JP2020153255A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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JP2020153255A JP2019050253A JP2019050253A JP2020153255A JP 2020153255 A JP2020153255 A JP 2020153255A JP 2019050253 A JP2019050253 A JP 2019050253A JP 2019050253 A JP2019050253 A JP 2019050253A JP 2020153255 A JP2020153255 A JP 2020153255A
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Shohei Miyajima
昇平 宮嶋
敏行 宮田
Toshiyuki Miyata
敏行 宮田
戸田 仁司
Hitoshi Toda
仁司 戸田
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Abstract

【課題】エンジンの体積効率係数を精度よく演算する。【解決手段】排気還流装置と、エンジンの負荷に基づいて排気還流弁を制御するコントロールユニットを備えたエンジン2の制御装置であって、排気還流率が目標排気還流状態でのエンジンの体積効率係数woEGRを演算する目標EGR導入時体積効率係数演算部23と、目標排気還流状態のEGR率bを演算する体積効率係数補正用EGR率演算部25と、現状のEGR率aを演算する筒内EGR率演算部26と、現状のEGR率aと目標排気還流状態のEGR率bとの比に基づいて、目標排気還流状態での体積効率係数wEGRを補正して、現状のエンジンの体積効率係数Kve1を演算する体積効率係数演算部27と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、排気還流装置を備えたエンジンの制御技術に関する。
エンジンの燃料噴射を適切に制御するために、筒内への吸気量を正確に演算する必要がある。筒内への吸気量については、例えば吸気スロットルバルブの上流部に設けられたフローセンサを用いて計測したり、スロットルバルブの下流側の吸気圧であるインマニ圧とエンジン回転速度から推定演算したりする方法が知られている。
また、特許文献1には、エンジンの定常運転時において、インマニ圧と体積効率相当値とを用いて筒内への吸気量を算出するとともにスロットル開度と吸気量との関係を学習し、過渡運転時においては、学習結果を用いて筒内への吸入空気量を算出することが開示されている。
特開2014−84817号公報
しかしながら、エンジンの多くには、NOx排出量を低減させるため、または燃費向上のためにEGR装置(排気還流装置)が搭載されている。EGR装置は、エンジンの排気の一部を吸気側に還流させて、筒内での燃焼温度を低下させることで、NOxの排出量を低減させ、また、ポンピングロスを低減し燃費を向上させる。したがって、EGR装置により排気を還流させると、燃焼に寄与する空気量である筒内への新気量が減少し、燃料制御するために必要な筒内への吸気量(新気量)を正確に演算することが困難となってしまう。
特に、EGR装置は例えば吸気量に基づいて設定された排気還流率となるようにオンオフ制御されるが、過渡運転時のように排気の還流のオンオフが切り替わる際には、排気還流率が変化し、吸気量に基づいて設定された排気還流率よりも小さくなる可能性があるだけでなく、切り替え直後においては大きくなる可能性もあり、筒内への吸気量を正確に演算することが困難となってしまう。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、排気還流装置を備えたエンジンにおいて、排気の還流が行われても広い状況で精度よく吸入空気量を演算することが可能となるエンジンの制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のエンジンの制御装置は、エンジンの排気の一部を吸気通路に還流する排気還流路と、前記排気還流路を開閉する排気還流弁と、前記エンジンの運転状態に基づいて前記排気還流弁を制御する排気還流制御部と、を備えたエンジンの制御装置であって、前記排気還流路による排気還流率が前記エンジンの運転状態に基づいて設定される目標排気還流率である目標排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算する目標排気還流時体積効率係数演算部と、前記目標排気還流状態の排気還流率を演算する目標排気還流時排気還流率演算部と、前記エンジンの運転状態に基づいて、現状の排気還流率を演算する現排気還流率演算部と、前記現状の排気還流率と前記目標排気還流状態の排気還流率との比に基づいて、前記目標排気還流状態での前記体積効率係数を補正して、現状の前記エンジンの体積効率係数を演算する第1の体積効率係数演算部と、を備えたことを特徴とする。
これにより、現状の排気還流率と前記目標排気還流状態の排気還流率との比に基づいて、目標排気還流状態での前記体積効率係数を補正して、現状の前記エンジンの体積効率係数が演算されるので、目標排気還流状態でない排気還流状態であっても、体積効率係数を精度よく演算することができる。
また、好ましくは、前記第1の体積効率係数演算部は、前記現状の排気還流率をa、前記目標排気還流状態の排気還流率をb、前記目標排気還流状態での体積効率係数をwEGRとした場合、Kve1=wEGR×(1+b)/(1+a)によって、第1の現状のエンジンの体積効率係数Kve1を演算するとよい。
これにより、目標排気還流状態でない排気還流状態でのエンジンの体積効率係数を、現状の排気還流率と目標排気還流状態の排気還流率との比に基づいて、容易にかつ精度よく演算することが可能となる。
また、好ましくは、前記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出器と、前記エンジンの吸気圧を検出する吸気圧検出器と、を備え、前記目標排気還流時体積効率係数演算部は、前記エンジンの回転速度と吸気圧とに基づいて、前記目標排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算するとよい。
これにより、目標排気還流時体積効率係数演算部は、エンジンの回転速度と吸気圧を用いて、目標排気還流状態でのエンジンの体積効率係数を容易に演算することが可能となる。
また、好ましくは、前記排気還流率が0である非排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算する非排気還流時体積効率係数演算部と、前記目標排気還流状態の排気還流率と前記現状の排気還流率との比に基づいて、前記目標排気還流状態での前記体積効率係数と前記非排気還流状態での前記体積効率係数とを補間して、現状の前記エンジンの体積効率係数を演算する第2の体積効率係数演算部と、を備え、前記現状の排気還流率が前記前記目標排気還流状態の排気還流率以上である場合には、前記第1の体積効率係数演算部で前記現状の前記エンジンの体積効率係数を演算し、前記現状の排気還流率が前記目標排気還流状態の排気還流率未満である場合には、前記第2の体積効率係数演算部で前記現状の前記エンジンの体積効率係数を演算するとよい。
これにより、現状の排気還流率が目標排気還流状態の排気還流率未満である場合には、第2の体積効率係数演算部によって、目標排気還流状態の体積効率係数と非排気還流状態での体積効率係数との間に、現状の体積効率係数が精度よく演算される。一方、現状の排気還流率が目標排気還流状態の排気還流率以上である場合には、第1の体積効率係数演算部で現状のエンジンの体積効率係数が演算されるので、幅広い排気還流率で現状の体積効率係数を演算することができる。
好ましくは、前記第2の体積効率係数演算部は、前記現状の排気還流率をa、前記目標排気還流状態の排気還流率をb、前記目標排気還流状態での体積効率係数をwEGR、前記非排気還流状態での体積効率係数をwoEGRとした場合、Kve2=(wEGR×(a/b)+(woEGR×(1−(a/b)))によって、前記現状のエンジンの体積効率係数Kve2を演算するとよい。
これにより、現状の排気還流率が目標排気還流状態の排気還流率未満である場合に、目標排気還流状態でない排気還流状態でのエンジンの体積効率係数を、目標排気還流状態の排気還流率と現状の排気還流率との比に基づいて、容易に演算することが可能となる。
本発明のエンジンの制御装置によれば、目標排気還流状態でない排気還流状態であっても、体積効率係数を精度よく演算することができるので、排気還流弁の切替直後のような過渡運転状態においても体積効率係数を精度よく演算し、筒内への新気の吸入量を精度よく演算することができる。これにより、新気の吸入量に応じて燃料供給量を精度よく制御することが可能となり、燃費の向上または排ガス低減を図ることができる。
本発明の実施形態におけるエンジンの制御装置の概略構成図である。 エンジンの負荷とEGR率との関係を示すマップの一例である。 エンジンの負荷と体積効率係数との関係を示すマップの一例である。 エンジンコントロールユニットにおける第1の実施形態の体積効率係数演算ユニットの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるエンジンの負荷に対するEGR率、体積効率係数の関係を示すマップの一例である。 エンジンコントロールユニットにおける第2の実施形態の体積効率係数演算ユニットの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるエンジンの負荷に対するEGR率、インマニ圧、体積効率係数の関係を示すマップの一例である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の制御装置1が適用されたエンジン2の概略構成図である。
エンジン2は、走行駆動源として車両に搭載されており、例えば多気筒のガソリンエンジンであって、図1では簡略して1つの気筒のみ記載している。エンジン2は、各気筒に設けられた燃料噴射弁3から、任意の噴射時期及び噴射量で各気筒の吸気ポート内に燃料を噴射し、点火プラグ4によって燃焼室5内の混合気を点火して燃焼可能な構成となっている。
エンジン2の吸気通路6には、新気の流量を調整するための電子制御スロットルバルブ7が設けられている。
また、エンジン2には、EGR装置10が備えられている。EGR装置10は、エンジン2の吸気通路6と排気通路8とを連通するEGR通路11(排気還流路)と、EGR通路11を開閉するEGRバルブ12(排気還流弁)とにより構成されている。EGR装置10は、排気通路8からEGR通路11を介して排気の一部を吸気通路6に還流させる。このように排気の一部(EGRガス)を吸気通路6に流入させることで、筒内の燃焼温度を低下させ、エンジン2からのNOxの排出量を低減させ、また、燃費を向上させる。
更に、エンジン2には、エンジン2の回転速度を検出する回転速度センサ15(エンジン回転速度検出器)が設けられている。吸気通路6のエンジン2側の端部である吸気マニホールド17には、吸気圧(インマニ圧)を検出するインマニ圧センサ18(吸気圧検出器)を備えている。また、EGRバルブ12には、EGRバルブの開度を検出するEGR開度センサ19が設けられている。
エンジンコントロールユニット20(排気還流制御部)は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成され、回転速度センサ15、インマニ圧センサ18、EGR開度センサ19等の各種センサの検出情報を入力し、当該各種情報に基づいて体積効率係数を演算する。なお、体積効率係数は、吸気通路6から筒内への新気の入りやすさの指標となるものであり、吸気管内と同じ密度の空気が行程容積を満たす場合の空気量に対する、シリンダーが吸入した空気量の割合である。
エンジンコントロールユニット20は、更に、体積効率係数を用いて新気の筒内への吸気量を演算し、当該吸気量に基づいて各気筒の燃料噴射量を演算して、燃料噴射弁3からの燃料噴射を制御する。また、エンジンコントロールユニット20は、点火プラグ4による点火、電子制御スロットルバルブ7の開度、EGRバルブ12の開度を制御して、エンジン2の運転制御を行う。
図2は、エンジン2の負荷とEGR率との関係を示すマップの一例である。図3はエンジン2の負荷と体積効率係数との関係を示すマップの一例である。
エンジンコントロールユニット20は、エンジン2の負荷に基づいて目標EGR率(目標排気還流率)を設定して、EGRバルブ12の開度を制御する。EGR率(排気還流率)は、新気の流量に対するEGRガスの流量の割合である。エンジン2の負荷は、例えば回転速度センサ15により検出したエンジン回転速度とインマニ圧センサ18により検出したインマニ圧とに基づいて演算すればよい。
例えば図2に示すように、目標EGR率は、エンジン2の負荷に基づいて変化し、低負荷時及び高負荷時に減少し、中負荷時において増加するように設定される。これは、低負荷時においてはエンジン2の燃焼安定性を確保するためであり、高負荷時においてはインマニ圧が上昇することから排気が還流し難くなるためである。
また、エンジン2の体積効率係数は、負荷に応じて変化する。例えば図3に示すように、体積効率係数は、エンジン2の負荷が増加するに伴って増加する。また、体積効率係数は、EGR非導入時とEGR導入時とで異なる値となり、目標EGR率のEGR導入時である目標EGR導入時(目標排気還流状態)では、吸気中に排気の割合が増加するため、EGR非導入時(非排気還流状態)よりも小さい値となる。
次に、図4及び図5を用いて、本発明の第1の実施形態のEGR導入時における体積効率係数の演算方法について説明する。本実施形態のエンジンコントロールユニット20は、EGR非導入時及び目標EGR導入時だけでなく、目標EGR率でないEGR導入状態での体積効率係数について演算する。
図4は、エンジンコントロールユニット20における第1の実施形態の体積効率係数演算ユニット21の構成を示すブロック図である。図5は、第1の実施形態におけるエンジン2の負荷に対するEGR率、体積効率係数の関係を示すマップの一例であり、実線が目標EGR率導入時を示す。なお、図5中のEGR率のマップは図2に該当し、体積効率係数のマップは図3の目標EGR導入時のマップに該当する。
図4に示すように、エンジンコントロールユニット20には、エンジン2の現状の運転状態(現運転点)における体積効率係数Kveを演算する体積効率係数演算ユニット21として、目標EGR導入時体積効率係数演算部23(目標排気還流時体積効率係数演算部)、筒内空気量演算部24(目標排気還流時排気還流率演算部)、体積効率係数補正用EGR率演算部25(目標排気還流時排気還流率演算部)、筒内EGR率演算部26(現排気還流率演算部)、体積効率係数演算部27(第1の体積効率係数演算部)を備えている。
目標EGR導入時体積効率係数演算部23は、インマニ圧センサ18からから入力したインマニ圧Pbと、回転速度センサ15から入力したエンジン回転速度Neとに基づいて、あらかじめ試験等によって確認し記憶しているマップを用いて目標EGR導入時の体積効率係数wEGRを演算する。
なお、目標EGR導入時においては、負荷とインマニ圧との関係は、例えばエンジン回転速度Neを一定とした場合に、負荷が増加するに伴ってインマニ圧も増加する。そして、エンジン回転速度Ne毎に設けられたマップを用いて、インマニ圧センサ18からから入力したインマニ圧Pbに対応する負荷fに基づいてEGR導入時の体積効率係数wEGRが求められる。
筒内空気量演算部24は、目標EGR導入時体積効率係数演算部23により演算した目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRとインマニ圧センサ18から入力したインマニ圧Pbに基づいて、目標EGR率導入時における負荷(充填効率Ec)を演算する。負荷(充填効率Ec)は、例えば下記(1)式によって演算すればよい。
負荷(充填効率Ec)=wEGR×(Pb/大気圧)×100(%)・・・(1)
体積効率係数補正用EGR率演算部25は、筒内空気量演算部24で演算された負荷(充填効率Ec)とエンジン回転速度Neとに基づいて、目標EGR導入時におけるEGR率である体積効率係数補正用EGR率b(目標排気還流状態の排気還流率)を演算する。
筒内EGR率演算部26は、回転速度センサ15から入力したエンジン回転速度Neとインマニ圧センサ18からから入力したインマニ圧Pb、更にEGR開度センサ19から入力したEGRバルブ12の開度θegrに基づいて、例えばあらかじめ記憶しているマップを用いて現運転点でのEGR率a(現状の排気還流率)を演算する。
体積効率係数演算部27は、目標EGR導入時体積効率係数演算部23において演算した目標EGR導入時における体積効率係数wEGRと、体積効率係数補正用EGR率演算部25において演算した目標EGR導入時におけるEGR率bと、筒内EGR率演算部26において演算した現運転点でのEGR率aとに基づいて、現運転点での体積効率係数kve1を演算する。
現運転点での体積効率係数Kve1は、以下の式(2)によって演算される。
Kve1=wEGR×(1+b)/(1+a)・・・(2)
そして、この演算した体積効率係数Kve1を、現運転点での体積効率係数Kveとする。
以上のように、目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRを補正して、エンジン2の吸気量を演算するために使用する体積効率係数kveが演算される。
エンジン2の吸気量を演算するために使用する体積効率係数kveとして、通常は目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRが用いられる。しかし、EGR非導入時には、体積効率係数Kveは目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRよりも増加する。また、EGRバルブ12を非導入(閉弁)から導入(開弁)に切り替えた直後に、EGR率が目標EGR率よりも瞬間的に大きくなり、体積効率係数Kveが目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRよりも小さくなる場合もある。
これに対し、本実施形態では、現運転点でのEGR率aと目標EGR導入時におけるEGR率bとの比の割合で、目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRを補正して、現運転点での体積効率係数Kve1を求める。
詳しくは、体積効率係数演算部27は、Kve=Kve1=wEGR×(1+b)/(1+a)の演算によって現状のエンジンの体積効率係数Kveを演算するので、現状のエンジンの体積効率係数Kveを容易にかつ精度よく求めることができる。
特に、目標EGR導入時におけるEGR率bに対して現運転点でのEGR率aが高い場合に、現運転点での体積効率係数Kve1は目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRよりも低下するが、このような場合に現運転点での体積効率係数Kve1を精度良く求めることができる。
一方、目標EGR導入時におけるEGR率bに対して現運転点でのEGR率aが低い場合には、現運転点での体積効率係数Kve1は目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRよりも高くなるが、このような場合でも現運転点での体積効率係数Kve1を精度良く求めることができる。
これにより、エンジン2の過渡運転状態のようにEGRバルブ12の開度が変化している状況においても、体積効率係数Kve(=Kve1)を用いて筒内への新気の吸入量を精度よく演算することができ、当該新気の吸入量に基づいて燃料供給量を精度よく制御することが可能となり、燃費の向上を図ることができる。
次に、図6及び図7を用いて、本発明の第2の実施形態のEGR導入時における体積効率係数の演算方法について説明する。
図6は、エンジンコントロールユニット20における第2の実施形態の体積効率係数演算ユニット31のブロック図である。図7は、第2の実施形態におけるエンジン2の負荷に対するEGR率、インマニ圧、体積効率係数の関係を示すマップの一例であり、実線が目標EGR率導入時、破線がEGR非導入時を示す。なお、図7中のEGR率のマップは図2に該当し、体積効率係数のマップは図3に該当する。
図6に示すように、第2の実施形態の体積効率係数演算ユニット31は、第1の実施形態の体積効率係数演算ユニット21に対して、EGR非導入時体積効率係数演算部22(非排気還流時体積効率係数演算部)を更に備えている。
EGR非導入時体積効率係数演算部22は、インマニ圧センサ18からから入力したインマニ圧Pbと、回転速度センサ15から入力したエンジン回転速度Neとに基づいて、あらかじめ試験等によって確認し記憶しているマップを用いて、EGR非導入時の体積効率係数woEGRを演算する。
なお、負荷とインマニ圧との関係は、例えばエンジン回転速度Neが一定の場合に、図7中の破線cに示すように、EGR非導入時においては負荷が増加するに伴ってインマニ圧も増加する比例関係となる。そして、エンジン回転速度Ne毎に設けられたマップを用いて、インマニ圧Pbに対応する負荷dに基づいて、EGR非導入時の体積効率係数woEGRが求められる。一方、エンジン回転速度Neが一定である場合、目標EGR導入時における負荷fは、EGR非導入時における負荷dよりも小さくなるので、目標EGR導入時の体積効率係数wEGRは、EGR非導入時の体積効率係数woEGRよりも小さい値となる。
第2の実施形態における体積効率係数演算部32(第1の体積効率係数演算部、第2の体積効率係数演算部)は、筒内EGR率演算部26において演算した現運転点でのEGR率aと体積効率係数補正用EGR率演算部25において演算した目標EGR導入時におけるEGR率bとに基づいて、体積効率係数Kveの演算方法を切り換える。
現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b以上である場合には、上記第1の実施形態のように現運転点でのEGR率a、目標EGR導入時におけるEGR率b及び目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRに基づいて演算した現運転点での体積効率係数Kve1を体積効率係数Kveとする。一方、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b未満の場合には、運転点でのEGR率a、目標EGR導入時におけるEGR率b、目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRと、更にEGR非導入時体積効率係数演算部22において演算したEGR非導入時における体積効率係数woEGRと、に基づいて現運転点での体積効率係数Kve2を演算し、この体積効率係数Kve2を体積効率係数Kveとする。なお、体積効率係数演算部32において、現運転点での体積効率係数Kve1を演算する機能が本発明の第1の体積効率係数演算部に該当し、現運転点での体積効率係数Kve2を演算する機能が本発明の第2の体積効率係数演算部に該当する。
現運転点での体積効率係数Kve2は、以下の式(3)によって演算される。
Kve2=wEGR×(a/b)+(woEGR×(1−(a/b))・・・(3)
そして、この演算した体積効率係数Kve1を、現運転点での体積効率係数Kveとする。
以上のように、第2の実施形態では、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b以上である場合には、上記第1の実施形態と同様に体積効率係数Kveを演算するが、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b未満の場合には、EGR非導入時における体積効率係数woEGRを加えて体積効率係数Kveを演算する。
例えばEGRバルブ12を非導入(閉弁)と導入(開弁)との間で切り替えた直後のように、体積効率係数はEGR非導入時の値woEGRと目標EGR率導入時の値wEGRとの間を移行しているときには、体積効率係数は目標EGR率導入時の値wEGRやEGR非導入時の値woEGRとは異なる値となる。
これに対し、本実施形態では、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b未満の場合には、EGR非導入時における体積効率係数woEGRと、目標EGR導入時における体積効率係数wEGRとを補間して、EGR低導入時における体積効率係数Kve2を演算する。
詳しくは、エンジン2の現状の運転点を表すインマニ圧Pb及びエンジン回転速度Neより、EGR非導入時の体積効率係数woEGRと、目標EGR率導入時の体積効率係数wEGRとを夫々演算して、EGR導入時と非導入時とで選択して現運転点での体積効率係数Kve2として使用するのではなく、目標EGR導入時のEGR率bと現運転点でのEGR率aとの比に対応して、EGR非導入時の体積効率係数woEGRと目標EGR導入時の体積効率係数wEGRとの間の値に現状の体積効率係数Kve2を設定する。
このようにEGR低導入時における体積効率係数Kve2を、エンジン2の運転状態に基づいてEGR非導入時の体積効率係数woEGRと目標EGR導入時の体積効率係数wEGRとの間の値に設定するので、現運転点でのEGR率が目標EGR率となっていない状況でも、体積効率係数Kve2を精度よく演算することができる。
これにより、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b未満の場合、例えばEGRバルブ12を非導入(閉弁)のと導入(開弁)との間で切り替えた直後のように、体積効率係数がEGR非導入時の値woEGRと目標EGR率導入時の値wEGRとの間を推移している状態において、体積効率係数Kve2を精度よく演算することができる。
また、体積効率係数演算部32は、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b未満の場合に、Kve=Kve2=(wEGR×(a/b)+(woEGR×(1−(a/b)))の演算によって現状のエンジンの体積効率係数Kveを演算するので、現状のエンジンの体積効率係数Kveを容易にかつ精度よく求めることができる。
このように、EGR非導入時の体積効率係数woEGRと目標EGR導入時の体積効率係数wEGRとの間に体積効率係数Kve2を設定する際に、目標EGR導入時のEGR率bと現運転点でのEGR率aとの比(a/b)を用いることで、EGR非導入時の体積効率係数woEGRと目標EGR導入時の体積効率係数wEGRとの間で適切な重みづけをした加重平均を取り、現状のエンジンの体積効率係数Kve2をより正確に演算することができる。
そして、エンジン2の過渡運転状態のようにEGRバルブ12の開度が変化している状況において、体積効率係数Kveを用いて筒内への新気の吸入量を更に精度よく演算することができ、当該新気の吸入量に基づいて燃料供給量を更に精度よく制御することが可能となり、燃費の向上を更に図ることができる。
また、現運転点でのEGR率aが目標EGR導入時におけるEGR率b以上の場合には、体積効率係数Kve1を演算し、体積効率係数Kveとすることで、広い範囲で体積効率係数Kveを精度よく演算することができる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定するものではない。
例えば上記実施形態において、EGR非導入時体積効率係数演算部22や目標EGR導入時体積効率係数演算部23にてエンジン2の回転速度Neとインマニ圧Pbを用いて体積効率係数woEGRあるいはwEGRを演算しているが、エンジン2の負荷あるいは負荷に相当する指標を代わりに用いて演算してもよい。
また、本実施形態は、吸気ポートに燃料を噴射するガソリンエンジンに本発明を適用しているが、筒内に燃料を噴射するエンジンや、圧縮着火するディーゼルエンジン等のようなEGR装置を備えた各種エンジンに本発明を広く適用することができる。
2 エンジン
11 EGR通路(排気還流路)
13 EGRバルブ(排気還流弁)
15 回転速度センサ(エンジン回転速度検出器)
18 インマニ圧センサ(吸気圧検出器)
20 エンジンコントロールユニット(排気還流制御部)
22 EGR非導入時体積効率係数演算部(非排気還流時体積効率係数演算部)
23 目標EGR導入時体積効率係数演算部(目標排気還流時体積効率係数演算部)
24 筒内空気量演算部(目標排気還流時排気還流率演算部)
25 体積効率係数補正用EGR率演算部(目標排気還流時排気還流率演算部)
26 筒内EGR率演算部(現排気還流率演算部)
27 体積効率係数演算部(第1の体積効率係数演算部)
32 体積効率係数演算部(第1の体積効率係数演算部、第2の体積効率係数演算部)

Claims (5)

  1. エンジンの排気の一部を吸気通路に還流する排気還流路と、前記排気還流路を開閉する排気還流弁と、前記エンジンの運転状態に基づいて前記排気還流弁を制御する排気還流制御部と、を備えたエンジンの制御装置であって、
    前記排気還流路による排気還流率が前記エンジンの運転状態に基づいて設定される目標排気還流率である目標排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算する目標排気還流時体積効率係数演算部と、
    前記目標排気還流状態の排気還流率を演算する目標排気還流時排気還流率演算部と、
    前記エンジンの運転状態に基づいて、現状の排気還流率を演算する現排気還流率演算部と、
    前記現状の排気還流率と前記目標排気還流状態の排気還流率との比に基づいて、前記目標排気還流状態での前記体積効率係数を補正して、現状の前記エンジンの体積効率係数を演算する第1の体積効率係数演算部と、を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記第1の体積効率係数演算部は、前記現状の排気還流率をa、前記目標排気還流状態の排気還流率をb、前記目標排気還流状態での体積効率係数をwEGRとした場合、
    Kve1=wEGR×(1+b)/(1+a)
    によって、現状のエンジンの体積効率係数Kve1を演算することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出器と、
    前記エンジンの吸気圧を検出する吸気圧検出器と、を備え、
    前記目標排気還流時体積効率係数演算部は、前記エンジンの回転速度と吸気圧とに基づいて、前記目標排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記排気還流率が0である非排気還流状態での前記エンジンの体積効率係数を演算する非排気還流時体積効率係数演算部と、
    前記目標排気還流状態の排気還流率と前記現状の排気還流率との比に基づいて、前記目標排気還流状態での前記体積効率係数と前記非排気還流状態での前記体積効率係数とを補間して、現状の前記エンジンの体積効率係数を演算する第2の体積効率係数演算部と、を備え、
    前記現状の排気還流率が前記目標排気還流状態の排気還流率以上である場合には、前記第1の体積効率係数演算部で前記現状の前記エンジンの体積効率係数を演算し、
    前記現状の排気還流率が前記目標排気還流状態の排気還流率未満である場合には、前記第2の体積効率係数演算部で前記現状の前記エンジンの体積効率係数を演算することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記第2の体積効率係数演算部は、前記現状の排気還流率をa、前記目標排気還流状態の排気還流率をb、前記目標排気還流状態での体積効率係数をwEGR、前記非排気還流状態での体積効率係数をwoEGRとした場合、
    Kve2=(wEGR×(a/b)+(woEGR×(1−(a/b)))
    によって、前記現状のエンジンの体積効率係数Kve2を演算することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの制御装置。
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