1.実施形態の介助装置1の構成
実施形態の介助装置1について、図1〜図10を参考にして説明する。図1は、実施形態の介助装置1を斜め後方から見た斜視図である。また、図2は、介助装置1が被介助者Mの移乗動作を介助する場合の初期状態を示す側面断面図である。図3は、介助装置1が被介助者Mの移乗動作を介助する場合の途中の状態を示す側面断面図である。図4は、介助装置1が被介助者Mの移乗動作を介助する場合の終期状態を示す側面断面図である。
介助装置1は、例えば、被介助者Mのベッドと車椅子との間の移乗や、車椅子と便座との間の移乗など、異なる二箇所の間の移乗を介助する。介助装置1は、被介助者Mの胴体を支持して、座位姿勢から移乗時姿勢への移乗動作、および移乗時姿勢から座位姿勢への着座動作を介助する。ここで、移乗時姿勢は、臀部が座面から浮いた姿勢であり、立位姿勢および中腰姿勢を含む。つまり、移乗時姿勢は、上半身が起立した状態および前かがみの状態などを含む。また、介助装置1は、移乗する二箇所が離れている場合に、移乗時姿勢の被介助者Mを移送することができる。
介助装置1は、基台2、アーム3、支持部4、アクチュエータ5、リンク機構6、アーム規制機構7、および図略の制御部などで構成される。基台2は、足載置台21、後輪23、基台ロッド24、下腿当て部25、取り付け板26、および前輪28などで形成される。足載置台21は、床面Fに近接して概ね水平に配置される。足載置台21の上面の前側寄りに、アクチュエータ支承部22が上向きに突設される。左右一対の後輪23は、足載置台21の後側の左右に設けられる。
左右一対の基台ロッド24は、足載置台21の前面の左右からそれぞれ前向きに設けられる。基台ロッド24は、前方から上方へ屈曲した後、わずかに後方に傾いて延在する。下腿当て部25は、2本の基台ロッド24の上部に、後向きに設けられる。下腿当て部25は、足載置台21の前寄りの上方に位置する。下腿当て部25は、クッション材で形成されており、被介助者Mの下腿付近が接触可能となっている。
左右一対の取り付け板26は、基台ロッド24の前方から上方へ屈曲した屈曲部の少し上寄りの位置であって、向かい合う内側の位置にそれぞれ固設される。取り付け板26は、基台ロッド24から前方に延びる。左右一対の取り付け板26の上部に、アーム支持座27がそれぞれ設けられる。左右一対の取り付け板26の下側の前部に、左右一対の前輪28が設けられる。前輪28および後輪23の転舵機能により、介助装置1は、直進移動および旋回移動だけでなく、横移動および超信地旋回が可能となっている。さらに、前輪28は、移動を規制するロック機能を備える。
アーム3は、棒状部材31、前部カバー部材36、上部カバー部材38、および符号略の各種構造材などで形成される。棒状部材31は、下側が開いた略U字状の棒状の部材である。棒状部材31の両側の下端32は、取り付け板26のアーム支持座27に揺動可能に支承される。これにより、アーム3は、基台2を基準として前後方向に揺動可能となっている。
アーム3の揺動角度を規制するために、符号略のストッパ機構がアーム支持座27の近傍に設けられる。棒状部材31は、左右の下端32から上方に延在し、途中で後方斜め上方に屈曲して延在し、後方の上部で合一する。アーム3の全体形状は、アーム支持座27から上方に延在するアーム前部34、および、アーム前部34の上部に連なって後方斜め上方に延在するアーム上部35からなる。
前部カバー部材36は、アーム前部34を構成する。前部カバー部材36は、棒状部材31の前側に間隔をあけて配置されている。前部カバー部材36は、両方の側面が後向きに折り曲げられて形成され、内部空間が区画される。前部カバー部材36の内部空間には、バッテリ37が収納される。バッテリ37は、アクチュエータ5および制御部の電源となる。
上部カバー部材38は、前部カバー部材36に連なって形成され、アーム上部35を構成する。上部カバー部材38は、棒状部材31の上側に近接して配置される。上部カバー部材38は、両方の側面が下向きに折り曲げられて形成されており、内部空間が区画される。上部カバー部材38の内部空間の前下側から後上側へと順番に、アーム規制機構7、リンク機構6、および支持部取付座33が設けられる。なお、図1において、上部カバー部材38は、図示省略されている。
支持部4は、胴体支持部41および左右一対の脇支持部45を含んで形成される。胴体支持部41は、アーム上部35の支持部取付座33に揺動可能に支承される。これにより、支持部4は、アーム3を基準として、前後方向に揺動可能となっている。胴体支持部41は、ハンドル42を有する。ハンドル42は、概ね四角形の枠形状に形成されている。ハンドル42は、被介助者Mが把持する部位であるとともに、介助装置1を移動させるために介助者が把持する部位でもある。
胴体支持部41は、ベースプレート43(図5参照)および胴体接触部材44などで形成される。ベースプレート43は、金属製や樹脂製の剛性の大きな板材を用いて概ね矩形に形成される。ベースプレート43には、前述したハンドル42、支持部取付座33に取り付けられる部位、および後述する第二リンク部材62が設けられる。
胴体接触部材44は、柔軟性のある材料を用いてベースプレート43よりも大きく形成され、ベースプレート43の上面に取り付けられる。胴体接触部材44は、例えば、表層およびベース層からなる二層構造とすることができる。表層の形成材料として低反発性のウレタンフォームを例示でき、ベース層の形成材料として低燃焼性のウレタンフォームを例示できる。胴体支持部41は、被介助者Mの身体の一部である胴体の胸部から腹部の辺りを支持する。
左右一対の脇支持部45は、胴体支持部41の左右両側の胸部寄りに取り付けられる。脇支持部45は、鈍角に屈曲するL字状に形成される。脇支持部45は、芯部材46(図5参照)および外周部材47などで形成される。芯部材46は、例えば、金属製または硬質樹脂製の丸棒やパイプをL字状に屈曲させる曲げ加工によって形成される。
外周部材47は、クッション材を用いて、芯部材46の外周を覆う筒状に形成される。脇支持部45の取り付け側の基端から屈曲位置までの短い直線状部分は肩受け部となり、屈曲位置から先端までの長い直線状部分は脇進入部となる。肩受け部は、被介助者Mの肩の前面を支持する。脇進入部は、被介助者Mの胴体の両側の脇に進入する。胴体支持部41および脇支持部45は、布製や皮製の着脱可能なカバーを備えてもよい。
アクチュエータ5は、本体部51、可動部52、およびモータ53などで構成される。本体部51は、基台2のアクチュエータ支承部22に、傾動可能に支承される。これにより、アクチュエータ5は、前後方向に傾動する。可動部52は、本体部51から伸縮する。詳細には、可動部52は、短縮位置から所定の途中位置を経て伸長位置まで伸び、また逆方向に縮む。可動部52が短縮位置から途中位置まで伸びる間が第一動作となり、可動部52が途中位置から伸長位置まで伸びる間が第二動作となる。
第一動作のストローク長として30mmを例示でき、第二動作のストローク長として60mmを例示できる。可動部52の先端は、後述するリンク機構6の連結ピン613に連結される。モータ53は、本体部51に設けられている。モータ53は、図略の制御部によって流れる電流の方向が制御され、可動部52の伸縮動作を駆動する。なお、モータ53に代えて、油圧や空気圧を用いた圧力駆動源などの別種の駆動源を用いることが可能である。
リンク機構6は、第一リンク部材61、第二リンク部材62、および規制部材63などで構成される。図5は、リンク機構6の構成および動作を説明する部分拡大図であり、介助装置1の初期状態に相当する。また、図6は、リンク機構6の構成および動作を説明する部分拡大図であり、介助装置1の途中の状態に相当する。
第一リンク部材61は、支持点611、前腕部612、および後腕部616を有する細長い部材である。支持点611は、アーム上部35の中央付近に配置される。かつ、支持点611は、アーム3の構造材によって揺動可能に支持される。これにより、第一リンク部材61は、支持点611を中心にして揺動する。
前腕部612は、支持点611から前方に延びている。前腕部612の前寄りの下部に、連結ピン613が設けられる。連結ピン613は、前腕部612と、可動部52の先端とを連結する。前腕部612の前寄りの上部に、規制突部614が形成される。後腕部616は、支持点611から後方に延びている。後腕部616の後寄りに、係合ピン617が左右方向に延在するように設けられる。係合ピン617は、図5の反時計回りの方向から第二リンク部材62に係合して、第二リンク部材62を押動する。
第二リンク部材62は、支持部4のベースプレート43に固設される。これにより、支持部4および第二リンク部材62は、支持部取付座33を中心にして一体的に揺動する。規制部材63は、アーム上部35の前寄りの構造材に固定される。規制部材63には、第一リンク部材61の規制突部614が当接可能となっている。
図5に示される初期状態において、アクチュエータ5の可動部52は短縮位置にある。また、第一リンク部材61は、時計回りに揺動した状態となり、第二リンク部材は、反時計回りに揺動した状態となっている。第一リンク部材61の規制突部614と規制部材63との間には、隙間がある。第一動作を開始した可動部52は、矢印A1に示されるように伸びる。すると、連結ピン613を介して、第一リンク部材61の前腕部612が押動される。これにより、第一リンク部材61は、矢印A2に示されるように反時計回りに揺動する。
第一リンク部材61の反時計回りの揺動により、後腕部616の係合ピン617は、第二リンク部材62を揺動駆動する。第二リンク部材62は、矢印A3に示されるように時計回りに揺動し、支持部4も、矢印A4に示されるように前方に揺動する。つまり、リンク機構6は、可動部52が短縮位置から所定の途中位置まで伸びる第一動作を、支持部4の前方への揺動に伝達する。この動作は、可動部52が所定の途中位置に伸びるまで継続されて、図6に示される状態に至る。
図6に示される途中の状態において、第一リンク部材61の規制突部614は、ちょうど規制部材63に当接する。これにより、第一リンク部材61のさらなる揺動が規制される。この後、第二動作を開始した可動部52は、矢印A5に示されるように伸びる。すると、第一リンク部材61の前腕部612は、可動部52の第二動作を直接的にアーム3に伝達する。これにより、アーム3は、矢印A6に示されるように、アーム支持座27を中心にして前方に揺動する。アーム3の揺動の進捗に伴い、アクチュエータ5は、矢印A7に示されるように前方へと傾動してゆく。つまり、リンク機構6は、可動部52が途中位置から伸長位置まで伸びる第二動作を、アーム3の前方への揺動に伝達する。
アーム規制機構7は、規制ガイド部材71および付勢部材75などで構成される。図7は、アーム規制機構7の構成を説明する部分拡大図であり、介助装置1の初期状態に相当する。また、図8は、アーム規制機構7の構成および動作を説明する部分拡大図であり、介助装置1の途中の状態に相当する。
規制ガイド部材71は、前上側の一端に支持点72を有し、後下側の他端に付勢点73を有する部材である。規制ガイド部材71は、さらに、支持点72と付勢点73との間に斜め方向に延びる長孔74を有する。支持点72は、アーム前部34の上部に近い所定位置3Aに配置され、構造材によって揺動可能に支持される。長孔74は、連結ピン613を移動可能に収容しており、換言すると、可動部52の先端を移動可能に収容する。
付勢部材75として、例えばコイルバネを用いることができる。付勢部材75の後上側の一端751は、アーム3の上部位置3Bに係止される。アーム3の上部位置3Bは、所定位置3Aよりも後方の上方側にある。付勢部材75の前下側の他端752は、規制ガイド部材71の付勢点73に係止される。付勢部材75は、矢印F1に示されるように、アーム3の上部位置3Bを、規制ガイド部材71に近付ける方向へ付勢する。換言すると、付勢部材75は、アーム3の上部位置3Bを可動部52に近付ける方向へ付勢する。
図7に示される初期状態において、アクチュエータ5の可動部52は短縮位置にある。このとき、連結ピン613は、長孔74の後下側の端に位置する。ここで、可動部52が第一動作を開始すると、第一リンク部材61の揺動と並行して、連結ピン613は、長孔74内を前上方へと移動する。さらに、規制ガイド部材71は、支持点72を中心にして時計回りに揺動する。本実施形態の構成において、可動部52の第一動作により、規制ガイド部材71は、24°揺動する。この動作は、可動部52が所定の途中位置まで伸びて、規制突部614が規制部材63に当接するまで継続され、図8に示される状態に至る。
図8に示される途中の状態において、連結ピン613は、長孔74の前上側の端に位置する。この後、可動部52が第二動作を開始すると、アーム3は揺動するが、アーム3とアーム規制機構7との相対的な位置関係は変化しない。介助装置1の初期状態から終期状態を通して、付勢部材75は、アーム3の上部位置3Bを可動部52に近付ける方向へ付勢している。
図略の制御部は、操作器および制御本体部などで構成される。操作器は、アクチュエータ5を操作する上昇ボタンおよび下降ボタンを有しており、介助者によって操作される。制御本体部は、CPUを有してソフトウェアで動作するコンピュータ装置を用いて構成される。制御本体部は、操作器から取得した操作情報に応じて、アクチュエータ5のモータ53に流れる電流の方向を制御する。
2.実施形態の介助装置1の動作、作用、および効果
次に、実施形態の介助装置1の動作、作用、および効果について説明する。以降では、被介助者Mの移乗動作を介助する上昇モードの制御および動作について説明する。上昇モードにおいて、介助装置1は、図2に示される初期状態から、図3に示される途中の状態を経て、図4に示される終期状態まで動作する。なお、被介助者Mの着座動作を介助する場合、介助装置1は、移乗動作の概ね逆順で逆方向に動作する。
まず、介助者は、アクチュエータ5の可動部52を、図2に示される短縮位置まで戻す。続いて、介助者は、ハンドル42を把持して介助装置1を移動させ、座位姿勢の被介助者Mに接近させる。被介助者Mは、下半身を支持部4の下方の領域に進入させ、両足を足載置台21に載置する。被介助者Mは、下腿の一部を下腿当て部25に接触させることで、安定した姿勢が得られる。
続いて、被介助者Mは、胴体を前傾させて胴体支持部41に面接触させるとともに、両脇で脇支持部45にもたれかかる。このとき、胴体支持部41は起立した方向に揺動しているので、胴体の前傾角度は小さくて済む。また、脇支持部45がほぼ水平か僅かに後下がりとなるので、被介助者Mは、脇支持部45に容易にもたれかかることができる。このときの被介助者Mの姿勢が初期姿勢となる。上述した被介助者Mの一連の動作は、介助者が介助してもよい。初期姿勢では、被介助者Mの臀部が座面に着いている。したがって、被介助者Mは、体重に起因する荷重が臀部で支えられて、楽な姿勢となっている。
続いて、介助者は、上昇モードの制御を開始する。これにより、アクチュエータ5の可動部52は第一動作を開始して伸び、第一リンク部材61は、図2の反時計回りに揺動する。また、アーム3は、初期状態の後側位置を維持する。第一リンク部材61の揺動に伴い、支持部4は、第二リンク部材62に連動して前方に揺動する。このとき、脇支持部45が前下がりとなるので、被介助者Mは、後方への移動が規制されて支持部4から脱落しない。
支持部4の揺動により、被介助者Mの上半身は、前傾状態が徐々に進展してゆく。そして、可動部52が所定の途中位置まで伸びると、図3に示される状態となる。図3の状態において、規制突部614が規制部材63に当接して、第一リンク部材61の揺動が終了する。したがって、支持部4の揺動も終了する。そして、被介助者Mの臀部は、座面から離れる瞬間の状態となる。
さらに、可動部52が第二動作を開始すると、アーム3は、可動部52に駆動されて、図3の時計回りに揺動する。同時に、アクチュエータ5は、前方に傾動する。また、支持部4は、アーム3に対して一定の姿勢を維持する。この動作は、可動部52が伸長位置まで伸びて、アーム3が前側位置に到達する図4の終期状態まで継続される。これにより、被介助者Mは、上半身が前方斜め上方へ移動しつつさらに前傾する。その結果、図4に示されるように、被介助者Mは、臀部が座面から大きく上昇して、脚部が伸びた移乗時姿勢となる。
実施形態の介助装置1によれば、1個のアクチュエータ5を用いて、支持部4の前方への揺動と、アーム3の前方への揺動とを駆動することができる。これにより、被介助者Mの移乗動作は円滑となり、使用快適性が向上する。また、2個のアクチュエータを用いる従来技術と比較して、コストは低廉である。
さらに、実施形態の介助装置1において、第二リンク部材62は、第一リンク部材61に対して非係合状態を許容されている。つまり、第二リンク部材62は、第一リンク部材61の係合ピン617から離れて、時計回りに揺動することが可能となっている(図10参照)。これにより、支持部4は、前方に自由揺動する。このため、支持部4の下方の領域を拡げることが可能となり、被介助者Mは、容易に下半身を進入させることができる。加えて、被介助者Mの大腿部が強い力で挟まれることも生じない。
また、図9は、アーム3の上部を斜め上方から見た斜視図である。図示されるように、可動の第一リンク部材61および第二リンク部材62は、上部カバー部材38によって覆われる。これにより、安全性が向上するとともに、外観がシンプルとなって美観も向上する。さらに、アーム3は、アーム前部34とアーム上部35とが連なって形成され、アクチュエータ5は、アーム前部34に近接して配置されている。このため、支持部4の下方に広い空間領域が確保され、被介助者Mは窮屈に感じない。
3.アーム規制機構7の作用および効果
次に、アーム規制機構7の作用および効果について説明する。実施形態の介助装置1において、基台2、アーム3、アクチュエータ5、および第一リンク部材61は、四節リンクを構成しており、動作の自由度が残されている。換言すると、外力が加えられた場合に、上記した四節リンクの形状は変化し得る。アーム規制機構7は、この四節リンクの自由度を無くして、アーム3の予想外の前方への揺動を規制する。図10は、アーム3の予想外の揺動動作を説明する側面断面図であり、可動部52の途中位置における状態を示している。
図10に示されるように、アーム規制機構7が設けられていない構成で、支持部4に前向きの外力が加えられた場合を想定する。この場合、まず、支持部4が前方に自由揺動する。それでも、外力に余力が残されていると、アーム3が前方に揺動する。つまり、可動部52が動作することなく、アーム3が揺動する。図3と図10を比較すればわかるように、アーム3は、予想外の動作で角度αだけ揺動する。この現象は、被介助者Mが支持部4に勢いよく乗りかかった場合などに発生する。このとき、被介助者Mは、アーム3の予想外の揺動動作に不安を感じて、使用快適性が低下する。
図10に破線で示されたアーム規制機構7は、連結ピン613の位置を常に長孔74の内部に収容することで、アーム3の予想外の揺動動作を規制する。本実施形態によれば、リンク機構6に自由度が残されていても、アーム規制機構7は、リンク機構6の自由度を無くして、アーム3の予想外の動作を規制する。したがって、実施形態の介助装置1によれば、アーム3の予想外の動作を規制して、被介助者Mの使用快適性を確保できる。
さらに、アーム規制機構7は、アクチュエータ5による駆動を阻害しない。ただ単にアーム3の前方への揺動を規制するのであれば、付勢部材を用いてアーム3を後方に付勢するだけでよい。しかしながらこの場合、後方への付勢力は、アクチュエータ5による駆動を阻害する。これに対して、本実施形態によれば、アクチュエータ5の大出力化などを要することなく、アーム3の予想外の動作を規制できる。
4.実施形態の変形および応用
なお、本実施形態は、構成諸部材の形状や大きさの変更を始めとして、様々な変形や応用が可能である。