JP2020159082A - 薬液供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用期間にわたって薬液を安定して供給することが可能な薬液供給装置を提供する。【解決手段】薬液を貯蔵し供給口(28)から薬液を吐出する薬液タンク(10)と、内部に薬液流路(62〜64)が設けられ供給口(28)が取り付けられる本体部(30)を備え、上昇流路62と上部流路63と下降流路64で構成される薬液流路は、供給口(28)よりも高い位置にまで設けられた流路隔壁(54)を超えて、薬液取込口(61)から薬液排出口(65)まで形成されている薬液供給装置(100)。【選択図】図1

Description

本発明は、薬液供給装置に関し、特に外部からの流水に薬液を混合して排出する薬液供給装置に関する。
従来から、芳香や洗浄、消臭等を目的として、水洗時やフラッシュ時の流水に薬液を供給する薬液供給装置が用いられている。薬液供給装置では、水洗トイレの貯水タンク上や手洗い用給水受皿に配置され、流水に薬液を一定量混入させて、希釈した薬液を貯水タンクに供給する。このような薬液供給装置では、一回の設置で長期間にわたって複数回の薬液供給をできることが求められている。
特許文献1には、着脱可能な薬液容器と、薬液容器から薬液を排出する排出口と、水と薬液を貯留する貯留部とを備え、排出口に接続される排出部材と貯留部の間には溝が形成されており、溝を介して水と薬液が流通可能となっている薬液供給装置が記載されている。特許文献1に記載された薬液供給装置では、貯留部は排出部材を取り囲むように設けた筒状体で構成されており、排出口から排出された薬液は貯留部に貯留され、洗浄水が貯留部に流入することで薬液が希釈されて貯水タンクに供給される。
特開2013−213327号公報
しかし、特許文献1に記載された薬液供給装置では、貯留部の溝を介して薬液と水が流通可能なため、貯留部に貯留された水が薬液容器内に侵入し、使用回数とともに薬液容器内の薬液濃度が徐々に低下してしまう。このため、一回の水洗時に供給される薬液量が安定せず、薬液による芳香や洗浄、消臭等の効果にばらつきが生じるという問題があった。
また、薬液容器内の薬液濃度が低下すると薬液の粘性も低下するため、一度に排出口から排出される薬液の量も増加し、加速度的に薬液容器内の薬液残量が減少して空になってしまうという問題があった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、使用期間にわたって薬液を安定して供給することが可能な薬液供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の薬液供給装置は、薬液を貯蔵し、供給口から前記薬液を吐出する薬液タンクと、内部に薬液流路が設けられ、前記供給口が取り付けられる本体部を備え、前記薬液流路は、前記供給口よりも高い位置にまで設けられた流路隔壁を超えて、薬液取込口から薬液排出口まで形成されていることを特徴とする。
これにより、薬液は供給口と同程度の水準まで吐出され、供給口より高い位置の流路隔壁を超えて薬液流路が形成されていることで、薬液の供給量を安定化することができる。
また本発明の一態様では、前記薬液取込口および前記薬液排出口は、前記供給口よりも低い位置に設けられている。
また本発明の一態様では、前記本体部には、外部から水を取り入れる流水取込部が形成されており、前記供給口と前記薬液取込口と前記流水取込部は、前記本体部の内部空間に連通して設けられている。
また本発明の一態様では、前記内部空間には、前記供給口の高さ位置を規制する供給口規制部が設けられている。
また本発明の一態様では、前記本体部の内部空間には、前記薬液取込口と連続する底面部を備え、前記底面部は、中央部が周囲領域よりも上方に位置している。
本発明によれば、使用期間にわたって薬液を安定して供給することが可能な薬液供給装置を提供することができる。
第1実施形態に係る薬液供給装置100の構造を示す模式断面図である。 本体部30の概略を示す分解斜視図である。 本体上部40の構造を模式的に示す図であり、図3(a)は模式上面図であり、図3(b)はA−A位置での模式断面図である。 本体下部50の構造を模式的に示す図であり、図4(a)は模式上面図であり、図4(b)はB−B位置での模式断面図である。 本体上部40と本体下部50を組み合わせた本体部30の構造を模式的に示す図であり、図5(a)は模式上面図であり、図5(b)はC−C位置での模式断面図である。 中栓20の構造を模式的に示す図であり、図6(a)は模式斜視図であり、図6(b)はD−D位置での模式断面図である。 第1実施形態における薬液供給の原理について説明する模式図であり、図7(a)は水の流入が無い状態を示し、図7(b)は水の流入がある状態を示している。 第2実施形態に係る本体部30の各種変形例を示す模式断面図であり、図8(a)〜図8(d)はそれぞれ変形例1〜4を示している。 第3実施形態に係る本体部30の各種変形例を示す模式断面図であり、図9(a)と図9(b)はそれぞれ変形例5,6を示している。 第4実施形態に係る中栓20の各種変形例を示す模式断面図であり、図10(a)〜図10(e)はそれぞれ変形例1〜5を示している。 実施例1の実験結果を示すグラフであり、フラッシング回数と薬液の残量の関係を示している。 実施例2の実験結果を示すグラフであり、図12(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図12(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例3の実験結果を示すグラフであり、図13(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図13(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例4の実験結果を示すグラフであり、図14(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図14(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例5の実験結果を示すグラフであり、図15(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図15(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例6の実験結果を示すグラフであり、図16(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図16(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例7の実験結果を示すグラフであり、図17(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図17(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例8の実験結果を示すグラフであり、図18(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図18(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。 実施例9の実験結果を示すグラフであり、図19(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図19(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係る薬液供給装置100の構造を示す模式断面図である。図1に示すように薬液供給装置100は、薬液タンク10と、中栓20と、本体部30とを備えている。以下において図中の上下方向を上下方向とし、左右方向を左右方向もしくは水平方向として表現する。また、上方に向いた面を表面とし、下方に向いた面を裏面と表現する。
薬液タンク10は、薬液を貯蔵するとともに一定量ずつ吐出するための容器であり、容器部11と、口部12と、ネジ部13と、口天部14を備えている。ここでは薬液タンク10を本体部30に固定するための構造としてネジ部13を用いる例を示したが、着脱自在に固定することが可能であれば構造や機構は限定されず、例えばワンタッチ継手構造、印籠形継手構造等の公知の構造を用いることができる。
容器部11は、容器上部11aと容器下部11bが一体に形成された液密の器であり、薬液を貯蔵する空洞を備えている。容器上部11aは図中下方に向かって径が拡大しており、容器下部11bは容器上部11aから連続して径が縮小している。容器下部11bの下端略中央には口部12が容器部11内に設けられており、容器部11内部の空洞と外部空間とは口部12を介して連通している。容器部11を構成する材料は限定されず、樹脂やガラス、陶器などを用いることができるが、内部空洞に貯蔵した薬液の残量を外部から視認するためには、透明な樹脂やガラスが好ましく、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等を用いることが好ましい。また、容器部11の形状は図1に示した回転楕円形状に限定されず、例えば筒形状や直方体形状、多角錐形状などであってもよい。
口部12は、容器下部11bに設けられた開口(図示省略)に設けられて図中下方に伸びる略円筒形状の部材である。口部12には、外周にネジ部13が形成されており、先端に口天部14が設けられている。口部12を構成する材料や構造は限定されず、通常のボトル容器と同様のものを用いることができる。ネジ部13は、口部12の外周に沿って一体に形成された螺旋状のネジ山構造であり、本体部30に形成されたネジ溝に対応する径とピッチを有している。口天部14は、口部12のうちネジ部13よりも図中下方に位置して中栓20を取り付ける部分である。
中栓20は、口部12の内径と略同程度の外径を有する略円筒形状の部材であり、口部12の先端に取り付けられて薬液の吐出量を調整する。図1に示すように、中栓20は口天部14に取り付けられて口部12内部に収容されており、略中心を上下方向に貫通する供給口28を備えている。ここでは、薬液タンク10の口部12に中栓20を別体で設けた例を示したが、薬液タンク10を成型する段階で中栓20および供給口28を一体で口部12に形成するとしてもよい。
本体部30は、内部に薬液流路が設けられており、供給口28が取り付けられる部材である。薬液タンク10に貯蔵されている薬液は、口部12に取り付けられた中栓20の供給口28から本体部30内に吐出され、本体部30に流入する水によって薬液流路を介して外部に排出される。中栓20および本体部30の詳細は後述する。
図2は、本体部30の概略を示す分解斜視図である。図2に示すように本実施形態の本体部30は、本体上部40と本体下部50の2つの部分を組み合わせて構成されている。図3は、本体上部40の構造を模式的に示す図であり、図3(a)は模式上面図であり、図3(b)はA−A位置での模式断面図である。図4は、本体下部50の構造を模式的に示す図であり、図4(a)は模式上面図であり、図4(b)はB−B位置での模式断面図である。
本体上部40は、天面部41と、開口部42と、流水取込部43と、流路外壁44と、内部流路壁45と、ネジ溝46と、流路スリット47を備えている。本体下部50は、筐体部51と、内部空間52と、流路収容部53と、流路隔壁54と、供給口規制部55と、ネジ溝56と、突起部57と、底面部58を備えている。ここでは本体部30を2つの部分で構成する例を示したが、単一の部分で構成してもよく、さらに多数の部分で構成するとしてもよい。
天面部41は、本体部30の天面を構成する部分であり、筐体部51上を覆うように配置される。天面部41の内側には開口部42が形成されており、天面部41は開口部42の周りを囲むリング形状とされている。開口部42には、一対の凹形状の切り込みである流水取込部43が形成されている。また、天面部41の外周近傍には、一対の流路外壁44が下方に延伸して形成され、流路外壁44の内側には一対の内部流路壁45が下方に延伸して形成され、流路外壁44と内部流路壁45との間には流路スリット47が形成されている。
開口部42は、薬液タンク10の口部12が挿入可能な内径で天面部41に形成された開口領域であり、その一部には一対の切り欠きが形成されて流水取込部43とされている。また開口部42の内周には、ネジ部13に対応した径とピッチでネジ溝46が形成されている。図2では、天面部41と開口部42の形状として略楕円および円形の例を示しているが、形状は限定されない。
流水取込部43は、開口部42の一部に形成された凹形状の切り欠き領域であり、開口部42に口部12が挿入された状態でも口部12との間に所定の間隙を確保することができる。流水取込部43の周囲には、流路外壁44と内部流路壁45が下方に延伸して形成されている。
流路外壁44は、流水取込部43に対応する位置で天面部41の外周近傍から下方に延伸して形成されており、水平方向における断面が略コの字形状の部材である。流路外壁44の長さは筐体部51の高さと略同程度であり、本体上部40と本体下部50を組み合わせた状態では、筐体部51の外周と流路外壁44の外周とが略面一となるように形成されている。流路外壁44のコの字形状内側は空洞とされている。
内部流路壁45は、流水取込部43に対応する位置で天面部41の内周近傍から下方に延伸して形成されており、水平方向における断面が略H字形状の部材である。また内部流路壁45は、流路スリット47によって流路外壁44から分離されている。ここで断面が略H字形状とは、対向する2枚の平板状部分と中央を横断する1枚の平板状部分とが一体に形成された形状のことを示している。内部流路壁45の長さは内部空間52の高さ略同程度か少し短い程度であり、中央を横断する平板状部分の長さが、2枚の対向する平板状部分よりも短く形成されている。図3(b)に示すように、内部流路壁45の中央を横断する平板状部分は、流水取込部43の外周と略面一とされて下方に延長されており、流路外壁44の外周と対抗して配置されている。また、図2および図3(b)に示すように、内部流路壁45の内側は流水取込部43との間で連通した空間を形成している。
ネジ溝46は、開口部42の内周に沿って形成された螺旋状の溝または突起であり、薬液タンク10の口部12に形成されているネジ部13に対応した径とピッチで形成されている。ネジ溝46は、本体下部50のネジ溝56と連続した形状として形成されており、本体上部40と本体下部50を組み合わせた状態では、ネジ溝46とネジ溝56が連結されて一本の連続した螺旋形状を構成する。
流路スリット47は、流路外壁44および内部流路壁45の間に形成された間隙であり、天面部41の裏面から流路外壁44および内部流路壁45の先端まで形成されて、両者を分離している。図2に示すように、流路スリット47は流路隔壁54に対応した位置と幅で形成されており、本体上部40と本体下部50を組み合わせた際には、流路スリット47によって流路隔壁54が挟持される。
筐体部51は、本体部30の各部を保持する部分であり、本体下部50の側壁を構成している。図2および図4(a)(b)に示すように、筐体部51は平面視で略楕円の筒形状を有しており、中央に内部空間52が形成され、内部空間52の外側には長手方向に横断するように流路収容部53が形成されている。また、流路収容部53内には流路隔壁54が形成されている。筐体部51の内周には、下部近傍に供給口規制部55が突出して形成されており、上部近傍にはネジ溝56が形成されている。筐体部51の下方には底面部58が形成されており、底面部58の裏面から突起部57が下方に延出して形成されている。
内部空間52は、薬液タンク10の口部12が挿入可能な内径で筐体部51の略中央部に形成された略円筒形状の空洞であり、周囲を筐体部51の内壁が取り囲んでいる。内部空間52の上部は開放されて開口部42と空間が連通しており、下部は底面部58により閉塞されている。また、内部空間52と流路収容部53は空間が連通している。
流路収容部53は、筐体部51の壁面に形成された切れ目であり、流水取込部43、流路外壁44および内部流路壁45に対応する位置および形状で、内部空間52から筐体部51の外周に至るまで形成されている。図2に示すように、本体上部40と本体下部50を組み合わせた状態では、流路収容部53内に流路外壁44と内部流路壁45が収容される。
流路隔壁54は、流路収容部53に形成された略平板状の壁であり、底面部58から上方に立設されている。上述したように流路隔壁54は、流路スリット47に対応した位置および厚みで形成されており、本体上部40と本体下部50を組み合わせた際には、流路スリット47によって流路隔壁54が挟持される。流路隔壁54の高さは、筐体部51および流路外壁44よりも低く、供給口規制部55よりも高く、流路スリット47の全長よりも短い。
供給口規制部55は、内部空間52の内径よりも内側に突出するように筐体部51の内周下部に形成された突起である。図1に示したように薬液タンク10を本体部30に装着した場合には、口部12に取り付けられた中栓20の下端と、供給口規制部55の上端とが干渉して当接する。これにより、中栓20の供給口28は内部空間52内部で所定高さに規制され、供給口28と底面部58との間隔が一定に保持される。
ネジ溝56は、筐体部51の内周上部に沿って形成された螺旋形状の溝または突起であり、薬液タンク10の口部12に形成されているネジ部13に対応した径とピッチで形成されている。上述したようにネジ溝56は、本体上部40のネジ溝46と連続した形状として形成されており、本体上部40と本体下部50を組み合わせた状態では、ネジ溝46とネジ溝56が連結されて一本の連続した螺旋形状を構成する。
突起部57は、底面部58の裏面側から下方に延出して形成された略円筒形状の凸形状部分である。本実施形態では、突起部57はトイレの貯水タンクに設けられた貫通孔に挿入可能な形状と直径を有している。薬液供給装置100を貯水タンク上に配置した際には、突起部57が貯水タンクの貫通孔に挿入されることで、薬液供給装置100が位置決めされる。本実施形態では突起部57として略円筒形状のものを示したが、突起部57の形状や大きさ、長さは限定されない。
底面部58は、筐体部51の裏面側を覆う面であり、内部空間52の下方を閉塞して本体下部50の裏面を構成している。本実施形態では、底面部58は中央部に向かって傾斜した円錐形状であり、中央部は周囲領域よりも上方に位置し、供給口規制部55の上端よりも下方に位置している。
図5は、本体上部40と本体下部50を組み合わせた本体部30の構造を模式的に示す図であり、図5(a)は模式上面図であり、図5(b)はC−C位置での模式断面図である。図5(a)(b)に示すように、本体上部40と本体下部50を組み合わせた状態での本体部30では、開口部42と内部空間52が連通して一つの略円筒形状を構成する。また、ネジ溝46とネジ溝56が連続して一本の螺旋を形成する。
また、流路収容部53内に流路外壁44と内部流路壁45が収容され、流路隔壁54は流路外壁44と内部流路壁45の間に入り込む。これにより、流路外壁44と内部流路壁45と流路隔壁54の組み合わせによって、薬液取込口61と、上昇流路62と、上部流路63と、下降流路64と、薬液排出口65が構成される。ここで上昇流路62と、上部流路63と、下降流路64は、本発明における薬液流路を構成している。
薬液取込口61は、内部流路壁45の下端と底面部58との間に形成された空間であり、内部空間52および流水取込部43と連通している。また、上昇流路62の下端にも連通している。後述するように薬液取込口61は、内部空間52とともに薬液が貯留される空間であるとともに、流水取込部43から水が流入する空間である。
上昇流路62は、内部流路壁45と流路隔壁54との間に形成された空間であり、底面部58から天面部41裏面に至るまで設けられている。上昇流路62の下端は薬液取込口61と連通しており、上端は上部流路63と連通している。流路隔壁54は供給口規制部55の上端よりも高く形成されているので、図1に示すように上昇流路62の上端は供給口28よりも高くまで設けられる。上昇流路62のサイズは、特に制限はされないが例えば内部流路壁45と流路隔壁54との距離が1mm〜15mmの範囲であり、幅が1mm〜20mmの範囲であり、長さが5mm〜50mmの範囲である。
上部流路63は、流路隔壁54の上端と天面部41の裏面との間に形成されている空間であり、内部流路壁45の上端と流路外壁44の上端の間に設けられている。上部流路63の一端は上昇流路62の上端と連通しており、他端は下降流路64の上端と連通している。上述したように流路隔壁54は供給口規制部55の上端よりも高く形成されているので、図1に示すように上部流路63は、供給口28および流路隔壁54よりも高い位置に設けられている。上部流路63のサイズは、特に制限はされないが例えば流路外壁44と内部流路壁45との距離が1mm〜15mmの範囲であり、幅が1mm〜20mmの範囲であり、流路隔壁54上端と天面部41裏面との距離が1mm〜5mmの範囲である。
下降流路64は、流路隔壁54と流路外壁44との間に形成された空間であり、天面部41裏面から底面部58に形成された薬液排出口65に至るまで設けられている。下降流路64の上端は上部流路63と連通しており、下端は薬液排出口65と連通している。したがって、図5(b)に示すように、下降流路64は供給口規制部55の上端より高い位置から、薬液取込口61よりも低い位置にまで設けられている。下降流路64のサイズは、特に制限はされないが例えば流路外壁44と流路隔壁54との距離が1mm〜15mmの範囲であり、幅が1mm〜20mmの範囲であり、長さが6mm〜60mmの範囲である。
薬液排出口65は、底面部58の端部と流路外壁44の間に形成された空間であり、底面部58に形成された開口部である。薬液排出口65は、本体部30の下面側に露出されており、薬液取込口61、上昇流路62、上部流路63、下降流路64の何れよりも低い位置に形成されている。
図6は、中栓20の構造を模式的に示す図であり、図6(a)は模式斜視図であり、図6(b)はD−D位置での模式断面図である。図6(a)(b)に示すように中栓20は、内筒部21と、補強部22と、被覆部23と、開口部24と、スリット部25と、外周部26と、溝部27と、供給口28と、底面部29とが一体に形成された部材である。中栓20を構成する材料は限定されないが、図1に示すように口部12の内側に取り付けられて間隙からの液漏れを生じないためには、所定の弾力を有する樹脂を用いることが好ましい。
内筒部21は、口部12の内径と略同程度の外径を有し、底面部29から被覆部23の高さに至るまで形成された円筒形状の壁部材である。内筒部21の内側には補強部22と被覆部23とが形成されており、外側には底面部29と外周部26が形成されている。図1に示したように中栓20が口部12の内側に取り付けられる際には、内筒部21は口部12の内周に密着して嵌装され、内筒部21と口部12との間に間隙は生じない。
補強部22は、内筒部21の円周を4等分する隔壁22aと、隔壁22aによって保持される略円筒形状の内壁22bと、内筒部21と内壁22bの間を塞ぐとともに隔壁22aの下端と連続した面である中底22cを有している。隔壁22a、内壁22bおよび中底22cからなる補強部22によって、内筒部21の剛性が保たれるとともに、被覆部23が支えられている。
被覆部23は、内壁22bの上部を覆うように形成された平面部分である。被覆部23には、内筒部21および内壁22bの中心位置に開口部24が形成されている。被覆部23は中栓20の上方と下方を隔てており、中栓20の上方と内壁22bの内側に設けられた空洞は開口部24を介して連通している。
スリット部25は、内壁22bの壁面に縦方向に形成された切れ目であり、被覆部23から中底22cに至るまで形成されている。したがって、内壁22bの内側に設けられた空洞は、スリット部25を介して隔壁22aで区切られた空間と連通している。
外周部26は、内筒部21よりも外側に底面部29から立設された略円筒形状の壁部材である。外周部26の内周と内筒部21の外周との間には溝部27が構成されている。溝部27は、内筒部21の外周に沿って外周部26との間に設けられた溝状の空間であり、図1に示したように中栓20が口部12に取り付けられる際には口天部14が溝部27に挿入されて、内筒部21と外周部26によって口天部14が挟持される。
供給口28は、中底22cよりも下方に突出した内壁22bによって形成された開口部である。内壁22bの内側に設けられた空洞は、供給口28を介して中栓20の下方と連通している。底面部29は、内筒部21と外周部26の下端を繋ぐリング形状の平板部分である。
上述したように中栓20を口部12に取り付けた際には、口天部14が溝部27に挿入され、内筒部21が口部12内に圧入される。このとき、内筒部21、中底22c、内壁22bおよび被覆部23によって、薬液タンク10の容器部11内と本体部30とが隔てられる。したがって、薬液タンク10内に貯蔵されている薬液は、開口部24およびスリット部25のみを通過して、内筒部21の内側に設けられた空洞と供給口28を介して中栓20の下方に吐出される。
図7は、本実施形態における薬液供給の原理について説明する模式図であり、図7(a)は水の流入が無い状態を示し、図7(b)は水の流入がある状態を示している。図7(a)(b)では、図1と同様に薬液タンク10に中栓20を取り付け、本体部30に薬液タンク10を取り付けた状態を示しているが、簡略化のため薬液タンク10の容器部11については図示を省略している。また、中栓20の内部構造は図6を用いて説明したものと同様であり、図示を省略している。
はじめに、薬液タンク10を本体部30に取り付けた段階では、図1に示したように本体部30内には薬液が溜まっていない。薬液タンク10の口部12が下方に向かって設けられることで、開口部24およびスリット部25を通過した薬液が供給口28から吐出され、本体部30の内部空間52に供給される。供給口28からの薬液の供給速度は、開口部24およびスリット部25の形状や面積、および薬液の粘性等によって決まるが、0.3〜10ml/時の範囲であることが好ましい。
次に供給口28から吐出される薬液は、時間の経過とともに内部空間52に溜まっていき、図7(a)に示したように、液面LFの高さが供給口28にまで達したところで吐出が止まる。これは、供給口28まで液面LFが到達することで、薬液タンク10の容器部11内の圧力と外気圧とが釣り合うことによる。このときの薬液は、内部空間52と、流水取込部43と、薬液取込口61と、上昇流路62に貯留されており、それぞれの領域で液面LFの高さまで薬液が到達している。
液面LFが供給口28にまで達した時点で薬液の吐出が止まるので、本体部30内に貯留される薬液が一度のフラッシュ時に貯水タンクに供給される薬液量となる。図7(a)に示したように、水の流入が無い状態では、液面LFは流路隔壁54の高さを超えていないので、上昇流路62の上端や上部流路63、および下降流路64には到達せず、薬液排出口65から薬液は排出されない。水の流入が無い状態で本体部30内に貯留される薬液の量は、0.3〜30mlの範囲であることが好ましい。
次に、水洗時等において薬液供給装置100の外部から水が供給された場合について説明する。図1に示したように薬液供給装置100には、本体部30の上方に薬液タンク10が取り付けられているが、外部の水源から薬液タンク10の容器上部11aに流水が供給されると、容器上部11aおよび容器下部11bの表面を伝って水の一部が天面部41上に到達する。開口部42に口部12が螺合されているため、天面部41に到達した水の一部は流水取込部43から本体部30内に取り込まれて、貯留されている薬液が水で希釈される。
流水取込部43から本体部30内への水の流入が継続すると、液面LFの水位が上昇して天面部41にまで到達する。このとき、上昇流路62内の液面LFも徐々に上昇していき、液面LFが流路隔壁54を超えると、上部流路63および下降流路64の内部も希釈された薬液が満たされ、薬液排出口65から希釈された薬液が排出される。
図7(b)に示したように、薬液排出口65から薬液が一度排出されると、薬液取込口61から薬液排出口65に至るまで、上昇流路62と上部流路63と下降流路64の内部が薬液で満たされることになる。ここで、薬液排出口65は薬液取込口61よりも低い位置に形成されているため、サイフォンの原理によって薬液の排出が継続される。
本体部30内への水の流入が止まると、流水取込部43内の液面LFは低下していくが、薬液流路である上昇流路62と上部流路63と下降流路64の内部を満たしている薬液は、サイフォンの原理によって薬液排出口65から継続して排出される。流水取込部43内の液面LFが内部流路壁45の下端よりも下がると、薬液取込口61には外気が流入するため、上昇流路62内への薬液の流入が止まる。その後、サイフォンの原理による薬液排出口65からの薬液の排出は、上昇流路62と上部流路63と下降流路64の内部を満たしていた薬液が無くなるまで継続して終了する。
薬液排出口65からの薬液の排出が終了した段階では、図7(a)に示した状態よりも液面LFは低く、内部空間52と流水取込部43と上昇流路62での液面LFが供給口28よりも低くなっている。したがって、供給口28から内部空間52に薬液の吐出が再開され、薬液の液面LFが供給口28の下端に到達するまで継続し、再び図7(a)に示した状態となる。
本実施形態では、上述したように薬液の液面LFが供給口28の高さまで貯留されており、一回のフラッシュ時に排出される薬液の量は、本体部30内に貯留されたものとなる。また、上昇流路62、上部流路63および下降流路64で構成される薬液流路は、流路隔壁54を超えて薬液取込口61から薬液排出口65まで形成されているため、サイフォンの原理を用いて本体部30内に貯留された薬液のほぼ全量を排出することができる。水の流入が止まって薬液排出口65からの薬液の排出も終了した段階で、本体部30内に残っている希釈された薬液の量は、内部流路壁45の下端よりも下方に残留しているものだけである。したがって、一回のフラッシュ後に残留する水の量は極めて少なく、供給口28から吐出された薬液の希釈が抑制される。特に、本実施形態では底面部58の中央部を高くして傾斜面としているため、薬液の排出後に残留する水の量を著しく減らすことができる。
また、上述して説明したように、供給口28からの薬液の吐出は、薬液の液面LFが供給口28の下端に達した段階で止まる。したがって、ごく僅かに残留していた水が供給口28を介して中栓20や薬液タンク10内に逆流しにくく、薬液タンク10内に貯蔵されている薬液が徐々に希釈されることも効果的に防止できる。これにより、薬液タンク10内の薬液が希釈されて粘性が低下し、加速度的に薬液が排出されることも防止でき、試用期間にわたって安定して薬液の供給をすることが可能となる。したがって薬液の希釈による加速度的な薬液の消費量増加を防止し、薬液の補充時期を適切に予測することができる。 さらに、上昇流路62と上部流路63と下降流路64は、薄い流路隔壁54を超えて折り曲がるように構成されており、各部が数mm程度のサイズであるため、本体部30を小型化することができる。また、流水取込部43から薬液取込口61、上昇流路62、上部流路63、下降流路64および薬液排出口65まで、流路の断面積を小さくすることができるため、サイフォンの原理で薬液を排出するために必要な流水の量を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態と共通する内容は説明を省略する。図8は、本実施形態に係る本体部30の各種変形例を示す模式断面図であり、図8(a)〜図8(d)はそれぞれ変形例1〜4を示している。
図8(a)に示す本体部30の変形例1では、底面部581が中栓20の直下に位置する高さに形成されている点が第1実施形態と異なっている。変形例1では、底面部581と中栓20とは僅かな間隙を隔てて対向しており、口部12を内部空間52に挿入した状態では、内部空間52にほとんど空間が残されていない。
この変形例1では、供給口28から吐出されて本体部30内に貯留する薬液量を低減することができる。また、サイフォンの原理によって希釈された薬液が薬液排出口65から排出された後に、本体部30内に残る水の量を極めて少量にすることができる。
図8(b)に示す本体部30の変形例2では、底面部582が2段階の傾斜面で形成されており、底面部582の中央が最上面として中栓20の直下で対向している。また、底面部582の傾斜面上には、放射状に溝582aが形成されている。変形例2でも、中栓20より下方に残された空間が小さく、本体部30内に貯留する薬液量を低減することができる。また、底面部582の上面に溝582aが放射状に形成されているため、供給口28から吐出された薬液を薬液取込口61に速やかに到達させることができる。
図8(c)に示す本体部30の変形例3では、底面部582が2段階の傾斜面で形成されており、底面部582の中央が最上面として中栓20の直下で対向している。また、底面部582の傾斜面上には、放射状および同心円状に溝582bが形成されている。変形例3でも、中栓20より下方に残された空間が小さく、本体部30内に貯留する薬液量を低減することができる。また、底面部582の上面に溝582bが放射状および同心円状に形成されているため、供給口28から吐出された薬液を薬液取込口61に確実に到達させることができる。
図8(d)に示す本体部30の変形例4では、下降流路64が本体部30の下部領域で中央にまで延長されており、突起部57の内部に連通されて、突起部57の下端が薬液排出口65とされている。変形例4のように薬液取込口61、上昇流路62、上部流路63、下降流路64、突起部57の内部を連通させる構造は、例えば3次元プリンター装置を用いて樹脂を立体的に積層することで形成できる。
本実施形態における本体部30の変形例1〜4でも、上昇流路62、上部流路63および下降流路64で構成される薬液流路は、流路隔壁54を超えて形成されているため、サイフォンの原理を用いて本体部30内に貯留された薬液のほぼ全量を排出することができる。また、本体部30内に残留していた水が供給口28を介して中栓20や薬液タンク10内に逆流しにくく、薬液タンク10内に貯蔵されている薬液が徐々に希釈されることも効果的に防止できる。これにより、薬液タンク10内の薬液が希釈されて粘性が低下し、加速度的に薬液が排出されることも防止でき、試用期間にわたって安定して薬液の供給をすることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態と共通する内容は説明を省略する。図9は、本実施形態に係る本体部30の各種変形例を示す模式断面図であり、図9(a)と図9(b)はそれぞれ変形例5,6を示している。
図9(a)に示す本体部30の変形例5では、底面部58が流路外壁44よりも外側に延伸されて受皿部583が形成されている。受皿部583は、最外周が天面部41よりも上方にまで立ち上げられており、最も低い位置に薬液排出口65が開口部として形成されている。
図9(b)に示す本体部30の変形例6では、底面部58が流路外壁44よりも外側に延伸されて受皿部584が形成されている。受皿部584は、外周近傍で天面部41よりも上方にまで立ち上げられて、最外周では底面部まで下げられており、最も低い位置に薬液排出口65が開口部として形成されている。
本実施形態における本体部30の変形例5,6でも、上昇流路62、上部流路63および下降流路64で構成される薬液流路は、流路隔壁54を超えて形成されているため、サイフォンの原理を用いて本体部30内に貯留された薬液のほぼ全量を排出することができる。また、本体部30内に残留していた水が供給口28を介して中栓20や薬液タンク10内に逆流しにくく、薬液タンク10内に貯蔵されている薬液が徐々に希釈されることも効果的に防止できる。これにより、薬液タンク10内の薬液が希釈されて粘性が低下し、加速度的に薬液が排出されることも防止でき、試用期間にわたって安定して薬液の供給をすることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態と共通する内容は説明を省略する。図10は、本実施形態に係る中栓20の各種変形例を示す模式断面図であり、図10(a)〜図10(e)はそれぞれ変形例1〜5を示している。
図10(a)に示す中栓20の変形例1では、内筒部21の全体に被覆部23が形成されており、内筒部21の中心に開口部24が形成されている点が第1実施形態と異なっている。この変形例1では、被覆部23が内筒部21の全体を覆っているため、内壁22bやスリット部25は形成されず、薬液は開口部24のみを通過して供給口28から吐出される。
図10(b)に示す中栓20の変形例2では、隔壁22aで4つに区切られた2箇所と内壁22bの上部が被覆部23で覆われており、被覆部23が形成されていない区画に露出した内壁22bにのみスリット部25が形成されている。この変形例2では、薬液は2箇所のスリット部25のみを通過して供給口28から吐出される。
図10(c)に示す中栓20の変形例3では、内壁22bが上方に延伸されて円筒状のパイプ部231が形成されており、パイプ部231の上端で開口部241が形成されている。この変形例3では、スリット部25が形成されていないため、薬液は開口部241のみを通過して供給口28から吐出される。
図10(d)に示す中栓20の変形例4では、内筒部21が外周部26と同程度の高さまでしか形成されておらず、内筒部21全体を被覆部23が覆っている点が変形例3と異なっている。この変形例4でも、薬液は開口部241のみを通過して供給口28から吐出される。
図10(e)に示す中栓20の変形例5では、隔壁22aで4つに区切られた2箇所が被覆部23で覆われており、被覆部23が形成されていない区画に露出した内壁22bにのみスリット部25が形成されている。また、被覆部23の中央には開口部24が形成されている。この変形例5では、薬液は2箇所のスリット部25と開口部24を通過して供給口28から吐出される。
本実施形態では、図10(a)〜図10(e)に示した変形例1〜5のように、中栓20の形状を変更することで、単位時間あたりに供給口28から吐出される薬液の量を調整することができる。中栓20における開口部24およびスリット部25の合計面積は、好ましくは5〜60mmの範囲である。また、薬液の20℃における粘度は好ましくは0.5〜5000mPa・s、より好ましくは0.7〜2000mPa・s、さらに好ましくは1.0〜1000mPa・sの範囲である。
図11〜図20に、薬液タンク10と中栓20と本体部30の様々な組み合わせを用いて、流水供給による薬液排出量と持続日数の実験結果を示す。また、表1に各実施例の結果をまとめた。なお、表1中に記載の薬液の平均排出量は、排出された薬液量(ml)を全ての薬液が消費されるために要したフラッシング回数(回)で割った値である。
Figure 2020159082
表1中では、実施形態1,変形例2,3,5,6で示した本体部30をそれぞれ下容器No.1〜No.5と表記している。薬液タンク10と中栓20に流水を供給していない状態で本体部30内に貯留される薬液の最大量(液面LFが上部流路63に到達した際)はそれぞれ、下容器No.1が9.4ml、No.2が5,3ml、No.3が5.0ml、No.4が5.4ml、No.5が5.4mlであった。また、薬液タンクに充填する製剤の20℃における粘度は、芳香洗浄剤が約500mPa・s、水は約1mPa・sであった。
(実施例1)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤150mlを貯蔵し、中栓20として図10(a)に示した開口部24の面積が13mmの変形例1を用い、本体部30として下容器No.1を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10上方に向けて1分間で3リットルの流水を流した。1日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを10日間継続した。
図11は、実施例1の実験結果を示すグラフであり、フラッシング回数と薬液の残量の関係を示している。横軸は累積のフラッシング回数を示し、縦軸は薬液タンク10内の薬液残量を示している。図11に示すように、フラッシング回数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が110回で薬液が全て消費された。薬液の平均排出量は、1.4ml/回であった。
(実施例2)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤175mlを貯蔵し、中栓20として図10(a)に示した開口部24の面積が13mmの変形例1を用い、本体部30として下容器No.1を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温30℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10上方に向けて1分間で3リットルの流水を流した。1日にフラッシングを15回繰り返し、1回のフラッシング後には約60分の時間を空けて、その後に10時間の時間を空けるサイクルを8日間継続した。
図12は、実施例2の実験結果を示すグラフであり、図12(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図12(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図12(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が107回で薬液が全て消費された。薬液の平均排出量は、1.64ml/回であった。
(実施例3)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤175mlを貯蔵し、中栓20として図10(b)に示したスリット部25の合計面積が12mmの変形例2を用い、本体部30として下容器No.1を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温30℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10上方に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを15回繰り返し、1回のフラッシング後には約60分の時間を空けて、その後に10時間の時間を空けるサイクルを実験開始2日目まで継続した。実験開始3日目から6日目まではフラッシングを休止して保持し、7日目からフラッシングを再開した。
図13は、実施例3の実験結果を示すグラフであり、図13(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図13(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図13(a)に示すように、フラッシング回数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が66回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、2.65ml/回であった。図13(b)に示すように、3日目から6日目までの休止期間中における薬液の減少量は微量の自然揮散のみであり、未使用時に薬液が良好に保存されることを確認した。
(実施例4)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いてイオン交換水200mlを貯蔵し、中栓20として図10(b)に示したスリット部25の合計面積が12mmの変形例2を用い、本体部30として下容器No.2を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温30℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10上方に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを15回繰り返し、1回のフラッシング後には約60分の時間を空けて、その後に10時間の時間を空けるサイクルを20日間継続した。
図14は、実施例4の実験結果を示すグラフであり、図14(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図14(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図14(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が300回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、0.67ml/回であった。
(実施例5)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いてイオン交換水200mlを貯蔵し、中栓20として図10(b)に示したスリット部25の合計面積が12mmの変形例2を用い、本体部30として下容器No.4を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを35日間継続した。
図15は、実施例5の実験結果を示すグラフであり、図15(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図15(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図15(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は徐々に減少し、フラッシング回数が404回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、0.50ml/回であった。
(実施例6)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いてイオン交換水200mlを貯蔵し、中栓20として図10(b)に示したスリット部25の合計面積が12mmの変形例2を用い、本体部30として下容器No.2を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを42日間継続した。
図16は、実施例6の実験結果を示すグラフであり、図16(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図16(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図16(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が507回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、0.39ml/回であった。
(実施例7)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤230mlを貯蔵し、中栓20として図10(b)に示したスリット部25の合計面積が12mmの変形例2を用い、本体部30として下容器No.5を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを15日間継続した。
図17は、実施例7の実験結果を示すグラフであり、図17(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図17(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図17(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は徐々に減少し、フラッシング回数が180回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、1.28ml/回であった。
(実施例8)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤200mlを貯蔵し、中栓20として図6に示した開口部24とスリット部25の合計面積が37mmの実施形態1を用い、本体部30として下容器No.2を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを19日間継続した。
図18は、実施例8の実験結果を示すグラフであり、図18(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図18(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図18(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は徐々に減少し、フラッシング回数が226回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、0.88ml/回であった。
(実施例9)
薬液タンク10として容量240mlのものを用いて芳香洗浄剤200mlを貯蔵し、中栓20として図10(e)に示した開口部24とスリット部25の合計面積が25mmの変形例5を用い、本体部30として下容器No.2を用いた。
流水の供給条件(フラッシング条件)としては、室温20℃の環境下で、直径約10mmの流水口から薬液タンク10に向けて1分間で3リットルの流水を流した。一日にフラッシングを12回繰り返し、1回のフラッシング後には約90分の時間を空けて、その後に8時間の時間を空けるサイクルを18日間継続した。
図19は、実施例9の実験結果を示すグラフであり、図19(a)はフラッシング回数と薬液の残量の関係を示し、図19(b)は持続日数と薬液の残量の関係を示している。図19(a)(b)に示すように、フラッシング回数と経過日数の増加に伴って薬液残量は一定比率で減少し、フラッシング回数が216回で薬液が消費された。薬液の平均排出量は、0.93mL/回であった。
(実施例10〜実施例13)
薬液タンク10、中栓20の種類と流水の供給条件(フラッシング条件)を、実施例1と同様にし、薬液タンク10内に水を200ml貯蔵し、開口部24の面積と本体部30を変更して実施例10〜実施例13の実験を行った。結果は表1に示したとおりである。何れの実施例でも、薬液タンク10内の薬液は一定比率で減少した。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10・・・薬液タンク
20・・・中栓
30・・・本体部
40・・・本体上部
50・・・本体下部
100・・・薬液供給装置
11・・・容器部
11a・・・容器上部
11b・・・容器下部
12・・・口部
13・・・ネジ部
14・・・口天部
21・・・内筒部
22・・・補強部
22a・・・隔壁
22b・・・内壁
22c・・・中底
23・・・被覆部
231・・・パイプ部
24,241・・・開口部
25・・・スリット部
26・・・外周部
27・・・溝部
28・・・供給口
29・・・底面部
41・・・天面部
42・・・開口部
43・・・流水取込部
44・・・流路外壁
45・・・内部流路壁
46・・・ネジ溝
47・・・流路スリット
51・・・筐体部
52・・・内部空間
53・・・流路収容部
54・・・流路隔壁
55・・・供給口規制部
56・・・ネジ溝
57・・・突起部
58,581,582・・・底面部
582a,582b・・・溝
583,584・・・受皿部
61・・・薬液取込口
62・・・上昇流路
63・・・上部流路
64・・・下降流路
65・・・薬液排出口

Claims (5)

  1. 薬液を貯蔵し、供給口から前記薬液を吐出する薬液タンクと、
    内部に薬液流路が設けられ、前記供給口が取り付けられる本体部を備え、
    前記薬液流路は、前記供給口よりも高い位置にまで設けられた流路隔壁を超えて、薬液取込口から薬液排出口まで形成されていることを特徴とする薬液供給装置。
  2. 請求項1に記載の薬液供給装置であって、
    前記薬液取込口および前記薬液排出口は、前記供給口よりも低い位置に設けられていることを特徴とする薬液供給装置。
  3. 請求項1または2に記載の薬液供給装置であって、
    前記本体部には、外部から水を取り入れる流水取込部が形成されており、
    前記供給口と前記薬液取込口と前記流水取込部は、前記本体部の内部空間に連通して設けられていることを特徴とする薬液供給装置。
  4. 請求項3に記載の薬液供給装置であって、
    前記内部空間には、前記供給口の高さ位置を規制する供給口規制部が設けられていることを特徴とする薬液供給装置。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載の薬液供給装置であって、
    前記本体部の内部空間には、前記薬液取込口と連続する底面部を備え、
    前記底面部は、中央部が周囲領域よりも上方に位置していることを特徴とする薬液供給装置。
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