JP2020152756A - 水性インク用水系染料分散体及び水性インク - Google Patents

水性インク用水系染料分散体及び水性インク Download PDF

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Abstract

【課題】分散安定性が良好で、捺染方法によらず所望の色目の印刷物を形成可能な水性インク用水系染料分散体及び水性インクを提供すること。【解決手段】下記式(1)で示される染料誘導体、水不溶性染料、分散剤及び水を含む水性インク用水系染料分散体。(式(1)中、R1はアミノ基を示し、R2はイミダゾール又はオキサゾールとの2環縮合環の基を示し、R3は水酸基又は−NH−R8−NR9R10で表される基を示す。R8は、炭素数1〜4のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R9及びR10は独立して選択される炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0より大きく2以下の実数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク用水系染料分散体及び水性インクに関し、より詳細には、インクジェット方式の印刷用水性インクの製造に用いられる水系染料分散体及びこれを含む水性インクに関するものである。するものである。
インクジェット方式の印刷方法は、家庭用やオフィス用の複写機、印刷機、ファクシミリなどで広く用いられているが、近年印刷品質が向上したことにより、カタログ、雑誌、パッケージラベル等の紙類、缶等の金属製品、タイル等のセラミック製品、フィルム等の樹脂製品、生地等の繊維製品等の商業用や工業用の印刷でも採用されるようになってきている。このような各種の印刷においては、着色基材の種類等に応じて各種の染料が用いられている。例えば、疎水性繊維製の生地等の繊維製品への印刷は分散染料等の水不溶性染料が用いられている。このような水不溶性染料を用いた疎水性繊維製の生地への印刷方法としては、インクを繊維へ直接塗布した後、スチーミング等の熱処理により染料を染着させる捺染方法(ダイレクト捺染方法)や、紙等の中間記録媒体にインクを塗布した後、中間記録媒体に繊維を接触させて、熱により中間記録媒体から繊維へ染料を昇華転写させる昇華型熱転写による捺染方法(昇華型捺染方法、例えば、特許文献1参照。)が知られている。
このような水不溶性染料を用いた捺染方法に用いられるインクでは、一般に溶媒として水が用いられるため、水不溶性染料を水中に分散させる必要がある。そのため、一般に分散剤や分散助剤として色素誘導体が用いられている。しかし、インク中の水不溶性染料を含む粒子が調製中や調製後に凝集して沈降するなど、調製時や保存時の分散安定性が必ずしも十分ではない場合がある。また、保存時の安定性が十分ではないと、例えばインクジェット方式の印刷装置では、吐出時の安定性も十分ではない。
特開2015−93957号公報
前述のように、分散染料等の水不溶性染料を水中に分散させたインクは、従来の分散剤を用いてもインク中の粒子が凝集し保存時の分散安定性が十分ではない場合がある。また、本発明者の検討の結果、分散剤と色素誘導体を用いると、分散安定性は有しても、例えば、繊維製品へインクを捺染する際に、分散染料の種類及び捺染方法によって印刷物の色目が異なる場合があることを見出した。特に、ダイレクト捺染方法を採用した場合、印刷物の色目が異なる場合があることを見出した。
そこで、本発明の目的は、分散安定性が良好で、捺染方法によらず所望の色目の印刷物を形成可能な水性インク用水系染料分散体及び水性インクを提供することである。
本発明者は、前述の課題解決のため鋭意検討を行った。その結果、分散助剤として特定の染料誘導体を分散助剤として用いることで、分散安定性が良好で、捺染方法によらず所望の色目の印刷物を形成可能な水性インク用水系染料分散体及び水性インクを提供可能であることを見出した。
本発明の第一は、下記式(1)で示される染料誘導体、水不溶性染料、分散剤及び水を含む水性インク用水系染料分散体に関する。
Figure 2020152756
(式(1)中、Rはアミノ基を示し、Rは下記式(2)又は(3)で表される基を示し、Rは水酸基又は−NH−R−NR10で表される基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R及びR10は独立して選択される炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0より大きく2以下の実数を示す。)
Figure 2020152756
(式(2)中、*は結合手を示す。)
Figure 2020152756
(式(3)中、R〜Rは独立して水素原子又はハロゲン原子を示す。*は結合手を示す。)
本発明の実施形態では、前記式(1)で示される染料誘導体が、下記式(4)で示される染料誘導体であってもよい。式(4)中、R、R、Rは、上記式(1)のものと同じである。
Figure 2020152756
本発明の実施形態では、式(1)中のRが、−NH、−NHR(式中、Rは炭素数1〜4の炭化水素基を示す。)及び−NR10(式中、R、R10は、それぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基を示す。)から選択される基であってもよい。
本発明の第二は、前述の水性インク用水系染料分散体及び界面活性剤を含む水性インクに関する。本発明の実施形態では、当該水性インクは、インクジェット方式による記録用であってもよい。
本発明によれば、分散安定性が良好で、捺染方法によらず所望の色目の印刷物を形成可能な水性インク用水系染料分散体及び水性インクを提供可能である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(水性インク用水系染料分散体)
本発明の実施形態に係る水性インク用水系染料分散体は、下記式(1)で示される染料誘導体、水不溶性染料、分散剤及び水を含む。
Figure 2020152756
(式(1)中、Rはアミノ基を示し、Rは下記式(2)又は(3)で表される基を示し、Rは水酸基又は−NH−R−NR10で表される基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R及びR10は独立して選択される炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0より大きく2以下の実数を示す。)
Figure 2020152756
(式(2)中、*は結合手を示す。)
Figure 2020152756
(式(3)中、R〜Rは独立して水素原子又はハロゲン原子を示す。*は結合手を示す。)
このように、式(1)で示される染料誘導体を含むことで、水不溶性染料を含む粒子の分散状態を安定して維持することができるとともに、当該染料分散体を含む水性インクにおいても、水不溶性染料を含む粒子の分散状態を安定して維持することができる。また、捺染方法によらず所望の色目の印刷物を形成可能である。特に、ダイレクト捺染方法において、染料誘導体を用いない場合や昇華型捺染方法の場合の色目と同程度の色目の印刷物を形成可能である。昇華型捺染方法の場合は、中間記録媒体に印刷された印刷物を熱により繊維へ昇華転写させる。そのため、昇華型捺染方法では、染料誘導体を用いた場合でも、昇華性のない染料誘導体であれば、染料誘導体を用いない場合と同様の色目の印刷物を形成可能である。ダイレクト捺染方法は、繊維に直接印刷するため、染料誘導体が印刷物中に残存する。その結果、染料誘導体固有の色目が印刷物の色目に影響する。しかし、式(1)で示される染料誘導体を用いることで、色目への影響を低減することができる。
式(1)中、Rはアミノ基であればよく、例えば、−NH、−NHR、−NR10から選択される基であればよいが、−NR10でされる基が好ましい。ここで、R、R、R10は、炭素数1〜4の炭化水素基であればよい。また、R、R10は、それぞれ独立してこれらの基であればよい。炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。また、これらの炭化水素基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。このような炭化水素基のうち、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましく、無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
式(3)で表される基は、式中のR〜Rが、独立して水素原子又はハロゲン原子で示されるものであればよいが、R〜Rのうち少なくとも1つがハロゲン原子であるものが好ましい。この場合、R〜Rの何れがハロゲン原子であってもよいが、例えばR5がハロゲン原子であるものが好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子等であればよいが、塩素原子が好ましい。
式(1)中、R及びRの結合位置は特に限定はないが、下記式(4)で示されるものが好ましい。
Figure 2020152756
尚、式(4)中、R〜R及びnは、式(1)のものと同じである。
式(1)で示される染料誘導体は、従来公知の染料誘導体の製造方法に従って製造することができる。
染料分散体中の染料誘導体の含有量は、分散安定性の観点から、水不溶性染料100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。
水不溶性染料は、水に不溶又は難溶の染料であれば特に限定はない。このような染料としては、分散染料、油溶性染料、酸性染料等が挙げられる。尚、本発明において「水不溶性」とは、25℃の水に対する溶解度が1g/m以下を意味する。
分散染料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.)番号で示すと、例えば以下のものが挙げられる。
C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224など;
C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142など;
C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、289、298、302、303、310、311、312、320、324、328など;
C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77など;
C.I.ディスパースグリーン6:1、9など;
C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19など;
C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、359など;
C.I.ディスパースブラック1、3、10、24など。
油溶性染料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.)番号で示すと、例えば以下のものが挙げられる。
C.I.ソルベントイエロー1、2、3、5、6、13、14、16、19、21、22、29、33、36、37、38、39、40、43、44、45、47、62、63、71、76、81、85、86、93、114、151、157、163など;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、55、60、67など;
C.I.ソルベントレッド1、3、8、18、23、24、27、35、36、37、38、39、40、43、48、49、51、52、58、60、65、69、81、86、89、91、92、97、99、100、109、111、118、119、122、125、127、130、132、135、145、146、149、150、151、155、168、176、179、180、181、195、207、218、225、233など;
C.I.ソルベントバイオレット13、31、36、37、57、59など;
C.I.ソルベントブルー14、24、25、26、34、35、36、37、38、39、42、43、44、45、48、52、53、55、59、63、67、70、78、83、87、94、104、105、111、132、136など;
C.I.ソルベントグリーン3、5、7、20、28など;
C.I.ソルベントブラック3、5、7、8、14、17、19、20、22、24、26、27、28、43など。
水不溶性染料は、1種でもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
水不溶性染料の平均粒径は、用途に応じて適宜決定することができるが、例えば最終的に得られる水性インクがインクジェット方式による印刷に使用される場合は、吐出性の観点から、50〜200nmが好ましい。尚、平均粒径は、動的光散乱法、レーザー回折法などの一般的な方法により測定することができる。
水不溶性染料の含有量(固形分)は、インク作製時の組成の自由度確保と着色力の観点から、染料分散体総重量に対して1〜25重量%が好ましい。
分散剤としては、特に限定はなく、例えば、樹脂型分散剤、界面活性剤型分散剤等が挙げられる。また、樹脂型分散剤には、樹脂の酸価とアミン価の違いから、アミン価が0で、酸価が0より大きい酸価型の分散剤、酸価が0で、アミン価が0より大きいアミン価型の分散剤、酸価及びアミン価が0より大きい分散剤がある。また、酸価及びアミン価が何れも0の樹脂型分散剤もある。
樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン;ポリエステル;不飽和ポリアミド;燐酸エステル;ポリカルボン酸及びそのアミン塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩;ポリカルボン酸エステル;水酸基含有ポリカルボン酸エステル;ポリシロキサン;変性ポリアクリレート;アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム等の水溶性高分子化合物;スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸エステル樹脂、メタクリル酸−メタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ビニル−エステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のエチレン性二重結合含有樹脂;ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等のアミン系樹脂;等が挙げられる。
樹脂型分散剤は種々のものが市販されており、その具体例は以下の通りであるが、これらに限定されるわけではない。
日本ルーブリゾール株式会社製:ソルスパース 3000、9000、13240、17000、20000、24000、26000、27000、28000、32000、32500、38500、39000、55000、41000、
ビックケミー・ジャパン株式会社製:Disperbyk 108、110、112、140、142、145、161、162、163、164、166、167、171、174、182、190、2000、2001、2015、2050、2070、2150、LPN6919、LPN21116、
BASF社製:EFKA 4401、4403、4406、4330、4340、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、5064、5207、5244、PX4701、
味の素ファインテクノ株式会社製:アジスパー−PB821(F)、PB822、PB880、
川研ファインケミカル株式会社製:ヒノアクトT−8000、
楠本化成株式会社製:ディスパロンPW−36、ディスバロンDA−325、375、7301、等。
樹脂型分散剤の分子量は、特に限定はないが、重量平均分子量が1000〜30000が好ましい。
樹脂型分散剤の酸価及びアミン価は、樹脂型分散剤を構成する樹脂に含まれる官能基とその含有量により決定される。酸価(固形分換算したときの酸価)は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができ、アミン価(固形分換算したときのアミン価)は、例えば、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。酸価型の分散剤の酸価は、特に限定はないが、10〜200が好ましく、アミン価型の分散剤のアミン価は特に限定はないが、20〜160が好ましい。酸価とアミン価が0より大きい分散剤の場合は、特に限定はないが、酸価が20〜160が好ましく、アミン価が30〜150が好ましい。
界面活性剤型分散剤としては、イオン性に応じて、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル等のアニオン活性剤(アニオン型)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン活性剤(ノニオン型)、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン活性剤(カチオン型)等が挙げられる。界面活性剤型分散剤も種々のものが市販されており、その具体例は以下の通りであるが、これらに限定されるわけではない。
花王株式会社製:デモール N、RN、MS、SN−B、エマルゲン 120、430、アセタミン 24、86、コータミン24P、
日光ケミカルズ株式会社製:NIKKOL BPS−20、BPS−30、DHC−30、BPSH−25、
第一工業製薬株式会社製:プライサーフ AL、A208F、
ライオン株式会社製:アーカード C−50、T−28、T−50、など。
以上のような分散剤は、1種でもよいし、2種以上組み合わせたものでもよい。2種以上組み合わせる場合、例えば、樹脂型分散剤の場合は、樹脂の異なるもの同士、酸価型とアミン価型のものを組み合わせる、界面活性剤型分散剤の場合は、イオン性の異なるもの同士(例えば、アニオン型とノニオン型など)を組み合わせる、等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
染料分散体中の分散剤の含有量(固形分又は有効成分)は、分散安定性の観点から、水不溶性染料100重量部に対して10〜200重量部が好ましく、15〜150重量部がより好ましい。ただし、分散剤の最適な添加量は、使用する水不溶性染料の種類との組み合わせなどにより、適宜、調整するとよい。
水としては、特に限定はないが、イオン交換水、蒸留水、超純水などの不純物が少ないものが好ましい。また、滅菌処理を施したものを用いてもよい。
染料分散体中の水の含有量は、用途に応じて適宜選択すればよいが、概ね水不溶性染料100重量部に対して200〜8500重量部である。
染料分散体には、水不溶性染料の濡れ性を向上させたり、その溶解度を調整したり、流動性を確保したりするため、水溶性有機溶剤を含んでもよい。このような水溶性有機溶剤は、後述するものを用いることができる。その含有量は、概ね水不溶性染料100重量部に対して0.4〜500重量部が好ましい。
染料分散体には、前述した各成分以外に、前述したような効果を阻害しない範囲で、他の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤、消泡剤、等が挙げられる。これらの各添加剤の含有量は、その機能を発揮する範囲で用いればよいが、概ね水不溶性染料100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましい。
染料分散体は例えば次のようにして製造することができる。
前述した各成分を混合し、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、高圧乳化機等を用いて分散処理することで染料分散体を得ることができる。
一例としてサンドミルを用いる場合について説明する。まず、各成分及び分散媒体としてのビーズをサンドミルに仕込む。ビーズとしては、0.01〜1mmの粒子径のガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を用いることができる。ビーズの使用量は、染料分散体1重量に対して2〜6重量を添加するのが好ましい。その後、サンドミルを作動させ分散処理する。分散処理条件は、概ね1000〜2000rpmで1〜20時間が好ましい。そして、分散処理後にビーズを濾過等により除去することで、染料分散体が得られる。
染料分散体は、式(1)で示す構造を有する染料誘導体を用いることで、水不溶性染料を含む粒子の分散状態を安定して維持することができる。即ち、後述するように、染料分散体を保存中に染料分散体中の粒子が凝集して平均粒径が大きくなることを効果的に抑制することができる。また、粒子が沈降することも効果的に抑制することができる。
(水性インク)
本発明の実施形態に係る水性インクは、前述の水性インク用水系染料分散体、及び、界面活性剤を含む。このように染料分散体を用いることで、水性インクとしても、保存中に粒子が凝集して平均粒径が大きくなることを効果的に抑制することができる。
染料分散体の含有量は用途等に応じて適宜決定することができるが、着色力の観点から、インク総重量に対する水不溶性染料の含有量が0.1〜10重量%となるように、染料分散体が含まれることが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定はなく、水性インクに一般的に使用されている界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、基材への濡れ性を高めて水性インクの浸透性を向上させることができる。このような界面活性剤としては、イオン性の観点では、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン性の何れでも良い。また、インクジェット方式による印刷におけるインクの吐出応答性をも向上させるなどの観点では、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、未変性ポリオルガノシロキサン、エーテル変性ポリオルガノシロキサン、エステル変性ポリオルガノシロキサン、エポキシ変性ポリオルガノシロキサン、アミン変性ポリオルガノシロキサン、カルボキシル変性ポリオルガノシロキサン、フッ素変性ポリオルガノシロキサン、アルキルオキシ変性ポリオルガノシロキサン、メルカプト変性ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、フェノール変性ポリオルガノシロキサン、フェニル変性ポリオルガノシロキサン、カルビノール変性ポリオルガノシロキサン、又はアラルキル変性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
これらのシリコーン系界面活性剤は、合成してもよいし市販品を購入してもよい。市販品としては、例えば、BYK−306、307、333、337、341、345、346、347、348、349、378(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、352A、353、354L、355A、615A、945、640、642、643、6011、6012、6015、6017、6020、X−22−4515(以上、信越化学株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
フッ素化合物系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものが挙げられる。このような界面活性剤は、例えば、DIC社製のメガファック144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、145、サーフロンS−131、132、211等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
以上のような界面活性剤は、1種でもよいし、2種以上含まれていてもよい。
水性インクの界面活性剤の含有量は、用途等に応じて適宜選択することができるが、水性インク中で、着色基材への濡れ性とインク混和性の観点から、水性インク総重量に対して、0.1〜5重量%であるのが好ましい。
水性インクには、水不溶性染料の濃度を調整するために、さらに水を添加してもよい。水の添加量は、水性インクの用途等に応じて適宜決定することができるが、染料分散体中の水を含めて、水性インク総重量中40〜85重量%になるように添加するのが好ましい。尚、水は、前述のように染料分散体で用いることが可能なものを用いることができる。
水性インクには、染料分散体及び界面活性剤、並びに必要に応じて追加する水以外に、他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、水溶性有機溶剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤、消泡剤、等が挙げられる。これらの各添加剤の含有量は、その機能を発揮する範囲で用いればよい。
水溶性有機溶剤としては、特に限定はなく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール類、多価アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類が含まれる。このうち、インクジェット方式の印刷装置内におけるインクの揮発抑制や固化防止の観点からは、多価アルコール類が好ましい。このような多価アルコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジグリコール;グリセリン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有量は、水性インク総重量に対して、1〜40重量%であることが好ましい。
pH調整剤としては、特に限定はなく、水性インクのpHを6〜11の範囲に調整できる化合物であれば、特に制限は無い。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類;アンモニア水;等が挙げられる。
pH調整剤の含有量は、水性インク総重量に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。
水性インクは、定法に従って、染料分散体及び界面活性剤、並びに、必要に応じて添加する水及び前述の添加剤を撹拌装置に投入し、撹拌することで得ることができる。
このようにして得られる水性インクは、前述の染料誘導体を用いて得られた染料分散体を含むことで、水性インクに含まれる他の成分の存在下でも、水性インク内の粒子の凝集が効果的に抑制されるため、安定性した保存が可能である。また、ダイレクト捺染を行っても、印刷物の色目が染料誘導体を用いない場合や昇華型捺染のように染料誘導体が昇華せず印刷物に転写されない場合と同様の色目を実現することができる。
このように水性インクは、安定した保存が可能であることから、各種の用途に適用可能である。例えば、家庭用及びオフィス用の印刷機、複写機及びファクシミリの記録用インクや、カタログ、雑誌、パッケージラベル等の紙類、缶等の金属製品、タイル等のセラミック製品、フィルム等の樹脂製品、生地等の繊維製品等の着色基材に対する印刷用インク(又は記録用インク)として好適に用いることができる。特に、水性インク中の粒子の凝集を抑制可能なことから、インク充填後でも、粒子の凝集が抑制されて安定した保存が可能なため、吐出の安定性が高く、インクジェット方式による記録用インクとして好適である。また、生地等の繊維製品に対するインクジェット方式による印刷に関し、前述の水性インクは、着色基材である生地に直接印刷するダイレクト捺染用水性インクとして特に好適である。もっとも、生地に対する昇華型熱転写に用いる紙や樹脂製の着色基材である中間記録媒体へ印刷する昇華型捺染用水性インクとして用いてもよいことは勿論のことである。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
(製造例1)染料誘導体1の製造
クロロスルホン酸:250重量部、C.I.Disperse Yellow 82(日本化薬株式会社製、kayaset yellow SF−G):33.3重量部、塩化チオニル:11.9重量部を混合し、100℃で20時間撹拌して反応させた。得られた反応液を多量の冷水と混合して結晶を析出させた。得られた結晶を濾別した後、純水で洗浄し、赤橙色水ペーストを得た。このペーストを、冷水:1000重量部に分散させ、ジエチルアミノプロピルアミン:52.1重量部と混合し、20℃で15時間撹拌して反応させた。その後、濾別し、さらに純水で洗浄し、80℃で乾燥させ、染料誘導体1:44.7重量部を得た。
得られた染料誘導体1の化学構造の同定は、株式会社島津製作所製、AXIMA−CFR plus型 マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF−MS)にて、α−シアノ−4−ヒドロキシけい皮酸(CHCA)をマトリックスとして、正イオンモードで測定することにより行った。その結果、m/z=525に分子イオンピークが観測された。この値は、式(4)において、Rが、−N(Cで表される基、Rが式(2)で表される基、Rが−NH−C−N(Cで表される基、nが1に相当するモノアイソトピック質量と一致する。
(製造例2)染料誘導体2の製造
22%発煙硫酸:292重量部、C.I.Disperse Yellow 232(ランクセス社製、Macrolex Fluorescent Yellow 10GN):38.4重量部を混合し、80℃で24時間撹拌して反応させた。得られた反応液を多量の冷水と混合して結晶を析出させた。得られた結晶を濾別した後、10%硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、橙色水ペーストを得た。このペーストを、80℃で乾燥させ、固形物:58.5重量部を得た。
得られた固形物:44.8重量部、クロロスルホン酸:250重量部、塩化チオニル:25.1重量部を混合し、85℃で3時間撹拌して反応させた。得られた反応液を多量の冷水と混合して結晶を析出させた。得られた結晶を濾別した後、純水で洗浄し、黄色水ペーストを得た。このペーストを、冷水:1000重量部に分散させ、ジエチルアミノプロピルアミン:130.2重量部と混合し、20℃で15時間撹拌して反応させた。その後、濾別し、さらに純水で洗浄し、80℃で乾燥させ、染料誘導体2:44.0重量部を得た。
実施例1と同様にして、得られた染料誘導体2の化学構造の同定を行ったところ、m/z=560に分子イオンピークが観測された。この値は、式(4)において、Rが、−N(Cで表される基、Rが式(2)で表される基であって、R、R、Rが水素原子、Rが塩素原子で表される基、Rが−NH−C−N(Cで表される基、nが1に相当するモノアイソトピック質量と一致する。
(実施例1)
水不溶性染料としてC.I.ディスパーイエロー114(有本化学工業株式会社製 Oil Yellow DY−572):13.5重量%、製造例1で得られた染料誘導体1:1.5重量%、樹脂型分散剤(BYK社製、Disperbyk 190、固形分40%、酸価10mg−KOH/g):3重量%(固形分)、イオン交換水:残部、0.3mm径ジルコニアビーズ:460重量部をサンドミルに仕込み、1500rpmで15時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(実施例2)
染料誘導体1に替えて、製造例2で得られた染料誘導体2を用いた以外は、実施例1と同様にして、水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(実施例3)
C.I.ディスパースイエロー114に替えて、C.I.ディスパースイエロー232(ランクセス社製、Macrolex Fluorescent Yellow 10GN)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(実施例4)
C.I.ディスパースイエロー114に替えて、C.I.ディスパースイエロー232(ランクセス社製、Macrolex Fluorescent Yellow 10GN)を用いた以外は、実施例2と同様にして、水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(比較例1)
C.I.ディスパースイエロー114の含量を13.5重量%に替えて、15重量%とし、染料誘導体1を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(比較例2)
C.I.ディスパースイエロー232の含量を13.5重量%に替えて、15重量%とし、染料誘導体2を用いなかったこと以外は、実施例3と同様にして、水系染料分散体を得た。得られた水系染料分散体の組成は表1に示すとおりである。
(評価)
実施例及び比較例の水系染料分散体を用いて水性インクを調製し、その水性インクについて、以下の評価を行った。評価結果は表1に示すとおりである。
<水性インクの作製>
実施例及び比較例で得られた水系染料分散体:3g、界面活性剤(BYK社製、BYK−348):0.1g、グリセリン:2g、プロピレングリコール:1g、イオン交換水:3gを混合、撹拌し、水性インクを調製した。
<安定性試験>
インク安定性は、保存時における水性インク中の粒子の凝集のし易さを、粒径の増加率を指標として加速的に評価するものである。
調製した各水性インク10gを密閉容器に採取して、60℃で1週間静置した。室温に冷却した後、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子株式会社製、ELS−8000)により、水性インク中の粒子の平均粒径(A)を測定した。尚、60℃で静置する前に、同様にして測定した平均粒径(B)に対する増加率により、安定性を評価した。増加率(%)は、次式により算出した。
増加率(%)=(A−B)/B×100
評価基準は、以下のとおりである。
○:平均粒径の増加率が10%未満
△:平均粒径の増加率が10%以上20%未満
×:平均粒径の増加率が20%以上
<発色試験>
調製した水性インク:2gを、ポリエステル製布帛(帝人株式会社製、ポリエステルトロピカル)に0.15mmバーコーターにて展色し、一晩、常温にて乾燥させた後、200℃で、1分間加熱し、発色させた。水性インクが印刷された布帛の表面を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、製品名CM−3700d)を用いて、正反射光除去(SCE)方式にて、L*、a*、b*を測定し、色差ΔEを算出した。実施例1、2については比較例1との差(ΔE)、実施例3、4について比較例2との差(ΔE)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2020152756
表1に示すように、特定の染料誘導体を用いると、インク安定性が良好で、ダイレクト捺染を行っても、染料誘導体を用いない場合と同程度の色目となっていることが分かる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で示される染料誘導体、水不溶性染料、分散剤及び水を含む水性インク用水系染料分散体。
    Figure 2020152756
    (式(1)中、Rはアミノ基を示し、Rは下記式(2)又は(3)で表される基を示し、Rは水酸基又は−NH−R−NR10で表される基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R及びR10は独立して選択される炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0より大きく2以下の実数を示す。)
    Figure 2020152756
    (式(2)中、*は結合手を示す。)
    Figure 2020152756
    (式(3)中、R〜Rは独立して水素原子又はハロゲン原子を示す。*は結合手を示す。)
  2. 前記式(1)で示される染料誘導体が、下記式(4)で示される染料誘導体である、請求項1記載の水性インク用水系染料分散体。
    Figure 2020152756
  3. 式(1)中のRが、−NH、−NHR(式中、Rは炭素数1〜4の炭化水素基を示す。)及び−NR10(式中、R、R10は、それぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基を示す。)から選択される基である、請求項1又は2に記載の水性インク用水系染料分散体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の水性インク用水系染料分散体及び界面活性剤を含む水性インク。
  5. インクジェット方式による記録用である請求項4記載の水性インク。
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