JP2020152923A - (メタ)アクリル系樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物の実施態様の一例として、後述する(メタ)アクリル系重合体(P)及び後述するリン原子含有化合物(C)を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物を例示できる。
(メタ)アクリル系重合体100質量部に対するリン原子含有化合物(C)の含有量の下限は5.0質量部以上であれば、樹脂成形体の難燃性が良好となる。また、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対するリン原子含有化合物(C)の含有量の上限は35質量部以下であれば、樹脂成形体の耐熱性は良好となる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物を用いて、難燃性、耐熱性及び耐候性に優れた樹脂成形体を得ることができる。
本発明における(メタ)アクリル系樹脂組成物は、下記の(メタ)アクリル系重合体(P)を構成成分の1つとして含む。前記(メタ)アクリル系重合体(P)を構成成分の1つとして含むことにより、後述する他の構成成分との相乗効果により、耐熱性と難燃性に優れた樹脂成形体を得ることが可能となる。
(1)メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位
(2)ビニル基を2個以上有する単量体(B)由来の繰り返し単位
(3)芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル(M)由来の繰り返し単位(但し、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)由来の繰り返し単位を除く。)5.0質量%以上15質量%以下
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル(M)とは、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有する単官能の(メタ)アクリル酸エステル(但し、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)を除く。)である。(メタ)アクリル酸エステル(M)を含有することにより、樹脂成形体の難燃性は良好となる。
なお、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)の具体例としては、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸シクロデシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル等のアクリル酸エステル、及びそれらの誘導体が挙げられる。
単量体(B)はビニル基を2個以上有する単量体であり、本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物の構成成分の一つである。前記(メタ)アクリル系重合体(P)が単量体(B)由来の構造単位を含むことにより、樹脂成形体の難燃性をより向上することができる。
本発明においては、必要に応じて、メタクリル酸メチル及び前記(メタ)アクリル酸エステル(M)と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位を、(メタ)アクリル系重合体(P)総質量に対して、0質量%を超えて10質量%以下の範囲で、アクリル重合体(P)に含有させることができる。
本発明では、樹脂成形体の難燃性を高めるために、(メタ)アクリル系樹脂組成物がリン原子含有化合物を構成成分の一つ含むことが好ましい。難燃性向上効果を有するリン原子含有化合物と、前記単量体(B)由来の繰り返し単位及び前記(メタ)アクリル酸エステル(M)由来の繰り返し単位との併用で難燃相乗効果が得られ、樹脂成形体の難燃性を向上できる。
・モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、メチルアッシドホスフェート、エチルアッシドホスフェート、ブチルアッシドホスフェート、ジブチルホスフェート、トリメチルフォスフェート(TMP)、トリエチルフォスフェート(TEP)、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)等の芳香族リン酸エステル、およびそれらの誘導体化合物や、それらの縮合物。
・オキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物、及びフェノール(またはアルキルフェノール)との反応生成物。例えばレゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート等の芳香族縮合リン酸エステル、およびそれらの誘導体化合物や、それらの縮合物。
本発明においては、(メタ)アクリル系樹脂組成物が特定の光拡散剤を含むことにより、看板・照明材料として適度な光拡散性を発現するための好適な光学特性及び着色特性を有する、乳半色の樹脂成形体を得ることができる。
前記光拡散剤としては、後述する無機顔料(D)又は後述する樹脂粒子(F)を用いて、前記樹脂成形体(B)を製造できる。
無機顔料(D)は、本発明の樹脂成形体(A)の構成成分の一つである。無機顔料(D)としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムカリウム(雲母)、ケイ酸アルミニウム(カオリン)、酸化チタン、二酸化ケイ素、フッ化カリウム、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ガラスビーズ等の無機化合物が挙げられる。これらの中で、樹脂成形体の難燃性能の発現性の点から酸化チタンが好ましい。
樹脂粒子(F)は、本発明の樹脂成形体(B)の構成成分の一つである。樹脂粒子(F)としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、MS系樹脂(メタクリル−スチレン共重合樹脂)粒子、及びシリコーン系樹脂粒子、ポリエチレン系樹脂粒子、ポリプロピレン系樹脂粒子、ポリエステル系樹脂粒子、ポリアミド系樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して使用することができる。樹脂粒子(F)の構造としては、例えば、グラフトポリマーが挙げられる。樹脂粒子(F)の形態としては、例えば、粉末、ビ−ズ、ペレット及び液体が挙げられる。本発明においては、樹脂成形体(B)の光拡散性の点から、樹脂粒子(F)として(メタ)アクリル樹脂粒子及びスチレン系樹脂粒子が好ましい。このような樹脂粒子(F)としては、市販品を用いてもよく、公知の方法で単量体から製造してもよい。市販品としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂粒子としては、三菱レイヨン(株)製のメタブレンシリーズ(W−341)、綜研化学(株)製のケミスノーMR−2G、MS−300X、旭化成ケミカルズ(株)製のデルペットシリーズ(SRB215)等の市販品を挙げられる。またスチレン系樹脂粒子としてはスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体由来の粒子が挙げられる。これらスチレン系樹脂粒子は、架橋されていても、架橋されていなくても良い。具体的には、綜研化学社製のSXシリーズ(SX−130H、SX−200H、SX−350H)、積水化成品工業社製のSBXシリーズ(SBX−6、SBX−8)等の市販品を挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂組成物を得る方法としては、例えば、以下に示す重合性単量体組成物(S1)にリン原子含有化合物(C)を含有させた重合性組成物(S2)を重合して(メタ)アクリル系樹脂組成物を得る方法が挙げられる。
重合性単量体組成物(S1)は、(メタ)アクリル系樹脂組成物を得るための原料の一実施態様であり、メタクリル酸メチルと、ビニル基を2個以上有する単量体(B)と、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を主成分として含む(メタ)アクリル系重合体(P1)を、該重合性単量体組成物(S1)の総質量に対して、5.0質量%以上40質量%以下と、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル(M)(但し、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)を除く。)を、該重合性単量体組成物(S1)の総質量に対して、5.0質量%以上15.0質量%以下を含有する組成物である。
本発明においては、前記重合性単量体組成物(S1)が前記(メタ)アクリル系重合体(P1)を含有することにより、前記重合性単量体組成物(S1)及び前記重合性組成物(S2)は粘性を有する液体(以下、「シラップ」という)となるため、重合時間を短縮でき、生産性向上することができる。
前記メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体とは、上述した「共重合可能な単量体」と同じ単量体を用いることができる。
前記メタクリル酸エステル(M1)を、該重合性単量体組成物(S1)の総質量に対して、4.0質量%以上14.0質量%以下を含有することにより、得られる樹脂成形体の難燃性と耐候性をより良好なものとすることができる。
重合性単量体組成物(S1)は、予めメタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を主成分として含む(メタ)アクリル系重合体(P1)を含むことができる。
メタクリル酸メチルと、ビニル基を2個以上有する単量体(B)と、前記メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を主成分として含む(メタ)アクリル系重合体(P1)を、該重合性単量体組成物(S1)の総質量に対して、5質量%以上40質量%以下と、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル(M)(但し、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)を除く。)を、該重合性単量体組成物(S1)の総質量に対して、5.0質量%以上15質量%以下を含有する混合物とすることができる。
(方法2)メタクリル酸メチル(MMA)の単独物、又は、MMA90質量%以上100質量%未満とMMAと共重合可能な単量体0質量%を超えて10質量%以下を含む単量体混合物に公知のラジカル重合開始剤を添加して、その一部を重合させ、次いで、前記(メタ)アクリル酸エステル(M)、前記単量体(B)、メタクリル酸メチル及びMMAと共重合可能な単量体から選ばれる少なくとも一種類を所定量だけ添加する方法。
本発明の樹脂成形体を製造する方法は特定に限定されるものではなく、例えば、周辺を樹脂チューブ等のガスケットでシールして対向させた2枚の無機ガラス板または金属板(SUS板)からなる鋳型に前記重合性組成物(S2)を注入して加熱するセルキャスト法か、または同一方向に同一速度で進行する片面鏡面研磨された2枚のステンレス製エンドレスベルトとガスケットでシールされた空間を鋳型として上流から連続的に前記重合性組成物(S2)を注入して加熱することによって連続的に重合する連続キャスト法により樹脂成形体を得る方法が挙げられる。鋳型の空隙の間隔は所望の厚さの樹脂板が得られるように適宜調整されるが、一般的には1〜30mmである。
樹脂成形体の耐熱性は、一般には難燃性の向上に伴い低下する傾向にあるという、難燃性と所謂トレードオフの関係にある。すなわち、本発明の樹脂成形体は、相反する特性である難燃性と耐熱性を両立させているという顕著な特性を有した樹脂成形体である。
MMA:メタクリル酸メチル
IBXMA:メタクリル酸イソボルニル
IBXA:アクリル酸イソボルニル
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
CR570:含塩素縮合リン酸エステル(商品名、大八化学工業(株)製)
St系粒子:市販のスチレン系樹脂粒子(GPC重量平均分子量(Mw):9.1万)
酸化チタン:市販の酸化チタン(平均粒径:0.26μm)
実施例及び比較例における評価は以下の方法により実施した。
(1)難燃性
JIS K 6911−1979の耐燃性試験A法に準拠して樹脂成形体の試験片を作製し、試験片の自消までに要した時間(自消時間)を測定した。また自消時間に応じて下記の4段階評価を行い、「◎」及び「〇」のときに難燃性を合格とした。
◎:試験片の自消時間が1分未満である。
○:試験片の自消時間が1分以上3分未満である。
×:試験片の自消時間が3分以上である。
××:試験片が自消しない。
JIS K 7191に準拠して樹脂成形体の試験片(長さ127mm×幅12.7mm)を作製し、試験片の荷重たわみ温度(以下、「HDT」と示す)(℃)を測定して耐熱性を評価した。HDTに応じて下記の3段階評価を行い、「◎」及び「〇」のときに合格とした。
◎:HDTが80℃を超える。
〇:HDTが70℃以上80℃未満である。
×:HDTが70℃未満である。
JIS K 7136に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業社製、製品:NDH
7000)を用いて、樹脂成形体の試験片(厚み5mm)のヘーズ値を測定した。ヘーズ値に応じて下記の3段階評価を行い、「◎」及び「〇」のときに合格とした。
◎:ヘーズ値が2.0%以下である。
〇:ヘーズ値が2.0%超えて10.0%以下である。
×:ヘーズ値が10.0%を超える。
樹脂成形体中の残存モノマーの含有量の測定は、ガスクロマトグラフィ測定装置(GC装置)(島津製作所製、製品名:ガスクロマトグラフィGC2014、使用カラム:フロンティアラボ社製DB−5、外径0.25mm/内径0.25μm、長さ30m、検出器:FID)を使用して次のように行った。
樹脂成形体2.0gを塩化メチレン30mlに溶解し、これをGC用サンプルとした。GC用サンプル1.0μlをGC装置に注入し、60℃で2分間保持した後、昇温速度15℃/分で150℃まで昇温した。得られたガスクロマトグラムのピーク面積と、あらかじめ作成した検量線にもとづいて、本実験例及び本比較例に使用した単量体の含有量を算出した。
JIS K7350−4に準拠して、サンシャインウェザーメーター(条件:63℃、50%、水噴霧時間 12分/60分)で樹脂成形体を1000時間の暴露試験を行なった。暴露試験の前後にイエローインデックス(YI)を測定し、その差をΔYIとした。ΔYI値に応じて下記の3段階評価を行い、「◎」及び「〇」のときに合格とした。
◎:ΔYIが2以下である。
〇:ΔYIが2を超えて4以下である。
×:ΔYIが4を超える。
厚さ3mmの板状の樹脂成形体を用いて以下の評価を行った。樹脂成形体を、点灯した45Wの蛍光灯から1.5mの距離のところに設置し、樹脂成形体を通して蛍光灯のランプ形状が確認できるかどうかの評価を行った。
○:蛍光灯のランプ形状は確認できない。
△:蛍光灯のランプ形状が極僅かに確認できる。
×:蛍光灯のランプ形状が明らかに確認できる。
厚さ3mmの板状の樹脂成形体を用いて以下の評価を行った。変角光度計((株)村上色彩技術研究所製、商品名:GP−200)を用い、試料に0°で光を入射したときの、試料に対して5°、20°、70°の角度における透過光の輝度値を測定し、拡散率を算出した。
厚さ3mmの板状の樹脂成形体を用いて以下の評価を行った。自記分光光度計((株)日立製作所製、商品名:U−4000)を用い、分光反射率係数を測定し、L*、a*及びb*を算出した。
厚み3mmの板状の樹脂成形体を180℃で2分間加熱した後、真空成形機にて真空度760mmHg、成形温度230℃及び成形時間30秒の条件で、ハット型(直径約10cm、高さ約4cmの円柱型)に成形し、延伸率30%の樹脂成形体試験片を得た。得られた延伸率30%の樹脂成形体試験片を用いて下記の評価を行った。
樹脂成形体試験片の延伸面を、点灯した45Wの蛍光灯から1.5mの距離のところに設置し、樹脂成形体試験片を通して蛍光灯のランプ形状が確認できるかどうかの評価を行った。
○:蛍光灯のランプ形状は確認できない。
△:蛍光灯のランプ形状が極僅かに確認できる。
×:蛍光灯のランプ形状が明らかに確認できる。
樹脂成形体試験片の延伸面を、レンズ付きLEDモジュール((株)ファーストシステム製、発光色:昼白色、平均色温度:6,300゜K)から10cmの距離のところに設置し、樹脂成形体試験片を通してLEDモジュールの形状が確認できるかどうかの評価を行った。
○:LEDモジュールのLEDモジュール形状は確認できない。
△:LEDモジュールのLEDモジュール形状が極僅かに確認できる。
×:LEDモジュールのLEDモジュール形状が明らかに確認できる。
樹脂成形体試験片の延伸面の直上1.5mのところに点灯した45Wの蛍光灯を設置した時の樹脂成形体試験片の延伸面に写し出された蛍光灯の像のクリア度を目視により評価した。
○:蛍光灯像はクリアに写っている。
△:蛍光灯像はわずかにざらついている。
×:蛍光灯像は大きくざらついている。
[実施例1]
(1)シラップ(A)の製造
冷却管、温度計及び攪拌機を備えた反応器(重合釜)にMMA100質量部を供給し、撹拌しながら、窒素ガスでバブリングした後、加熱を開始した。内温が60℃になった時点で、ラジカル重合開始剤である2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル
)0.1部を添加し、更に内温100℃まで加熱した後、13分間保持した。次いで、反応器を室温まで冷却してポリメタクリル酸メチル30質量%及びMMA70質量%を含有するシラップ(A)を得た。
上記のシラップ(A)83.1質量部、単量体(B)としてIBXMA4.4質量部、EDMA0.15質量部及びリン原子含有化合物(C)としてCR570(大八化学工業(株)製、商品名)の12.0質量部を添加し、更にt−ヘキシルパーオキシピバレート0.30質量部を添加して、重合性組成物(S2)を得た。2枚のSUS板を対向させ、
SUS板間の周縁部を樹脂製ガスケットで封じ、これを「型」とした2枚のSUS板間の空隙間隔は4.1mmであった。次いで、前記重合性組成物(S2)を前記型に流し込み、82℃で30分、次いで130℃で30分加熱して、重合性組成物(S2)を重合させた。その後、重合終了後の型を室温まで冷却し、SUS板を取り除いて厚さ3.0mmの板状の樹脂成形体を得た。
重合性組成物(S2)の組成を表1に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。なお、実施例3〜4、参考例3〜5では、シラップ(A)にIBXMA等の各種単量体や難燃剤(CR750)を添加するときに、表1に記載の光拡散剤を同時に添加した。得られた樹脂成形体の評価結果を表2に示す。
また、実施例3〜4、参考例3〜5の樹脂成形体は、表2に記載のとおり、適度な光拡散性と乳半色を有していた。
実施例1で調整したシラップ(A)を用いて、重合性組成物(S2)の組成を表2に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。樹脂成形体の評価結果を表2に示す得られた樹脂成形体は(メタ)アクリル酸エステル(M)由来の繰り返し単位の含有量が少ないため、耐熱性が劣っていた。
重合性組成物(S2)の組成を表2に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の評価結果を表2に示す。得られた樹脂成形体は、メタクリル酸エステル(M1)由来の繰り返し単位を過多に含み、アクリル酸エステル(M2)由来の繰り返し単位を含まないため、得られた樹脂成形体中は、残存モノマー量が多く、ヘーズ値が高く、耐候性も劣っていた。
重合性組成物(S2)の組成を表2に記載のとおりとして、更に表2記載の光拡散剤を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- (メタ)アクリル系重合体(P)とリン原子含有化合物(C)を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリル系重合体(P)が、
メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位と、
ビニル基を2個以上有する単量体(B)由来の繰り返し単位と、
芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル(M)由来の繰り返し単位(但し、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するアクリル酸エステル(M2)由来の繰り返し単位を除く。)を、前記(メタ)アクリル系重合体(P)の総質量に対して、5.0質量%以上15質量%以下を含み、且つ、
前記(メタ)アクリル系重合体(P)が、前記(メタ)アクリル酸エステル(M)由来の繰り返し単位として、芳香族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を側鎖に有するメタクリル酸エステル(M1)由来の繰り返し単位を、該(メタ)アクリル系重合体(P)の総質量に対し、4.0質量%以上14質量%以下を含み、
前記リン原子含有化合物(C)が、リン酸エステル及びホスホン酸エステルから選ばれる少なくとも1種類である、(メタ)アクリル系樹脂組成物。 - 前記(メタ)アクリル重合体(P)が、該(メタ)アクリル重合体(P)の総質量に対し、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位81質量%以上95質量%以下を含む、請求項1に記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記メタクリル酸エステル(M1)が、メタクリル酸イソボルニル及びメタクリル酸シクロヘキシルから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体(P)が、該(メタ)アクリル系重合体(P)の総質量に対して、単量体(B)由来の繰り返し単位0.05質量%以上0.40質量%以下を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記単量体(B)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が、前記(メタ)アクリル系重合体(P)100質量部に対して、前記リン原子含有化合物(C)5.0質量部以上35質量部を以下含む、請求項1〜5のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記メタクリル樹脂組成物が、前記(メタ)アクリル系重合体(P)100質量部に対して、無機顔料(D)0.001質量部以上0.35質量部以下を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 前記メタクリル樹脂組成物が、前記(メタ)アクリル系重合体(P)100質量部に対して、樹脂微粒子(F)0.1質量部以上4.0質量部以下を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物からなる樹脂成形体。
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