JP2020152415A - ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材 - Google Patents

ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材 Download PDF

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Abstract

【課題】 大口径化および薄型化された単結晶ウェハ等であっても、搬送中の衝撃等が直接伝わることによって、この単結晶ウェハ等に割れが発生したり損傷したりすることを防止できるとともに、汎用性が高く種々の形状のウェハケースの安全な輸送が可能な、ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材を提供する。【解決手段】 複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なウェハケースを、梱包容器に収納可能な第1緩衝材に載置する第1載置工程と、前記梱包容器に収納可能な第2緩衝材を、前記ウェハケースに載置する第2載置工程と、前記ウェハケースを、前記ウェハが縦置きされた状態を維持できるように前記梱包容器に収納する収納工程と、を含み、前記第1緩衝材は、前記ウェハケースが前記第1緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備え、前記第1載置工程では、前記ウェハケースを前記フィルムに載置する、ウェハケースの梱包方法。【選択図】 図3

Description

本発明は、ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材に関するものである。
近年、タンタル酸リチウム(LiTaO(以下「LT」と記す場合がある))やニオブ酸リチウム(LiNbO(以下「LN」と記す場合がある))等の酸化物単結晶ウェハを用いて、携帯電話等に使用される各種の表面弾性波デバイスが製造されている。この表面弾性波デバイスに供される単結晶ウェハは、一般的に単結晶インゴットを円筒状に研削した後、円形板状に切断し、次いで円形板状のウェハをラッピング等で平行平坦な形状に加工し、最終的にポリッシング等を行い、片側表面を鏡面研磨することで製造されている。
ここで、製造された単結晶ウェハは、高精度に加工された状態を維持し、かつ、清浄に保たれた状態でデバイスメーカー等に輸送しなければならない。そのため、単結晶ウェハを輸送するためのウェハケースは、ウェハケース内で単結晶ウェハ同士が接触して損傷したり汚染されないように、単結晶ウェハの周縁部を支持し、互いに離間した状態で収納される方法が採られている。
例えば、特許文献1には、樹脂製のウェハ収納枠、その枠を収めるケース本体、ケース蓋および蓋に装着されているウェハ押え治具、から構成され、ウェハの周縁部を部分的に支えることでウェハを固定することのできるウェハケースが開示されている。
特開昭62−33436号公報 特開2003−26241号公報
上記した、LTやLN等の単結晶ウェハにおいては、近年、製造原価を低減することを目的として、単結晶ウェハの大口径化および薄型化が進められている。
LTやLN等の単結晶ウェハは、一般に普及している半導体用Siウェハに比べ脆弱である。さらに、LTやLN等の単結晶ウェハの大口径化に伴うウェハ重量の増加とウェハの薄型化によるウェハ強度の低下により、小口径のウェハと比べ、輸送時の衝撃によりウェハが撓み易い。この撓みにより応力が増大することで、ウェハが割れ易くなるおそれがある。例えば、8インチのLT単結晶ウェハの場合、ウェハ主表面(円盤面)に略垂直な方向に20G〜30Gの衝撃が加わると、ウェハが割れ易くなることがわかっている。
近年では、輸送中の振動や衝撃により破損や損傷を受けやすいパソコン等の精密機器を輸送する際に、フィルムを張設した被保持物品に精密機器を宙吊り状態にすることにより、精密機器への衝撃を緩和する輸送方法が知られている(例えば、特許文献2)。この方法を用いることで、輸送時の精密機器への衝撃は大幅に改善される。但し、この方法に用いられる被保持物品の素材の多くは段ボールであり、段ボールを所定形状に組立てたものを被保持物品として使用するが、段ボールの構造上変形しやすい方向性がある。そのため、重量物をこの被保持物品を用いて輸送する場合、輸送中にかかる時間や衝撃振動によっては、被保持物品の基台が変形して、基台に張設されていたフィルムが沈み込んで、被保持物品が梱包された段ボールの底面にフィルムが接触した状態となるおそれがある。そして、この状態から回復しないと、フィルムが重量物を宙吊り状態に維持することができないため、輸送中の衝撃が重量物へ直接伝わることで、重量物への破損や損傷等の不具合が生じるおそれがあり、被保持物品のみによる重量物の梱包では、輸送態様として不十分であった。また、特許文献2の方法を用いてウェハケースを輸送する場合には、段ボールにフィルムを張設して被保持物品として使用するため、被保持物品に梱包するウェハケースの大きさ毎に、フィルムを張設する段ボールの大きさや形状を揃える必要があり、被保持物品としての汎用性に問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものである。即ち、大口径化および薄型化された単結晶ウェハ等であっても、搬送中の衝撃等が直接伝わることによって、この単結晶ウェハ等に割れが発生したり損傷したりすることを防止できるとともに、汎用性が高く種々の形状のウェハケースの安全な輸送が可能な、ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明のウェハケースの梱包方法は、複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なウェハケースを、梱包容器に収納可能な第1緩衝材に載置する第1載置工程と、前記梱包容器に収納可能な第2緩衝材を、前記ウェハケースに載置する第2載置工程と、前記ウェハケースを、前記ウェハが縦置きされた状態を維持できるように前記梱包容器に収納する収納工程と、を含み、前記第1緩衝材は、前記ウェハケースが前記第1緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備え、前記第1載置工程では、前記ウェハケースを前記フィルムに載置する。
前記第2緩衝材は、前記ウェハケースが前記第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備え、前記第2載置工程では、前記第2緩衝材の前記フィルムを前記ウェハケースに載置してもよい。
前記梱包容器に収納可能な第3緩衝材で、前記ウェハケースの側面を囲う工程を含んでもよい。
前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材を前記ウェハケースの方向に押圧し、前記第3緩衝材と、前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材との間のクリアランスを無くす押圧工程を含んでもよい。
前記押圧工程後、前記第1緩衝材、前記ウェハケース、前記第2緩衝材および前記第3緩衝材をフィルムでまとめて梱包するフィルム梱包工程を含み、前記収納工程では、前記フィルム梱包工程後、フィルムでまとめて梱包された前記ウェハケースを前記梱包容器に収納してもよい。
前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材の前記フィルムは、前記枠体に巻きつけられたストレッチフィルムであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のウェハケース用梱包資材は、複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なウェハケースを、前記ウェハが縦置きされた状態を維持できるように収納可能な梱包容器と、前記ウェハケースが載置される、前記梱包容器に収納可能な第1緩衝材と、前記ウェハケースに載置する、前記梱包容器に収納可能な第2緩衝材と、前記ウェハケースの側面を囲う、前記梱包容器に収納可能な第3緩衝材と、を備え、前記第1緩衝材は、前記ウェハケースが前記第1緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、前記ウェハケースを載置するフィルムと、を備える。
前記第2緩衝材は、前記ウェハケースが前記第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、前記ウェハケースに載置するフィルムと、を備えてもよい。
前記第3緩衝材の高さ方向の長さは、前記ウェハケースの高さ方向の長さよりも短くてもよい。
前記第1緩衝材、前記第2緩衝材および/または前記第3緩衝材の材質として、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含み、前記フィルムは、ストレッチフィルムであってもよい。
前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材の前記フィルムは、前記枠体に巻きつけられたストレッチフィルムであってもよい。
本発明であれば、大口径化および薄型化された単結晶ウェハ等であっても、搬送中の衝撃等が直接伝わることによって、この単結晶ウェハ等に割れが発生したり損傷したりすることを防止できるとともに、汎用性が高く種々の形状のウェハケースの安全な輸送が可能な、ウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材を提供することができる。
ウェハ10が収納されたプラスチック製のウェハケース100の概略側面図である。 蓋120が被せられた後の、ウェハ10が収納されたプラスチック製のウェハケース100の概略側面図である。 ウェハケース100が収納された状態の梱包資材1000の側面断面図である。 梱包体1500の側面断面図である。 梱包容器1100の一例として示す段ボールケースの斜視図である。 上から見た枠体1210の概略図である。 第1緩衝材1200の模式図である。 第2緩衝材1300の斜視模式図である。 ウェハケース100が収納された状態の梱包資材1010の側面断面図である。 第3緩衝材1400の斜視模式図である。 第2緩衝材1300と第3緩衝材1400との間に隙間がある状態を示す側面断面図である。 第3緩衝材1400を用いずにウェハケース100が収納された状態の梱包資材1020の側面断面図である。 梱包容器1100へ収納される直前のウェハケース100の一例を示す概略側面図である。 比較例1の態様を示す、ウェハケース100が収納された状態の梱包資材2000の側面断面図である。
以下、輸送対象となるウェハおよび梱包対象となるウェハケースについて説明し、その後、本発明のウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〈ウェハ〉
輸送対象となるウェハとしては、特に限定されないが、例えば、携帯電話等に使用される各種の表面弾性波デバイスに用いられるLTやLN等の酸化物単結晶ウェハが挙げられる。LT単結晶ウェハやLN単結晶ウェハは、一般に普及している半導体用Siウェハに比べて、脆弱で割れやすい性質を持つウェハである。そして、ウェハの直径は、6インチから8インチへと大口径化する傾向にあり、また、ウェハの厚みは0.5mm以下と薄型化される傾向にある。このため、特に直径8インチ以上で厚みが0.5mm以下のLT単結晶ウェハやLN単結晶ウェハを輸送する場合には、輸送時の衝撃でウェハの割れ等の不具合が発生しやすい状態にある。
なお、輸送対象となるウェハとしては、LT単結晶ウェハやLN単結晶ウェハの他にも、円盤状のシリコンウェハ、ガラスウェハ、サファイヤウェハ等が挙げられる。また、ウェハの直径が4インチ未満、4〜8インチ、8インチよりも大きいものも輸送対象となり、厚みが0.5mmよりも厚いものも、輸送対象となり得る。
〈ウェハケース〉
ウェハケースは、複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なものであり、ウェハの損傷や汚染を防止するために、ウェハを収納して保護する役割を果たすことのできるケースである。その一例として、図1、2にウェハ10が収納されたプラスチック製のウェハケース100の概略側面図を示す。
図1(a)は、収納されたウェハ10の円盤面11からウェハケース100をみた側面図であり、図1(b)は、収納されたウェハ10の厚み12方向からウェハケース100をみた側面図である。図1では、8枚のウェハ10がウェハケース本体110の開口部111から内部112に収納されており、蓋120で開口部111を閉じられる前の状態となっている。ウェハケース本体110の内部112の底には、ウェハ10のそれぞれを非接触で隔離して1枚ずつ縦置きして収納することができるよう、v字型の溝113が設けられている。また、ウェハを安定して静置できるよう、ウェハケース本体110の外部の底部には、2つの足114が設けられている。
蓋120の内部121には、一対のウェハ押え部122が、ウェハケース本体110の方向に広がるハの字状に、それぞれ離間して設けられている。これらのウェハ押え部122は、ウェハ10の円盤面11と垂直方向を長手方向とする直方体状であり、ウェハケース本体110に収納されたウェハ10の全てを上から押えることができる。
図1の矢印に示す方向へ、ウェハケース110に蓋120を被せた後の状態を、図2に示す。図2(a)は、収納されたウェハ10の円盤面11からウェハケース100をみた側面図であり、図2(b)は、収納されたウェハ10の厚み12方向からウェハケース100をみた側面図である。
図2に示すように、ウェハケース100は、ウェハケース本体110へ蓋120を被せることにより、ウェハ押え部122とv字型の溝113により、内部112へ収納されたウェハ10の全てを、ウェハ10の周縁部を支持しつつ上下より挟んで固定することができる。
なお、図1、2のウェハケース100では、最大で8枚のウェハ10を収納可能であるものを図示したが、一般的なウェハケースとしては、収納するウェハ10の枚数は10枚〜50枚である。この場合のウェハケース100とそこへ収納されたウェハ10との合計の重量は、2kg〜8kg程度になる。なお、ウェハケース100はウェハ10が収納されずに空の状態で梱包される場合もあり、収納可能な最大枚数のウェハ10が収納されて梱包される場合や、最大枚数ではなく数枚程度のウェハ10が収納されて梱包される場合もある。
[ウェハケース用梱包資材]
本発明のウェハケース用梱包資材は、ウェハケースを搬送中の衝撃等によって、ウェハケースの内部に収納されているウェハに割れが発生したり損傷したりすることを防止するべく、ウェハケースを梱包するための資材である。以下、本発明のウェハケース用梱包資材の一実施形態として、上記のウェハケース100を梱包することのできる梱包資材について説明する。
図3に、ウェハケース100が収納された状態の梱包資材1000の側面断面図を示す。梱包資材1000は、梱包容器1100と、第1緩衝材1200と、第2緩衝材1300と、第3緩衝材1400と、を備える。なお、ウェハケース100を第1緩衝材1200、第2緩衝材1300および第3緩衝材1400で梱包した状態のものを、梱包体1500とする(図4)。
〈梱包容器〉
梱包容器1100は、複数の板状のウェハ10を離隔し縦置きして収納可能なウェハケース100を、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように収納可能な容器である。自動車等で輸送中の梱包容器に対しては、横方向への衝撃や振動等よりも上下方向への衝撃や振動等の方が強くなる。そこで、ウェハ10の円盤面11が上下方向となるようにウェハ10を横置きして輸送すると、上下方向への衝撃や振動等が円盤面11へ略垂直に伝わることとなり、これによってウェハ10が割れるおそれがある。そのため、上下方向への衝撃や振動等が円盤面11へ略垂直に伝わらないよう、梱包容器1100はウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように収納可能であることが重要となる。例えば、ウェハケース100の蓋120が上、足114が下となるように梱包容器1100へ収納することができれば、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できる(図3)。
図3では、梱包体1500を1つのみ収納可能な態様の梱包容器1100を図示したが、これに限定されず、例えば、梱包体1500を横方向へ複数収納可能な形状や、縦方向へ複数収納可能な形状でもよい。
また、梱包容器1100は、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように梱包体1500を収納でき、輸送に耐えうるある程度の耐久性があれば、どのような材質のものでもよい。例えば、図5に斜視図で示す上蓋の開いた段ボールケースや、プラスチックケース、コンテナボックス等を、梱包容器1100の具体例として挙げることができる。
〈第1緩衝材〉
第1緩衝材1200は、ウェハケース100が載置されるものであり、梱包容器1100に収納可能な緩衝材である。第1緩衝材1200は、梱包容器1100とウェハケース100との間で、以下に説明する枠体とフィルムを備えることにより、ウェハケース100を下から柔軟に保持すると共に、主に上下方向の衝撃や振動等を吸収する役割を果たすことができる。
(枠体)
枠体は、ウェハケース100が第1緩衝材1200と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する。すなわち、ウェハケース100は枠体によって直接保持されるのではなく、後述するフィルムによって柔軟に保持される。枠体は、衝撃や振動等を吸収する役割の他にも、フィルムが弛んでウェハケース100を保持できなくならないよう、フィルムを固定してその張りを維持する役割を果たす。
枠体の一例として、図6に上から見た枠体1210の概略図を示す。また、上から見たウェハケース100の蓋120も同様に示す。枠体1210は、同形状の直方体の部材1211を4つ用いて、これらが枠状に組まれており、中央に4角形の開口部1212を有する。開口部1212の面積は、蓋120の面積よりも大きく、ウェハケース100が開口部1212にすっぽり収まる程度の余裕が設けられている。なお、枠体1210の形状が維持できるよう、適宜ホチキスやタッカー等を用いて針で固定してもよい。
なお、図6では4つの部材1211が枠状に組まれた枠体1210を例示したが、枠体としてはこれに限定されず、例えばくの字状の部材を2つ用いて枠状に組まれたものでもよく、開口部を有する額縁状の1つの部材がそのまま枠体となってもよい。
第1緩衝材1200の材質は、輸送中の振動や衝撃等で変形が生じない程度の強度があり、フィルムの張りを維持できるものであれば、特に限定されない。例えば、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含むことができる。また、硬質ウレタン、軟質ウレタン、2層構造の段ボール等を組み合わせて用いることができる。ウェハ10を20枚から30枚収納したウェハケース100の重量は、5kg程度と重くなることから、硬質ウレタンや2層段ボールを用いることが好ましい。
(フィルム)
フィルムは、枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、ウェハケースを載置するものである。フィルムとしては、ウェハケースを載置可能な強度を有し、ポリマー性の柔軟で伸縮性のある材質のものを用いることができ、例えば、ストレッチフィルムを用いることができる。フィルムの枠体への保持態様は、特に限定されず、鋲やタッカー等を用いて針で固定する、あるいは、接着剤等により固定することにより保持される。
また、例えば図7に示す第1緩衝材1200の模式図のように、枠体1211にストレッチフィルム1220を巻きつける保持態様もとり得る。図7(a)に示す上からみた第1緩衝材1200の模式図のように、ストレッチフィルム1220は下から上へ2回以上巻き付け、また、右から左へ2回以上巻きつけると、ウェハケースを載置可能であり、上下方向の振動や衝撃等にも耐えうる強度を満足しつつ、柔軟性や伸縮性も損なわれない。
このように、ストレッチフィルム1220を枠体1211へ複数回巻きつけることで、図7(b)に示す第1緩衝材1200の側面模式図のように、枠体1211の全面をストレッチフィルム1220で覆うことができる。巻き付け作業の容易性を考慮すると、ストレッチフィルム1220の幅は、開口部1212より大きく、枠体1211の一辺の長さに近い幅であることが好ましい。ストレッチフィルム1220は、開口部1212に、たるみが無く水平状態に配置できる程度に張りを持たせて設置することができる(図7(b))。このように設置することで、ウェハケース100をストレッチフィルム1220に載置して、後述する第2緩衝材1300によってウェハケース100を上から押圧した時に、ストレッチフィルム1220が一定の張りをもつことで、外部からの振動や衝撃等を吸収することが可能となる。
ストレッチフィルム1220としては、ウェハ10が収納されたウェハケース100の重量を考慮して、適した特性のものを適宜選定することができる。例えば、低密度ポリエチレン製であり、引っ張り強さが350daN/cmであり、厚みが15μmのものを使用することができる。このような特性を満たすものとして、梱包用に市販されているストレッチフィルムを使用することができる。
〈第2緩衝材〉
第2緩衝材1300は、ウェハケース100に載置するものであり、梱包容器1100に収納可能な緩衝材である。第2緩衝材1300は、梱包容器1100とウェハケース100との間で、ウェハケース100を上から押圧することで、第1緩衝材1200と共に上下からウェハケース100を柔軟に保持する。また、主に上下方向の衝撃や振動等を吸収する役割を果たすことができる。
第2緩衝材1300の形状や大きさは特に限定はないが、例えば、図8の斜視模式図として示す第2緩衝材1300のような、板状であり、梱包体1500としたときに直方体形状となるようなものであってもよい。
第2緩衝材1300の材質は、輸送中の振動や衝撃等で変形が生じない程度の強度があれば、特に限定されない。例えば、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含むことができる。また、硬質ウレタン、軟質ウレタン、2層構造の段ボール等を組み合わせて用いることができる。ウェハ10を20枚から30枚収納したウェハケース100の重量は、5kg程度と重くなることから、硬質ウレタンや2層段ボールを用いることが好ましい。
なお、輸送対象となるウェハ10が薄い等の理由により、振動や衝撃等でより割れやすいウェハ10を輸送する場合には、第1緩衝材1200と同様に、ウェハケース100が第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部1212を有する枠体1210と、枠体1210に保持されて枠体1210の開口部1212を覆い、ウェハケース100に載置するフィルム1220とを備える第2緩衝材1310を用いてもよい。
すなわち、図7に示す第1緩衝材1200と同じものを第2緩衝材1310として使用し、図9に示す梱包資材1010のような構成とすることで、振動や衝撃等をより吸収し、ウェハ10へ伝え難くすることができる。
第2緩衝材1310におけるフィルムは、枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、ウェハケースを押圧するものである。フィルムとしては、ウェハケースを押圧可能な強度を有し、ポリマー性の柔軟で伸縮性のある材質のものを用いることができ、例えば、ストレッチフィルムを用いることができる。フィルムの枠体への保持態様は、特に限定されず、鋲やタッカー等を用いて針で固定する、あるいは、接着剤等により固定することにより保持される。
また、例えば図7に示す第2緩衝材1310の模式図のように、枠体1211にストレッチフィルム1220を巻きつける保持態様もとり得る。図7(a)に示す上からみた第2緩衝材1310の模式図のように、ストレッチフィルム1220は下から上へ2回以上巻き付け、また、右から左へ2回以上巻きつけると、ウェハケースを載置可能であり、上下方向の振動や衝撃等にも耐えうる強度を満足しつつ、柔軟性や伸縮性も損なわれない。
このように、ストレッチフィルム1220を枠体1211へ複数回巻きつけることで、図7(b)に示す第2緩衝材1310の側面模式図のように、枠体1211の全面をストレッチフィルム1220で覆うことができる。巻き付け作業の容易性を考慮すると、ストレッチフィルム1220の幅は、開口部1212より大きく、枠体1211の一辺の長さに近い幅であることが好ましい。ストレッチフィルム1220は、開口部1212に、たるみが無く水平状態に配置できる程度に張りを持たせて設置することができる(図7(b))。このように設置することで、ウェハケース100をストレッチフィルム1220で押圧した時に、上下のストレッチフィルム1220が一定の張りをもつことで、外部からの振動や衝撃等をより吸収することが可能となる。
ストレッチフィルム1220としては、ウェハ10が収納されたウェハケース100の重量を考慮して、適した特性のものを適宜選定することができる。例えば、低密度ポリエチレン製であり、引っ張り強さが350daN/cmであり、厚みが15μmのものを使用することができる。このような特性を満たすものとして、梱包用に市販されているストレッチフィルムを使用することができる。
〈第3緩衝材〉
第3緩衝材1400は、ウェハケース100の側面を囲うものであり、梱包容器1100に収納可能な緩衝材である。第3緩衝材1400は、梱包容器1100とウェハケース100との間で、横方向の衝撃や振動等を吸収する役割を果たすことができる。更に、図3の矢印Aで示す方向に、第1緩衝材1200や第2緩衝材1300(1310)により吸収できる範囲を超えるような、上下方向に強い振動や衝撃を受けた場合において、第3緩衝材1400が支えとなると共に、矢印Bで示す矢印Aとは反対の方向に反発する力が働くことにより、ウェハ10へ強い振動や衝撃が伝わることを抑制することができる。
第3緩衝材1400の材質として、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含むことができる。これらの材質であれば、輸送中の振動や衝撃等で変形が生じない程度の強度がある。具体的には、硬質ウレタン、軟質ウレタン、2層構造の段ボール等を組み合わせて用いることができ、第1緩衝材1200や第2緩衝材1300(1310)と同様に、硬質ウレタンや2層段ボールを用いることが好ましい。
第3緩衝材1400の形状や大きさは特に限定はないが、例えば、図10の斜視模式図として示す第3緩衝材1400のような、同形状の板状の部材1410を4つ用いて、これらを底が抜けて上下に開口した升状体に組まれ、中央にウェハケース100が非接触で収納できるような直方体形状の開口部1420を有する形状とすることができる。そして、梱包体1500としたときに直方体形状となるようなものであってもよい。なお、第3緩衝材1400が升状体を維持できるよう、適宜ホチキスやタッカー等を用いて針で固定してもよい。
なお、図10では4つの部材1410が升状に組まれた第3緩衝材1400を例示したが、第3緩衝材1400としてはこれに限定されず、例えばくの字状の部材を2つ用いて升状に組まれたものでもよく、底が抜けた升状体の1つの部材がそのまま第3緩衝材1400となってもよい。
また、ウェハケース100以外のものが開口部1212にあるフィルムに干渉すると、フィルムが破損する等によって上下方向の振動や衝撃を吸収する機能が低下するおそれがある。そこで、第3緩衝材1400は、第1緩衝材1200の枠体1210に直接またはフィルムを介して載置され、開口部1212にあるフィルムには干渉しないように非接触の状態にして、梱包体1500を構成することが好ましい。例えば、第1緩衝材1200の開口部1212と、第3緩衝材1400の開口部1420とを同一形状とし、これらの開口部がずれないように梱包体1500を構成することで、第3緩衝材1400が開口部1212にあるフィルムへ干渉することを防止できる、また、開口部1212の開口面積よりも第開口部1420の開口面積を大きくし、第3緩衝材1400を第1緩衝材1200の枠体1210のみに直接またはフィルムを介して載置することによっても、上記のフィルムへの干渉を防止できる。
図11に示すように、第3緩衝材1400の高さ方向の長さL1は、ウェハケース100の高さ方向の長さL2よりも短くてもよい。この状態であれば、第2緩衝材1300を矢印Cの方向へ押圧することにより、ウェハケース100とストレッチフィルム1220が沈み込み、梱包体1500となる(図4)。梱包体1500は、ストレッチフィルム1220が矢印Dの方向へ反発する力と、第2緩衝材1300が蓋をして矢印Dとは反対方向である矢印Eの方向へ押し返す力が働いている。すなわち、上下よりウェハケース100を押圧する力が働くことで、ウェハケース100を固定することができ、輸送中にウェハケース100がずれてしまうことや、蓋120が開いてウェハ10同士の接触による破損、ウェハケース内部への異物の混入による汚染を防止することができる。
長さL1と長さL2の差によってできる隙間Sの量は、ウェハ10を収納したウェハケース100の大きさや重量、そして緩衝材やフィルムの強度や伸縮性等の特性によって、適宜調整することができる。例えば、隙間Sの量として5mm〜10mmに設定することができるが、この範囲に限定されない。
(梱包フィルム)
本発明のウェハケース用梱包資材は、第1緩衝材1200、ウェハケース100、第2緩衝材1300および第3緩衝材1400をまとめて梱包するフィルムを備えてもよい。例えば、図4に示す梱包体1500を外側からフィルムを巻きつけて、隙間Sが生じないように梱包体1500の形状を固定することで、梱包体1500の梱包容器1100への収納が容易となる。フィルムは梱包体1500の一部のみに巻いてもよく、全体を覆うように巻いてもよい。
梱包するフィルムとしては、ウェハケースを押圧可能な強度を有し、ポリマー性の柔軟で伸縮性のある材質のものを用いることができ、例えば、ストレッチフィルムを用いることができる。ストレッチフィルムとしては、梱包体1500に巻きつけることのできる、適した特性のものを適宜選定することができる。例えば、低密度ポリエチレン製であり、引っ張り強さが350daN/cmであり、厚みが15μmのものを使用することができる。このような特性を満たすものとして、梱包用に市販されているストレッチフィルムを使用することができる。
(他の構成)
本発明のウェハケース用梱包資材としては、上記の構成に加えて、他の構成を備えてもよい、例えば、梱包容器1100と梱包体1500との間に隙間がある場合には、この隙間を埋める気泡緩衝材や発泡スチロール等の緩衝材を備えてもよい。また、複数の梱包資材1000をまとめて収納可能な段ボール製の外箱等を備えることもできる。
[ウェハケースの梱包方法]
次に、本発明のウェハケースの梱包方法の一実施形態として、上記のウェハケース100を梱包することのできる梱包資材1000を用いた梱包方法について説明する。本発明の梱包方法は、第1載置工程と、第2載置工程と、収納工程と、を含む。
[第1載置工程]
第1載置工程は、例えば、図11に示すように、複数の板状のウェハ10を離隔し縦置きして収納可能なウェハケース100を、梱包容器1100に収納可能な第1緩衝材1200に載置する工程である。
第1緩衝材1200は、ウェハケース100が第1緩衝材1200と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部1212を有する枠体1210と、枠体1210に保持されて枠体1210の開口部1212を覆うフィルムと、を備え、第1載置工程では、ウェハケース100をフィルムに載置する。枠体およびフィルムについては上記したとおりであり、説明を省略する。
[第2載置工程]
第2載置工程は、例えば、図11に示すように、梱包容器1100に収納可能な第2緩衝材1300を、ウェハケース100に載置する工程である。
なお、第2緩衝材1310のように、第2緩衝材は、ウェハケースが第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備えてもよい。第2緩衝材1310については上記したとおりであり、説明を省略する。第2緩衝材1310を用いる場合には、第2載置工程では、第2緩衝材1310のフィルムをウェハケース100に載置する。
[収納工程]
収納工程は、ウェハケース100を、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように梱包容器1100に収納する工程である。
[ウェハケースの側面を囲う工程]
本発明のウェハケースの梱包方法では、第3緩衝材1400を用いずに、図12に示す梱包資材1020のような態様で、ウェハケース100を梱包してもよいが、梱包容器1100に収納可能な第3緩衝材1400で、ウェハケース100の側面を囲う工程を含んでもよく、この工程によって、図9に示す態様となるようにウェハケース100を梱包してもよい。第3緩衝材1400の役割については、上記したとおりであり、説明を省略する。
[押圧工程]
押圧工程は、第1緩衝材1200および/または第2緩衝材1300をウェハケース100の方向に押圧し、第3緩衝材1400と、第1緩衝材1200および/または第2緩衝材1300との間のクリアランス(例えば隙間S)を無くす工程である。本発明では、例えば、図11に示す隙間Sがある態様の場合には、本工程を含めることができる。図11に示すように、矢印Cで示すように第2緩衝材1300をウェハケース100の方向に押圧してもよく、矢印Fで示すように第1緩衝材1200をウェハケース100の方向に押圧してもよく、これらの両方の押圧を併用してもよい。なお、図11では第2緩衝材1300と第3緩衝材1400との間にクリアランス(隙間S)があるが、これに限定されず、第1緩衝材1200と第3緩衝材1400との間にもクリアランスがある態様も、本発明には含まれ得る。
図13に、梱包容器1100へ収納される直前のウェハケース100の一例を示す概略側面図を示す。押圧工程としては、第1緩衝材1200および/または第2緩衝材1300を直接押圧して、図4に示す梱包体1500の状態にする態様も含まれるが、図13に示すように、梱包容器1100へ収納するまえは押圧せずに、梱包容器1100へ収納してから、上蓋1110を閉じる際に上蓋1110で押圧する態様も含まれる。
[フィルム梱包工程]
フィルム梱包工程は、押圧工程後、第1緩衝材1200、ウェハケース100、第2緩衝材1300および第3緩衝材1400をフィルムでまとめて梱包する工程である。本発明では、フィルム梱包工程を含んでもよく、例えば、図4に示す梱包体1500を外側からフィルムを巻きつけて、隙間Sが生じないように梱包体1500の形状を固定する工程が挙げられる。本工程によって、梱包体1500の梱包容器1100への収納が容易となる。フィルムは梱包体1500の一部のみに巻いてもよく、全体を覆うように巻いてもよい。
なお、本発明がフィルム梱包工程を含む場合には、収納工程では、フィルム梱包工程後、フィルムでまとめて梱包されたウェハケース100、すなわちフィルムを巻かれた梱包体1500を梱包容器に収納することとなる。
第1緩衝材1200、第2緩衝材1300および/または第3緩衝材1400の材質として、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含んでもよい。具体的な説明は上記しており、ここでは説明を省略する。
第1緩衝材1200、第2緩衝材1300および/またはフィルム梱包工程におけるフィルムは、ストレッチフィルムであってもよい。具体的な説明は上記しており、ここでは説明を省略する。
第1緩衝材1200および/または第2緩衝材1300のフィルムは、枠体に巻きつけられたストレッチフィルムであってもよい。具体的な説明は上記しており、ここでは説明を省略する。
本発明のウェハケースの梱包方法では、上記した各工程の順番等は適宜変更することができる。例えば、第1載置工程、第2載置工程、押圧工程、収納工程の順に行ってもよい。また、第1緩衝材1200に第3緩衝材1400を載置した後に、ウェハケース100を第1緩衝材1200に載置する場合には、この載置行為によって第1載置工程とウェハケースの側面を囲う工程とを同時に実施することとなる。更に、押圧工程と収納工程の順番は前後してもよい。
(その他の工程)
本発明のウェハケースの梱包方法としては、上記の工程に加えて、他の工程を含んでもよい。例えば、収納工程後に上蓋1110を閉じて、上蓋1110が開かないようにガムテープ等で固定する工程が挙げられる。また、梱包容器1100と梱包体1500との間に隙間がある場合には、この隙間を埋める気泡緩衝材や発泡スチロール等の緩衝材を詰める工程を含んでもよい。さらに、複数の梱包資材1000をまとめて収納可能な段ボール製の外箱等へ収納する工程を行ってもよい。
本発明であれば、特殊な材料や専用品を用いることなく、市販の緩衝材やフィルム、梱包容器を使用して、コストを掛けずに大口径のウェハを割れ等の損傷や汚染を生じさせることなく輸送できる。なお、本発明に特殊な材料や専用品を用いてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
[実施例1]
以下に示す梱包用資材1000を使用し、8インチで厚み0.5mmのLT単結晶ウェハ10を収納したウェハケース100(大きさ26×26cm、高さ24cm、ウェハ10込みの質量5kg)を図3に示す態様に梱包した。
(梱包容器1100)
厚み10mmの2層構造の段ボール製であり、図5に示すような上蓋1110を備えるボックス形状の容器を使用した。内寸は、縦40cm、横40cm、高さ36cmであった。
(第1緩衝材1200)
縦5cm、横35cm、高さ6.5cmの直方体状の硬質ウレタン製緩衝材を部材1211とし、これらの4つの部材1211を、図6に示す枠体1210のように枠状に組んだ。その後、図7に示すように低密度ポリエチレン製ストレッチフィルム1220(引っ張り強さ350daN/cm、厚み15μm、幅38cm)を、下から上の方向へ枠体1210が全て覆われるように3回巻きつけてから、右から左の方向へ枠体1210が全て覆われるように3回巻き付けた。このようにして第1緩衝材1200を用意した。
(第2緩衝材1300)
図8に示すような、縦40cm、横40cm、厚さ6cmの板状であって、枠体1210と同様の硬質ウレタン製緩衝材を第2緩衝材1300とした。
(第3緩衝材1400)
縦5cm、横35cm、高さ(L1)23.5cmの板状緩衝材を部材1410とし、図10に示すように上下が開口した升状に組んだものを第3緩衝材1400とした。材質は、第1緩衝材1200および第2緩衝材1300と同様に硬質ウレタン製である。
〈ウェハケース100の梱包〉
梱包容器1100内の底部に第1緩衝材1200を設置し、さらに第1緩衝材1200に第3緩衝材1400を載置してから、開口部1420へウェハケース100を挿入し、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように、開口部1212にあるストレッチフィルム1220へ載置した(第1載置工程、ウェハケースの側面を囲う工程、収納工程)。そして、ウェハケース100の蓋120に第2緩衝材1300を載置した(第2載置工程)。第3緩衝材1400と第2緩衝材1300との間のクリアランス(隙間S)は5mmであり、梱包容器1100の上蓋1110を閉じて押圧することにより(押圧工程)、クリアランスを無くして第3緩衝材1400と第2緩衝材1300とを接地させた。最後に、上蓋1110が開かないようにガムテープ等で固定して、図3に示す梱包状態とした。
[実施例2]
図12に示す梱包資材1020のように、第3緩衝材1400を使用せずに、実施例1と同様のウェハ10が収納されたウェハケース100を梱包した。その他の条件については実施例1と同様とした。
[比較例1]
梱包容器1100内の底部に、開口部がなく、かつ、フィルムを使用しない第1の緩衝材1300として、縦40cm、横40cm、高さ6cmの緩衝材を設置し、第3の緩衝材1400の高さを24cmとした他は、実施例1と同様の第3緩衝材1400を載置し、開口部がなく、かつ、フィルムを使用しない第1の緩衝材1300の中央部にウェハケース100を載置した。第3緩衝材1400とウェハケース100の隙間には、気泡緩衝材や発泡スチロール等の緩衝材を詰めてウェハケース100を固定した。ウェハケース100の蓋120へ接地するように実施例1と同様の第2緩衝材1300を載置した。そして、梱包容器1100の上蓋1110を閉じて、上蓋1110が開かないようにガムテープ等で固定した。その他の条件については実施例1と同様とし、図14に示すようにフィルムは使用しない梱包状態とした。比較例1では、第3緩衝材1400の高さ方向の長さL1は、ウェハケース100の高さ方向の長さL2と同じであるため、押圧工程は実施しなかった。上記の梱包態様により、ウェハケース100は緩衝材で覆われて鉛直方向および水平方向のいずれにおいても固定されている状態とした。
実施例1、2および比較例1の梱包を行ったウェハケース100を、輸送条件は同一として、実際にトラックの荷台に載せて一般道および高速道路を走行して500km輸送した。輸送後のウェハ10の割れの有無、および梱包容器1100や緩衝材についての損傷や変形の有無を評価した。また、輸送中のウェハケース100へ与えられた衝撃力を株式会社スリック社製G-MEN DR100を用いて測定した。輸送中の最大衝撃力の測定結果および上記評価結果を表1に示す。
Figure 2020152415
実施例1では、いずれのウェハ10にも割れ等の損傷はみとめられず、また、梱包容器1100および緩衝材に損傷や変形は認められなかった。輸送中の衝撃は横方向よりも縦方向の方が強くなることが通常であり、実施例1では輸送中の最大衝撃力は縦方向の衝撃として11Gであった。結果として、ウェハケース100は第3緩衝材1400とは非接触に固定された状態を維持することができ、複数のウェハ10を離隔した状態で縦置きして収納できたことにより、輸送後のウェハ10に異常は認められなかった。
一方、実施例2は、輸送中の最大衝撃力が縦方向の衝撃として22Gであり、いずれのウェハ10にも割れ等の損傷はみとめられなかった。ただし、梱包容器1100の上蓋1110に凹みが生じていた。また、第2緩衝材1300が変形し、ウェハケース100が梱包容器1100の底部と接地していた。これらの状態となったのは、第3緩衝材1400がないことで、ウェハケース100を梱包容器1100中において宙づり状態で保持するためのウェハケース100を上下で挟む第1緩衝材1200および第2緩衝材1310のうち、輸送中の衝撃によって上側の第2緩衝材1310が押し込まれ、ウェハケース100の重量がかかる下側の第1緩衝材1200にはさらに過剰に負荷がかかり、枠体1210が大きく変形したためと推測された。
実施例2では、枠体1210が変形することで、ストレッチフィルム1220にたるみが生じ、ウェハケース100が梱包容器1100の底部に直接接触した状態となったが、ウェハ10が縦置きされた状態を維持できるように梱包容器1100に収納したため、輸送後のウェハ10に異常は認められなかった。
比較例1では、梱包容器1100および緩衝材に損傷や変形は認められなかったものの、輸送中の最大衝撃力が縦方向の衝撃として30Gを超えており、ウェハ10のうち3枚に割れが発生した。比較例1の梱包態様では、外部からの振動や衝撃が緩衝材によって緩和されるものの、ストレッチフィルムによる緩和効果は得られないため、ウェハケース100へ強く伝わってしまったことにより、ウェハ10が割れたものと予想された。
[まとめ]
以上のように、本発明のウェハケースの梱包方法およびウェハケース用梱包資材であれば、大口径化および薄型化された単結晶ウェハ等であっても、搬送中の衝撃等が直接伝わることによって、この単結晶ウェハ等に割れが発生したり損傷したりすることを防止できるとともに、汎用性が高く種々の形状のウェハケースの安全な輸送が可能なであることは、明らかである。
10 ウェハ
11 円盤面
12 厚み
100 ウェハケース
110 ウェハケース本体
111 開口部
112 内部
113 溝
114 足
120 蓋
121 内部
122 ウェハ押え部
1000 梱包資材
1010 梱包資材
1020 梱包資材
1100 梱包容器
1110 上蓋
1200 第1緩衝材
1210 枠体
1211 部材
1212 開口部
1220 ストレッチフィルム
1300 第2緩衝材
1310 第2緩衝材
1400 第3緩衝材
1410 部材
1420 開口部
1500 梱包体
2000 梱包資材
A 矢印
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
F 矢印
L1 長さ
L2 長さ
S 隙間

Claims (11)

  1. 複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なウェハケースを、梱包容器に収納可能な第1緩衝材に載置する第1載置工程と、
    前記梱包容器に収納可能な第2緩衝材を、前記ウェハケースに載置する第2載置工程と、
    前記ウェハケースを、前記ウェハが縦置きされた状態を維持できるように前記梱包容器に収納する収納工程と、を含み、
    前記第1緩衝材は、前記ウェハケースが前記第1緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備え、
    前記第1載置工程では、前記ウェハケースを前記フィルムに載置する、ウェハケースの梱包方法。
  2. 前記第2緩衝材は、前記ウェハケースが前記第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆うフィルムと、を備え、前記第2載置工程では、前記第2緩衝材の前記フィルムを前記ウェハケースに載置する、請求項1に記載のウェハケースの梱包方法。
  3. 前記梱包容器に収納可能な第3緩衝材で、前記ウェハケースの側面を囲う工程を含む、請求項1または2に記載のウェハケースの梱包方法。
  4. 前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材を前記ウェハケースの方向に押圧し、前記第3緩衝材と、前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材との間のクリアランスを無くす押圧工程を含む、請求項3に記載のウェハケースの梱包方法。
  5. 前記押圧工程後、前記第1緩衝材、前記ウェハケース、前記第2緩衝材および前記第3緩衝材をフィルムでまとめて梱包するフィルム梱包工程を含み、
    前記収納工程では、前記フィルム梱包工程後、フィルムでまとめて梱包された前記ウェハケースを前記梱包容器に収納する、請求項4に記載のウェハケースの梱包方法。
  6. 前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材の前記フィルムは、前記枠体に巻きつけられたストレッチフィルムである、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のウェハケースの梱包方法。
  7. 複数の板状のウェハを離隔し縦置きして収納可能なウェハケースを、前記ウェハが縦置きされた状態を維持できるように収納可能な梱包容器と、
    前記ウェハケースが載置される、前記梱包容器に収納可能な第1緩衝材と、
    前記ウェハケースに載置する、前記梱包容器に収納可能な第2緩衝材と、
    前記ウェハケースの側面を囲う、前記梱包容器に収納可能な第3緩衝材と、を備え、
    前記第1緩衝材は、前記ウェハケースが前記第1緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、前記ウェハケースを載置するフィルムと、を備える、ウェハケース用梱包資材。
  8. 前記第2緩衝材は、前記ウェハケースが前記第2緩衝材と接触する接触部分の面積よりも大きい面積の開口部を有する枠体と、前記枠体に保持されて当該枠体の開口部を覆い、前記ウェハケースに載置するフィルムと、を備える、請求項7に記載のウェハケース用梱包資材。
  9. 前記第3緩衝材の高さ方向の長さは、前記ウェハケースの高さ方向の長さよりも短い、請求項7または8に記載のウェハケース用梱包資材。
  10. 前記第1緩衝材、前記第2緩衝材および/または前記第3緩衝材の材質として、硬質ウレタン、軟質ウレタン、段ボールおよび/または発泡スチロールを含み、前記フィルムは、ストレッチフィルムである、請求項7〜9のいずれかに記載のウェハケース用梱包資材。
  11. 前記第1緩衝材および/または前記第2緩衝材の前記フィルムは、前記枠体に巻きつけられたストレッチフィルムである、請求項7〜請求項10のいずれかに記載のウェハケース用梱包資材。
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