JP2020156471A - 酸性乳飲料用の品質改良剤 - Google Patents

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陽子 中原
仁志 松本
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仁志 松本
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Kentaro Kumoi
健太郎 雲井
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正明 柳
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Masaki Hayashi
政樹 林
鈴木 浩一
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Abstract

【課題】酸性乳飲料の長期間の保存安定性に優れ、乳特有のにおい残りがなく、乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が低減され、風味と口当たりが良好である酸性乳飲料用の品質改良剤を提供することを目的とする。【解決手段】ポリグリセリン脂肪酸エステルの全構成ポリグリセリンの45重量%以上が重合度5〜8のポリグリセリンであり、かつ30重量%以下が重合度3以下のポリグリセリンとステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種以上をエステル化してなる、HLBが12以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドを含有する酸性乳飲料用の品質改良剤を、酸性乳飲料に添加することによって、上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、酸性乳飲料において飲料中の蛋白質の凝集や沈殿を抑制することで、成分の分離や離水の抑制による長期間の保存安定性と、良好な風味や食感を有する飲食品を提供可能な酸性乳飲料用の品質改良剤及びそれを用いた飲食品の製造方法に関する。更に詳細には、本発明品の品質改良剤を酸性乳飲料へ添加した場合、加熱殺菌後においても蛋白質の凝集や沈殿を抑制することで成分の分離や離水が抑制され、長期間の保存安定性を有し、風味の面では乳特有のにおい残りがなく、口当たりの面では乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が低減された、風味と口当たりが良好な酸性乳飲料に関する。
近年、飲料市場において、その機能性への注目が高まり、乳酸菌飲料やドリンクヨーグルト等の酸性乳飲料が数多く商品化されている。一方で、カゼイン蛋白質はpH4.6付近に等電点を持つため、酸性領域では著しく水への分散性が低下し凝集や沈殿することが知られている。飲料中の蛋白質の凝集や沈殿の発生は外観上好ましくなく、また飲用時に違和感が生じ良好な口当たりが得られないといった問題がある。
この問題を解決するためにハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム又は大豆多糖類等を添加し凝集を防止する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらHMペクチンとカルボキシメチルセルロースナトリウムは、添加量によっては粘度が増加し清涼感に欠け風味上好ましくないものであった。また、非特許文献1にはそれぞれの至適pHについて記載されており、それによるとHMペクチンの至適pHは3.7〜4.2、大豆多糖類の至適pHは3.3〜3.7となり、その範囲から外れると十分な効果が得られなかった。
また、酸性乳飲料の凝集抑制を目的として乳化剤を使用する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、HLBが7〜11のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用しているが、この方法のようにHLBが12より低いポリグリセリン脂肪酸エステルを使用すると、pH4以下の一般的な酸性乳飲料のpHにおいては十分な効果が得られなかった。
特許第2834345号公報 特開2006−006276号公報
最新・ソフトドリンクス 株式会社光琳、平成15年9月30日発行、p367−p368
本発明は、上記問題点を解決し、蛋白質の凝集や沈殿を抑制することで成分の分離や離水が抑制され、長期間の保存安定性に優れ、風味の面では乳特有のにおい残りがなく、口当たりの面では乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が低減され、風味と口当たりが良好となる、酸性乳飲料用の品質改良剤及びこれを用いて製造された酸性乳飲料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上述の課題を解決するために、鋭意努力した結果、特定の構成ポリグリセリン、構成脂肪酸及びHLBを有するポリグリセリン脂肪酸エステルと、特定の有機酸モノグリセリドを含有する品質改良剤を酸性乳飲料に添加することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)下記条件(A)〜(D)を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、かつクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドを含有する酸性乳飲料用の品質改良剤。
(A)全構成ポリグリセリンの45重量%以上が重合度5〜8のポリグリセリン
(B)全構成ポリグリセリンの30重量%以下が重合度3以下のポリグリセリン
(C)構成脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種以上
(D)HLBが12以上
(2)前記(1)記載のクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドの構成脂肪酸がステアリン酸である、前記(1)記載の酸性乳飲料用の品質改良剤。
(3)前記(1)又は(2)記載の酸性乳飲料用の品質改良剤を含有する酸性乳飲料。
(4)前記(1)又は(2)記載の酸性乳飲料用の品質改良剤の添加工程を有することを特徴とする酸性乳飲料の製造方法に関するものである。
本発明により、蛋白質の凝集や沈殿を抑制することで成分の分離や離水が抑制され、長期間の保存安定性に優れ、風味の面では乳特有のにおい残りがなく、口当たりの面では乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が低減された、風味と口当たりが良好な酸性乳飲料を提供することができる。
本発明における酸性乳飲料用の品質改良剤とは、重合度5〜8の構成ポリグリセリンを一定割合以上含有し、かつ重合度3以下の構成ポリグリセリンを一定割合以下含有し、特定の構成脂肪酸及びHLBを有する特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドを含有する組成物である。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化反応によって得られ、公知の製造方法で製造される。この製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、アルカリ触媒下又は酸触媒下にて常圧又は減圧下でエステル化する方法がある。具体的にはポリグリセリン、脂肪酸、触媒を仕込み、窒素ガス気流化で160℃〜260℃の温度で遊離脂肪酸が無くなるまで反応させて得ることができる。得られたポリグリセリン飽和脂肪酸エステルは製品の使用上の要求によっては、高真空蒸留器による分子蒸留によって精製することも可能であり、公知のいかなる方法であっても精製することが可能である。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成ポリグリセリンの製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、グリセリン、グリシドール又はエピクロルヒドリンによる重合反応であれば、いずれも使用することができる。また、本発明における構成ポリグリセリンの重合度としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルの全構成ポリグリセリンの内、重合度5〜8のポリグリセリンを45重量%以上、好ましくは50重量%〜85重量%、より好ましくは50重量%〜60重量%含むポリグリセリンであり、かつ重合度3以下のポリグリセリンが30重量%以下、好ましくは2重量%〜25重量%、より好ましくは20重量%〜25重量%であるポリグリセリンである。なお、ポリグリセリンの重合度は、ポリグリセリンをTMS化及び/又はアセチル化した誘導体となし、その上でGC法(ガスクロマトグラフィー)にて分離定量を行い求めることができる。GC法による分析は、例えばメチルシリコンなど低極性液相を化学結合したフューズドシリカキャピラリー管を用いて100℃〜250℃まで10℃/分の昇温分析を行えば、容易に実施することができる。また、ガスクロマトグラム上のピークの重合度の同定は、例えばガスクロマトグラフを二重収束マススペクトログラフに導入し、ケミカルアイオニゼーション等の方法によりイオン化して測定し、次にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合度を求めることにより簡単に行うことができる。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、酸性飲料での沈殿や凝集を抑制する効果やそれ自身の水への溶解性の点より、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種以上が挙げられ、これらの混合物を用いてよく、好ましくはオレイン酸、ステアリン酸であり、より好ましくはステアリン酸である。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、12以上であり、好ましくは12〜13である。HLBが7未満では飲料に溶解し難く、7〜12未満までは本発明の効果が低くなり、本発明には適さない。本発明におけるHLBは、アトラス法より以下式に基づき算出される。

HLB=20(1−S/A)
S:ケン化価
A:界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価
本発明におけるクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドとは、グリセリンにクエン酸及び/又はコハク酸と脂肪酸がエステル結合したものであり、通常、クエン酸及び/又はコハク酸とモノグリセリドのエステル化反応によって得られる。
本発明におけるクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドの構成脂肪酸としては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数8〜22の飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸であり、より好ましくはステアリン酸である。
本発明における酸性乳飲料用の品質改良剤中のポリグリセリン脂肪酸エステルと、クエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドの含有比率は、重量比として、5:5〜1:9であり、より好ましくは4:6〜2:8である。
本発明における酸性乳飲料用の品質改良剤の酸性乳飲料への添加量は、酸性乳飲料の処方により変化し、特に限定するものではないが、例えば、飲料中に0.005〜1.0重量%であり、好ましくは0.01〜0.1重量%である。0.005重量%より少ないと所望の効果が得られ難く、1.0重量%を超えて用いても使用量の増加に伴う効果の上昇は期待できず効果は頭打ちであり、酸性乳飲料の風味が悪くなる場合があるため、好ましくない。
本発明の酸性乳飲料用の品質改良剤には、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルとクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドの他に、本発明の効果に影響を及ぼさない程度で各種の成分を併用することができる。併用可能な成分としては、特に限定するものではないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリド等の乳化剤、ペクチン、大豆多糖類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、寒天、カラギナン、ローカストビーンガム、タラガム、ゼラチン等の増粘安定剤が挙げられる。本発明における酸性乳飲料用の品質改質剤の形状としては、特に限定するものではないが、例えば、顆粒、粉末、液状等が挙げられる。
本発明における酸性乳飲料とは、特に限定するものではないが、例えば、乳由来の原料を加工製造した飲料、乳由来の原料を乳酸菌又は酵母等で発酵させた糊状や液状の乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルトを含む発酵乳、発酵乳を主原料としてこれに水を加えて薄めた乳性飲料等、又は乳酸発酵を行わずに乳成分にクエン酸、乳酸、リンゴ酸等の酸を添加した清涼飲料等が挙げられる。
本発明における乳由来の原料とは、特に限定するものではないが、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳といった乳や、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調整粉乳、はつ酵乳、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上を含むものに限る。)、乳飲料といった乳製品が挙げられる。
本発明の酸性乳飲料の包装形態としては、密封された容器であればよく、容器形態は、特に限定するものではないが、例えば、缶、瓶、ペット容器、紙パック、プラスチック容器、チアパック等が挙げられ、最近の傾向として透明容器で販売される機会が多く、その際目視による凝集、沈殿が確認できるペット容器が最も厳しい長期間の保存安定性を要求されるため、その意味ではペット容器が最も好ましい。
本発明の酸性乳飲料のpHは通常、3.0〜5.0であり、好ましくはpH3.3〜4.3であり、より好ましくはpH3.3〜4.2である。pHが3.0より低くなると、酸味が強く乳飲料として適さなくなり、pHが5.0より高くなると清涼感がなく、風味上好ましくない上に、蛋白質の凝集や沈殿が起こりやすくなるためである。
本発明の酸性乳飲料の製造は、公知の方法に従い、特に限定するものではないが、例えば、粉体原料(砂糖、脱脂粉乳、ペクチン、クエン酸三ナトリウム等)を温水に加えて撹拌及び/又は溶解し、これに本発明品の酸性乳飲料用の品質改良剤を加え、クエン酸にてpH調整した後、均質化を行って、加熱殺菌後容器に充填し製造される。本発明の酸性乳飲料は、高温で殺菌しても蛋白質の凝集や沈殿が少ないという特徴があり、80℃以上の高温殺菌にも耐え得ることが可能であるため、この加熱殺菌条件としては、特に限定するものではないが、例えば、レトルト殺菌、UHT殺菌、ホットパック殺菌充填等が挙げられ、好ましくはホットパック充填殺菌、UHT殺菌であり、製品の原料、商品形態(缶、瓶、ペット容器、紙パック、プラスチック容器、チアパック等)、希望する保存条件(チルド、常温、加温、等)や賞味期限に応じて適宜選択可能である。
本発明の酸性乳飲料には、本発明の効果に影響を及ぼさない程度で、各種成分を併用することができる。併用可能な成分としては、特に限定するものではないが、例えば、砂糖、果糖、糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、ステビア等の甘味料、りんご、桃、オレンジ、ストロベリー等の果汁、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維、酸味料、調味料、色素、香料等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
製造例1(ポリグリセリン脂肪酸エステル1)
1L四ツ口フラスコに、ステアリン酸241gを入れ、水酸化ナトリウム0.14gを入れ、ポリグリセリンA(重合度5〜8のポリグリセリンを80.7重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが2.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)459gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル1を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると12.9であった。
製造例2(ポリグリセリン脂肪酸エステル2)
1L四ツ口フラスコに、ステアリン酸255gを入れ、水酸化ナトリウム0.14gを入れ、ポリグリセリンB(重合度5〜8のポリグリセリンを58.8重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが20.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)445gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル2を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると12.5であった。
製造例3(ポリグリセリン脂肪酸エステル3)
1L四ツ口フラスコに、オレイン酸241gを入れ、水酸化ナトリウム0.14gを入れ、太陽化学社製のポリグリセリンA(重合度5〜8のポリグリセリンを80.7重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが2.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)459gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル3を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると12.9であった。
製造例4(ポリグリセリン脂肪酸エステル4)
1L四ツ口フラスコに、ステアリン酸102g、オレイン酸153gを入れ、水酸化ナトリウム0.14gを入れ、ポリグリセリンB(重合度5〜8のポリグリセリンを58.8重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが20.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)445gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル4を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると12.5であった。
製造例5(ポリグリセリン脂肪酸エステル5)
1L四ツ口フラスコに、ステアリン酸266gを入れ、リン酸三カリウム0.14gを入れ、ポリグリセリンC(重合度5〜8のポリグリセリンを47.8重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが29.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)434gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル5を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると12.2であった。
製造例6(ポリグリセリン脂肪酸エステル6)
1L四ツ口フラスコに、ラウリン酸308gを入れ、水酸化ナトリウム0.14gを入れ、太陽化学社製のポリグリセリンA(重合度5〜8のポリグリセリンを80.7重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが2.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)392gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル6を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると10.9であった。
製造例7(ポリグリセリン脂肪酸エステル7)
1L四ツ口フラスコに、ステアリン酸168gを入れ、リン酸三カリウム0.14gを入れ、ポリグリセリンD(重合度5〜8のポリグリセリンを25.9重量%含み、かつ重合度3以下のポリグリセリンが47.8重量%であるポリグリセリン。太陽化学株式会社製。)532gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、250℃で反応してポリグリセリン脂肪酸エステル7を得た。本品のHLBをアトラス法により算出すると11.9であった。
実施例1〜10及び比較例1〜7
表1と表2の配合割合に基づいて、本発明品1〜10と比較品1〜7を100g調製した。
なお、表1と表2で使用した有機酸モノグリセリド1〜5の詳細を以下に示す。
有機酸モノグリセリド1:クエン酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学株式会社製)
有機酸モノグリセリド2:コハク酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学株式会社製)
有機酸モノグリセリド3:ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学株式会社製)
有機酸モノグリセリド4:乳酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学株式会社製)
有機酸モノグリセリド5:酢酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学株式会社製)
Figure 2020156471
Figure 2020156471
酸性乳飲料(清涼飲料)
実施例11〜27及び比較例8〜14
脱脂粉乳10g、ショ糖87g、クエン酸三ナトリウム1.5g、HMペクチン(太陽化学株式会社製)1.5gを粉体混合した後、イオン交換水300gに分散させて85℃、5分間加熱溶解した。次いで、本発明品1〜10、比較品1〜7を表3と表4に示した配合割合で添加し、50.0重量%クエン酸水溶液にてpH3.8に調整した後、イオン交換水を加えて全量を1000gとした。調合液を65〜70℃に昇温し、高圧ホモジナイザーにて15MPaの圧力で均質化後、93℃、30秒間のホットパック殺菌充填を行い、酸性乳性飲料である本発明品11〜27及び比較品8〜14を得た。
Figure 2020156471
Figure 2020156471
試験例1(保存安定性評価)
本発明品11〜27及び比較品8〜14の酸性乳飲料の調製直後及び37℃にて30日間保存した後の凝集や沈殿の発生状況について以下の評価基準により目視評価を行った。その結果を表3と表4に示した。
<凝集・沈殿評価の基準>
5:凝集及び/又は沈殿がなく、成分の分離が抑制されていた。
4:凝集及び/又は沈殿が僅かに発生するが、軽く振盪することにより分散消失し、成分の分離が抑制されていた。
3:凝集及び/又は沈殿が発生するが、振盪することにより分散消失し、成分の分離が抑制されていた。
2:凝集及び/又は沈殿が発生し、振盪しても分散せず、成分の分離がみられた。
1:凝集及び/又は沈殿の発生量が多く、振盪しても分散せず、成分の分離がみられた。
試験例2(官能評価)
本発明品11〜27及び比較品8〜14の酸性乳飲料について、専門パネラー10名による風味と口当たりを評価した。その結果を表3と表4に示した。
<風味の評価の基準>
5:乳特有のにおい残りがなくすっきりしており、大変良好である。
4:乳特有のにおい残りが少なくすっきりしており、良好である。
3:どちらともいえない。
2:乳特有のにおいが少し残り、やや悪い。
1:乳特有のにおい残りがあり、悪い。
<口当たりの評価の基準>
5:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が無く、大変良好である。
4:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が無く、良好である。
3:どちらともいえない。
2:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が有り、やや悪い。
1:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が有り、悪い。
試験例3(粒度分布)
本発明品11〜27及び比較品8〜14で得られた酸性乳飲料について、粒度分布を粒度分布計(レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300)にて測定した。その結果を表3と表4に示した。
湿式粒度分布測定装置の測定条件は、分散媒:水、ポンプスピード:5、光強度分布の最大値:35〜75%、超音波分散:30秒間処理、であり、粒度の算出条件は、屈折率の実数部:1.6、虚数部:0.1、とし、自動的に平均粒子径を算出した。
<粒度分布の評価の基準>
平均粒子径
◎ :0.1〜0.5μm
○ :0.5〜1.0μm
○△:1.0〜10μm
△ :10〜50μm
× :50μm以上
試験例4(総合評価)
本発明品11〜27及び比較品8〜14で得られた酸性乳飲料について、風味、口当たり、製造直後及び37℃保存後の凝集や沈殿、粒度分布等の結果を総合的に判断し、10段階で評価を行った。その結果を表3と表4に示した。
<総合評価の基準>
1(悪)〜10(良)
表3と表4の結果より明らかなように、本発明品である酸性乳飲料は、比較品に比べて非常に高い長期間の保存安定性を有し、口当たりと風味も良好であった。
ドリンクヨーグルト
実施例28〜30及び比較例15〜18
牛乳120gとイオン交換水250gの混合液にディスパーを用いて攪拌しながら、脱脂粉乳70gを加え、95℃で15分殺菌処理した。この溶液を40℃まで冷却し、スターターとして市販のプレーンヨーグルト60gを加えて全量を500gとした後、40℃の恒温槽にてpH4.3まで発酵させた。発酵後、ホモミキサーを用いてカードを破砕し、10℃以下に冷却した後、ホモジナイザーを使用して10MPaで均質化処理し、濃縮発酵乳を得た。また、イオン交換水400gに、砂糖60g、次いで、本発明品2、4、5及び比較品1と5を表5に示した配合割合で添加し、HMペクチン(太陽化学株式会社製)を0.25g配合して、85℃、5分間加熱溶解した。次いで、水で全量を500gとし、シロップ溶液を得た。この濃縮発酵乳500gとシロップ溶液500gをプロペラ攪拌にて30分間混合し、ドリンクヨーグルトである本発明品28〜30と比較品15、16を調製した。また、本発明品及び比較品を添加せず、HMペクチンを0.5gもしくは0.25g配合したシロップ溶液を用いて、上記の工程で調製されたドリンクヨーグルトを比較例17、18とした。
試験例5(保存安定性評価)
本発明品28〜30と比較品15〜18のドリンクヨーグルトを50ml遠沈管に45ml充填し、5℃で20日間保存した後の以下の評価基準により凝集や沈殿の発生状況について目視評価を行った。その結果を表5に示した。
<凝集・沈殿評価の基準>
5:凝集及び/又は沈殿がなく、成分の分離が抑制されていた。
4:凝集及び/又は沈殿が僅かに発生するが、軽く振盪することにより分散消失し、成分の分離が抑制されていた。
3:凝集及び/又は沈殿が発生するが、振盪することにより分散消失し、成分の分離が抑制されていた。
2:凝集及び/又は沈殿が発生し、振盪しても分散せず、成分の分離がみられた。
1:凝集及び/又は沈殿の発生量が多く、振盪しても分散せず、成分の分離がみられた。
試験例6(官能評価)
本発明品28〜30と比較品15〜18のドリンクヨーグルトについて、専門パネラー10名による風味と口当たりを算出した。その結果を表5に示した。
<風味の評価の基準>
5:乳特有のにおい残りがなくすっきりしており、大変良好である。
4:乳特有のにおい残りが少なくすっきりしており、良好である。
3:どちらともいえない。
2:乳特有のにおいが少し残り、やや悪い。
1:乳特有のにおい残りがあり、悪い。
<口当たりの評価の基準>
5:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が無く、大変良好である。
4:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が無く、良好である。
3:どちらともいえない。
2:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が有り、やや悪い。
1:乳成分が口腔内にまとわり付く感覚が有り、悪い。
試験例7(粒度分布)
本発明品28〜30及び比較品15〜18で得られた酸性乳飲料について、粒度分布を粒度分布計(レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300)にて、試験例3と同様の測定条件で測定した。その結果を表5に示した。
<粒度分布の評価の基準>
平均粒子径
◎ :0.1〜0.5μm
○ :0.5〜1.0μm
○△:1.0〜10μm
△ :10〜50μm
× :50μm以上
試験例8(総合評価)
本発明品28〜30及び比較品15〜18で得られた酸性乳飲料について、風味、口当たり、製造直後及び37℃保存後の凝集や沈殿、粒度分布等の結果を総合的に判断し、10段階で評価を行った。その結果を表5に示した。
<総合評価の基準>
1(悪)〜10(良)
Figure 2020156471
表5の結果より明らかなように、本発明品28〜30のドリンクヨーグルトは、保存後も離水や蛋白質の凝集もなく、長期間の保存安定性に優れていた。また、口当たりと風味も非常に良好であった。これに対して、従来技術であるHMペクチンを用いた、比較品17のドリンクヨーグルトでは、蛋白質の凝集及び沈殿による成分の分離は抑制されたものの、粘度上昇があり、風味の低下が認められた。比較品17からHMペクチンの配合量を半減させた比較品18では、蛋白質の凝集及び沈殿による成分の分離がみられた。
本発明の酸性乳飲料用の品質改良剤により、長期間の保存安定性が非常に優れ、且つ風味と口当たりが良好な酸性乳飲料を製造することができ、産業上貢献大である。

Claims (4)

  1. 下記条件(A)〜(D)の要件を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、かつクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドを含有する酸性乳飲料用の品質改良剤。
    (A)全構成ポリグリセリンの45重量%以上が重合度5〜8のポリグリセリン
    (B)全構成ポリグリセリンの30重量%以下が重合度3以下のポリグリセリン
    (C)構成脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種以上
    (D)HLBが12以上
  2. 請求項1記載のクエン酸モノグリセリド及び/又はコハク酸モノグリセリドの構成脂肪酸がステアリン酸である、請求項1記載の酸性乳飲料用の品質改良剤。
  3. 請求項1又は2記載の酸性乳飲料用の品質改良剤を含有する、酸性乳飲料。
  4. 請求項1又は2記載の酸性乳飲料用の品質改良剤の添加工程を有することを特徴とする酸性乳飲料の製造方法。
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