JP2020157234A - チェーン洗浄装置及びチェーンブロック洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チェーンを構成するチェーン要素同士の繋ぎ目に潤滑油を塗布できない可能性が高いことを課題とする。【解決手段】本発明のチェーン洗浄装置1は、チェーン挿入口12Aがチェーン排出口12Bの直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けられ、筐体12内にチェーン挿入口12Aとチェーン排出口12Bとの上下方向の位置ずれに倣ってチェーンを屈曲させるガイドローラ18を備え、潤滑油塗布部19が筐体12内においてチェーンの屈曲部Pに塗布できるように設ける構成とした。【効果】直線状にチェーンを送る構成であれば隠れてしまうチェーン要素同士の繋ぎ目を屈曲させることで露出させることができ、潤滑油を確実に塗布することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、引張荷重が求められる主に引揚・荷役・駆動用のチェーンの洗浄装置に係り、特にチェーン要素の繋ぎ目を洗浄して確実に潤滑油を塗布する技術に関する。
例えば特許文献1(特表2000−512367号公報)には、駆動チェーン用の洗浄潤滑装置が開示されている。この特許文献1によれば、互いに連結可能な2つのハウジング半分体からなり、駆動チェーンを貫通させるための開口部を有する本質的に閉じられたハウジングと、駆動チェーンを拭い取るためにハウジングに取り付けられたブラシとを備え、ハウジング内に、駆動チェーンに向けられ、かつハウジングの外側の継手部材とを連通したノズルが設けられ、ハウジングが、装置内で噴射される媒体を排出するために形成されたドレン抜き用開口部を有する構成とされている。
ところで、チェーンと言っても、多種類あって、環状(円、長円など)のチェーン要素を繋げた一般によく見かけるものから、構成の詳細説明は省略するがいわゆるボールチェーンや特許文献1で駆動チェーンとして開示しているいわゆるローラーチェーン、が存在する。
重量あたりの引張荷重が求められない装飾用などのチェーンであれば、比較的に短尺でかつ軽量であることから、特許文献1のような装置は不要で手洗いで十分である。しかし、引張荷重が求められる例えばいわゆるチェーンブロックのチェーンやローラーチェーンなど(以下、産業用チェーンという)は長尺で重量があることから、以下のとおり、手洗いができないことはないが、手間及び時間がかかることから特許文献1のような装置が必要とされる。
すなわち、引張荷重が求められる(装飾用に較べて)比較的、長尺で重量もある上記産業用チェーンは、その汚れも手洗いで容易に落とせるような埃や皮脂汚れなどではなく、汚れた機械油や錆び(鉄粉)、荷役物の汚れや作業環境下で付着する例えば泥や土、様々であり、単に洗浄すればよいだけでなく、(洗浄したうえで)チェーンを用いる装置や機構において円滑に動作するように潤滑油を塗布する必要もある。
チェーンを用いてこれを円滑に動作させる重要なポイントは、洗浄されていることと潤滑油が十分に塗布されていることが重要であるが、特に潤滑用に関してはチェーンの構造上、チェーン要素同士の繋ぎ目部分に適切に潤滑用が塗布されることも重要となる。
しかしながら、特許文献1の構成では、(駆動チェーンとして示される)ローラーチェーンを直線的に送って、その直線搬送路の過程でブラシによる洗浄と潤滑油の噴射を行うようにしているので、ローラーチェーンにおけるいわゆるリンク部位に十分に潤滑油がいきわたらない可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、従来のチェーン洗浄装置は、チェーンを構成するチェーン要素同士の繋ぎ目に潤滑油を塗布できない可能性が高いことにある。
上記課題を解決するために、本発明は、筐体と、この筐体内に、チェーンを洗浄するためのブラシと、チェーンに洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、チェーンに潤滑油を塗布する潤滑油塗布部と、備えたチェーン洗浄装置であって、前記筐体は上部にチェーン挿入口、下面にチェーン排出口がそれぞれ設けられ、前記チェーン挿入口は前記チェーン排出口の直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けられ、また、前記筐体内に前記チェーン挿入口と前記チェーン排出口との上下方向の位置ずれに倣ってチェーンを屈曲させるガイドローラを備え、前記潤滑油塗布部が前記筐体内においてチェーンの屈曲部位に塗布できるように設けられたことを特徴とする。
本発明は、チェーン挿入口は前記チェーン排出口の直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けて、さらに、筐体内部においてチェーンを屈曲させるガイドローラを備えることで、通常であれば隠れてしまう繋ぎ目を屈曲させることで露出させることができ、ここに潤滑油を確実に塗布させることができるといった利点がある。
本発明は、チェーンを構成する部材の繋ぎ目に潤滑油を塗布できない可能性が高いという問題点を、チェーン挿入口がチェーン排出口の直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けられ、筐体内にチェーン挿入口とチェーン排出口との上下方向の位置ずれに倣ってチェーンを屈曲させるガイドローラを備え、潤滑油塗布部が筐体内においてチェーンの屈曲部位に塗布できるように設ける構成とすることで改善できた。
さらに、本発明は、上記構成において、ブラシはチェーンを挟み込む1対の回転ブラシを複数対設けた構成とされ、そのうちの少なくとも1対はチェーンの送り方向に回転するようにすれば、チェーンの送り移動方向にむけてブラシが同方向に掃くことで生じる汚れの残留を抑制し、強固な汚れ、例えばこびりついた汚れや錆びなどを確実に除去でき、洗浄効果が向上する。
また、本発明は、上記構成において、チェーンブロックの操作用チェーンを操作する送操作機構を備えた構成としてもよい。こうすることで、チェーンブロックの操作用チェーンと荷揚用チェーンのうち、荷揚用チェーンを洗浄するために操作用チェーンを別途操作する必要がなくなり、利便性が向上する。
さらに、本発明は、上記構成において、チェーンブロックの操作用チェーンを挿通して洗浄するためのハウジングを筐体の前記チェーン挿入口側の下方位置に設け、ハウジングの上面と下面のそれぞれに操作用チェーン挿入口、操作用チェーン排出口の各々が設けられ、ハウジング内に、操作用チェーンを洗浄するブラシと、操作用チェーンに洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、操作用チェーンに潤滑油を塗布する潤滑油塗布部とを備えた構成としてもよい。
上記の構成は、(特に手動用の)チェーンブロックの操作用チェーンを洗浄する構成であり、この場合は操作用チェーン挿入口と操作チェーン排出口は各々鉛直方向に直線状に並べている。こうすることで、荷揚用チェーンだけでなく、操作用チェーンも含めてチェーンブロックを全体的に洗浄してメンテナンスを行うことができるようになる。
また、本発明は、上記構成において、送操作機構をハウジング内に収納した構成としてもよい。こうすることで、チェーンブロックの操作用チェーンと荷揚用チェーンを該チェーンブロックを分解する必要なく、しかも荷揚用チェーンを洗浄のための送り動作を、人手を介することなく操作用チェーンを操作して行うことが可能となる。
さらに、本発明のチェーンブロック洗浄装置は、チェーンブロック洗浄装置であって、基板と、この基板の上部に設けられ、チェーンブロックの吊下部を架けるフックを有して該チェーンブロック全体を昇降させるウインチとを備え、さらに、前記基板における前記ウインチのフックの鉛直方向の下方位置にチェーンブロックの操作用チェーンを洗浄し、潤滑油を塗布する操作用チェーン洗浄部を設け、この操作用チェーン洗浄部の斜め上方で前記ウインチのフックの上昇位置近傍に前記基板にチェーンブロックの荷揚用チェーンを洗浄し、潤滑油を塗布する荷揚用チェーン洗浄部を設ける構成とした。
上記構成の本発明のチェーンブロック洗浄装置とすることで、今までチェーンブロックを分解して荷揚用チェーンと操作用チェーンとを別々に洗浄していたが、チェーンブロックを分解することなく荷揚用チェーンと操作用チェーンを同時に洗浄することができ、また、荷揚用チェーンについてはできる限りチェーンブロックのスプロケットに近い位置に荷揚用チェーン洗浄部を設けているので、洗い残し部分を少なくできる。
以下、本発明のチェーン洗浄装置について図面を参照して説明する。本実施例におけるチェーン洗浄装置1は、手動式のチェーンブロックを洗浄するための構成について説明する。チェーン洗浄装置1は、大きくは、荷揚用チェーン洗浄部11と、操作用チェーン洗浄部21とを有した構成である。
なお、チェーンブロックCは、簡単に説明すると、動滑車と定滑車を有したスプロケットSに設けられた吊下部Caと、このスプロケットSの定滑車に架けられた環状の操作用チェーンC1と、同じくスプロケットSにおける動滑車に架けられた環状の荷揚用チェーンC2と、この荷揚用チェーンC2に設けた荷揚フックFを有している。
そして、本発明で言うチェーンとは主に荷揚用チェーンC2を意味し、チェーンブロックCにおける操作用チェーンC1及び荷揚用チェーンC2は、いずれも長円状のチェーン要素を繋ぎ合わせたものであるが、本発明のチェーン洗浄装置1のチェーンはこれに限らず、ローラーチェーンなども洗浄可能である。
本実施例のチェーン洗浄装置1は作業基台2に設けられている。作業基台2は、チェーン洗浄装置1が設けられた基板3と、この基板3の下端に設けた移動用の車輪4と、基板3の上端部に設けたチェーンブロックCを該基板3位置を中心に水平移動させるレール5と、このレール2Cに設けた移動体6とを備えている。この移動体6にはウインチ7が設けられている。
チェーンブロックCは、その吊下部Caを(降下させた)ウインチ7に取り付け、該ウインチ7により洗浄位置まで上昇させて、基板3位置までレール5を移動体6により移動し、基板3位置においてチェーン洗浄装置1によって洗浄・潤滑油が塗布され、その後、レール5を移動体6により基板3位置から移動し、再度ウインチ7を降下させて取り外されて一連の洗浄と潤滑油塗布が完了する。
基板3における荷揚用チェーン洗浄部11と操作用チェーン洗浄部21との配置関係について説明する。まず、荷揚用チェーンC2は荷揚用チェーン洗浄部11により、操作用チェーンC1は操作用チェーン洗浄部21により、各々洗浄する。操作用チェーン洗浄部21は、基板3における洗浄位置において、チェーンブロックCの操作用チェーンC1及び荷揚用チェーンC2を垂下させた際の直線的な下方に位置する。
一方、後述するが、荷揚用チェーン洗浄部11は筐体12が略鉤状とされ、基板3における操作用チェーン洗浄部21を設けた位置に対して、例えば図1(a)図示左の上方位置、つまり鉤状の屈曲部内側に操作用チェーン洗浄部21が位置するように配置される。
この理由は、本実施例においてはチェーンブロックCを洗浄するにあたって、操作用チェーンC1は循環させることができるため、操作用チェーン洗浄部21が基板3におけるどの位置に設けられていても全域を洗浄できるが、荷揚用チェーンC2は循環しないので、スプロケットS近くの領域が未洗浄となる可能性がある。したがって、未洗浄領域を少なくするため、荷揚用チェーン洗浄部11はできる限りスプロケットS近くに位置させるべく、上記配置としている。この配置が実現可能なのは、以下の荷揚用チェーン洗浄部11の構成に起因している。
荷揚用チェーン洗浄部11は、図2及び図3に示すように構成されている。荷揚用チェーン洗浄部11は、上部にチェーン挿入口12A、下面にチェーン排出口12Bがそれぞれ設けられ、チェーン挿入口12Aはチェーン排出口12Bの直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けられた、上記のとおり略鉤状とされた筐体12を有している。
なお、チェーン挿入口12A、チェーン排出口12Bは、荷揚用チェーンC2の送り方向によって、挿入口が排出口となり、排出口が挿入口となることもあるが、この説明では筐体12の上方から荷揚用チェーンC2が筐体12内へ挿入され、筐体12の下方から荷揚用チェーンC2が排出される、ことを順方向としてこのまま説明を続ける。
また、例えば、本実施例においては、筐体12内のチェーン挿入口12Aとチェーン排出口12Bの各々の近傍には、洗浄水噴射部13,14が各々設けられており、チェーン挿入口12Aとチェーン排出口12Bの各々を通過する荷揚用チェーンC2に対して例えば高圧の洗浄水を噴射するようにしている。
これら洗浄水噴射部13,14は、例えば荷揚用チェーンC2が、上方から下方に送られる場合は洗浄水噴射部13を作動し、洗浄水噴射部14を作動停止する、下方から上方に送られる場合は洗浄水噴射部14を作動し、洗浄水噴射部13を作動停止するといった切り替えを行ってもよい。
なお、洗浄水噴射部13,14は、チェーン挿入口12Aとチェーン排出口12Bと連通して荷揚用チェーンC2が該筐体12内へ挿排可能とされたボックス12a,12b内に設けられている。このようにボックス12a,12b内にそれぞれ洗浄水噴射部13,14を設けることで、不要な水が筐体12内に飛散することがない。
また、洗浄水噴射部13,14は、上記位置及び個数に限定されず、例えば、後述ローラーブラシ17bの下方位置の1個所のみに設けて、該ローラーブラシ17bに向けて洗浄水を噴霧するようにしてもよく、こうすれば少量の洗浄水で洗浄が可能となる。
さらに、筐体12内には、荷揚用チェーンC2を洗浄するための、本実施例では対をなすローラーブラシ15,16,17が設けられている。ローラーブラシ15は、本実施例では、筐体12内におけるチェーン挿入口12Aから挿入された荷揚用チェーンC2を屈曲させることなく直線状に受けてローラーブラシ15a,15b間を通るように設けられている。
ローラーブラシ17は、本実施例では、筐体12内におけるチェーン排出口12B側に、該チェーン排出口12Bへ向かう荷揚用チェーンC2を屈曲させることなく直線状に受けてローラーブラシ17a,17b間を通るように設けられている。
ローラーブラシ16は、本実施例では、筐体12内におけるチェーン排出口12B側で上記ローラーブラシ17の上方に位置し、該ローラーブラシ17a,17bへ向かう荷揚用チェーンC2を屈曲させることなく直線状に受けてローラーブラシ16a,16b間を通るように設けられている。
本実施例において、ローラーブラシ15,16,17のうち、荷揚用チェーンC2の搬送を担うのはローラーブラシ16であり、図3(a)に示すように荷揚用チェーンC2を下方(チェーン挿入口12Aからチェーン排出部12B)へ送る際には、ローラーブラシ16が下矢印の方向に回転し、ローラーブラシ15,17はこれと反対方向に回転し、図3(b)に示すように、荷揚用チェーンC2を上方(チェーン排出部12Bからチェーン挿入口12A)へ送る際には、ローラーブラシ16が上矢印の方向に回転し、ローラーブラシ15,17はこれと反対方向に回転する。
このように、ローラーブラシ15はチェーン挿入口12A側から見れば、また、ローラーブラシ16,17はチェーン排出口12B側から見れば、共に荷揚用チェーンC2を屈曲させることなく直線上に通すが、そもそもチェーン挿入口12Aの位置がチェーン排出口12Bに対して斜めにずれていることから、荷揚用チェーン洗浄部11は、荷揚用チェーンC2の搬送方向のローラーブラシ15とローラーブラシ16との間には、荷揚用チェーンC2の屈曲点Pが生じることとなる。
筐体12内において、この屈曲点Pの直前のローラーブラシ15側には荷揚用チェーンC2を直線状に受けるガイドローラ18が設けられており、チェーン挿入口12Aとチェーン排出口12Bの上下方向の位置ずれに倣って、直接的にはガイドローラ18とローラーブラシ16の位置がずれている(荷揚用チェーンC2を直線状に送らない)ことで屈曲点Pが発生することになる。
筐体12内における屈曲点P位置には、(屈曲した)荷揚用チェーンC2に潤滑油を塗布する潤滑油塗布部19が設けられている。この潤滑油塗布部19は、本実施例では、上記洗浄水噴射部13,14と同様に、屈曲点Pにある荷揚用チェーンC2に対して潤滑油を噴射する構成を採用している。
また、例えば、本実施例では、屈曲点P位置には、潤滑油塗布部19によって噴射された潤滑油の余剰分や汚れや洗浄水を吹き飛ばすためのエアブロー19Aが設けられている。このエアブロー19Aは、上記位置に限定されないと共に、潤滑油塗布部19からの潤滑油噴射量が適量であるならば省略してもよい。
上記構成とすることで、荷揚用チェーン洗浄部11は、ローラーブラシ15,16,17のうち、ローラーブラシ16を荷揚用チェーンC2の送る方向に回転させ、残りを逆方向に回転させるようにしているので、確実に隅々まで、頑固な汚れも洗浄することができ、また、荷揚用チェーンC2を屈曲させる経路とし、屈曲点Pに潤滑油塗布部19を設けて荷揚用チェーンC2の屈曲部分に潤滑油を噴射するようにしているので、チェーン要素同士の繋ぎ目の部分にも確実に潤滑油を供給することができる。
また、本実施例のチェーン洗浄装置1は、上記のとおり、図4〜図6に示す操作用チェーン洗浄部21を備えており、この操作用チェーン洗浄部21は次の構成とされている。
操作用チェーン洗浄部21は、チェーンブロックCの操作用チェーンC1を挿通して洗浄するためのハウジング22の上面と下面のそれぞれに操作用チェーン挿入口22A,22A、操作用チェーン排出口22B,22Bの各々が設けられている。操作用チェーン洗浄部21は、操作用チェーン挿入口22Aと操作用チェーン排出口22Bとは対をなしてそれぞれ直線状に配置されている。
ハウジング22内には、チェーンブロックCの操作用チェーンC1を操作する図6に示す送操作機構23を備えている。この送操作機構23は、操作用チェーンC1を架ける歯23aを有した回動可能な操作スプロケット23Aと、スプロケット23Aの歯23aを押し廻すために該スプロケット23Aの水平方向の直径対向位置に設けたガイド23B(図示右),23C(図示左)と、このガイド23B,23Cの各々に枢支されたリンク23D(図示右),23E(図示左)とを有している。
リンク23D,23Eは、各々の両端が離間する方向とされた互いに外向きの鉤状とされ、それぞれの下端にはガイド23B,23Cと接続されたバネ23b(図示右),23c(図示左)が、それぞれの上端には作動杆23Dが架設されている。この作動杆23Dには、不図示の例えばエアシリンダが接続され、作動杆23Dを水平方向に押すように構成されている。
送操作機構23は、本実施例では、操作スプロケット23Aの図示反時計回りの回転を荷揚用チェーンC2の巻き上げのための正転と、操作スプロケット23Aの図示時計回りの回転を荷揚用チェーンC2を巻き下げるための逆転とし、また、エアシリンダが図示右側にあるとして、つまりエアシリンダのロッドの突出(図示左方向)により作動扞23Dが図示左方向に水平移動し、エアシリンダのロッドの退入(図示右方向)により作動扞23Dが図示右方向に水平移動するものとして以下、説明する。
図5(a)に示すように、荷揚用チェーンC2を巻き上げる場合は、操作スプロケット23Aを正転(図示反時計回り)させる。一方、図5(b)に示すように、荷揚用チェーンC2を巻き下ろす場合は、操作スプロケット23Aを逆転(図示時計回り)させる。
この操作スプロケット23Aの正逆の回転による歯23a、歯23aの間の移動テンポに合わせて、操作用チェーンC1を操作スプロケット23Aの歯23a,歯23aの間に位置させて係合状態が維持できるよう、ガイド23C,23Dが次のように動作する。
本実施例の送操作機構23の構成では、エアシリンダのロッドを突出(図示左方向)させると、作動杆23Dが図示左方向に移動し、ガイド23Cが操作スプロケット23Aから斜め上方で操作スプロケット23Aに接近する方向に移動すると共にバネ23cが伸長状態となって自然長に復元しようとし、これと同時に、ガイド23Bが操作スプロケット23Aから斜め下方に離間し、バネ23bは自然長となり安定状態となる。これにより、ガイド23Cが操作用チェーンC1のチェーン要素を歯23a,歯23a間に案内し、係合させてこれを維持した状態とすることができる。このときのガイド23C,23Bの状態を図5(a)に示している。
また、エアシリンダのロッドを退入(図示左方向)させると、作動杆23Dが図示右方向に移動し、ガイド23Bが操作スプロケット23Aから斜め上方で操作スプロケット23Aに接近する方向に移動すると共にバネ23bが伸長状態となって自然長に復元しようとし、これと同時に、ガイド23Cが操作スプロケット23Aから斜め下方に離間し、バネ23cは自然長となり安定状態となる。これにより、ガイド23Bが操作用チェーンC1のチェーン要素を歯23a,歯23a間に案内し、係合させてこれを維持した状態とすることができる。このときのガイド23B,23cの状態を図5(b)に示している。
さらに、操作用チェーン洗浄部21は、本実施例では、例えばハウジング22内における例えば送操作機構23の下方に、操作用チェーンC1の環内に固定型の円形ブラシ24を設けている。この円形ブラシ24を中央とした操作用チェーンC1の環外には回動駆動型のローラーブラシ25(図示右)、26(図示左)を設けている。
ローラーブラシ25,26は、それぞれ、環状の操作用チェーンC1の紙面左右のどちらが下方に送るかに応じて(つまり荷揚用チェーンC1の巻き上げと巻き下げに応じて)回転方向が分けており、例えば図5(a)のように荷揚用チェーンC2の巻き上げるために操作スプロケット23Aの図示反時計回りの正転させた場合は、ローラーブラシ26を順方向(時計回り)に、ローラーブラシ25を逆方向(反時計回り)に駆動する。
また、例えば図5(b)のように荷揚用チェーンC2を巻き下げるために操作スプロケット23Aの図示時計回りの逆転させた場合は、ローラーブラシ25を順方向(時計回り)に、ローラーブラシ26を逆方向(反時計回り)に駆動する。
さらに、本実施例における操作用チェーン洗浄部21は、例えば、操作用チェーン挿入口22A,22Aに洗浄水噴射部27(図示右),28(図示左)、また、操作スプロケット23Aにおける図示左右の上方位置に潤滑油塗布部29(図示右)、30(図示左)をそれぞれ設けている。なお、洗浄水噴射部27,28、潤滑油塗布部29,30は、操作用チェーンC1が循環することから、図示右と左のもののうちどちらか1方だけ設けても、この位置でなくても構わない。
また、例えば、操作スプロケット23Aにおける上方位置における中央には、汚れや潤滑油や洗浄水の余剰分を吹き飛ばす、エアブロー29A(図示右)、エアブロー29B(図示左)が、設けられている。なお、このエアブロー29A,29Bについても、操作用チェーンC1が循環することから、図示右と左のもののうちどちらか1方だけ設けても、この位置でなくても構わない。
以上のとおり、本実施例では、手動用のチェーンブロックを洗浄する構成を示したが、ローラーチェーンを洗浄する場合は、例えば、まずウインチ7を所定位置まで降下してウインチ7のフックに円環状のローラーチェーンを架けて、円環状(つまり2本の)往復するローラーチェーンのうちの一方を荷揚用チェーン洗浄部11に通し、ローラーブラシ16による(順方向の)送動作によってローラーチェーンをチェーン挿入口12Aからチェーン排出口12Bへ送って荷揚用チェーン洗浄部11内外を循環させればよい。
また、操作用チェーン洗浄部21においても、荷揚用チェーン洗浄部11のように、例えば、ハウジング22の操作用チェーン挿入口22A,22Aと操作用チェーン排出口22B,22Bとの上下方向の位置ずれに倣ってチェーンを屈曲させるガイドローラを設けて、潤滑油塗布部29,30のいずれかハウジング22内において操作用チェーンC1の屈曲部位に塗布するように構成してもよい。
1 チェーン洗浄装置
11 荷揚用チェーン洗浄部
12 筐体
12A チェーン挿入部
12B チェーン排出部
15,16,17 ローラーブラシ
18 ガイドローラ
19 潤滑油塗布部
21 操作用チェーン洗浄部
23 送操作機構
C チェーンブロック
C1 操作用チェーン
C2 荷揚用チェーン
11 荷揚用チェーン洗浄部
12 筐体
12A チェーン挿入部
12B チェーン排出部
15,16,17 ローラーブラシ
18 ガイドローラ
19 潤滑油塗布部
21 操作用チェーン洗浄部
23 送操作機構
C チェーンブロック
C1 操作用チェーン
C2 荷揚用チェーン
Claims (6)
- 筐体と、この筐体内に、チェーンを洗浄するためのブラシと、チェーンに洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、チェーンに潤滑油を塗布する潤滑油塗布部と、備えたチェーン洗浄装置であって、前記筐体は上部にチェーン挿入口、下面にチェーン排出口がそれぞれ設けられ、前記チェーン挿入口は前記チェーン排出口の直上方向に対して所定角度で斜めにずれた位置に設けられ、また、前記筐体内に前記チェーン挿入口と前記チェーン排出口との上下方向の位置ずれに倣ってチェーンを屈曲させるガイドローラを備え、前記潤滑油塗布部が前記筐体内においてチェーンの屈曲部位に塗布できるように設けられたことを特徴とするチェーン洗浄装置。
- 前記ブラシはチェーンを挟み込む1対の回転ブラシを複数対設けた構成とされ、そのうちの少なくとも1対はチェーンの送り方向に回転することを特徴とする請求項1記載のチェーン洗浄装置。
- チェーンブロックの手動操作用チェーンを操作する送操作機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のチェーン洗浄装置。
- チェーンブロックの手動操作用チェーンを挿通して洗浄するためのハウジングを前記筐体の前記チェーン挿入口側の下方位置に設け、前記ハウジングの上面と下面のそれぞれに手動操作用チェーン挿入口、手動操作用チェーン排出口の各々が設けられ、前記ハウジング内に、手動操作用チェーンを洗浄するブラシと、手動操作用チェーンに洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、手動操作用チェーンに潤滑油を塗布する潤滑油塗布部とを備えたことを特徴とする請求項3記載のチェーン洗浄装置。
- 前記送操作機構を前記ハウジング内に収納したことを特徴とする請求項4記載のチェーン洗浄装置。
- チェーンブロック洗浄装置であって、基板と、この基板の上部に設けられ、チェーンブロックの吊下部を架けるフックを有して該チェーンブロック全体を昇降させるウインチとを備え、さらに、前記基板における前記ウインチのフックの鉛直方向の下方位置にチェーンブロックの操作用チェーンを洗浄し、潤滑油を塗布する操作用チェーン洗浄部を設け、この操作用チェーン洗浄部の斜め上方で前記ウインチのフックの上昇位置近傍に前記基板にチェーンブロックの荷揚用チェーンを洗浄し、潤滑油を塗布する荷揚用チェーン洗浄部を設けたことを特徴とするチェーンブロック洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019059724A JP2020157234A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | チェーン洗浄装置及びチェーンブロック洗浄装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019059724A JP2020157234A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | チェーン洗浄装置及びチェーンブロック洗浄装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020157234A true JP2020157234A (ja) | 2020-10-01 |
Family
ID=72640912
Family Applications (1)
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JP2019059724A Pending JP2020157234A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | チェーン洗浄装置及びチェーンブロック洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020157234A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116022679A (zh) * | 2023-03-24 | 2023-04-28 | 河北宇雕起重装备科技有限公司 | 一种封闭式带润滑机构的手拉葫芦 |
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2019
- 2019-03-27 JP JP2019059724A patent/JP2020157234A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116022679A (zh) * | 2023-03-24 | 2023-04-28 | 河北宇雕起重装备科技有限公司 | 一种封闭式带润滑机构的手拉葫芦 |
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