JP2020154218A - 偏光板 - Google Patents

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恵啓 伊藤
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Abstract

【課題】リワークに際して偏光板の剥離を良好に行えるとともに、画像表示装置等に組み込まれて使用される過程では良好な密着性を発揮できる偏光板を提供する。【解決手段】偏光板は、粘着剤層、第1保護フィルム、偏光子、第2保護フィルム、及び帯電防止性ハードコート層をこの順に有する。偏光板は、平面視において、外縁に凹形状の切欠き部を有する。粘着剤層は、第1保護フィルム上に直接積層されているとともに、水溶性イオン性化合物を含有する。第1保護フィルムの温度40℃、湿度90%RHにおける透湿度は、100g/(m2・24hr)以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置を構成する光学部品の一つとして用いられている。偏光板は通常、偏光フィルムの片面又は両面に保護フィルムを積層した積層構造を有し、この積層構造で、粘着剤層等を介して画像表示装置に組み込まれる(例えば、特許文献1)。画像表示装置は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末にも使用されており、このような携帯端末にも偏光板が組み込まれることが知られている。
スマートフォンやタブレット等の携帯端末では、ディスプレイ(表示部)の外縁の一部に切欠き部が形成された形状とされることがある。上記のような切欠き部を有するディスプレイでは、ディスプレイの形状に合わせて切欠き部を有する偏光板が、粘着剤層等を介して画像表示装置の液晶パネル等に貼合される。
特開2018−205464号公報
偏光板を液晶パネルに貼合する際に貼合不良が発生すると、偏光板を剥離して再度偏光板を貼り直すリワークを行うことがある。上記した切欠き部を有する偏光板を、リワークに際して液晶パネルから剥離すると、切欠き部の周辺において偏光板が裂け、偏光板を良好に剥離できない場合があることが見出された。
本発明は、リワークに際して偏光板の剥離を良好に行えるとともに、画像表示装置等に組み込まれて使用される過程では良好な密着性を発揮できる偏光板の提供を目的とする。
本発明は、以下の偏光板を提供する。
〔1〕 粘着剤層、第1保護フィルム、偏光子、第2保護フィルム、及び帯電防止性ハードコート層をこの順に有する偏光板であって、
前記偏光板の平面視において、外縁に凹形状の切欠き部を有し、
前記粘着剤層は、前記第1保護フィルム上に直接積層されているとともに、水溶性イオン性化合物を含有し、
前記第1保護フィルムの温度40℃、湿度90%RHにおける透湿度は、100g/(m・24hr)以上である、偏光板。
〔2〕 前記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含み、
前記切欠き部における前記偏光板の輪郭線は、互いに対向するように設けられ且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺と、前記2つの辺を結ぶ1つの辺とを含み、
前記2つの辺及び前記1つの辺からなる群より選ばれる少なくとも1つの辺と前記偏光子の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下である、〔1〕に記載の偏光板。
〔3〕 前記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含み、
前記切欠き部における前記偏光板の輪郭線は、互いに隣り合い且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺で形成され、
前記2つの辺のうちの少なくとも1つと前記偏光子の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下である、〔1〕に記載の偏光板。
〔4〕 前記偏光板は、少なくとも一辺に前記切欠き部を有する方形状又は角丸方形状である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光板。
〔5〕 前記切欠き部が形成された前記少なくとも一辺は、前記方形状又は角丸方形状を構成する2つの頂点を有する、〔1〕に記載の偏光板。
本発明の偏光板は、リワークに際して偏光板の剥離を良好に行えるとともに、画像表示装置等に組み込まれて使用される過程では良好な密着性を発揮することができる。
(a)は、本発明の偏光板の一例を模式的に示す概略平面図であり、(b)は、(a)におけるx−x’概略断面図である。 本発明の偏光板に剥離用テープを取付けた場合の一例を模式的に示す概略平面図である。 (a)及び(b)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。 (a)及び(b)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。
<偏光板>
図1(a)は、本実施形態の偏光板10の一例を模式的に示す概略平面図であり、図1(b)は、(a)におけるx−x’概略断面図である。図2は、本実施形態の偏光板10に剥離用テープ39を取付けた場合の一例を模式的に示す概略の平面図である。
偏光板10は、図1(b)に示すように、粘着剤層21、第1保護フィルム22、偏光子23、第2保護フィルム24、及び帯電防止性ハードコート層25をこの順に有する。粘着剤層21は、第1保護フィルム22に直接接するように、第1保護フィルム22上に直接積層されている。帯電防止性ハードコート層25は、第2保護フィルム24に直接接するように、第2保護フィルム24上に直接積層されていることが好ましい。
第1保護フィルム22と偏光子23との間には、両者を貼合するための第1貼合層32が設けられていてもよく、偏光子23と第2保護フィルム24との間には、両者を貼合するための第2貼合層34が設けられていてもよい。粘着剤層21の第1保護フィルム22とは反対側には、粘着剤層21を被覆保護する剥離シートが、粘着剤層21に対して剥離可能に設けられていてもよい。
偏光板10は、平面視において外縁に凹形状の切欠き部11を有する。切欠き部11における偏光板10の輪郭線は、例えば図1(a)に示すように、互いに平行な直線状の2つの辺11a,11cと、この2つの辺11a,11cを結ぶ曲線状の1つの辺11bとを有することができる。
粘着剤層21は、粘着剤組成物を用いて形成された層であり、水溶性イオン性化合物を含有している。第1保護フィルム22は、温度40℃、湿度90%RHにおける透湿度が、100g/(m・24hr)以上である。上記透湿度は、250g/(m・24hr)以上であることが好ましく、350g/(m・24hr)以上であることがより好ましく、450g/(m・24hr)以上であることがさらに好ましく、600g/(m・24hr)以上であることがよりさらに好ましく、800g/(m・24hr)以上であってもよく、1000g/(m・24hr)以上であってもよく、1200g/(m・24hr)以上であってもよい。上記透湿度は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
偏光板10は、粘着剤層21を介して、例えば液晶表示装置の液晶セル等の被貼合部材に貼合されて用いられる。被貼合部材への偏光板10の貼合に際して貼合不良が発生すると、貼合直後の偏光板10を剥離して、偏光板10を貼り直すリワークを行うことがある。リワークで行う偏光板10の剥離は、例えば図2に示すように、偏光板10の帯電防止性ハードコート層25側に、偏光板10の角部分を跨ぐように剥離用テープ39を貼付し、この剥離用テープ39を、偏光板10の対角線方向(図2中、矢印方向)に引き起こして行う。なお、剥離用テープ39の貼付位置は、図2に示す位置に限らない。
切欠き部を有する偏光板を用いた場合に上記のようにリワークを行うと、偏光板の剥離時に切欠き部の周辺の偏光板が裂けることがあった。例えば、図1(a)に示すような形状の切欠き部11を有する偏光板では、直線状の辺11a,11cと曲線状の辺11bとが接する位置11abの位置近傍で裂けやすいことが見出された。このような偏光板10の裂けは、偏光板10の剥離時に切欠き部11の周辺に応力が集中するために発生すると推測され、切欠き部11における輪郭線が複数の辺を組み合わせてなり、この辺が互いに接する位置11ab,11bcを有する場合には、この位置11ab,11bc付近に応力が集中しやすいと推測された。偏光板のリワークを行う際に発生する上記のような偏光板の裂けは、リワークの効率を低下させる原因となり得る。
本実施形態の偏光板10では、上記したように、粘着剤層21が水溶性イオン性化合物を含んでいるため、偏光板10と被貼合部材との間の初期の密着力を比較的低くすることができる。これにより、リワークを行う際に、比較的小さな力で偏光板10を剥離することができるため、切欠き部11の周辺にかかる応力を低減することができると考えられる。特に、切欠き部11が、2つの辺が接する位置11ab,11bcを有する場合には、この位置11ab,11bcの位置付近にかかる応力を低減することができると考えられる。したがって、偏光板10では、リワークにおいて偏光板10を剥離する際に、切欠き部11の周辺に裂けが発生することを抑制することができると推測される。
一方、偏光板10は液晶セル等の被貼合部材に貼合されて使用されるが、粘着剤層21が水溶性イオン性化合物を含んでいることにより、偏光板10と被貼合部材との密着力が低下し、偏光板10と被貼合部材とを貼合した貼合体の使用過程において偏光板10と被貼合部材とが剥離することが懸念される。本実施形態の偏光板10では、粘着剤層21が積層される第1保護フィルム22として、上記透湿度が100g/(m・24hr)以上のものを用いることにより、偏光板10と被貼合部材とが剥離することを抑制している。粘着剤層21に含まれる水溶性イオン性化合物は水溶性であるため、偏光板10と被貼合部材とを貼合した貼合体内で水分とともに移動する傾向にあると考えられる。第1保護フィルム22は、上記のように透湿度が高いため水分の移動が生じやすく、水溶性イオン性化合物も第1保護フィルム22に移行しやすい。このような水溶性イオン性化合物の第1保護フィルム22への移行に伴い、粘着剤層21と被貼合部材との密着力が上昇し、貼合体の使用過程において偏光板10と被貼合部材とが剥離することを抑制できると推測される。
(偏光板の平面視形状)
図3(a)及び(b)は、本実施形態の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。偏光板の平面視における形状は特に限定されない。例えば、図1(a)に示すように、辺10a〜10dを有し、少なくとも一辺(例えば、辺10a)に上記した切欠き部11を有する方形状であってもよく、図3(a)に示すように、方形が有する4つの角のうち1つ以上(例えば、4つの角すべて)が所定の曲率半径を有する角丸形状となっている角丸方形状であってもよい(図3(a)及び(b))。本明細書において、角丸方形状とは方形が有する4つの角のうち少なくとも1つが面取りされて角丸となっている形状をいい、方形状とは4つの角を有する形状をいうものとする。また、本明細書において、方形状とは長方形状又は正方形状をいうものとする。平面視が方形状である偏光板では角が頂点となるが、平面視が角丸方形状である偏光板の頂点の位置は、角丸部分の輪郭長さを二等分する位置とし、この頂点を隣り合う2つの辺の境界とする。
偏光板の平面視における形状としては、例えば、図1(a)に示すように一辺に切欠き部11を有する長方形状や、図3(a)に示すように、この長方形状の4つの角を面取りした角丸長方形状とすることができる。偏光板は、図3(b)に示すように、角丸長方形状の対向する辺10a,10c(例えば、短辺)のそれぞれに切欠き部11を設けた形状を有していてもよい。偏光板が複数の切欠き部を有する場合、切欠き部はそれぞれ異なる辺に設けられてもよいが、同じ辺に切欠き部を複数設けてもよい。
方形状又は角丸方形状の偏光板10の少なくとも一辺に切欠き部11を形成する場合、切欠き部11が形成されている辺は、方形状又は角丸方形状を構成する2つの頂点10ab,10daを有していることが好ましい(図1(a)、図3(a))。つまり、切欠き部11は、方形状又は角丸方形状をなす辺において、方形状又は角丸方形状の頂点10ab,10daを含む位置に形成するのではなく、当該頂点10ab,10daを含まない位置に形成され、切欠き部11の両側に、切欠き部11を形成した辺(方形状又は角丸方形状を構成する一辺)の一部が残っていることが好ましい。この場合、切欠き部11の両側に存在する辺の一部は、同一直線上に存在することが好ましい。
(切欠き部の形状)
図4〜図7は、本実施形態の偏光板10の他の一例を模式的に示す概略平面図である。偏光板が有する切欠き部11の形状は特に限定されない。切欠き部11の形状は、例えば、図1(a)、図4(a)〜(d)に示すように略四角形状(四角形状を含む)であってもよく、図5(a)〜(d)に示すように略台形状(台形状を含む)であってもよく、図6(a)及び(b)に示すようにU字形状であってもよく、図7(a)〜(d)に示すようにV字形状であってもよい。また、図示していないが、切欠き部の形状は、円弧形状や、四角形や三角形以外の多角形状であってもよい。
切欠き部11が、例えば図1(a)、図3(a)及び(b)、図4(a)〜(d)、図6(a)及び(b)に示す形状を有する場合、切欠き部11における偏光板10の輪郭線は、互いに対向するように設けられ且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺11a,11cと、この2つの辺11a,11cを結ぶ1つの辺11bとを有することができる。切欠き部11における輪郭線は、例えば、図1(a)、図3(a)及び(b)、図6(a)及び(b)に示すように、互いに対向するように設けられた2つの辺11a,11cが直線状部分を含む辺であり、この2つの辺11a,11cを結ぶ1つの辺11bが曲線状であってもよい。また、図4(a)〜(d),図5(a)〜(d)に示すように、3つの辺11a,11b,11cのすべてが直線状部分を含んでいてもよい。
3つの辺11a,11b,11cのすべてが直線状部分を含む場合、これらの辺が互いに接する位置11ab,11bcは、角を形成してもよく(図4(a)及び(b)、図5(a)及び(b))、面取りされて所定の曲率半径を有していてもよい(図4(c)及び(d)、図5(c)及び(d))。位置11ab,11bcが角を形成している場合、曲率半径は0.1mm未満(実質的に0)であり、面取りされている場合、曲率半径は通常0.1mm以上であり、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。
位置11ab,11bcにおける角度θ1(偏光板10の面内における角度)は、それぞれ独立して、通常180°超であり、225°以上270°以下であることが好ましい。
直線状部分を有する2つの辺11a,11cは、互いに平行であってもよく(図1(a),図4(a)〜(d),図6(a)及び(b))、平行でなくてもよい(図5(a)及び(b))。この2つの辺11a,11cは、互いに同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。
切欠き部11における偏光板10の輪郭線と、切欠き部11が形成された偏光板10の辺10aとが接する位置aa,caはそれぞれ独立して、角を形成していてもよく(図1(a)、図3(a)及び(b)、図4(a)及び(c)、図5(a)及び(c)、図6(a))、面取りされて所定の曲率半径を有していてもよい(図4(b)及び(d)、図5(b)及び(d)、図6(b))。位置aa,caが角を形成している場合、曲率半径は0.1mm未満(実質的に0)であり、面取りされている場合、曲率半径は通常0.1mm以上であり、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。
偏光板10の位置aa,caにおいて辺11a又は11cと辺10aとのなす角度θ2(偏光板10の面内における角度)は、それぞれ独立して、通常45°以上であり、60°以上であることが好ましく、75°以上であってもよく、85°以上であってもよく、また、通常135°以下であり、120°以下であることが好ましく、105°以下であってもよく、95°以下であってもよい。角度θ2は90°であってもよい。
偏光板10がポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子23を有する場合、上記した3つの辺11a,11b,11cのうちの少なくとも1つと、偏光子23の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下であることが好ましい。上記角度は、50°以上であってもよく、60°以上であってもよく、80°以下であってもよい。
本明細書において、直線状部分を有する辺11a,11cと、偏光子23の吸収軸方向とのなす角度は、辺11a,11cの直線状部分と偏光子23の吸収軸方向とのなす角度のうち鋭角(直角を含む)をいう。辺11bと偏光子23の吸収軸方向とのなす角度は、辺11bが直線状部分を有する場合、辺11bの直線状部分と偏光子23の吸収軸方向とのなす角度のうち鋭角(直角を含む)をいい、辺11bが曲線である場合、互いに対向し直線状部分を有する辺11a,11cと辺11bとが接する位置11ab及び位置11bcを結ぶ直線と、偏光子23の吸収軸方向とのなす角度のうち鋭角(直角を含む)をいう。
偏光板10における吸収軸方向は、偏光板10が方形状である場合、いずれかの辺に平行であってもよく、いずれの辺とも所定の角度をなす方向であってもよい。偏光板10が角丸方形状である場合は、吸収軸方向は、いずれかの辺の直線状部分と平行であってもよく、この直線状部分と所定の角度をなしていてもよい。例えば、偏光板10が長方形状である場合、吸収軸方向は、長辺に平行であってもよく、短辺に平行であってもよく、長辺又は短辺と例えば45°の角度をなしていてもよい。
切欠き部11における輪郭線をなす各辺と偏光子23の吸収軸方向との角度が上記の範囲である場合、リワークにおいて偏光板10を剥離する際に、切欠き部11の各辺が互いに接する位置11ab,11bc付近において、吸収軸方向に沿って偏光板10が裂けやすい傾向にあることが見出された。本実施形態の偏光板10は、上記したように粘着剤層21が水溶性イオン性化合物を含有しているため、上記の角度を有する偏光板10においても、切欠き部11の周辺に裂けが発生することを抑制してリワークを行うことができ、好適である。
また、切欠き部11が、例えば図7(a)〜(d)に示す形状を有する場合、切欠き部11における偏光板10の輪郭線は、互いに隣り合い且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺11e,11fで形成することができる。2つの辺11e,11fが互いに接する位置11efは、角を形成していてもよく(図7(a)及び(b))、面取りされて所定の曲率半径を有していてもよい(図7(c)及び(d))。位置11efが角を形成している場合、曲率半径は0.1mm未満(実質的に0)であり、面取りされている場合、曲率半径は通常0.1mm以上であり、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。
位置11efにおける角度θ3(偏光板10の面内における角度)は、通常180°超であり、225°以上270°以下であることが好ましい。
切欠き部11における偏光板10の輪郭線と、切欠き部11が形成された偏光板10の辺10aとが接する位置ae,faはそれぞれ独立して、角を形成していてもよく(図7(a)及び(c))、面取りされて所定の曲率半径を有していてもよい(図7(b)及び(d))。位置ae,faが角を形成している場合、曲率半径は0.1mm未満(実質的に0)であり、面取りされている場合、曲率半径は通常0.1mm以上であり、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。
偏光板10の位置ae,faにおいて辺11eと辺10aとのなす角度θ4(偏光板10の面内における角度)は、それぞれ独立して、通常45°以上であり、60°以上であることが好ましく、75°以上であってもよく、85°以上であってもよく、また、通常135°以下であり、120°以下であることが好ましく、105°以下であってもよく、95°以下であってもよい。角度θ4は90°であってもよい。
偏光板10がポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子23を有する場合、上記した2つの辺11e,11fのうちの少なくとも1つと、偏光子23の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下であることが好ましい。上記角度は、50°以上であってもよく、60°以上であってもよく、80°以下であってもよい。本明細書において、直線状部分を有する辺11e,11fと、偏光子23の吸収軸方向とのなす角度は、辺11e,11fの直線状部分と偏光子23の吸収軸方向とのなす角度のうち鋭角(直角を含む)をいう。偏光板10における吸収軸方向は特に限定されないが、例えば上記した方向とすることができる。
切欠き部11における輪郭線をなす各辺と偏光子23の吸収軸方向との角度が上記の範囲である場合、リワークにおいて偏光板10を剥離する際に、切欠き部11の各辺が互いに接する位置11ef付近において、吸収軸方向に沿って偏光板10が裂けやすい傾向にあることが見出された。本実施形態の偏光板10は、上記したように粘着剤層21が水溶性イオン性化合物を含有しているため、上記の角度を有する偏光板10においても、切欠き部11の周辺に裂けが発生することを抑制してリワークを行うことができ、好適である。
凹形状の切欠き部11の深さdは、通常0.1mm以上であり、通常15mm以下であり、10mm以下であることが好ましい。切欠き部11の深さdは、図2に示すように、凹形状の切欠き部11の端部の位置aa,caと、凹形状の底面部分の位置との間の直線距離のうち最大の長さをいう。凹形状の切欠き部11の幅wは、通常2mm以上であり、通常50mm以下であり、25mm以下であることが好ましい。切欠き部11の幅wは、図2に示すように、凹形状の切欠き部11の端部の位置aa,caの間の直線距離をいう。切欠き部11の深さdと幅wとの比(d/w)は、通常0.05以上であり、通常0.4以下であり、0.3以下であることが好ましい。
(偏光板の製造方法)
切欠き部11を有する偏光板10は、粘着剤層、第1保護フィルム、偏光子、第2保護フィルム、及び帯電防止性ハードコート層がこの順に積層された積層体を用いて製造することができる。例えば、積層体を打抜いて切欠き部11を有する偏光板10を製造してもよく、積層体を所定の大きさに裁断した後、切欠き部11を形成して偏光板10を製造してもよい。打抜き以外の方法で切欠き部11を形成する方法としては、COレーザーやエキシマレーザー等を用いてレーザーを用いて形成する方法、エンドミルを用いて切削・研磨する方法等が挙げられる。
(偏光板の用途)
偏光板10は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置に用いることができる。特に、スマートフォンやタブレット等の携帯端末におけるディスプレイ(表示部)の外縁の一部に切欠き部が形成された形状の画像表示装置に好適に用いることができる。
以下、偏光板をなす各層の材料等について詳述する。
(粘着剤層)
粘着剤層21は、偏光板10を、液晶セル等の画像表示装置の被貼合部材に貼合するための層である。粘着剤層21は、水溶性イオン性化合物を含む粘着剤組成物から構成することができる。この粘着剤組成物は、通常、(メタ)アクリル系樹脂(A)をさらに含み、イソシアネート系架橋剤(B)及び/又はシラン化合物(C)をさらに含んでいてもよい。本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリロイル」などについても同様である。
粘着剤層21の厚みは、通常2〜40μmであり、偏光板10のリワーク性、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性等の観点から、好ましくは5〜30μmであり、より好ましくは10〜25μmである。
粘着剤層21は、23〜80℃の温度範囲において0.1〜5MPaの貯蔵弾性率を示すものであることが好ましい。これにより、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性をより効果的に高めることができる。「23〜80℃の温度範囲において0.1〜5MPaの貯蔵弾性率を示す」とは、この範囲のいずれの温度においても、貯蔵弾性率が上記範囲内の値であることを意味する。貯蔵弾性率は通常、温度上昇に伴って漸減するので、23℃及び80℃における貯蔵弾性率がいずれも上記範囲に入っていれば、この範囲の温度において、上記範囲内の貯蔵弾性率を示すとみることができる。粘着剤層20の貯蔵弾性率は、市販の粘弾性測定装置、例えば、REOMETRIC社製の粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDA II」を用いて測定することができる。
〔1〕水溶性イオン性化合物
粘着剤組成物は、水溶性イオン性化合物を含有する。本明細書において、水溶性イオン性化合物とは、温度60℃の水100gに対する溶解度が5g以上であるものをいい、無機カチオン又は有機カチオンと、無機アニオン又は有機アニオンとを有する化合物である。水溶性イオン性化合物を用いることにより、偏光板10の粘着剤層21に良好な帯電防止性能を付与することができるだけでなく、リワークに際して偏光板の剥離を良好に行えるとともに、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性を高めることができる。粘着剤組成物は、水溶性イオン性化合物を1種又は2種以上含有することができる。
無機カチオンとしては、例えば、リチウムカチオン〔Li+〕、ナトリウムカチオン〔Na+〕、カリウムカチオン〔K+〕のようなアルカリ金属イオンや、ベリリウムカチオン〔Be2+〕、マグネシウムカチオン〔Mg2+〕、カルシウムカチオン〔Ca2+〕のようなアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
有機カチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
上記したカチオン成分のうち、有機カチオン成分は、粘着剤組成物との相溶性に優れることから好ましく用いられる。有機カチオン成分の中でも特に、ピリジニウムカチオン及びイミダゾリウムカチオンは、粘着剤層の上に設けられる剥離フィルムを剥がすときに帯電しにくいという観点から好ましく用いられる。
無機アニオンとしては、例えば、クロライドアニオン〔Cl-〕、ブロマイドアニオン〔Br-〕、ヨーダイドアニオン〔I-〕、テトラクロロアルミネートアニオン〔AlCl4 -〕、ヘプタクロロジアルミネートアニオン〔Al2Cl7 -〕、テトラフルオロボレートアニオン〔BF4 -〕、ヘキサフルオロホスフェートアニオン〔PF6 -〕、パークロレートアニオン〔ClO4 -〕、ナイトレートアニオン〔NO3 -〕、ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF6 -〕、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF6 -〕、ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF6 -〕、ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF6 -〕、ジシアナミドアニオン〔(CN)2-〕等が挙げられる。
有機アニオンとしては、例えば、アセテートアニオン〔CH3COO-〕、トリフルオロアセテートアニオン〔CF3COO-〕、メタンスルホネートアニオン〔CH3SO3 -〕、トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CF3SO3 -〕、p−トルエンスルホネートアニオン〔p−CH364SO3 -〕、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン〔(FSO22-〕、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CF3SO22-〕、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアニオン〔(CF3SO23-〕、ジメチルホスフィネートアニオン〔(CH32POO-〕、(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドアニオン〔F(HF)n -〕(nは1〜3程度)、チオシアンアニオン〔SCN-〕、パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔C49SO3 -〕、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(C25SO22-〕、パーフルオロブタノエートアニオン〔C37COO-〕、(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)(CF3CO)N-〕、パーフルオロプロパン−1,3−ジスルホネートアニオン〔-3S(CF23SO3 -〕、カーボネートアニオン〔CO3 2-〕等が挙げられる。
上記したアニオン成分の中でも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、帯電防止性能に優れる水溶性イオン性化合物を与えることから好ましく用いられる。フッ素原子を含むアニオン成分として、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、又はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
水溶性イオン性化合物の具体例は、上記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択することができる。有機カチオンを有する水溶性イオン性化合物の例を有機カチオンの構造ごとに分類して掲げると、次のようなものが挙げられる。
ピリジニウム塩:
N−ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−オクチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ブチル−4−メチルルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−デシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ベンジル−2−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ベンジル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−オクチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−オクチル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ブチル−4−メチルルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
イミダゾリウム塩:
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム p−トルエンスルホネート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム メタンスルホネート、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド。
ピロリジニウム塩:
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
4級アンモニウム塩:
テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート、
テトラブチルアンモニウム p−トルエンスルホネート、
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ジメチルホスフィネート。
また、無機カチオンを有する水溶性イオン性化合物の例を挙げると、次のようなものが挙げられる。
リチウム ブロマイド、
リチウム ヨーダイド、
リチウム テトラフルオロボレート、
リチウム ヘキサフルオロホスフェート、
リチウム チオシアネート、
リチウム パークロレート、
リチウム トリフルオロメタンスルホネート、
リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
リチウム ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、
リチウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド、
リチウム p−トルエンスルホネート、
ナトリウム ヘキサフルオロホスフェート、
ナトリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
ナトリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ナトリウム p−トルエンスルホネート、
カリウム ヘキサフルオロホスフェート、
カリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
カリウム p−トルエンスルホネート。
水溶性イオン性化合物は、室温において固体であることが好ましい。常温で液体である水溶性イオン性化合物を用いる場合に比べ、帯電防止性能を長期間保持することができる。このような帯電防止性の長期安定性という観点からすると、水溶性イオン性化合物は、30℃以上、さらには35℃以上の融点を有することが好ましい。一方で、その融点があまり高すぎると、(メタ)アクリル系樹脂(A)との相溶性が悪くなるため、融点は好ましくは90℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃未満である。
粘着剤組成物における水溶性イオン性化合物の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.2〜8重量部であり、より好ましくは0.2〜5重量部であり、さらに好ましくは0.3〜5重量部であり、特に好ましくは0.5〜3重量部である。水溶性イオン性化合物の含有量が0.2重量部以上であることは、帯電防止性能の向上に有利であり、8重量部以下であることは、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性向上に有利である。
〔2〕(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を主成分とする(好ましくは50重量%以上含む)重合体又は共重合体である。(メタ)アクリル系単量体は、例えば(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含み、好ましくはアルキル(メタ)アクリレートを含む。アルキル(メタ)アクリレートが有するアルキル基は、炭素数が好ましくは1〜14、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、直鎖、分岐又は環状構造であり得る。アルキル(メタ)アクリレートとして、後述するアルキル基に置換基が導入された置換基含有アルキルアクリレートのような置換基含有アルキル(メタ)アクリレートを用いることもできる。アルキル(メタ)アクリレートは、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートの具体例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−及びt−ブチル(メタ)アクリレート、n−及びi−ペンチルアクリレート、n−及びi−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−及びi−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−及びi−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−及びi−ノニル(メタ)アクリレート、n−及びi−デシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−及びi−ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を含む。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、ホモポリマーのガラス転移温度Tgが0℃未満であるアルキルアクリレート(a1)由来の構成単位、及びホモポリマーのTgが0℃以上であるアルキルアクリレート(a2)由来の構成単位を含有することが好ましい。このことは、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性を高めるうえで有利である。アルキルアクリレートのホモポリマーのTgは、例えばPOLYMER HANDBOOK(Wiley−Interscience)などの文献値を採用することができる。
アルキルアクリレート(a1)の具体例は、エチルアクリレート、n−及びi−プロピルアクリレート、n−及びi−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−及びi−へキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−及びi−オクチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−及びi−ノニルアクリレート、n−及びi−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート等のアルキル基の炭素数が2〜12程度のアルキルアクリレートを含む。アルキルアクリレート(a1)の他の具体例として、アルキル基の炭素数が2〜12程度のアルキルアクリレートにおけるアルキル基に置換基が導入された置換基含有アルキルアクリレートを挙げることもできる。置換基含有アルキルアクリレートの置換基は、アルキル基の水素原子を置換する基であり、その具体例はフェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基を含む。置換基含有アルキルアクリレートとして、具体的には、2−メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。アルキルアクリレート(a1)のアルキル基は、脂環式構造を有していてもよいが、好ましくは直鎖又は分岐構造のアルキル基である。
アルキルアクリレート(a1)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。中でも、アルキルアクリレート(a1)は、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。リワークに際して偏光板10の良好な剥離を行う観点から、アルキルアクリレート(a1)は、n−ブチルアクリレートを含むことが好ましい。
アルキルアクリレート(a2)は、アルキルアクリレート(a1)以外のアルキルアクリレートである。アルキルアクリレート(a2)の具体例は、メチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ステアリルアクリレート、t−ブチルアクリレート等を含む。
アルキルアクリレート(a2)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。中でも、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の観点から、アルキルアクリレート(a2)は、メチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート等を含むことが好ましく、メチルアクリレートを含むことがより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)におけるアルキルアクリレート(a2)由来の構成単位の含有量は、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100重量部中、好ましくは10重量部以上であり、より好ましくは15重量部以上であり、さらに好ましくは20重量部以上であり、特に好ましくは25重量部以上である。また、リワークに際して偏光板10の良好な剥離を行う観点から、アルキルアクリレート(a2)由来の構成単位の含有量は、好ましくは70重量部以下であり、より好ましくは60重量部以下であり、さらに好ましくは50重量部以下である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、アルキルアクリレート(a1)及び(a2)以外の他の単量体に由来する構成単位を含有することができる。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、当該他の単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。他の単量体としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換もしくは無置換アミノ基、エポキシ基等の複素環基などの置換基を有する(メタ)アクリレートなどの極性官能基を有する単量体;アクリルアミド系単量体;メタクリル酸エステル;メタクリルアミド系単量体;スチレン系単量体;ビニル系単量体;分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体などが挙げられる。
また、リワークに際して偏光板10の良好な剥離を行う観点からは、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、メタクリレート(メタクリル酸エステル)、メタクリルアミド系単量体等のメタクリル系単量体に由来する構成単位の含有量が小さいことが好ましく、具体的には、当該構成単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100重量部中、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは5重量部以下であり、当該構成単位を実質的に含有しない(0.1重量部以下である)ことがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)における排出曲線上の重量平均分子量Mw1000〜250万の範囲において単一のピークを有することが好ましく、Mw1000〜250万の範囲において単一のピークを有し、かつアルキルアクリレート(a1)及び(a2)由来の構成単位を含有することがより好ましい。かかる(メタ)アクリル系樹脂(A)をベースポリマーとする粘着剤層21は、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性を高めるうえで有利である。上記Mwの範囲でのピーク数が2以上である場合、十分な密着性を得ることができない傾向にある。
Mw1000〜250万の範囲におけるGPC排出曲線のピーク数を求めるにあたっては、後述する重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定条件に従って排出曲線を取得する。得られた排出曲線の上記範囲において「単一のピークを有する」とは、Mw1000〜250万の範囲において極大値を1つしか持たないことを意味する。本明細書では、GPC排出曲線において、S/N比が30以上のものをピークと定義する。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、GPCによる標準ポリスチレン換算のMwが50万〜250万の範囲にあることが好ましく、60万〜200万の範囲にあることがより好ましい。Mwが50万以上であると、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の向上に有利であり、リワークに際して偏光板10の剥離性も向上する傾向にある。また、Mwが250万以下であると、偏光板10の寸法変化に対する粘着剤層21の追随性が良好となる。重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで表される分子量分布は、通常2〜10である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)のMw及びMnは、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel XL」を4本、及び昭和電工(株)製の「Shodex GPC KF−802」を1本の計5本を直列につないで配置し、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定することができる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、酢酸エチルに溶解させて濃度20重量%の溶液としたとき、25℃における粘度が、20Pa・s以下であることが好ましく、0.1〜7Pa・sであることがより好ましい。かかる範囲の粘度は、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の向上や、リワークに際して偏光板10の剥離性の向上に有利である。上記粘度は、ブルックフィールド粘度計によって測定できる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが−60〜−10℃であることが好ましく、−55〜−15℃であることがより好ましい。かかる範囲のTgは、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の向上に有利である。
粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)に属する(メタ)アクリル系樹脂を2種以上含有していてもよい。また粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)とは異なる他の(メタ)アクリル系樹脂を含有していてもよい。ただし、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂(A)の含有量は、すべての(メタ)アクリル系樹脂の合計中、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、粘着剤組成物は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系樹脂(A)のみを含有することが特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)や必要に応じて併用できる他の(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法によって製造することができる。(メタ)アクリル系樹脂の製造においては通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤は、(メタ)アクリル系樹脂の製造に用いられる全ての単量体の合計100重量部に対して、0.001〜5重量部程度使用される。また、(メタ)アクリル系樹脂は、例えば紫外線等の活性エネルギー線によって重合を進行させる方法により製造してもよい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤として、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等を挙げることができる。熱重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)のようなアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイドのような有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素のような無機過酸化物等を挙げることができる。また、過酸化物と還元剤を併用したレドックス系開始剤等も、重合開始剤として使用し得る。
(メタ)アクリル系樹脂の製造方法としては、上に示した方法の中でも溶液重合法が好ましい。溶液重合法の一例は、用いる単量体及び有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下、熱重合開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは50〜80℃程度にて3〜15時間程度攪拌することである。反応を制御するために、単量体や熱重合開始剤を重合中に連続的又は間歇的に添加したり、有機溶媒に溶解した状態で添加したりしてもよい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などを用いることができる。
〔3〕イソシアネート系架橋剤(B)
粘着剤組成物は、イソシアネート系架橋剤(B)を含有することができる。イソシアネート系架橋剤(B)を架橋剤として用いることにより、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性をより効果的に高めることができる。イソシアネート系架橋剤(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系架橋剤(B)は、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有する化合物であり、具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。またイソシアネート系架橋剤(B)は、これらイソシアネート化合物の多価アルコール化合物アダクト体(例えばグリセロールやトリメチロールプロパンのアダクト体)、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート化合物などの誘導体であってもよい。上記の中でも、特にトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又はそれらのイソシアネート化合物の多価アルコール化合物アダクト体が好ましく、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の観点から、キシリレンジイソシアネート又はその多価アルコール化合物アダクト体がより好ましい。
イソシアネート系架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.08〜2.5重量部であり、より好ましくは0.1〜2重量部(例えば1重量部以下)である。イソシアネート系架橋剤(B)の含有量がこの範囲にあると、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の点において有利である。
粘着剤組成物は、イソシアネート系架橋剤(B)とともに、これ以外の架橋剤、例えば、エポキシ化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、過酸化物等を併用し得るが、偏光板10を適用した画像表示装置等での粘着剤層21の密着性の観点から、粘着剤組成物は、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(B)のみを含有し、特に過酸化物を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは、(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部に対する含有量が0.01重量部以下であることをいう。
〔4〕シラン化合物(C)
粘着剤組成物は、シラン化合物(C)を含有することができる。これにより偏光板10の粘着剤層21と、液晶パネル等の被貼合部材との密着性を高めることができる。2種以上のシラン化合物(C)を使用してもよい。
シラン化合物(C)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シラン化合物(C)は、シリコーンオリゴマータイプのものを含むことができる。シリコーンオリゴマーの具体例を、モノマー同士の組み合わせの形で表記すると次のとおりである。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトプロピル基含有オリゴマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトメチル基含有オリゴマー;
3−グリジドキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等の3−グリジドキシプロピル基含有のコポリマー;
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー
等のメタクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー
等のアクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
ビニルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランオリゴマー
等のビニル基含有オリゴマー;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のアミノ基含有のコポリマーなどである。
粘着剤組成物におけるシラン化合物(C)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、通常0.01〜10重量部であり、好ましくは0.03〜5重量部であり、より好ましくは0.05〜2重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1重量部である。シラン化合物(C)の含有量が0.01重量部以上であると、偏光板10の粘着剤層21と、液晶パネル等の被貼合部材との密着性向上効果が得られやすい。また含有量が10重量部以下であると、粘着剤層21からのシラン化合物(C)のブリードアウトを抑制することができる。
(第1保護フィルム)
第1保護フィルム22は、偏光子23の一方側に設けられて偏光子23を保護する機能を有する。第1保護フィルム22と偏光子23とは、第1貼合層32を介して貼合されることが好ましい。第1保護フィルム22の偏光子23とは反対側には、粘着剤層21が直接接するように設けられている。第1保護フィルム22は、上記したように、温度40℃、湿度90%RHにおける透湿度が100g/(m・24hr)以上である。第1保護フィルム22は、第1保護フィルム22の透湿度を低下させる層である水蒸気バリア層を有していないことが好ましい。
第1保護フィルム22は、樹脂フィルムであることが好ましい。第1保護フィルム22は、透光性を有する、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂、例えば、セルロース系樹脂(セルロースエステル系樹脂等);(メタ)アクリル系樹脂、又はこれらの混合物等からなるフィルムであることができる。
セルロース形樹脂は、好ましくはセルロースエステル系樹脂、すなわち、セルロースの部分又は完全エステル化物等であり、例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、それらの混合エステル等が挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が好ましく用いられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル由来の構成単位を主体とする(例えばこれを50重量%以上含む)重合体であることができ、これに他の共重合成分が共重合されている共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル由来の構成単位を2種以上含んでいてもよい。メタクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルが挙げられる。
メタクリル酸エステルと共重合し得る共重合成分としては、アクリル酸エステルが挙げられる。アクリル酸エステルは、好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート等のアクリル酸のC1〜C8アルキルエステルである。他の共重合成分の具体例は、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸類;スチレン、ハロゲン化スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のビニルシアン化合物;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミドなどの、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する、アクリル酸エステル以外の化合物を挙げることができる。分子内に重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物を共重合成分として用いてもよい。共重合成分は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル樹脂は、フィルムの耐久性を高め得る点で、高分子主鎖に環構造を有していてもよい。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造、ラクトン環構造等の複素環構造が好ましい。環状酸無水物構造の具体例としては、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造が、環状イミド構造の具体例としては、グルタルイミド構造、コハクイミド構造が、ラクトン環構造の具体例としては、ブチロラクトン環構造、バレロラクトン環構造が、それぞれ挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、アクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。弾性重合体の例として、アルキルアクリレートを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマー及び架橋性モノマーを共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。弾性重合体の主成分となるアルキルアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート等のアクリル酸のC1〜C8アルキルエステルが挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは4以上である。
第1保護フィルム22は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機系色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑剤、分散剤、熱安定剤等の添加剤を含んでいてもよい。
第1保護フィルム22は、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。第1保護フィルム22は、位相差フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。位相差フィルムは、光学異方性を示す光学フィルムである。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、当該熱可塑性樹脂フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1保護フィルム22の厚みはそれぞれ、通常1〜150μmであり、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜60μmである。当該厚みは、50μm以下、さらには30μm以下であってもよい。第1保護フィルム22の厚みを小さくすることは、偏光板10の薄膜化、ひいては偏光板10を含む液晶表示装置の薄膜化に有利となる。
(偏光子)
偏光子23は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する直線偏光子である。偏光子23は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたフィルムや、重合性液晶化合物の硬化層中で二色性色素が配向しているものであってもよい。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な単量体としては、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000〜10000、好ましくは1500〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
通常、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものを偏光子23の原反フィルムとして用いる。ポリビニルアルコール系樹脂は、公知の方法で製膜することができる。原反フィルムの厚みは、通常1〜150μmであり、延伸のしやすさなども考慮すれば、好ましくは10μm以上である。
偏光子23は、例えば、原反フィルムに対して、一軸延伸する工程、二色性色素でフィルムを染色してその二色性色素を吸着させる工程、ホウ酸水溶液でフィルムを処理する工程、及び、フィルムを水洗する工程が施され、最後に乾燥されて製造される。偏光子23の厚みは、通常1〜30μmであり、偏光子23の薄膜化の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させてなる偏光子23は、[i]原反フィルムとしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムの単独フィルムを用い、このフィルムに対して一軸延伸処理及び二色性色素の染色処理を施す方法のほか、[ii]基材フィルムにポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液(水溶液等)を塗工、乾燥させてポリビニルアルコール系樹脂層を有する基材フィルムを得た後、これを基材フィルムごと一軸延伸し、延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層に対して二色性色素の染色処理を施し、次いで基材フィルムを剥離除去する方法によっても得ることができる。基材フィルムとしては、第1,第2保護フィルム22,24を構成し得る熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いることができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などからなるフィルムである。
重合性液晶化合物は、重合性反応基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物の液晶性は、液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
重合性液晶化合物の硬化層中で二色性色素が配向している偏光子23は、[iii]例えば基材フィルム上に形成した配向層上に、重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させる方法、[iv]基材フィルム上に、偏光層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を基材フィルムとともに延伸する方法によって形成することができる。
重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光層形成用組成物、及びこの組成物を用いた直線偏光層の製造方法としては、特開2013−37353号公報、特開2013−33249号公報、特開2017−83843号公報等に記載のものを例示することができる。偏光層形成用組成物は、重合性液晶化合物及び二色性色素に加えて、溶媒、重合開始剤、架橋剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、増感剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性液晶化合物の硬化層中で二色性色素が配向している偏光子23の厚みは特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
(第2保護フィルム)
第2保護フィルム24は、偏光子23の第1保護フィルム22が設けられる側とは反対側に設けられて偏光子23を保護する機能を有する。第2保護フィルム24と偏光子23とは、第2貼合層34を介して貼合されることが好ましい。第2保護フィルム24の偏光子23とは反対側は、帯電防止性ハードコート層が直接接するように設けられている。第2保護フィルム24は、樹脂フィルムであることが好ましい。第2保護フィルム24は、透光性を有する、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルロース系樹脂(セルロースエステル系樹脂等);ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等);ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリスルホン系樹脂、又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。中でも、第2保護フィルム24は、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることが好ましく、セルロース系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることがより好ましい。
第2保護フィルム24は、第1保護フィルム22で例示した添加剤を含んでいてもよい。第2保護フィルム24は、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよく、位相差フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。
第2保護フィルム24の厚みはそれぞれ、通常1〜150μmであり、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜60μmである。当該厚みは、50μm以下、さらには30μm以下であってもよい。第2保護フィルム24の厚みを小さくすることは、偏光板10の薄膜化、ひいては偏光板10を含む液晶表示装置の薄膜化に有利となる。
(帯電防止性ハードコート層)
帯電防止性ハードコート層25は、第2保護フィルム24の表面に導電性を付与し、静電気による偏光板10への影響を抑制する目的とともに、第2保護フィルム24の表面硬度を高め、表面の擦り傷防止等の目的で設けられる。帯電防止性ハードコート層25は、JIS K 5600-5-4:1999 「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に規定される鉛筆硬度試験(ハードコート層が形成された基材フィルムをガラス板の上に置いて測定する)で2H又はそれより硬い値を示すことが好ましい。
帯電防止性ハードコート層を形成する方法としては、例えば、導電性物質(帯電防止剤)を含有する樹脂組成物を塗布する方法が採用できる。導電性物質としては、帯電防止剤として公知のものを用いることができ、水溶性イオン性化合物で例示した化合物を用いてもよい。樹脂材料としては、上記した表面硬度を得るために、熱や光によって硬化する樹脂を含む樹脂組成物を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料や、二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料を挙げることができる。
(第1貼合層、第2貼合層)
第1貼合層32は、第1保護フィルム22を偏光子23に貼合するための層であり、第2貼合層34は、第2保護フィルム24を偏光子23に貼合するための層である。第1貼合層32及び第2貼合層34は、それぞれ独立して、接着剤を用いて形成された接着剤層、又は、粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層である。第1貼合層32及び第2貼合層34は、いずれも接着剤層であることが好ましい。
接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることができる。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等を挙げることができる。好ましくは紫外線硬化性接着剤である。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカル等の活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含む硬化性組成物や、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー及び光ラジカル重合開始剤を含む硬化性組成物、又はこれらの硬化性組成物の混合物を好ましく用いることができる。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、例えば上記で説明した粘着剤組成物が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下、使用量、含有量を表す部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
[透湿度の測定]
実施例及び比較例で用いた第1保護フィルム及び第2保護フィルムの透湿度の測定は、JIS Z 0208(カップ法)に準じた透湿度試験法により、測定温度40℃、測定湿度90%RH、測定時間24時間で行った。第1保護フィルムの透湿度を表2に示す。
[厚みの測定]
実施例及び比較例で用いた各層の厚みは、接触式膜厚計(DIGIMICRO(登録商標) MH−15M’、株式会社ニコン製)を用いて測定した。その結果を表2に示す。
[初期の偏光板の剥離試験]
実施例及び比較例で得た剥離シート付き偏光板から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層をガラス(イーグルXGガラス、厚み0.7mm、コーニング社製)に貼合したガラス付き偏光板を、温度23℃、湿度55%の環境下に24時間放置した。続いて、ガラス付き偏光板の偏光板において、切欠き部を設けた短辺の、長方形形状を構成する頂点のうちの一方の頂点付近を剥離し、粘着剤層がガラス側ではなく第1保護フィルム側に付着していることを確認した。その後、上記で剥離した頂点付近から長辺と平行な方向に対して45°傾けた状態で、引張り試験機(万能試験機「オートグラフAG−1」、(株)島津製作所製)を用いて、180°剥離試験を行い、剥離力[N]を測定した。剥離試験は、引張り速度100mm/分、温度23°、湿度55%の雰囲気下で行った。また、偏光板の切欠き部周辺における裂けの発生の有無も確認した。
[加速試験後の偏光板の剥離試験]
初期の偏光板の剥離試験で説明した手順と同様にして準備したガラス付き偏光板を、温度60℃、湿度90%の環境下に放置する加速試験を行った。加速試験後のガラス付き偏光板を、温度23℃、湿度55%の雰囲気下で24時間養生した後、初期の偏光板の剥離試験で説明した手順と同様にして、180°剥離試験を行い、剥離力[N]を測定した。
〔実施例1〕
(1)偏光子の作製
厚み30μmのポリビニルアルコール系樹脂フィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が 0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの偏光子を得た。
(2)水系接着剤の調製
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(KL−318、株式会社クラレ製)を3部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤(スミレーズレジン(登録商標)650(30)、田岡化学工業株式会社製、固形分濃度30重量%の水溶液)を1.5部添加して、水系接着剤を調製した。
(3)粘着剤層aの作製
次の手順で、(メタ)アクリル樹脂溶液を準備した。冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、(メタ)アクリル単量体を表1で示した配合量で仕込み、そこに酢酸エチルを(メタ)アクリル単量体の総重量100部に対し150部となるように加え、(メタ)アクリル単量体の40%溶液を調整した。窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げ、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤の添加後1時間、この温度で保持し、次いで内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、(メタ)アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えて(メタ)アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られた(メタ)アクリル樹脂のGPCにより求めたポリスチレン換算の重量平均分子量Mw及び多分散度Mw/Mnを表1に示す。重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel XL」を4本、及び昭和電工(株)製の「Shodex GPC KF−802」を1本の計5本を直列につないで配置し、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定した。
Figure 2020154218
表1中の「単量体組成」の欄にある略称は、次のモノマーを意味する。
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
PEA:2−フェノキシエチルアクリレート
MEA:2−メトキシエチルアクリレート
上記で準備したアクリル樹脂溶液の固形分100部に対し、架橋剤としてコロネートHXR(東ソー株式会社製)を0.6部、シランカップリング剤としてKBM−403(信越シリコーン社製)を0.5部配合し、水溶性イオン性化合物として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTSFIと称する場合がある。)と、分散助剤として、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TGR)とを、等モル配合したものを3.0部配合した。さらに固形分濃度が14%となるようにメチルエチルケトンを添加し、撹拌機(スリーワンモーター、ヤマト科学(株)製)を用いて、300rpm で30分間撹拌混合し、粘着剤組成物Aを調製した。粘着剤組成物Aを、剥離フィルムとして、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(SP-PLR382190、リンテック(株)製)を用い、この剥離フィルムの離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の粘着剤層Aの厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて、剥離フィルム上に粘着剤層aが形成された粘着剤層a付きシートを作製した。
(4)偏光板の作製
上記で作製した厚み12μmの偏光子の一方の面に、上記で調製した水系接着剤を介して、帯電防止性ハードコート層が積層された第2保護フィルムを貼合し、偏光子のもう一方の面に、上記で調製した水系接着剤を介して、第1保護フィルムを貼合した。帯電防止性ハードコート層が積層された第2保護フィルムとして、ASハードコート付きトリアセチルセルロースフィルム(25KASHC02N、凸版印刷株式会社製、厚み30μm(トリアセチルセルロースフィルムの厚みは25μm)、透湿度480g/(m・24hr))を用いた。第1保護フィルムとして、トリアセチルセルロースフィルム(KC2CT、コニカミノルタ株式会社製、厚み20μm)を用いた。
次に、第1保護フィルムの偏光子とは反対側の面に、上記で作製した粘着剤層a付きシートの粘着剤層a側を積層し、温度45℃、湿度55%の雰囲気下で1週間養生した後、吸収軸方向が偏光子の長辺と平行になるように、150mm×75mmの寸法にカッターで切断して、カット済み偏光板を得た。得られたカット済み偏光板をステージ上に吸着固定し、その外縁に、COレーザーを照射することにより、カット済み偏光板の短辺に切欠き部を形成して剥離シート付き偏光板を得た。COレーザーの出力は20W、発振波長は10.4μmとした。切欠き部は、図1(a)に示すように、偏光子の長辺に平行に2つの直線状の辺11a,11cを有し、この2つの辺を結ぶ曲線状の辺11bを有する凹形状とし、深さdを8mmとし、幅wを30mmとした。偏光子の吸収軸方向と辺11a,11cの直線状部分とは互いに平行(角度0°)であり、偏光子の吸収軸方向と辺11c(位置11abと位置11bcとを結ぶ直線)とのなす角度は90°であった。得られた剥離シート付き偏光板を用いて、上記した初期及び加速試験後の偏光板の剥離試験を行った。その結果を表2に示す。
〔比較例1〕
(1)粘着剤層bの作製
帯電防止剤を含まないこと以外は、実施例1で行った粘着剤組成物Aの調製と同様の手順で、粘着剤組成物Bを調製した。得られた粘着剤組成物Bを用いたこと以外は、実施例1で行った粘着剤層a付きシートの作製と同様の手順で、剥離フィルム上に粘着剤層bが形成された粘着剤層b付きシートを作製した。
(2)偏光板の作製
粘着剤層b付きシートを用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、剥離シート付き偏光板を得た。得られた剥離シート付き偏光板を用いて、上記した初期及び加速試験後の偏光板の剥離試験を行った。その結果を表2に示す。初期の剥離試験で見られた偏光板の裂けは、吸収軸方向に沿うものであった。
Figure 2020154218
10 偏光板、11 切欠き部、11a〜11c 辺、11ac,11cb 頂点、21 粘着剤層、22 第1保護フィルム、23 偏光子、24 第2保護フィルム、25 帯電防止性ハードコート層、32 第1貼合層、34 第2貼合層、39 剥離テープ。

Claims (5)

  1. 粘着剤層、第1保護フィルム、偏光子、第2保護フィルム、及び帯電防止性ハードコート層をこの順に有する偏光板であって、
    前記偏光板の平面視において、外縁に凹形状の切欠き部を有し、
    前記粘着剤層は、前記第1保護フィルム上に直接積層されているとともに、水溶性イオン性化合物を含有し、
    前記第1保護フィルムの温度40℃、湿度90%RHにおける透湿度は、100g/(m・24hr)以上である、偏光板。
  2. 前記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含み、
    前記切欠き部における前記偏光板の輪郭線は、互いに対向するように設けられ且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺と、前記2つの辺を結ぶ1つの辺とを含み、
    前記2つの辺及び前記1つの辺からなる群より選ばれる少なくとも1つの辺と前記偏光子の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含み、
    前記切欠き部における前記偏光板の輪郭線は、互いに隣り合い且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺で形成され、
    前記2つの辺のうちの少なくとも1つと前記偏光子の吸収軸方向とのなす角度は、45°以上90°以下である、請求項1に記載の偏光板。
  4. 前記偏光板は、少なくとも一辺に前記切欠き部を有する方形状又は角丸方形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記切欠き部が形成された前記少なくとも一辺は、前記方形状又は角丸方形状を構成する2つの頂点を有する、請求項4に記載の偏光板。
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WO2022230890A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 日東電工株式会社 積層光学フィルム

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