JP2020152261A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、この構造のものでは、トリムを取り付けるための専用の仕切部材を用いなければならない。そして、メンテナンス作業等に際しては、この仕切部材をラジエータの支持部材や防塵網に対して脱着させるための煩雑な作業が必要となり、この点で改善の余地がある。
また、メンテナンス作業の際には、防塵網の取り外しを行うに伴って、必然的にトリムも防塵網とともにラジエータ周辺から取り外された状態となるので、トリムと防塵網を別々に脱着する場合に比べて、メンテナンス作業自体を簡素化し得る。
そしてトリムの長さは、防塵網の同方向長さと同程度に設定されているので、防塵網の上辺部における箇所での通気制限構造を、防塵網の脱着操作を妨げることなく、簡単な構造で構成し易い。つまり、トリムの長さが防塵網の上辺部よりも短かいと、防塵網の上辺部のうち、トリムが存在していない箇所を別の遮蔽構造物によって塞ぐ必要があり、その別の遮蔽構造物を脱着する余分な手数を要する。また、トリムの長さが防塵網の上辺部よりも長いと、その長い部分が防塵網の上辺部よりも下方の横側辺部にまで回り込み、防塵網の脱着操作を行う際の邪魔物となる虞があって好ましくない。トリムの長さが防塵網の同方向長さと同程度であることにより、このような不都合を避けやすい。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業車の一例であるユーティリティービークルにおいて、走行機体の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1乃至図3に示すように、左右一対の操向自在なタイヤ車輪で構成された前輪11と、左右一対のタイヤ車輪で構成された後輪12とを、車体フレーム1の前後に振り分けて配置してある。その前輪11と後輪12の間に、前輪11と後輪12を駆動する原動部4と、運転座席5および操縦操作部6を備えた運転部7と、を設けてある。そして、前記車体フレーム1の後部には、荷台8を車体後部に位置する横向きの水平方向軸芯xまわりで上下揺動自在に装備してある。これらの車体フレーム1、前輪11と後輪12、原動部4、運転部7、荷台8、を備えたユティリティビークルによって作業車を構成している。
運転部7においては、左右のメインフレーム10上に運転部フロア70が設けられ、その前部にステアリングホイール60を備えた操縦操作部6が配設され、後部に運転座席5が配設されている。
運転座席5は、着座シート52、及び背当てシート53を備えている。左右のメインフレーム10上に立設された座席支持枠50が備えられている。座席支持枠50の前向き面及び上向き面にわたって遮蔽壁51を備えられている。
そして、遮蔽壁51の上向き面部分の上側に着座シート52が設置され、座席支持枠50の後方側に背当てシート53が固定されている。
原動部4は、運転座席5の後方下部に設けられている。原動部4には、水冷式エンジン40と、トランスミッションケース41とを左右に振り分け配置してある。したがって、これらを前後に並べる場合に比べて原動部4の前後長が短縮される。トランスミッションケース41からの出力は、左右の後輪12、および前輪11に伝達されるように構成されている。
すなわち、図2に示すように、エンジン40およびトランスミッションケース41は、燃料タンク54およびラジエータ2に対して、前後方向でも左右方向でも平面視で位置ずれした状態に配置されていて、原動部4全体の前後方向寸法を短くするように工夫されている。
このエキゾーストマニホールド42は、エンジン本体40A内の各気筒に繋がる複数の排気路(図示せず)を備えた一つの円筒状の集合管部分42aを備えている。円筒状の集合管部分4aは、筒軸線方向を水平方向に沿わせた横向き姿勢で配置され、エンジン本体40Aの上部に隣接した箇所で、エンジン本体40Aの側部から突出した状態に設けられている。
集合管部分42aには、マフラー44へ向けて排気を導出するための排気用導管43が連設されている。
図3乃至図6に示すように、ラジエータ2は、固定フレーム20を介して車体フレーム1上に固定されている。固定フレーム20は、ラジエータ2の外周部のうち、水平方向での両端部に対向する縦フレーム部21と、各端部の縦フレーム部21の下端部同士を連結する下部フレーム部22と、を備えている。
水平方向で前後に離れて位置する各縦フレーム部21,21には、図6に示すように、ラジエータ2、及びラジエータファン24を囲むファンケース25に対してボルト連結可能な連結片部21aと、後述する防塵網3をスライド移行可能に案内するガイドレール部21bと、が備えられている。各縦フレーム部21,21のうち、ラジエータ2の外周面に対向する側の面とは反対側で、かつ前記連結片部21aとガイドレール部21bとの間に相当する箇所には、前後方向の横外側へ向けて突出する遮蔽部材26が装備されている。
このU字状のガイドレール部21bは、連結片部21aをラジエータ2及びファンケース25に対してボルト連結することにより、ラジエータ2に対する取付位置が決められる。この取付位置は、ラジエータ2の吸気面2Aに対向する状態で設けられる防塵網3の外周縁のうち、水平方向で前後に離れて位置する両端部の外周縁部分が入り込むように設定されており、ラジエータ2の吸気面2Aの延長方向に沿って形成されている。
したがって、ガイドレール部21bに防塵網3の前後に離れて位置する両端部を入り込ませた状態として、防塵網3を上下方向でスライド移動させる際の案内を行うことができる。
係止片部分22a,22b,22cのうち、中央位置の係止片部分22bは、吸気面2Aの背面側へ向かうように折り曲げられ、両端側の係止片部分22a,22cは、逆に吸気面2Aから横外側へ離れる方向へ向かうように折り曲げられている。これらの中央位置の係止片部分22b、及び両端側の係止片部分22a,22cによって、側面視でV字状となる上拡がりの受け止め部23が構成される。
したがって、ガイドレール部21bに案内させながら防塵網3を上方から下方へ向けて差し込むと、防塵網3の下端が、中央位置の係止片部分22bと両端側の係止片部分22a,22cによって構成される受け止め部23に当接する。この係止片部分22a,22b,22cで受け止められた位置が、防塵網3の下降限界であり、防塵網3が下限位置で位置決めされた状態となる。
防塵網3は、図3及び図5に示すように、ラジエータ2の吸気面2Aに対向する位置に装着可能で、扁平板状の金属製のメッシュ部材により通気可能に構成された網状本体30と、その網状本体30の上部に溶接固定された支持板31と、が備えられている。この支持板31は、網状本体30の上辺部分の全体にわたる水平方向幅を有し、網状本体30の上部を補強する役割も果たしている。
支持板31は、網状本体30の板面に沿う下部面31aと、それよりも少しラジエータ2の吸気面2Aから離れる側へ屈曲された上部面31bと、を備えている。下部面31aが網状本体30に溶接固定され、上部面31bは上端側ほど網状本体30から離れるように傾斜している。この上部面31bに対して、中空筒状のトリム32の嵌め込み部32aが嵌合されている。
そして、中空筒状のトリム32が防塵網3の上部に取り付けられることにより、このトリム32を、防塵網3の上部を上方側から把持するための把持部として利用することができるので、メンテナンス時にガイドレール部21bに対して防塵網3の挿抜操作を行い易い。
図3、図7、及び図8に示すように、運転座席5の背当てシート53の背部に、原動部4と運転部7とを区画する隔壁71が設けられている。隔壁71は、背当てシート53を支持する後部壁72と、その後部壁72の背面側に貼り合わせ状態で設けられる遮熱プレート45と、を備えている。
遮熱プレート45は、原動部4側から運転部7側への輻射熱の伝達を遮るためのもので、原動部4と運転座席5の下側の空間とを区画している。
配管支持具33は、図7及び図8に示すように、棒状部材の下部側をフック状に屈曲させて形成したフック部34aと、棒状部材の上端部をリング状に曲げてボルト挿通可能に形成した孔部34bと、を備えたホースガイドロッド34を備えている。そして、このホースガイドロッド34と、ホースガイドロッド34の孔部34bに挿通可能な連結ボルト35と、で構成された配管支持具33を用いて、ウォーターホース27を隔壁71に固定している。
したがって、孔部34bに連結ボルト35を挿通して、後部壁72にボルト連結すると、ホースガイドロッド34の直杆部34cが鍵穴状の係止孔46内に位置して、係止孔46によって両側から挟み込まれた状態となる。これによって、ホースガイドロッド34はウォーターホース27を吊り上げるように支持し、かつ、ウォーターホース27の長さ方向でのずれ動きも規制した状態で支持する。
上記の実施形態では、ラジエータ2の左右方向における端部では、トリム32を設けずに、縦フレーム部21の横外側に、スポンジなどの遮蔽部材26を直接的に装着した構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。例えば図9に示すように、縦フレーム部21の横外側に、適宜形状の板状充填材28を設けて、その板状充填材28の横外側に、別のトリム38を設けるようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、防塵網3として、網状本体30の上部に別の支持板31を溶接固定し、その支持板31にトリム32を装着した構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。例えば、支持板31を用いずに、網状本体30の上部に、直接トリム32を装着するようにしてもよい。この場合、網状本体30の全体が平板状のものであっても良いし、支持板31を用いた場合のように、上部をラジエータ2から離れる側へ屈曲させた構造のものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、運転座席5の下側空間に設けたラジエータ2の吸気面2Aに対して設けた防塵網3を対象としてトリム32を設けた構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。例えば、トリム32を取り付ける対象の防塵網3としては、例えば機体前部のボンネット内に設けられたラジエータ2の吸気面2Aに対して設けたものであっても良いことは勿論である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、配管支持具33として、一箇所のフック部34aや一箇所の孔部34bを備えたホースガイドロッド34を用いた構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。例えば、図10に示すように、一本の棒状部材に、複数箇所のフック部34aや複数箇所の孔部34bを備えたホースガイドロッド34を用いたものであってもよい。
この場合、遮熱プレート45に設ける係止孔46としては、鍵穴状のものではなく、単なる丸孔状の丸孔部46aを、ホースガイドロッド34の孔部34bに対応させて複数箇所設ければ良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
2 ラジエータ
2A 吸気面
3 防塵網
20 固定フレーム
21b ガイドレール部
24 冷却ファン
32 トリム
Claims (4)
- 外気との熱交換で冷却水の冷却を行うラジエータと、
前記ラジエータの吸気面とは反対側の面に隣接する冷却ファンと、
前記吸気面の前面に対向する状態で装着可能な防塵網と、が共通の収容空間内に収められ、
前記防塵網の上辺部に、前記ラジエータの上方における前記収容空間での通気を制限するためのトリムが取り付けられている作業車。 - 前記防塵網の上辺部に沿う方向における前記トリムの長さが、前記防塵網の同方向長さと同程度に設定されている請求項1記載の作業車。
- 前記ラジエータの外周部における横外側端部を起立姿勢で支持する固定フレームが備えられ、
前記固定フレームに、前記防塵網の横側辺部の上下方向でのスライド移動を案内するガイドレール部が形成されている請求項1又は2記載の作業車。 - 前記トリムは、前記防塵網の上辺部に沿う方向に長手方向を沿わせた中空筒状に形成され、上方側から把持可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項記載の作業車。
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