対し直交方向に薄くスライスする。
しかし、このような製造方法は、アセンブリを束ねる工程や、積層体をスライス後に曲げる工程において、素子に力学的な変形が生じるので品質が安定しないという問題があった。品質に問題がある場合は、結像イメージが理想的な十字形状から崩れる。
そこで、本発明は、LEOを、品質が安定し且つ簡便に製造することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る微細穴光学素子の製造方法の一態様は、透明基板と上記透明基板を貫通する複数の並んだ穴を備え、上記各穴は、深さ方向の延長線が透明基板外に位置した共通の交点に向かうとともに当該交点を中心とした共通の球面と交わるような、上記透明基板の表面から厚み方向の途中まで達する複数の線状の第1スリット穴と、当該第1スリット穴に交わる方向に延びて前記透明基板の裏面まで達する線状の第2スリット穴とを備える微細穴光学素子の製造方法であって、上記複数の第1スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第1スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを、上記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第1改質工程と、上記複数の第2スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第2スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを上記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第2改質工程と、上記第1改質工程および上記第2改質工程で改質された箇所を除去して上記第1スリット穴および上記第2スリット穴を形成する除去工程と、上記第1スリット穴および上記第2スリット穴それぞれの内壁に反射層を形成する反射層形成工程と、を備える。
このような微細穴光学素子の製造方法によれば、線状ビームによって滑らかな壁面のスリット穴が効率よく形成されるので、いわゆるシュミット型のLEOが、安定した品質で簡便に製造される。
このような微細穴光学素子の製造方法において、上記第1改質工程および上記第2改質工程が、上記透明基板の表裏面のうち片面側からビームを照射して上記第1スリット穴と上記第2スリット穴との双方の箇所を改質することが好ましい。上記第1スリット穴の箇所と上記第2スリット穴の箇所との双方が透明基板の片面側から改質されることにより、透明基板を裏返す工程などが省略されるので工程数が減少する。
また、このように上記第1スリット穴と上記第2スリット穴との双方が透明基板の片面側から改質される微細穴光学素子の製造方法においては、上記第1改質工程および上記第2改質工程が、上記第1スリット穴と上記第2スリット穴とのうち、上記ビームの進行方向前方側に位置するスリット穴の箇所から先に改質することが好ましい。この製造方法によれば、改質済みの箇所によるビームの乱れが回避されるので改質箇所の精度が向上する。
また、上記微細穴光学素子の製造方法においては、上記第1改質工程と上記第2改質工程との間に、上記線状ビームの焦点が広がる方向と上記第2スリット穴が延びる方向とを合わせるように上記透明基板を回転させる基板回転工程を備えてもよく、あるいは、上記第1改質工程と上記第2改質工程との間に、上記線状ビームの焦点が広がる方向と上記第2スリット穴が延びる方向とを合わせるように上記線状ビームを回転させるビーム回転工程を備えてもよい。
基板回転工程を備えると、精密な光学系を動かすことが回避される。また、ビーム回転工程を備えると、透明基板を動かすことが回避されるので、特に大きくて重い透明基板が用いられる場合に好ましい。
また、上記微細穴光学素子の製造方法において上記線状ビームは、光ビームの進行方向に交わる2軸のうちの1軸方向のみについて当該光ビームを集光する集光能力を有する非等方集光素子と、平行光束の光ビームを1点に集光する集光能力を有する等方集光素子とを、平行光束の光ビームが順に経ることで形成されることが好ましい。このような素子の組み合わせによって、細くて長い線状に焦点が広がった線状ビームが得られる。
また、上記微細穴光学素子の製造方法において、上記第1改質工程および上記第2改質工程の少なくとも一方が、上記線状ビームの上記透明基板への照射と、上記線状ビームの照射位置の変更とを繰り返すことにより、互いに並行して延びる複数の上記形成箇所それぞれを改質する工程であることも好適である。この製造方法によれば、複数のスリット穴それぞれの形成箇所に対する改質を1本あるいは少数の線状ビームで行うことができる。
また、このように線状ビームの照射と、上記線状ビームの照射位置の変更とを繰り返す製造方法において、上記線状ビームの照射位置の変更は、上記線状ビームを反射する反射素子の反射面の角度を変更することによって行われることが更に好適である。この製造方法によれば、複数のスリット穴それぞれの形成箇所に対する線状ビームの移動が反射素子によって容易に実現される。
また、上記微細穴光学素子の製造方法において、上記第1改質工程および上記第2改質工程の少なくとも一方が、上記透明基板上の一部領域における上記形成箇所の改質と、当該透明基板上での当該一部領域の移動とを繰り返すことで、当該線状ビームにおける焦点の広がりよりも長く延びるスリット穴の形成箇所を改質する工程であることも好適である。このような製造方法によれば、線状ビームにおける焦点の広がりよりも長いスリット穴を形成することができる。
また、上記改質と上記一部領域の移動とを繰り返す製造方法においては、上記一部領域の移動として、上記線状ビームの焦点が広がる方向への移動と、当該方向と交わる方向への移動とを行って、上記一部領域が2次元的に配列された範囲に亘る改質を行うことが更に好ましい。このような製造方法によれば、大面積の透明基板に容易に対応することができる。
また、上記一部領域の移動としては、当該一部領域同士が隣接しあるいは一部重畳する距離の移動を行ってもよく、あるいは、当該一部領域同士に間隔が空く距離の移動を行ってもよい。一部領域同士が隣接しあるいは一部重畳する場合には、スリット穴の連続性などが容易に保たれ、一部領域同士に間隔が空く場合には、光ビームの照射による熱応力の影響を避けることができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る改質装置の一態様は、光ビームを透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該光ビームの照射箇所を改質する改質装置であって、光ビームを発生する光源と、光ビームの進行方向に交わる2軸のうちの1軸方向のみについて当該光ビームを集光する集光能力を有し、上記光源からの光ビームに作用する非等方集光素子と、平行光束の光ビームを1点に集光する集光能力を有し、上記非等方集光素子を経た光ビームに作用することで、光ビームの進行方向に交わる方向へと焦点が線状に広がった線状ビームを形成する等方集光素子と、上記非等方集光素子を経た光ビームを反射して上記等方集光素子へと導き、反射角度の変更により上記線状ビームの焦点を、当該焦点が広がる方向と交わる方向へと移動させる反射素子と、を備える。
このような改質装置によれば、非等方集光素子と等方集光素子との組み合わせによって、細くて長い線状に焦点が広がった線状ビームが形成されると共に、反射素子によって線状ビームの照射箇所が容易に変更される。
このような改質装置において、上記透明基板を保持し、当該透明基板に照射される光ビームの進行方向に沿って当該透明基板を移動させることで当該光ビームによる改質箇所を当該進行方向に沿って延ばす基板保持台を備えることが好ましい。基板保持台による透明基板の移動によって改質箇所を光ビームの進行方向の前後へと容易に延ばすことができる。
本発明によれば、LEOを、品質が安定し且つ簡便に製造することができる。
微細穴光学素子を概念的に示す図である。 スリット穴の構造を模式的に示す拡大斜視図である。 1段分のスリット穴の構造を示す断面図である。 微細穴光学素子における各スリット穴の向きを示す図である。 LEOにおける集光作用の説明図である。 LEOにおける理想的な集光イメージを示す図である。 微細穴光学素子へと異なる方向から入射した光の集光形態を示す図である。 改質工程を示す図である。 エッチング工程と、研磨工程と、反射層形成工程とを示す図である。 レーザ改質装置の正面図である。 レーザ改質装置を−Y方向に見た図である。 レーザ改質装置を−X方向に見た図である。 XY平面内方向における光束変化を示す図である。 Z方向における光束変化を示す図である。 レーザ改質装置で実行される改質工程の詳細を示す図である。 微細穴光学素子が組み込まれた光学装置を示す図である。 光学装置の光学系部分の組み立て図である。 フレームに対する微細穴光学素子の固定方法を示す断面図である。 フレームに対する微細穴光学素子の固定方法を示す正面図である。 第2実施形態のレーザ改質装置を示す図である。 大きな透明基板に対する改質工程の第1例を示す図である。 大きな透明基板に対する改質工程の第2例を示す図である。 大きな透明基板に対する改質工程の第3例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、微細穴光学素子を概念的に示す図である。図1には、正面図(A)と側面図(B)が示されている。
微細穴光学素子1は、いわゆるシュミット型のロブスターアイ型光学素子(LEO)となっており、一辺が例えば40mmで厚さが例えば1mmの方形状の外形を有した透明基板2に対して各々の深さが例えば0.5mmの上段のスリット穴3aと下段のスリット穴3bが形成された構造となっている。透明基板2は例えばガラスや透明樹脂などからなり、特に溶融石英のガラスであると、後述する製造方法におけるスリット穴3a,3bの加工が容易となる。
図1ではスリット穴3a,3bの密度が実際よりも粗く描かれており、実際の各スリット穴3a,3bのスリット幅は例えば20μm以上200μmに形成され、スリット穴3a,3bの相互間に位置するガラスや樹脂の部分の幅が例えば6μm以上30μm以下に形成されている。
図2は、スリット穴3a,3bの構造を模式的に示す拡大斜視図である。
上段(図2の上方)のスリット穴3aと下段(図2の下方)のスリット穴3bは、例えば互いに直交する方向に延びている。また、2段のスリット穴3a,3bを経ることで、微細穴光学素子1には実質的に貫通穴が形成されている。微細穴光学素子1に対して上段側からX線や真空紫外線などの光が入射し、下段側から光が出射する。
図3は、1段分のスリット穴3a,3bの構造を示す断面図である。
スリット穴3a,3bに対し、図の上方側から光Lが入射し、図の下方側へと光Lが出射する。スリット穴3a,3bにおける光Lの進行方向の長さh1と、光Lがスリット穴3a,3bから出射する箇所における穴の幅h2との比h1/h2は例えば20以上50以下という大きな値となっている。
各スリット穴3a,3bの内壁には金属の反射層4が形成されている。反射層4は例えば酸化ハフニウム等の重金属からなる単層膜や多層膜である。各スリット穴3a,3bに入射した光Lは、スリット穴3a,3bに対する光Lの入射角度に応じて0〜2回、反射層4で反射される。
反射層4の材料の例としては、上記の酸化ハフニウムのほか、酸化物では、酸化タンタル、酸化チタニウム、酸化ランタン、酸化亜鉛等、窒化物では、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ハフニウム等、金属では、ルビジウム、銅、タングステン、モリブデン、白金、イリジウム、金が挙げられる。単層膜の反射層4は、例えば数百〜数千Åの膜厚で形成される。
また、反射層4は、重金属から成る薄膜と軽金属から成る薄膜から構成される多層膜であってもよく、この場合の最外層は、重金属から成る薄膜で構成される。軽金属から成る薄膜としては例えば酸化アルミニウムが用いられるが、その他に酸化珪素が用いられてもよい。更に、反射層4は、白金/炭素、モリブデン/珪素、タングステン/珪素等と言ったペア材料の多層膜であってもよい。これらのペア材料による多層膜の場合、1ペアについて例えば数十Åの膜厚で数十〜数百層が積層されて形成される
上述したように微細穴光学素子1はいわゆるシュミット型のロブスターアイ型光学素子(LEO)となっており、光Lを焦点に集めることができる。
図4は、微細穴光学素子1における各スリット穴3a,3bの向きを示す図である。
微細穴光学素子1における各スリット穴3a,3bは、深さ方向の各延長線Mが、各スリット穴3a,3bに対して共通の交点Pを向いている。この結果、各延長線Mは共通の交点Pに集まる。また、この共通の交点Pを中心とする半径が100mm以上1000mm以下の球面Sが各スリット穴3a,3bと交わっている。このようなスリット穴3a,3bの配置が、いわゆるロブスターアイ型光学素子(LEO)における配置であり、各スリット穴3a,3bの内壁で反射された光が以下説明するように集光される。
図5は、LEOにおける集光作用の説明図である。
LEOである微細穴光学素子1では、上述したように、スリット穴3a,3bの内壁(の反射層4)で光Lが0〜2回反射され、反射パターンに応じた集光パターンで光Lが集光される。ここで、微細穴光学素子1には同一方向から平行に光Lが入射するものとする。同一方向から平行に微細穴光学素子1へと入射した光Lであっても、入射した箇所によって反射パターンが変わる。
例えば、スリット穴3a,3bの内壁で0回反射された光Ld(即ち反射されずに2段のスリット穴3a,3bを通過した光Ld)は、入射方向へとそのまま進んで焦点面FP上の各所に、集光されずに到達する。
また、2段のスリット穴3a,3bのうち、上段のスリット穴3aの内壁で1回反射された光Lbは、図の横方向について集光され、図の縦方向(紙面の奥行方向)については入射方向のままとなるので、図の縦方向へと延びる線状の領域に集光される。
また、2段のスリット穴3a,3bのうち、下段のスリット穴3bの内壁で1回反射された光Lcは、図の縦方向(紙面の奥行方向)について集光され、図の横方向については入射方向のままとなるので、図の横方向へと延びる線状の領域に集光される。
また、2段のスリット穴3a,3bそれぞれの内壁で1回ずつ合計2回反射された光Laは、縦横両方向で集光されるので中心箇所に点状に集光される。
図6は、LEOにおける理想的な集光イメージを示す図である。
上述した反射パターンの結果、同一の入射方向から微細穴光学素子1へと入射した光束は、集光面FP上に、十字形状の集光イメージを形成する。即ち、集光面FP上には、十字形状の背景の各所に広がるハローHと、十字の縦横を成す集光ラインFLと、十字の中心に位置する集光スポットFSとが形成される。このような集光イメージが受光装置で測定されることにより、例えば点光源からの光が検出される。
図7は、微細穴光学素子1へと異なる方向から入射した光の集光形態を示す図である。
ここでは一例として、3方向のそれぞれから微細穴光学素子1へと入射した光L1,L2,L3が示されている。
各方向からの光L1,L2,L3は、上述した共通の球面Sと交わる各スリット穴3a,3bの反射層4によって反射されることにより、焦点面FP上の異なる箇所に集光される。集光された各箇所において、上述した十字形状の集光パターンが形成される。
共通の球面Sと交わる各スリット穴3a,3bは、言い換えると、球面Sに沿って並んでいることになり、焦点面FPは球面状となっている。また、焦点面FPの半径は、共通の球面Sにおける半径Rの半分となる。
このように、LEOである微細穴光学素子1は、各方向から入射してくる光L1,L2,L3の何れについても同様に集光することができるので視野が広い。
次に、このような微細穴光学素子1を製造する本実施形態の製造工程について説明する。この製造工程は、改質工程と、エッチング工程と、研磨工程と、反射層形成工程とを備えている。
図8は、改質工程を示す図である。
図8に示す改質工程は、第1改質工程(A−1)と第2改質工程(A−2)とを備えている。
第1改質工程(A−1)では、焦点が線状に広がった線状ビームのパルスレーザ光PLが透明基板2に照射され、透明基板2における線状の照射エリアがパルスレーザ光PLによって同時に改質される。パルスレーザ光PLの照射エリアの位置・角度・深さは、上述した2段のスリット穴のうち一方のスリット穴のCADデータに基いて決定される。
本実施形態では、透明基板2の改質は、パルスレーザ光PLにおける多光子吸収によって実現される。透明基板2中で多光子吸収が起きると多光子吸収を起こした部分が特異的に改質される。透明基板2が例えばガラス基板である場合は、珪素(Si)原子と酸素(O)原子との結合による局所構造が多光子吸収によって分断されて構造変化等が生じ、化学的に反応しやすい状態となる。また、透明基板2がガラス基板である場合には、多光子吸収を発生させることで改質するために必要なエネルギーは、0.2〜2μJであり、アブレーションなどといった破壊的な作用を生じるレーザ加工に必要なエネルギーよりも少なくて済む。また線状ビームで線状の照射エリアが同時に改質されるため、改質領域と被改質領域との境界は凹凸の少ない滑らかな境界となるし、生産性も高い。
第2改質工程(A−2)では、第1改質工程(A−1)に対してパルスレーザ光PL若しくは透明基板2が例えば90度回転し、2段のスリット穴のうち他方のスリット穴に相当する線状の照射エリアがパルスレーザ光PLによって改質される。
改質工程の詳細については後で詳述する。
図9は、エッチング工程と、研磨工程と、反射層形成工程とを示す図である。
エッチング工程(B)では、透明基板2がエッチャント5に浸され、エッチング処理によって改質領域2aが選択的に除去される。透明基板2が例えばガラス基板である場合は、エッチャント5として弗酸(HF)溶液や水酸化カリウム溶液が用いられる。
本実施形態では、エッチング処理として、処理の手間が少ないウェットエッチングが採用されているが、エッチング処理としてはフッ素(F)系ガスを用いたドライエッチングも採用可能である。また、本実施形態では、処理の安定化や迅速化のために、エッチャント5中の透明基板2に対して超音波Wを当てる超音波洗浄も併用される。エッチングの条件は、HF濃度が例えば2.5〜5%であり、透明基板2のサイズによって異なるがエッチング時間は例えば1時間〜数時間である。エッチング処理に際して透明基板2が超音波Wによって振動されることによりエッチング時間は短縮される。
エッチング工程(B)では、改質領域2a以外の部分についてもエッチャント5と透明基板2が反応するが、改質領域2aと、改質領域2a以外の領域2bとではエッチングレートが大きく異なる。このため、エッチング工程(B)の開始後速やかに改質領域2aは完全に除去されてスリット穴3a,3bが形成される。
なお図9では、説明の簡便のため、改質領域2aが透明基板2を貫いた状態が示されているが、実際には、上下2段のスリット穴3a,3bそれぞれに相応した上下2段の改質領域2aが形成され、透明基板2内で上下2段の改質領域2aが繋がっている。
このように、パルスレーザを用いた多光子吸収現象を利用した改質工程と、改質領域2aを選択的に除去するエッチング工程(B)とを経ることにより、スリット穴3a,3bの形状・深さ等を簡単にコントロールすることができ、しかも、透明基板2に対して、物理的な穴あけ加工を行う場合に比べて、透明基板2へのダメージが少ない。また、線状ビームのパルスレーザ光PLが用いられるため、滑らかな内壁面を有するスリット穴3a,3bが容易に得られる。
研磨工程(C)では、各スリット穴3a,3bの側壁を平滑化するために、磁性流体と研磨材との混合液6が用いられる。磁性流体は、磁場が印加されることで粘性が変化する流体であり、既に光学部品の研磨などに実用化されている。具体的には、平均粒径が約0.01μmの磁性流体と、粒径が例えば1μmのダイヤモンドスラリーとの混合液6が各スリット穴3a,3bに流し込まれ、透明基板2と垂直に変動磁場が印加される。
混合液6は磁場の変動に合わせてスリット穴3a,3b3内をランダムに移動する。透明基板2を中心軸の周りに回転させて、混合液6とスリット穴3a,3bの側壁との相対運動を促進することも可能である。混合液6が各スリット穴3a,3bの側壁面を研磨することにより、側壁面の粗さが平滑化され、例えば1〜2nmの面粗さが実現される。
反射層形成工程(D)では、透明基板2が金属蒸気と反応物質との混合気体7中に置かれ、原子層堆積(ALD)法によってスリット穴3a,3bの内壁に金属の反射層4が形成される。原子層堆積法では、スリット穴3a,3bの内壁全体に原子層が1層ずつ形成されるので、アスペクト比の高いスリット穴3a,3bであっても反射層4が均等に形成される。
このような製造方法により、図1に示す微細穴光学素子1が実現される。
次に、上述した改質工程について更に詳しく説明する。
図10〜図12は、図8に示す改質工程を実行する第1実施形態のレーザ改質装置10の構造を示す図である。
図10には、レーザ改質装置10の正面図が示され、図10中にはXYZ座標軸が示されている。即ち、図10の右方向がX方向であり、図10の下方向がY方向であり、図10の紙面に垂直な手前方向がZ方向である。以下、レーザ改質装置10における方向の説明に際しては、この座標軸を用いるものとする。
図11には、レーザ改質装置10を−Y方向に見た図が示され、図12には、レーザ改質装置10を−X方向に見た図が示されている。
レーザ改質装置10は、パルスレーザ光PLを発するレーザ発振器101を備えている。レーザ発振器101としては、パルス幅が例えば200fs以上500fs以下で、パルスエネルギーが1μJ以下で、繰り返し周波数が5MHz以下のものが用いられる。このようなレーザ発振器101は、高ピークパワーを持った超短パルスのレーザ光を発するので、そのパルスレーザ光がガラスなどの透明基板2に集光されることで容易に多光子吸収等の非線形効果を生じる。
レーザ改質装置10は、ビーム拡大系102と、シリンドリカルレンズ103と、ガルバノミラー104と、リレーレンズ系106と、絞り用レンズとも称される対物レンズ107と、可動ステージ108とを備えている。
レーザ発振器101から−X方向に発せられたパルスレーザ光PLはビーム拡大系102に入射し、ビーム拡大系102によってパルスレーザ光PLの光束が拡大されてシリンドリカルレンズ103へと入射する。
シリンドリカルレンズ103は、Z方向からみた形状では曲面を有さず、Y方向から見た形状では円弧状の曲面を有する光学素子である。このような形状により、シリンドリカルレンズ103は、−X方向に進行しZ方向とY方向とに光束が広がっているパルスレーザ光PLをZ方向のみについて集光する。このシリンドリカルレンズ103が、本発明にいう第1集光素子の一例に相当する。
ガルバノミラー104は、シリンドリカルレンズ103によるパルスレーザ光PLの集光位置付近に設けられている。ガルバノミラー104は、Z方向に延びた回転軸を中心として回転可能な反射素子であり、パルスレーザ光PLを反射してY方向へと向かわせる。また、ガルバノミラー104が回転することによってパルスレーザ光PLの反射角度が変更され、図10に点線で示されるように、パルスレーザ光PLの進路がX方向に振られる。
リレーレンズ系106は、ガルバノミラー104で反射されたパルスレーザ光PLを対物レンズ107へと導く。リレーレンズ系106は、パルスレーザ光PLの進路がガルバノミラー104によって振られた場合であっても、パルスレーザ光PLを対物レンズ107へと導くことができる。
対物レンズ107は、平行光束の光ビームを1点に集光する集光能力を有した光学素子であり、本発明にいう第2集光素子の一例に相当する。対物レンズ107は、入射される光ビームの平行光束が広い程、小さな点状に集光することができる。シリンドリカルレンズ103を経たパルスレーザ光PLにこの対物レンズ107が作用することにより、焦点がZ方向に線状に延びた線状ビームが形成される。また、パルスレーザ光PLの進路がガルバノミラー104によって振られた場合には、対物レンズ107によって形成される線状ビームの照射位置がX方向に振られることになる。
可動ステージ108は透明基板2を保持すると共に、透明基板2をX,Y,Zの各方向に移動させることができる。さらに可動ステージ108は、透明基板2をY軸回りに回転させることもできる。
このようなレーザ改質装置10の光学系によって線状ビームが形成される原理について更に説明する。
図13および図14は、線状ビームの形成原理を示す図であり、図13には、XY平面内方向における光束変化が示され、図14には、Z方向における光束変化が示されている。
レーザ発振器101から発せられたパルスレーザ光PLは、ビーム拡大系102を経ることにより、Y方向とZ方向との双方について光束が広げられる。そして、光束のZ方向については、図14に示すように、シリンドリカルレンズ103によって集光され、ガルバノミラー104によって反射される。シリンドリカルレンズ103によるパルスレーザ光PLの集光位置は、ガルバノミラー104の反射面の近傍ではあるが、光束のY方向の位置により反射面との距離が異なる。
シリンドリカルレンズ103に入射するパルスレーザ光PLの光束のY方向については、図13に示すように、集光されずに平行光束の状態でシリンドリカルレンズ103を透過し、ガルバノミラー104によって反射される。反射により、光束のY方向の広がりはX方向の広がりとなる。
ガルバノミラー104で反射されたパルスレーザ光PLは、リレーレンズ系106によって対物レンズ107へと導かれる。
シリンドリカルレンズ103によって集光されたパルスレーザ光PLのZ方向については、図14に示すように、リレーレンズ系106によって導かれた結果、対物レンズ107の入射面上で再び集光される。このように集光されたパルスレーザ光PLが対物レンズ107に入射すると、対物レンズ107はパルスレーザ光PLの光束を広げるように作用する。
ガルバノミラー104に反射されたパルスレーザ光PLのX方向の光束については、図13に示すように、平行光束の状態でリレーレンズ系106に入射し、リレーレンズ系106によって導かれた結果、対物レンズ107に平行光束の状態で入射する。このような平行光束のパルスレーザ光PLについては、対物レンズ107は1点に集光するように作用する。ビーム拡大系102で光束が広げられているため、X方向における集光系のNA値は例えば0.26などといった大きな値となり、集光スポットは小さい。
このような光学系の作用により、図10に示す可動ステージ108上の透明基板2には、X方向に細く集光されZ方向に広がった線状の焦点を有する線状ビームとしてパルスレーザ光PLが照射されることになる。
次に、このような線状ビームのパルスレーザ光PLによる改質手順の詳細について説明する。
図10に示すレーザ改質装置10は、上述した様に、透明基板2を立体的に移動させる可動ステージ108を備えるとともに、Z方向に広がった線状の焦点をX方向に振るガルバノミラー104も備えている。これら可動ステージ108およびガルバノミラー104によってパルスレーザ光PLは透明基板2中の指定された箇所に集光されて集光スポットを形成する。
図15は、レーザ改質装置10で実行される改質工程の手順例を示す図である。
図15には、改質工程で透明基板2中に改質領域2aが形成される手順の一例として、段階(A)から段階(F)までの手順が模式的に示されている。
段階(A)では、可動ステージ108が、CADデータに基づいたスタート箇所に位置決めされることで、透明基板2の裏面直上にパルスレーザ光PLの焦点が結ばれ、改質領域2aの形成が開始される。パルスレーザ光PLの焦点は、図15の紙面に垂直な方向に引き上げられるように広がっていて、改質領域2aは、図15の紙面に垂直な方向に連続しているものとする。
段階(B)では、可動ステージ108が図の下方へと、スリット穴の延びる角度で移動することでパルスレーザ光PLの焦点が透明基板2の内部側へと移動し、その結果、改質領域2aが透明基板2の内部側に延びる。改質領域2aがパルスレーザ光PLの前方側から後方側へと延びることで、改質済みの箇所によるビームの乱れが回避されるので改質箇所の精度が向上する。可動ステージ108の移動は、改質領域2aが透明基板2の厚みの例えば半分に到達するまで続けられる。
段階(C)では、パルスレーザ光PLが一端止められ、ガルバノミラー104(図10など参照)によってパルスレーザ光PLの照射位置が振られ、段階(A)および段階(B)と同様の手順が行われることで、複数の改質領域2aが形成される。各改質領域2aが透明基板2内に延びる角度については改質領域2a毎に異なっている。
段階(A)〜段階(C)が、図8に示す第1改質工程(A−1)に相当する手順である。
なお、ここでは、ガルバノミラーによるパルスレーザ光PLの照射位置の変更は、改質領域2aの位置変更に用いられるが、ガルバノミラーによる照射位置の変更は、改質領域2aの幅(即ちスリット穴の幅)の調整にも用いられ得る。
段階(D)では、可動ステージ108が例えば90度回転し、透明基板2に対するパルスレーザ光PLの焦点の広がり方向が変更される。
段階(E)では、透明基板2の、段階(A)〜段階(C)で改質された深さの直上にパルスレーザ光PLの焦点が結ばれ、透明基板2の未改質の深さ部分に対する改質領域2aの形成が開始される。可動ステージ108が図の下方へと、スリット穴の延びる角度で移動することでパルスレーザ光PLの焦点が透明基板2の表面側へと移動し、その結果、改質領域2aが透明基板2の表面側に延びる。
段階(F)では、段階(C)と同様に、パルスレーザ光PLの一旦停止と、ガルバノミラー104による照射位置の変更と、改質領域2aの形成とが繰り返されることで、複数の改質領域2aが形成される。
段階(D)〜段階(F)が、図8に示す第2改質工程(A−2)に相当する手順である。
第1改質工程(A−1)に相当する改質と第2改質工程(A−2)に相当する改質との双方が透明基板2の片面側からの照射によって実行されることにより、透明基板2を裏返す工程などが省略されるので工程数が減少する。
以上の手順で、図1に示すように配列され図2に示すような形状と図3に示すような各向きとを有した各スリット穴3a,3bに相当する改質領域2aが形成されることになる。
このように、本実施形態の微細穴光学素子1の製造方法では、理想的な形状と向きを有するスリット穴3a,3b(および反射層4)が簡便な工程で透明基板2に高精度に形成され、スリット穴3a,3b(および反射層4)の形成に際して透明基板2には応力などが加えられない。このため微細穴光学素子1は、広い視野を有するとともに結像性能(品質)も高い。また、線状ビームが用いられることで、精度のよいスリット穴3a,3b(および反射層4)が高い生産性で形成されるので、微細穴光学素子1の生産性も高い。
次に、このように製造される微細穴光学素子1が組み込まれた光学装置について説明する。
図16は、微細穴光学素子1が組み込まれた光学装置100を示す図である。
光学装置100は例えば天体を観測する装置であり、光学系部分110と電子系部分120とを備えている。
電子系部分120は、光学系部分110に対向する位置に受光装置121を備えている。受光装置121の受光面は、上述した焦点面FPに沿った球面状の面である。また、電子系部分120の本体部分122には、受光装置121の電源や制御回路などが組み込まれている。
光学系部分110はフレーム111を有し、そのフレーム111上に複数の微細穴光学素子1が並べて固定され、それら複数の微細穴光学素子1がフレーム111で支持されている。
図17は、光学装置100の光学系部分110の組み立て図である。
フレーム111には枠穴112が設けられており、各枠穴112に各微細穴光学素子1が対応付けられて微細穴光学素子1が取り付けられる。各微細穴光学素子1からの通過光は、フレーム111の枠穴112を通り抜け、受光装置121の受光面上に上述した集光パターンで集光される。
フレーム111が各微細穴光学素子1を支持する部分の全体的な形状は、上述した共通の球面Sに沿った球面状の形状となっており、各微細穴光学素子1は共通の球面Sに沿った球面状に並べられて支持される。この結果、複数の微細穴光学素子1の全体で1つのLEOとして機能し、例えば30度といった広い視野が実現される。つまり、平板状の微細穴光学素子1が球面状に配置されることにより、製造が容易で広視野の光学装置が実現される。
図18,図19は、フレーム111に対する微細穴光学素子1の固定方法を示す図であり、図18には断面図が示され、図19には正面図が示されている。
微細穴光学素子1は、四角形の角の部分が押さえ部材113によって押さえられ、押さえ部材113はピン114によってフレーム111に固定される。このような固定構造により、微細穴光学素子1は、貫通穴3が設けられて集光に寄与する領域が光に対して広く露出した状態でフレーム111に固定される。
次に、第2実施形態のレーザ改質装置について説明する。
図20は、第2実施形態のレーザ改質装置11を示す図である。
第2実施形態のレーザ改質装置11は、第1実施形態のレーザ改質装置10と同様に、レーザ発振器101と、ビーム拡大系102と、シリンドリカルレンズ103と、リレーレンズ系106と、絞り用レンズとも称される対物レンズ107と、可動ステージ108とを備えている。
第2実施形態のレーザ改質装置11では、X方向に延びた回転軸を中心としてシリンドリカルレンズ103を回転させる回転機構が備えられている。
また、第2実施形態のレーザ改質装置11は、第1実施形態におけるガルバノミラー104に替えて、第1のガルバノミラー105aと、第2のガルバノミラー105bとを備えている。第2実施形態の場合、シリンドリカルレンズ103によるパルスレーザ光PLの集光位置は、第1のガルバノミラー105aと第2のガルバノミラー105bとの中間となっている。また、第1のガルバノミラー105aと第2のガルバノミラー105bとは、可能な限り近づける方が好ましく、例えば100mm以内の距離が好ましい。
第1のガルバノミラー105aは、パルスレーザ光PLをY方向へと反射する反射素子であり、Z方向に延びた回転軸を中心として回転可能となっている。第1のガルバノミラー105aは、回転によってパルスレーザ光PLの進行方向を振ることができ、その結果、透明基板2上での照射位置がX方向に振られることになる。
第2のガルバノミラー105bは、第1のガルバノミラー105aによって反射されたパルスレーザ光PLを−Z方向へと反射してリレーレンズ系106へと向かわせる。第2のガルバノミラー105bは、X方向に延びた回転軸を中心として回転可能な反射素子である。第2のガルバノミラー105bも、回転によってパルスレーザ光PLの進行方向を振ることができ、その結果、透明基板2上での照射位置がY方向に振られることになる。
第2実施形態のレーザ改質装置11も、図8および図15で説明した改質工程に用いられるが、図15に示す段階(D)では、可動ステージ108による透明基板2の回転ではなく、シリンドリカルレンズ103の回転による線状ビームの回転が行われる。この線状ビームの回転により、パルスレーザ光PLにおける焦点の広がり方向が透明基板2に対して例えば90度回転する。
図15に示す段階(C)や段階(F)で説明したようにガルバノミラーによる照射位置の変更が行われる場合には、第2実施形態のレーザ改質装置11では、パルスレーザ光PLにおける焦点の広がり方向に応じて、第1のガルバノミラー105aと第2のガルバノミラー105bとのうちいずれか一方が用いられる。即ち、Y方向に焦点が広がっている場合には第1のガルバノミラー105aによって照射位置が変更され、X方向に焦点が広がっている場合には第2のガルバノミラー105bによって照射位置が変更される。
このような第2実施形態のレーザ改質装置11が用いられる場合も、線状ビームが用いられることで精度のよいスリット穴3a,3b(および反射層4)が高い生産性で形成され、微細穴光学素子1の生産性も高い。
次に、改質工程の別の各例について説明する。以下説明する各例では、上述した実施形態の透明基板よりもサイズの大きな透明基板が用いられる。そのため、スリット穴3a,3bの延びる長さがパルスレーザ光PLの焦点の広がりよりも大きく、複数のスリット穴3a,3bが、ガルバノミラーによる振れ幅よりも広い範囲に亘って並んでいる。
パルスレーザ光PLの届く範囲(即ち焦点の広がりや振れ幅)は対物レンズの視野によって制限される。また、精細なスリットの作製には、高NAの対物レンズの使用が必要であり、高NAな対物レンズほど視野が狭くなる。一般的には、パルスレーザ光PLの届く範囲は、およそ数mm〜数十ミリmmとなるが、半導体ステッパーレンズのような大型の対物レンズを使用することで、数十cmの範囲までパルスレーザ光PLを届かせることが可能である。以下説明する各例で用いられる大きな透明基板は、この数十cmの範囲を越える大きさを有する透明基板である。
図21は、大きな透明基板2に対する改質工程の第1例を示す図である。
図21に示す第1例では、図8に示す第1改質工程(A−1)と第2改質工程(A−2)とのそれぞれについて、透明基板2上で5行5列に並んだ合計で25個の基板領域20毎に改質が行われる。各基板領域20では、可動ステージ108がスリット穴の延びる方向に移動しながら線状ビームのパルスレーザ光PLが連続照射されて1本の改質領域2aが形成される照射工程と、パルスレーザ光PLが一旦停止されてガルバノミラーの回転によってパルスレーザ光PLの照射位置が変更されるミラー回転工程とが繰り返されて、複数の改質領域2aが形成される。
1つの基板領域20における複数の改質領域2aの形成が完了すると、可動ステージ108の移動によって次の基板領域20が改質対象となる。
図21に示す第1例では、透明基板2の例えば左下隅に位置する基板領域20から改質が開始され、その基板領域20に対し、スリット穴が延びる方向(図の縦方向)に隣接した基板領域20が、次の改質対象となる。その後も、スリット穴が延びる方向に沿って例えば図の下方から上方へと順次に基板領域20が改質され、透明基板2の左端に位置する1列5個の基板領域20が改質される。なお、ここでは、基板領域20同士が隣接するものとして説明するが、特にスリット穴が延びる方向については、基板領域20同士が一部重複してもよい。
レーザ改質装置10、11における光学的安定性が考慮された場合には、このようにスリット穴が延びる方向に沿って順次に基板領域20が改質される手順は、高精度なスリット穴形成のために好ましい。
1列分の基板領域20について改質が完了すると、次に、その1列に隣り合った1列5個の基板領域20が、例えば図の上方から下方へと順次に改質される。図21中の丸付き数字は改質の順番を表している。
このように、スリット穴が延びる方向の列毎に基板領域20の改質が行われ、第1改質工程(A−1)に相当する、25個の基板領域20に対する改質が完了する。その後、透明基板2の回転(即ち可動ステージ108の回転)あるいは線状ビームの回転(即ちシリンドリカルレンズ103の回転)が行われ、透明基板2に対して線状ビームの焦点が延びる方向が例えば90度回転される。
第2改質工程(A−2)でも、第1改質工程(A−1)と同様に、25個の基板領域20に対する改質が、スリット穴の延びる方向に沿った列毎に実行される。また、各列の改質では、列の一端側から順にスリット穴の延びる方向へと各基板領域20が改質される。
このような手順の改質工程により、線状ビームにおける焦点の広がりよりも長くスリット穴が延びる大きな透明基板2に対する改質が効率よくかつ精度よく実行される。
図22は、大きな透明基板2に対する改質工程の第2例を示す図である。
図22に示す第2例でも、第1例と同様に、図8に示す第1改質工程(A−1)と第2改質工程(A−2)とのそれぞれについて、透明基板2上で5行5列に並んだ合計で25個の基板領域20毎に改質が行われる。また、第1例と同様に第2例でも、各基板領域20では、1本の改質領域2aが形成される照射工程と、パルスレーザ光PLの照射位置が変更されるミラー回転工程とが繰り返されて、複数の改質領域2aが形成される。1つの基板領域20における複数の改質領域2aの形成が完了すると、可動ステージ108の移動によって次の基板領域20が改質対象となる。
図22に示す第2例では、透明基板2の例えば左下隅に位置する基板領域20から改質が開始され、その基板領域20に対し、スリット穴同士が並ぶ方向(図の横方向)に隣接した基板領域20が、次の改質対象となる。その後も、スリット穴同士が並ぶ方向に沿って例えば図の左方から右方へと順次に基板領域20が改質され、透明基板2の下端に位置する1行5個の基板領域20が改質される。
1行分の基板領域20について改質が完了すると、次に、その1行に隣り合った1行5個の基板領域20が、例えば図の右方から左方へと順次に改質される。図22中でも丸付き数字が改質の順番を表している。
このように、スリット穴同士が並ぶ方向の行毎に基板領域20の改質が行われ、第1改質工程(A−1)に相当する、25個の基板領域20に対する改質が完了する。その後、透明基板2の回転(即ち可動ステージ108の回転)あるいは線状ビームの回転(即ちシリンドリカルレンズ103の回転)が行われ、透明基板2に対して線状ビームの焦点が延びる方向が例えば90度回転される。
第2改質工程(A−2)でも、第1改質工程(A−1)と同様に、25個の基板領域20に対する改質が、スリット穴同士が並ぶ方向の行毎に実行される。
このような第2例の改質工程によっても、線状ビームにおける焦点の広がりよりも長くスリット穴が延びる大きな透明基板2に対する改質が効率よく実行される。
図23は、大きな透明基板2に対する改質工程の第3例を示す図である。
図23に示す第3例でも、第1例や第2例と同様に、図8に示す第1改質工程(A−1)と第2改質工程(A−2)とのそれぞれについて、透明基板2上で5行5列に並んだ合計で25個の基板領域20毎に改質が行われる。また、第1例や第2例と同様に第3例でも、各基板領域20では、1本の改質領域2aが形成される照射工程と、パルスレーザ光PLの照射位置が変更されるミラー回転工程とが繰り返されて、複数の改質領域2aが形成される。1つの基板領域20における複数の改質領域2aの形成が完了すると、可動ステージ108の移動によって次の基板領域20が改質対象となる。
図23に示す第3例では、透明基板2の例えば下端の中央に位置する基板領域20から改質が開始され、その基板領域20に対し、スリット穴が延びる方向(図の縦方向)に隣接した基板領域20が、次の改質対象となる。その後も、スリット穴が延びる方向に沿って例えば図の下方から上方へと順次に基板領域20が改質され、透明基板2の左端に位置する1列5個の基板領域20が改質される。
1列分の基板領域20について改質が完了すると、次に、その1列とは距離が空いた1列5個の基板領域20が、例えば図の上方から下方へと順次に改質される。図23中の丸付き数字は改質の順番を表している。つまり、図23に示す第3例では、1列分の基板領域20については、隣り合った基板領域20が順次に改質されるが、1列分の改質が完了した後は、基板上で隣接しない1列分が次の改質対象となる。パルスレーザ光PLの照射による熱応力が考慮された場合には、このように距離が空いた列に次の改質対象が移る手順は、高精度なスリット穴形成のために好ましい。
このように、スリット穴が延びる方向の列毎に基板領域20の改質が行われ、第1改質工程(A−1)に相当する、25個の基板領域20に対する改質が完了する。その後、透明基板2の回転(即ち可動ステージ108の回転)あるいは線状ビームの回転(即ちシリンドリカルレンズ103の回転)が行われ、透明基板2に対して線状ビームの焦点が延びる方向が例えば90度回転される。
第2改質工程(A−2)でも、第1改質工程(A−1)と同様に、25個の基板領域20に対する改質が、スリット穴の延びる方向に沿った列毎に実行される。また、各列の改質では、列の一端側から順にスリット穴の延びる方向へと各基板領域20が改質され、列が変わる際には、距離が空いた列へと改質対象が移る。
このような手順の改質工程により、線状ビームにおける焦点の広がりよりも長くスリット穴が延びる大きな透明基板2に対する改質が効率よくかつ精度よく実行される。
なお、上記説明では、天体観測用に用いられる微細穴光学素子が例示されているが、本発明にいう微細穴光学素子は、非天文学的な物体の観測や撮像に用いられてもよい。
また、上記説明では、2段のスリット穴3a,3bそれぞれの延びる方向が互いに直交する例が示されているが、本発明にいう微細穴光学素子は、直交以外の角度でスリット穴同士が交わるものであってもよい。
また、上記説明では、透明基板として単一形成の透明基板が例示されているが、本発明にいう透明基板は、例えば厚さ方向に複数の基板部分が重ねられた透明基板や、広がり方向に複数の基板部分が継ぎ合わされた透明基板であってもよい。
1…微細穴光学素子、2…透明基板、3a,3b…スリット穴、4…反射層、
10,11…レーザ改質装置、101…レーザ発振器、102…ビーム拡大系、
103…シリンドリカルレンズ、104、105a、105b…ガルバノミラー、
106…リレーレンズ系、107…対物レンズ、108…可動ステージ、
100…光学装置、111…フレーム

Claims (14)

  1. 透明基板と前記透明基板を貫通する複数の並んだ穴を備え、
    前記各穴は、深さ方向の延長線が透明基板外に位置した共通の交点に向かうとともに当該交点を中心とした共通の球面と交わるような、前記透明基板の表面から厚み方向の途中まで達する複数の線状の第1スリット穴と、当該第1スリット穴に交わる方向に延びて前記透明基板の裏面まで達する線状の第2スリット穴とを備える微細穴光学素子の製造方法であって、
    前記複数の第1スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第1スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを、前記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第1改質工程と、
    前記複数の第2スリット穴が形成される各形成箇所について、当該第2スリット穴が延びる方向に焦点が線状に広がった線状ビームを前記透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該箇所を改質する第2改質工程と、
    前記第1改質工程および前記第2改質工程で改質された箇所を除去して前記第1スリット穴および前記第2スリット穴を形成する除去工程と、
    前記第1スリット穴および前記第2スリット穴それぞれの内壁に反射層を形成する反射層形成工程と、
    を備えることを特徴とする微細穴光学素子の製造方法。
  2. 前記第1改質工程および前記第2改質工程が、前記透明基板の表裏面のうち片面側からビームを照射して前記第1スリット穴と前記第2スリット穴との双方の箇所を改質することを特徴とする請求項1に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  3. 前記第1改質工程および前記第2改質工程が、前記第1スリット穴と前記第2スリット穴とのうち、前記ビームの進行方向前方側に位置するスリット穴の箇所から先に改質することを特徴とする請求項2に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  4. 前記第1改質工程と前記第2改質工程との間に、前記線状ビームの焦点が広がる方向と前記第2スリット穴が延びる方向とを合わせるように前記透明基板を回転させる基板回転工程を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  5. 前記第1改質工程と前記第2改質工程との間に、前記線状ビームの焦点が広がる方向と前記第2スリット穴が延びる方向とを合わせるように前記線状ビームを回転させるビーム回転工程を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  6. 前記線状ビームは、光ビームの進行方向に交わる2軸のうちの1軸方向のみについて集光する第1集光素子と、平行光束の光ビームを1点に集光する第2集光素子とを、平行光束の光ビームが順に経ることで形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  7. 前記第1改質工程および前記第2改質工程の少なくとも一方が、前記線状ビームの前記透明基板への照射と、前記線状ビームの照射位置の変更とを繰り返すことにより、互いに並行して延びる複数の前記形成箇所それぞれを改質する工程であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  8. 前記線状ビームの照射位置の変更は、当該線状ビームを反射する反射素子の反射面の角度を変更することによって行われることを特徴とする請求項7に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  9. 前記第1改質工程および前記第2改質工程の少なくとも一方が、前記透明基板上の一部領域における前記形成箇所の改質と、当該透明基板上での当該一部領域の移動とを繰り返すことで、当該線状ビームにおける焦点の広がりよりも長く延びるスリット穴の形成箇所を改質する工程であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  10. 前記一部領域の移動として、前記線状ビームの焦点が広がる方向への移動と、当該方向と交わる方向への移動とを行って、前記一部領域が2次元的に配列された範囲に亘る改質を行うことを特徴とする請求項9に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  11. 前記一部領域の移動として、当該一部領域同士が隣接しあるいは一部重畳する距離の移動を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  12. 前記一部領域の移動として、当該一部領域同士に間隔が空く距離の移動を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の微細穴光学素子の製造方法。
  13. 光ビームを透明基板に照射して多光子吸収を生じさせることで当該光ビームの照射箇所を改質する改質装置であって、
    光ビームを発生する光源と、
    光ビームの進行方向に交わる2軸のうちの1軸方向のみについて当該光ビームを集光する集光能力を有し、前記光源からの光ビームに作用する非等方集光素子と、
    平行光束の光ビームを1点に集光する集光能力を有し、前記非等方集光素子を経た光ビームに作用することで、光ビームの進行方向に交わる方向へと焦点が線状に広がった線状ビームを形成する等方集光素子と、
    前記非等方集光素子を経た光ビームを反射して前記等方集光素子へと導き、反射角度の変更により前記線状ビームの焦点を、当該焦点が広がる方向と交わる方向へと移動させる反射素子と、
    を備えたことを特徴とする改質装置。
  14. 前記透明基板を保持し、当該透明基板に照射される光ビームの進行方向に沿って当該透明基板を移動させることで当該光ビームによる改質箇所を当該進行方向に沿って延ばす基板保持台を備えたことを特徴とする請求項13に記載の改質装置。
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