JP2020153579A - オーバリティ計測センサ及びセメントの製造方法 - Google Patents

オーバリティ計測センサ及びセメントの製造方法 Download PDF

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智広 森
秀夫 土井
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博喜 上條
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【課題】回転炉の変形量を継続して確実に計測できるオーバリティ計測センサ及びセメントの製造方法を提供する。【解決手段】回転炉の円筒状外周面の周方向に間隔をおいて固定可能な一対の第一脚部と、両第一脚部の間に懸架された弾性変形可能な変形板と、両第一脚部の間で変形板に固定され両第一脚部を回転炉に固定したときに、回転炉に固定されて変形板を支持する第二脚部と、変形板の表面に設けられ、該変形板のひずみ値を検出するひずみゲージと、ひずみゲージのひずみ値を測定するとともに外部機器との通信を行う制御部と、ひずみゲージ及び制御部に電源を供給する熱電変換器と、両第一脚部及び第二脚部を貫通状態に配置する開口を有するとともに、変形板の弾性変形が可能な空間をあけて変形板を囲むケースと、を備え、ケースには、該ケースを円筒状外周面に固定可能な固定部が設けられ、熱電変換器及び制御部は、ケースに接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータリーキルンの回転炉に取り付けられ、その回転炉の変位を計測するための回転炉用のオーバリティ計測センサ及びセメントの製造方法に関する。
ごみ焼却設備やセメント製造設備等で使用されているロータリーキルン(回転炉)は、例えば特許文献1に記載されているように、筒状に形成された長尺な重量物(胴体)により構成され、胴体の軸心方向に沿って並列に配置された複数のタイヤと、このタイヤに転動するローラで支持されている。このため、特許文献1にも記載されているように、ロータリーキルンを長時間稼働させると、タイヤやローラの偏摩耗、キルン支持基礎の沈降(胴体の落ち込み)や熱劣化が生じる。そして、これらの現象が生じる初期段階では、胴体に歪みが生じ、オーバリティ(胴体の変形率)が大きくなることが知られている。
また、特許文献2には、回転炉の直径方向の変形を測定する測定器として、差動トランスを用いた変形測定装置の例が記載されている。この変形測定装置では、差動トランスを固定した細長いビームを回転炉の外面から一定距離に保持し、差動トランスの作動軸先端の接触子をバネにより常に下方に押し下げられるようにして回転炉の外面に接触させ、回転炉の外面の変形状態によって上下に変位する作動軸の変位量を測定することにより、回転炉の変形量(オーバリティ)を算出している。この変形測定装置では、ビームの左右両端部が磁石により回転炉に固定され、その磁石の付近に設けた脚の先端が回転炉外面と接触することで、ビームが回転炉の外面から一定距離に保持されるようになっている。また、ビームの中央箇所には、差動トランスの挿入孔があけられ、差動トランスの作動軸、バネ、接触子が、ビームの下方に顕出する構成とされる。
さらに、特許文献3には、炉本体の内部温度を測定するためのロータリーキルン炉用温度測定装置が記載されている。このロータリーキルン炉用温度測定装置は、炉本体からの放熱を回収して炉本体に配設された送信機に電力を供給する熱電池を備えており、特許文献2には、バッテリー交換をすることなく送信機を作動させて連続的に測定データを得られることが記載されている。また、この熱電池は、炉本体側に配置される熱吸収板と、この熱吸収板と対向配置される熱放出板と、これら熱吸収板と熱放出板との間に配設された熱電素子とを備えており、熱吸収板と熱放出板との間に温度差が生じた場合に、熱電素子にゼーベック効果により起電力が発生して電流が流れる構成とされている。
特開2014−185788号公報 特開昭62−34002号公報 特開2008−241648号公報
しかしながら、特許文献2に記載の変形測定装置(オーバリティ計測センサ)では、長期使用を想定しておらず、バッテリーを使用していることからも、電力供給に制限があり、短時間における測定は可能であるが、長期的に継続して測定を行うことはできない。
一方、特許文献3に記載のロータリーキルン温度測定装置には、装置が配設される炉本体からの放熱を回収して電力を供給する熱電池が備えられているが、この熱電池を特許文献2に記載のオーバリティ計測センサに適用しても、その自重の他、特許文献3の熱電池を特許文献2のオーバリティ計測センサに取り付けたとき、熱電池部分の熱膨張による変形によりオーバリティ計測センサの測定部分にひずみが生じて、オーバリティ計測センサにより測定した回転炉の変形量を正確に測定できない可能性がある。このため、特許文献2に記載のオーバリティ計測センサに特許文献3に記載の熱電池を設けたとしても、長期間に亘って回転炉の変形量を継続して計測できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、回転炉の変形量を継続して正確に計測できるオーバリティ計測センサ及びセメントの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のオーバリティ計測センサは、回転炉の円筒状外周面の周方向に間隔をおいて固定可能な一対の第一脚部と、両第一脚部の間に懸架された弾性変形可能な変形板と、前記両第一脚部の間で前記変形板に固定され前記両第一脚部を前記回転炉に固定したときに、前記回転炉に固定されて前記変形板を支持する第二脚部と、前記変形板の表面に設けられ、該変形板のひずみ値を検出するひずみゲージと、前記ひずみゲージの前記ひずみ値を測定するとともに外部機器との通信を行う制御部と、前記ひずみゲージ及び前記制御部に電源を供給する熱電変換器と、前記両第一脚部及び前記第二脚部を貫通状態に配置する開口を有するとともに、前記変形板の弾性変形が可能な空間をあけて前記変形板を囲むケースと、を備え、前記ケースには、該ケースを前記円筒状外周面に固定可能な固定部が設けられ、前記熱電変換器及び前記制御部は、前記ケースに接続されている。
本発明では、両第一脚部が回転炉の円筒状外周面に固定されると、変形板は、ケース内部で一対の両第一脚部及び第二脚部の3点で円筒状外周面に支持され、ケースにより弾性変形を阻害されることなく円筒状外周面に沿う形状に変形する。また、熱電変換器及び制御部がケースに接続され、変形板に直接固定されていないことから、熱電変換器やケースの熱膨張による変形が変形板に作用することを抑制できる。また、回転炉の回転により熱電変換器及び制御部の自重が変形板に作用して、これらの自重により生じる歪みの発生を抑制するので、変形板を確実に円筒状外周面に沿う形状にでき、弾性変形した変形板のひずみ値をひずみゲージにより検出することで回転炉の変位を確実に測定できる。さらに、熱電変換器によりひずみゲージ及び制御部に電源を供給できるので、回転炉の変形量を継続して計測できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記ケースは、前記変形板に対向して配置され、かつ前記開口が形成された底板を有しているとよい。
上記態様では、ケースが変形板に対向して配置される底板を有していることから、ケースの底部が遮熱板として機能するので、変形板の表面に設けられたひずみゲージが高温になることを抑制でき、耐熱性を向上できる。このため、長期にわたって回転炉の変形量を測定できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記ケースには、前記変形板の懸架方向及び前記懸架方向と直交する方向のいずれかに延出する延出部が設けられ、前記延出部に前記熱電変換器が接続されているとよい。
上記態様では、熱電変換器をケースの側面側に配置することができる。これにより、熱電変換器の熱がケースに伝達されることを抑制でき、ひずみゲージの劣化を抑制できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記熱電変換器は、前記第一脚部及び前記固定部を前記回転炉に固定されたときに、前記回転炉に当接する吸熱部を有しているとよい。
上記態様では、吸熱部が回転炉に当接して回転炉の熱を吸熱するので、熱電変換器の発電効率を高めることができる。このため、制御部及びひずみゲージに確実に電源を供給できるので、回転炉の変形量を長期にわたって計測できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記固定部は、前記ケースの長さ方向に離間して配置される第一固定脚部及び第二固定脚部を備え、前記第二固定脚部は、前記第一固定脚部を中心に前記ケースを回動する方向に付勢する弾性部材を有し、前記熱電変換器は、前記第一固定脚部に対して前記第二固定脚部とは反対側の位置に接続されているとよい。
ここで、熱電変換器が単にケースに固定されている場合、両第一脚部を回転炉に固定すると、ケースが弾性変形しないので、回転炉の曲率半径によっては、熱電変換器の吸熱部の第一脚部側の端部が回転炉の円筒状外周面から浮き上がる可能性がある。この場合、吸熱部は、空気層を介して回転炉の熱を吸熱することとなり、熱電変換効率が低下する。これに対し、上記態様では、第二固定脚部が弾性部材を有していることから、第一固定脚部を中心に回動させることにより、熱電変換器の吸熱部を確実に回転炉の円筒状外周面に当接させることができる。したがって、熱電変換器の熱電変換効率の低下を抑制でき、回転炉の変形量を継続して確実に計測できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記延出部は、弾性変形可能に構成されているとよい。
上記態様では、熱電変換器が延出部に接続され、延出部が弾性変形可能に構成されているので、熱電変換器の吸熱部を確実に円筒状外周面に当接させることができ、熱電変換効率を確実に高めることができる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記延出部は、前記ケースの側面に沿って移動可能に支持されているとよい。
上記態様では、延出部がケースの側面に沿って移動可能に構成されているので、熱電変換器の吸熱部を円筒状外周面により確実に当接させることができ、熱電変換効率を確実に高めることができる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記両第一脚部及び前記第二脚部のそれぞれは、同素材により同形状に形成されており、前記両第一脚部は、両第一脚部が第二脚部を中心に変形板に対して対称に配置されているとよい。
上記態様では、両第一脚部及び第二脚部のそれぞれが同素材により同形状に形成され、両第一脚部が第二脚部を中心に変形板に対して対称に配置されているので、回転炉からの熱が各脚部に伝達されてもこれらの熱膨張率が同じであるため、変形板の不要な変形を確実に抑制できる。
本発明のオーバリティ計測センサの好ましい態様としては、前記ケースは、前記変形板の前記両第一脚部及び前記第二脚部とは反対側の面に対向する天板を有しているとよい。
上記態様では、変形板を覆う天板を有していることから、雨天時であっても雨粒が変形板に当たることがないので、ひずみゲージにより検出されるひずみ値にノイズが含まれることを抑制できる。
本発明のセメントの製造方法は、ロータリーキルンにより原料を焼成してセメントクリンカを生成し、該セメントクリンカを用いてセメントを製造するセメントの製造方法であって、上記オーバリティ計測センサを回転中の前記ロータリーキルンの回転炉に装着した状態で前記セメントを製造する。
本発明では、セメントの製造中(回転炉の回転中)にロータリーキルンの回転炉の変形量を計測できるので、ロータリーキルンを停止させて回転炉の変形量を計測する場合に比べて、セメントの生産効率を向上できる。すなわち、セメントの生産効率が低下することを抑制しつつ、回転炉の変形量を計測できる。
本発明によれば、回転炉の変形量を継続して正確に計測できるオーバリティ計測センサを提供でき、セメントの生産効率を向上できる。
本発明の第一実施形態に係るオーバリティ計測センサを回転炉の円筒状外周面に固定された状態を示す側面図である。 図1に示すオーバリティ計測センサの上面図である。 図1に示すオーバリティ計測センサを変形板の懸架方向に直交する方向から見た側面図である。 図1に示すオーバリティ計測センサの測定部を変形板の懸架方向に沿う方向から見た側面図である。 図1に示すオーバリティ計測センサの端部を拡大して示す断面図である。 図1に示すオーバリティ計測センサの変形板に形成される開口部及び軸部材を示す平面図である。 回転炉の外面に固定された状態の図1に示すオーバリティ計測センサの端部を拡大して示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るオーバリティ計測センサが回転炉の円筒状外周面に固定された状態を示す側面図である。 本発明の第三実施形態に係るオーバリティ計測センサが回転炉の円筒状外周面に固定された状態を示す側面図である。 図9に示すオーバリティ計測センサを懸架方向に沿う方向から見た側面図である。 上記第三実施形態の第一変形例に係るオーバリティ計測センサを懸架方向に沿う方向から見た側面図である。 上記第三実施形態の第二変形例に係るオーバリティ計測センサを懸架方向に沿う方向から見た側面図である。 本発明の第四実施形態に係るオーバリティ計測センサが回転炉の円筒状外周面に固定された状態を示す側面図である。 図13に示すオーバリティ計測センサのA1−A1線に沿う矢視断面図である。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[オーバリティ計測センサの概略構成]
図1〜3に示す本発明の第一実施形態に係るオーバリティ計測センサ1は、図1に示すように、高温に加熱される鉄鋼等の磁性体により構成されるロータリーキルンの回転炉(鋼管、シェル)9の円筒状外周面91に装着され、回転する回転炉9の歪み(変形量)を計測するものである。
オーバリティ計測センサ1は、回転炉9の円筒状外周面91の周方向に間隔をおいて固定可能な一対の第一脚部2と、両第一脚部2の間に懸架された弾性変形可能な変形板3と、両第一脚部2の間で変形板3に固定され両第一脚部2を回転炉に固定したときに回転炉9に固定されて変形板3を支持する第二脚部20と、変形板3の表面に設けられ、該変形板3のひずみ値を検出するひずみゲージ4と、ひずみゲージ4のひずみ値を測定するとともに外部機器との通信を行う制御部5と、両第一脚部2の間で変形板3に固定され、両第一脚部2を回転炉9に固定したときに、回転炉9に固定されて変形板3を支持し、ひずみゲージ4及び制御部5に電源を供給する熱電変換器6と、を備えている。また、オーバリティ計測センサ1は、図1に示すように、両第一脚部2を貫通状態に配置する開口80及び第二脚部20を貫通状態に配置する開口850を有するとともに、変形板3の弾性変形が可能な空間をあけて変形板3を囲むケース8を備えている。このケース8には、該ケース8を円筒状外周面91に固定可能な固定部851が設けられ、熱電変換器6及び制御部5がケース8に接続されている。
また、オーバリティ計測センサ1は、変形板3に対向して配置され、両第一脚部2及び第二脚部20に固定される弾性変形可能な補助板7と、補助板7の両端に固定され、変形板3を該変形板3の懸架方向に移動可能かつ回転炉9の円筒状外周面91に追従する変形板3の表面に直交する方向の弾性変形以外の変形を規制して支持する一対の支持部材23と、を備えている。
[第一脚部の構成]
一対の第一脚部2は、図1及び図4に示すように、補助板7の両端部に固定され、回転炉9の円筒状外周面91に固定可能な円柱状の磁石201及びスペーサ202により構成されている。この磁石201としては、例えばアルニコ磁石やサマリウムコバルト磁石等のキュリー温度が高く、高温使用が可能な耐性磁石により構成され、その高さは、例えば10〜20mm程度とされる。また、両第一磁石は、磁石201と補助板7との間に円筒状のスペーサ202を有している。このような第一磁石201及びスペーサ202は、ねじ部材22の軸部221により貫通されて補助板7に固定される。
[第二脚部の構成]
第二脚部20は、図1及び図4に示すように、補助板7の中央に固定され、回転炉9の円筒状外周面91に固定可能な磁石201及びスペーサ202により構成されている。すなわち、第二脚部20は、両第一脚部2と同素材により同形状に構成されている。この第二脚部20は、両第一脚部2の中心に位置している。換言すると、両第一脚部2は、第二脚部20を中心に補助板7(変形板3)に対して対称に配置されている。具体的には、第一脚部2は、補助板7の一端側に2個、他端側に2個、補助板7の幅方向に並んで配置され、第二脚部20は、中央に2個、補助板7の幅方向に並んで配置されている。
[変形板の構成]
変形板3は、図2に示すように、平面視で略矩形の短冊状に形成される弾性変形可能な非磁性の金属板である。この変形板3は、例えばSUS304(ステンレス鋼)等により構成されている。なお、本実施形態では、変形板3は、短辺の長さが50mm、長辺の長さが300mm、厚さ寸法が2.0mmに設定されている。
この変形板3の両端部には、図5〜図7に示すように円形状の開口部30が形成され、この開口部30には、ねじ部材22の軸部221が貫通する。この開口部30の内周縁の径は、例えば、6.0mmに設定され、軸部221の外径は4.0mmに設定される。この軸部221は、開口部30の中心に位置することから、図6に示すように、その内周縁との間に隙間W1,W2が形成される。この隙間W1,W2の各距離は、例えば、1mmに設定される。
[ひずみゲージの構成]
ひずみゲージ4は、電気絶縁物により構成されるベース上に金属箔や抵抗線により構成される抵抗体が形成され、これに引き出し線がつけられたものである。このひずみゲージ4は、測定対象物である変形板3の表面32及び裏面31に接着剤等により固定され、変形板3が湾曲(弾性変形)すると、その伸縮に比例して上記抵抗体が伸縮して抵抗値(電圧)が変化し、この変化を検出する。
このようなひずみゲージ4は、図2及び図4に示すように、熱電変換器6と両第一脚部2との間に2つずつ設けられ、2つのひずみゲージ4は、変形板3を挟んで対向して平行に設けられている。これら4つのひずみゲージは、図示を省略するがそれぞれ結線され、4ゲージ法のブリッジ回路を構成し、これらは制御部5に接続されている。
[補助板の構成]
補助板7は、図1、図4、図5及び図7に示すように、変形板3に対向して配置され、この変形板3よりも両第一脚部2側に位置している。この補助板7は、変形板3と略同形状に形成される弾性変形可能な非磁性の金属板である。この補助板7は、例えばSUS304(ステンレス鋼)等により構成されている。この補助板7は、支持部材23にねじ部材22により固定されている。
なお、本実施形態では、補助板7は、短辺の長さが50mm、長辺の長さが300mm、厚さ寸法が1.0mmに設定されている。
[支持部材の構成]
一対の支持部材23はねじ部材22により補助板7の両端に固定され、変形板3を該変形板3の懸架方向に移動可能かつ回転炉9の円筒状外周面91に追従する変形板3の表面に直交する方向の弾性変形以外の変形を規制して支持する。この一対の支持部材23は、変形板3の懸架方向に直交する方向から見て、略コの字状に形成され、図4、図5及び図7に示すように、変形板3の上側に位置する上側支持部231と、補助板7の表面72に当接する下側支持部232と、これら上側支持部231及び下側支持部232とを連結する連結部233とを備えている。
この上側支持部231と下側支持部232には、上述したねじ部材22の軸部221が貫通している。すなわち、ねじ部材22の軸部221は、補助板7の幅方向に並んで配置される2つの第一脚部2を連結するためのブロック21、上側支持部231、変形板3、下側支持部232、補助板7及び第一脚部2を貫通し、これらを固定している。なお、上述したように、軸部221は、変形板3の開口部30の中心を貫通しているものの、開口部30の内周縁と軸部221との間には、上記隙間W1,W2が形成されているので、変形板3は、両第一脚部2及び補助板7に拘束されず、上記懸架方向に移動可能に両支持部材23に支持される。
また、変形板3は、支持部材23の上側支持部231と下側支持部232との間に位置し、下側支持部232の上側にスペーサを介して支持されている。この上側支持部231と変形板3との間には、図5に示すように、隙間W3が形成されている。この隙間W3は、例えば200μm程度に設定され、両第一脚部2が回転炉9の円筒状外周面91に固定された際、上側支持部231の内側端部P1と変形板3とが接触する。すなわち、上側支持部231の内側端部P1により、図7に示すように、変形板3の回転炉9の円筒状外周面91に追従する変形板3の表面に直交する方向の弾性変形以外の変形を規制している。
ここで、上側支持部231の内側端部P1と変形板3との接触位置が固定されている場合、オーバリティ計測センサ1を装着する回転炉9によっては、変形板3に当接する内側端部P1の位置が適切ではない場合が生じる。このため、本実施形態では、支持部材23は、上記懸架方向に移動可能に構成されている。これにより、オーバリティ計測センサ1を固定する回転炉9の円筒状外周面91の曲率半径等に応じて、両支持部材23の上側支持部231の内側端部P1の位置を変更可能にしている。
なお、本実施形態では、両支持部材23は、上記懸架方向に移動可能としたが、これに限らず、例えば、両支持部材23は、変形板3の表面と直交する方向に移動可能としてもよい。これによれば、上記隙間W3の距離を変更でき、その結果、上側支持部231の内側端部P1と変形板3との接触位置を変更可能となる。
[ケースの構成]
ケース8は、図1〜3に示すように、剛性の高い非磁性の金属板により構成され、変形板3の弾性変形が可能な空間を開けて変形板3を囲む構成である。なお、図2に示す破断線より左側の部分は、天板86より下側を示している。このケース8は、変形板3の平面形状より大きい平面形状を有する矩形枠状に形成されており、内部に収容される変形板3の懸架方向に延びる第一側板81と、第一側板81に対向して設けられる第二側板82と、を備えている。
また、ケース8は、第一側板81の底面及び第二側板82の底面のそれぞれを連結し、ケース8の底部を構成する底板85と、各側板81,82により囲まれて配置される変形板3に対向して配置され、変形板3の両第一脚部2及び第二脚部20とは反対側の面である表面32を覆う天板86と、を備えている。なお、底板85は、ケース8の略中央に位置しており、各側板81,82により構成される空間の中央にのみ構成され、様々な曲率の回転炉9の円筒状外周面91に両第一脚部2を固定した際に、両第一脚部2が底板85に接触しないようにその両端側は解放されている。すなわち、この解放された空間がケース8の開口80として機能する。そして、この開口80を介して両第一脚部2がケース8の外部に露出可能とされている。
この天板86は、各側板81,82の上端部よりも上方位置に固定されている。具体的には、ケース8の第一側板81及び第二側板82の略中央部分から上側に向けて延びる一対の軸部87、及び、第一側板81及び第二側板82の両端から上側に向けて延びる一対の取手89のそれぞれに各側板81,82の上端との間に隙間を開けた状態で固定されている。また、軸部87は、底板85と第一及び第二側板81,82とを貫通したねじにより固定され、軸部87の上端部には、上側ケース88が接続されており、この上側ケース88内には、制御部5が配置されている。
矩形板状の底板85の底面には、第二脚部20のスペーサ202を貫通させる開口850(開口)が形成されるとともに、固定部851が固定されている。この固定部851は、第一脚部2及び第二脚部20と同様に、磁石852とスペーサ853とからなり、矩形板状の固定部851の各角部分にそれぞれ設けられている。すなわち、4つの固定部851によりケース8が回転炉9に固定される。そして、開口850により第二脚部20が底板85よりも下側(回転炉9側)に位置することとなる。これにより、第二脚部20のスペーサ202は、開口850により変形板3の表面に直交する方向に移動可能となる。
第一側板81及び第二側板82の一方側(図1における左側)には、各側板81,82を貫通する軸部材805が設けられており、この軸部材805の先端には、変形板3の懸架方向に沿う方向に延出し、熱電変換器6が接続される延出部806が固定されている。この延出部806は、変形板3と同様に弾性変形可能なSUS等により形成され、図2に示すように、第一側板81及び第二側板82の底部を覆う帯状に形成され、その端部は、熱電変換器の第二磁石65と金属板64との間に挟持されている。
また、第一側板81及び第二側板82の一方側の端部(図1及び図2における左側の端部)には、熱電変換器6を第一側板81及び第二側板82に沿って移動可能に支持する固定板801が固定されている。この固定板801には、熱電変換器6の放熱部63がねじ804により固定されている。また、固定板801には、円弧状の開口部802が形成されており、この開口部802の内周縁内にねじ803が固定されている。これにより、熱電変換器6が開口部802に沿って移動可能に支持される。
[制御部の構成]
制御部5は、外部機器(例えば、無線通信可能なコンピュータ等)との通信を行う。また、制御部5には、メモリ(図示省略)が搭載されている。これにより、例えば制御部5は、上記ブリッジ回路に現れる電位差からひずみ値を算出し、外部機器(図示省略)に送信する。
なお、このような制御部5は、上述したようにケース8の最上部に位置する上側ケース88内に配置され、オーバリティ計測センサ1が回転炉9に装着された際に、該回転炉9の熱にさらされることを抑制している。
[熱電変換器の構成]
熱電変換器6は、図1に示すように、第一脚部2を回転炉9に固定したときに、回転炉9に当接可能な吸熱部61と、吸熱部61と変形板3との間に設けられた熱電発電モジュール62と、放熱部63と、を備え、吸熱部61と放熱部63との間の温度差を利用して熱電発電モジュール62により発電する構成とされている。この熱電発電モジュール62と制御部5とは、可撓性の第1絶縁被覆線(図示省略)により接続されている。また、制御部5とひずみゲージ4とは、可撓性の第2絶縁被覆線(図示省略)により接続されている。このため、熱電発電モジュール62で発電された電力は、第1絶縁被覆線を介して制御部5に供給され、さらに制御部5及び第2絶縁被覆線を介してひずみゲージ4に供給される。
吸熱部61は、アルミニウムや銅などの熱伝導性の高い材料により形成され、本実施形態では、吸熱部61は、アルミニウムにより形成された矩形板状の金属板により構成されている。この吸熱部61は、第一脚部2が回転炉9に固定された際に、回転炉9の円筒状外周面91に当接して回転炉9の熱を吸収する。この吸熱部61の補助板7側の面には、熱電発電モジュール62及び熱電対(図示省略)が載置され、回転炉9の熱が吸熱部61を介して熱電発電モジュール62及び熱電対に伝達されるようになっている。
熱電発電モジュール62は、図示は省略するが、配線基板の間に、一対のP型熱電変換素子とN型熱電変換素子とを、P型、N型、P型、N型の順に交互に配置されるように、電気的に直列に接続した構成とされ、両配線基板間に温度差を付与して各熱電変換素子にゼーベック効果により起電力を生じさせるものである。なお、熱電発電モジュール62の吸熱側及び放熱側のそれぞれには、セラミックス板や窒化ケイ素板(図示省略)が配置され、絶縁されている。
この熱電発電モジュール62は、延出部806及び例えばアルミニウム等により構成される矩形板状の金属板64を介して放熱部63に固定され、その周囲には、第二磁石65が配置されている。この第二磁石65は、熱電発電モジュール62の4隅に配置され、上記第一脚部2の磁石201と同様に、例えばアルニコ磁石やサマリウムコバルト磁石等のキュリー温度が高く、高温使用が可能な耐性磁石により構成され、その直径は、例えば20mmに設定されている。このような熱電発電モジュール62及び第二磁石65は、吸熱部61と延出部806(金属板64)との間に挟持されて固定されている。
放熱部63は、いわゆるヒートシンクであり、アルミニウム、銅等の熱伝導性の高い材料により形成される。本実施形態では、放熱部63は、熱伝導性とその軽さに優れたアルミニウムにより形成されている。
[セメントの製造方法]
セメントの製造方法は、粉体原料を生成する原料工程と、粉体原料をロータリーキルンにより焼成してセメントクリンカを生成する焼成工程と、セメントクリンカに石灰等を混合してセメントを生成する仕上げ工程と、を備えている。
本実施形態では、オーバリティ計測センサ1は、ロータリーキルンを構成する回転中の回転炉9に装着され、オーバリティ計測センサ1が装着された状態でセメントクリンカ(セメント)が製造される。
[オーバリティ計測センサの回転炉への装着方法]
このようなオーバリティ計測センサ1は、例えば以下の手順にて回転炉9に固定(装着)される。
まず、ユーザは、オーバリティ計測センサ1の両側の取手89を把持し、回転炉9の円筒状外周面91に両第一脚部2、第二脚部20及び固定部851を当接させる。この際、両第一脚部2、第二脚部20及び固定部851は、回転炉9の円筒状外周面91に磁力により固定される。このように第一脚部2、第二脚部20及び固定部851が回転炉9に固定されると、延出部806が回転炉9側に引っ張られて、該延出部806に接続された熱電変換器6の吸熱部61も回転炉9に当接する。また、吸熱部61の上側には、熱電発電モジュール62が位置し、その周囲には4つの第二磁石65が位置しているため、これら第二磁石65の磁力により吸熱部61が回転炉9の円筒状外周面91に確実に当接する。
このように、回転炉9の円筒状外周面91には、2つの第一脚部2及び第二脚部20が当接することから、補助板7はこれらにより3点で支持される。これに対して、変形板3は、第二脚部20(中央)の部分では、回転炉9に固定されるが、両端部では一対の支持部材23により変形板3の懸架方向に移動可能かつ回転炉9の円筒状外周面91に追従する変形板3の表面に直交する方向の弾性変形以外の変形を規制して支持されているので、回転炉9の円筒状外周面91が変形すると、図7に示すように、その変形に伴って表面形状の変化に追従するように弾性変形する。このように弾性変形した変形板3の変形は、4つのひずみゲージにより検出され、回転炉9の円筒状外周面91の変位が算出されることとなる。
なお、回転炉9にオーバリティ計測センサ1を装着する際、回転炉9が回転しているため、2つの第一脚部2を同時に回転炉9の円筒状外周面91に装着することが難しい。このため、一方の第一脚部2を円筒状外周面91に固定すると、回転炉9の回転に合わせて固定部851及び第二脚部20、他方の第一脚部2の順で円筒状外周面91に固定される。このため、回転炉9への第一脚部2の取付姿勢には若干の歪みが生じやすい。
これに対し、本実施形態では、回転炉9への両第一脚部2の取付姿勢に若干の歪みが生じ、補助板7に不測の変形が生じたとしても、変形板3が両第一脚部2及び補助板7に拘束されていないので、変形板3に取り付け時の歪みに伴う応力が生じることを抑制できる。これにより、弾性変形した変形板3のひずみ値をひずみゲージ4により検出することで回転炉9の変位を確実に測定できる。
本実施形態では、両第一脚部2が回転炉9の円筒状外周面91に固定されると、変形板3は、ケース8内部で一対の両第一脚部2及び第二脚部20の3点で円筒状外周面91に支持され、ケース8により弾性変形を阻害されることなく円筒状外周面91に沿う形状に変形する。また、熱電変換器6及び制御部5がケース8に接続され、変形板3に直接固定されていないことから、熱電変換器6やケース8の熱膨張による変形が変形板3に作用することを抑制できる。また、回転炉9の回転により熱電変換器6及び制御部5の自重が変形板3に作用してこれらの自重により生じる歪みの発生を抑制するので、変形板3を確実に円筒状外周面91に沿う形状にでき、弾性変形した変形板3のひずみ値をひずみゲージ4により検出することで回転炉9の変位を確実に測定できる。さらに、熱電変換器6によりひずみゲージ4及び制御部5に電源を供給できるので、回転炉9の変形量を継続して計測できる。
また、ケース8が変形板3に対向して配置される底板85を有していることから、ケース8の底部が遮熱板として機能する他、補助板7も遮熱板として機能するので、変形板3が高温になることを抑制できる。また、熱電変換器6をケース8の側面(第三側板83の側面)に配置することができるので、熱電変換器6の熱がケース8に伝達されることを抑制できる。これにより、変形板3の表面に設けられたひずみゲージ4が高温になることを抑制し、ひずみゲージの劣化を抑制して、耐熱性を向上できる。さらに、このため、長期にわたって回転炉9の変形量を測定できる。
さらに、熱電変換器6が延出部806に接続されているので、熱電変換器6をケース8の側面側に配置することができ、熱電変換器6の熱がケース8に伝達されることを抑制できる。加えて、延出部806が弾性変形可能に構成されているので、熱電変換器6の吸熱部61を確実に円筒状外周面91に当接させることができ、熱電変換効率を確実に高めることができる。
また、両第一脚部2及び第二脚部20のそれぞれが同素材により同形状に形成され、両第一脚部2が第二脚部20を中心に変形板3に対して対称に配置されているので、回転炉9からの熱が各脚部2,20に伝達されても、これらの熱膨張率が同じであるため、変形板3の不要な変形を確実に抑制できる。さらに、変形板3を覆う天板86を有していることから、雨天時であっても雨粒が変形板に当たることがないので、ひずみゲージ4により検出されるひずみ値にノイズが含まれることを抑制できる。したがって、略永続的に電源を制御部5及びひずみゲージ4に供給でき、バッテリーの交換を不要にし、かつ回転炉9の円筒状外周面91(外面)の変位を長期間にわたって測定できる。
さらに、セメントの製造中(回転炉9の回転中)にロータリーキルンの回転炉9の変形量を計測できるので、ロータリーキルンを停止させて回転炉9の変形量を計測する場合に比べて、セメントの生産効率を向上できる。すなわち、セメントの生産効率が低下することを抑制しつつ、回転炉の変形量を計測できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を用いて説明する。図8は、本実施形態のオーバリティ計測センサ1Aの正面図である。
オーバリティ計測センサ1Aは、ケース8の底板85に固定される固定部851に代えて、第一固定脚部851A及び第二固定脚部854を備えている点、及び熱電変換器6が放熱部63を備えず、ケース8の底部(第一及び第二側板81,82の底面)に固定されている点で上記第一実施形態と異なる。また、本実施形態では、なお、以下の説明では、上記第一実施形態と同一又は略同一の構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態のオーバリティ計測センサ1Aは、図8に示すように、熱電変換器6の金属板64がケース8の第一及び第二側板81,82の底面に固定されている。また、ケース8の底板85の底面には、ケース8の長さ方向に離間して配置される第一固定脚部851A及び第二固定脚部854を備えている。この第一固定脚部851Aは、固定部851と同様に磁石852及びスペーサ853からなる。一方、第二固定脚部854は、磁石852及びスペーサ853を備えるとともに、スペーサ853の周囲に配置され、第一固定脚部851Aを中心にケース8を回動する方向に付勢する弾性部材855を有している。また、熱電変換器6は、ケース8の底部における第一及び第二側板81,82の底面における第一固定脚部851Aに対して第二固定脚部854とは反対側(図8における左側)の位置に接続されているとよい。
ここで、熱電変換器6が単にケース8に固定されている場合、ケース8を回転炉9に固定すると、ケース8は弾性変形しないので回転炉9の曲率半径によっては、熱電変換器6の吸熱部61の第一脚部2側の端部が回転炉9の円筒状外周面91から浮き上がる可能性がある。このため、吸熱部61は、空気層を介して回転炉9の熱を吸熱することとなり、熱電変換効率が低下する。これに対し、本実施形態では、第二固定脚部854が弾性部材855を有していることから、第一固定脚部851Aを中心に回動させることにより、熱電変換器6の吸熱部61を確実に回転炉9の円筒状外周面91に当接させることができる。したがって、熱電変換器6の熱電変換効率の低下を抑制でき、回転炉9の変形量を継続して確実に計測できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について図面を用いて説明する。図9は、本実施形態のオーバリティ計測センサ1Bの正面図であり、図10は、オーバリティ計測センサ1Bの側面図である。
オーバリティ計測センサ1Bは、ケース8の第一側板81の側面に熱電変換器6が配置されている点で上記第一実施形態と異なる。また、本実施形態では、なお、以下の説明では、上記第一実施形態と同一又は略同一の構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態のオーバリティ計測センサ1Bは、図9及び図10に示すように、ケース8の略中央に位置する底板85の中央部分に連結され、変形板3の懸架方向と直交する方向に延出する延出部806Bが設けられている。この延出部806Bは、例えば、剛性の高い非磁性の金属板により構成されている。この延出部806Bには、熱電変換器6が接続されている。具体的には、延出部806Bの下面には、熱電変換器6の金属板64が当接するとともに、第二磁石65がねじ等により固定されている。一方、延出部806Bの上面には、熱電変換器6の放熱部63が固定されている。これにより、吸熱部61により吸熱された回転炉9の熱は、熱電発電モジュール62、金属板64、延出部806Bを介して放熱部63へと伝達される。また、ケース8の底板85に設けられた固定部851の下面と吸熱部61の下面とは、同一平面上に位置している。
本実施形態では、熱電変換器6をケース8の側面側(第一側板81側)に配置しているので、熱電変換器の熱がケース8に伝達されることを抑制でき、ひずみゲージの劣化を抑制できる。また、延出部806Bがケース8の略中央に位置する底板85の中央部分に連結され、かつ、固定部851の下面と吸熱部61の下面とが同一平面上に位置しているので、オーバリティ計測センサ1Bを回転炉9の円筒状外周面91に固定した際に、吸熱部61を確実に円筒状外周面91に当接させることができ、発電効率を高めることができる。
[第三実施形態の第一変形例]
なお、上記第三実施形態では、延出部806Bは、剛性の高い非磁性の金属板により構成することとしたが、これに限らない。
図11は、第三実施形態の第一変形例に係るオーバリティ計測センサ1Cを示す側面図である。この第一変形例に係るオーバリティ計測センサ1Cは、図11に示すように、延出部806Bに代えて、弾性変形可能な金属板(例えば、SUS304(ステンレス鋼)等)により構成される延出部806Cを有している。また、この変形例では、延出部806Cの先端部は、第二磁石65と放熱部63とを固定するねじにより、第二磁石65の上面に固定されている。すなわち、本変形例では、熱電変換器6は、金属板64の上面に放熱部63が直接固定されている。このため、延出部806Cには、段差が設けられており、この段差を有することにより、固定部851の下面と吸熱部61の下面とを同一平面上に位置するようにしている。
本変形例では、延出部806Cが弾性変形可能な金属板により構成されているので、この延出部806Cのばね性により、熱電変換器6の各部の熱膨張による変形がケース8に影響を及ぼすこと(ケース8が傾くこと等)を吸収できる。
[第三実施形態の第二変形例]
図12は、第三実施形態の第二変形例に係るオーバリティ計測センサ1Dを示す側面図である。この第一変形例に係るオーバリティ計測センサ1Cは、図12に示すように、延出部806Bに代えて、剛性の高い非磁性の金属板により構成されるL字状の延出部806Dを有している。この延出部806Dの基端部は、第一側板81に沿うように配置され、縦方向(変形板3の上面に直交する方向であり、以下、T2方向という。)に延びる開口部808を有しており、この開口部808には、ねじ807が貫通し、このねじ807により延出部806Dが第一側板81に縦方向に摺動可能に固定されている。一方、延出部806Dの先端部は、第三変形例と同様に、熱電変換器6が接続されている。すなわち、延出部806Dの先端部は、熱電変換器6の金属板64と放熱部63との間に位置し、これらがねじにより固定されている。
上記変形例では、延出部806Dがケース8の側面(第一側板81)に沿ってT2方向に移動可能に構成されているので、熱電変換器6の各部の熱膨張による変形がケース8に影響を及ぼすこと(ケース8が傾くこと等)を吸収できる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について図面を用いて説明する。図13は、本実施形態のオーバリティ計測センサ1Eの正面図であり、図14は、図13のA1−A1線に沿う矢視断面図である。
オーバリティ計測センサ1Eは、天板86が各側板81,82の上端に固定されたケース8E、及びケース8Eを囲む枠部材66を有する熱電変換器6Eを備える点で上記第一実施形態と異なる。また、本実施形態では、なお、以下の説明では、上記第一実施形態と同一又は略同一の構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態のオーバリティ計測センサ1Eは、図13及び図14に示すように、ケース8Eを備えている。このケース8Eは、天板86が各側板81,82の上端に固定され一体化されている。熱電変換器6Eは、金属板64と放熱部63との間に枠部材66を有し、この枠部材66内には、ケース8Eが挿通する。このため、ケース8Eの一部(第一脚部2と第2脚部20との間の領域)は、枠部材66によりその周囲を囲まれた状態となる。
また、枠部材66は、図14に示すように、ケース8Eと隙間を開けた状態で配置され、その両側部には、縦方向に延びる開口部68が形成され、この開口部68を貫通するねじ67によりケース8Eに固定されている。このため、枠部材66を有する熱電変換器6Eは、ケース8Eに対してねじ67を中心として回動可能で、かつ、ケース8Eの側面(第一側板81及び第二側板82)に沿ってT2方向(変形板3の表面に直交する方向)に移動可能に支持される。
本変形例では、熱電変換器6Eの枠部材66がケースの側面に沿ってT2方向に移動可能に構成され、かつ、ねじ67を中心として回動可能であるので、熱電変換器6Eの各部の熱膨張による変形がケース8Eに影響を及ぼすこと(ケース8Eが傾くこと等)を吸収できる。
その他、細部構成は上記各実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、ケース8は、底板85及び天板86を備えることとしたが、これに限らず、これらのいずれかのみを備えることとしてもよい。
上記各実施形態では、両第一脚部2及び第二脚部20のそれぞれは、同素材により同形状に形成されていることとしたが、これに限らず、例えば、両第一脚部2と第二脚部20とは異なる素材により異なる形状に形成されていてもよい。例えば、第二脚部20をステンレス鋼により構成し、両第一脚部2をインコネル(登録商標:スペシャルメタルズコーポレーション)により構成してもよい。この場合、ステンレス鋼の熱膨張係数とインコネル(登録商標:スペシャルメタルズコーポレーション)の熱膨張係数とが近い値となるので、異なる素材により構成されても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態では、変形板3及び補助板7は、例えばSUS304(ステンレス鋼)等により構成されていることとしたが、これに限らず、弾性変形可能で、耐熱性を有するものであればよい。
上記各実施形態では、補助板7は、変形板3よりも両第一脚部2側に設けられていることとしたが、これに限らず、補助板7が変形板3の上側(両第一脚部2とは反対側)に設けられていてもよい。
また、上記各実施形態では、上側支持部231、下側支持部232及び連結部233からなる支持部材23を例示したが、支持部材の構成は、上記に限らず、変形板3を該変形板3の懸架方向に移動可能かつ回転炉9の円筒状外周面91に追従する変形板3の表面32に直交する方向の弾性変形以外の変形を規制して支持する構成であれば、その形状は問わない。
1 1A 1B 1C 1D 1E オーバリティ計測センサ
2 第一脚部
20 第二脚部
201 磁石
202 スペーサ
21 ブロック
22 ねじ部材
221 軸部
23 支持部材
231 上側支持部
232 下側支持部
233 連結部
3 変形板
31 裏面
32 表面
4 ひずみゲージ
5 制御部
6 熱電変換器
61 吸熱部
62 熱電発電モジュール
63 放熱部
64 金属板
65 第二磁石
66 枠部材
67 ねじ
68 開口部
7 補助板
71 裏面
72 表面
8 8E ケース
80 開口
81 第一側板
82 第二側板
85 底板
86 天板
87 軸部
88 上側ケース
89 取手
801 固定板
802 開口部
803 ねじ
804 ねじ
805 軸部材
806 806B 806C 806D 延出部
850 開口
851 固定部
851A 第一固定脚部
852 磁石
853 スペーサ
854 第二固定脚部
855 弾性部材
9 回転炉
91 円筒状外周面

Claims (10)

  1. 回転炉の円筒状外周面の周方向に間隔をおいて固定可能な一対の第一脚部と、両第一脚部の間に懸架された弾性変形可能な変形板と、前記両第一脚部の間で前記変形板に固定され前記両第一脚部を前記回転炉に固定したときに、前記回転炉に固定されて前記変形板を支持する第二脚部と、前記変形板の表面に設けられ、該変形板のひずみ値を検出するひずみゲージと、前記ひずみゲージの前記ひずみ値を測定するとともに外部機器との通信を行う制御部と、前記ひずみゲージ及び前記制御部に電源を供給する熱電変換器と、前記両第一脚部及び前記第二脚部を貫通状態に配置する開口を有するとともに、前記変形板の弾性変形が可能な空間をあけて前記変形板を囲むケースと、を備え、
    前記ケースには、該ケースを前記円筒状外周面に固定可能な固定部が設けられ、前記熱電変換器及び前記制御部は、前記ケースに接続されていることを特徴とするオーバリティ計測センサ。
  2. 前記ケースは、前記変形板に対向して配置され、かつ前記開口が形成された底板を有していることを特徴とする請求項1に記載のオーバリティ計測センサ。
  3. 前記ケースには、前記変形板の懸架方向及び前記懸架方向と直交する方向のいずれかに延出する延出部が設けられ、
    前記延出部に前記熱電変換器が接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオーバリティ計測センサ。
  4. 前記熱電変換器は、前記第一脚部及び前記固定部を前記回転炉に固定したときに、前記回転炉に当接する吸熱部を有していることを特徴とする請求項3に記載のオーバリティ計測センサ。
  5. 前記固定部は、前記ケースの長さ方向に離間して配置される第一固定脚部及び第二固定脚部を備え、
    前記第二固定脚部は、前記第一固定脚部を中心に前記ケースを回動する方向に付勢する弾性部材を有し、
    前記熱電変換器は、前記第一固定脚部に対して前記第二固定脚部とは反対側の位置に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のオーバリティ計測センサ。
  6. 前記延出部は、弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のオーバリティ計測センサ。
  7. 前記延出部は、前記ケースの側面に沿って移動可能に支持されていることを特徴とする請求項4又は6に記載のオーバリティ計測センサ。
  8. 前記両第一脚部及び前記第二脚部のそれぞれは、同素材により同形状に形成されており、
    前記両第一脚部は、第二脚部を中心に変形板に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のオーバリティ計測センサ。
  9. 前記ケースは、前記変形板の前記両第一脚部及び前記第二脚部とは反対側の面に対向する天板を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のオーバリティ計測センサ。
  10. ロータリーキルンにより原料を焼成してセメントクリンカを生成し、該セメントクリンカを用いてセメントを製造するセメントの製造方法であって、
    請求項1から9のいずれか一項に記載のオーバリティ計測センサを回転中の前記ロータリーキルンの回転炉に装着した状態で、前記セメントを製造することを特徴とするセメントの製造方法。
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