JP2020159077A - 発熱シート、ならびに発熱シートを用いた加熱方法およびコンクリートの養生方法 - Google Patents

発熱シート、ならびに発熱シートを用いた加熱方法およびコンクリートの養生方法 Download PDF

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Yuhei Shiratori
有平 白鳥
俊幸 山中
Toshiyuki Yamanaka
俊幸 山中
林 浩志
Hiroshi Hayashi
浩志 林
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Abstract

【課題】新規な発熱シートや発熱シートを用いた新規な加熱方法およびコンクリートの養生方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様によれば、(A)加水発熱材料、(B)加水発熱材料を覆う透水シート、および(C)透水シートを覆う非透水シートを有することを特徴とする発熱シートが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、発熱シート、ならびに発熱シートを用いた加熱方法およびコンクリートの養生方法に関する。
コンクリート製品工場でのコンクリート製品の製造に際しては、型枠の回転率を高めて生産性を挙げる目的で、コンクリートの強度発現を促進するための養生方法として蒸気養生などが行われている。また、寒冷期または寒冷地などでのコンクリートの現場施工においても、低温によるコンクリートの硬化遅延を補うため、施行後のコンクリートの保温や給熱が行なわれている。
しかしながら、蒸気養生を行うには特殊な蒸気養生設備が必要であり、また、現場におけるコンクリートの給熱養生には温風ヒーター、電気マットなどの類が必要とされるなど、特別な装置や電源が必要となる。
したがって、特別な装置や電源を必要とせずにコンクリートを給熱できる方法が研究されている。そのような方法に用いる発熱シートして、特許文献1では、吸水性繊維と吸湿発熱繊維とを含む湿潤発熱シートと、断熱部材を含む保温シートとを備え、湿潤発熱シートと保温シートとが積層されていることを特徴とするコンクリート養生マットが提案されている。また特許文献2では、生石灰粉末を用いた発熱反応を呈する予備層をベース体の少なくとも一面に備えた養生用シートが提案されている。特許文献3では、2枚の非通水性シートの一方または双方に通気孔が穿設され、該2枚の非通水性シートの間に、空気流入によって発熱する発熱材が挟包されていることを特徴とするコンクリート養生シートが提案されている。
特開2015−021345号公報 特開昭63−129083号公報 特開2001−288895号公報
上記のような状況から、現在、新規な発熱シートや発熱シートを用いた新規な給熱方法およびコンクリートの養生方法が求められている。
本発明者らは、(A)加水発熱材料、(B)加水発熱材料を覆う透水シート、および(C)透水シートを覆う非透水シートを組み合わせることで、特別な装置や電源を必要とせず、簡便な手段によってコンクリートを給熱できる新規な発熱シートを得られることを知得した。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
(A)加水発熱材料、
(B)前記加水発熱材料を覆う透水シート、および
(C)前記透水シートを覆う非透水シート、
を有することを特徴とする発熱シート。
[2]
さらに前記加水発熱材料に水を供給させる水供給部を有する、[1]に記載の発熱シート。
[3]
前記非透水シートの一部または全部が、透湿防水シートまたは温水溶解シートである、[1]または[2]に記載の発熱シート。
[4]
前記非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートおよび/または断熱シートをさらに有するか、前記非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートと該保水シートを覆う断熱シートを更に有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の発熱シート。
[5]
コンクリートの養生シートである、[1]〜[4]のいずれかに記載の発熱シート。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の発熱シートで被加熱物の外周を覆うことを特徴とする、加熱方法。
[7]
[1]〜[5]のいずれかに記載の発熱シートで、コンクリート、コンクリートを製造するための型枠、あるいはコンクリートの養生マットを覆うことを特徴とする、コンクリートの養生方法。
本発明の一態様によれば、特別な装置や電源を必要とせず、簡便な手段によってコンクリートを給熱できる発熱シートを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、当該発熱シートを用いた加熱方法やコンクリートの養生方法を提供することができる。
本発明の一態様における発熱シートの概略断面図である。 本発明の他の態様における発熱シートの概略断面図である。 本発明の他の態様における発熱シートの概略断面図である。 本発明のさらに他の態様における発熱シートの概略断面図である。 実施例に用いた発熱シートの概略断面図である。 実施例に用いた発熱シートの評価装置の概略断面図である。図6の(a)が評価装置の全体を示し、図6の(b)が熱電対が埋め込まれたモルタル供試体と型枠の概略外観図である。 実施例1および実施例2ならびに比較例1および比較例2の材齢1日における圧縮強度の対比を示すグラフである。 実施例1および実施例2における、各給熱養生方法における加水発熱材料のa)3時間までの発熱温度の対比を示すグラフ、およびb)24時間までの発熱温度の対比を示すグラフである。 実施例1および実施例2ならびに比較例1および比較例2における、各給熱養生方法における供試体内のa)3時間までの温度の対比を示すグラフ、およびb)24時間までの温度の対比を示すグラフである。
本明細書において、「シート」とは、平面状の部材であり、「フィルム」、「板」等から、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、本明細書において、「シート」には板やフィルムとも呼ばれるような部材も包含される。さらに、本明細書においてシートの「面」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合においてシートの平面方向と一致する面のことを指す。また、本明細書において、「コンクリート」には「セメントと水と細骨材と粗骨材とを含むコンクリート」と「セメントと水と細骨材とを含むモルタル」とが包含される。
1.発熱シート
本発明の第1の態様によれば、(A)加水発熱材料、(B)加水発熱材料を覆う透水シート、および(C)透水シートを覆う非透水シートを有する発熱シートが提供される。透水シートと非透水シートとの間に水を供給することで、透水シートを介して加水発熱材料に水が供給されて発熱シートが発熱する。その際、水が透水シートと非透水シートの間に留まることにより、連続的に加水発熱材料に水を供給することができるため、安定的に発熱することが可能である。また、透水シートで加水発熱材料を被覆することで、給水後における加水発熱材料の急激な反応が抑えられ、作業時間等が確保でき、簡易的かつ安全に作業を行える。ここで、「加水発熱材料を覆う透水シート」は、実質的に、加水発熱材料の全体を覆っていることが望ましい。これによって、透水シートと非透水シートとの間に供給された水は加水発熱材料に直接接することなく、透水シートを介して加水発熱材料に供給することができる。但し、供給された水が加水発熱材料に直接接しないような水の供給形態においては、透水シートは必ずしも加水発熱材料の全体を覆っていなくてもよい。例えば、透水シートが加水発熱材料の少なくとも50%を覆っている場合であっても、供給された水が加水発熱材料には直接接することなく、透水シートを介して加水発熱材料に供給される状態が保たれていればよい。
本明細書の図1に本発明の一態様による発熱シート1の構成を示す。加水発熱材料2を透水シート3が覆い、透水シート3を非透水シート4が覆っている。図1において透水シート3と非透水シート4との間の一部に空隙が存在するように、透水シート3と非透水シート4とは密着していなくてもよく、空隙が存在していてもよい。同様に加水発熱材料2と透水シート3との間にも空隙が存在していてもよい。
加水発熱材料には様々な手段を用いて水を供給することができる。本発明の一態様において、発熱シート内部の加水発熱材料に水を供給させる水供給部を有する。水供給部としては、非透水シートの一部に水供給口を有するもの、あるいは非透水シートの内部に水供給機構を備えるもの等が挙げられる。
そのような発熱シートの一例を図2に示す。図1と同様に、発熱シート10では、加水発熱材料2を透水シート3が覆い、透水シート3を非透水シート4が覆っている。ここで、非透水シート4に水供給部5が設けられている。図2では水供給部5は水供給口(開口部)として記載されているが、水を供給することが可能であれば、特に限定されない。例えば、水供給部としては、図3に記載のような開閉部8を有する形態や、水を供給する管が挿入された形態であってもよい。水供給部が開口部の場合は、水を供給した後にヒートシールなどによって開口部を塞いでもよい。
また、非透水シートの内部に水供給機構を備える手段としては、水を含んだ容器等が挙げられる。このような水を含んだ容器から水が供給されるような構成とすることで、外部から水を供給しなくとも発熱シートを発熱させることができる。例えば、水を含んだ容器に外圧をかけることで容器の少なくとも一部が破損し、水が供給されるような構成や、容器に紐などを固定しておき、この紐を引っ張ることで容器の少なくとも一部が破損して水が供給されるような構成とすることで、別途水の供給源を用意しなくとも発熱シートを発熱させることができる。
本発明の一態様において、発熱シートはコンクリートの養生シートである。コンクリートの養生とはセメントの水和反応を促すための処理であり、適切な養生には十分な湿度と適切な温度が必要である。本発明の一態様における発熱シートは、特別な装置や電源を必要とせず、簡便な手段によってコンクリートを給熱できるため、寒冷期または寒冷地などでのコンクリートの養生に用いる養生シートとして適している。また、本発明の他の態様では、後述のとおり、発熱時に水蒸気が発生するため、そのような態様の発熱シートは十分な湿度環境を提供する上でも好ましい。
[発熱シートの構成要素]
本発明による発熱シートは、構成要素として(A)加水発熱材料、(B)透水シートおよび(C)非透水シートを少なくとも含む。これらの各構成要素および任意の構成要素について以下に説明する。
(A)加水発熱材料
本発明に用いる加水発熱材料としては、水と接して発熱する材料であれば、特に限定されるものではなく、市販されている加水発熱材料を使用することができる。具体的には、主要成分として、酸化カルシウム、アルミニウム粉等を用いることができる。この他に主要成分の発熱を助ける成分として、アルカリ金属アルミン酸塩、アルカリ金属塩化物等が添加されていてもよい。加水発熱材料としてこれらの材料を用いることで、一般的な吸湿発熱繊維などの発熱材料と比較して、高い発熱量を得ることができる。また、加水発熱材料は、水を加えることで発熱するため、空気中の酸素と反応して発熱する鉄を用いた使い捨てカイロのような発熱剤を用いる場合よりも高い発熱量を得ることができる。さらに、加水発熱材料と水が反応して発熱し、温められた水や水蒸気をコンクリート養生時の保湿の用途に用いることができる。
加水発熱材料はシート状に設置されるのが好ましい。シート全体に均一に設置されることで、局所過熱を防止することができる。
(B)透水シート
本発明に用いる透水シートとしては、水を透過する(透水性を有する)シートであれば特に限定されない。例えば、不織布や透水性を持たせたポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。本発明の発熱シートにおいて、加水発熱材料は透水シートで被覆されている。透水シートが加水発熱材料と非透水シートとの間に存在することで、水を供給した際に水が直接加水発熱材料と接触せずに、透水シートを介して、加水発熱材料に徐々に水が供給される。透水シートを介して加水発熱材料に水が徐々に給水されることにより作業時間等が確保でき、簡易的かつ安全に作業を行える。
本発明の一態様において、発熱シートをコンクリートの養生シートとして用いる場合、透水シートの厚さは5〜10mmが好ましい。透水シートにある程度の厚みを持たせることで、透水シートに水が保持され、継続的かつ漸進的に加水発熱材料に水を供給することができる。また、透水シートにある程度の厚みを持たせることで、給水後における加水発熱材料の急激な反応が抑えられ、作業時間等が確保でき、簡易的かつ安全に作業を行える。
(C)非透水シート
本発明に用いる非透水シートは、水を透過しない(非透水性を有する)シートであり、例えばポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートが挙げられる。加水発熱材料と水が反応して発熱し、非透水シート内の水温が上昇し、温められた水の熱がコンクリートやコンクリート養生マットに供給される。
また、非透水シートとして、温水可溶性を有する温水溶解シート(温水溶解フィルム)を用いることができる。温水溶解フィルムとは、冷水では溶解せず、40〜70℃の温水に溶解するPVA(ポリビニルアルコール)等を主原料とした水溶性フィルムである。温水溶解フィルムの厚さは30〜50μmが好ましい。加水発熱材料と水が反応して発熱し、水温が上昇すると温水溶解フィルムが溶解し、温水がコンクリートやコンクリート養生マットに散布される。
また、透湿性を有する透湿防水シートも用いることができる。加水発熱材料と水が反応して発熱し、温度が上昇すると水蒸気が発生する。透湿防水シートを用いた場合、発生する水蒸気がシートを通してコンクリートやコンクリートの打込み用型枠に供給され、蒸気養生効果を発揮する。
非透水シートとして、(a)通常の非透水シート、(b)温水溶解シートおよび(c)透湿防水シートを用いた場合のそれぞれの特徴をまとめると下記のとおりである。
(a)通常の非透水シートを用いた場合
加水発熱材料によって加温された水は、非透水シート内に留まるため、加温された水による熱だけが外部に放出され、被加熱物が温められる。
(b)温水溶解シートを用いた場合
加水発熱材料によって非透水シート(温水溶解シート)内の水が加温され、所定の温度に達すると、温水溶解フィルムが溶解し、温水(水蒸気を含む)が外部に放出される。(a)の場合と比較し、加水発熱材料の反応によって発生した熱だけではなく、温水溶解シートを使用することで、温水および水蒸気によって、被加熱物が温められる点で好ましい。
(c)透湿防水シートを用いた場合
加水発熱材料によって非透水シート(透湿防水シート)内の水が加温され、水蒸気が発生する温度に達すると、外部に水蒸気が放出される。(a)の場合と比較し、加水発熱材料の反応によって発生した熱だけではなく、透湿防水シートを使用することで、外部に放出された水蒸気によって、被加熱物が温められる点で好ましい
「透水シートを覆う非透水シート」は、透水シートの全体を覆っていることが望ましい。
なお、温水溶解シートおよび/または透湿防水シートを用いる場合は、温水溶解シートおよび/または透湿防水シートは非透水シートの全部であっても一部であってもよい。
[任意の構成要素]
本発明の発熱シートは、発明の効果を損なわない範囲で(A)加水発熱材料、(B)透水シート、および(C)非透水シートに加えて追加の構成要素を含んでいてもよい。そのような構成要素として、例えば、(D)断熱シートや(E)保水シートが挙げられる。
(D)断熱シート
本発明の一態様において、発熱シートは非透水シートの一方の面を覆う断熱シートをさらに有する。断熱性を有する材料としては、繊維系断熱材、発泡系断熱材等が挙げられ、これらをシート状に加工したものが使用される。断熱シートの表面には、遮熱性能のあるアルミガラスクロスが貼られることが好ましい。
断熱シートは非透水シートの一方の面(被加熱物に対する面とは反対側の面)に設置される。このように配置することで、放熱を抑え、熱を効率的に被加熱物に伝えることができるため好ましい。また、断熱シートは後述の保水シートを覆うように配置してもよい。
(E)保水シート
本発明の一態様において、発熱シートは非透水シートの一方の面を覆う保水シートをさらに有する。保水性を有する材料としては、ウレタンフォーム発泡体、ポリエステル繊維、不織布等が挙げられ、これらをシート状に加工したものが使用される。これは、被加熱物がコンクリートである場合に、コンクリートの初期乾燥を防ぐための湿潤養生の目的で使用される。
本発明の一態様による発熱シートは、非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートおよび/または断熱シートをさらに有していてもよく、あるいは、非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートと該保水シートを覆う断熱シートをさらに有していてもよい。例えば、(a)非透水シートの一方の面を保水シートが覆い、他方の面を断熱シートが覆っていてもよく、(b)非透水シートの両面を保水シートが覆っていてもよく、(c)非透水シートの片方の面のみを保水シートが覆っていてもよく、(d)非透水シートの両面を断熱シートが覆っていてもよく、(e)非透水シートの片方の面のみを断熱シートが覆っていてもよく、(f)態様(a)〜(c)において断熱シートが保水シートを覆っていてもよい。断熱シートと保水シートを有する一態様の発熱シートを図4に示す。図1や図2と同様に、発熱シート20では、加水発熱材料2を透水シート3が覆い、透水シート3を非透水シート4が覆っている。図4ではさらに発熱シートの一方の面に断熱シート6が配置され、もう一方の面に保水シート7が配置されている。保水シートが配置されている面が被加熱物(例えばコンクリート)に接する面である。
断熱シートと保湿シートは発熱シートの全面に配置されていることが望ましいが、必ずしも全面に配置されていなくてもよく、断熱シートと保湿シートが配置されている面積が少なくとも発熱シートの一方の面の面積の50%以上を占めていればよい。さらに、断熱シートと保湿シートは、発熱シートと固定されていなくてもよく、発熱シートから取り外し可能な状態で提供されてもよい。
2.給熱方法
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の発熱シートを用いた給熱方法が提供される。本発明の給熱方法は、被加熱物の外周を発熱シートで覆うことを特徴とする。
被加熱物は特に限定されず、様々なものを加熱することができる。被加熱物の例としては、コンクリート、モルタル、コンクリートおよびモルタルの打込み用型枠等が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明の給熱方法において、発熱シートで被加熱物の外周を覆う前に発熱シート内の加水発熱材料に水を供給してもよく、発熱シートで被加熱物の外周を覆った後に発熱シート内の加水発熱材料に水を供給してもよい。
3.コンクリートの養生方法
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様の発熱シートで、コンクリート、コンクリートの打込み用型枠、あるいはコンクリートの養生マットを覆うことを特徴とする、コンクリートの養生方法が提供される。
上述のとおり、適切な養生には十分な湿度と適切な温度が必要である。本発明のコンクリートの養生方法によれば、コンクリートの養生時に、コンクリートそのものや、コンクリートの打込み用型枠あるいはコンクリートの養生マットを発熱シートによって給熱することで、寒冷期および寒冷地で使用される場合であってもコンクリートを養生に必要な温度に給熱することができる。本発明のコンクリートの養生方法によれば、特別な装置や電源を必要とせず、簡便な手段によってコンクリートを給熱できるため、寒冷期および寒冷地などでのコンクリートの養生方法として適している。また、本発明の他の態様において、給熱時に温水や水蒸気が発生するような発熱シートを用いることで、養生に適した湿度環境を提供しつつ養生を行うこともできる。また、本発明の養生方法において、発熱シートでコンクリート、コンクリートの打込み用型枠、あるいはコンクリートの養生マットを覆う前に発熱シート内の加水発熱材料に水を供給してもよく、覆った後に発熱シート内の加水発熱材料に水を供給してもよい。
本発明のコンクリートの養生方法において、本発明の第1の態様の発熱シートは、養生シートとして用いられてもよく、養生シートを温めるための発熱シートとして用いられてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
実施例1:温水溶解フィルムを用いた発熱シート
(1)実施例に用いた装置
温水溶解フィルムを用いた発熱シートの評価に用いた材料を以下に示す。

<発熱シート>
発熱シートには下記の(A)〜(C)の材料を用いた。
(A)加水発熱材料
酸化カルシウムおよびアルミニウム粉を主成分とする加水発熱材料、市販品
(B)透水シート
発泡ウレタンフォーム(アオイ化学工業株式会社製、厚さ:5〜10mm)
(C)非透水シート
・温水溶解シート
PVA(ポリビニルアルコール)を主原料とした温水溶解フィルム(株式会社アイセロ社製、70℃の温水に溶解、厚さ:30〜50μm)
試験に用いるために、(A)加水発熱材料を(B)透水シートで被覆し、その後(C)非透水シート(温水溶解フィルム)で被覆した上で開口部をクリップで閉じ、図5に示すような構成とした。
<評価に用いた装置>
養生の評価は図6に示した装置を用いて行った。図6(b)に示すφ50×100mm型枠にモルタルを注ぎ込み、5℃の恒温室における普通ポルトランドセメントを使用したモルタル(水セメント比=50%)の硬化促進効果および加水発熱材料、モルタル供試体内部の温度履歴を評価した。試験に用いたモルタル供試体は下表1の標準配合(JIS R 5210に準拠)で作製した。普通セメントは、太平洋セメント社製品を用いた。細骨材は、セメント協会製品のセメント強さ試験用標準砂を用いた。水は、水道水を用いた。

図6に記載のように、型枠にモルタルを注ぎ込んだ後に、モルタルの外部に露出している部分を(E)保水シート7(発泡ウレタンフォーム(アオイ化学工業株式会社製)、厚さ:10mm)で被覆し、その上に発熱シート30を設置し、発熱シート30を(D)断熱シート6(表面にアルミガラスクロスが貼られた繊維系断熱シート(モノタロウ社製))で被覆した。発熱シート30を設置する直前に発熱シート30の開口部から水を140ml注入し、クリップで開口部を閉じた。発熱シートはモルタルを注入した後すぐに設置し、評価を行った。
実施例2:透湿防水シートを用いた発熱シート
(C)非透水シートとして透湿防水フィルム(ポリプロピレンを主成分としたマイクロスポンジ構造の透湿防水フィルム(スリーエムジャパン株式会社製、厚さ:38μm、透湿性12,000g/m・24hr))を用い、実施例1と同様に評価を行った。
比較例1:断熱シート、発熱シートおよび保水シートを使用しない場合
断熱シート、発熱シートおよび保水シートを使用しない気中養生を行った。
比較例2:発熱シートを使用しない場合
発熱シートを使用せず、断熱シートおよび保水シートを使用して保温養生を行った。
圧縮強度
圧縮強度は、JIS A 1108に準拠し、5℃環境下でモルタル供試体を養生し、材齢1日の5℃封かん養生における強度を測定した。
<評価結果>
図5および図6のように発熱シートを使用し、5℃の恒温室における普通ポルトランドセメントを使用したモルタル(水セメント比=50%)の材齢1日までの硬化促進効果およびを評価した。
その結果、実施例1の材齢1日の圧縮強度は、比較例1と比較して、約2.79倍向上し、比較例2と比較して、約1.76倍向上しており、発熱シートによる硬化促進の効果が確認できた。また、実施例2の材齢1日の圧縮強度は、実施例1と比べ、圧縮強度が約1.8倍向上することが確認できた。また、実施例2の場合、圧縮強度は寒中コンクリートの初期養生の打ち切り目安となっている5.0N/mm以上となっており、短時間での養生効果が確認できた。結果を下記表2および図7に示す。
図8および図9には、各加温養生方法における加水発熱材料の3時間までと24時間までの発熱温度および各養生方法における供試体内の温度を示す。温度管理用供試体は、供試体の中央位置に熱電対を埋設した。温水溶解シートの場合に比べて、透湿防水シートの場合では加水発熱材料の発熱最高温度が約5℃高くなり、最高温度到達後の温度低下が少ないことを確認した。また、供試体内温度においても、透湿防水シートを使用することで供試体内温度が向上することが確認できた。透湿防水シートを使用することで、加水発熱材料が反応して温水が発生した後も加水発熱材料への供給が継続し、加水発熱材料の反応が効果的に進んだと推測される。
1、10、11、20、30…発熱シート
2…加水発熱材料
3…透水シート
4…非透水シート
5…水供給部
6…断熱シート
7…保水シート
8…開閉部
50…実験装置

Claims (7)

  1. (A)加水発熱材料、
    (B)前記加水発熱材料を覆う透水シート、および
    (C)前記透水シートを覆う非透水シート、
    を有することを特徴とする発熱シート。
  2. さらに前記加水発熱材料に水を供給させる水供給部を有する、請求項1に記載の発熱シート。
  3. 前記非透水シートの一部または全部が、透湿防水シートまたは温水溶解シートである、請求項1または2に記載の発熱シート。
  4. 前記非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートおよび/または断熱シートをさらに有するか、前記非透水シートの少なくとも一方の面を覆う保水シートと該保水シートを覆う断熱シートをさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発熱シート。
  5. コンクリートの養生シートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発熱シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発熱シートで被加熱物の外周を覆うことを特徴とする、加熱方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発熱シートで、コンクリート、コンクリートを製造するための型枠、あるいはコンクリートの養生マットを覆うことを特徴とする、コンクリートの養生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022064883A1 (ja) 2020-09-23 2022-03-31 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
CN114407476A (zh) * 2021-12-02 2022-04-29 同济大学 一种混凝土表面保温材料及其制备方法和使用方法

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