JP2020157911A - 中間ローラー装置およびクローラー車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地面に凹凸などがある場合でも、走行安定性を良好にすることが可能な中間ローラー装置を提供する。
【解決手段】 上端部を中心に回転自在に車体に配設される回転支持体2を挟むように、クローラーを地面側に押し付ける2つの中間ローラー3が配設され、長尺状の連結アーム4の中心部が、各中間ローラー3の中心部に中間ローラー3とは独立して回転自在に連結され、各連結アーム4の一端部4aが回転支持体2の下部に連結され、各連結アーム4の他端部4bが伸縮ロッド5を介して回転支持体2の上部に連結され、収縮した伸縮ロッド5を伸長させるスプリング6を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 上端部を中心に回転自在に車体に配設される回転支持体2を挟むように、クローラーを地面側に押し付ける2つの中間ローラー3が配設され、長尺状の連結アーム4の中心部が、各中間ローラー3の中心部に中間ローラー3とは独立して回転自在に連結され、各連結アーム4の一端部4aが回転支持体2の下部に連結され、各連結アーム4の他端部4bが伸縮ロッド5を介して回転支持体2の上部に連結され、収縮した伸縮ロッド5を伸長させるスプリング6を備える。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ゴム製や金属製のクローラー(無限軌道)を支持する中間ローラー装置と、この中間ローラー装置を備えたクローラー車両に関する。
例えば、トラクターや不整地走行車のゴムクローラーは、横長の環状に形成されて車体の下部に配設され、環内の車体前後に駆動輪と従動輪とが配設されている。さらに、駆動輪と従動輪との間に、クローラーを地面側に押し付ける複数の中間ローラーが配設され、駆動輪が回転してゴムクローラーを巻き込むことで、従動輪と中間ローラーおよびゴムクローラーが回転して車両が走行するものである(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、特許文献1に記載の車両では、支持板を介して2つの中間ローラーが車体に配設されている。すなわち、略二等辺三角形状の支持板が、その頂角部を中心に回転自在に車体の下部フレームに連結され、支持板の両底角部にそれぞれ中間ローラーが回転自在に配設されている。これにより、地面に凹凸などがある場合でも、支持板が頂角部を中心に回転することで、中間ローラーが凹凸に沿って上下動するようになっている。
しかしながら、支持板が変形しない剛体であるため、中間ローラーが上下動するのに伴って支持板の頂角部も上下する。例えば、一方の中間ローラーのみが上がると、支持板の頂角部も上がってしまい、下部フレームが持ち上げられて(車体が上下動して)車両の走行安定性・水平走行性が低下する、という問題があった。
そこでこの発明は、地面に凹凸などがある場合でも、走行安定性を良好にすることが可能な中間ローラー装置およびクローラー車両を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、車体の下部に配設される環状のクローラー内に配設され、前記クローラーを地面側に押し付ける中間ローラー装置であって、上端部を中心に回転自在に前記車体に配設される回転支持体を挟むように、前記クローラーを地面側に押し付ける2つの中間ローラーが配設され、長尺状の連結アームの中心部が、前記各中間ローラーの中心部に前記中間ローラーとは独立して回転自在に連結され、前記各連結アームの一端部が前記回転支持体の下部に連結され、前記各連結アームの他端部が伸縮部材を介して前記回転支持体の上部に連結され、収縮した前記伸縮部材を伸長させる伸長手段を備える、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の中間ローラー装置において、前記伸長手段は、スプリングで構成されている、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の中間ローラー装置において、前記伸長手段は、ガスダンパまたは油圧ダンパで構成されている、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に中間ローラー装置において、前記伸長手段を複数備える、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の中間ローラー装置を備える、ことを特徴とするクローラー車両である。
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、上端部を中心に回転自在な回転支持体の下部に、中間ローラーと同心の連結アームの一端部が連結され、回転支持体の上部に連結アームの他端部が伸縮部材を介して連結されている。このため、地面に凹凸などがある場合でも、中間ローラーの上下動に応じて伸縮部材が伸縮し、上下動(高低差)が吸収されることで、回転支持体の上端部が上下動することがなく、走行安定性を良好にすることが可能となる。
例えば、一方の中間ローラーのみが上がった場合、その高さに応じて一方または両方の伸縮部材が収縮するとともに、回転支持体が上端部を中心に回転するため、回転支持体の上端部が上がることがなく、車両は水平に安定して走行することが可能となる。しかも、収縮した伸縮部材を伸長させる伸長手段を備えるため、地面の凹凸などによって伸縮部材が収縮しても、地面が平坦になれば伸縮部材が確実に伸長して元に戻る。つまり、地面の表面状態に応じて確実に中間ローラーが地面に追従するため、走行安定性を良好にすることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、伸長手段がスプリングで構成されているため、簡易に構成することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、伸長手段がガスダンパまたは油圧ダンパで構成されているため、ガス圧力または油圧力を調整することで、より確実に伸縮部材を伸長させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の伸長手段を備えるため、より確実に伸縮部材を伸長させることが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る中間ローラー装置1を備えたクローラー車両V1を示す側面図である。この中間ローラー装置1は、クローラー車両V1の車体201の下部に配設される環状のゴムクローラー(クローラー)205内に配設され、ゴムクローラー205を地面側に押し付けて支持する装置である。ここで、この実施の形態では、クローラー車両V1は、不整地走行車であり中間ローラー装置1のみが従来と異なり、概略次のような構成となっている。
すなわち、ゴムクローラー205は、表裏に凸部が連続的に形成された帯状のベルトを横長の環状にして形成され、車体201の下部に配設されている。このゴムクローラー205の環内には、車体前方に従動輪202が配設され車体後方に駆動輪203が配設され、従動輪202と駆動輪203は、車体201の下部フレーム204で連結されている。さらに、従動輪202と駆動輪203との間に、ゴムクローラー205を地面側に押し付けて支持する複数の中間ローラー3が配設されている。そして、駆動輪203が回転してゴムクローラー205を巻き込むことで、従動輪202と中間ローラー3およびゴムクローラー205が回転してクローラー車両V1が走行するものである。
中間ローラー装置1は、図2、図3に示すように、主として、回転支持体2と、中間ローラー3と、連結アーム4と、伸縮ロッド(伸縮部材)5と、スプリング(伸長手段)6と、油圧ダンパ(伸長手段)7と、を備え、回転支持体2を挟むように2つの中間ローラー3が配設されている。すなわち、回転支持体2は、略縦長の板状で、車体201の幅方向に水平に延びる支持体回転軸21が回転支持体2の上端部を貫通している。そして、図1に示すように、下部フレーム204の下部に設けられた軸受板206に支持体回転軸21が軸支されることで、回転支持体2が上端部つまり支持体回転軸21を中心に、車体201の前後方向に回転自在に車体201に配設される。
このような回転支持体2が4つ配設されている。すなわち、図3に示すように、支持体回転軸21の軸心に対して板面が略垂直になるようにして、支持体回転軸21の一端側に2つの回転支持体2が対向して配設され、支持体回転軸21の他端側に2つの回転支持体2が対向して配設されている。ここで、対向する2つの回転支持体2を一体的に連結してもよい。また、支持体回転軸21の両端側の外径は、中央部の外径よりも小さく形成され、さらに、この小径部の端部に雄ネジが形成されている。そして、小径部が回転支持体2の上端部を貫通した状態で、雄ネジに第1のナット81が締め付けられている。詳細については後述する。このような回転支持体2の車体前後に、それぞれ中間ローラー3が配設されている。
中間ローラー3は、略円柱状で、中央部に全周にわたる窪み3aが形成されている。また、中間ローラー3の中心にローラー回転軸31が貫通され、ローラー回転軸31の両端部が中間ローラー3の両端面から突出し、ローラー回転軸31周りに中間ローラー3が回転自在となっている。このような中間ローラー3が、支持体回転軸21の軸心と平行に配設されている。
ここで、ローラー回転軸31の中間ローラー3側は大径に形成され、ローラー回転軸31の反中間ローラー3側には雄ネジが形成されている。また、支持体回転軸21の一端側の2つの回転支持体2が、ローラー回転軸31の一方側に位置し、支持体回転軸21の他端側の2つの回転支持体2が、ローラー回転軸31の他方側に位置する。
連結アーム4は、長尺状でその中心部が、各中間ローラー3の中心部に中間ローラー3とは独立して回転自在に連結されている。すなわち、連結アーム4は、図2に示すように、鈍角なL字状の板材で、角度つまり中央部にボルト挿入孔(図示せず)が形成され、このボルト挿入孔にローラー回転軸31が挿入され、ローラー回転軸31の雄ネジに第2のナット82が締め付けられている。これにより、中間ローラー3の中心部に連結アーム4の中心部が連結され、かつ、中間ローラー3とは独立して連結アーム4が回転自在となっている。詳細については後述する。
このような連結アーム4が各中間ローラー3に対して4つ配設されている。すなわち、図3に示すように、ローラー回転軸31の軸心に対して板面が略垂直になるようにして、ローラー回転軸31の一方の端部に2つの連結アーム4が対向して配設され、ローラー回転軸31の他方の端部に2つの連結アーム4が対向して配設されている。ここで、この実施の形態では、図5に示すように、対向する2つの連結アーム4が回転支持体2側において、アームブロック41を介して一体的に連結されている。このアームブロック41の両側面には、回転支持体2を収容する段差が形成され、これにより、連結アーム4の側面と回転支持体2の側面とが面一になっている。
また、各連結アーム4の一端部4aが回転支持体2の下部に連結されている。すなわち、連結アーム4の底辺側の一端部4aと回転支持体2の下部にそれぞれボルト挿入孔(図示せず)が形成され、このボルト挿入孔に第1のショルダーボルト91が挿入され第3のナット83が締め付けられている。これにより、連結アーム4の一端部4aが回転支持体2の下部に連結されるとともに、第1のショルダーボルト91周りに回転自在となっている。詳細については後述する。一方、各連結アーム4の他端部4bは、伸縮ロッド5を介して回転支持体2の上部に連結されている。
伸縮ロッド5は、軸方向に伸縮自在なロッドであり、図2に示すように、棒状のロッド本体51と、略横長のシリンダ体52とを備える。ロッド本体51の一端部51aは、ブロック状で、対向する2つの連結アーム4の他端部4bで挟まれて、第2のショルダーボルト92と第4のナット84によって回転自在に配設されている。また、シリンダ体52の一端部は、対向する2つの回転支持体2の上部で挟まれて、第3のショルダーボルト93と第5のナット85によって回転自在に配設されている。詳細については後述する。
また、ロッド本体51の他端部には雄ネジが形成され、シリンダ体52の他端部には、ロッド挿入孔(図示せず)が形成され、さらに、このロッド挿入孔に連通する空間部52aが形成されている。そして、ロッド本体51の他端部がシリンダ体52のロッド挿入孔に挿入され、空間部52a内に収容された状態で、ロッド本体51の雄ネジに第6のナット86が締め付けられている。これにより、ロッド本体51とシリンダ体52とが連結されるとともに、ロッド本体51がシリンダ体52に対して進退動自在となり、伸縮ロッド5が軸方向に伸縮自在となっている。
スプリング6は、収縮した伸縮ロッド5を伸長させる圧縮コイルスプリングであり、図3に示すように、スプリング6内にロッド本体51が挿入された状態で、ロッド本体51の一端部51aとシリンダ体52に挟まれて配設されている。これにより、シリンダ体52を回転支持体2側に常に押圧して、伸縮ロッド5に伸長方向の力を作用させる。この結果、後述するようにして地面の凹凸などによって伸縮ロッド5が収縮しても、地面が平坦になると伸縮ロッド5が伸長するものである。このスプリング6のバネ係数(バネ力)は、収縮した伸縮ロッド5を確実かつ瞬時に伸ばせるように設定されている。
油圧ダンパ7は、収縮した伸縮ロッド5を伸長させるとともに、スプリング6によって伸縮ロッド5が急激に伸長するのを抑制して、衝撃を緩和・減衰させるダンパである。すなわち、図4、図5に示すように、油圧シリンダ71と油圧ピストン72とを備え、油圧シリンダ71内に油圧が作用した状態で、油圧シリンダ71内に油圧ピストン72が進退動自在に挿入されている。また、この実施の形態では、一方の中間ローラー3の両端の対向する連結アーム4間に油圧ダンパ7が配設され、油圧シリンダ71の基端部(反油圧ピストン72側)がシリンダピン711によって回転自在に連結アーム4に連結されている。さらに、油圧ピストン72の基端部(反油圧シリンダ71側)がピストンピン721によって回転自在に回転支持体2に連結されている。
この油圧ダンパ7の油圧力(減衰力)は、収縮した伸縮ロッド5を確実に伸ばせ、かつ、伸縮ロッド5が伸びることによる衝撃が車体201に伝わらないように設定されている。このような油圧ダンパ7とスプリング6により、縮んだ伸縮ロッド5が、地面が平坦になったりすると確実に伸びるとともに、その衝撃・反動が車体201に伝わらないものである。
次に、上述のショルダーボルト91〜93の形状などについて説明する。ショルダーボルト91、92、93は、図6に示すように、円柱状の軸部911、921、931の両端部に、軸部911、921、931と同軸で軸部911、921、931よりも小径の雄ネジ912、922、932が形成されている。ここで、軸部911、921、931と雄ネジ912、922、932を一体的に形成してもよいし、円筒にネジ棒を挿入して構成してもよい。
一方、ローラー回転軸31の根元部311は、ローラー回転軸31よりも大径で、ローラー回転軸31の先端に、ローラー回転軸31と同軸でローラー回転軸31よりも小径の雄ネジ312が形成されている。また、上記のように、支持体回転軸21の両端側の外径は、中央部の外径よりも小さく形成され、この小径部211の端部に、小径部211と同軸で小径部211よりも小径の雄ネジ212が形成されている。
そして、図6(a)に示すように、連結アーム4の中央部のボルト挿入孔にローラー回転軸31が挿入され、雄ネジ312に第2のナット82が締め付けられている。これにより、根元部311と第2のナット82との間でローラー回転軸31を介して、2つの連結アーム4と中間ローラー3とが互いに独立して回転自在に配設されている。また、上述の連結アーム4の一端部4a(アームブロック41)と回転支持体2の下側部のボルト挿入孔に、第1のショルダーボルト91の軸部911が挿入され、両雄ネジ912に第3のナット83が締め付けられている。これにより、第3のナット83間で軸部911を介して、2つの連結アーム4(アームブロック41)と回転支持体2とが互いに独立して回転自在に配設されている。同様に、連結アーム4の他端部4bとロッド本体51の一端部51aのボルト挿入孔に、第2のショルダーボルト92の軸部921が挿入され、両雄ネジ922に第4のナット84が締め付けられている。これにより、第4のナット84間で軸部921を介して、2つの連結アーム4とロッド本体51とが互いに独立して回転自在に配設されている。
また、図6(b)に示すように、回転支持体2の上端部に形成されたボルト挿入孔に支持体回転軸21の小径部211が挿入され、雄ネジ212に第1のナット81が締め付けられている。これにより支持体回転軸21と第1のナット81との間で、小径部211周りに回転支持体2が回転自在に配設されている。また、シリンダ体52の一端部と回転支持体2の上側部のボルト挿入孔に、第3のショルダーボルト93の軸部931が挿入され、両雄ネジ932に第5のナット85が締め付けられている。これにより、第5のナット85間で軸部931を介して、2つの回転支持体2とシリンダ体52とが互いに独立して回転自在に配設されている。
このような構成の中間ローラー装置1およびクローラー車両V1によれば、上端部を中心に回転自在な回転支持体2の下部に、中間ローラー3と同心の連結アーム4の一端部4aが連結され、回転支持体2の上部に連結アーム4の他端部4bが伸縮ロッド5を介して連結されている。このため、地面に凹凸などがある場合でも、中間ローラー3の上下動に応じて伸縮ロッド5が伸縮し、上下動(高低差)が吸収されることで、回転支持体2の上端部が上下動すること(ガタガタ感)がなく、走行安定性を良好にすることが可能となる。
例えば、一方の中間ローラー3のみが上がった場合、その高さに応じて一方または両方の伸縮ロッド5が収縮するとともに、回転支持体2が上端部を中心に回転するため、回転支持体2の上端部が上がることがなく、車両201は水平に安定して走行することが可能となる。このような効果について、図7、図8に示す従来の中間ローラー装置101およびクローラー車両V2と比較して、具体的に説明する。ここで、従来の中間ローラー装置101は、略二等辺三角形状の支持板102が、その頂角部102aを中心に回転自在に車体201の下部フレーム204に連結され、支持板102の両底角部102bにそれぞれ中間ローラー103が回転自在に配設されている。また、本中間ローラー装置1と従来の中間ローラー装置101の配設間隔L1、本中間ローラー3と従来の中間ローラー103の配設間隔L2、本回転支持体2の回転中心C1から中間ローラー3の軸心までの高さH1と従来の支持板102の回転中心C2から中間ローラー103の軸心までの高さH1は、同寸法となっている。
まず、図9に示すように、地面Gが平坦な状態では、本中間ローラー装置1と従来の中間ローラー装置101はともに、地面Gから回転中心C1、C2までの距離がH2となっている。また、本中間ローラー装置1の伸縮ロッド5と油圧ダンパ7が最も伸びた状態で、スプリング6の長さS1も最も伸びた状態となる。
次に、図10に示すように、地面Gの凹凸などによって一方の中間ローラー3、103のみがわずかな高さD11だけ上がると、従来の中間ローラー装置101は、地面G(他方の中間ローラー103の接地面)から回転中心C2までの高さが高さD21だけ上昇する。一方、本中間ローラー装置1では、上がった中間ローラー3側の伸縮ロッド5と油圧ダンパ7が縮むことで、地面Gからの回転中心C1までの高さが変わらない。このとき、上がった中間ローラー3側のスプリング6の長さS1も縮む。
続いて、図11に示すように、一方の中間ローラー3、103のみがさらに高さD12(>D11)だけ上がると、従来の中間ローラー装置101は、地面Gから回転中心C2までの高さがさらに高さD22(>D21)だけ上昇する。一方、本中間ローラー装置1では、上がった中間ローラー3側の伸縮ロッド5と油圧ダンパ7は図10の状態のままで、上がらない中間ローラー3側の伸縮ロッド5が縮み、かつ、回転支持体2が回転することで、地面Gからの回転中心C1までの高さが変わらない。このとき、両スプリング6の長さS1は同じとなる。
さらに、図12に示すように、一方の中間ローラー3、103のみがさらに高さD13(>D12)だけ上がると、従来の中間ローラー装置101は、地面Gから回転中心C2までの高さがさらに高さD23(>D22)だけ上昇する。一方、本中間ローラー装置1では、両伸縮ロッド5と油圧ダンパ7がさらに縮み、かつ、回転支持体2がさらに回転することで、地面Gからの回転中心C1までの高さが変わらない。このとき、両スプリング6の長さS1もさらに縮む。
このように、本中間ローラー装置1によれば、一方の中間ローラー3のみが上がった場合でも、換言すると、一方の中間ローラー3のみが下がった場合でも、地面Gからの回転中心C1までの高さが変わらないため、地面に凹凸などがある場合でも、走行安定性が良好となる。
また、収縮した伸縮ロッド5を伸長させるスプリング6と油圧ダンパ7を備えるため、地面Gの凹凸などによって伸縮ロッド5が収縮しても、地面Gが平坦になったりすれば伸縮ロッド5が確実に伸長して元に戻る。つまり、地面Gの表面状態などに応じて確実に中間ローラー3が地面に追従するため、走行安定性を良好にすることが可能となる。しかも、伸縮ロッド5が伸びることによる衝撃が油圧ダンパ7で減衰されるため、車体201に衝撃が伝わらず、走行安定性や乗り心地が良好となる。
また、伸長手段がスプリング6で構成されているため、簡易に構成することが可能となる。さらに、油圧ダンパ7で構成された伸長手段を備えるため、油圧力を調整することで、より確実に伸縮ロッド5を伸長させることが可能となる。このように、複数の伸長手段を備えるため、より確実に伸縮ロッド5を伸長させることが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、クローラーがゴムクローラー205の場合について説明したが、鉄製や複合材製などのクローラーであってもよい。
また、スプリング6と油圧ダンパ7の2つの伸長手段を備える場合について説明したが、伸縮ロッド5を伸ばすのに必要な力などに応じて、スプリング6または油圧ダンパ7の一方のみを設けてもよい。同様に、一方の中間ローラー3の両端に油圧ダンパ7を設けているが、両中間ローラー3の両端に油圧ダンパ7を設けてもよく、さらに、油圧ダンパ7に代わってガスダンパを設けてもよい。
1 中間ローラー装置
2 回転支持体
21 回転軸
3 中間ローラー
4 連結アーム
4a 一端部
4b 他端部
5 伸縮ロッド(伸縮部材)
6 スプリング(伸長手段)
7 油圧ダンパ(伸長手段)
V1 クローラー車両
201 車体
202 従動輪
203 駆動輪
204 下部フレーム
205 ゴムクローラー(クローラー)
206 軸受板
2 回転支持体
21 回転軸
3 中間ローラー
4 連結アーム
4a 一端部
4b 他端部
5 伸縮ロッド(伸縮部材)
6 スプリング(伸長手段)
7 油圧ダンパ(伸長手段)
V1 クローラー車両
201 車体
202 従動輪
203 駆動輪
204 下部フレーム
205 ゴムクローラー(クローラー)
206 軸受板
Claims (5)
- 車体の下部に配設される環状のクローラー内に配設され、前記クローラーを地面側に押し付ける中間ローラー装置であって、
上端部を中心に回転自在に前記車体に配設される回転支持体を挟むように、前記クローラーを地面側に押し付ける2つの中間ローラーが配設され、
長尺状の連結アームの中心部が、前記各中間ローラーの中心部に前記中間ローラーとは独立して回転自在に連結され、
前記各連結アームの一端部が前記回転支持体の下部に連結され、
前記各連結アームの他端部が伸縮部材を介して前記回転支持体の上部に連結され、
収縮した前記伸縮部材を伸長させる伸長手段を備える、
ことを特徴とする中間ローラー装置。 - 前記伸長手段は、スプリングで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の中間ローラー装置。 - 前記伸長手段は、ガスダンパまたは油圧ダンパで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の中間ローラー装置。 - 前記伸長手段を複数備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の中間ローラー装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の中間ローラー装置を備える、
ことを特徴とするクローラー車両。
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---|---|---|---|
JP2019058860A JP2020157911A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 中間ローラー装置およびクローラー車両 |
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- 2019-03-26 JP JP2019058860A patent/JP2020157911A/ja active Pending
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