JP2020159810A - 超音波流量計、超音波流量計測システムおよび超音波流量計測方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された超音波流量計では、上流側トランスデューサによって送信された超音波が、下流側トランスデューサにおいて受信され、制御部が、上流から下流への超音波の伝播時間を算出する。また、下流側トランスデューサによって送信された超音波が、上流側トランスデューサにおいて受信され、制御部が、下流から上流への超音波の伝播時間を算出する。更に、制御部が、下流から上流への超音波の伝播時間から、上流から下流への超音波の伝播時間を減算して伝播時間差を算出し、伝搬時間差を用いて流体の流速および流量を演算する。
同様に、上流側トランスデューサは、下流側トランスデューサから送信された超音波を受信するのみならず、ガイド波(雑音)も受信する。つまり、上流側トランスデューサが出力する受信信号には、下流側トランスデューサから送信され上流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号が含まれるのみならず、ガイド波(雑音)の受信信号も含まれる。
そのため、下流側トランスデューサが出力する受信信号においては、上流側トランスデューサから送信され下流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号が、下流側トランスデューサによって受信されたガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまい、その結果、上流側トランスデューサから送信され下流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号を把握することができなくなる。
同様に、管路の内部を流れる流体が、液体ではなく、例えば気体、蒸気などである場合には、上流側トランスデューサが出力する受信信号の全体における、上流側トランスデューサによって受信されたガイド波(雑音)の受信信号の割合が大きくなる。つまり、上流側トランスデューサが出力する受信信号の全体における、下流側トランスデューサから送信され上流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号の割合が小さくなる。
そのため、上流側トランスデューサが出力する受信信号においては、下流側トランスデューサから送信され上流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号が、上流側トランスデューサによって受信されたガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまい、その結果、下流側トランスデューサから送信され上流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号を把握することができなくなる。
同様に、本発明者等は、下流側トランスデューサが超音波を複数回送信し、上流側トランスデューサが下流側トランスデューサから複数回送信された超音波を受信して複数回分の受信信号を出力し、下流側トランスデューサから送信された超音波を上流側トランスデューサが受信する期間を含む期間中の各時刻における複数回分の受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかを算出することによって、ガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっていた、下流側トランスデューサから送信され上流側トランスデューサによって受信された超音波の受信信号が、顕在化することを見い出したのである。
すなわち、本発明は、ガイド波の受信信号に埋もれている超音波の受信信号を顕在化させることができる超音波流量計、超音波流量計測システムおよび超音波流量計測方法を提供することを目的とする。
図1は第1実施形態の超音波流量計1の一例などを示す図である。詳細には、図1(A)は第1実施形態の超音波流量計1の一例を示しており、図1(B)は第1実施形態の超音波流量計1が適用される配管Aと第1実施形態の超音波流量計1の第1超音波トランスデューサ11および第2超音波トランスデューサ12との位置関係の一例を示している。
図1に示す例では、超音波流量計1が、配管A内を流れる流体の流量を計測する。超音波流量計1は、第1超音波トランスデューサ11と、第2超音波トランスデューサ12と、演算部13と、制御部14とを備えている。
第1超音波トランスデューサ11は、送信部11Aと、受信部11Bとを備えており、第2超音波トランスデューサ12は、送信部12Aと、受信部12Bとを備えている。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aは、超音波を送信し、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。詳細には、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aは、超音波を送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。詳細には、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bは、受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
第2超音波トランスデューサ12は、第1超音波トランスデューサ11よりも、配管A内を流れる流体の流れ(図1(A)の右向き)の下流側(図1(A)の右側)に配置されている。
他の例では、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で1回反射した後に第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信され、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で1回反射した後に第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信されるように、第1超音波トランスデューサ11と第2超音波トランスデューサ12とが配置され、いわゆるV法の流体の流量計測が行われてもよい。
更に他の例では、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で2回反射した後に第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信され、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で2回反射した後に第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信されるように、第1超音波トランスデューサ11と第2超音波トランスデューサ12とが配置され、いわゆるN法の流体の流量計測が行われてもよい。
詳細には図1に示す例では、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
更に、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aも超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
また、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、演算部13が、第1受信信号取得部13Aと、第2受信信号取得部13Bと、第1標準偏差算出部13Cと、第2標準偏差算出部13Dと、第1超音波受信時刻算出部13Eと、第2超音波受信時刻算出部13Fと、第1超音波伝播時間算出部13Gと、第2超音波伝播時間算出部13Hと、伝播時間差算出部13Jと、流量算出部13Kとを備えている。
図1に示す例では、演算部13が、第1超音波受信時刻算出部13Eと、第2超音波受信時刻算出部13Fと、第1超音波伝播時間算出部13Gと、第2超音波伝播時間算出部13Hとを備えているが、他の例では、演算部13が、第1超音波受信時刻算出部13Eと、第2超音波受信時刻算出部13Fと、第1超音波伝播時間算出部13Gと、第2超音波伝播時間算出部13Hとを備えていなくてもよい。
第2受信信号取得部13Bは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号(つまり、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信して電圧信号に変換したもの)を取得する。詳細には、第2受信信号取得部13Bは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された複数回分の受信信号(電圧信号)を取得する。
また、第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(B)参照)を描くことができる程度の時間間隔で、複数の時刻における受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
詳細には、第1標準偏差算出部13Cは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波を、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが受信する受信期間(詳細には、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが受信すると予測される受信期間)T4A〜T4B(図3(B)参照)を含む期間(つまり、受信期間よりも長い期間)T0〜T3(図3(A)参照)中の各時刻における複数回分の受信信号の標準偏差同等値を算出する。
すなわち、第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信期間T4A〜T4Bを含む期間T0〜T3中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
その結果、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信期間T4A〜T4Bを含む期間T0〜T3中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(A)および図3(B)参照)が得られる。
また、第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(B)参照)を描くことができる程度の時間間隔で、複数の時刻における受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
詳細には、第2標準偏差算出部13Dは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波を、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが受信する受信期間(詳細には、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが受信すると予測される受信期間)T5A〜T5B(図3(B)参照)を含む期間(つまり、受信期間よりも長い期間)T0〜T3(図3(A)参照)中の各時刻における複数回分の受信信号の標準偏差同等値を算出する。
すなわち、第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信期間T5A〜T5Bを含む期間T0〜T3中の各時刻における複数回分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
その結果、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信期間T5A〜T5Bを含む期間T0〜T3中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(A)および図3(B)参照)が得られる。
詳細には、第1超音波受信時刻算出部13Eは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信期間T4A〜T4Bを含む期間T0〜T3中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(A)および図3(B)参照)に基づいて、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)を算出する。
詳細には、第2超音波受信時刻算出部13Fは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信期間T5A〜T5Bを含む期間T0〜T3中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(A)および図3(B)参照)に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
第2超音波伝播時間算出部13Hは、第2超音波受信時刻算出部13Fによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図3(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図2(A)および図3(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出する。
他の例では、伝播時間差算出部13Jが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)とを用いることなく、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出してもよい。
具体的には、伝播時間差算出部13Jは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理(例えば特開2016−180679号公報に記載されているような公知の相関処理)を実行することによって、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出することができる。
図3は演算部13の第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3と、演算部13の第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4とを図2に追記した図である。図3(A)および図3(B)の縦軸は電圧[V]および標準偏差[V]を示しており、図3(A)および図3(B)の横軸は時刻[μs]を示している。
図2(A)および図2(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図2(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図2(A)および図2(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図2(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
詳細には、第1受信信号取得部13Aは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから例えば5000回送信された超音波などを受信した第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号の時間波形の平均(図2および図3に「W1」で示す時間波形)を取得する。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回数分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図3(A)および図3(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
つまり、図3(A)および図3(B)の時間波形W3は、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回数分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
詳細には、第2受信信号取得部13Bは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから例えば5000回送信された超音波などを受信した第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号の時間波形の平均(図2および図3に「W2」で示す時間波形)を取得する。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回数分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図3(A)および図3(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
つまり、図3(A)および図3(B)の時間波形W4は、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回数分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Hは、第2超音波受信時刻算出部13Fによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図3(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図2(A)および図3(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Jは、第1超音波伝播時間算出部13Gによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A−T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Gが伝播時間(例えば伝播時間(T4A−T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Jが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出してもよい。
図2および図3に示す例では、流量算出部13Kは、伝播時間差算出部13Jによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、図4(A)に示す比較例では、標準偏差の算出が行われることなく、例えば時間波形W1、W2(図2および図3参照)などのような超音波トランスデューサの受信部によって出力される5000回分の受信信号の時間波形を用いることによって、伝播時間差を算出した。
一方、図4(B)に示す第1実施形態の超音波流量計1の実施例では、第1標準偏差算出部13Cおよび第2標準偏差算出部13Dによる標準偏差の算出結果を用いて、伝播時間差を算出した。
詳細には、図4(A)および図4(B)において、実線は、空気単相流での実験を別途行い求めた線を示しており、破線は、流量計の誤差に基づく計測誤差の範囲を示している。
図4(A)に示す比較例では、実線および破線から大きく外れる点が4点確認される。一方、図4(B)に示す第1実施形態の超音波流量計1の実施例では、図4(A)に示す比較例と同一の条件下においても、伝播時間差を良好に算出することができた。
図5(A)に示す例では、ステップS11Aにおいて、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS11Bでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS11Aにおいて第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS11Cでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS11Bにおいて受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS11Dでは、演算部13の第1受信信号取得部13Aが、ステップS11Cにおいて出力された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS11Eでは、例えば制御部14が、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図5(A)に示すルーチンを終了する。一方、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS11Aに戻る。
次いで、ステップS12Bでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS12Aにおいて第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS12Cでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS12Bにおいて受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS12Dでは、演算部13の第2受信信号取得部13Bが、ステップS12Cにおいて出力された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS12Eでは、例えば制御部14が、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図5(B)に示すルーチンを終了する。一方、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS12Aに戻る。
図5(C)に示す例では、ステップS13Aにおいて、演算部13の第1標準偏差算出部13Cが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信期間T4A〜T4Bを含む期間T0〜T3中の各時刻における上述した回数分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
また、ステップS13Bでは、演算部13の第2標準偏差算出部13Dが、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信期間T5A〜T5Bを含む期間T0〜T3中の各時刻における上述した回数分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
また、ステップS13Dでは、演算部13の第2超音波受信時刻算出部13Fが、ステップS13Bにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
また、ステップS13Fでは、演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Hが、ステップS13Dにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出する。
次いで、ステップS13Hでは、演算部13の流量算出部13Kが、ステップS13Gにおいて算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、図2(B)に時間波形W1で示すように、ガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信され第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信された超音波の受信信号を、図3(B)に時間波形W3で示すように顕在化することができる。
標準偏差同等値を算出すると、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信信号が(流速の揺らぎがあるため)大きくなるのに対し、基本的にガイド波は大きな振幅を持つが時間的にその振幅は変動しないので標準偏差同等値が小さいからである。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、図2(B)に時間波形W2で示すように、ガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信された超音波の受信信号を、図3(B)に時間波形W4で示すように顕在化することができる。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、例えば図2(B)に示すようにガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信され第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W1に基づいて算出される場合よりも高精度に、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)を算出することができる。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、例えば図2(B)に示すようにガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W2に基づいて算出される場合よりも高精度に、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出することができる。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、例えば図2(B)に示すようにガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信され第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W1に基づいて算出される場合よりも高精度に、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T4A−T0))を算出することができる。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、例えば図2(B)に示すようにガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W2に基づいて算出される場合よりも高精度に、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出することができる。
そのため、第1実施形態の超音波流量計1では、例えば図2(B)に示すようにガイド波(雑音)の受信信号に埋もれてしまっている、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信され第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W1と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信された超音波の受信信号の時間波形W2とに基づいて算出される場合よりも高精度に、配管A内を流れる流体の流量を算出することができる。
エネルギーの有効利用の観点から、工場などの既設配管において蒸気流量を計測することが重要とされる。その手法の一つとして、第1実施形態の超音波流量計1を適用したクランプオン式超音波流量計が考えられる。
クランプオン式超音波流量計を用いて蒸気流量を計測する場合、蒸気と配管の音響インピーダンスの違いによる透過強度の低下、高温によるウェッジ材・センサ感度の低下、蒸気の湿りによる液滴・液膜の影響により、超音波透過強度が低下する。
第1実施形態の超音波流量計1を適用したクランプオン式超音波流量計では、低信号ノイズ比条件下においても、配管A内を流れる流体の流量を適切に算出することができる。
第1実施形態の超音波流量計1を適用することにより、蒸気流量計測の実現によるエネルギーマネジメントへの応用の他、従来、伝播時間差式流量計では困難であった条件(低圧気体、天然ガスなどの混相流)において、計測を可能とする可能性がある。
蒸気を主力熱源とする工場などでは、省エネルギー、エネルギー診断から最適なエネルギーシステムの提案、設計などを行うESP(エネルギーサービスプロバイダ)の観点から、蒸気流量計測を行うことが望まれる。第1実施形態の超音波流量計1を適用して蒸気流量計測を行うことによって、蒸気管を抜管する必要なく、蒸気の流量を把握することができる。第1実施形態の超音波流量計1を適用して蒸気流量計測を行うことにより、ガイド波(雑音)が大きい場合であっても、適切に蒸気の流量を計測することができ、省エネルギーに資することができる。
以下、本発明の超音波流量計、超音波流量計測システムおよび超音波流量計測方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の超音波流量計測システムSは、後述する点を除き、上述した第1実施形態の超音波流量計1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の超音波流量計測システムSによれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の超音波流量計1と同様の効果を奏することができる。
図6に示す例では、超音波流量計測システムSが、配管A(図1(B)参照)内を流れる流体の流量を計測する。超音波流量計測システムSは、超音波流量計1と、演算部2とを備えている。演算部2は、例えば配管Aから離れた位置に配置される。
図1に示す例では、超音波流量計1が、第1超音波トランスデューサ11と、第2超音波トランスデューサ12と、演算部13と、制御部14とを備えているが、図6に示す例では、超音波流量計1が、第1超音波トランスデューサ11、第2超音波トランスデューサ12および制御部14の他に、記憶部15を備えており、演算部13を備えていない。
記憶部15は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号などを記憶する。
詳細には図6に示す例では、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
更に、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aも超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
また、配管A内を流れる流体の流量を算出するために、演算部2が、第1受信信号取得部2Aと、第2受信信号取得部2Bと、第1標準偏差算出部2Cと、第2標準偏差算出部2Dと、第1超音波受信時刻算出部2Eと、第2超音波受信時刻算出部2Fと、第1超音波伝播時間算出部2Gと、第2超音波伝播時間算出部2Hと、伝播時間差算出部2Jと、流量算出部2Kとを備えている。
図6に示す例では、演算部2が、第1超音波受信時刻算出部2Eと、第2超音波受信時刻算出部2Fと、第1超音波伝播時間算出部2Gと、第2超音波伝播時間算出部2Hとを備えているが、他の例では、演算部2が、第1超音波受信時刻算出部2Eと、第2超音波受信時刻算出部2Fと、第1超音波伝播時間算出部2Gと、第2超音波伝播時間算出部2Hとを備えていなくてもよい。
他の例では、伝播時間差算出部2Jが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)とを用いることなく、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出してもよい。
具体的には、伝播時間差算出部2Jは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理(例えば特開2016−180679号公報に記載されているような公知の相関処理)を実行することによって、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))を算出することができる。
図7(A)に示す例では、ステップS21Aにおいて、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS21Bでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS21Aにおいて第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS21Cでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS21Bにおいて受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS21Dでは、記憶部15が、ステップS21Cにおいて出力された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を記憶する。
次いで、ステップS21Eでは、例えば制御部14が、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図7(A)に示すルーチンを終了する。一方、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS21Aに戻る。
次いで、ステップS22Bでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS22Aにおいて第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS22Cでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS22Bにおいて受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS22Dでは、記憶部15が、ステップS22Cにおいて出力された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を記憶する。
次いで、ステップS22Eでは、例えば制御部14が、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図7(B)に示すルーチンを終了する。一方、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS22Aに戻る。
図7(C)に示す例では、ステップS23Xにおいて、演算部2の第1受信信号取得部2Aが、ステップS21Dにおいて記憶された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
また、ステップS23Yでは、演算部2の第2受信信号取得部2Bが、ステップS22Dにおいて記憶された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
また、ステップS23Bでは、演算部2の第2標準偏差算出部2Dが、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信期間T5A〜T5Bを含む期間T0〜T3中の各時刻における上述した回数分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
また、ステップS23Dでは、演算部2の第2超音波受信時刻算出部2Fが、ステップS23Bにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
また、ステップS23Fでは、演算部2の第2超音波伝播時間算出部2Hが、ステップS23Dにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A−T0))を算出する。
次いで、ステップS23Hでは、演算部2の流量算出部2Kが、ステップS23Gにおいて算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A−T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
Claims (9)
- 配管内を流れる流体の流量を計測する超音波流量計であって、
第1超音波を送信する第1送信部と第1受信部とを有する第1超音波トランスデューサと、
第2超音波を送信する第2送信部と第2受信部とを有し、前記第1超音波トランスデューサよりも前記流体の流れの下流側に配置された第2超音波トランスデューサと、
前記第1超音波を受信した前記第2受信部によって出力される第1受信信号と、前記第2超音波を受信した前記第1受信部によって出力される第2受信信号とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出することによって、前記流体の流量を算出する演算部とを備え、
前記第1送信部は、前記第1超音波を複数回送信し、
前記第2送信部は、前記第2超音波を複数回送信し、
前記第2受信部は、前記第1送信部から複数回送信された前記第1超音波を受信して、複数回分の前記第1受信信号を出力し、
前記第1受信部は、前記第2送信部から複数回送信された前記第2超音波を受信して、複数回分の前記第2受信信号を出力し、
前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第1受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出すると共に、
前記第1受信部による前記第2超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第2受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する、
超音波流量計。 - 前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第1標準偏差算出部と、
前記第1受信部による前記第2超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第2標準偏差算出部と、
前記第1標準偏差算出部によって算出された前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値と、前記第2標準偏差算出部によって算出された前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出する伝播時間差算出部とを備える、
請求項1に記載の超音波流量計。 - 前記伝播時間差算出部は、
前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理を実行することによって、前記伝播時間差を算出する、
請求項2に記載の超音波流量計。 - 前記演算部は、
前記伝播時間差算出部によって算出された前記伝播時間差に基づいて、前記配管内を流れる前記流体の流量を算出する流量算出部を備える、
請求項2または請求項3に記載の超音波流量計。 - 配管内を流れる流体の流量を計測する超音波流量計測システムであって、
前記超音波流量計測システムは、超音波流量計と、演算部とを備え、
前記超音波流量計は、
第1超音波を送信する第1送信部と第1受信部とを有する第1超音波トランスデューサと、
第2超音波を送信する第2送信部と第2受信部とを有し、前記第1超音波トランスデューサよりも前記流体の流れの下流側に配置された第2超音波トランスデューサとを備え、
前記演算部は、
前記第1超音波を受信した前記第2受信部によって出力される第1受信信号と、前記第2超音波を受信した前記第1受信部によって出力される第2受信信号とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出することによって、前記流体の流量を算出し、
前記第1送信部は、前記第1超音波を複数回送信し、
前記第2送信部は、前記第2超音波を複数回送信し、
前記第2受信部は、前記第1送信部から複数回送信された前記第1超音波を受信して、複数回分の前記第1受信信号を出力し、
前記第1受信部は、前記第2送信部から複数回送信された前記第2超音波を受信して、複数回分の前記第2受信信号を出力し、
前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第1受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出すると共に、
前記第1受信部による前記第2超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第2受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する、
超音波流量計測システム。 - 前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第1標準偏差算出部と、
前記第1受信部による前記第2超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第2標準偏差算出部と、
前記第1標準偏差算出部によって算出された前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値と、前記第2標準偏差算出部によって算出された前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出する伝播時間差算出部とを備える、
請求項5に記載の超音波流量計測システム。 - 前記伝播時間差算出部は、
前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理を実行することによって、前記伝播時間差を算出する、
請求項6に記載の超音波流量計測システム。 - 前記演算部は、
前記伝播時間差算出部によって算出された前記伝播時間差に基づいて、前記配管内を流れる前記流体の流量を算出する流量算出部を備える、
請求項6または請求項7に記載の超音波流量計測システム。 - 第1超音波を送信する第1送信部と第1受信部とを有する第1超音波トランスデューサと、
第2超音波を送信する第2送信部と第2受信部とを有し、前記第1超音波トランスデューサよりも流体の流れの下流側に配置された第2超音波トランスデューサと
を用いて配管内を流れる前記流体の流量を計測する超音波流量計測方法であって、
前記第1超音波を受信した前記第2受信部によって出力される第1受信信号と、前記第2超音波を受信した前記第1受信部によって出力される第2受信信号とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出することによって、前記流体の流量を算出する演算ステップと、
前記第1送信部が前記第1超音波を複数回送信する第1超音波送信ステップと、
前記第2送信部が前記第2超音波を複数回送信する第2超音波送信ステップと、
前記第2受信部が、前記第1送信部から複数回送信された前記第1超音波を受信して、複数回分の前記第1受信信号を出力する第1受信信号出力ステップと、
前記第1受信部が、前記第2送信部から複数回送信された前記第2超音波を受信して、複数回分の前記第2受信信号を出力する第2受信信号出力ステップとを備え、
前記演算ステップには、
前記第2受信部による前記第1超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第1受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第1受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第1受信信号振幅標準偏差算出ステップと、
前記第1受信部による前記第2超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における複数回分の前記第2受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである前記第2受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する第2受信信号振幅標準偏差算出ステップとが含まれる、
超音波流量計測方法。
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