JP2020153660A - 塗料若しくは塗膜、又は試料の分析方法 - Google Patents
塗料若しくは塗膜、又は試料の分析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020153660A JP2020153660A JP2017126479A JP2017126479A JP2020153660A JP 2020153660 A JP2020153660 A JP 2020153660A JP 2017126479 A JP2017126479 A JP 2017126479A JP 2017126479 A JP2017126479 A JP 2017126479A JP 2020153660 A JP2020153660 A JP 2020153660A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- specific
- paint
- compound
- sample
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/12—Polymerisation in non-solvents
- C08F2/16—Aqueous medium
- C08F2/22—Emulsion polymerisation
- C08F2/24—Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents
- C08F2/30—Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents non-ionic
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C11—ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
- C11D—DETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
- C11D1/00—Detergent compositions based essentially on surface-active compounds; Use of these compounds as a detergent
- C11D1/66—Non-ionic compounds
- C11D1/72—Ethers of polyoxyalkylene glycols
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/62—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
- G01N27/622—Ion mobility spectrometry
- G01N27/623—Ion mobility spectrometry combined with mass spectrometry
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/0027—Methods for using particle spectrometers
- H01J49/0036—Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/02—Details
- H01J49/04—Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
- H01J49/0409—Sample holders or containers
- H01J49/0418—Sample holders or containers for laser desorption, e.g. matrix-assisted laser desorption/ionisation [MALDI] plates or surface enhanced laser desorption/ionisation [SELDI] plates
Abstract
【課題】塗料又は塗膜中における特定化合物の含有の有無を判断するための情報を迅速に提供できる分析方法を提供することを課題とする。【解決手段】塗料、又は、塗料から形成されてなる塗膜の抽出液を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、塗料又は抽出液にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を提供する、塗料又はその塗膜の分析方法。【選択図】なし
Description
本発明は、塗料、若しくは、塗料から形成されてなる塗膜の抽出液にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を提供する、塗料若しくは塗膜の抽出液の分析方法、又は、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を提供する、試料の分析方法に関する。
従来、ポリオキシアルキレン基を有する化合物は、界面活性剤として、様々な用途に利用されており、塗料に使用される場面も多い。近年、上記化合物のうち一部は、環境負荷が懸念されており、上記化合物の環境中への排出を抑制するため、塗料、又は、塗料から形成されてなる塗膜中の上記化合物の有無を迅速に測定すべきニーズが高まっている。
特許文献1には、「ポリオキシエチレングリコールモノ−p−アルキルフェニルエーテルを含む非イオン界面活性剤含有水中の非イオン界面活性剤の分析方法において、まず前記非イオン界面活性剤含有水を固相抽出法によって濃縮し、次いで固相抽出法によって濃縮した濃縮液を蛍光検出器を備えた逆相系高速液体クロマトグラフを用いて分析する、非イオン界面活性剤の分析方法。」が記載されている。
本発明者らは、塗料、又は、塗料から形成されてなる塗膜にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断する情報を、特許文献1に記載の分析方法により提供できるかを検討したところ、操作が煩雑であり、抽出処理から情報が得られるまでの時間も長く、上記特定化合物の有無を迅速に判断できなかった。
そこで、本発明は、塗料、又、その塗膜にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供できる分析方法の提供と、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供できる分析方法の提供とを課題とする。
本発明者らは、課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により課題を解決できることを見出した。
[1] 塗料、又は、塗料から形成されてなる塗膜の抽出液を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、塗料又は抽出液にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を提供する、塗料又は塗膜の抽出液の分析方法。
[2] 塗料が、含フッ素重合体と水と化合物とを含む水性塗料であり、含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づく単位を含み、フルオロオレフィンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びビニリデンフルオリドからなる群から選択される一種以上である、[1]に記載の分析方法。
[3] 塗料が、含フッ素重合体と水と化合物とを含む水性塗料であり、含フッ素重合体が、さらに架橋性基を有する単量体に基づく単位を含む、[1]又は[2]に記載の分析方法。
[4] 化合物が、後述する式(1)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の分析方法。
[5] 試料を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を提供する、試料の分析方法。
[2] 塗料が、含フッ素重合体と水と化合物とを含む水性塗料であり、含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づく単位を含み、フルオロオレフィンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びビニリデンフルオリドからなる群から選択される一種以上である、[1]に記載の分析方法。
[3] 塗料が、含フッ素重合体と水と化合物とを含む水性塗料であり、含フッ素重合体が、さらに架橋性基を有する単量体に基づく単位を含む、[1]又は[2]に記載の分析方法。
[4] 化合物が、後述する式(1)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の分析方法。
[5] 試料を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を提供する、試料の分析方法。
本発明によれば、塗料、又は、その塗膜中にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供できる方法を提供できる。また、本発明によれば、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供できる分析方法を提供できる。
本明細書における用語の意味は以下の通りである。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称であり、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。
「単位」とは、単量体の重合により直接形成される原子団と、単量体の重合によって形成される原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、重合体を核磁気共鳴スペクトル法により分析して求められ、また、重合体の製造におけるそれぞれの単量体の仕込量からも決定できる。
「数平均分子量」は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。「数平均分子量」は、「Mn」ともいう。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称であり、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。
「単位」とは、単量体の重合により直接形成される原子団と、単量体の重合によって形成される原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、重合体を核磁気共鳴スペクトル法により分析して求められ、また、重合体の製造におけるそれぞれの単量体の仕込量からも決定できる。
「数平均分子量」は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。「数平均分子量」は、「Mn」ともいう。
本分析方法は、塗料又は上記塗料から形成されてなる塗膜の抽出液(以下、これらを総称して「特定試料」ともいう。)を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)法、又は、DART(Direct Analysis in Real Time)法を用いて、直接分析することにより、特定試料にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を提供する、塗料又は塗膜の抽出液の分析方法である。
ポリオキシアルキレン基を有する化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)は界面活性剤として用いられる場合が多く、この場合、特定試料中における特定化合物の含有量は、一般に、特定試料に含まれる他の成分の含有量と比較して著しく少ない。また、特定試料は、特定化合物とは構造が異なる他の界面活性剤を含む場合も多い。
この場合、特定試料に特定化合物が含まれるか否かを判断するためには、上述した特許文献1に記載されているような、固相抽出法又は高速液体クロマトグラフ法により、特定試料中に含まれる特定化合物以外の成分(他の界面活性剤等。以下、「きょう雑物」ともいう。)を分離除去してから、特定化合物の含有量に関する情報(例えば、トータルイオンクロマトグラム、マスクロマトグラム、及び、マススペクトル等)を得る必要があると考えられてきた。
この場合、特定試料に特定化合物が含まれるか否かを判断するためには、上述した特許文献1に記載されているような、固相抽出法又は高速液体クロマトグラフ法により、特定試料中に含まれる特定化合物以外の成分(他の界面活性剤等。以下、「きょう雑物」ともいう。)を分離除去してから、特定化合物の含有量に関する情報(例えば、トータルイオンクロマトグラム、マスクロマトグラム、及び、マススペクトル等)を得る必要があると考えられてきた。
本発明者らは、特定試料中に含まれる特定化合物の含有の有無の迅速判断のニーズに応えるべく鋭意検討した結果、特定化合物が、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法(以下、これらを総称して「特定イオン化法」ともいう。)を用いると、特異的に高効率でイオン化されることを発見し、本発明を完成させるに至った。
本分析方法は、この特定化合物の特異的な性質を利用して、特定試料を、直接分析して(言い換えれば、分離及び精製のいずれの処理も施すことなく分析して、さらに言い換えれば、きょう雑物を除去することなく分析して、)特定試料中の特定化合物の含有の有無を判断するための情報を提供する、分析方法である。このとき、きょう雑物は特定イオン化法によるイオン化効率が低いため、特定化合物の含有の有無を判断するための情報の提供には影響を及ぼさない。
以下では、本分析方法の手順、及び、本分析方法が適用できる特定試料について詳細に説明する。
以下では、本分析方法の手順、及び、本分析方法が適用できる特定試料について詳細に説明する。
本分析方法においては、塗料をそのまま用いるか、塗料から形成されてなる塗膜に抽出処理を施して、得られた抽出液を用いる。
液体、又は、液体と固体の混合物である塗料であれば、抽出、分離及び精製のいずれの処理も施すことなく、特定試料として使用できる。
塗料から形成されてなる塗膜であれば、上記塗膜と溶媒とを接触させて、接触後の溶媒を回収して抽出液を得るか、溶媒で先端を塗らした綿棒等で上記塗膜を擦って、綿棒の先端に抽出液を付着させて、特定試料として使用できる。
なお、必要に応じて塗料又は上記抽出液を固液分離してもよい。
抽出に用いる溶媒は、特定化合物を溶解する溶媒が好ましく、例えば極性溶媒、より具体的には、メタノール等のアルコールが挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
液体、又は、液体と固体の混合物である塗料であれば、抽出、分離及び精製のいずれの処理も施すことなく、特定試料として使用できる。
塗料から形成されてなる塗膜であれば、上記塗膜と溶媒とを接触させて、接触後の溶媒を回収して抽出液を得るか、溶媒で先端を塗らした綿棒等で上記塗膜を擦って、綿棒の先端に抽出液を付着させて、特定試料として使用できる。
なお、必要に応じて塗料又は上記抽出液を固液分離してもよい。
抽出に用いる溶媒は、特定化合物を溶解する溶媒が好ましく、例えば極性溶媒、より具体的には、メタノール等のアルコールが挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本分析方法においては、特定試料に分離及び精製のいずれの処理も施すことなく、特定イオン化法を用いて、特定試料中の特定化合物の有無を判断するための情報を提供する。
本明細書において、分離及び精製には、例えば、固相抽出法、及び高速液体クロマトグラフ法が含まれる。
本明細書において、分離及び精製には、例えば、固相抽出法、及び高速液体クロマトグラフ法が含まれる。
MALDI法とは、特定試料とマトリクス(α−シアノ−4−ヒドロキシけい皮酸等)との混合物にレーザを照射し、照射されたレーザのエネルギをマトリクスに吸収させ、マトリクスとともに特定試料中の各成分を気化させ、さらにマトリクスと上記成分との間でプロトン移動を発生させることで測定対象物質をイオン化する方法である。
MALDI法を実施可能な装置としては、市販品として、島津製作所製のAXIMA−CFR plus等が挙げられる。
MALDI法を実施可能な装置としては、市販品として、島津製作所製のAXIMA−CFR plus等が挙げられる。
なかでも、測定対象物質の分子量範囲が広範である観点から、MALDI法が好ましい。
DART法は、励起ガスを大気環境下の特定試料に当てることにより、大気中の分子(特に水分子)と特定試料中の成分との相互作用を誘起して、上記成分をイオン化する方法である。
DART法による特定化合物のイオン化法としては、例えば、特定試料が付着した綿棒又はガラス棒をDARTイオン源にかざす方法が挙げられる。DARTイオン源としては、市販品として、ionsense社製の機器を使用できる。
DART法による特定化合物のイオン化法としては、例えば、特定試料が付着した綿棒又はガラス棒をDARTイオン源にかざす方法が挙げられる。DARTイオン源としては、市販品として、ionsense社製の機器を使用できる。
本分析方法は、上記特定イオン化法でイオン化した特定化合物を典型的には質量分析装置に導入して分析する。質量分析装置の具体例としては、飛行時間型、イオントラップ型、四重極型、磁場型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型、これらの1種を2つ以上用いる形式、及び、これらの2種以上を組み合せて用いる形式が挙げられる。
なかでも、精密質量分析が可能な点で、飛行時間型、飛行時間型を2つ以上用いる形式、又は、飛行時間型と他の形式の組み合せが好ましい。
なかでも、精密質量分析が可能な点で、飛行時間型、飛行時間型を2つ以上用いる形式、又は、飛行時間型と他の形式の組み合せが好ましい。
本分析方法は、様々な塗料に対して制限なく適用できる。
本分析方法の対象とする塗料の好適態様は、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、「単位F」ともいう。)を含む、含フッ素重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)と水と特定化合物とを含む水性塗料(以下、「特定塗料」ともいう。)である。
本分析方法の対象とする塗料の好適態様は、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、「単位F」ともいう。)を含む、含フッ素重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)と水と特定化合物とを含む水性塗料(以下、「特定塗料」ともいう。)である。
フルオロオレフィンは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたオレフィンである。フルオロオレフィンは、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンの具体例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ビニリデンフルオリド(VDF)が挙げられる。フルオロオレフィンは、1種が単独使用されていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
フルオロオレフィンの具体例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ビニリデンフルオリド(VDF)が挙げられる。フルオロオレフィンは、1種が単独使用されていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
特定重合体は、単位Fのみを含んでもよく、単位F以外の単位(以下、「単位1」ともいう。)を含んでいてもよい。
単位Fのみを含む特定重合体としては、フルオロオレフィンの単独重合体、及びフルオロオレフィンの二種以上の共重合体が挙げられ、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、TFE及びHFPの共重合体、ならびに、TFE、VDF及びCTFEの共重合体が挙げられる。
特定重合体が含む全単位に対する単位Fの含有量は、5〜100モル%が好ましい。なお、特定重合体が単位F及び単位1を含む場合、単位1の含有量が20〜70モル%、特に40〜60モル%であると、特定重合体中に特定化合物が取り込まれやすい。そのため、抽出液中の特定化合物の濃度が低下しやすく、特定化合物の分析が困難となりやすい。しかし、本分析方法では、このような場合にも好適に特定化合物を分析できる。
単位Fのみを含む特定重合体としては、フルオロオレフィンの単独重合体、及びフルオロオレフィンの二種以上の共重合体が挙げられ、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、TFE及びHFPの共重合体、ならびに、TFE、VDF及びCTFEの共重合体が挙げられる。
特定重合体が含む全単位に対する単位Fの含有量は、5〜100モル%が好ましい。なお、特定重合体が単位F及び単位1を含む場合、単位1の含有量が20〜70モル%、特に40〜60モル%であると、特定重合体中に特定化合物が取り込まれやすい。そのため、抽出液中の特定化合物の濃度が低下しやすく、特定化合物の分析が困難となりやすい。しかし、本分析方法では、このような場合にも好適に特定化合物を分析できる。
特定重合体が単位1を含む場合、単位1は、フルオロオレフィンと共重合可能な、フルオロオレフィン以外の単量体(以下、「単量体1」ともいう。)に基づく単位である。
単量体1としては、アルケン、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、ピバル酸ビニルエステル、ネオノナン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ9」)、ネオデカン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ10」)、安息香酸ビニルエステル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体1としては、アルケン、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、ピバル酸ビニルエステル、ネオノナン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ9」)、ネオデカン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ10」)、安息香酸ビニルエステル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体1は、親水性基を有していてもよい。単量体1が親水性基を有する場合、特定重合体と特定化合物とが親和しやすいため、抽出液中の特定化合物の濃度が低下しやすく、特定化合物の分析が困難となりやすい。しかし、本分析方法では、このような場合にも好適に特定化合物を分析できる。
単量体1が有する親水性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
親水性基を有する単量体1の具体例としては、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、カルボン酸が挙げられる。
なお、単量体1は、ポリオキシアルキレン基を有していてもよい。ただし、後述のように、特定重合体は特定化合物に含まれないため、特定重合体がポリオキシアルキレン基を有する場合においても、特定重合体は特定化合物に該当しない。
単量体1が有する親水性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
親水性基を有する単量体1の具体例としては、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、カルボン酸が挙げられる。
なお、単量体1は、ポリオキシアルキレン基を有していてもよい。ただし、後述のように、特定重合体は特定化合物に含まれないため、特定重合体がポリオキシアルキレン基を有する場合においても、特定重合体は特定化合物に該当しない。
単量体1は、1種が単独使用されていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
特定重合体は、通常、乳化重合法、懸濁重合法、及び溶液重合法にて重合体を得たのちに有機溶媒を除去して水に再分散させる方法等によって得られる。
特定重合体は、単位Fを含む重合体をコア部とし、単位1を含む重合体をシェル部とするコア−シェル重合体であってもよい。
特定重合体が含む全単位に対する単位1の含有量は、通常、0〜95モル%である。
特定重合体のMnは、通常、5000〜2000000である。
特定重合体は、通常、乳化重合法、懸濁重合法、及び溶液重合法にて重合体を得たのちに有機溶媒を除去して水に再分散させる方法等によって得られる。
特定重合体は、単位Fを含む重合体をコア部とし、単位1を含む重合体をシェル部とするコア−シェル重合体であってもよい。
特定重合体が含む全単位に対する単位1の含有量は、通常、0〜95モル%である。
特定重合体のMnは、通常、5000〜2000000である。
特定塗料に含まれる特定化合物としては、例えば、アルキルフェノールとアルキレンオキシドとの付加反応物、及び、ポリアルキレングリコール又はポリアルキレングリコール誘導体と、ヒドロキシ基と縮合し得る官能基を有する化合物との縮合物、ならびにそれらの硫酸塩が挙げられる。
なお、特定化合物には、単位Fを含む重合体は含まれない。つまり、特定化合物には
特定重合体は含まれない。
なお、特定化合物には、単位Fを含む重合体は含まれない。つまり、特定化合物には
特定重合体は含まれない。
ポリアルキレングリコールは、オキシアルキレン単位を有する。オキシアルキレン単位の具体例としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位が挙げられる。
なお、ポリアルキレングリコールは、少なくとも一方の末端にヒドロキシ基を有し、両末端にヒドロキシ基を有していてもよい。
なお、ポリアルキレングリコールは、少なくとも一方の末端にヒドロキシ基を有し、両末端にヒドロキシ基を有していてもよい。
ポリアルキレングリコールの重合度は、通常、2〜300であり、2種以上の単位を有してもよく、この場合、ブロック共重合体でも、ランダム共重合体でもよい。
ヒドロキシ基と縮合し得る官能基の具体例としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基が挙げられる。
特定化合物の具体例としては、ポリアルキレングリコールとカルボン酸とを縮合させることにより得られるエステル、及び、ポリアルキレングリコールとアルコール又はアルキルフェノールとを縮合させることにより得られるエーテル、ならびにそれらの硫酸塩が挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、飽和脂肪族カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等)、不飽和脂肪族カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等)、ポリカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等の重合体等)が挙げられる。
アルコールの具体例としては、飽和脂肪族モノアルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エルシルアルコール、リシノリルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等)、不飽和脂肪族モノアルコール(オレイルアルコール、リノリルアルコール、エライジルアルコール、リノレニルアルコール等)、ポリアルコール(ソルビット、ソルビトール等)、芳香族アルコールが挙げられる。
アルキルフェノールの具体例としては、ノニルフェノール、オクチルフェノールが挙げられる。
アルキルフェノールの具体例としては、ノニルフェノール、オクチルフェノールが挙げられる。
アミンの具体例としては、1級モノアミン(エタノールアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等)、2級モノアミン(ジエタノールアミン等)が挙げられる。
なお、特定化合物は、ポリアルキレングリコールと、複数のヒドロキシ基と縮合し得る官能基を有する化合物との縮合物であってもよい。また、特定化合物は、2種以上のポリオキシアルキレン基を有してもよい。
特定化合物の分子量は、特に制限されないが、10000以下が好ましく、3000以下がより好ましく、2000以下が特に好ましい。
特定化合物の具体例としては、ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンエステル、POEアルキレンジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルエステルが挙げられる。
本分析方法が特に効果的に適用できる観点から、特定化合物は、下式(1)で表される化合物(以下、「化合物1」ともいう。)が好ましい。なお、式(1)において、R1は炭素数1〜40のアルキル基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは2以上の整数を表し、Xは、H、SO3 −Na+、又はSO3 −NH4 +を表す。
化合物1の具体例としては、下式(1−1)で表される化合物が挙げられる。なお、式(1−1)中の各記号は、式(1)における各記号と同義である。
化合物1の具体例としては、ノニルフェノールエトキシレート(ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル)が挙げられる。
ノニルフェノールエトキシレートは、経時的に分解して環境懸念物質であるノニルフェノールを排出する物質として規制されており、塗料またはその塗膜中に含まれるか否かを迅速に判断する必要がある。本分析方法によれば、ノニルフェノールエトキシレートのポリオキシアルキレン基に由来するピークと他の残基に由来するピークとを特異的に検出するため、塗料またはその塗膜中に含まれるか否か判断するための情報を迅速に提供できる。
ノニルフェノールエトキシレートは、経時的に分解して環境懸念物質であるノニルフェノールを排出する物質として規制されており、塗料またはその塗膜中に含まれるか否かを迅速に判断する必要がある。本分析方法によれば、ノニルフェノールエトキシレートのポリオキシアルキレン基に由来するピークと他の残基に由来するピークとを特異的に検出するため、塗料またはその塗膜中に含まれるか否か判断するための情報を迅速に提供できる。
特定塗料における特定化合物の含有量は、本分析方法の検出感度と精度の観点から、特定塗料の全質量に対して、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましい。本分析方法であれば、特定塗料における特定化合物の含有量が上記下限のように非常に少ない場合でも、特定化合物の含有の有無に関する情報を提供できる。好適に分析できる。なお、上記含有量は、通常、3質量%以下である。
特定塗料における特定重合体の含有量は、通常、20〜80質量%である。
特定塗料における特定重合体の含有量は、通常、20〜80質量%である。
特定塗料は、きょう雑物(特定重合体及び特定化合物以外の成分)を含んでいてもよい。本分析方法では、特定塗料中にきょう雑物を含む場合においても、特定化合物を好適に分析できる。
きょう雑物の具体例としては、特定重合体以外の重合体(アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)、ポリオキシアルキレン基を有さない、界面活性剤、硬化剤、顔料、分散剤、消泡剤、造膜助剤、レベリング剤、増粘剤、硬化助剤、光安定剤、紫外線吸収剤、表面調整剤が挙げられる。
きょう雑物の具体例としては、特定重合体以外の重合体(アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)、ポリオキシアルキレン基を有さない、界面活性剤、硬化剤、顔料、分散剤、消泡剤、造膜助剤、レベリング剤、増粘剤、硬化助剤、光安定剤、紫外線吸収剤、表面調整剤が挙げられる。
特定塗料中の水は、特定重合体を特定塗料中に分散させる分散媒である。分散媒は、水のみからなってもよく、水と水溶性有機溶媒とからなる混合溶媒からなってもよい。水溶性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。
特定塗料から形成されてなる塗膜(以下、「特定塗膜」ともいう。)は、特定塗料を基材の表面に直接塗布して形成されていてもよく、表面処理(下地処理等)された基材の表面に塗布して形成されていてもよく、表面に樹脂層(ポリエステル樹脂層、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層等)が形成された基材の表面に塗布して形成されていてもよい。
特定塗膜中に含まれる特定化合物の濃度は、本分析方法の検出感度の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。本分析方法であれば、特定塗膜における特定化合物の含有量が上記下限のように非常に少ない場合でも、特定化合物の含有の有無を判断するための情報を提供できる。なお、上記含有量は、通常、5質量%以下である。
特定塗膜における特定重合体の含有量は、通常、50〜99質量%である。
特定塗膜中に含まれる特定化合物の濃度は、本分析方法の検出感度の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。本分析方法であれば、特定塗膜における特定化合物の含有量が上記下限のように非常に少ない場合でも、特定化合物の含有の有無を判断するための情報を提供できる。なお、上記含有量は、通常、5質量%以下である。
特定塗膜における特定重合体の含有量は、通常、50〜99質量%である。
なお、情報としてはマススペクトルデータであって、紙媒体に出力されたものであってもよいし、表示装置に表示されたものであってもよい。
なお、本分析方法の別の態様として、試料を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を提供する、試料の分析方法が挙げられる。
別の態様における試料は、特に限定されず、農薬、肥料、染料、顔料、医薬品、化粧品、香料、工作油、繊維、紙及びパルプ等が挙げられる。また、試料の形態も、特に限定されず、液体、液体と固体の混合物、及び、固体の抽出液のいずれであってもよい。マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法、試料の調製方法等の他の操作や、発明の効果も、本分析方法と同様である。
本分析方法の別の態様によれば、試料中に環境懸念物質であるノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供でき、地球環境の保全に寄与できる。
別の態様における試料は、特に限定されず、農薬、肥料、染料、顔料、医薬品、化粧品、香料、工作油、繊維、紙及びパルプ等が挙げられる。また、試料の形態も、特に限定されず、液体、液体と固体の混合物、及び、固体の抽出液のいずれであってもよい。マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法、試料の調製方法等の他の操作や、発明の効果も、本分析方法と同様である。
本分析方法の別の態様によれば、試料中に環境懸念物質であるノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を迅速に提供でき、地球環境の保全に寄与できる。
以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例に限定されない。
〔例1〕
単量体として、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、メチルメタクリレート(MMA)及びベオバ9(V9)を用い、水を重合溶媒としてノニルフェノールエトキシレート(NPE)の存在下で重合して、含フッ素重合体1を含む水性分散液(含フッ素重合体濃度50質量%、NPE濃度0.05質量%)を得た。含フッ素重合体1は、TFEに基づく単位、HFPに基づく単位、MMAに基づく単位、V9に基づく単位を、この順に46モル%、4モル%、25モル%、25モル%含む重合体であった。
単量体として、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、メチルメタクリレート(MMA)及びベオバ9(V9)を用い、水を重合溶媒としてノニルフェノールエトキシレート(NPE)の存在下で重合して、含フッ素重合体1を含む水性分散液(含フッ素重合体濃度50質量%、NPE濃度0.05質量%)を得た。含フッ素重合体1は、TFEに基づく単位、HFPに基づく単位、MMAに基づく単位、V9に基づく単位を、この順に46モル%、4モル%、25モル%、25モル%含む重合体であった。
〔例2〕
NPEにかえてポリカルボン酸ナトリウム(PA)(シャロールAN−103P(商品名)、第一工業製薬社製)を用いる以外は例1と同様にして、含フッ素重合体2を含む水性分散液(含フッ素重合体濃度50質量%、PA濃度0.05質量%)を得た。
NPEにかえてポリカルボン酸ナトリウム(PA)(シャロールAN−103P(商品名)、第一工業製薬社製)を用いる以外は例1と同様にして、含フッ素重合体2を含む水性分散液(含フッ素重合体濃度50質量%、PA濃度0.05質量%)を得た。
〔例3〕
顔料(D918(堺化学工業社製))(86g)、分散剤(BYK−190(BYK−Chemie社製))(6g)及び消泡剤1(デヒドラン 1620(BASF社製))(0.6g)を混合し、ミルベースとした。
次いで、例1で得た水性分散液1(63g)、ミルベース(22g)、造膜助剤(CS−12(Aldrich社製))(4.4g)、増粘剤(Rheolate 288(Elementis社製))(0.09g)、消泡剤2(BYK−028(BYK−Chemie社製))(0.25g)及びイオン交換水(2.6g)を混合し、水性塗料1を得た。
水性分散液1にかえて水性分散液2を用いる以外は同様にして、水性塗料2を得た。
顔料(D918(堺化学工業社製))(86g)、分散剤(BYK−190(BYK−Chemie社製))(6g)及び消泡剤1(デヒドラン 1620(BASF社製))(0.6g)を混合し、ミルベースとした。
次いで、例1で得た水性分散液1(63g)、ミルベース(22g)、造膜助剤(CS−12(Aldrich社製))(4.4g)、増粘剤(Rheolate 288(Elementis社製))(0.09g)、消泡剤2(BYK−028(BYK−Chemie社製))(0.25g)及びイオン交換水(2.6g)を混合し、水性塗料1を得た。
水性分散液1にかえて水性分散液2を用いる以外は同様にして、水性塗料2を得た。
〔例4〕
縦120mm、横60mm、厚さ15mmの、アロジン処理を施したアルミ板の表面に、SKクリヤーシーラー(エスケー化研社製)を、アプリケーターにて乾燥膜厚が10μmになるように塗布し、80℃で210秒間乾燥させて下塗り膜を形成した。
次いで、該下塗り膜の表面に、水性塗料1を、アプリケーターにて乾燥膜厚が40μmになるように塗布し、23℃で2週間養生して、水性塗料1から形成されてなる塗膜を有する塗膜付き基材1(塗膜中のNPE濃度0.1質量%)を得た。
さらに、水性塗料1にかえて水性塗料2を用いる以外は同様にして、水性塗料2から形成されてなる塗膜を有する塗膜付き基材2(塗膜中のPA濃度0.1質量%)を得た。
縦120mm、横60mm、厚さ15mmの、アロジン処理を施したアルミ板の表面に、SKクリヤーシーラー(エスケー化研社製)を、アプリケーターにて乾燥膜厚が10μmになるように塗布し、80℃で210秒間乾燥させて下塗り膜を形成した。
次いで、該下塗り膜の表面に、水性塗料1を、アプリケーターにて乾燥膜厚が40μmになるように塗布し、23℃で2週間養生して、水性塗料1から形成されてなる塗膜を有する塗膜付き基材1(塗膜中のNPE濃度0.1質量%)を得た。
さらに、水性塗料1にかえて水性塗料2を用いる以外は同様にして、水性塗料2から形成されてなる塗膜を有する塗膜付き基材2(塗膜中のPA濃度0.1質量%)を得た。
〔例5〕
基材1の塗膜表面のそれぞれに、100μLのメタノールを滴下したのち、1分間静置し、その後、滴下したメタノールを回収した。回収したメタノールを抽出液1とした。
基材1の代わりに基材2を用いる以外は同様にして、抽出液2を得た。
質量分析用プレート上に、抽出液1及び2の混合液(0.5μL)、ヨウ化ナトリウムの1質量%メタノール溶液(0.5μL)、及びα−シアノ−4−ヒドロキシけい皮酸の1質量%メタノール溶液(0.5μL)をこの順に滴下し、AXIMA−CFR plus(島津製作所製)を用いて、MALDI/TOFMS法によって分析した。
測定結果を図1に示す。なお、図1中、▼で示すピークが、NPEに由来するピークである。つまり、▼で示すピークは、m/zで約44の周期で検出されており、抽出液1及び2の混合物が、ポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基)を有する化合物を含むと判断できる情報である。なお、得られた上記情報から、公知のライブラリ等を参照することによって、上記検出された化合物がNPEであることの同定もできる。
基材1の塗膜表面のそれぞれに、100μLのメタノールを滴下したのち、1分間静置し、その後、滴下したメタノールを回収した。回収したメタノールを抽出液1とした。
基材1の代わりに基材2を用いる以外は同様にして、抽出液2を得た。
質量分析用プレート上に、抽出液1及び2の混合液(0.5μL)、ヨウ化ナトリウムの1質量%メタノール溶液(0.5μL)、及びα−シアノ−4−ヒドロキシけい皮酸の1質量%メタノール溶液(0.5μL)をこの順に滴下し、AXIMA−CFR plus(島津製作所製)を用いて、MALDI/TOFMS法によって分析した。
測定結果を図1に示す。なお、図1中、▼で示すピークが、NPEに由来するピークである。つまり、▼で示すピークは、m/zで約44の周期で検出されており、抽出液1及び2の混合物が、ポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基)を有する化合物を含むと判断できる情報である。なお、得られた上記情報から、公知のライブラリ等を参照することによって、上記検出された化合物がNPEであることの同定もできる。
〔例6〕
メタノールを浸漬させた綿棒の先端を、基材1及び2の双方に、それぞれ2往復擦りつけ、抽出液3を含む綿棒を得た。
DART−SVP(ionsense社製)/AccuTOF LC−plus4G(日本電子社製)を用いて、DART−SVPのイオン源に、抽出液の付着した綿棒の先端をかざし、DART−MS法によって分析した。分析に際しては、ヘリウムガスを使用し、加熱温度は350℃とした。
測定結果を図2に示す。なお、図2中、▼で示すピークが、NPEに由来するピークである。つまり、▼で示すピークは、m/zで約44の周期で検出されており、抽出液3が、ポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基)を有する化合物を含むと判断できる情報である。なお、得られた上記情報から、公知のライブラリ等を参照することによって、上記検出された化合物がNPEであることの同定もできる。
メタノールを浸漬させた綿棒の先端を、基材1及び2の双方に、それぞれ2往復擦りつけ、抽出液3を含む綿棒を得た。
DART−SVP(ionsense社製)/AccuTOF LC−plus4G(日本電子社製)を用いて、DART−SVPのイオン源に、抽出液の付着した綿棒の先端をかざし、DART−MS法によって分析した。分析に際しては、ヘリウムガスを使用し、加熱温度は350℃とした。
測定結果を図2に示す。なお、図2中、▼で示すピークが、NPEに由来するピークである。つまり、▼で示すピークは、m/zで約44の周期で検出されており、抽出液3が、ポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基)を有する化合物を含むと判断できる情報である。なお、得られた上記情報から、公知のライブラリ等を参照することによって、上記検出された化合物がNPEであることの同定もできる。
図1及び図2に示すように、本発明の分析方法を用いれば、ポリオキシアルキレン基を有さない化合物(PA)のピークを検出することなく、ポリオキシアルキレン基を有する化合物(NPE)のピークを高感度で検出し、ポリオキシアルキレン基を有する化合物の含有の有無を判断できる情報を提供できる。また、本分析方法を用いれば、例5及び6に示すように、複雑な前処理なしに、塗料、及び塗料から形成されてなる塗膜付き基材に含まれる、NPEに代表される環境懸念物質の含有の有無を判断できる情報を、簡便かつ迅速に提供できる。
Claims (5)
- 塗料、又は、前記塗料から形成されてなる塗膜の抽出液を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、前記塗料又は前記抽出液にポリオキシアルキレン基を有する化合物が含まれるか否かを判断するための情報を提供する、前記塗料又は前記塗膜の抽出液の分析方法。
- 前記塗料が、含フッ素重合体と水と前記化合物とを含む水性塗料であり、前記含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づく単位を含み、前記フルオロオレフィンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びビニリデンフルオリドからなる群から選択される一種以上である、請求項1に記載の分析方法。
- 前記塗料が、含フッ素重合体と水と前記化合物とを含む水性塗料であり、前記含フッ素重合体が、さらに架橋性基を有する単量体に基づく単位を含む、請求項1又は2に記載の分析方法。
- 前記化合物が、下式(1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分析方法。
式(1)において、R1は炭素数1〜40のアルキル基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは2以上の整数を表し、Xは、H、SO3 −Na+、又はSO3 −NH4 +を表す。 - 試料を、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法又はDART法を用いて、直接分析することにより、前記試料にノニルフェノールエトキシレートが含まれるか否かを判断するための情報を提供する、試料の分析方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017126479A JP2020153660A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 塗料若しくは塗膜、又は試料の分析方法 |
PCT/JP2018/024643 WO2019004370A1 (ja) | 2017-06-28 | 2018-06-28 | 試料中のポリオキシアルキレン基を有する化合物の分析方法 |
US16/727,019 US20200132625A1 (en) | 2017-06-28 | 2019-12-26 | Analysis method for compound having polyoxyalkylene group in sample |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017126479A JP2020153660A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 塗料若しくは塗膜、又は試料の分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020153660A true JP2020153660A (ja) | 2020-09-24 |
Family
ID=64741739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017126479A Pending JP2020153660A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 塗料若しくは塗膜、又は試料の分析方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20200132625A1 (ja) |
JP (1) | JP2020153660A (ja) |
WO (1) | WO2019004370A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113866257A (zh) * | 2021-09-03 | 2021-12-31 | 中国检验检疫科学研究院 | 评价鱼类环境污染程度的方法和试剂盒 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115825291B (zh) * | 2023-02-08 | 2023-06-16 | 山东东岳高分子材料有限公司 | 一种测定含氟聚合物中痕量全氟羧酸类化合物含量的方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1331257A4 (en) * | 2000-10-20 | 2004-06-09 | Daikin Ind Ltd | COMPOSITION FOR WATER-BASED FLUOROCOPOLYMER COATING |
JP4826008B2 (ja) * | 2000-10-31 | 2011-11-30 | 旭硝子株式会社 | 水性塗料用組成物 |
JP2006226717A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Shiseido Co Ltd | 非イオン性界面活性剤の定量方法 |
-
2017
- 2017-06-28 JP JP2017126479A patent/JP2020153660A/ja active Pending
-
2018
- 2018-06-28 WO PCT/JP2018/024643 patent/WO2019004370A1/ja active Application Filing
-
2019
- 2019-12-26 US US16/727,019 patent/US20200132625A1/en not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113866257A (zh) * | 2021-09-03 | 2021-12-31 | 中国检验检疫科学研究院 | 评价鱼类环境污染程度的方法和试剂盒 |
CN113866257B (zh) * | 2021-09-03 | 2023-11-17 | 中国检验检疫科学研究院 | 评价鱼类环境污染程度的方法和试剂盒 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20200132625A1 (en) | 2020-04-30 |
WO2019004370A1 (ja) | 2019-01-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20200132625A1 (en) | Analysis method for compound having polyoxyalkylene group in sample | |
Laskin et al. | Surface-induced dissociation in a Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometer: Instrument design and evaluation | |
Clausen et al. | Simultaneous extraction of di (2-ethylhexyl) phthalate and nonionic surfactants from house dust: Concentrations in floor dust from 15 Danish schools | |
EP2226631B1 (en) | Method for analysis of low-molecular-weight organic compound having 20 or less carbon atoms in water- and oil-repellent composition | |
Canellas et al. | New UPLC coupled to mass spectrometry approaches for screening of non-volatile compounds as potential migrants from adhesives used in food packaging materials | |
JP2006294582A (ja) | 質量分析計及び質量分析方法 | |
Larsson | Gas chromatography and mass spectrometry | |
WO2011111852A1 (en) | Image processing method | |
Latourte et al. | Desorption behavior and distributions of fluorinated polymers in MALDI and electrospray ionization mass spectrometry | |
Yoo et al. | Recent developments in pre-treatment and analytical techniques for synthetic polymers by MALDI-TOF mass spectrometry | |
JP2016530517A5 (ja) | ||
CN106404978B (zh) | 脂肪醇聚氧乙烯醚组成分布的液相色谱分析方法 | |
CN110237727A (zh) | 一种超疏水分离膜的制备方法 | |
CN104777258A (zh) | 真空紫外光纵向电离挥发性有机物w型质谱仪 | |
JP2006204998A (ja) | 試料前処理方法及び試料前処理装置 | |
Chater et al. | Simultaneous detection of positive and negative secondary ions | |
CN104677976A (zh) | 粉末状磁性吸附剂与常压质谱源的联用分析方法 | |
Frank et al. | Single-particle aerosol mass spectrometry (SPAMS) for high-throughput and rapid analysis of biological aerosols and single cells | |
WO2017193707A1 (zh) | 一种变压器油介质损耗增大原因的分析方法 | |
JP6959600B2 (ja) | ガスクロマトグラフィー質量分析用溶媒 | |
Liu et al. | Visualization of film-forming polymer particles with a liquid cell technique in a transmission electron microscope | |
Cheguillaume et al. | Liquid chromatography-mass spectrometry hyphenation for exhaustive and unambiguous characterization of polyoxyethylene surfactants | |
Theel | Matrix-assisted laser desorption ionization-time of flight mass spectrometry for the identification of bacterial and fungal isolates | |
JP7384358B2 (ja) | 有機化合物の構造解析方法 | |
JP2010096577A (ja) | ポリオキシアルキレン基を有する化合物の分析方法 |