JP2020159469A - 変速機および車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性を向上することが可能な変速機および車両を提供する。【解決手段】変速機は、第1回転軸と、ドグ歯を有し、第1回転軸と同軸で、第1回転軸に外嵌し、第1回転軸に対して相対回転可能な第2回転軸と、第1回転軸と一体回転し、前記ドグ歯に係合可能に配置される第1係合部と、第2回転軸と同軸で、第2回転軸に対して相対回転可能な、変速比が相互に異なる複数のギヤと、第2回転軸と一体回転し、複数のギヤに選択的に係合可能に配置される第2係合部と、第2係合部を複数のギヤのそれぞれに係合または複数のギヤのそれぞれから離脱させるアクチュエータと、少なくとも、第1係合部がドグ歯に係合することで第1回転軸と第2回転軸とが一体回転する場合、車両の走行状態に基づいて、第2係合部が複数のギヤの中の予め定められたギヤに係合するように、アクチュエータを制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、変速機および車両に関する。
近年の自動車の省燃費志向の流れの中で、エンジンのダウンサイジングが行われている。エンジンのダウンサイジングにおいて、例えば、排気量は小さくなるが、必要な仕事は過給機を用いて得られるようにしている。
例えば、特許文献1には、過給機付きのエンジンが開示されている。
ただし、過給機の中で最も一般的なターボチャージャの場合、発進の時点で過給が不十分となり、排気量相当のトルクしか得られない領域が存在する。故に、発進ギヤのローギヤ化(変速比を低くすること)が必要となる。一方で、高速巡航時の燃費向上のため、巡航ギヤのハイギヤ化(変速比を高くすること)が必要となる。
発進ギヤのローギヤ化および巡航ギヤのハイギヤ化は、発進ギヤと巡航ギヤとの間で変速比が拡大することを意味する。拡大した変速比間でギヤを滑らかにつなぐためには、変速機を多段化することが必要となる。
特開平1−110832号公報
しかしながら、変速機を多段化することは、変速操作における煩雑化を招き、高い熟練度を必要とする。
本開示の目的は、操作性を向上することが可能な変速機および車両を提供することである。
上記の目的を達成するため、本開示における変速機は、
第1回転軸と、
ドグ歯を有し、前記第1回転軸と同軸で、前記第1回転軸に外嵌し、前記第1回転軸に対して相対回転可能な第2回転軸と、
前記第1回転軸と一体回転し、前記ドグ歯に係合可能に配置される第1係合部と、
前記第2回転軸と同軸で、前記第2回転軸に対して相対回転可能な、変速比が相互に異なる複数のギヤと、
前記第2回転軸と一体回転し、前記複数のギヤに選択的に係合可能に配置される第2係合部と、
前記第2係合部を前記複数のギヤのそれぞれに係合または前記複数のギヤのそれぞれから離脱させるアクチュエータと、
少なくとも、前記第1係合部が前記ドグ歯に係合することで前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一体回転する場合、車両の走行状態に基づいて、前記第2係合部が前記複数のギヤの中の予め定められたギヤに係合するように、前記アクチュエータを制御する制御部と、
を備える。
本開示における車両は、
上記変速機を備える。
本開示によれば、変速機の操作性を向上することができる。
図1は、本開示の実施の形態における変速機の一例を概略的に示す図である 図2は、自動変速段装置の縦断面図である。 図3Aは、ドグブロックが相互に組み付けられた状態の一例を示す斜視図である。 図3Bは、ドグブロックの一例を示す斜視図である。 図3Cは、ドグブロックの一例を示す斜視図である。 図4Aは、自動変速段装置の縦断面図である。 図4Bは、1速主ローギヤ、1速主ハイギヤおよび環状体のそれぞれの一部を直線状に展開して示す図である。 図4Cは、1速主ローギヤ、1速主ハイギヤおよび環状体のそれぞれの一部を直線状に展開して示す図である。 図4Dは、自動変速段装置の縦断面図である。 図4Eは、1速主ローギヤ、1速主ハイギヤおよび環状体のそれぞれの一部を直線状に展開して示す図である。 図4Fは、1速主ローギヤ、1速主ハイギヤおよび環状体のそれぞれの一部を直線状に展開して示す図である。 図4Gは、自動変速段装置の縦断面図である。 図4Hは、1速主ローギヤ、1速主ハイギヤおよび環状体のそれぞれの一部を直線状に展開して示す図である。 図5Aは、動力伝達経路の一例を示す図である。 図5Bは、動力伝達経路の一例を示す図である。 図5Cは、動力伝達経路の一例を示す図である。 図5Dは、動力伝達経路の一例を示す図である。 図5Eは、動力伝達経路の一例を示す図である。 図6は、車両発進後におけるエンジン回転数および車速を示す図である。 図7は、自動変速段装置の制御の一例を示すフローチャートである。 図8Aは、変形例に係る変速機における自動変速段装置の構成の一部を直線状に展開して示す図である。 図8Bは、図8AのA−A断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における変速機1の一例を概略的に示す図である。図1にはX軸が描かれている。図1における左右方向を、X方向といい、左方向を「−X方向」、右方向を「+X方向」という。
本開示の実施の形態における変速機1は、図1に示すように、自動変速段装置100を備えている。自動変速段装置100は、変速機1における1速に設けられている。
先ず、変速機1の構成について簡単に説明する。なお、ここでは、自動変速段装置100の構成について簡単に言及する。自動変速段装置100の詳細については、後で説明する。
変速機1は、入力軸2と、主軸3(本開示の「第1回転軸」に対応)と、副軸4と、複数の主ギヤ5と、複数の副ギヤ6と、スリーブ71,72,73,74と、を備えている。
入力軸2には、エンジン(不図示)の動力がクラッチ20を介して伝達される。入力軸2にはインプットギヤ21が固定されている。
主軸3は、入力軸2と同軸に配置されている。主軸3はX方向に延在している。なお、本実施の形態においては、−X側から見た場合の主軸3の回転方向は、時計回りの方向であるとする。
副軸4は、主軸3と平行に配置されている。副軸4には、カウンターギヤ41が固定されている。カウンターギヤ41は、インプットギヤ21と噛合している。これにより、入力軸2に入力されたエンジンの動力は、インプットギヤ21およびカウンターギヤ41を介して副軸4に伝達される。
複数の主ギヤ5は、主軸3に回転可能に支持されている。複数の主ギヤ5は、2速主ギヤ52、3速主ギヤ53、5速主ギヤ55、6速主ギヤ56、および、後進主ギヤ57を有している。
複数の副ギヤ6は、副軸4に固定されている。複数の副ギヤ6は、2速副ギヤ62、3速副ギヤ63、5速副ギヤ65、6速副ギヤ66、および、後進副ギヤ67を有している。
2速主ギヤ52は、2速副ギヤ62と噛合している。3速主ギヤ53は、3速副ギヤ63と噛合している。5速主ギヤ55は、5速副ギヤ65と噛合している。6速主ギヤ56は、6速副ギヤ66と噛合している。後進主ギヤ57は、後進副ギヤ67とリバースアイドルギヤ58を介して噛合可能にされる。これにより、複数の主ギヤ5が予め定められた変速比で回転する。以下の説明で、「変速比」とは、副ギヤ6の歯数に対する主ギヤ5の歯数の割合をいう。
スリーブ71からスリーブ74は、手動により操作可能に構成される。具体的には、スリーブ71等は、伝達部材(コントロールシャフトや、コントロールケーブル、共に不図示)を介して運転席側のシフトレバー(不図示)と連結されている。スリーブ71等は、ドライバがシフトレバーを操作することにより、伝達部材を介して操作される。
スリーブ71は、入力軸2と主軸3との係合と、3速主ギヤ53と主軸3との係合とを選択的に行う。つまり、変速機1は、スリーブ71によって4速と3速とに切り替えられる。
スリーブ72は、6速主ギヤ56と主軸3との係合と、5速主ギヤ55と主軸3との係合とを選択的に行う。つまり、変速機1は、スリーブ72によって6速と5速とに切り替えられる。
スリーブ73(本開示の「第1係合部」に対応)は、2速主ギヤ52と主軸3との係合と、中空軸110(後述する)と主軸3との係合とを選択的に行う。中空軸110には、1速段を構成する1速主ハイギヤ140H(後述する)および1速主ローギヤ140L(後述する)が支持される。つまり、変速機1は、スリーブ73によって2速と1速とに切り替えられる。
スリーブ74は、後進主ギヤ57と主軸3との係合を行う。
次に、自動変速段装置100の詳細について図2を参照して説明する。図2は、自動変速段装置100の縦断面図である。なお、自動変速段装置100は、変速機1の中のいずれの走行段にも適用可能である。以下の説明では、一例として1速に適用された自動変速段装置100について説明する。
自動変速段装置100は、中空軸110(本開示の「第2回転軸」に対応)、ドグ歯120、カラー130、1速主ハイギヤ140H、1速主ローギヤ140L、ドグブロック150H,150L(本開示の「第2係合部」に対応する)、圧縮スプリング160、スリーブ170、球180、移動部材190、アクチュエータ200、および、制御部300を有する。
中空軸110は、2速主ギヤ52に隣接して配置される。中空軸110は、筒状部112と、スプライン部113,115と、フランジ部116とを有している。筒状部112は、主軸3に外嵌している。スプライン部113は、筒状部112の外周壁のX方向中央部に設けられている。また、スプライン部115は、筒状部112の外周壁の−X側端部に設けられている。
フランジ部116は、1速主ローギヤ140Lの+X側に配置され、かつ、1速主ローギヤ140Lの内径より大きな外径を有することによって、1速主ローギヤ140Lの+X方向の移動を阻止する。筒状部112の内周壁と主軸3の外周壁との間には、ベアリング118,118が介在している。中空軸110は、主軸3と同軸で配置される。中空軸110は、ベアリング118により主軸3に対して相対回転可能に支持される。
ワッシャー135は、1速主ローギヤ140Lの−X側に配置され、かつ、1速主ローギヤ140Lの内径より大きな外径を有することによって、1速主ローギヤ140Lの−X方向の移動を制限する。
カラー130は、1速主ローギヤ140Lと1速主ハイギヤ140Hとの間に配置される。カラー130は、貫通穴132と、スプライン部133,134とを有している。貫通穴132は、X方向に貫通している。スプライン部133は、貫通穴132の周壁に設けられている。スプライン部133は、筒状部112のスプライン部113に圧入される。カラー130は、スプライン部133がスプライン部113に圧入されることで、中空軸110に対する相対回転が不可となり、かつ、中空軸110に対するX方向の相対移動が不可となる。カラー130は、ワッシャー135の−X側壁面に当接している。
カラー130は、1速主ハイギヤ140Hの+X側に配置され、かつ、1速主ハイギヤ140Hの嵌合穴144Hの径より大きな外径を有することによって、1速主ハイギヤ140Hの+X方向の移動を阻止する。
スプライン部134は、カラー130の外周壁に設けられている。スプライン部134は、ドグブロック150H,150LをX方向に案内する。
ドグ歯120は、環形状を有する。ドグ歯120の内壁部にはスプライン部125が設けられている。スプライン部125は、筒状部112のスプライン部115に圧入されている。ドグ歯120は、スプライン部125がスプライン部115に圧入されることで、中空軸110に対する相対回転が不可となり、かつ、中空軸110に対するX方向の相対移動が不可となる。ドグ歯120にはスリーブ73が係合/離脱する。中空軸110は、スリーブ73がドグ歯120に係合した場合、主軸3に対する相対回転が不可となる。
ドグ歯120は、1速主ハイギヤ140Hの−X側に配置され、かつ、1速主ハイギヤ140Hの嵌合穴144Hの径より大きな外径を有することによって、1速主ハイギヤ140Hの−X方向の移動を制限する。
1速主ローギヤ140Lは、1速副ローギヤ61L(図1を参照)に噛合している。1速副ローギヤ61Lは副軸4に固定されている。
1速主ローギヤ140Lは、複数の歯部142Lと、嵌合穴144Lと、ドグ部148Lとを有している。複数の歯部142Lは1速主ローギヤ140Lの外周部には連設されている。嵌合穴144Lは、1速主ローギヤ140Lの中央部に設けられている。嵌合穴144Lは、X方向に貫通している。嵌合穴144Lは、中空軸110の+X側端部に外嵌している。
嵌合穴144Lの内周壁と中空軸110の外周壁との間には、ニードルベアリング146Lが介在している。1速主ローギヤ140Lは、ニードルベアリング146Lにより、中空軸110回りに回転可能に支持される。1速主ローギヤ140Lの−X側壁面にはドグ部148Lが設けられている。ドグ部148Lは、−X側壁面から−X方向に突出している。
1速主ハイギヤ140Hは、1速副ハイギヤ61H(図1を参照)に噛合している。1速副ハイギヤ61Hは副軸4に固定されている。
1速主ハイギヤ140Hは、複数の歯部142Hと、嵌合穴144Hと、ドグ部148Hとを有している。複数の歯部142Hは1速主ハイギヤ140Hの外周部には連設されている。嵌合穴144Hは、1速主ハイギヤ140Hの中央部に設けられている。嵌合穴144Hは、X方向に貫通している。嵌合穴144Hは、中空軸110の−X側端部に外嵌している。
嵌合穴144Hの内周壁と中空軸110の外周壁との間には、ニードルベアリング146Hが介在している。1速主ハイギヤ140Hは、ニードルベアリング146Hにより、中空軸110回りに回転可能に支持される。1速主ハイギヤ140Hの+X側壁面にはドグ部148Hが設けられている。ドグ部148Hは、+X側壁面から+X方向に突出している。
図3Aは、ドグブロック150L,150Hが相互に組み付けられた状態の一例を示す斜視図である。図3Bは、ドグブロック150Hの一例を示す斜視図である。図3Cは、ドグブロック150Lの一例を示す斜視図である。なお、図3Aから図3Cには、自動変速段装置100におけるドグブロック150L,150H以外の構成を省略して示す。また、図3Aから図3Cに、ドグブロック150L,150Hを−X側から見た場合の時計回り方向をCW1で示し、反時計回り方向をCW2で示す。以下の説明で、「回転方向」という場合は、主軸3の回転方向をいう。なお、前述するように、本実施の形態においては、−X側から見た場合の主軸3の回転方向は、時計回りの方向CW1である。
図2および図3Cに示すように、ドグブロック150Lは、1速主ローギヤ140Lと1速主ハイギヤ140Hとの間に配置されている。ドグブロック150Lは、リング部151Lと、複数のブロック152Lとを有している。
リング部151Lは、内径部153Lと、外径部154Lとを有している。内径部153Lは、スプライン部155Lを有している。スプライン部155Lは、X方向に案内されるようにスプライン部134(図2を参照)に嵌合する。外径部154Lは、複数のブロック152Lを各位置に固定する。リング部151Lは、ブロック152LのX方向中央部より+X側に寄った位置(ブロック152Lの+X側壁面とほぼ同じ位置)に配置される。
複数のブロック152Lは、外径部154Lに周方向に等間隔に配置されている。ブロック152Lは、第1ドグ1521Lおよび第2ドグ1522Lを有している。第1ドグ1521Lは、ブロック152Lの+X側壁面(リング部151L)から+X方向に突出している。第1ドグ1521Lは、回転方向において前側であって、回転方向に対して直交する直交面1531Lを有する。また、第1ドグ1521Lは、回転方向において後側であって、回転方向に対して−X方向へ傾斜する傾斜面1541Lを有する。
第2ドグ1522Lは、ブロック152Lの−X側壁面から−X方向に突出している。第2ドグ1522Lは、回転方向において後側であって、回転方向に対して直交する直交面1532Lを有する。また、第2ドグ1522Lは、回転方向において前側であって、回転方向に対して+X方向へ傾斜する傾斜面1542Lを有する。
図2および図3Bに示すように、ドグブロック150Hは、1速主ローギヤ140Lと1速主ハイギヤ140Hとの間に配置されている。ドグブロック150Hは、リング部151Hと、複数のブロック152Hとを有している。ドグブロック150Hは、ドグブロック150Lと対称的に構成されている。
リング部151Hは、内径部153Hと、外径部154Hとを有している。内径部153Hは、スプライン部155Hを有している。スプライン部155Hは、X方向に案内されるようにスプライン部134(図2を参照)に嵌合する。外径部154Hは、複数のブロック152Hを各位置に固定する。リング部151Hは、ブロック152HのX方向中央部より−X側に寄った位置(ブロック152Hの−X側壁面とほぼ同じ位置)に配置される。
複数のブロック152Hは、外径部154Hに周方向に等間隔に配置されている。ブロック152Hは、第1ドグ1521Hおよび第2ドグ1522Hを有している。第1ドグ1521Hは、ブロック152Hの−X側壁面(リング部151H)から−X方向に突出している。第1ドグ1521Hは、回転方向において前側であって、回転方向に対して直交する直交面1531Hを有する。また、第1ドグ1521Hは、回転方向において後側であって、回転方向に対して+X方向へ傾斜する傾斜面1541Hを有する。
第2ドグ1522Hは、ブロック152Hの+X側壁面から+X方向に突出している。第2ドグ1522Hは、回転方向において後側であて、回転方向に対して直交する直交面1532Hを有する。また、第2ドグ1522Hは、回転方向において前側であって、回転方向に対して−X方向へ傾斜する傾斜面1542Hを有する。
図3Aに示すように、ドグブロック150L,150Hは、相互に組み付けられている。ドグブロック150L,150Hが相互に組み付けられた状態においては、ドグブロック150Lにおける円周方向で隣接するドグブロック150L間の隙間に、ドグブロック150Hのブロック152Hが−X方向から嵌合している。ブロック152Lとブロック152Hとは、中空軸110回りに交互に連続して環状に配置される。以下の説明で、ドグブロック150L,150Hが相互に組み付けられた状態を、「環状体」という場合がある。図3Aに環状体150Rを示す。
ドグブロック150Lのブロック152Lは、収容部157Lを有している。収容部157Lは、ブロック152Lのリング部151Lとは反対側の壁面(外周壁面)に設けられている。同様に、ドグブロック150Hのブロック152Hは、収容部157Hを有している。収容部157Hは、ブロック152Hのリング部151Hとは反対側の壁面(外周壁面)に設けられている。
圧縮スプリング160は、収容部157Lに収容されている。同様に、圧縮スプリング160は、収容部157Hに収容されている。
スリーブ170は、円環形状を有している。スリーブ170は、内周壁部172と外周壁部174とを有している。スリーブ170は、環状体150Rに外嵌している。つまり、内周壁部172は、ブロック152L,152Hの外周壁面と対向している。
内周壁部172は、断面V字形状のV字状溝173を有している。V字状溝173は、X方向両端からX方向中央に向かって徐々に深く(中空軸110から径方向で離れるように)なっている。つまり、V字状溝173は、+X端から−X方向に向かって外径方向に傾斜する傾斜面と、−X端から+X方向に向かって外径方向に傾斜する傾斜面とを有している。外周壁部174は、嵌合溝175を有している。嵌合溝175は、円周方向に延在している。
球180は、収容部157Lに嵌合している。同様に、球180は、収容部157Hに嵌合している。球180は、圧縮スプリング160とスリーブ170の内周壁部172との間に介在している。球180は、圧縮スプリング160によって、内周壁部172に当接する方向に付勢される。
移動部材190は、嵌合溝175に円周方向に移動可能に嵌合している。移動部材190は、X方向に移動可能に構成される。移動部材190は、1速主ローギヤ140Lが用いられる位置と1速主ハイギヤ140Hが用いられる位置との間でスリーブ170を移動させる。
アクチュエータ200(図1を参照)は、移動部材190をX方向に移動する。アクチュエータ200には、公知の手段が用いられる。アクチュエータ200は、例えば、油圧や空圧を利用したアクチュエータでもよく、電動アクチュエータでもよい。
制御部300は、例えば電子制御ユニット300A(Electronic Control Unit:ECU)により構成される。ECU300Aは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入力装置および出力装置を有している。CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して後述する各機能を実行する。制御部300は、取得部301、判定部302および制御部303としての各機能とを有する。
取得部301は、車両の走行状態を取得する。走行状態には、車速、選択段(ドライバの変速操作により選択された走行段)、エンジンの回転数、スロットル開度、走行モード(例えば、標準モード、エコモード、雪道走行の発進時のモードとしてのスノーモード)等が含まれる。
判定部302は、取得された走行状態に基づいて、1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hのいずれのギヤを選択するかについて判定する。
制御部303は、判定結果に応じて、アクチュエータ200を制御する。例えば、制御部303は、1速主ローギヤ140Lが選択された場合、移動部材190を+X方向に移動するようにアクチュエータ200を制御する。また、例えば、制御部303は、1速主ハイギヤ140Hが選択された場合、移動部材190を−X方向に移動するようにアクチュエータ200を制御する。
次に、本実施の形態における自動変速段装置100の動作の一例について図4Aから図4Hを参照して説明する。図4Aは、自動変速段装置100の縦断面図である。図4Bは、1速主ローギヤ140L、1速主ハイギヤ140Hおよび環状体150Rを直線状に展開して示す図である。なお、1速主ローギヤ140Lには、エンジンの動力が1速副ローギヤ61Lから伝達される。1速主ローギヤ140Lは、所定の回転方向(時計回りの方向CW1)に回転している。また、1速主ハイギヤ140Hには、エンジンの動力が1速副ハイギヤ61Hから伝達される。1速主ハイギヤ140Hは、所定の回転方向(時計回りの方向CW1)に回転している。また、1速主ハイギヤ140Hの回転速度(図4Bに長い方の矢印で示す)は、1速主ローギヤ140Lの回転速度(図4Bに短い方の矢印で示す)より早い。また、スリーブ73は、中空軸110と主軸3との係合を選択している。また、球180は、スリーブ170のV字状溝173のX方向中央(一番深い所)に位置している。
図4Aは、1速主ローギヤ140Lを用いた走行中(1st−L走行中)における自動変速段装置100の縦断面図である。1速主ローギヤ140Lを用いた走行中(1st−L走行中)においては、図4Aおよび図4Bに示すように、1速主ローギヤ140Lのドグ部148Lがドグブロック150Lの第1ドグ1521L(直交面1531L)に当接している。これにより、ドグブロック150Lが1速主ローギヤ140Lと同じ速度で回転する。エンジンの動力は、ドグブロック150L、カラー130、中空軸110を介して主軸3に伝達される。
スリーブ170を、1速主ローギヤ140Lから1速主ハイギヤ140Hへシフト開始した場合、スリーブ170が球180に対して−X方向に移動する。これにより、球180は、スリーブ170のV字状溝173の傾斜面に位置するようになる。球180は、圧縮スプリング160により傾斜面に当接する方向に付勢されているため、傾斜面から反力(ここでは、−X方向の力)を受ける。反力は、球180を介してドグブロック150L,150Hに伝達される。
ドグブロック150Hの第2ドグ1522H(直交面1532H)は、コースト側の噛み合い面である。これにより、ドグブロック150Hは、1速主ローギヤ140Lから荷重伝達しない。そのため、直交面1532Hとドグ部148Lとの間に摩擦力が生じない。したがって、図4Cに示すように、ドグブロック150Hは、上記の反力により、−X方向に移動する。つまり、ドグブロック150Hは、スリーブ170と共に−X方向に移動する。一方、ドグブロック150Lは、1速主ローギヤ140Lから荷重伝達している。その結果、第1ドグ1521L(直交面1531L)とドグ部148Lとの間に摩擦力が生じる。摩擦力が上記の反力より大きいため、ドグブロック150Hは、−X方向に移動しない。
図4Dおよび図4Eに、1速主ローギヤ140Lが用いられる位置に移動したスリーブ170を示す。スリーブ170が図4Cに示す位置から、1速主ローギヤ140Lが用いられる位置に移動する場合、ドグブロック150Hは、スリーブ170と共に−X方向に移動する。
図4Eに示すように、1速主ハイギヤ140Hの回転速度は、1速主ローギヤ140Lの回転速度より早いため、1速主ハイギヤ140Hは、1速主ローギヤ140Lを追い抜く。なお、図4Dに示すように、1速主ハイギヤ140Hのドグ部148Hは、ドグブロック150Hの第1ドグ1521H(直交面1531H)とはX方向で重なるものの、第1ドグ1521H(直交面1531H)に当接してない。一方で、1速主ローギヤ140Lのドグ部148Lは、ドグブロック150Lの第1ドグ1521L(直交面1531L)に当接している状態にある。ドグブロック150Lが荷重伝達中は、ドグブロック150Lが球180から受ける力(スリーブ170のV字状溝173の傾斜面からの反力)より伝達部(ドグ部148Lと直交面153との間)の摩擦力が大きいため、ドグブロック150Lは−X方向に移動せずに、抜き待ち状態にある。
図4Fに、ドグブロック150Hの第1ドグ1521H(直交面1531H)に当接する1速主ハイギヤ140Hのドグ部148Hを示す。図4Fに示すように、ドグ部148Hが第1ドグ1521H(直交面1531H)に当接することで、ドグブロック150Hは、1速主ハイギヤ140Hから荷重が伝達される。一方で、ドグブロック150Lは、1速主ローギヤ140Lから荷重が伝達されない。これにより、第1ドグ1521L(直交面1531L)とドグ部148Lとの間に摩擦力が生じない。その結果、ドグブロック150Lが球180から受ける力(スリーブ170のV字状溝173の傾斜面からの反力)により、−X方向に移動する。なお、ドグブロック150Lの第1ドグ1521L(直交面1531L)は、コースト側噛み合い面となる。
図4Gは、1速主ハイギヤ140Hを用いた走行中(1st−H走行中)における自動変速段装置100の縦断面図である。図4Gに示すように、ドグブロック150Lが−X方向の移動するため、ドグブロック150Lの第2ドグ1522L(直交面1531H)と1速主ハイギヤ140Hのドグ部148Hとは、X方向で重なる。しかし、図4Hに示すように、ドグブロック150Lの第2ドグ1522L(直交面1532L)はコースト側の噛み合い面である。これにより、ドグブロック150Lは、1速主ハイギヤ140Hから荷重伝達しない。
次に、図5Aから図5E、および、図6を参照して、動力伝達経路並びに車速について、手動で1速から2速へ変速操作する場合を一例に挙げて説明する。
先ず、スリーブ73等が中立位置にある場合における駆動力の伝達について説明する。なお、以下の説明で、ドグブロック150L(150H)のドグ部148L(148H)がドグブロック150L(150H)の第1ドグ1521L(1521H)に当接して、ドグブロック150L(150H)が動力を伝達することを、ドグブロック150L(150H)が1速主ローギヤ140L(1速主ハイギヤ140H)に係合するという。
図5Aに中立位置にあるスリーブ73を示す。つまり、スリーブ73は、ドグ歯120に係合していない。また、図5Aに中立位置にあるドグブロック150L,150Hを示す。つまり、ドグブロック150Lは、1速主ローギヤ140Lと係合していない。また、ドグブロック150Hは、1速主ハイギヤ140Hと係合していない。
図5Aに示すように、スリーブ73が中立位置にあり、かつ、ドグブロック150L,150Hが中立位置にある場合、エンジンの駆動力により、副軸4が回転する。これにより、1速副ローギヤ61Lおよび1速副ハイギヤ61Hが回転する。1速主ローギヤ140Lは、1速副ローギヤ61Lと噛み合っているため、回転するのみである。また、1速主ハイギヤ140Hは、1速副ハイギヤ61Hと噛み合っているため、回転するのみである。したがって、スリーブ73が中立位置にあり、かつ、ドグブロック150L,150Hが中立位置にある場合、駆動力は主軸3に伝達されない。主軸3に駆動力が伝達されない状態を図5Aに破線で示す。
車速が0の場合、制御部303は、ドグブロック150Lが1速主ローギヤ140Lに係合するようにアクチュエータ200(図1を参照)を制御する。これにより、アクチュエータ200は、移動部材190を+X方向に移動する。これにより、ドグブロック150Lが+X方向に移動して、1速主ローギヤ140Lに係合する。
図5Bに1速主ローギヤ140Lに係合したドグブロック150Lを示す。図5Bに示すように、ドグブロック150Lが1速主ローギヤ140Lに係合した場合、駆動力は、1速主ローギヤ140Lおよびドグブロック150Lを介して中空軸110に伝達される。しかし、スリーブ73が中立位置にあるため、主軸3と中空軸110とが係合していない。これにより、駆動力は、主軸3に伝達されない。
図5Cに主軸3と中空軸110とを係合したスリーブ73を示す。図5Cに示すように、スリーブ73が主軸3と中空軸110とを係合した場合、駆動力は、1速主ローギヤ140L、ドグブロック150Lおよび中空軸110を介して主軸3に伝達される。主軸3に駆動力が伝達された状態を図5Cに実線で示す。
車速が予め定められた速度を超えた場合、制御部303は、ドグブロック150Lが1速主ハイギヤ140Hに係合するようにアクチュエータ200を制御する。これにより、アクチュエータ200は、移動部材190を−X方向に移動する。これにより、ドグブロック150Hが−X方向に移動して、1速主ハイギヤ140Hに係合する。
図5Dに1速主ハイギヤ140Hに係合したドグブロック150Hを示す。図5Dに示すように、ドグブロック150Hが1速主ハイギヤ140Hに係合した場合、駆動力は、1速主ハイギヤ140Hおよびドグブロック150Hを介して中空軸110に伝達される。そして、スリーブ73が主軸3と中空軸110とを係合しているため、駆動力は、中空軸110から主軸3に伝達される。つまり、1速主ローギヤ140Lを用いて、車速を所定の速度まで上げた場合、ドライバの操作によることなく、変速機1が1速主ローギヤ140Lから1速主ハイギヤ140Hに自動的に切り替えられ、1速主ハイギヤ140Hを用いることで、車速をさらに上げることが可能となる。
図5Eに中立位置にあるスリーブ73を示す。図5Eに示すように、スリーブ73が中立位置にある場合、駆動力は、1速主ハイギヤ140Hを介して中空軸110に伝達されるが、スリーブ73が中立位置にあって、中空軸110と主軸3とは係合されてないため、駆動力は、主軸3に伝達されない。
次に、車両発進後におけるエンジン回転数および車速について、図6を参照して、本実施の形態における変速機1と、自動変速段装置100を有しない従来の変速機と比較しつつ、説明する。図6において、縦軸にエンジン回転数および車速を示す。また、横軸に発進時経過時間を示す。また、図6に、過給機(ターボチャージャ)のブースト領域(例えば、約2000rpm以上のエンジン回転数)を示す。なお、本実施の形態における変速機1において、1速における自動変速は、制御部303の制御下で、アクチュエータ200が移動部材190を移動することにより行われる。
従来の変速機においては、例えば、小排気量の過給機付きエンジンでは、その過給特性のために、また、発進直後の低加速を回避するため、スロットルバルブを全開として吸入空気量を最大とするワイドオープンスロットル(WOT)が行われる。しかし、WOTから過給開始後にエンジンの回転が急激に上昇して、一瞬にして上限値に到達する。そのため、エンジンの回転数が一瞬に上限値に到達する流れの中で、1速から2速に操作することが非常に難しくなっている。又、1速を回転数一杯まで使用したとしても、ギヤ比が低いために速度は十分に上がっておらず、2速切替え後のエンジン回転数はブースト開始点を大きく下回り、期待した駆動力・加速を得ることができず、速度の上昇は遅れていく。これを補うため、2速のギヤ比を落としていくと、そのしわ寄せは順次高速段に波及する。ここでのしわ寄せとは、最高速段のギヤレシオ低速化による燃費の悪化や、最高速段のギヤ比維持時のギヤ段間差の拡大による操作性の悪化を指す。図6に、1速で車速が十分に上がらない状態を、従来型速度推移として細い破線で示す。
これに対して、本実施の形態における変速機1においては、車速0である場合、ドグブロック150Lが1速主ローギヤ140Lに係合している。1速主ローギヤ140Lを用いて発進し、発進後、過給機のブースト領域の直前まで、エンジン回転数が上昇した場合、変速機1が1速主ローギヤ140Lから1速主ハイギヤ140Hに自動的かつ瞬時に切れ目なく切り替えられる(シームレスに切り替えられる)。また、「切れ目なく」とは、クラッチを切らないこと、トルク抜けが無いことを意味する。これにより、1速主ローギヤ140Lに続けて、1速主ハイギヤ140Hで、過給機で増大するエンジントルクを有効に用いて車速を上げることができる。そして、1速主ハイギヤ140Hで十分に車速を上げた後に、1速主ハイギヤ140Hから2速に変速操作することが可能となる。2速切り替え時点の速度は、従来型よりも高く、エンジン回転数は過給開始点に近くなるため、以後の加速も、よりスムーズになる。図6に、1速主ハイギヤ140Hで車速が十分に上がった状態を、1stシームレス多段変速推移として太い破線で示す。
次に、本実施の形態における自動変速段装置100の制御の一例について説明する。図7は、自動変速段装置100の制御の一例を示すフローチャートである。本フローは、エンジンの始動に応じて開始される。なお、ここでの制御は、取得部301、判定部302および制御部303としての各機能を有するECU300Aにより、行われるものとする。
先ず、ECU300Aは、走行状態を示すパラメータ(車速を含む)に基づいて、車速Vが0であるか否かについて判定する。車速Vが0である場合(ステップS100:YES)、処理はステップS110に遷移する。車速Vが0でない場合(ステップS100:NO)、処理はステップS130に遷移する。
ステップS110において、ECU300Aは、ドグブロック150Lを1速主ローギヤ140Lに係合するようにアクチュエータ200を制御する。
次に、ステップS120において、ECU300Aは、エンジン停止操作が有ったか否かについて判定する。エンジン停止操作が有った場合(ステップS120:YES)、図7に示す処理は終了する。エンジン停止操作がない場合(ステップS120:NO)、処理はステップS100の前に戻る。
ステップS130において、ECU300Aは、車速Vが所定値Va以上であるか否かについて判定する。車速Vが所定値Va以上である場合(ステップS130:YES)、処理はステップS140に遷移する。車速Vが所定値Va未満である場合(ステップS130:NO)、処理はステップS100の前に戻る。
ステップS140において、ECU300Aは、ドグブロック150Hを1速主ハイギヤ140Hに係合するようにアクチュエータ200を制御する。その後、処理は、ステップS120に遷移する。
上記実施の形態における変速機1によれば、主軸3と、ドグ歯120を有し、主軸3と同軸で、主軸3に対して相対回転可能な中空軸110と、主軸3と一体回転し、ドグ歯120に係合可能に配置されるスリーブ73と、中空軸110と同軸で、中空軸110に対して相対回転可能な、変速比が相互に異なる1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hと、中空軸110と一体回転し、1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hに選択的に係合可能に配置されるドグブロック150L,150Hと、ドグブロック150L,150Hを1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hのそれぞれに係合または1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hのそれぞれから離脱させるアクチュエータ200と、少なくとも、スリーブ73がドグ歯120に係合することで主軸3と中空軸110とが一体回転する場合、車両の走行状態に基づいて、ドグブロック150L,150Hが1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140Hの中の予め定められたギヤに係合するように、アクチュエータ200を制御する制御部303とを備える。
これにより、1速における変速操作を自動的に行うことができる。その結果、1速における変速操作の操作性・利便性を向上することが可能となる。また、2速切り替え時点の速度を、従来型よりも高くすることができる。その結果、最高速段のギヤレシオ低速化による燃費の悪化を抑えることが可能となると共に、最高速段のギヤ比維持時のギヤ段間差の拡大による操作性の悪化を抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態における変速機1によれば、スリーブ73は、手動により操作可能に構成される。ドライバ自身が行う変速操作としては、従来の変速操作と変わらないため、この点からも、変速操作を簡便化することが可能となる。
また、上記実施の形態における変速機1によれば、ドグブロック150Lが1速主ローギヤ140Lに係合する状態と、ドグブロック150Hが1速主ハイギヤ140Hに係合する状態とが連続的に切り替わる。これにより、変速時に車速の急激な変化を抑えることができるため、変速時の違和感が少なく、ドライバビリディを向上することが可能となる。
また、ドグブロック150Lは、変速比が最も大きな走行段を構成するギヤを選択的に係合することができる。これにより、発進性を上げることが可能となる。
また、上記実施の形態における変速機1によれば、ドグブロック150Hが1速主ハイギヤ140Hに係合した状態で、エンジン停止操作がない場合、車速が所定値以上であれば、ドグブロック150Hが1速主ハイギヤ140Hに係合した状態を維持する(図7に示すステップS120、S130、S140を参照)。これにより、以後の車両走行において、例えば、2速から1速に変更操作がされた場合、変速時の違和感を抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態における変速機1によれば、自動変速段装置100が失陥した場合、自走は可能である。例えば、ドグブロック150L(ドグブロック150H)が1速主ローギヤ140L(1速主ハイギヤ140H)に係合した状態で、1速主ローギヤ140L(1速主ハイギヤ140H)から離脱できない場合、係合した状態のギヤを変速しない1速段として用いることで走行可能である。また、例えば、ドグブロック150Lおよびドグブロック150Hが1速主ローギヤ140Lおよび1速主ハイギヤ140H)にそれぞれ係合しない中立位置から移動できない場合、例えば発進段として1速段に代えて2速段を用いることで走行可能である。つまり、本実施の形態における自動変速段装置100は、ロバスト性が高いシステムであると言える。
次に、本実施の形態における変速機1の変形例について、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。なお、変形例の説明においては、上記実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図8Aは、変形例に係る変速機1における自動変速段装置100の構成を直線状に展開して示す図である。図8Bは、図8AのA−A断面図である。
図8Aおよび図8Bに示すように、変形例におけるドグブロック450L,450Hは、その形状において上記実施の形態におけるドグブロック150L,150Hと異なるが、機能においては同じである。
変形例における自動変速段装置100は、インタースペースブロック400を有している。インタースペースブロック400は、複数のレッグ部401と複数のブロック402とを有する。
各レッグ部401は、カラー130に固定されている。なお、各レッグ部401はカラー130と一体的に形成されてもよい。つまり、レッグ部401、ブロック402およびカラー130は、一体的に形成されてもよい。
各ブロック402は、ドグブロック450Lとドグブロック450Hとの間の隙間に配置されている。ドグブロック450Lは、リング部451Lを有している。ドグブロック450Hは、リング部451Hを有している。
各ブロック402は、ドグブロック450L(450H)が1速主ローギヤ140L(1速主ハイギヤ140H)から伝達荷重を受ける場合、受ける側とは反対側の面PL1を支持するように構成されている。これにより、変形例における自動変速段装置100の全体的の強度を上げることが可能となる。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、発進時(車速0の場合)のみ1速主ローギヤ140Lに切り替えるように制御し、それ以外の走行中では、全て1速主ハイギヤ140Hに切り替えるように制御したが、本開示は、これに限定されない。例えば、速度や用途に応じて1速主ハイギヤ140Hに切り替えるように制御することも、1速主ローギヤ140Lに切り替えるように制御することも可能である。
また、例えば、上記実施の形態では、1速に適用された自動変速段装置100を一例に挙げて説明したが、自動変速段装置100は、1速に限らず、その他の走行段の全てに配置可能である。ただし、1速や6速の方が、他の走行段に比べより簡略的な制御が可能である。
本開示は、操作性を向上することが要求される変速機を備えた車両に好適に利用される。
1 変速機
2 入力軸
3 主軸
4 副軸
5 主ギヤ
6 副ギヤ
20 クラッチ
21 インプットギヤ
41 カウンターギヤ
52 2速主ギヤ
53 3速主ギヤ
54 4速主ギヤ
55 5速主ギヤ
56 6速主ギヤ
57 後進主ギヤ
58 リバースアイドルギヤ
61H 1速副ハイギヤ
61L 1速副ローギヤ
62 2速副ギヤ
63 3速副ギヤ
64 4速副ギヤ
65 5速副ギヤ
66 6速副ギヤ
67 後進副ギヤ
71,72,73,74 スリーブ
100 自動変速段装置
110 中空軸
112 筒状部
113 スプライン部
115 スプライン部
116 フランジ部
118 ベアリング
120 ドグ歯
125 スプライン部
130 カラー
132 貫通穴
133 スプライン部
134 スプライン部
135 ワッシャー
140H 1速主ハイギヤ
140L 1速主ローギヤ
142H,142L 歯部
144H,144L 嵌合穴
146H,146L ニードルベアリング
148H,148L ドグ部
150H,450H ドグブロック
150L,450L ドグブロック
150R 環状体
151H,151L リング部
152H,152L,402 ブロック
153H,153L 内径部
154H,154L 外径部
155H,155L, スプライン部
157H,157L 収容部
160 圧縮スプリング
170 スリーブ
172 内周壁部
173 V字状溝
174 外周壁部
175 嵌合溝
180 球
190 移動部材
200 アクチュエータ
300 制御部
301 取得部
302 判定部
303 制御部
400 インタースペースブロック
401 レッグ部
1521H,1521L 第1ドグ
1522H,1522L 第2ドグ
1531H,1531L 直交面
1532H,1532L 直交面
1541H,1541L 傾斜面
1542H,1542L 傾斜面

Claims (6)

  1. 第1回転軸と、
    ドグ歯を有し、前記第1回転軸と同軸で、前記第1回転軸に外嵌し、前記第1回転軸に対して相対回転可能な第2回転軸と、
    前記第1回転軸と一体回転し、前記ドグ歯に係合可能に配置される第1係合部と、
    前記第2回転軸と同軸で、前記第2回転軸に対して相対回転可能な、変速比が相互に異なる複数のギヤと、
    前記第2回転軸と一体回転し、前記複数のギヤに選択的に係合可能に配置される第2係合部と、
    前記第2係合部を前記複数のギヤのそれぞれに係合または前記複数のギヤのそれぞれから離脱させるアクチュエータと、
    少なくとも、前記第1係合部が前記ドグ歯に係合することで前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一体回転する場合、車両の走行状態に基づいて、前記第2係合部が前記複数のギヤの中の予め定められたギヤに係合するように、前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を備える、変速機。
  2. 前記第1係合部は、手動により操作可能に構成される、
    請求項1に記載の変速機。
  3. 前記第2係合部は、前記複数のギヤに連続的に係合可能に配置される、
    請求項1または2に記載の変速機。
  4. 変速比が互いに異なる複数の走行段を有し、
    前記複数のギヤには、前記複数の走行段の中の前記変速比が最も大きな走行段を構成するギヤが含まれる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の変速機。
  5. 前記制御部は、車速が0である場合、前記第2係合部が前記最小ギヤに係合し、車速が予め定められた値以上である場合、前記第2係合部が前記複数の走行段の中の前記最小ギヤを除くいずれかのギヤに係合するように前記アクチュエータを制御する、
    請求項4に記載の変速機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の変速機を備える車両。
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