JP2020159896A - 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】原子核乾板から荷電粒子の飛跡を抽出する処理の所要時間を短縮することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを得る。【解決手段】情報処理装置12は、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得する取得部50と、複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を飛跡記録層の厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を飛跡記録層の厚み方向の端部の層であると特定する特定部54と、を備える。【選択図】図6

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
原子核乾板を用いて、宇宙線に含まれるミュー粒子等の荷電粒子の飛跡を抽出する技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術では、焦点面の深さを変えながら感材層を連続的に撮像することによって複数の断層画像を取得し、取得した複数の断層画像を用いて荷電粒子の飛跡を抽出する。
また、標本から、標本深さが異なる複数の層毎に電子撮像装置を介して各層の標本画像データを生成する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開2010−101676号公報 特開2004−150895号公報
原子核乾板から荷電粒子の飛跡を抽出するために、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板が、撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影される。そして、この撮影を行って得られた複数の断層画像から荷電粒子の飛跡が抽出される。
図12に示すように、荷電粒子の飛跡の抽出漏れを抑制するために、断層画像を取得する際、原子核乾板の厚み方向の端部からある程度の距離のマージンを加味して断層画像が取得される。このように、取得した全ての断層画像に対して解析処理を行って荷電粒子の飛跡を抽出する処理には、比較的長い時間がかかってしまう。
これに対し、飛跡記録層の厚み方向の端部の位置を特定することができれば、飛跡記録層を撮影して得られた断層画像群を特定することができる結果、荷電粒子の飛跡を抽出する処理に用いる断層画像の数を絞り込むことができる。すなわち、飛跡記録層の厚み方向の端部の位置を特定することができれば、荷電粒子の飛跡を抽出する処理の所要時間を短縮することができ、好ましい。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、飛跡記録層の厚み方向の端部の位置を特定することについては考慮されていない。
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、原子核乾板から荷電粒子の飛跡を抽出する処理の所要時間を短縮することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
本開示の情報処理装置は、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得する取得部と、複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を飛跡記録層の厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を飛跡記録層の厚み方向の端部の層であると特定する特定部と、を備える。
これにより、原子核乾板から荷電粒子の飛跡を抽出する処理の所要時間を短縮することができる。
なお、本開示の情報処理装置は、コントラスト値が、断層画像の各画素の輝度値の標準偏差であってもよい。
これにより、コントラスト値を簡易に導出することができる。
また、本開示の情報処理装置は、断層画像が分割された複数の領域の各々についてコントラスト値を導出する導出部を備え、特定部が、断層画像全体のコントラスト値として、導出部により複数の領域の各々について導出されたコントラスト値の統計量を用いてもよい。
これにより、飛跡記録層の厚み方向に沿った中心を精度良く特定することができる。
また、本開示の情報処理装置は、統計量が、平均値又は中央値であってもよい。
これにより、飛跡記録層の厚み方向に沿った中心を精度良く特定することができる。
また、本開示の情報処理装置は、一定の距離が、飛跡記録層の厚みの半分の値であってもよい。
これにより、飛跡記録層の厚み方向の端部の層を簡易に特定することができる。
また、本開示の情報処理装置は、一定の距離が、飛跡記録層の厚みに、飛跡記録層の屈折率に応じた比率を乗じて得られた値であってもよい。
これにより、飛跡記録層の厚み方向の端部の層を精度良く特定することができる。
また、本開示の情報処理装置は、一定の距離が、特定部が特定した中心を焦点位置とする断層画像のコントラスト値に、予め定められたコントラスト値の最大値に対する最小値の比率を乗じて得られた値に対応する断層画像の層までの距離であってもよい。
これにより、飛跡記録層の厚み方向の端部の層を精度良く特定することができる。
また、本開示の情報処理方法は、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得し、複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を飛跡記録層の厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を飛跡記録層の厚み方向の端部の層であると特定する処理をコンピュータが実行するものである。
また、本開示の情報処理プログラムは、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得し、複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を飛跡記録層の厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を飛跡記録層の厚み方向の端部の層であると特定する処理をコンピュータに実行させるためのものである。
また、本開示の情報処理装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサは、基材層と、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得し、複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を飛跡記録層の厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を飛跡記録層の厚み方向の端部の層であると特定する。
本開示によれば、原子核乾板から荷電粒子の飛跡を抽出する処理の所要時間を短縮することができる。
実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る原子核乾板の一例を示す側面断面図である。 実施形態に係る焦点位置の変更経路を説明するための側面図である。 実施形態に係る焦点位置の変更経路を説明するための平面図である。 実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係るコントラスト値を説明するための図である。 実施形態に係るコントラスト値を説明するための図である。 実施形態に係るコントラスト値の一例を示すグラフである。 変形例に係る乳剤層の厚み方向の端部の特定処理を説明するためのグラフである。 実施形態に係る特定処理の一例を示すフローチャートである。 撮影範囲を説明するための原子核乾板の側面図である。
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を説明する。図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置12、撮影装置14、XYステージ22、及び光源24を含む。情報処理装置12及び撮影装置14は、通信可能に接続される。XYステージ22には、原子核乾板NPが載せられる。なお、以下では、原子核乾板NPの厚み方向をZ方向とし、厚み方向に交差(本実施形態では、直交)する平面上の第1の方向(例えば、原子核乾板NPの長辺の方向)をX方向とする。また、以下では、上記平面上で第1の方向に交差(本実施形態では、直交)する第2の方向(例えば、原子核乾板NPの短辺の方向)をY方向とする。また、以下では、X軸とY軸とで形成される平面をXY平面という。
撮影装置14は、イメージセンサ等を有するカメラ本体16、ピエゾステージ18、及び対物レンズ20を備えている。ピエゾステージ18は、ピエゾアクチュエータによって対物レンズ20をZ方向に沿って往復移動させる。従って、撮影装置14は、Z方向に沿った焦点位置を変えながら撮影を行うことが可能とされている。なお、図示は省略しているが、撮影装置14は、Zステージを有し、大まかなZ方向の位置合わせも可能とされている。
XYステージ22は、アクチュエータによってX方向及びY方向のそれぞれに沿って往復移動することが可能とされている。光源24は、XYステージ22を挟んで撮影装置14の反対側に設けられており、撮影装置14に向かって光を照射する。
次に、図2を参照して、原子核乾板NPについて説明する。図2に示すように、本実施形態に係る原子核乾板NPは、フィルムベースFBの両面に、乳剤層ELが塗布されている。すなわち、原子核乾板NPは、乳剤層EL、フィルムベースFB、及び乳剤層ELの順に積層されている。フィルムベースFBは、例えば、プラスチック製であり、厚みが300μmとされる。乳剤層ELは、例えば、ハロゲン化銀を含み、現像前の厚みが60μmとされる。フィルムベースFBが、開示の技術に係る基材層の一例であり、乳剤層ELが、荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層の一例である。なお、飛跡記録層に含まれるハロゲン化銀以外の飛跡記録材料として、例えば、シュウ酸第二鉄塩を含む鉄塩感光材料、又は芳香族ジアゾニウム塩を含むジアゾ感光材を用いることも可能である。
宇宙線に含まれるミュー粒子が原子核乾板NPを透過すると、乳剤層EL内での電離作用によって発生した電子により、乳剤層EL内にミュー粒子の飛跡Tに沿った潜像が記録される。なお、図2の例では、飛跡Tのうち、乳剤層EL内に潜像として記録される部分を実線で示し、乳剤層EL内に潜像として記録される部分以外の部分を破線で示している。ミュー粒子が開示の技術に係る荷電粒子の一例である。なお、荷電粒子は、ミュー粒子に限定されない。例えば、荷電粒子は、γ線又は中性子線等から2次的に発生した電子又は陽子でもよい。
原子核乾板NPを用いた非破壊検査では、検査対象物の周辺に原子核乾板NPを設置し、数週間等の予め定められた期間の経過後に、原子核乾板NPを回収する。次に、回収した原子核乾板NPを現像し、現像後の原子核乾板NPを撮影装置14によって撮影して得られた複数の断層画像から、原子核乾板NPに記録されたミュー粒子の飛跡Tを抽出する。そして、抽出した飛跡Tを用いた解析処理によって検査対象物の密度分布等が得られる。
次に、図3及び図4を参照して、撮影装置14による原子核乾板NPの撮影処理について説明する。図3に示すように、撮影装置14は、1つの視野26について、予め定められた間隔(例えば、1μm)毎に、対物レンズ20をZ方向に沿って原子核乾板NPに近づくように移動させながら原子核乾板NPを撮影する。この際のZ方向に沿った撮影範囲は、乳剤層ELの撮影漏れを防止するために、余裕を持たせた範囲となっている。すなわち、予め原子核乾板NPの厚みと現像後の乳剤層ELの厚みとが厳密には分かっていないとしても、1つの視野26内における乳剤層ELのZ方向の全体が撮影範囲に含まれるように、余裕を持ったマージンが加味されている。これにより、撮影装置14により、Z方向に沿った焦点位置を変えながら複数の断層画像が撮影される。
1つの視野26について断層画像の撮影が終わると、XYステージ22がX方向又はY方向に沿って1視野分移動することによって、撮影装置14による撮影範囲が隣の視野26に移動する。そして、次の視野26では、撮影装置14は、上記間隔毎に、対物レンズ20をZ方向に沿って原子核乾板NPから遠ざかるように移動させながら原子核乾板NPを撮影する。
図4に示すように、撮影装置14は、以上の撮影処理を各視野26について実行する。なお、図3では、Z方向に沿った焦点位置の変更経路を一点鎖線の矢印で示し、図3及び図4では、X方向及びY方向に沿った焦点位置の変更経路を破線の矢印で示している。従って、各視野26について、撮影装置14による撮影により複数の断層画像が得られる。なお、ここでいう視野26とは、撮影装置14によるXY平面上での1つの撮影領域を意味する。また、隣接する視野26は、一部の領域が重複している。例えば、一つの視野26は1mm角の矩形の領域であり、一つの視野26において撮影装置14による撮影により得られる断層画像は、解像度が5120×5120ピクセルで、8ビットのグレースケールの画像である。また、以上のように得られた断層画像において、飛跡Tは、黒点として記録される。
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12のハードウェア構成を説明する。図5に示すように、情報処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)30、一時記憶領域としてのメモリ31、及び不揮発性の記憶部32を含む。また、情報処理装置12は、液晶ディスプレイ等の表示部33、キーボードとマウス等の入力部34、ネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)35、及び撮影装置14が接続される外部I/F36を含む。CPU30、メモリ31、記憶部32、表示部33、入力部34、ネットワークI/F35、及び外部I/F36は、バス37に接続される。情報処理装置12の例としては、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等が挙げられる。
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部32には、情報処理プログラム40が記憶される。CPU30は、記憶部32から情報処理プログラム40を読み出してからメモリ31に展開し、展開した情報処理プログラム40を実行する。
次に、図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の機能的な構成について説明する。図6に示すように、情報処理装置12は、取得部50、導出部52、及び特定部54を含む。CPU30が情報処理プログラム40を実行することで、取得部50、導出部52、及び特定部54として機能する。
取得部50は、原子核乾板NPを撮影装置14によってZ方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得する。前述したように、この複数の断層画像は、各視野26の各乳剤層ELに対応して得られる。
導出部52は、取得部50により取得された各断層画像のコントラスト値として、各断層画像の各画素の輝度値の標準偏差を導出する。なお、導出部52は、断層画像のコントラスト値として、断層画像の各画素の輝度値の分散を導出してもよい。また、導出部52は、断層画像のコントラスト値として、断層画像の輝度値の最大値と最小値との差を導出してもよい。すなわち、断層画像のコントラスト値として、断層画像の各画素の輝度値のばらつき(不均一さ)の程度を示す統計値を用いることができる。
図7及び図8を参照して、コントラスト値について具体的に説明する。なお、図7及び図8ともに、内容を分かり易くするために、5×5ピクセルの断層画像を例としている。また、図7及び図8の例における各矩形内の数字は、各画素の輝度値(すなわち、画素値)を示している。
図7に示す断層画像では、輝度値の平均値は、次の(1)式に従って、202.8と算出される。
(200+180+210+・・・+220+230+200)÷25=202.8・・・(1)
また、図7に示す断層画像では、輝度値の分散は、次の(2)式に従って、164.16と算出される
((200−202.8)×(200−202.8)+(180−202.8)×(180−202.8)+・・・+(230−202.8)×(230−202.8)+(200−202.8)×(200−202.8))÷25=164.16・・・(2)
従って、図7に示す断層画像のコントラスト値である輝度値の標準偏差は、分散である164.16の平方根であるため、12.81となる。
同様に、図8に示す断層画像では、輝度値の平均値は、182と算出され、輝度値の分散は、2328と算出され、コントラスト値である輝度値の標準偏差は、48.24と算出される。
図7の断層画像よりも図8の断層画像の方が、中心部に黒点に近い要素があり、黒点を含む断層画像の方が、コントラスト値が高くなると考えられる。
図9に、1つの視野26についての各断層画像のコントラスト値の一例を示す。図9の縦軸は、断層画像のコントラスト値を示し、横軸は、断層画像のZ方向の位置を示し、左側が上層側で右側が下層側である。なお、ここでいう上層とは、撮影装置14側の層を意味し、下層とは、光源24側の層を意味する。図9に示すように、断層画像のコントラスト値は、乳剤層ELのZ方向に沿った端部の層から中心の層に向けて大きくなる傾向がある。これは、乳剤層ELのZ方向に沿った中心に近づくにつれて、黒点がはっきりと記録されるためと考えられる。
そこで、特定部54は、取得部50により取得された全ての断層画像のうち、導出部52により導出されたコントラスト値が最大である断層画像の層を乳剤層ELのZ方向に沿った中心と特定する。そして、特定部54は、特定した中心からZ方向に沿って一定の距離に位置する層を乳剤層ELのZ方向の端部の層であると特定する。本実施形態に係る特定部54は、上記一定の距離として、予め得られた現像後の乳剤層ELの厚みの半分の値を用いる。
具体的な例として、1つの乳剤層ELについて60層の断層画像が得られたとして、上層側から30層目が中心の層であると特定部54により特定された場合について説明する。また、この場合に、現像後の乳剤層ELの平均的な厚みが断層画像の24層分に相当する厚みであると予め得られているものとする。
この場合、特定部54は、上層側から18(=30−24÷2)層目を乳剤層ELのZ方向の上層側の端部の層であると特定し、上層側から42(=30+24÷2)層目を乳剤層ELのZ方向の下層側の端部の層であると特定する。
なお、特定部54の乳剤層ELのZ方向の端部の層の特定手法は、上記の例に限定されない。例えば、特定部54は、上記一定の距離として、予め得られた現像後の乳剤層ELの厚みに、乳剤層ELの屈折率に応じた比率を乗じて得られた値を用いてもよい。具体的な例として、1つの乳剤層ELについて60層の断層画像が得られたとして、上層側から30層目が中心の層であると特定部54により特定された場合について説明する。また、この場合に、現像後の乳剤層ELの厚みが断層画像の24層分に相当する厚みであると予め得られているものとする。
一般的には、乳剤層ELの屈折率は、撮影装置14から離れるほど、すなわち、下の層になるほど、屈折率が高くなることが多い。そこで、例えば、特定部54は、屈折率に応じて、現像後の乳剤層ELの中心から上層側の厚みと下層側の厚みとの比率が5:7であると特定する。すなわち、乳剤層ELの中央から上層側の厚みは10(=24×5÷12)層に相当し、乳剤層ELの中央から下層側の厚みは14(=24×7÷12)層に相当する。この場合、特定部54は、上層側から20(=30−10)層目を乳剤層ELのZ方向の上層側の端部の層であると特定し、上層側から44(=30+14)層目を乳剤層ELのZ方向の下層側の端部の層であると特定する。
また、例えば、特定部54は、上記一定の距離として、特定した中心を焦点位置とする断層画像のコントラスト値に、予め定められたコントラスト値の最大値に対する最小値の比率を乗じて得られた値に対応する断層画像の層までの距離を用いてもよい。
具体的な例として、1つの乳剤層ELについて60層の断層画像が得られたとして、上層側から30層目が乳剤層ELのZ方向の中心であると特定部54により特定された場合について説明する。また、この場合に、断層画像のコントラスト値の最大値が6.0以上で、最小値が3.0以下であると実験等により分かっている、すなわち、断層画像のコントラスト値の最大値に対する最小値の比率が0.5である場合について説明する。
この場合に、特定部54により中心であると特定された断層画像のコントラスト値が6.0で、他の断層画像のコントラスト値が図10に示す値だったとする。この場合、中心であると特定された断層画像のコントラスト値に、コントラスト値の最大値に対する最小値の比率を乗じて得られた値は3.0(=6.0×0.5)となる。そこで、特定部54は、中心から上層側で、コントラスト値が3.0を間に挟む2つの層(図10の例では18層目の層と19層目の層)のうち、中心側の層(図10の例では19層目の層)を乳剤層ELのZ方向の上層側の端部の層であると特定する。更に、特定部54は、中心から下層側で、コントラスト値が3.0を間に挟む2つの層(図10の例では39層目の層と40層目の層)のうち、中心側の層(図10の例では39層目の層)を乳剤層ELのZ方向の下層側の端部の層であると特定する。なお、この形態例において、特定部54は、中心から上層側で、コントラスト値が3.0を間に挟む2つの層のうち、上層側の層(図10の例では18層目の層)を乳剤層ELのZ方向の上層側の端部の層であると特定してもよい。更に、特定部54は、中心から下層側で、コントラスト値が3.0を間に挟む2つの層のうち、下層側の層(図10の例では40層目の層)を乳剤層ELのZ方向の下層側の端部の層であると特定してもよい。
次に、図11を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の作用を説明する。CPU30が情報処理プログラム40を実行することによって、図11に示す特定処理が実行される。ユーザによって入力部34を介して撮影開始の指示が入力されると、撮影装置14は、視野26毎で、かつ乳剤層EL毎に撮影して得られた複数の断層画像を情報処理装置12に出力する。撮影装置14から複数の断層画像が入力される都度、図11に示す特定処理が実行される。すなわち、図11に示す特定処理は、各視野26の各乳剤層ELについて実行される。
図11のステップS10で、取得部50は、原子核乾板NPを撮影装置14によってZ方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得する。ステップS12で、導出部52は、前述したように、ステップS10の処理により取得された各断層画像のコントラスト値として、各断層画像の各画素の輝度値の標準偏差を導出する。
ステップS14で、特定部54は、ステップS10の処理により取得された全ての断層画像のうち、ステップS12の処理により導出されたコントラスト値が最大である断層画像の層を乳剤層ELのZ方向に沿った中心と特定する。ステップS16で、特定部54は、前述したように、ステップS14の処理により特定した中心からZ方向に沿って一定の距離に位置する上層側及び下層側の層をそれぞれ乳剤層ELのZ方向の端部の層であると特定する。ステップS16の処理が終了すると、本特定処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザー変位計等の専用の部材を設けなくても、乳剤層ELのZ方向の端部の層を特定することができる。
以上のように特定された乳剤層ELのZ方向の端部の層の断層画像と、乳剤層ELのZ方向の端部の層の間の層の断層画像と、を用いて、飛跡Tが抽出される。この飛跡Tの抽出は、例えば、特開2010−101676号公報に記載の手法のように、複数の断層画像を飛跡Tの角度に応じたシフト量でシフトさせながら重ね合わせて行われる。
本実施形態では、飛跡Tの抽出処理の処理対象とする断層画像の数を低減している。従って、本実施形態によれば、全ての断層画像を処理対象とする場合に比較して、原子核乾板NPから荷電粒子の飛跡Tを抽出する処理の所要時間を短縮することができる。
また、例えば、特定された乳剤層ELのZ方向の端部の層の位置に基づいて、次の視野26のZ方向の撮影範囲を定めることによって、断層画像の撮影時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態において、導出部52は、断層画像を複数の領域に分割し、分割された各領域についてコントラスト値を導出してもよい。この場合、特定部54は、1枚の断層画像全体のコントラスト値として、断層画像が分割された全ての領域の各々について、導出部52により導出されたコントラスト値の統計量を用いる形態が例示される。この場合の統計量の例としては、平均値、中央値、合計値、又は最大値等が挙げられる。また、この場合の領域のサイズとしては、例えば、256×256ピクセルが挙げられる。
例えば、光学顕微鏡等の撮影装置では、視野の中心部分が明るく、周辺部分が暗くなる現象、すなわち、周辺減光と呼ばれる現象が生じる場合がある。この場合、断層画像内に黒点がはっきり記録されていなくても、コントラスト値が大きくなってしまう場合がある。この場合、乳剤層ELのZ方向に沿った中心を精度良く特定できなくなってしまう場合がある。このような場合でも、断層画像が分割された複数の領域の各々についてコントラスト値を導出し、そのコントラスト値の統計量を断層画像全体のコントラスト値として用いることによって、乳剤層ELのZ方向に沿った中心を精度良く特定できる。
また、上記実施形態において、例えば、取得部50、導出部52、及び特定部54といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
また、上記実施形態では、情報処理プログラム40が記憶部32に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム40は、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム40は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 情報処理システム
12 情報処理装置
14 撮影装置
16 カメラ本体
18 ピエゾステージ
20 対物レンズ
22 XYステージ
24 光源
26 視野
30 CPU
31 メモリ
32 記憶部
33 表示部
34 入力部
35 ネットワークI/F
36 外部I/F
37 バス
40 情報処理プログラム
50 取得部
52 導出部
54 特定部
EL 乳剤層
FB フィルムベース
NP 原子核乾板
T 飛跡

Claims (9)

  1. 基材層と、荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって前記原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得する取得部と、
    前記複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を前記飛跡記録層の前記厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から前記厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を前記飛跡記録層の前記厚み方向の端部の層であると特定する特定部と、
    を備えた情報処理装置。
  2. 前記コントラスト値は、前記断層画像の各画素の輝度値の標準偏差である
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記断層画像が分割された複数の領域の各々について前記コントラスト値を導出する導出部を備え、
    前記特定部は、前記断層画像全体のコントラスト値として、前記導出部により前記複数の領域の各々について導出されたコントラスト値の統計量を用いる
    請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記統計量は、平均値又は中央値である
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記一定の距離は、前記飛跡記録層の厚みの半分の値である
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記一定の距離は、前記飛跡記録層の厚みに、前記飛跡記録層の屈折率に応じた比率を乗じて得られた値である
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記一定の距離は、前記特定部が特定した中心を焦点位置とする前記断層画像の前記コントラスト値に、予め定められた前記コントラスト値の最大値に対する最小値の比率を乗じて得られた値に対応する断層画像の層までの距離である
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. 基材層と、荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって前記原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得し、
    前記複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を前記飛跡記録層の前記厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から前記厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を前記飛跡記録層の前記厚み方向の端部の層であると特定する
    処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
  9. 基材層と、荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡が潜像として記録される飛跡記録層とが積層された原子核乾板を撮影装置によって前記原子核乾板の厚み方向に沿った焦点位置を変えながら撮影して得られた複数の断層画像を取得し、
    前記複数の断層画像のうち、コントラスト値が最大である断層画像の層を前記飛跡記録層の前記厚み方向に沿った中心と特定し、かつ特定した中心から前記厚み方向に沿って一定の距離に位置する層を前記飛跡記録層の前記厚み方向の端部の層であると特定する
    処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
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