JP2020152037A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱源を新たに設けずに印刷媒体を予備的に加熱できるとともに、加熱後の印刷媒体の冷却を促進する技術を提供する。【解決手段】印刷装置1は、ヘッドユニット20と乾燥装置30と伝熱ローラ51とを備える。ヘッドユニット20は、搬送経路TC上の印刷位置L1にインクを吐出する。乾燥装置30は、搬送経路TC上の印刷位置L1よりも下流の加熱位置L2にて印刷用紙9を加熱する。伝熱ローラ51は、印刷用紙9における、印刷位置L1から加熱位置L2までの間の上流部分91、および、加熱位置L2よりも下流の下流部分93に接触して、下流部分の熱を上流部分91へ伝導する。【選択図】図1
Description
この発明は、印刷装置および印刷方法に関する。
従来、長尺帯状の印刷用紙を長手方向に搬送しながら、印刷用紙へ向けてインクを吐出することにより画像を記録する印刷装置が知られている。この種の印刷装置の中には、ヒートローラ方式の乾燥機構を備えたものがある。ヒートローラ方式の乾燥機構は、加熱されたヒートローラの表面に印刷用紙を接触させることにより、インクを加熱して乾燥させる。
ヒートローラ方式の乾燥機構を備えた従来の印刷装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の印刷装置では、連続紙がヒートローラ18によって加熱されて乾燥される。
しかしながら、乾燥効率を向上させるためには、より早い段階で用紙を予備加熱することが望ましい。このため、予備加熱のために新たな熱源を設けることが望ましいが、空間的制約やコストアップの点から困難な場合がある。
また、乾燥後の印刷媒体を冷却するため、チルローラが利用される場合がある。しかしながら、印刷媒体からの吸熱によってチルローラの温度が上昇した場合、印刷媒体の冷却効率が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、熱源を新たに設けずに印刷媒体を予備的に加熱できるとともに、加熱後の印刷媒体の冷却を促進する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1態様は、印刷媒体にインクジェット方式で画像を印刷する印刷装置であって、規定の搬送経路に対応して配置され、前記印刷媒体を搬送する搬送部と、前記搬送経路上の印刷位置にインクを吐出するインクジェット部と、前記搬送経路上の前記印刷位置よりも下流の加熱位置にて前記印刷媒体を加熱する加熱乾燥器と、前記印刷媒体における、前記印刷位置から前記加熱位置までの間の上流部分、および、前記加熱位置よりも下流の下流部分に接触して、前記下流部分の熱を前記上流部分へ伝導する伝熱ローラとを備える。
第2態様は、第1態様の印刷装置であって、前記加熱乾燥器は、前記加熱位置において前記印刷媒体に接触するヒートローラと、前記ヒートローラを加熱する熱源とを含む。
第3態様は、第1態様または第2態様の印刷装置であって、前記加熱乾燥器が前記印刷媒体を加熱することにより、前記伝熱ローラの温度が、前記印刷媒体の前記上流部分の温度よりも大きく、かつ前記印刷媒体の前記下流部分の温度よりも小さくなる。
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの印刷装置であって、前記搬送部は、前記印刷媒体に接触する搬送ローラを含み、前記伝熱ローラの熱容量が、前記搬送ローラの熱容量よりも大きい。
第5態様は、第4態様の印刷装置であって、前記搬送ローラが、前記搬送経路上における、前記加熱位置よりも下流かつ前記伝熱ローラよりも上流の位置で前記印刷媒体に接触する。
第6態様は、第4態様または第5態様の印刷装置であって、前記伝熱ローラの径が、前記搬送ローラの径よりも大きい。
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つの印刷装置であって、前記伝熱ローラの直径が、150mm以下である。
第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか1つの印刷装置であって、前記伝熱ローラが中空である。
第9態様は、印刷媒体にインクジェット方式で画像を印刷する印刷方法であって、a)印刷媒体を、規定の搬送経路に沿って搬送する工程と、b)前記搬送経路上の印刷位置にインクを吐出する工程と、c)前記搬送経路上の前記印刷位置よりも下流の加熱位置にて前記印刷媒体を加熱する工程と、d)前記印刷媒体における、前記印刷位置から前記加熱位置までの間の上流部分、および、前記加熱位置よりも下流の下流部分に伝熱ローラを接触させて、前記下流部分の熱を前記上流部分へ伝導する工程とを含む。
第1態様の印刷装置によると、伝熱ローラが、印刷媒体における加熱位置よりも上流の上流部分と加熱位置よりも下流の下流部分との双方に接触するため、下流部分の熱が伝熱ローラを介して上流部分に伝導される。これにより、新たな熱源を設けることなく加熱前の上流部分を予備的に加熱できる。また、加熱後の下流部分から伝熱ローラで熱を吸収できるため、下流部分の冷却を促進できる。
第2態様の印刷装置によると、熱源で加熱されたヒートローラが印刷媒体に接触することによって、印刷媒体を効果的に加熱できる。これによって、印刷媒体上のインク滴を乾燥させることができる。
第3態様の印刷装置によると、伝導ローラの温度が印刷媒体の上流部分の温度よりも大きく、かつ下流部分の温度よりも小さくなることにより、下流部分の熱を上流部分へ有効に伝導できる。
第4態様の印刷装置によると、伝熱ローラの熱容量が搬送ローラの熱容量よりも大きいため、搬送ローラが印刷媒体の下流部分から吸収する熱量を低減できる。この結果、印刷媒体の下流部分から上流部分へ熱を好適に伝導できる。
第5態様の印刷装置によると、印刷媒体における高温の下流部分に対して伝熱ローラよりも先に接触する搬送ローラ熱容量が、伝熱ローラよりも小さくなる。このため、搬送ローラが印刷媒体から吸収する熱量が低減されるため、伝熱ローラによって印刷媒体の下流部分から上流部分へ熱を好適に伝導できる。
第6態様の印刷装置によると、伝熱ローラの径が搬送ローラの径よりも大きいため、伝熱ローラの熱容量を大きくすることができる。これにより、搬送ローラが印刷媒体の下流部分から吸収する熱量を低減できる。この結果、伝熱ローラによって、印刷媒体の下流部分から上流部分へ熱を良好に伝導できる。
第7態様の印刷装置によると、伝熱ローラの直径を150mm以下とすることによって、伝熱ローラの熱容量を適度な大きさに設定できる。これによって、伝熱ローラが安定した温度に到達するまでの時間を短縮できるため、印刷初期段階とそれ以降の段階との間で、乾燥度合いに差が生じることを軽減できる。
第8態様の印刷装置によると伝熱ローラを中空にすることによって、熱容量を相対的に小さくすることができる。これによって、伝熱ローラが安定した温度にまで到達する時間を短縮できるため、印刷初期段階とそれ以降の段階との間で、乾燥度合いに差が生じることを軽減できる。
第9態様の印刷方法によると、伝熱ローラが、印刷媒体における加熱位置よりも上流の上流部分と加熱位置よりも下流の下流部分との双方に接触するため、下流部分の熱が伝熱ローラを介して上流部分に伝導される。これにより、新たな熱源を設けることなく加熱前の上流部分を予備的に加熱できる。また、加熱後の下流部分から伝熱ローラで熱を吸収できるため、下流部分の冷却を促進できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態の印刷装置1を示す構成図である。印刷装置1は、長尺帯状の印刷媒体である印刷用紙9を搬送しつつ、印刷用紙9の主面(最も面積が大きい面)にインクジェット方式で画像を印刷する装置である。印刷装置1は、搬送機構10、4つのヘッドユニット20、乾燥装置30、および制御部40を備えている。搬送機構10、4つのヘッドユニット20、および乾燥装置30は、印刷装置1が備える外装ハウジング100の内部に収容されている。
図1は、第1実施形態の印刷装置1を示す構成図である。印刷装置1は、長尺帯状の印刷媒体である印刷用紙9を搬送しつつ、印刷用紙9の主面(最も面積が大きい面)にインクジェット方式で画像を印刷する装置である。印刷装置1は、搬送機構10、4つのヘッドユニット20、乾燥装置30、および制御部40を備えている。搬送機構10、4つのヘッドユニット20、および乾燥装置30は、印刷装置1が備える外装ハウジング100の内部に収容されている。
搬送機構10は、印刷用紙9を、規定の搬送経路TCに沿って、印刷用紙9の長手方向に沿う搬送方向TDに搬送する。搬送機構10は、送出ローラ11、複数の搬送ローラ12、および巻取ローラ13を有する。搬送機構10の一部のローラには、動力源となるモータ(不図示)が連結されている。モータを動作させると、印刷用紙9は、送出ローラ11から繰り出され、規定の搬送経路TCに対応した位置に配置されている複数の搬送ローラ12に支持されつつ搬送される。各搬送ローラ12は、搬送方向TDに直交する搬送幅方向WDに延びる水平軸を中心として回転することによって、印刷用紙9を搬送経路TCの下流側へ案内する。複数の搬送ローラ12で搬送された印刷用紙9は、巻取ローラ13へ回収される。搬送機構10によって印刷用紙9を搬送経路TCに沿って搬送することは、搬送工程S1の一例である。
4つのヘッドユニット20は、搬送機構10により搬送される印刷用紙9に対して、インクを吐出する機構である。印刷装置1は、印刷用紙9が4つのヘッドユニット20の下方を1回だけ通過する間に、各ヘッドユニット20からインクの液滴を吐出して、印刷用紙9に画像を記録する、いわゆるワンパス方式の印刷装置である。図1に示すように、印刷用紙9は、4つのヘッドユニット20の下方において、ヘッドユニット20の配列方向に沿って、略水平に移動する。このとき、印刷用紙9の記録面である第1主面1Sは、上方(ヘッドユニット20側)に向けられている。4つのヘッドユニット20は、多色画像の色成分となるブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色のインクの液滴を、印刷用紙9の第1主面1Sに、それぞれ吐出する。4つのヘッドユニット20のうち、例えば搬送方向TDの最下流のヘッドユニット20は、搬送経路TC上の印刷位置L1にインクを吐出するインクジェット部の一例である。また、ヘッドユニット20が搬送経路TC上の印刷位置L1にインクを吐出することは、インク吐出工程S2の一例である。
図2は、第1実施形態に係る1つのヘッドユニット20を示す下面図である。4つのヘッドユニット20は、互いに吐出するインクの色が異なるものの、同一の構造を有する。図2に示すように、ヘッドユニット20は、筐体21と、筐体21に固定された2つの記録ヘッド22とを有する。2つの記録ヘッド22は、それぞれ、筐体21の下面に露出した吐出面を有する。また、図2に示すように、2つの記録ヘッド22,22は、搬送方向TDにおいて異なる位置に、かつ、搬送幅方向WDにおいて異なる位置に配置されている。2つの記録ヘッド22,22で、印刷用紙9の搬送幅方向WDの全域に、インク滴を吐出することが可能とされている。
また、図2において拡大して示すように、各記録ヘッド22の下面には、複数のノズル221が規則的に配列されている。複数のノズル221は、互いに搬送幅方向WDの位置をずらして配列され、印刷用紙9上の1ピクセル幅の領域に対して、1つのノズル221が割り当てられている。印刷時には、各記録ヘッド22の複数のノズル221から、印刷用紙9の第1主面1Sへ向けて、インクの液滴が吐出される。その結果、4つのヘッドユニット20が、それぞれ、印刷用紙9の第1主面1Sに単色画像を記録する。そして、4つの単色画像の重ね合わせによって、印刷用紙9の第1主面1Sに多色画像が形成される。
なお、1つのヘッドユニット20に含まれる記録ヘッド22の数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、印刷装置1が有するヘッドユニット20の数は、1〜3つであってもよく、5つ以上であってもよい。例えば、印刷装置1は、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色のインクを吐出する4つのヘッドユニット20に加えて、特色のインクを吐出するヘッドユニットをさらに有していてもよい。
乾燥装置30は、印刷用紙9に付着したインクを乾燥させる装置である。乾燥装置30は、4つのヘッドユニット20よりも搬送経路TCの下流側に配置されている。図1に示すように、乾燥装置30は、ヒートローラ31と、ヒートローラ31の内部に設けられたハロゲンランプ32とを有する。ヒートローラ31は、搬送ローラ12よりも外径の大きい円筒状のローラである。ヒートローラ31は、搬送幅方向WDに延びる回転軸を中心として回転する。ハロゲンランプ32は、ヒートローラ31を加熱するための熱源である。ハロゲンランプ32に駆動電流が供給されると、ハロゲンランプ32が発光することによって、ヒートローラ31が加熱される。
印刷用紙9は、4つのヘッドユニット20からのインクの吐出を受けた後、乾燥装置30へ搬入される。乾燥装置30では、ヒートローラ31が、印刷用紙9を支持しつつ回転することによって、印刷用紙9を搬送する。このとき、ヒートローラ31の外周面は、印刷用紙9の第2主面2S(第1主面1Sとは反対側の面)に接触する。そして、ハロゲンランプ32によってヒートローラ31に蓄積された熱が、ヒートローラ31の外周面から印刷用紙9に伝導する。その結果、印刷用紙9の第1主面1Sに付着したインクから溶媒が気化する。これによって、印刷用紙9上に吐出されたインクが乾燥する。
ハロゲンランプ32は、ヒートローラ31を加熱する熱源の一例である。また、ヒートローラ31およびハロゲンランプ32を含む乾燥装置30は、搬送経路TC上の加熱位置L2で、印刷用紙9を加熱してインク滴を乾燥させる加熱乾燥器の一例である。また、乾燥装置30が加熱位置L2において印刷用紙9を加熱する工程は、加熱工程S3の一例である。
複数の搬送ローラ12は、搬送ローラ12a,12bを含む。搬送ローラ12a,12bは、搬送経路TCにおける加熱位置L2よりも下流の支持位置L3a,L3bにおいて、印刷用紙9を支持する。
印刷装置1は、伝熱ローラ51を備えている。伝熱ローラ51は、搬送幅方向WDに延びる円筒状の部材であり、搬送幅方向WDに沿う水平軸周りに自由回転可能に支持されたフリーローラである。伝熱ローラ51は、外装ハウジング100に対して自由回転可能に支持されていてもよい。伝熱ローラ51は、熱伝導率が比較的高い材料(例えば、アルミニウムなど)で構成されており、内部に熱源を持たない。伝熱ローラ51は、印刷用紙9における、印刷位置L1から加熱位置L2までの間の上流部分91、および、加熱位置L2から支持位置L3bまでの下流部分93に接触する。伝熱ローラ51は、上流部分91の第2主面2Sと、下流部分93の第2主面2Sとに接触する。伝熱ローラ51は、印刷用紙9の乾燥装置30で加熱された下流部分93に接触することによって、下流部分93から熱を吸収する。さらに、伝熱ローラ51は、印刷用紙9の乾燥装置30に加熱される前の上流部分91に接触することによって、上流部分91に熱を放出する。このように、伝熱ローラ51は、乾燥装置30による加熱後の下流部分93からの熱を、加熱前の上流部分91に伝導する。この伝熱により、加熱位置L2よりも上流側の上流部分91が予備的に加熱される。伝熱ローラ51によって下流部分93の熱を上流部分91に伝導することは、伝熱工程S4の一例である。
搬送ローラ12aは、ヒートローラ31と伝熱ローラ51との間に配置されており、搬送経路TC上における、加熱位置L2よりも下流かつ伝熱ローラ51よりも上流の位置で印刷用紙9に接触する。搬送ローラ12bは、搬送経路TC上において、伝熱ローラ51よりも下流の位置で印刷用紙9に接触する。
搬送ローラ12a,12bは、それらの間に掛け渡された印刷用紙9の部分にテンションをかけつつ、印刷用紙9の当該部分を伝熱ローラ51に押しあてる。これによって、印刷用紙9が伝熱ローラ51に所定の巻き角θで接触する。このように巻き角θを与えることによって、印刷用紙9の下流部分93と伝熱ローラ51とを面状に接触させることができるため、伝熱を良好に実施できる。巻き角とは、伝熱ローラ51の外周面のうち、印刷用紙9に接触する部分の回転中心周りの角度をいう。
乾燥装置30が印刷用紙9を加熱することによって、伝熱ローラ51の温度(平均温度)は、印刷用紙9の上流部分91の温度よりも大きく、かつ印刷用紙9の下流部分93の温度よりも小さくなる。例えば、伝熱ローラ51は、比較的高温(例えば、100℃)の下流部分93からの熱を比較的低温(例えば、25℃)の上流部分91へ伝導する。
伝熱ローラ51の熱容量を、搬送ローラ12a,12bの熱容量よりも大きくしてもよい。伝熱ローラ51の熱容量を相対的に大きくすることによって、印刷用紙9の下流部分93から上流部分91へ熱を良好に伝導できる。特に、伝熱ローラ51の熱容量を搬送ローラ12aの熱容量よりも大きくした場合、当該搬送ローラ12aの熱容量を相対的に小さくすることができるため、搬送ローラ12aが加熱直後の下流部分93から吸収する熱量を低減できる。したがって、搬送ローラ12aに接触した下流部分93の温度低下を低減できるため、伝熱ローラ51によって下流部分93から上流部分91へ熱を有効に伝導できる。
図1に示すように、伝熱ローラ51の外径は、搬送ローラ12a,12bの外径よりも大きくしてもよい。この場合、搬送ローラ12a,12bの熱容量を相対的に小さく、かつ、伝熱ローラ51の熱容量を相対的に大きくすることができる。
伝熱ローラ51の直径は、好ましくは150mm以下である。これにより、伝熱ローラ51の熱容量を適度な大きさに設定できる。したがって、伝熱ローラ51が安定した温度に到達するまでの時間を短縮できるため、印刷初期段階(搬送機構10において印刷処理を開始した直後)とそれ以降の段階との間で、乾燥度合いに差が生じることを軽減できる。
伝熱ローラ51は、好ましくは、中空である。すなわち、伝熱ローラ51の内部に空胴が形成されている場合、伝熱ローラ51の熱容量を有効に小さくすることができる。したがって、伝熱ローラ51が安定した温度にまで到達する時間を短縮できるため、印刷初期段階とそれ以降の段階との間で、乾燥度合いに差が生じることを軽減できる。
制御部40は、印刷装置1内の各部を動作制御するための手段である。図1に概念的に示すように、制御部40は、CPU等の演算処理部41、RAM等のメモリ42、およびハードディスクドライブ等の記憶部43を有するコンピュータにより構成されている。記憶部43には、後述する乾燥処理を含む印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムPがインストールされている。
図3は、第1実施形態の制御部40と印刷装置1の各要素との接続関係を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、上述した搬送機構10、4つのヘッドユニット20、および乾燥装置30(ヒートローラ31およびハロゲンランプ32)と、それぞれ通信可能に接続されている。制御部40は、記憶部43に記憶されたコンピュータプログラムPをメモリ42に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部41が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、印刷装置1において、印刷処理が実行される。
以上のように、本実施形態の印刷装置1によると、伝熱ローラ51が、印刷用紙9における加熱位置L2よりも上流の上流部分91と加熱位置L2よりも下流の下流部分93との双方に接触するため、下流部分93の熱が伝熱ローラ51を介して上流部分91に伝導される。すなわち、伝熱ローラ51によって、印刷用紙9の上流部分91と下流部分93との間で熱交換が行われる。これにより、新たな熱源を設けることなく、上流部分91を予備的に加熱できる。上流部分91が予備的に加熱された場合、加熱位置L2において乾燥装置30により加熱された際に、目標温度まで短時間で到達させることができる。したがって、印刷用紙9上のインク滴を効率的に乾燥できる。また、下流部分93から伝熱ローラ51で熱を吸収することによって、下流部分93の冷却を促進でき、もってインクの過剰な乾きを抑制できる。以上の各作用によって、新たな熱源を設けることなく、印刷用紙9上のインク滴の乾燥状態を改善できる。
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
図4は、第2実施形態の印刷装置1Aを示す構成図である。印刷装置1Aでは、複数の伝熱ローラ51a〜51dによって伝熱が行われる。具体的には、搬送経路TC上における印刷位置L1と加熱位置L2との間に、搬送方向TDの下流に向かって順に伝熱ローラ51a,51b,51c,51dが、互いに間隔を開けて配置されている。伝熱ローラ51a〜51dの各外周面は、印刷用紙9における印刷位置L1から加熱位置L2の間の上流部分91の第2主面2Sに接触する。
搬送経路TC上における加熱位置L2よりも下流には、搬送方向TDの下流に向かって順に搬送ローラ12a,12b,12c,12d,12eが配置されている。搬送ローラ12a〜12eは、印刷用紙9における加熱位置L2よりも下流の下流部分93に接触する。搬送ローラ12a〜12eは下流部分93の第1主面1Sに接触する。
搬送ローラ12a〜12eのうち隣り合う2つのローラ間に、伝熱ローラ51a〜51dの1つが配置される。具体的には、搬送ローラ12a,12bの間に伝熱ローラ51dが配置され、搬送ローラ12b,12cの間に伝熱ローラ51cが配置される。また、搬送ローラ12c、12dの間に伝熱ローラ51bが配置され、搬送ローラ12d,12eの間に伝熱ローラ51aが配置される。搬送ローラ12a〜12eは、印刷用紙9の下流部分93を伝熱ローラ51a〜51dに押し当てることによって、下流部分93を各伝熱ローラ51a〜51dに所定の巻き角で接触させる。
複数の伝熱ローラ51a〜51dは、印刷用紙9の下流部分93に接触することによって、比較的高温の下流部分93から熱を吸収する。また、複数の伝熱ローラ51a〜51dは、印刷用紙9の未加熱の上流部分91に接触することによって、比較的低温の上流部分91に熱を放出する。これにより、複数の伝熱ローラ51a〜51dは、印刷用紙9における下流部分93から上流部分91に熱を伝導する。これにより、上流部分91を予備加熱できるとともに、下流部分93の冷却を促進できる。
伝熱ローラ51a〜51dおよび搬送ローラ12a〜12eは、すべて同一の外径を有している。ただし、これらのローラのうち一部が他とは異なる外径を有していてもよい。また、伝熱ローラ51a〜51dの熱容量を、搬送ローラ12a〜12eよりも小さくしてもよい。
図5は、印刷用紙9の上流部分91の温度変化T1を示す図である。図6は、印刷用紙9の下流部分93の温度変化T2を示す図である。図5および図6において、縦軸は温度、横軸は搬送経路TC上の位置を示している。また、図5および図6には、伝熱ローラ51a〜51d各々の温度も示している。
図5に示すように、上流部分91の温度は、印刷直後で約25℃であり、伝熱ローラ51a〜51dに順次接触することによって約35℃まで徐々に上昇する。これに対して、図6に示すように、下流部分93の温度は、加熱直後で約100℃であり、伝熱ローラ51d〜51aに順次接触することによって約90℃まで徐々に下降する。なお、各伝熱ローラ51a〜51dの温度(平均温度)は、いずれも約62.5℃である。
以上のように、本実施形態の印刷装置1Aによれば、複数の伝熱ローラ51a〜51dを9の上流部分91および下流部分93に接触させることによって、上流部分91を予備的に加熱できるとともに、下流部分93の冷却を促進できる。したがって、新たな熱源を設けることなく、印刷用紙9上のインク滴の乾燥状態を改善できる。
<3. 変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、加熱乾燥器として、ヒートローラ31およびハロゲンランプ32を備えた乾燥装置30が採用されている。しかしながら、加熱乾燥器として、温風を印刷用紙9に吹き付けることによって、印刷用紙9を加熱する装置が採用されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、加熱乾燥器として、ヒートローラ31およびハロゲンランプ32を備えた乾燥装置30が採用されている。しかしながら、加熱乾燥器として、温風を印刷用紙9に吹き付けることによって、印刷用紙9を加熱する装置が採用されてもよい。
また、上記実施の形態では、乾燥装置30と巻取ローラ13との間に印刷用紙9を冷却する冷却機構を配置していない。しかし、伝熱ローラ51と巻取ローラ13との間に印刷用紙9を冷却するチルローラ等の冷却機構を配置してもよい。この場合、印刷用紙9が伝熱ローラ51で予備的に冷却されているので冷却機構による印刷用紙9の冷却が促進される。
さらに、上記実施の形態では、印刷媒体として印刷用紙9を例示した。しかし、他の紙以外の媒体、例えばプラスチックをベースにした印刷媒体であっても本発明は適用可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1,1A 印刷装置
10 搬送機構
12 搬送ローラ
12a〜12e 搬送ローラ
20 ヘッドユニット
30 乾燥装置
31 ヒートローラ
32 ハロゲンランプ(熱源)
51 伝熱ローラ
51a〜51d 伝熱ローラ
9 印刷用紙
91 上流部分
93 下流部分
L1 印刷位置
L2 加熱位置
TC 搬送経路
10 搬送機構
12 搬送ローラ
12a〜12e 搬送ローラ
20 ヘッドユニット
30 乾燥装置
31 ヒートローラ
32 ハロゲンランプ(熱源)
51 伝熱ローラ
51a〜51d 伝熱ローラ
9 印刷用紙
91 上流部分
93 下流部分
L1 印刷位置
L2 加熱位置
TC 搬送経路
Claims (9)
- 印刷媒体にインクジェット方式で画像を印刷する印刷装置であって、
規定の搬送経路に対応して配置され、前記印刷媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送経路上の印刷位置にインクを吐出するインクジェット部と、
前記搬送経路上の前記印刷位置よりも下流の加熱位置にて前記印刷媒体を加熱する加熱乾燥器と、
前記印刷媒体における、前記印刷位置から前記加熱位置までの間の上流部分、および、前記加熱位置よりも下流の下流部分に接触して、前記下流部分の熱を前記上流部分へ伝導する伝熱ローラと、
を備える、印刷装置。 - 請求項1の印刷装置であって、
前記加熱乾燥器は、
前記加熱位置において前記印刷媒体に接触するヒートローラと、
前記ヒートローラを加熱する熱源と、
を含む、印刷装置。 - 請求項1または請求項2の印刷装置であって、
前記加熱乾燥器が前記印刷媒体を加熱することにより、前記伝熱ローラの温度が、前記印刷媒体の前記上流部分の温度よりも大きく、かつ前記印刷媒体の前記下流部分の温度よりも小さくなる、印刷装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項の印刷装置であって、
前記搬送部は、前記印刷媒体に接触する搬送ローラを含み、
前記伝熱ローラの熱容量が、前記搬送ローラの熱容量よりも大きい、印刷装置。 - 請求項4の印刷装置であって、
前記搬送ローラが、前記搬送経路上における、前記加熱位置よりも下流かつ前記伝熱ローラよりも上流の位置で前記印刷媒体に接触する、印刷装置。 - 請求項4または請求項5の印刷装置であって、
前記伝熱ローラの径が、前記搬送ローラの径よりも大きい、印刷装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項の印刷装置であって、
前記伝熱ローラの直径が、150mm以下である、印刷装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項の印刷装置であって、
前記伝熱ローラが中空である、印刷装置。 - 印刷媒体にインクジェット方式で画像を印刷する印刷方法であって、
a)印刷媒体を、規定の搬送経路に沿って搬送する工程と、
b)前記搬送経路上の印刷位置にインクを吐出する工程と、
c)前記搬送経路上の前記印刷位置よりも下流の加熱位置にて前記印刷媒体を加熱する工程と、
d)前記印刷媒体における、前記印刷位置から前記加熱位置までの間の上流部分、および、前記加熱位置よりも下流の下流部分に伝熱ローラを接触させて、前記下流部分の熱を前記上流部分へ伝導する工程と、
を含む、印刷方法。
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JP2019054097A JP2020152037A (ja) | 2019-03-22 | 2019-03-22 | 印刷装置および印刷方法 |
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WO2022070383A1 (ja) * | 2020-10-01 | 2022-04-07 | 株式会社Screenホールディングス | 印刷装置および印刷方法 |
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