JP2020151351A5 - - Google Patents

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連結式使い捨て着用物品
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつ等の連結式使い捨て着用物品に関するものである。
一般的な連結式使い捨て着用物品は、前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分を有し、少なくとも背側部分は、股間部よりも幅方向左右両側に延び出たウイング部分を有している。また、ウイング部分は腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有しているとともに、腹側部分の外面は、連結部が連結されるターゲット部を有している。使用時には、ウイング部分を腰の両側から腹側部分の外面に回して、ウイング部分の連結部をターゲット部に連結する。このような連結式使い捨て着用物品は、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)でも使用されている(例えば特許文献1参照)。
連結テープの連結部は、粘着剤層で形成したものよりも、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)で形成したものの方が広く用いられるようになっている。前者におけるターゲット部の代表的なものは、プラスチックフィルムからなるターゲットテープと呼ばれる部品を、腹側部分の外面に固定したものである。一方、後者におけるターゲット部の代表的なものは、プラスチックフィルムからなる基材を糸で縫い、この糸で基材上にループを形成したターゲットテープと呼ばれる部品を、腹側部分の外面に固定したものである。この場合、連結テープのフック材の突起がターゲットテープのループに絡まることにより、連結テープがターゲット部に連結される。
また、連結部がフック材の場合、製品外面を不織布(以下、外装不織布という)で形成するとともに、外装不織布の内面に隣接して、連結位置が印刷等されたプラスチックシート等のターゲットシートを配置することによりターゲット部を構成することも知られている。この場合、使用者は外装不織布を介して透視されるターゲットシートの位置で、外装不織布の繊維に連結部のフック材を絡めることにより連結を行うことができる。
しかしながら、これら従来のものでは、ターゲットシートの分だけ通気性が低下するため、ターゲットシートを有する領域で蒸れやすくなるという問題点を有していた。
特表2002−253608号公報
そこで、本発明の主たる課題は、ターゲットシートを有する領域における蒸れを低減すること等にある。
上記課題を解決した連結式使い捨て着用物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体と、
前記吸収体の表側に設けられた液透過性のトップシートと、
前記吸収体の裏側に設けられた、通気性を有する液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布とを有し、
前記背側部分の両側部に、前記腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有し、
前記腹側部分における前記連結部の連結位置に、ターゲットシートを有する、
連結式使い捨て着用物品において、
前記腹側部分における前記ターゲットシートを有する部分は、前記ターゲットシートから前記液不透過性シートの裏面までの厚み方向の範囲に、微小繊維状セルロース集合体の付着部を有し、
前記腹側部分は、前記ターゲットシートを有する部分以外に、前記微小繊維状セルロース集合体を有せず、
前記微小繊維状セルロース集合体は、前記ターゲットシートより表側に位置する湿気を吸湿可能である、
ことを特徴とする連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
微小繊維状セルロース集合体は高い吸湿性を有する。よって、本連結式使い捨て着用物品では、ターゲットシートを有する領域における蒸れを低減することができる。また、微小繊維状セルロース集合体は硬質であるが、本連結式使い捨て着用物品では、微小繊維状セルロース集合体は、物品の表側では少なくとも液不透過性シート及びトップシートにより被覆されるとともに、その付着領域も限られている。よって、微小繊維状セルロース集合体を吸湿材として用いつつ、着用者の肌触りの硬質化を抑制しつつ、蒸れ防止を図ることができる。
<第2の態様>
前記連結部はフック材であり、
前記ターゲットシートは、前記外装不織布の外面に貼り付けられた不織布であり、
前記ターゲットシートの不織布に前記微小繊維状セルロース集合体が付着しているとともに、前記ターゲットシートの不織布における前記微小繊維状セルロース集合体の付着量が、前記ターゲットシートの表側から裏側に向かうにつれて減少している、
第1の態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
ターゲットシート自体を不織布とし、これに微小繊維状セルロース集合体を付着させると、部材数を増加させることなく、ターゲットシートを有する領域における蒸れを低減することができる。また、微小繊維状セルロース集合体は硬質であるため、ターゲットシートの外面の肌触りに影響する。よって、微小繊維状セルロース集合体の付着量を表側(着用した際に着用者の肌に近い方の側)から裏側(着用した際に着用者の肌から遠い方の側)に向かうにつれて減少させ、ターゲットシートの外面の肌触りの硬質化を抑制するのは好ましい。
<第3の態様>
前記連結部はフック材であり、
前記ターゲットシートは、前記外装不織布の外面に貼り付けられた不織布であり、
前記ターゲットシートの不織布に前記微小繊維状セルロース集合体が付着しているとともに、前記微小繊維状セルロース集合体の付着部では、前記ターゲットシートの外面に露出する前記微小繊維状セルロース集合体を有しない、
第1の態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
ターゲットシート自体を不織布とし、これに微小繊維状セルロース集合体を付着させると、部材数を増加させることなく、ターゲットシートを有する領域における蒸れを低減することができる。また、微小繊維状セルロース集合体は硬質であるため、ターゲットシートの外面の肌触りに影響する。よって、ターゲットシートの外面に露出する微小繊維状セルロース集合体を有しないと、ターゲットシートの外面の肌触りの硬質化を抑制することができるため好ましい。
<第4の態様>
前記連結部はフック材であり、
前記ターゲットシートは、前記外装不織布の外面に貼り付けられた不織布であり、
前記ターゲットシートは、少なくとも内面に窪みを有する薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成されるともに、前記薄肉部内に前記微小繊維状セルロース集合体が付着しており、
前記ターゲットシートの前記薄肉部と、前記ターゲットシートの内面に隣接するシートとの間に通気間隙を有する、
第1〜第3のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
本連結式使い捨て着用物品では、通気間隙を通して湿気をターゲットシートの少なくとも内面に沿って逃がすことができる。また、その過程で湿気を吸湿素材である微小繊維状セルロース集合体に効率よく供給し、吸湿させることができる。
本発明によれば、付け剥がしを繰り返したときの毛羽立ちの防止と、フック材の連結力の向上とを両立できるようになる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 (a)図1の8−8線断面図、及び(b)図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 微小繊維状セルロース集合体の付着部の断面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面の要部を示す、平面図である。 吸湿シートを含むテープタイプ使い捨ておむつの外面の要部を示す、平面図である。 図9のテープタイプ使い捨ておむつの要部を示す断面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 (a)ターゲットシートの拡大平面図、(b)ターゲットシートを含む部分の断面図である。 微小繊維状セルロース集合体の付着部の拡大写真である。 ターゲットシートを含む部分の断面図である。
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Wは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としてのホットメルト接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向LDの中央を含む股間部と、前後方向LDの中央より前側に延びる腹側部分Fと、前後方向LDの中央より後側に延びる背側部分Bとを有している。また、このテープタイプ使い捨ておむつは、股間部を含む範囲に内蔵された吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と、液不透過性シートの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概にはいえないが、通常の場合、50〜350g/m2とすることができる。
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む構造とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい包装シート58は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。
トップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
(中間シート)
トップシート30を透過した液の逆戻りを防止するために、トップシート30の裏側に中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、各種の不織布を好適に用いることができ、特に嵩高なエアスルー不織布を好適に用いることができる。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように排泄位置を含む中間部分にのみ設けてもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するもが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
液不透過性シート11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない構造とすることもできる。
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その構成繊維の繊度が1.6〜2.3dtex、目付けが15〜25g/m2、かつ厚みが0.3〜0.8mmの不織布であると好ましい。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状のギャザー弾性部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向外側の部分は各サイドフラップ部SFの内面、つまり図示例では液不透過性シート11の側部及びその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
(エンドフラップ部、サイドフラップ部)
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両方の側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。サイドフラップ部SFは、図示例のように、吸収体56を有する部分から連続する素材(外装不織布12等)からなるものであっても、他の素材を取り付けて形成してもよい。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
平面ギャザーは、サイド弾性部材64の収縮力が作用する部分(図中ではサイド弾性部材64が図示された部分)である。よって、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64が存在する形態の他、平面ギャザーよりも前側、後側又はその両側にわたりサイド弾性部材64が存在しているが、平面ギャザーの部位以外ではサイド弾性部材が一か所又は多数個所で細かく切断されていたり、サイド弾性部材64を挟むシートに固定されていなかったり、あるいはその両方であったりすることにより、平面ギャザー以外の部位に収縮力が作用せず(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)に、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64の収縮力が作用する構造も含まれる。
(ウイング部分)
本テープタイプ使い捨ておむつでは、背側部分Bは股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。同様に、腹側部分Fも股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。これらウイング部分WPは、それ以外の部分と別の部材により形成することもできる。しかし、図示例のようにサイドフラップ部SFを有する構造において、サイドフラップ部SFの側部における前後方向LD中間を切断することにより、股間部Mの側縁からウイング部分の下縁71までの凹状縁70が形成され、その結果としてウイング部分WPが形成されていると、製造が容易であるため好ましい。
(連結テープ)
図1、図2及び図6に示すように、背側部分Bにおけるウイング部分WPには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ80がそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ80を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ80の連結部83を腹側部分F外面の適所に連結する。
連結テープ80は、図6に示すように、ウイング部分WPに固定された基端部81、及びこの基端部81から延び出た本体部82をなすシート基材80Sと、このシート基材80Sにおける本体部82の幅方向WDの中間部に設けられた、腹側部分Fに対する連結部83とを有している。本体部82における、連結部83より基端部81側が腹側部分Fと連結されない非連結部84となり、反対側が摘み部85となっている。これら非連結部84及び摘み部85は、本体部82をなすシート基材80Sのみからなっている。
連結部83は、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)からなる。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
また、基端部81から本体部82までを形成するシート基材80Sとしては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け60〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
図示例の連結部83は、ウイング部分WPから突出する連結テープ80のシート基材上80S上に設けられているが、ウイング部分WPに直接に設けてもよい。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおける連結テープ80の連結箇所には、ターゲットシート20が設けられている。
ターゲットシート20の素材は特に限定されるものではないが、連結部83がフック材の場合、例えば間欠的なパターンの超音波溶着により部分的に繊維相互が溶着された長繊維不織布を用いることができる。この場合、長繊維不織布は、構成繊維の繊度が5〜10dtex、目付けが25〜40g/m2、かつ厚みが0.3〜0.8mmの不織布であると好ましい。
また、連結部83がフック材の場合、ターゲットシート20として、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなる基材の表面に多数設けられたものを用いることもできる。この具体例は、基材の少なくとも外面にループパイル繊維糸が縫い出された複合的なシート材である。このシート材は、基材の外面、すなわち使い捨ておむつの外面側には、ループパイル繊維糸が緯径方向に間隔を置いて突出され、基材の裏側(着用者側)には、パイル繊維糸が相互に組み合わされ、パイル繊維径糸の交差部列が形成されたものである。
さらに、連結部83がフック材であり、腹側部分Fにおける連結テープ80の連結箇所が不織布21からなる場合(例えば図示例のように外装不織布12を有する場合)には、外装不織布12の内側に、目盛29等の連結位置が印刷等されたプラスチックシート、紙、不織布21等のターゲットシート20を配置することができる。この場合、使用者は外装不織布12を介して透視されるターゲットシート20の位置で、外装不織布12の繊維に連結部83のフック材を絡めることにより連結を行うことができる。目盛29は、幅方向WDの位置を示す印であれば、前後方向LDに沿う直線状のしるしが幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているものや、図11及び図12(a)に示すようにアラビア数字が幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているもの、図示しないが矢印や三角形等の適宜の形状のしるしが幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているもの、又はこれらの組合せであってもよい。
一方、連結部83が粘着材層の場合には、ターゲットシート20として、粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムの表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
(微小繊維状セルロース集合体の付着部)
特徴的には、腹側部分Fにおけるターゲットシート20を有する部分は、ターゲットシート20から液不透過性シート11の裏面までの厚み方向の範囲に、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を有し、微小繊維状セルロース集合体22は、ターゲットシート20より表側に位置する湿気を吸湿可能となっている。また、少なくとも腹側部分F(より好ましくは物品全体)は、ターゲットシート20を有する部分以外に、微小繊維状セルロース集合体22を有していない。微小繊維状セルロース集合体22は高い吸湿性を有する。よって、本連結式使い捨て着用物品では、ターゲットシート20を有する領域における蒸れを低減することができる。また、微小繊維状セルロース集合体22は硬質であるが、本連結式使い捨て着用物品では、微小繊維状セルロース集合体22は、物品の表側では少なくとも液不透過性シート11及びトップシート30により被覆されるとともに、その付着領域も限られている。よって、微小繊維状セルロース集合体22を吸湿材として用いつつ、着用者の肌触りの硬質化を抑制しつつ、蒸れ防止を図ることができる。また、図8(b)に示すように、吸収体56と重なる部分以外に、微小繊維状セルロース集合体22を有しないと、着用者の肌触りの硬質化をさらに抑制できるため好ましい。
微小繊維状セルロース集合体22は、図2、図7、図8、図11及び図12に示す例のように、ターゲットシート20自体に付着させるほか、図9及び図10に示すように、ターゲットシート20と重なる部分における他の部材に設けることもできる。後者の場合の他の部材としては、ターゲットシート20が外装不織布12の外面に貼り付けられている場合には、外装不織布12又は液不透過性シート11とすることができ、ターゲットシート20が外装不織布12と液不透過性シート11との間に挟まれている場合には液不透過性シート11とすることができる。このほか、図9及び図10に示すように、微小繊維状セルロース集合体22を付着させた専用の吸湿シート15を、ターゲットシート20と液不透過性シート11との間に介在させてもよい。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、水等の分散液に分散させた微小繊維状セルロース分散液を不織布等の付着対象部材に塗布し、乾燥させることにより形成する等、公知の方法により製造することができる。
微小繊維状セルロース分散液の塗布により微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を形成する場合、微小繊維状セルロース分散液の濃度(質量/容量)は、0.1〜10%であることが好ましく、1.0〜5.0%であるとより好ましく、1.5〜3.0%であると特に好ましい。
微小繊維状セルロース分散液のB型粘度(60rpm、20℃)は、例えば、700cps以下、好ましくは200cps以下、より好ましくは50cps以下である。このように微小繊維状セルロース分散液のB型粘度を低く抑えることで、不織布に対して微小繊維状セルロースが均一に付与されるようになる。
微小繊維状セルロース分散液の付与は、対象面に対する噴霧のほか、凸版方式等による転写方式を用いることもできる。
微小繊維状セルロースの製造に使用可能なパルプ繊維としては、広葉樹パルプ(LBKP)、針葉樹パルプ(NBKP)等の化学パルプ、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒盲紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ、古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、目的とする効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。さらに、上記パルプ繊維に対してカルボキシメチル化等の化学的処理を施したものを用いても良い。
微小繊維状セルロースの製造方法としては、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、グラインダー磨砕法、ビーズミル凍結粉砕法、超音波解繊法等の機械的手法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。また、ナノファイバー化は、TEMPO酸化処理、リン酸エステル化処理、酸処理等の併用により促進される。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、ターゲットシート20を有する部分であればどのようなパターンで設けられてもよい。例えば、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、ターゲットシート20を有する部分の全体又は大部分にわたり連続面状に設けられていてもよい。ただし、微小繊維状セルロース集合体22は硬質であるため、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、前後方向LD、幅方向WD、又はこれらに対して傾斜した斜め方向等、間隔を空けて繰り返すパターンで配置されていると好ましい。例えば、図8(b)に示すように、円状、多角形状等のドット状の微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を千鳥配置(図示例)、行列配置(図示略)等の散点状に設けることもできる。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、図2や図9に示すように、幅方向WDに沿う線状の付着部23が前後方向LDに間隔を空けて複数並ぶ横縞状配置としたり、図8(a)に示すように、前後方向LDに沿う線状の付着部23が幅方向WDに間隔を空けて複数並ぶ縦縞状配置としたりすることもできる。また、図示しないが、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、前後方向LDに沿う線状の微小繊維状セルロース集合体22の付着部23及び幅方向WDに沿う線状の微小繊維状セルロース集合体22の付着部23からなる格子状や、斜め格子状に配置されていてもよい。これらのように、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を線状に連続させる場合には、直線状に連続させるほか、曲線状や波線状に連続させることもできる。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の寸法は適宜定めることができる。微小繊維状セルロース集合体22の付着部23がドット状パターンの場合、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の径23d(最も長い部分の長さ)は1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、幅方向WD及び前後方向LDに隣接する列の中心(又は重心)間隔x1,y1は5〜25mm、特に15〜10mmであることが好ましい。また、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の配置が縞状パターンである場合、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の線幅23wは1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、隣接する付着部23の間隔x2,y2は5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましい。また、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の配置が格子状パターンの場合、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の線幅は1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、格子間隔(平行な微小繊維状セルロース集合体22の付着部23相互の間隔)は5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましい。
微小繊維状セルロース集合体22の付着対象の素材は特に限定されず、樹脂フィルム等であってもよいが、柔軟性や通気性の観点から不織布21であることが好ましい。
ターゲットシート20が不織布21である場合、図7に示すように、この不織布21に微小繊維状セルロース集合体22が付着していると好ましい。特に、ターゲットシート20が外装不織布12の外面に貼り付けられており、連結部83のフック材を不織布21の繊維に絡めて連結する場合、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23では、不織布21の構成繊維同士が微小繊維状セルロース集合体22を介して結合されていると、フック材を何度も付けたり剥がしたりしても繊維が抜き出されにくくなり、毛羽立ちにくくなるため好ましい。例えば、不織布21に対する微小繊維状セルロース分散液の塗布により微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を形成する場合、微小繊維状セルロースの分散液は不織布21の繊維間に浸透し、乾燥後には微小繊維状セルロース集合体22が個々の繊維の表面に強固に付着し、不織布21の構成繊維の交差部や近接部で繊維同士が微小繊維状セルロース集合体22を介して強固に結合される。
不織布21の構成繊維をしっかりと結合するためには、ターゲットシート20の不織布21の繊維の配向方向と交差する方向に連続する付着部23が、ターゲットシート20の不織布21の繊維の配向方向にターゲットシート20の不織布21の繊維長よりも短くかつ5mm以上の間隔を空けて配列された、縞状パターンであると好ましい。例えば、図2、図11及び図12に示す例では、ターゲットシート20の不織布21の繊維配向の方向を前後方向LDとするとともに、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23を横縞パターンで形成し、隣接する付着部23の前後方向LDの間隔y2を、外装不織布12の繊維長よりも短くかつ5mm以上とすることができる。
繊維状セルロース集合体の付着対象が不織布21である場合、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、不織布21の厚み方向の少なくとも一部に付着している限り、図7(c)に示すように厚み方向の一部にのみ付着していても、図7(a)(b)(d)に示すように厚み方向の全部に付着していても、これらが混在していてもよい。また、微小繊維状セルロース集合体22の付着量は、図7(a)に示すように不織布21の厚み方向に一定であっても、図7(b)(c)(d)に示すように変化していても、これらが混在していてもよい。
繊維状セルロース集合体の付着対象が不織布21である場合、微小繊維状セルロース集合体22は個々の繊維の周方向全体をコーティングしていてもよいし、図13に白抜き矢印で微小繊維状セルロース集合体22を示すように、個々の繊維の塗布側F1に多く付着し、非塗布側F2にはあまり付着していなくてもよい。また、図13に示すように微小繊維状セルロース集合体22は繊維の連続方向に沿ってほぼ連続的に付着していてもよいし、繊維の連続方向にまばらに付着していてもよい。繊維同士を結合しない微小繊維状セルロース集合体22は少ない方が不織布21が柔軟となるため好ましい。
図2、図7、図8、図11及び図12に示す例のように、ターゲットシート20自体を不織布21とし、これに微小繊維状セルロース集合体22を付着させると、部材数を増加させることなく、ターゲットシート20を有する領域における蒸れを低減することができる。ただしこの場合、微小繊維状セルロース集合体22は硬質であるため、ターゲットシート20の外面の肌触りに影響する。よって、微小繊維状セルロース集合体22の付着量は、図7(b)(c)に示すように表側から裏側に向かうにつれて減少していると好ましい。これにより、微小繊維状セルロース集合体22の付着部23に対するフック材の連結力の低下、並びに表面の肌触りの硬質化を抑制することができる。微小繊維状セルロース集合体22の付着部23では、図7(c)に示すようにターゲットシート20の不織布21の表面に露出する微小繊維状セルロース集合体22を有しないとより好ましい。
このような厚み方向における微小繊維状セルロース集合体22の分布の偏りや、付着量の変化は、不織布21の表裏いずれから微小繊維状セルロース分散液を塗布するか、及び塗布量や浸透性の程度を選択することにより達成することができる。例えば、図7(b)(c)に示す微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、不織布21の裏面に微小繊維状セルロース分散液を適量塗布することにより形成することができ、図7(d)に示す微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、不織布21の表面に微小繊維状セルロース分散液を適量塗布することにより形成することができる。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23における微小繊維状セルロースの含有量は、2〜7g/m2程度であると好ましく、特に2〜5g/m2程度であるとより好ましい。
微小繊維状セルロース集合体22の付着部23は、付着対象の部材及びその外面側に位置する部材(例えばターゲットシート20)と異なる有色に着色すると、ターゲットシート20の範囲を視認容易とすることができる。さらに、この有色の付着部23を目盛状(例えば図8(a))に形成することにより、連結部83の連結位置の目安とすることも可能である。このような有色の付着部23は、微小繊維状セルロースの分散液に染料等の着色料を添加することにより形成することができる。
ターゲットシート20が外装不織布12の外面に貼り付けられた不織布21であり、連結部83のフック材を不織布21の繊維に絡めて連結する場合であって、かつこのターゲットシート20の不織布21に微小繊維状セルロース集合体22を付着させる場合、図14に示す構造も好ましい。すなわち、この構造では、ターゲットシート20は、少なくとも内面に窪みを有する薄肉部22tが間隔を空けて繰り返し形成されるともに、薄肉部22t内に微小繊維状セルロース集合体22が付着しており、ターゲットシート20の薄肉部22tと、ターゲットシート20の内面に隣接するシートとの間に通気間隙18が形成されている。これにより、通気間隙18を通して湿気をターゲットシート20の少なくとも内面に沿って逃がすことができる。また、その過程で湿気を吸湿素材である微小繊維状セルロース集合体22に効率よく供給し、吸湿させることができる。薄肉部22tのパターンは、例えば前述の微小繊維状セルロース集合体22の付着部23のパターンと同じとすることができる。また、薄肉部22tの寸法は、前述の微小繊維状セルロース集合体22の付着部23の寸法と同じか、又はそれ以下若しくはそれ以上とすることができる。薄肉部22tは、図示例のようにターゲットシート20の内外両側に窪みを有するもののほか、ターゲットシート20の内面にのみ窪みを有するものであってもよい。
このような薄肉部22tを有するターゲットシート20は、ターゲットシート20となる不織布21にエンボス加工により薄肉部22tを形成するとともに、又はその後に薄肉部22tに微小繊維状セルロース集合体22を付着させることにより製造することができる。
また、このようなターゲットシート20は次の方法により製造することができる。すなわち、ターゲットシート20となる不織布21に、微小繊維状セルロースの分散液を、間隔を空けて繰り返すパターンで塗布すると、その分散液は不織布21の繊維間に浸透する。そして、これが乾燥すると、分散液の塗布部分に薄肉部22tが形成されるとともに、薄肉部22t内に微小繊維状セルロース集合体22が形成される。すなわち、不織布21に微小繊維状セルロースの分散液を塗布した後、塗布部分の分散液を乾燥させると、微小繊維状セルロース集合体22が形成されていくとき、微小繊維状セルロース集合体22の体積が徐々に減少する。そして、これに伴い、不織布21の分散液の塗布部分の体積も減少し、自動的に薄肉部22tが形成される。本製造方法はこれを利用するものである。この方法によれば、ターゲットシート20となる不織布21に所望のパターンで微小繊維状セルロースの分散液を塗布し、乾燥するだけでターゲットシート20を形成することができる。
(不織布)
上記説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
特にターゲット部20の不織布21が親水性繊維の不織布21であると、微小繊維状セルロース集合体22が不織布21の繊維に対してより途切れ少なく、より薄く均一に付着するため好ましい。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、製品の部分によっていずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とは、着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは部材の、着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。有孔不織布の厚みは、孔及びその周囲の突出部以外の部分で測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
「微小繊維状セルロース」とは、パルプ等の植物から取り出される微細なセルロース繊維又はその束をいい、一般的に平均繊維幅がナノサイズ(1〜1000nm以下)の繊維状セルロースをいい、平均繊維幅(メジアン径)が100nm以下のもの(一般にセルロースナノフィブリル(CNF)と呼ばれる)が好ましく、特に10〜60nmのものが好ましい。
微小繊維状セルロースの「平均繊維幅」は以下の方法で測定することができる。すなわち、まず、固形分濃度0.01〜0.1質量%の微小繊維状セルロースの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率(本実施例では、30000倍の倍率)で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の棒を目視で計測する。そして、計測値の中位径(メジアン径)を平均繊維幅とする。
・不織布の繊維配向の方向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のテープタイプ使い捨ておむつのような連結式使い捨て着用物品に適用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装不織布、80…連結テープ、83…連結部、82…本体部、81…基端部、20…ターゲットシート、21…不織布、22…微小繊維状セルロース集合体、23…付着部、29…目盛、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、64…サイド弾性部材、70…凹状縁、71…ウイング部分の下縁、B…背側部分、F…腹側部分、LD…前後方向、M…股間部、SF…サイドフラップ部、WD…幅方向、WP…ウイング部分、22t…薄肉部、18…通気間隙。
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