JP2020152595A - ハニカム構造体 - Google Patents

ハニカム構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2020152595A
JP2020152595A JP2019050580A JP2019050580A JP2020152595A JP 2020152595 A JP2020152595 A JP 2020152595A JP 2019050580 A JP2019050580 A JP 2019050580A JP 2019050580 A JP2019050580 A JP 2019050580A JP 2020152595 A JP2020152595 A JP 2020152595A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb
heat transfer
honeycomb structure
transfer assisting
assisting member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019050580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7304179B2 (ja
Inventor
廣瀬 正悟
Shogo Hirose
正悟 廣瀬
喬洋 大根田
Takahiro Oneda
喬洋 大根田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2019050580A priority Critical patent/JP7304179B2/ja
Publication of JP2020152595A publication Critical patent/JP2020152595A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7304179B2 publication Critical patent/JP7304179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体を提供する。【解決手段】ハニカムセグメント接合体10、及び外周壁13を備え、ハニカムセグメント接合体10は、複数個の柱状のハニカムセグメント4と、複数個のハニカムセグメント4の側面同士を格子状に接合する接合層14と、接合層14の交点部14aの少なくとも1つに配設された伝熱補助部材15と、を有し、ハニカムセグメント4は、複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有し、伝熱補助部材15は、ハニカムセグメント接合体10の第一端面11からハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さの少なくとも50%までの範囲に配置され、且つ、伝熱補助部材15は、接合層14の交点部14aのうち、ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の交点部14aの全てに配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。更に詳しくは、耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体に関する。
近年では、社会全体で環境問題に対する意識が高まっており、燃料を燃焼して動力を生成する技術分野では、燃料の燃焼時に発生する排ガスから、窒素酸化物等の有害成分を除去する様々な技術が開発されている。例えば、自動車のエンジンから排出される排ガスから、窒素酸化物等の有害成分を除去する様々な技術が開発されている。こうした排ガス中の有害成分の除去の際には、触媒を用いて有害成分に化学反応を起こさせて比較的無害な別の成分に変化させるのが一般的である。そして、排ガス浄化用の触媒を担持するための触媒担体として、ハニカム構造体が用いられている。
また、内燃機関の燃焼により排出される排ガスには、窒素酸化物等の有毒ガスとともに、煤等の粒子状物質が含まれている。以下、粒子状物質を、「PM」ということがある。PMは、「Particulate Matter」の略である。例えば、ガソリンエンジンから排出されるPMの除去に関する規制は世界的に厳しくなっており、PMを除去するためのフィルタとして、ハニカム構造体が用いられている。
従来、このようなハニカム構造体として、複数個のハニカムセグメントが接合層によって接合されたハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。以下、このようなハニカム構造体を「セグメント構造のハニカム構造体」ということがある。セグメント構造のハニカム構造体は、1つのハニカム構造体が、複数個のハニカムセグメントによって分割された構造を有しているため、ハニカム構造体に生じる熱応力を分散させることができる。また、セグメント構造のハニカム構造体では、複数個のハニカムセグメントを接合する接合層が、熱応力を緩和する緩衝部材の役割を果すこともある。
セグメント構造のハニカム構造体は、例えば、以下の方法で製造されている。まず、複数個のハニカムセグメントを作製する。次に、作製したハニカムセグメントの側面に、ペースト状の接合材を塗布する。次に、接合材を塗布したハニカムセグメントを、互いの側面同士が対向するように組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する。次に、ハニカムセグメントの組立体を乾燥させて、複数個のハニカムセグメントの側面同士を接合材によって接合して、ハニカムセグメントの接合体を作製する。次に、必要に応じて、ハニカムセグメントの接合体の外周部分を所望の形状に加工して、ハニカム構造体を製造する。以下、本明細書において、「接合材」とは、乾燥する前のペースト状の流動性を有する物質を意味し、「接合層」とは、接合材が乾燥した後の固体状の物質を示す。接合材が乾燥した後の接合層は、通常、多孔質の構造体である。
特開2015−187044号公報
上述したように、セグメント構造のハニカム構造体は、複数個のハニカムセグメントを接合する接合層が、熱応力を緩和する緩衝部材の役割を果すため、一体成形品のハニカム構造体と比較した場合には、耐熱衝撃性に優れている。しかしながら、セグメント構造のハニカム構造体であっても、軸方向に直交する断面における外側部分と内側部分とで温度差が生じた場合に、耐熱衝撃性が低下するという問題があった。例えば、ハニカム構造体を大型化した場合や、個々のハニカムセグメントを構成する隔壁を肉厚化した場合などにおいては、上述した温度差がより付き易くなるため、耐熱衝撃性の低下が顕著になる。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明によれば、より耐熱衝撃性に優れた、セグメント構造のハニカム構造体が提供される。
本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体が提供される。
[1] ハニカムセグメント接合体、及び前記ハニカムセグメント接合体の外周を囲繞するように配置された外周壁を備え、
前記ハニカムセグメント接合体は、複数個の柱状のハニカムセグメントと、複数個の前記ハニカムセグメントの側面同士を格子状に接合する接合層と、前記接合層の交点部の少なくとも1つに配設された伝熱補助部材と、を有し、
前記ハニカムセグメントは、第一端面から第二端面まで延びる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有し、
前記伝熱補助部材は、前記ハニカムセグメント接合体の前記第一端面から当該ハニカムセグメント接合体の軸方向の長さの少なくとも50%までの範囲に配置され、且つ、
前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記ハニカムセグメント接合体の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の前記交点部の全てに配置されている、ハニカム構造体。
[2] 前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記断面の重心から径方向の長さの少なくとも50%以内の前記交点部の全てに配置されている、前記[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記断面の重心から径方向の長さの少なくとも80%以内の前記交点部の全てに配置されている、前記[1]に記載のハニカム構造体。
[4] 前記伝熱補助部材は、前記ハニカムセグメント接合体の前記第一端面から前記軸方向の長さの少なくとも80%までの範囲に配置されている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体。
[5] 前記伝熱補助部材が、融点が700℃以上、且つ熱伝導率が15W/mK以上のものである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体。
[6] 前記伝熱補助部材の材質が、銅又はステンレスである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体。
[7] 前記ハニカムセグメント接合体の前記軸方向に直交する面において、前記伝熱補助部材の径が、前記接合層の前記交点部に仮想的に描かれる内接円に対して、70〜100%の大きさである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体。
[8] 前記伝熱補助部材が、中実の柱状部材、中空の柱状部材、又は網目構造を有する柱状部材である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のハニカム構造体。
[9] 前記伝熱補助部材が、肉厚が0.1mm以上、0.5mm以下の中空の柱状部材である、前記[8]に記載のハニカム構造体。
[10] 前記伝熱補助部材が、繊維径が0.1mm以上、0.5mm以下の網目構造を有する柱状部材である、前記[8]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの側面同士を格子状に接合する接合層の所定の交点部に、伝熱補助部材が配設されている。このため、伝熱補助部材によって、ハニカム構造体内の温度差を小さくすることができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。特に、セグメント構造のハニカム構造体は、中央部に熱が伝わり難く、外周部と中央部とに温度差が付き易い。このため、本発明のハニカム構造体は、ハニカムセグメント接合体の断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の交点部に対して優先的に伝熱補助部材を配置し、ハニカム構造体内の温度差を小さくし、耐熱衝撃性を向上させている。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示すハニカム構造体の第一端面側を示す平面図である。 図2のA−A’断面を模式的に示す断面図である。 図2のB−B’断面を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態に用いられるハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一の実施形態は、図1〜図4に示すようなハニカム構造体100である。ここで、図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すハニカム構造体の第一端面側を示す平面図である。図3は、図2のA−A’断面を模式的に示す断面図である。図4は、図2のB−B’断面を模式的に示す断面図である。
図1〜図4に示すハニカム構造体100は、ハニカムセグメント接合体10、及びハニカムセグメント接合体10の外周を囲繞するように配置された外周壁13を備えた、セグメント構造のハニカム構造体100である。
ハニカムセグメント接合体10は、複数個の柱状のハニカムセグメント4と、複数個のハニカムセグメント4の側面同士を格子状に接合する接合層14と、接合層14の交点部14aの少なくとも1つに配設された伝熱補助部材15と、を有している。
図5に示すように、柱状のハニカムセグメント4は、第一端面11から第二端面12まで延びる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有している。図5は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態に用いられるハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。図5に示すように、ハニカムセグメント4は、隔壁1を囲繞するように配置されたセグメント外壁3を更に有している。このようなセグメント外壁3が、ハニカムセグメント4の側面となり、複数個のハニカムセグメント4の側面同士が接合層14(図2参照)によって接合され、図1〜図4に示すようなハニカムセグメント接合体10を構成している。
図1〜図4に示すハニカム構造体100において、ハニカムセグメント接合体10は、接合層14によって複数個のハニカムセグメント4が接合された後、円柱状となるように、その外周部分が研削加工されたものである。そして、研削加工されたハニカムセグメント接合体10の外周面側に外周壁13が配設されている。
伝熱補助部材15は、ハニカムセグメント接合体10の第一端面11からハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1の少なくとも50%までの範囲に配置されている。そして、伝熱補助部材15は、接合層14の交点部14aのうち、ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さRの少なくとも30%以内の交点部14aの全てに配置されている。ここで、「接合層14の交点部14a」とは、ハニカムセグメント4の第一端面11側において、複数個のハニカムセグメント4を格子状に組み合わせる際の「接合層14の交点部14a」である。例えば、図2における「接合層14の交点部14a」は、ハニカムセグメント4の第一端面11側において、4つのハニカムセグメント4が格子状に組み合わされた際に、接合層14の行と列が交差する部分となる。
以下、「ハニカムセグメント接合体10の第一端面11からハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1」を、単に、「ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1」ということがある。また、「伝熱補助部材15の第一端面11からの軸方向の長さL2」を、「伝熱補助部材15の軸方向の長さL2」ということがある。更に、「ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さR」を、「ハニカムセグメント接合体10の径方向の長さR」ということがある。
本実施形態のハニカム構造体100は、接合層14の交点部14aに配設された伝熱補助部材15によって、ハニカム構造体100内の温度差を小さくすることができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。
伝熱補助部材15の軸方向の長さL2が、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1の50%未満であると、伝熱が悪く温度差がつきやすくなり、耐熱衝撃性を向上させることが困難になる。なお、伝熱補助部材15は、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1の少なくとも80%までの範囲に配置されていることが好ましい。
なお、伝熱補助部材15の軸方向の長さL2は、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1の50%以上であればよく、例えば、図6に示すように、伝熱補助部材15は、ハニカムセグメント接合体10を軸方向に貫通するように配設されていてもよい。この場合、伝熱補助部材15の軸方向の長さL2は、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1(別言すれば、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さL1の100%)となる。ここで、図6は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。図6に示すハニカム構造体200は、伝熱補助部材15の配置される範囲が、図1〜図4に示すハニカム構造体100と異なっている。なお、ハニカム構造体200において、伝熱補助部材15の配置される範囲以外については、図1〜図4に示すハニカム構造体100と同様に構成されていることが好ましい。図6において、図1〜図4に示すハニカム構造体100と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
また、伝熱補助部材15が、ハニカムセグメント接合体10の径方向の長さRの30%以内の交点部14aの全てに配設されていないと、中央部への伝熱が悪く温度差がつきやすくなり、耐熱衝撃性を向上させることが困難になる。
伝熱補助部材15は、接合層14の交点部14aのうち、ハニカムセグメント接合体10の径方向の長さRの少なくとも50%以内の交点部14aの全てに配置されていることが好ましく、少なくとも80%以内の交点部14aの全てに配置されていることが更に好ましい。このように構成することによって、ハニカム構造体100内の温度差をより小さくすることができ、耐熱衝撃性を良好に向上させることができる。
伝熱補助部材15が、融点が700℃以上、且つ熱伝導率が15W/mK以上のものであることが好ましい。このように構成することによって、伝熱補助部材15によって、ハニカム構造体100内の温度差をより小さくすることができ、耐熱衝撃性を良好に向上させることができる。
ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する面において、伝熱補助部材15の径が、接合層14の交点部14aに仮想的に描かれる内接円に対して、70〜100%の大きさであることが好ましい。このように構成することによって、伝熱補助部材15によって、ハニカム構造体100内の温度差をより小さくすることができ、耐熱衝撃性を良好に向上させることができる。伝熱補助部材15の径は、上述した内接円に対して、90〜100%の大きさであることが更に好ましい。
伝熱補助部材は、金属又は合金によって形成されたものを挙げることができる。例えば、伝熱補助部材の材質は、銅又はステンレスであることが好ましい。例えば、ステンレスとしては、SUS304等のステンレス鋼を挙げることができる。なお、銅の融点は1085℃であり、熱伝導率は385W/mKである。SUS304の融点は1400℃であり、熱伝導率は16W/mKである。銅は、伝熱性、耐食性に優れ、更に、安価で入手することができる。例えば、銅製の網目構造を有する伝熱補助部材15として、細線からなる汎用品などを入手することができる。SUS304は、耐食性に特に優れ、細線からなる汎用品などを入手することができる。
伝熱補助部材15が、中実の柱状部材、中空の柱状部材、又は網目構造を有する柱状部材であることが好ましい。例えば、網目構造を有する伝熱補助部材15として、金属繊維を網目状に編んだステント(Stent)状の筒状部材を挙げることができる。中実の柱状部材は、伝熱性の点で好ましい。中空の柱状部材は、熱容量が高くなりすぎず、伝熱性を保てる点で好ましい。網目構造を有する柱状部材は、熱容量が高くなりすぎず、伝熱性を保てる点で好ましい。
伝熱補助部材15が中空の柱状部材である場合には、その肉厚が0.1mm以上、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上、0.4mm以下であることが更に好ましい。肉厚が0.1mm未満であると、熱伝導の点で好ましくない。肉厚が0.5mmを超えると、熱容量の点で好ましくない。
伝熱補助部材15が網目構造を有する柱状部材である場合には、その繊維径が0.1mm以上、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上、0.4mm以下であることが更に好ましい。繊維径が0.1mm未満であると、熱伝導点で好ましくない。繊維径が0.5mmを超えると、熱容量の点で好ましくない。
ハニカム構造体100の第一端面側又は第二端面側における接合層14の幅が0.5〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmであることが更に好ましく、0.5〜1.5mmであることが特に好ましい接合層14の幅が0.5mm未満であると、ハニカム構造体100の接合強度が低下し易くなる点で好ましくない。接合層14の幅が3.0mmを超えると、ハニカム構造体100の圧力損失が増大することがある点で好ましくない。
接合層14の材料については、特に制限はなく、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体における接合層の材料を用いることができる。接合層14の幅については特に制限はないが、例えば、0.5〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmであることが更に好ましく、0.5〜1.5mmであることが特に好ましい。
ハニカムセグメント4に形成されているセル2の形状については特に制限はない。例えば、セル2の延びる方向に直交する断面における、セル2の形状としては、多角形、円形、楕円形等を挙げることができる。多角形としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等を挙げることができる。なお、セル2の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形であることが好ましい。また、セル2の形状については、全てのセル2の形状が同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。例えば、図示は省略するが、四角形のセルと、八角形のセルと混在したものであってもよい。また、セル2の大きさについては、全てのセル2の大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図示は省略するが、複数のセルのうち、一部のセルの大きさを大きくし、他のセルの大きさを相対的に小さくしてもよい。
隔壁1によって区画されるセル2のセル密度が、15〜62個/cmであることが好ましく、31〜54個/cmであることが更に好ましい。このように構成することによって、本実施形態のハニカム構造体100を、自動車のエンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化部材(例えば、フィルタや触媒担体)として好適に利用することができる。
隔壁1の気孔率が、30〜75%であることが好ましく、35〜70%であることが更に好ましく、40〜65%であることが特に好ましい。隔壁1の気孔率は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の気孔率の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。気孔率の測定は、各ハニカムセグメント4の隔壁1の一部を切り出して試験片とし、その試験片を用いて行うことができる。隔壁1の気孔率が、30%未満であると、ハニカム構造体100自体の圧力損失が増大することや、触媒の担持後における圧力損失のばらつきが大きくなることがある。隔壁1の気孔率が、75%を超えると、ハニカム構造体100の強度が低下してしまうことがある。
ハニカムセグメント4の形状については、特に制限はない。なお、ハニカムセグメント4のうち、最外周に配置されたハニカムセグメント4は、ハニカム構造体100の全体形状に応じて、その一部が研削等により加工されていることが好ましい。また、最外周に配置されたハニカムセグメント4以外のハニカムセグメント4は、例えば、軸方向に直交する断面形状が四角形の角柱状であることが好ましい。
ハニカム構造体100の全体形状については、特に制限はない。例えば、図1に示すハニカム構造体100の全体形状は、第一端面11及び第二端面12が円形の円柱状である。その他、図示は省略するが、ハニカム構造体の全体形状としては、第一端面及び第二端面が、楕円形やレーストラック(Racetrack)形や長円形等の略円形の柱状であってもよい。また、ハニカム構造体の全体形状としては、第一端面及び第二端面が、四角形や六角形等の多角形の角柱状であってもよい。
ハニカムセグメント4を構成する材料に特に制限はないが、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、下記材料群から選択される少なくとも1種の材質が好ましい。材料群とは、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、及びFe−Cr−Al系金属の材料群である。これらの中でも、炭化珪素、又は珪素−炭化珪素系複合材料が更に好ましい。珪素−炭化珪素系複合材料は、炭化珪素(SiC)を骨材とし、且つ珪素(Si)を結合材とする複合材料である。
ハニカム構造体100の大きさ、例えば、第一端面から第二端面までの長さや、ハニカム構造体100のセル2の延びる方向に直交する断面の大きさについては、特に制限はない。本実施形態のハニカム構造体100を、排ガス浄化用のフィルタとして用いた際に、最適な浄化性能を得るように、各大きさを適宜選択すればよい。例えば、ハニカム構造体100の第一端面から第二端面までの長さは、100〜300mmであることが好ましく、100〜200mmであることが特に好ましい。また、ハニカム構造体100のセル2の延びる方向に直交する断面の面積は、15000〜90000mmであることが好ましく、20000〜70000mmであることが特に好ましい。
本実施形態のハニカム構造体100においては、複数のセル2を形成する隔壁1に触媒が担持されていてもよい。隔壁1に触媒を担持するとは、隔壁1の表面及び隔壁に形成された細孔の内壁に、触媒がコーティングされることをいう。このように構成することによって、排ガス中のCOやNOxやHCなどを触媒反応によって無害な物質にすることができる。また、捕集した煤等の粒子状物質の酸化を促進させることができる。
本実施形態のハニカム構造体は、図示は省略するが、それぞれのハニカムセグメントにおけるセルの第一端面側又は第二端面側のいずれか一方の端部が、目封止部によって目封止されていてもよい。このように構成することによって、本実施形態のハニカム構造体を、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集除去するためにフィルタとして良好に利用することができる。目封止部の材料については特に制限はない。目封止部の材料は、例えば、ハニカムセグメントを構成する材料として例示した材料と同様な材料が好ましい。
次に、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態について、図7〜図12を参照しつつ説明する。図7〜図12は、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の第一端面側を模式的に示す平面図である。
図7〜図12に示すハニカム構造体300,400,500,600,700,800において、図1〜図4に示すハニカム構造体100と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、図7〜図12において、ハニカムセグメント4を構成する隔壁1(図2参照)、隔壁1によって区画されたセル2(図2参照)を捨象した状態で作図している。
図7〜図12においては、伝熱補助部材15の配設位置、及びハニカムセグメント接合体10を構成するハニカムセグメント4の個数が、図1〜図4に示すハニカム構造体100と異なっている。
図7〜図10におけるハニカムセグメント接合体10は、各図面の縦方向及び横方向において最大7個のハニカムセグメント4が接合層14によって接合されたものである。図11〜図12におけるハニカムセグメント接合体10は、各図面の縦方向及び横方向において最大6個のハニカムセグメント4が接合層14によって接合されたものである。図7において、ハニカムセグメント接合体10の中央部分に描かれた破線の円は、ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの30%の範囲を示している。
図7〜図12に示すハニカム構造体300,400,500,600,700,800も、接合層14の所望の交点部14aに伝熱補助部材15が配設されている。そして、伝熱補助部材15は、ハニカムセグメント接合体10の第一端面11からハニカムセグメント接合体10の軸方向の長さの少なくとも50%までの範囲に配置されている。更に、伝熱補助部材15は、接合層14の交点部14aのうち、ハニカムセグメント接合体10の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の交点部14aの全てに配置されている。
(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。ハニカム構造体の製造方法としては、「ハニカムセグメント作製工程」と、「組立体作製工程」と、「接合体作製工程」と、を備えた方法を挙げることができる。
ハニカムセグメント作製工程は、図5に示すような、複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1、及び隔壁1を囲繞するように配置されたセグメント外壁3を有する角柱状のハニカムセグメント4を複数個作製する工程である。ハニカムセグメント作製工程は、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する際における、ハニカムセグメントの作製方法に準じて行うことができる。
組立体作製工程は、複数個のハニカムセグメントを格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する工程である。より具体的には、組立体作製工程では、まず、ハニカムセグメントの側面(別言すれば、「セグメント外壁」)に接合用ペーストを塗工する。次に、複数個のハニカムセグメントを、互いの側面相互間に接合用ペーストを介在させた状態で格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する。
接合体作製工程は、ハニカムセグメントの組立体を乾燥させて、複数個のハニカムセグメントの側面同士を接合用ペーストによって接合して、ハニカムセグメントの接合体を作製する工程である。接合体作製工程は、主に、ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合用ペーストを乾燥・固化させるための工程であり、乾燥・固化した接合用ペーストは、図1〜図4に示すハニカム構造体100における接合層14となり、この乾燥・固化により、接合層14に所望の接合力が発現する。
本発明のハニカム構造体を製造する際には、「組立体作製工程」において、以下のような操作を更に含むことが好ましい。即ち、組立体作製工程において、接合用ペーストの交点部の少なくとも1つに、筒状又は柱状の伝熱補助部材を配設する操作を更に含むことが好ましい。なお、伝熱補助部材を配設する際には、ハニカムセグメントの組立体の第一端面から当該組立体の軸方向の長さの50%以上の範囲まで配設することとする。また、伝熱補助部材は、接合層の交点部のうち、最終製品におけるハニカムセグメント接合体10(例えば、図2参照)の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の交点部の全てに配置することとする。
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法における「組立体作製工程」及び「接合体作製工程」について、より詳細に説明する。
組立体作製工程においては、まず、接合用ペーストを調製する。接合用ペーストの調製方法については特に制限はなく、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する方法における、接合用ペーストの調製方法に準じて行うことができる。例えば、接合用ペーストは、接合用ペースト作製用の原料粉末に、適宜、バインダ等の添加剤、造孔材、及び水を添加することによって調製することができる。
次に、調製した接合用ペーストを、ハニカムセグメントの側面であるセグメント外壁の表面に塗工する。接合用ペーストの塗工方法等についても、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する方法にて行われる各方法と同様の方法を採用することができる。
次に、複数個のハニカムセグメントを、互いの側面相互間に接合用ペーストを介在させた状態で格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する。ハニカムセグメントの側面相互間の距離(別言すれば、接合用ペーストの厚み)については特に制限はないが、後述する伝熱補助部材を配置する操作にて、伝熱補助部材が、ハニカムセグメントと接触しない十分な距離を確保することが好ましい。例えば、ハニカムセグメントの側面相互間の距離は、0.5〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることが更に好ましい。
そして、ハニカムセグメントの組立体を作製する際に、ハニカムセグメントの組立体における接合用ペーストの所望の交点部に、伝熱補助部材を配設する。伝熱補助部材は、組立体の軸方向の長さの50%以上の範囲、且つ最終製品におけるハニカムセグメント接合体10(図2参照)の径方向の長さL1(図2参照)の少なくとも30%以内の範囲に配置する。勿論、接合用ペーストの全ての交点部に対して、伝熱補助部材を配設しても良い。ハニカムセグメントの組立体を作製する際に伝熱補助部材を配設することにより、これまでに説明した効果に加えて、ハニカム構造体の製造において、接合用ペーストの乾燥を促進するという効果も得ることができる。
接合体作製工程は、ハニカムセグメントの組立体を乾燥させて、複数個のハニカムセグメントの側面同士を接合用ペーストによって接合して、ハニカムセグメントの接合体を作製する工程である。これまでに説明した製造方法においては、接合用ペーストの交点部に伝熱補助部材を配設しているため、組立体の軸方向内部まで乾燥時の熱が伝達し易く、接合用ペーストの乾燥を促進させることができる。このため、接合用ペーストが乾燥することによって形成される接合層14(図2参照)が、緻密な多孔質体となり、接合層14(図2参照)の接合強度を向上させることができる。
乾燥の方法は特に制限はなく、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。乾燥の条件として、電磁波加熱方式にて、乾燥前の水分量に対して、30〜95質量%の水分を除いた後、外部加熱方式にて、3質量%以下の水分にすることが好ましい。電磁波加熱方式としては、誘電加熱乾燥が好ましく、外部加熱方式としては、熱風乾燥が好ましい。乾燥温度は、90〜180℃が好ましい。乾燥時間は1〜10時間が好ましい。なお、水分が蒸発するように、ハニカムセグメントの前記組立体を100℃以上に加熱することも好ましい形態の1つである。
接合体作製工程によって、ハニカムセグメントの接合体を作製した後、得られた接合体の外周部分を所望の形状となるように研削加工してもよい。例えば、このような研削加工を行うことにより、図1〜図4に示すような、円柱状のハニカムセグメント接合体10を作製することができる。また、接合体の外周部分を研削加工した後、その外周面に外周コート層を配設して、ハニカム構造体100(図1参照)の外周壁13(図1参照)を作製してもよい。このような接合体作製工程以降の各製造工程については、例えば、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する方法に準じて行うことができる。
なお、本発明のハニカム構造体の製造方法については、これまでに説明した製造方法に限定されることはない。例えば、従来公知の製造方法によって、セグメント構造のハニカム構造体を作製し、その後、接合層の所望の交点部に穴開け加工を行って伝熱補助部材を配設してもよい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ハニカムセグメントを作製するための坏土を調製するための原料粉末として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを混合した混合原料を準備した。そして、準備した混合原料に、バインダ、造孔材、及び水を適量加えて、可塑性の坏土を調製した。
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、四角柱状のハニカム成形体を49個作製した。次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて更に乾燥した。次に、乾燥後のハニカムセグメント成形体のセルの端部に、セルの開口部が第一端面側と第二端面側とで交互に目封止されるように目封止部を配設した。
次に、ハニカムセグメント成形体を、脱脂し、焼成して、49個のハニカムセグメントを作製した。各ハニカムセグメントの端面の大きさは、1辺が40mmの正方形であり、各ハニカムセグメントの第一端面から第二端面までの軸方向の長さは、300mmであった。
次に、ハニカムセグメントの側面に、SiC系モルタル接着材である接合用ペーストを塗工し、49個のハニカムセグメントを、縦方向及び横方向にそれぞれ7個ずつ配置されるように接合用ペーストを介して格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製した。ハニカムセグメントの組立体を作製する際のハニカムセグメントの配置及び個数を、表1の「ハニカムセグメント」における「配置」及び「総数(個)」の欄に示す。なお、「配置」の欄には、例えば、上述したように、縦方向及び横方向にそれぞれ7個ずつハニカムセグメントが配置される場合には、「7×7」と示す。
次に、両端が開口した中空筒状の伝熱補助部材を4本用意した。伝熱補助部材は、外径が1mm、肉厚が0.2mmの銅製のものとした。そして、4本の伝熱補助部材を、縦方向及び横方向にそれぞれ7個ずつ格子状に組み合わせた組立体の、中央寄りの4箇所の接合用ペーストの交点部に配置した。4本の伝熱補助部材は、組立体の第一端面から、この組立体の軸方向の長さの50%までの範囲に配置した。表1の「伝熱補助部材」の「本数(本)」、「配置(参照図)」、「径方向の範囲(%)」、「軸方向の範囲(%)」、「材質」、及び「構造」の欄に、実施例1にて使用した伝熱補助部材に関する情報を示す。表1の「伝熱補助部材」の「配置(参照図)」の欄は、伝熱補助部材の配設箇所に関する参照図を示す。また、表1の「伝熱補助部材」の「径方向の範囲(%)」の欄は、最終製品のハニカムセグメント接合体の径方向の長さに対する、伝熱補助部材が配置された交点部の範囲の比の百分率(%)を示す。また、表1の「伝熱補助部材」の「軸方向の範囲(%)」の欄は、最終製品のハニカムセグメント接合体の軸方向の長さに対する、伝熱補助部材が配置された範囲の軸方向の長さの比の百分率(%)を示す。表1の「伝熱補助部材」の「構造」の欄において、伝熱補助部材が、実施例1にて使用したような、側面に網目の無い中空筒状のものの場合には、「網無し構造」と記す。後述するように、伝熱補助部材が、網目構造を有する筒状のもののである場合には、「網目構造」と記す。
次に、伝熱補助部材を接合用ペーストの交点部に配置した組立体を、120℃の大気雰囲気で、1時間乾燥して、ハニカムセグメントの接合体を作製した。
次に、作製したハニカムセグメントの接合体の外周を円柱形状に研削加工し、その外周面に外周コート層を配設して、実施例1のハニカム構造体を製造した。実施例1のハニカム構造体は、図7に示すハニカム構造体300のように、49個のハニカムセグメント4が、接合層14によって接合されたハニカム構造体300であった。そして、実施例1のハニカム構造体は、図7に示すハニカム構造体300のように、ハニカムセグメント4を格子状に接合する接合層14の交点部14aのうち、中央寄りの4箇所の交点部14aに伝熱補助部材15が配設されたものであった。実施例1のハニカム構造体において、ハニカムセグメント接合体の径方向の長さの30%以内の範囲に存在する交点部は、上述した中央寄りの4箇所の交点部のみである。
実施例1のハニカム構造体について、以下の方法で、「耐熱衝撃性(Esp安全温度比)」の評価を行った。結果を表1に示す。
[耐熱衝撃性(Esp安全温度比)]
まず、以下の方法で、各実施例及び比較例にて製造したハニカム構造体の「ESP安全温度」を測定した。なお、「Esp安全温度」とは、耐熱衝撃性を示す指標のことである。ESPは、Electric Furnace Spallingの略である。具体的には、ある所定の温度に熱せられた電気炉にハニカム構造体を投入し、所定時間たった後、それを取り出して、ハニカム構造体にクラックが生じているか調べた。この操作を、電気炉内温度を25℃刻みで上昇させながら、ハニカム構造体にクラックが生じるまで繰り返した。ハニカム構造体にクラックが生じていることが確認された操作の1回前の操作における電気炉内温度を、ハニカム構造体のEsp安全温度(℃)とした。実施例1〜10,14及び比較例2においては、比較例1のEsp安全温度(℃)を1.00とし、それぞれのEsp安全温度(℃)の比率を求めた。実施例11〜14においては、比較例3のEsp安全温度(℃)を1.00とし、それぞれのEsp安全温度(℃)の比率を求めた。
Figure 2020152595
(実施例2〜10)
実施例2〜10においては、伝熱補助部材の本数、配置、範囲、及びその材質を、表1に示すように変更して、ハニカム構造体を作製した。なお、表1の「伝熱補助部材」の「本数(本)」、「配置(参照図)」、「径方向の範囲(%)」、「軸方向の範囲(%)」、及び「材質」の欄に示すこと以外に関する製造工程については、実施例1と同様の製造工程によりハニカム構造体を作製した。なお、実施例2、4、6、8及び10においては、伝熱補助部材として、ステンレスのSUS304製のものを用いた。
(比較例1)
比較例1においては、接合用ペーストの交点部に伝熱補助部材を配設しなかったこと以外は、実施例1と同様の製造工程によりハニカム構造体を作製した。
(比較例2)
比較例2においては、伝熱補助部材の本数、配置、範囲、及びその材質を、表1に示すように変更して、ハニカム構造体を作製した。なお、表1の「伝熱補助部材」の「本数(本)」、「配置(参照図)」、「径方向の範囲(%)」、「軸方向の範囲(%)」、及び「材質」の欄に示すこと以外に関する製造工程については、実施例1と同様の製造工程によりハニカム構造体を作製した。
(実施例11〜14)
実施例11〜14においては、ハニカムセグメントの大きさ、及び使用個数を変更してハニカム構造体を作製した。実施例11〜14において作製したハニカムセグメントの端面の大きさは、1辺が40mmの正方形であり、各ハニカムセグメントの第一端面から第二端面までの軸方向の長さは、230mmであった。このようなハニカムセグメントを36個作製し、縦方向及び横方向にそれぞれ6個ずつ配置されるように接合用ペーストを介して格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製した。また、実施例11〜14における、伝熱補助部材の本数、配置、範囲、及びその材質は、表1に示す通りである。
(比較例3)
比較例3においては、接合用ペーストの交点部に伝熱補助部材を配設しなかったこと以外は、実施例11と同様の製造工程によりハニカム構造体を作製した。
(実施例15)
実施例15においては、伝熱補助部材として、網目構造を有する筒状の伝熱補助部材を用いた以外は、実施例1等と同様の方法でハニカム構造体を作製した。なお、実施例15における、伝熱補助部材の本数、配置、範囲、及びその材質は、表1に示す通りである。なお、網目構造を有する筒状の伝熱補助部材としては、繊維径が0.1mmの網目構造を用いた。
実施例2〜15及び比較例1〜3のハニカム構造体についても、上述した方法にて「耐熱衝撃性(Esp安全温度比)」の評価を行った。結果を表1に示す。
(結果)
実施例1〜10,15のハニカム構造体は、比較例1にて製造したハニカム構造体に比して、耐熱衝撃性の向上が確認された。比較例2にて製造したハニカム構造体は、比較例1のハニカム構造体とEsp安全温度が同じであり、耐熱衝撃性の向上が確認されなかった。
伝熱補助部材の材質に関しては、銅製のものを用いた場合の方が、SUS304製のものを用いた場合よりも、耐熱衝撃性がより向上するという結果が得られた。また、伝熱補助部材の本数を増やすほど、耐熱衝撃性が向上するという結果が得られた。
また、実施例10〜14のハニカム構造体も、比較例3のハニカム構造体に比して、耐熱衝撃性の向上が確認された。
本発明のハニカム構造体は、排気ガスを浄化するための浄化部材として利用することができる。
1:隔壁、2:セル、3:セグメント外壁、4:ハニカムセグメント、10:ハニカムセグメント接合体、11:第一端面、12:第二端面、13:外周壁、14:接合層、14a:交点部(接合層の交点部)、15:伝熱補助部材、100,200,300,400,500,600,700,800:ハニカム構造体。

Claims (10)

  1. ハニカムセグメント接合体、及び前記ハニカムセグメント接合体の外周を囲繞するように配置された外周壁を備え、
    前記ハニカムセグメント接合体は、複数個の柱状のハニカムセグメントと、複数個の前記ハニカムセグメントの側面同士を格子状に接合する接合層と、前記接合層の交点部の少なくとも1つに配設された伝熱補助部材と、を有し、
    前記ハニカムセグメントは、第一端面から第二端面まで延びる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有し、
    前記伝熱補助部材は、前記ハニカムセグメント接合体の前記第一端面から当該ハニカムセグメント接合体の軸方向の長さの少なくとも50%までの範囲に配置され、且つ、
    前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記ハニカムセグメント接合体の軸方向に直交する断面の重心から径方向の長さの少なくとも30%以内の前記交点部の全てに配置されている、ハニカム構造体。
  2. 前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記断面の重心から径方向の長さの少なくとも50%以内の前記交点部の全てに配置されている、請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記伝熱補助部材は、前記接合層の前記交点部のうち、前記断面の重心から径方向の長さの少なくとも80%以内の前記交点部の全てに配置されている、請求項1に記載のハニカム構造体。
  4. 前記伝熱補助部材は、前記ハニカムセグメント接合体の前記第一端面から前記軸方向の長さの少なくとも80%までの範囲に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記伝熱補助部材が、融点が700℃以上、且つ熱伝導率が15W/mK以上のものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  6. 前記伝熱補助部材の材質が、銅又はステンレスである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  7. 前記ハニカムセグメント接合体の前記軸方向に直交する面において、前記伝熱補助部材の径が、前記接合層の前記交点部に仮想的に描かれる内接円に対して、70〜100%の大きさである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  8. 前記伝熱補助部材が、中実の柱状部材、中空の柱状部材、又は網目構造を有する柱状部材である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  9. 前記伝熱補助部材が、肉厚が0.1mm以上、0.5mm以下の中空の柱状部材である、請求項8に記載のハニカム構造体。
  10. 前記伝熱補助部材が、繊維径が0.1mm以上、0.5mm以下の網目構造を有する柱状部材である、請求項8に記載のハニカム構造体。
JP2019050580A 2019-03-19 2019-03-19 ハニカム構造体 Active JP7304179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019050580A JP7304179B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 ハニカム構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019050580A JP7304179B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 ハニカム構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020152595A true JP2020152595A (ja) 2020-09-24
JP7304179B2 JP7304179B2 (ja) 2023-07-06

Family

ID=72557669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019050580A Active JP7304179B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 ハニカム構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7304179B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083711A1 (ja) * 2006-01-18 2007-07-26 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体
US20110311761A1 (en) * 2009-02-27 2011-12-22 Andre Boulet Parallel Passage Fluid Contactor Structure

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083711A1 (ja) * 2006-01-18 2007-07-26 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体
US20110311761A1 (en) * 2009-02-27 2011-12-22 Andre Boulet Parallel Passage Fluid Contactor Structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP7304179B2 (ja) 2023-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100884518B1 (ko) 허니컴 구조체 및 그 제조 방법
JP4157304B2 (ja) ハニカム構造体
JP4279497B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP6092841B2 (ja) 集塵用ハニカムフィルタ
JP6847724B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP5188433B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP4607689B2 (ja) ハニカム構造体
JPWO2005089901A1 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
JP7061491B2 (ja) ハニカム構造体
JP2014069123A (ja) ハニカムフィルタ
JP7002377B2 (ja) ハニカム構造体
JP5351678B2 (ja) ハニカム構造体
JP2020049428A (ja) ハニカムフィルタ
JP2005144250A (ja) ハニカム構造体
JP2010222150A (ja) ハニカム構造体
JP2020152595A (ja) ハニカム構造体
JP7057691B2 (ja) ハニカム構造体
JP2007117829A (ja) ハニカム構造体
JP7141357B2 (ja) ハニカム構造体の製造方法
JP2011190740A (ja) ハニカム構造体
JP4432024B2 (ja) セラミックハニカム構造体
JP7215943B2 (ja) ハニカム構造体の製造方法
JP2008137872A (ja) ハニカム構造体
JP2021088491A (ja) ハニカム構造体
CN112922704B (zh) 蜂窝结构体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7304179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150