JP2020152059A - 建築資材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを有すると共に、類似の模様を有する建築資材が発生しにくい建築資材の製造方法を提供することにある。【解決手段】本発明に係る建築資材1の製造方法では、成形体10の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、成形体10を養生硬化させることで表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる。この製造方法では、成形体10の表面に水を供給してから、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布することで、シーラー塗料の塗布量が多い部分と、シーラー塗料の塗布量が少ない部分と、を分布させる。またこの製造方法では、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布してから、成形体10の表面に水を供給することで、シーラー塗料の濃度が大きい部分と、シーラー塗料の濃度が小さい部分と、を分布させる。【選択図】図2

Description

本発明は、一般には、建築資材の製造方法に関する。本発明は、詳細には、表面に形成された模様に特徴を有する建築資材を製造する方法に関する。
従来、建築物の内装材及び外装材として、セメント等の種々の成形材料からなる建築資材が広く使用されている(特許文献1参照)。
建築資材の意匠性を向上させるために、建築資材には種々の塗装が施され、この塗装によって種々の模様が形成される。
例えば、建築資材に塗装を施すによって、経年変化したセメントの素材感を表現することが行われることがある。このような塗装が施された建築資材を建物に施工することにより、セメント系の建築資材で作製され、かつ、経年変化したような自然な風合いを有する壁を、短期間、かつ、容易に施工することができる。
特開平5−200714号公報
セメントの経年変化は均一ではないため、塗装によって経年変化したセメントの風合いを表現しようとしても、人工的な印象を受けやすく、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを十分に表現することが難しいという問題があった。
また建築資材に塗装を施す場合、多数作製した建築資材の中に、類似の模様を有する建築資材が発生することがある。建築資材を用いて壁を施工する場合に、類似の模様を有する建築資材が含まれていると、壁を見た者が違和感を感じてしまうため、自然な風合いを有する壁が得られにくいという問題があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを有すると共に、類似の模様を有する建築資材が発生しにくい、建築資材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る建築資材の製造方法は、成形体の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、前記成形体を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる。前記成形体の表面に水を供給してから、前記成形体の表面に前記シーラー塗料を塗布することで、前記成形体の表面に染み込む前記シーラー塗料の量が多い部分と、前記成形体の表面に染み込む前記シーラー塗料の量が少ない部分と、を分布させる。
本発明の一態様に係る建築資材の製造方法は、成形体の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、前記成形体を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる。前記成形体の表面に前記シーラー塗料を塗布してから、前記成形体の表面に水を供給することで、前記シーラー塗料の濃度が大きい部分と、前記シーラー塗料の濃度が小さい部分と、を分布させる。
本発明の一態様によれば、成形体の表面に染み込むシーラー塗料の量が多い部分と少ない部分とが分布するため、この成形体を養生硬化させることにより、表面に不均一なエフロレッセンスが生じた建築資材が得られる。また本発明の一態様によれば、シーラー塗料の濃度が大きい部分と小さい部分とが分布するため、この成形体を養生硬化させることにより、表面に不均一なエフロレッセンスが生じた建築資材が得られる。この不均一なエフロレッセンスにより、経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いを表現することができる。また複数枚の建築板を製造しても、類似の模様を有する建築資材が発生しにくい。
図1は、本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係る建築資材の一例を示す概略の断面図である。 図2は、本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係る建築資材の製造方法の一例を示す概略の説明図である。 図3は、本発明の第一実施形態の塗布装置を用いてシーラー塗料の層を形成する方法を示す概略の説明図である。 図4A〜図4Dは、本発明の第一実施形態に係る建築資材の製造方法の一例を示す概略の説明図である。 図5は、本発明の第二実施形態の塗布装置を用いてシーラー塗料の層を形成する方法を示す概略の説明図である。 図6A〜図6Dは、本発明の第二実施形態に係る建築資材の製造方法の一例を示す概略の説明図である。
以下、本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係る建築資材1の製造方法を説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態は、様々な実施形態の一例に過ぎない。また第一実施形態及び第二実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1.第一実施形態
1−1.建築資材について
図1に示すように、第一実施形態に係る建築資材1は、成形体10を含む。建築資材1は、建築物の外装材として使用してもよく、建築物の内装材として使用してもよい。すなわち、建築物の屋内側に露出する面に建築資材1を設置してもよく、建築物の屋外側に露出する面に建築資材1を設置してもよい。
成形体10の表面には、シーラー塗料の塗膜101が設けられている。勿論、成形体10の表面には、シーラー塗料の塗膜101がない領域があってもよい。この塗膜101を構成するシーラー塗料の一部は、成形体10の表面に染み込んでいる。なお、成形体10の表面とは、成形体10におけるシーラー塗料が塗布される面及びその下方の位置にする部分が含まれる。
本実施形態の建築資材1では、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が均一ではなく、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が不均一となっている。また建築資材1は、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が異なる複数の領域を備える。建築資材1は、成形体10の表面にシーラー塗料が全く染み込んでいない領域を含んでいてもよい。建築資材1では、成形体10の表面にシーラー塗料が染み込んでいない領域が島状に点在していてもよく、成形体10の表面にシーラー塗料が染み込んだ領域が島状に点在していてもよい。また成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が異なる部分が島状に点在していてもよい。また成形体10の表面全体に略均一にシーラー塗料が染み込んでいるが、微視的にシーラー塗料が染み込んでいなくてもよく、微視的にシーラー塗料が多く染み込んでいてもよい。また成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が連続的に変化していてもよい。
本実施形態の建築資材1では、成形体10の表面に、不均一なエフロレッセンスが生じている。不均一なエフロレッセンスとは、エフロレッセンスが均一に生じていないこと意味し、領域によってエフロレッセンスの程度が異なることを意味する。勿論、成形体10の表面には、エフロレッセンスが生じていない部分があってもよい。例えば、成形体10の表面に、エフロレッセンスが生じている部分が島状に点在していてもよく、エフロレッセンスが生じていない部分が島状に点在していてもよく、エフロレッセンスの濃淡が異なる部分が島状に点在していてもよい。また成形体10の表面において、全体的に略均一にエフロレッセンスが生じているが、微視的にエフロレッセンスが生じていない部分があってもよく、微視的にエフロレッセンスが薄い部分があってもよく、微視的にエフロレッセンスが濃い部分があってもよい。さらに、成形体10の表面に生じたエフロレッセンスが濃淡を有していてもよい。例えば、成形体10の表面に、生じたエフロレッセンスが濃淡を有していてもよい。
例えば本実施形態の建築資材1では、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の塗膜101の量が少ない部分では、エフロレッセンスが強く生じる。また成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が多い部分では、エフロレッセンスが弱く生じる、或いはエフロレッセンスが生じない。そのため、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量を制御すること、エフロレッセンスの程度を制御することができる。そして、エフロレッセンスが強く生じる部分と、エフロレッセンスが弱く生じる部分、或いはエフロレッセンス生じない部分と、が分布することにより、エフロレッセンスを不均一に生じさせることができる。長期間に亘って使用されたセメント製の建築資材は、その表面に部分的にエフロレッセンスが生じたり、エフロレッセンスの濃淡が部分的に異なっていて、不均一な外観を有する。一方で成形体10の表面にシーラー塗料が均一に染み込んだ一般的な建築資材は、エフロレッセンスが抑制されて均一な外観を有するため、自然な風合いを備えていない。これに対して本実施形態の建築資材1では、表面に不均一なエフロレッセンスが生じているため、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを表現することができる。
またシーラー塗料の塗膜101の上には、更にクリアー塗装等が施されていてもよい。クリアー塗装を施すことによって、建築資材1の外観を有効に活用しながら、建築資材1の外面を保護することができる。このため、例えば建築資材1の外面が摩耗することによる破損及び粉落ちの発生、並びに建築資材1の外面の汚れを抑制することができる。
1−2.建築資材の製造方法について
1−2−1.建築資材の製造方法の概要
まず、本実施形態の建築資材1の製造方法の概要を、図2を参照しながら説明する。
(1)セメント系成形材料の用意
まずセメント系成形材料を用意する。セメント系成形材料は、例えばセメント、シリカ質を含む混和材、補強繊維、増量材、水等を混合することによって得られる。
シリカ質を含む混和材は、例えばSiO含有率が70質量%以上であるとともにブレーン値が3000cm以上のケイ石粉、前記以外のケイ石粉、シリカパウダー、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、パルプスラッジ焼却灰、及び汚泥焼却灰からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
補強繊維は、例えばパルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、及びロックウールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
増量材は骨材(細砂)、回収セメント製品の破砕物などが好ましい。平均粒径は5mm未満の範囲内であることが好ましい。
セメント系成形材料の固形分100質量部に対して、セメントの量は例えば30質量部以上70質量部以下であり、シリカ質を含む混和材の量は例えば30質量部以上60質量部以下であり、補強繊維の量は例えば3質量部以上6質量部以下であり、増量材の量は例えば5質量部以上40質量部以下の範囲内である。
セメント系成形材料の固形分量に対する水の量の比(水の量/固形分量)は、5/95から30/70の範囲内であることが好ましい。
セメント系成形材料中のSiのモル量に対する、セメント系成形材料中のCaのモル量の比は(Caのモル量/Siのモル量)は、0.5以上0.8以下であることが好ましい。この場合、建築資材の表面に適度なエフロレッセンスを生じさせることができる。このため、セメント系成形材料に含まれる各成分の配合割合は、Siのモル量に対するCaのモル量の比が、上記範囲内となるように調整することが好ましい。
(2)成形工程
次に、セメント系成形材料を成形して成形体10を作製する。成形方法は、例えば、ロール加圧成形、押出成形、注型成形、抄造成形等から選択される。成形体10の形状は、特に限定されないが、例えば板状である。
(3)一次養生工程
次に、成形体10を養生する。一次養生では、常温養生を行うことができる。
(4)予熱工程
次に、成形体10を予熱炉50で加熱する。例えば図2に示すように、成形体10を搬送しながら、予熱炉50を通過させることによって、成形体10を加熱することができる。予熱炉50内の加熱温度は、セメント系成形材料の配合、成形体10の厚み等に応じて、適宜設定される。
(5)シーラー塗料塗布工程
次に、成形体10の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布して、シーラー塗料の層11を形成する。例えば図2に示すように、成形体10を搬送しながら、塗布装置51を用いてシーラー塗料を塗布することにより、シーラー塗料の層11を形成する。塗布装置51を用いてシーラー塗料の層11を形成する方法については、後述する。
シーラー塗料は、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選択される一種以上の樹脂を含有することができる。シーラー塗料は、例えば水性エマルションであり、あるいは有機溶剤を含有する溶液又は分散液である。シーラー塗料は、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土などの無機粒子を含有することが好ましい。このようなシーラー塗料の層11は、建築資材の表面に生じるエフロレッセンスを制御することができる。またシーラー塗料は、顔料、染料等の種々の着色剤を含んでいてもよい。すなわちシーラー塗料が有色塗料であってもよい。
本実施形態では、シーラー塗料がアクリル樹脂を含むことが好ましい。この場合、オートクレーブ養生でもシーラー塗膜を保持することができる。
本実施形態では、シーラー塗料に含まれるアクリル樹脂の濃度(シーラー塗料全体に対するアクリル樹脂の濃度)が0.5%以上20%以下であることが好ましい。この場合、建築資材の表面に自然な風合いのエフロレッセンスを生じさせることができる。シーラー塗料に含まれるアクリル樹脂の濃度が、0.5%未満であると過剰なエフロレッセンスが生じることがあり、また20%より大きいとエフロレッセンスが抑制され過ぎて自然な風合いが表現されにくいことがある。
(6)乾燥工程
次に、シーラー塗料の層11が設けられた成形体10を乾燥炉52で加熱する。例えば図2に示すように、成形体10を搬送しながら、乾燥炉52を通過させることによって、シーラー塗料の層11を乾燥させることができる。乾燥炉52内の加熱温度は、成形体10の大きさ、シーラー塗料の配合、厚み等に応じて適宜設定される。
(7)オートクレーブ養生工程
次に成形体10をオートクレーブ養生する。例えば図2に示すように、オートクレーブ53で成形体10を養生硬化させることにより、シーラー塗料の層11が硬化されて塗膜101が形成されると共に、成形体10の表面に不均一にエフロレッセンスを生じさせることができる。
効果的にエフロレッセンスを生じさせる観点から、オートクレーブ養生の条件は、160℃以上180℃以下、0.5MPa以上0.9MPa以下、8時間以上13時間以下の条件であることが好ましい。
上記(1)〜(7)の工程により、建築資材1を作製することができる。
本実施形態の建築資材1は、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が多い部分と、小さい部分とが分布しているため、不均一なエフロレッセンスが生じる。詳細には、成形多い10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が多い部分では、エフロレッセンスが抑制され、エフロレッセンスが生じない、或いは弱いエフロレッセンスが生じる。また成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が少ない部分では、エフロレッセンスが抑制され難く、強いエフロレッセンスが生じる。このため、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量に応じて、不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。この不均一なエフロレッセンスによって、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを表現することができる。本実施形態では、エフロレッセンスが最も強く生じている部分と、エフロレッセンスが最も弱く生じている部分との色差(ΔE)は、5以上15以下であることが好ましい。色差は、例えば色彩色差計、分光測色計等によって測定することができる。
1−2−2.シーラー塗料塗布工程の詳細
上述の通り、本実施形態の建築資材1の製造方法においては、塗布装置51を用いて成形体10の表面にシーラー塗料を塗布することにより、シーラー塗料の層11を形成することができる。以下、塗布装置51を用いて、シーラー塗料の層11を形成する方法について説明する。
本実施形態では、図3に示すように、塗布装置51として、水供給部511及び塗料供給機512を使用する。このため、本実施形態の塗布装置51は、水供給部511及び塗料供給機512を含む。本実施形態では、図3に示すように、水供給部511から成形体10の表面に水を供給してから、塗料供給機512から成形体10の表面にシーラー塗料を塗布することにより、シーラー塗料の層11を形成することができる。このため、本実施形態の塗布装置51では、水供給部511及び塗料供給機512がライン上でこの順に並んでいる(図3参照)。
水供給部511は、成形体10の表面に水を供給することができれば特に限定されず、特に成形体10の表面に部分的に水を供給可能であることが好ましい。水供給部511の例には、水を供給可能な公知のスプレー(散水機)、水を供給可能な配管等に使用される公知のノズル等が含まれる。水供給部511がスプレーである場合、水供給部511は、水を霧状に供給してもよく、水を霧状に供給しなくてもよい。水供給部511から供給される水の幅は、成形体10の幅よりも小さいことが好ましい。塗布装置51は、水供給部511を一つのみ含んでいてもよく、複数の水供給部511を含んでいてもよい。例えば図3に示す塗布装置51は、ノズルである水供給部511を一つ含んでいる。また図3に示す塗布装置51では、成形体10を移動させながら、水供給部511から成形体10の表面に水を供給する。それにより、成形体10の表面に水を染み込ませることができる(図4A及び図4B参照)。本実施形態では、成形体10の表面に部分的に水が供給されることが好ましい。この場合、成形体10の表面に、部分的に水を染み込ませることができる。例えば、図3及び図4Bに示すように、成形体10の表面に部分的に水が供給されることにより、第一水供給領域12が形成される。
塗料供給機512は、成形体10の表面にシーラー塗料を供給することができれば特に限定されない。塗料供給機512の例には、スプレー塗装機、フローコーター塗装機等の非接触式の塗装機が含まれる。例えば図3に示す塗布装置51は、スプレー塗装機である塗料供給機512を含む。また図3に示す塗布装置51では、成形体10を移動させながら、成形体10の表面に対してシーラー塗料を供給する。それにより、成形体10の表面全体にシーラー塗料の層11を形成することができる。本実施形態では、成形体10の表面全体にシーラー塗料の層11を設けることが好ましい。この際、成形体10の表面の水が染み込んだ部分は、水が染み込んでいない部分と比べて、シーラー塗料が染み込みにくい。そのため、水供給部511から成形体10の表面に部分的に水を供給した後に、塗料供給機512から成形体10の表面にシーラー塗料を供給することにより、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が多い部分と、成形体10の表面に染み込んだシーラー塗料の量が少ない部分と、が分布した層11を形成することができる(図4C参照)。
本実施形態では、第一水供給領域12には、水が供給されているため、シーラー塗料が染み込みにくく、また第一水供給領域12以外の領域には、水が供給されていないため、シラー塗料が染み込みやすい。そして、染み込んだシーラー塗料の量が多い部分ではエフロレッセンスが生じにくく、少ない部分ではエフロレッセンスが生じやすい。そのため、シーラー塗料の層11が形成された成形体10を養生硬化させることにより、不均一なエフロレッセンスが生じた建築資材1が得られる(図4D参照)。本実施形態では、第一水供給領域12には、シーラー塗料が染み込みにくいため、エフロレッセンスが生じやすく、また第一水供給領域12以外の領域には、シーラー塗料が染み込みやすいため、エフロレッセンスが生じにくい。このような建築資材1であれば、経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いを表現することができる。また複数枚の建築資材1を製造しても、全く同一のエフロレッセンスは生じにくいことから、類似の模様を有する建築資材1も発生しにくい。
本実施形態では、水供給部511から水を供給する場合に、水供給部511から、連続的に又は間欠的に、水を供給することが好ましい。この場合、成形体10の表面に水を不均一に染み込ませやすく、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。
例えば成形体10を移動させながら、水供給部511から連続的に水を供給することにより、成形体10の表面の広範囲に水を染み込ませることができ、広範囲でエフロレッセンスを生じにくくすることができる。
また例えば成形体10を移動させながら、水供給部511から間欠的に水を供給する場合、成形体10の表面内で一度のみ水が供給されれば、成形体10の表面の一部分に水を染み込ませられ、一部分でエフロレッセンスを生じにくくすることができる。また成形体10の表面内で複数回水が供給されれば、成形体10の表面の複数の部分に水を染み込ませられ、複数の部分においてエフロレッセンスを生じにくくすることができる。例えば、成形体10毎に、水供給部511から供給する水の量(水の供給時間)を変化させてもよい。この場合、複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1が特に発生しにくくすることができる。
本実施形態では、成形体10に対して水供給部511を相対的に移動させながら、水供給部511から成形体10の表面に水を供給することが好ましい。この場合、成形体10の表面に不均一に水を染み込ませやすく、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。成形体10に対して水供給部511を相対的に移動させる方法としては、成形体10が移動する方向と交差する方向に水供給部511を移動させること、成形体10が停止した状態で水供給部511を移動させること、水供給部511が停止した状態で成形体10を移動させること、成形体10と水供給部511とを同じ方向に移動させながら、成形体10の移動速度と水供給部511の移動速度とを異ならせること等が含まれる。
例えば、成形体10の移動方向と交差する方向に水供給部511を移動させることが好ましい。この場合、成形体10の表面における水が供給される部位を変化させやすく、成形体10の表面に不均一に水を染み込ませやすい。そのため、より不均一にエフロレッセンスを生じさせることができる。例えば、水供給部511が成形体10の移動方向の一端から他端に達するまでの間に、水供給部511は、成形体10の幅方向の一端から他端に移動してもよい。また例えば、水供給部511が成形体10の移動方向の一端から他端に達するまでの間に、成形体10の幅方向に一往復してもよく、複数回往復してもよい。
また例えば、成形体10の移動方向に沿う方向に水供給部511を移動させることが好ましい。この場合、成形体10に対する水供給部511の移動速度を変化させることができる。水供給部511の移動速度が小さい部分は、移動速度が大きい部分と比べて、成形体10の表面に染み込む水の量が大きくなる。そのため、成形体10に対する水供給部511の移動速度を変化させることで、成形体10の表面に不均一に水を染み込ませられ、より不均一にエフロレッセンスを生じさせられる。例えば、成形体10毎に、水供給部511の移動速度を変化させてもよい。この場合、複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1が特に発生しにくくすることができる。
また例えば、成形体10の表面に水を供給する際に、水が供給された領域(第一水供給領域12)内において、水の供給量を変化させてもよい。この場合、第一水供給領域12内において、エフロレッセンスの程度を変化させることができ、より不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。
また例えば、成形体10の表面に水を供給する際に、成形体10の表面全体に水が供給されると共に、供給された水の量が多い部分と少ない部分とが分布していてもよい。この場合、成形体10の表面に全体的に水が染み込むと共に、染み込んだ水の量が多い部分と少ない部分とが形成される。この場合も、不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。
2.第二実施形態
2−1.建築資材について
第二実施形態に係る建築資材1は、第一実施形態に係る建築資材1と同様に、成形体10を含み、その表面にシーラー塗料の塗膜101が設けられている。この塗膜101を構成するシーラー塗料の一部は、成形体10の表面に染み込んでいる。
本実施形態の建築資材1では、塗膜101のシーラー塗料の濃度が均一ではなく、塗膜101のシーラー塗料の濃度が不均一となっており、シーラー塗料の濃度が異なる複数の領域を備える。詳細には、シーラー塗料の濃度が大きい部分と、シーラー塗料の濃度が小さい部分と、が分布している。
塗膜101において、シーラー塗料の濃度が異なる部分が島状に点在していてもよい。また塗膜101において、シーラー塗料の濃度が全体的に略均一であるが、微視的にシーラー塗料の濃度が大きい部分が存在してもよく、微視的にシーラー塗料の濃度が小さい部分が存在してもよい。また塗膜101において、シーラー塗料の濃度が連続的に変化してもよい。
本実施形態の建築資材1では、第一実施形態の建築資材1と同様に、成形体10の表面に、不均一なエフロレッセンスが生じている。具体的には、塗膜101におけるシーラー塗料の濃度が小さい部分では、エフロレッセンスが強く生じる。また塗膜101におけるシーラー塗料の濃度が大きい部分では、エフロレッセンスが弱く生じる、或いはエフロレッセンスが生じない。そのため、成形体10の表面に設けられた塗膜101におけるシーラー塗料の濃度を制御することによって、エフロレッセンスの程度を制御することができる。そして、エフロレッセンスが強く生じる部分と、エフロレッセンスが弱く生じる部分、或いはエフロレッセンス生じない部分と、が分布することにより、エフロレッセンスを不均一に生じさせることができる。長期間に亘って使用されたセメント製の建築資材は、その表面に部分的にエフロレッセンスが生じたり、エフロレッセンスの濃淡が部分的に異なっていて、不均一な外観を有する。一方で表面に均一な厚みのシーラー塗料の塗膜が設けられた一般的な建築資材は、エフロレッセンスが抑制されて均一な外観を有するため、自然な風合いを備えていない。これに対して本実施形態の建築資材1では、表面に不均一なエフロレッセンスが生じているため、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを表現することができる。また複数枚の建築資材1を製造しても、全く同一のエフロレッセンスは生じにくいことから、類似の模様を有する建築資材1も発生しにくい。
シーラー塗料の塗膜101の上には、更にクリアー塗装等が施されていてもよい。
2−2.建築資材の製造方法について
2−2−1.建築資材の製造方法の概要
第二実施形態に係る建築資材1は、第一実施形態に係る建築資材1と同様に、上記(1)〜(7)の工程によって、製造することができる。
第二実施形態の建築資材1は、シーラー塗料の塗膜101において、シーラー塗料の濃度量が大きい部分と、小さい部分とが分布しているため、不均一なエフロレッセンスが生じる。詳細には、塗膜101におけるシーラー塗料の濃度が大きい部分では、エフロレッセンスが抑制され、エフロレッセンスが生じない、或いは弱いエフロレッセンスが生じる。また塗膜101におけるシーラー塗料の濃度が小さい部分では、エフロレッセンスが抑制され難く、強いエフロレッセンスが生じる。このため、塗膜101におけるシーラー塗料の濃度に応じて、不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。この不均一なエフロレッセンスによって、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いを表現することができる。
2−2−2.シーラー塗料塗布工程の詳細
第二実施形態の建築資材1の製造方法においても、塗布装置51を用いて成形体10の表面にシーラー塗料を塗布することにより、シーラー塗料の層11を形成することができる。以下、塗布装置51を用いて、シーラー塗料の層11を形成する方法について説明する。
第二実施形態では、図5に示すように、塗布装置51として、水供給部511及び塗料供給機512を使用する。このため、本実施形態の塗布装置51は、水供給部511及び塗料供給機512を含む。第一実施形態では、水供給部511から成形体10の表面に水を供給した後に、塗料供給機512から成形体10の表面にシーラー塗料を供給している。これに対して第二実施形態に係る建築資材1の製造方法では、図5に示すように、塗料供給機512から成形体10の表面にシーラー塗料を塗布してから、水供給部511から成形体10の表面に水を供給することにより、シーラー塗料の層11を形成することができる。このため、本実施形態の塗布装置51では、塗料供給機512及び水供給部511がライン上でこの順に並んでいる(図5参照)。
塗料供給機512は、成形体10の表面にシーラー塗料を供給することができれば特に限定されない。第一実施形態に係る塗料供給機512の例には、スプレー塗装機、フローコーター塗装機等の非接触式の塗装機が含まれている。これに対して第二実施形態に係る塗料供給機512の例には、上記非接触式の塗装機に加えて、ロールコーター塗装機等の接触式の塗装機が含まれる。例えば図5に示す塗布装置51は、スプレー塗装機である塗料供給機512を含む。また図5に示す塗布装置51では、成形体10を移動させながら、成形体10の表面に対してシーラー塗料を供給することにより、成形体10の表面にシーラー塗料の層110を設けることができる(図6A及び図6B参照)。本実施形態では、成形体10の表面全体にシーラー塗料の層110を設けることが好ましい。
水供給部511は、成形体10の表面(層110)に水を供給することができれば特に限定されず、特に成形体10の表面(層110)に部分的に水を供給可能であることが好ましい。水供給部511の例には、水を供給可能な公知のスプレー(散水機)、水を供給可能な配管等に使用される公知のノズル等が含まれる。水供給部511がスプレーである場合、水供給部511は、水を霧状に供給してもよく、水を霧状に供給しなくてもよい。水供給部511から供給される水の幅は、成形体10の幅よりも小さいことが好ましい。塗布装置51は、水供給部511を一つのみ含んでいてもよく、複数の水供給部511を含んでいてもよい。例えば図5に示す塗布装置51は、ノズルである水供給部511を一つ含んでいる。例えば図5に示すように、シーラー塗料の層110が設けられた成形体10を移動させながら、水供給部511からこの成形体10の表面(層110)に水を供給して、シーラー塗料の層11を形成する。本実施形態では、成形体10の表面(層110)に部分的に水を供給することが好ましい。この層11における水が供給された部分は、水が供給されなかった部分と比べて、シーラー塗料の濃度が小さくなる。そのため、塗料供給機512からシーラー塗料を供給して層110を形成した後に、水供給部511から層110に水を部分的に供給することにより、シーラー塗料の濃度が大きい部分と、シーラー塗料の濃度が小さい部分と、が分布した層11を形成することができる(図6C参照)。例えば、図5及び図6Cに示すように、成形体10の表面(層110)に部分的に水が供給されることで、第二水供給領域13が形成される。この第二水供給領域13は、水が供給されているため、シーラー塗料の濃度が小さく、また第二水供給領域13以外の領域は、水が供給されていないため、シーラー塗料の濃度が大きい。そして、シーラー塗料の濃度が、大きい部分ではエフロレッセンスが生じにくく、小さい部分ではエフロレッセンスが生じやすい。そのため、シーラー塗料の層11が形成された成形体10を養生硬化させることにより、不均一なエフロレッセンスが生じた建築資材1が得られる。本実施形態では、第二水供給領域13は、シーラー塗料の濃度が小さいため、エフロレッセンスが生じやすく、また第二水供給領域13以外の領域は、シーラー塗料の濃度が大きいため、エフロレッセンスが生じにくい。このような建築資材1であれば、経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いを表現することができる。また複数枚の建築資材1を製造しても、全く同一のエフロレッセンスは生じにくいことから、類似の模様を有する建築資材1も発生しにくい。
水供給部511から水を供給する場合、水供給部511から、連続的に又は間欠的に、水を供給することが好ましい。この場合、シーラー塗料の層110に不均一に水を供給しやすく、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。
例えばシーラー塗料の層110が形成された成形体10を移動させながら、水供給部511から連続的に水を供給することにより、層110の広範囲に水を供給することができ、広範囲でエフロレッセンスを生じやすくすることができる。
また例えばシーラー塗料の層110が形成された成形体10を移動させながら、水供給部511から間欠的に水を供給する場合、成形体10の表面内で一度のみ水が供給されれば、一部分のシーラー塗料の濃度を小さくなった層11を形成することができ、一部分でエフロレッセンスを生じやすくできる。また成形体10の表面内で複数回水が供給されれば、複数の部分のシーラー塗料の濃度を小さくなった層11を形成することができ、複数の部分でエフロレッセンスを生じやすくすることができる。
本実施形態では、成形体10に対して水供給部511を相対的に移動させながら、水供給部511から成形体10の表面(層110)に水を供給することが好ましい。この場合、層11におけるシーラー塗料の濃度をより不均一にしやすく、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。成形体10に対して水供給部511を相対的に移動させる方法としては、成形体10が移動する方向と交差する方向に水供給部511を移動させること、成形体10が停止した状態で水供給部511を移動させること、水供給部511が停止した状態で成形体10を移動させること、成形体10と水供給部511とを同じ方向に移動させながら、成形体10の移動速度と水供給部511の移動速度とを異ならせること等が含まれる。
例えば、成形体10の移動方向と交差する方向に水供給部511を移動させることが好ましい。この場合、層11の水が供給される部位を変化させやすく、層11のシーラー塗料の濃度をより不均一にすることができる。そのため、より不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。例えば水供給部511が成形体10の移動方向の一端から他端に達するまでの間に、水供給部511は、成形体10の幅方向の一端から他端に移動してもよい。勿論、水供給部511が、成形体10の移動方向の一端から他端に達するまでの間に、成形体10の幅方向に一往復してもよく、複数回往復してもよい。
また例えば、成形体10の移動方向に沿う方向に水供給部511を移動させることが好ましい。この場合、成形体10に対する水供給部511の移動速度を変化させることができる。水供給部511の移動速度が小さい部分は、移動速度が大きい部分と比べて、層110に供給される水の量が大きくなりやすく、層11のシーラー塗料の濃度が小さくなりやすい。そのため、成形体10に対する水供給部511の移動速度を変化させることで、層11のシーラー塗料の濃度をより不均一にすることができ、より不均一にエフロレッセンスを生じさせることができる。例えば、成形体10毎に、水供給部511の移動速度を変化させてもよい。この場合、複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1が特に発生しにくくすることができる。
また例えば、成形体10の表面(層110)に部分的に水を供給する際に、水が供給された領域(第二水供給領域13)内において、水の供給量を変化させてもよい。この場合、第二水供給領域13内において、エフロレッセンスの程度を変化させることができ、より不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。
また例えば、成形体10の表面(層110)に水を供給する際に、成形体10の表面(層110)全体に水が供給されると共に、供給された水の量が多い部分と少ない部分とが分布していてもよい。この場合も、層11に、シーラー塗料の濃度が大きい部分と小さい部分とを形成することができ、不均一なエフロレッセンスを生じさせることができる。
3.変形例
建築資材1を製造する方法は、上述の第一実施形態及び第二実施形態の方法に限定されない。
例えば、第一実施形態の方法では、成形体10の表面に部分的に水を供給してから、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布しており、その後は成形体10の表面に水を供給していないが、これに限定されない。例えば、第一実施形態の方法において、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布してから、成形体10の表面に部分的に水を供給してもよい。この場合、層11において、シーラー塗料の濃度が大きい部分と小さい部分とを形成することができ、層11におけるシーラー塗料の濃度を不均一にすることができる。そのため、より不均一にエフロレッセンスを生じさせることができ、また複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくくすることができる。
例えば、第一実施形態及び第二実施形態の方法において、シーラー塗料の層110の厚みを不均一にしてもよい。この場合、エフロレッセンスをより不均一に生じさせることができる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。シーラー塗料の層110の厚みを不均一にさせる方法は、特に限定されない。
例えば、スプレー塗装でシーラー塗料を塗布することによって、シーラー塗料の塗布量が多い部分と、シーラー塗料の塗布量が少ない部分と、を分布させてもよい。
例えば、表面にシーラー塗料が設けられた成形体10又はエアー吹出口を移動させながら、このエアー吹出口から成形体10に向かってエアーを吹き付けると共に、このエアー吹出口を移動させてもよい。
例えば、表面にシーラー塗料が設けられた成形体10又はエアー吹出口を移動させながら、このエアー吹出口から成形体10に向かってエアーを吹き付けると共に、エアー吹出口から成形体10に向かってエアーが吹き出す方向を、移動させてもよい。
例えば、表面にシーラー塗料が設けられた成形体10又はエアー吹出口を移動させながら、エアー吹出口から成形体10に向かってエアーを吹き付けると共に、エアー吹出口の長手方向を移動方向と交差する方向に配置し、エアー吹出口と成形体10との間にエアー吹出口から吹き出すエアーを部分的に遮る邪魔板を配置し、かつ、この邪魔板をエアー吹出口の長手方向に沿って移動させてもよい。
例えば、表面にシーラー塗料が設けられた成形体10又はエアー吹出口を移動させながら、エアー吹出口から成形体10に向かってエアーを吹き付けると共に、エアー吹出口から吹き出すエアーの吹出圧力を経時的に変化させてもよい。
4.まとめ
第一の態様に係る建築資材1の製造方法は、成形体10の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、成形体10を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる。成形体10の表面に水を供給してから、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布することで、成形体10の表面に染み込むシーラー塗料の量が多い部分と、成形体10の表面に染み込むシーラー塗料の量が少ない部分と、を分布させる。
この場合、成形体10の表面に染み込むシーラー塗料の量が多い部分では、エフロレッセンスが生じにくく、また成形体10の表面に染み込むシーラー塗料の量が少ない部分では、エフロレッセンスが生じやすい。そのため、エフロレッセンスが生じやすい部分と、エフロレッセンスが生じにくい部分とが形成されて、不均一にエフロレッセンスを生じさせることができる、また複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1が発生しにくくすることができる。
第二の態様に係る建築資材1の製造方法は、成形体10の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、成形体10を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる。成形体10の表面にシーラー塗料を塗布してから、成形体10の表面に水を供給することで、シーラー塗料の濃度が大きい部分と、シーラー塗料の濃度が小さい部分と、を分布させる。
この場合、シーラー塗料の濃度が大きい部分では、エフロレッセンスが生じにくく、またシーラー塗料の濃度が小さい部分では、エフロレッセンスが生じやすい。そのため、エフロレッセンスが生じやすい部分と、エフロレッセンスが生じにくい部分とが形成されて、不均一にエフロレッセンスを生じさせることができる、また複数の建築資材1を作製する際に、類似の模様を有する建築資材1が発生しにくくすることができる。
第三の態様に係る建築資材1の製造方法は、第一又は第二の態様において、水供給部511から連続的又は間欠的に水を供給する。
この場合、成形体10の表面に水を不均一に染み込ませやすく、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。
第四の態様に係る建築資材1の製造方法は、第一〜第三のいずれか一の態様において、成形体10に対して水供給部511を相対的に移動させながら、水供給部511から成形体10の表面に水を供給すると共に、水供給部511を移動させる。
この場合、より不均一なエフロレッセンスを生じさせられる。それにより、建築資材1に経年変化したセメント系建築資材のような自然な風合いをより表現しやすい。また複数の建築資材1を製造しても、類似の模様を有する建築資材1がより発生しにくい。
第五の態様に係る建築資材1の製造方法は、第一〜第四のいずれか一の態様において、シーラー塗料に含まれるアクリル樹脂の濃度が0.5%以上20%以下である。
この場合、建築資材1の表面に自然な風合いのエフロレッセンスを生じさせることができる。
1 建築資材
10 成形体
511 水供給部

Claims (5)

  1. 成形体の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、前記成形体を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる、建築資材の製造方法であって、
    前記成形体の表面に水を供給してから、前記成形体の表面に前記シーラー塗料を塗布することで、前記成形体の表面に染み込む前記シーラー塗料の量が多い部分と、前記成形体の表面に染み込む前記シーラー塗料の量が少ない部分と、を分布させることを特徴とする、
    建築資材の製造方法。
  2. 成形体の表面にエフロレッセンスが不均一に生じるようにシーラー塗料を塗布し、前記成形体を養生硬化させることで、表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる、建築資材の製造方法であって、
    前記成形体の表面に前記シーラー塗料を塗布してから、前記成形体の表面に水を供給することで、前記シーラー塗料の濃度が大きい部分と、前記シーラー塗料の濃度が小さい部分と、を分布させることを特徴とする、
    建築資材の製造方法。
  3. 水供給部から連続的又は間欠的に水を供給する、
    請求項1又は2に記載の建築資材の製造方法。
  4. 前記成形体に対して水供給部を相対的に移動させながら、前記水供給部から前記成形体の表面に水を供給する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の建築資材の製造方法。
  5. 前記シーラー塗料に含まれるアクリル樹脂の濃度が0.5%以上20%以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築資材の製造方法。
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