JP2020155453A - 半導体搬送容器の乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.チャンバー内に載置した半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、前記チャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力に維持する減圧維持工程、
前記チャンバー内を80000Pa以上大気圧以下に戻す復圧工程、
を有することを特徴とする半導体搬送容器の乾燥方法。
2.前記減圧維持工程と前記復圧工程を、2サイクル以上繰り返すことを特徴とする1.に記載の乾燥方法。
3.前記減圧維持工程において、ポンプによる減圧と気体の供給とを同時に行うことにより前記設定圧力を維持することを特徴とする1.または2.に記載の乾燥方法。
4.前記減圧維持工程より前に、前記半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の乾燥方法。
5.前記半導体搬送容器が、FOUPであることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の乾燥方法。
なお、本発明の乾燥工程は、他の工程を有することもでき、例えば、真空引き工程の前に予熱工程を有することもできる。
「減圧維持工程」
減圧維持工程では、チャンバー内に載置された半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、チャンバー内を600Pa以上2500Pa以下の低真空状態に維持する。
減圧維持工程は、所定の設定圧力に到達した時点から開始する。そのため、本発明の乾燥工程は、減圧維持工程の前に、所定の設定圧力まで減圧する真空引き工程を有する。減圧維持工程の秒数は特に制限されず、液滴の付着量や大きさに応じて調整することができる。
なお、減圧維持工程において、設定圧力を維持することが好ましいが、実際には、水滴の蒸発量等に応じて圧力は変動してしまう。減圧維持工程における圧力は、設定圧力を中心として±300Pa以内であることが好ましく、±100Pa以内であることがより好ましく、±50Pa以内であることがさらに好ましい。
復圧工程では、減圧維持工程で減圧されたチャンバー内の気圧を、80000Pa以上大気圧以下に戻す。
復圧する気圧は、80000Pa以上大気圧以下であればよいが、気圧が低いほど、低真空状態から復圧するのにかかる時間が短くなり、また、減圧維持工程と復圧工程とを複数サイクルを繰り返す場合に、復圧工程後の真空引き工程の所要時間を短くすることができ、乾燥にかかる総所要時間を短くすることができる。復圧するためにチャンバー内にパージする気体としては、クリーン化された気体であれば特に制限されないが、例えば、窒素、アルゴンガス、空気(CDA及びX−CDA)、及びこれらを調温、調湿した気体等が挙げられる。
本発明の乾燥方法は、真空引き工程より前に、半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することが好ましい。スピン乾燥では、大きな水滴ほど飛散しやすいため、スピン乾燥工程後の半導体搬送容器に付着している水滴は小さくなる。スピン乾燥工程後に半導体搬送容器に付着している水滴が小さい方が、短い時間で乾燥させることができるため好ましい。具体的には、スピン乾燥工程後に半導体搬送容器に付着している水滴の重さは、50mg以下であることが好ましく、30mg以下であることがより好ましく、10mg以下であることがさらに好ましく、5mg以下であることが最も好ましい。なお、本明細書における水滴の重さは、任意の30以上の水滴の重さの平均値であり、例えば、マイクロピペット等を用いて30以上の水滴を採取し、採取した水の総重量を採取した水滴の数で除することにより算出することができる。
以下の実施例、比較例では、真空乾燥機(大村技研株式会社製、排気速度3000L/min、到達圧力20Pa)を用いた。この真空乾燥機は、チャンバー内に復圧に使用する窒素ガスを供給せずに真空引きすると、約2分で20Paまで到達する。以下の実施例、比較例では、窒素ガスの供給の有無とその供給量により、減圧維持工程におけるチャンバー内の圧力を調整した。また、この真空乾燥機は、チャンバー開口部を前面として、チャンバーの左右側面と奥面と上面に加熱部を内蔵しており、チャンバー内壁面からの輻射熱により内部を加熱することができる。
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社製、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05gの水滴を各2滴(合計0.3g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程5秒、600Paを維持する減圧維持工程10秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程63秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
減圧維持工程の圧力を20Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、20Paに到達する真空引き工程は111秒、復圧工程は90秒であった。
「比較例2」
減圧維持工程の圧力を3000Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、3000Paに到達する真空引き工程は49秒、復圧工程は90秒であった。
「比較例3」
減圧維持工程の圧力を5000Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、5000Paに到達する真空引き工程は45秒、復圧工程は90秒であった。
本発明である実施例1は、減圧維持工程の圧力がそれぞれ3000Pa、5000Paである比較例2、3よりも乾燥性に優れていた。減圧維持工程の圧力が20Paである比較例1は、重量減少量は大きかったが、これは、沸騰によりチップカバートレー外に液滴の一部が噴き出したことも考えられる。
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01gの水滴を10滴(合計0.1g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程360秒、600Paを維持する減圧維持工程60秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程64秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
減圧維持工程を30秒とし、復圧工程後に真空引き工程、30秒の減圧維持工程、復圧工程を再度繰り返し、サイクル数を2とした以外は、実施例2と同様にした。
予熱工程60秒、600Paを維持する減圧維持工程360秒とした以外は、実施例2と同様にした。600Paに到達するまでの真空引き工程65秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。
減圧維持工程を180秒とし、復圧工程後に真空引き工程、180秒の減圧維持工程、復圧工程を再度繰り返し、サイクル数を2とした以外は、実施例4と同様にした。
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01gの水滴を10滴(合計0.1g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程5秒、600Paを維持する減圧維持工程60秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程65秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
サイクル数を2とした以外は、実施例6と同様にした。
「実施例8」
サイクル数を3とした以外は、実施例6と同様にした。
Claims (5)
- チャンバー内に載置した半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、前記チャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力に維持する減圧維持工程、
前記チャンバー内を80000Pa以上大気圧以下に戻す復圧工程、
を有することを特徴とする半導体搬送容器の乾燥方法。 - 前記減圧維持工程と前記復圧工程を、2サイクル以上繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の乾燥方法。
- 前記減圧維持工程において、ポンプによる減圧と気体の供給とを同時に行うことにより前記設定圧力を維持することを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥方法。
- 前記減圧維持工程より前に、前記半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥方法。
- 前記半導体搬送容器が、FOUPであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の乾燥方法。
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---|---|---|---|---|
JP2006212563A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Ptc Engineering:Kk | 被洗浄物の洗浄方法、洗浄システム、及び乾燥装置 |
JP2010536185A (ja) * | 2007-08-13 | 2010-11-25 | アルカテル−ルーセント | 半導体基板の運搬および大気中保管のための輸送支持具を処理する方法、ならびにそのような方法を実施するための処理ステーション |
JP2016223636A (ja) * | 2013-10-21 | 2016-12-28 | 株式会社トリケミカル研究所 | 容器内面の乾燥方法 |
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