JP2020150837A - 食塩濃度に斑を有する麺帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、麺線に添加する食塩の量を増やすことなく、喫食時の塩味を強化することにある。【解決手段】食塩を含む素麺帯(A)と、素麺帯(A)よりも食塩濃度の低い素麺帯(B)とを複合して、表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程と、複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折し、折り畳む工程と、折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程とを含んでなることを特徴とする折り畳み麺帯の製造方法により、食塩濃度に差がない場合と比較して、塩味を強化することに成功した。さらに、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度の差を0.5重量%以上にすることで、より明確に塩味を強化することが可能になった。【選択図】図4
Description
本発明は、食塩の濃度分布に斑のある麺帯、及麺線を製造することにより、食塩濃度が均一な場合と比較して、塩味の強化された麺を提供するものである。
そうめん、ひやむぎ、うどん、スパゲティ、中華麺などは、小麦粉を主成分とする原料粉を水と混合して練り、手延、切出、押出等の工程を経て麺状に加工した食品であり、麺に弾力(コシ)や下味を付けるために 食塩(塩化ナトリウム)が添加されている。
ところが、食塩の構成成分であるナトリウムは、その過剰摂取により高血圧や、脳卒中などの循環器系疾患の発症リスクを高めるといわれている。日本においては、1日あたりの食塩摂取量は国の目標値(男性8g、女性7g)を超えており、慢性的な食塩過剰摂取を防止すべく、厚生労働省の栄養表示基準などでは120mg以下までナトリウムを減らす必要があると定められている。
このような背景において、特許文献1や特許文献2には、小麦粉に所定量のグルタチオンや増粘多糖類等を添加することで、塩を添加しなくとも食感が良好な麺類が開示されている。しかしながら、特許文献1や特許文献2に提案されている麺類は、食感は改善するものの、下味を付与するものではないため、食味の観点では満足いくものではなかった。
また、特許文献3には、三層の麺線において、外層よりも内層の塩分濃度を高くすることで、麺線内の澱粉のα化を進行させて、即席麺の復元性を改善する方法が開示されている。ところが、特許文献3に開示された方法は、塩味を強化することを目的とするものではないため、塩味強化という観点では充分に検討がなされてこなかった。
本発明は、食塩の使用量を増やすことなく、麺の塩味を強化することを目的とするものである。
本発明者らは、食塩濃度に斑を付けることで、食塩濃度に斑のない通常の麺と比較して、塩味を強化することができるという知見をえた。そこで、食塩濃度に斑のある麺帯の製造方法を開示することにより、上記課題を解決しようとするものである。
すなわち本発明は、食塩を含む素麺帯(A)と、素麺帯(A)よりも食塩濃度の低い素麺帯(B)とを複合して、表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程と、複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折し、折り畳む工程と、折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程とを含んでなることを特徴とする折り畳み麺帯の製造方法に関するものである。
本発明によれば、麺に含まれる食塩の量を増やすことなく、塩味を強化することができる。
本発明は、食塩を含む素麺帯(A)と、素麺帯(A)よりも食塩濃度の低い素麺帯(B)とを複合して、表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程と、複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折し、折り畳む工程と、折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程とを含んでなることを特徴とする折り畳み麺帯の製造方法に関するものである。以下詳細に説明する。
(原材料)
主原料
主原料としては、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、大麦粉、澱粉等の粉体原料が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いることができる。小麦粉としては、中力粉、強力粉、デュラム粉等、麺類の製造に用いられる全ての種類が使用できる。澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、小麦澱粉、サゴ澱粉、及び米澱粉等、並びにこれらを原料として得られるα化澱粉、さらにはエーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、及び酸化澱粉等の化工澱粉を使用できる。
主原料
主原料としては、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、大麦粉、澱粉等の粉体原料が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いることができる。小麦粉としては、中力粉、強力粉、デュラム粉等、麺類の製造に用いられる全ての種類が使用できる。澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、小麦澱粉、サゴ澱粉、及び米澱粉等、並びにこれらを原料として得られるα化澱粉、さらにはエーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、及び酸化澱粉等の化工澱粉を使用できる。
食塩
本発明では、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度に差を付ける必要がある。より具体的には、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度の差が0.5重量%以上であることが必要であり、1重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましい。食塩濃度の差が小さい場合には、塩味を強く感じることができず、本発明の課題を解決しえない。
本発明では、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度に差を付ける必要がある。より具体的には、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度の差が0.5重量%以上であることが必要であり、1重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましい。食塩濃度の差が小さい場合には、塩味を強く感じることができず、本発明の課題を解決しえない。
素麺帯(A)の食塩濃度は2〜7重量%が好ましい。素麺帯(A)の食塩濃度が2重量%未満の場合には、本発明を実施したとしても塩味を強く感じにくい。一方、食塩濃度が7重量%を超える場合には、麺帯中の食塩が過剰になり、本来グルテン形成を促進するはずの食塩が、逆にグルテン形成を阻害してしまう。
素麺帯(B)の食塩濃度は0〜1.5重量%であることが好ましい。一般的な麺帯の食塩濃度は1.5〜3.5重量%程度であり、素麺帯(B)の食塩濃度が1.5重量%を超える場合には本発明を実施する意義がない。なお、素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度差が大きければ、本発明の効果も顕著になることから、素麺帯(B)の食塩濃度は1.2重量%以下がより好ましく、1.0重量%以下がさらに好ましい。
一方、グルタチオンや増粘多糖類等を併用すれば食塩が含まれていなくても製麺できるため、素麺帯(B)には食塩が含まれていなくてもよい。ただし、良好な食感を実現する観点から、素麺帯(B)の食塩濃度は0.3重量%以上がより好ましく、0.4重量%以上がさらに好ましい。
その他原料
本発明では、必要に応じて、その他原料を添加することができる。例えば、蕎麦粉、ライ麦粉等の主原料以外の穀粉、グルテンなどのタンパク質、塩化ナトリウムの塩味代替物として使用されている塩化カリウムや塩化マグネシウム等の塩味成分、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの旨味成分、グルコースやスクロース等の甘味成分、麺の色相を調整するために使用される全卵(中華麺)やほうれん草(翡翠麺)等の着色剤、麺の風味を調整するために添加される香料、麺の生産性を高めるための油脂等を使用できる。
本発明では、必要に応じて、その他原料を添加することができる。例えば、蕎麦粉、ライ麦粉等の主原料以外の穀粉、グルテンなどのタンパク質、塩化ナトリウムの塩味代替物として使用されている塩化カリウムや塩化マグネシウム等の塩味成分、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの旨味成分、グルコースやスクロース等の甘味成分、麺の色相を調整するために使用される全卵(中華麺)やほうれん草(翡翠麺)等の着色剤、麺の風味を調整するために添加される香料、麺の生産性を高めるための油脂等を使用できる。
さらに、製麺性を高めるために、キサンタンガムやペクチン等の増粘多糖類、グルテン等のタンパク質、グルタチオン等のペプチド等を添加してもよい。
また、中華麺用途においてはかんすいを用いてもよい。かんすいとは、中華麺の製造に用いるアルカリ塩のことを指し、具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸等のピロリン酸塩、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム等のポリリン酸塩、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム等のメタリン酸塩、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩などが挙げられる。
かんすいは、中華麺に必須の成分であり、以下のような効果が得られる。
(1)かんすいが有機物に作用し、ピロリジンやトリメチルアミン等のアルカリ臭が生じる。
(2)かんすい加えることで、小麦に含まれるグルテンが収斂し、コシや滑らかさが向上する。
(3)かんすいが小麦に含まれるフラボノイド系色素に作用し、中華麺特有の淡黄色に呈色する。
(1)かんすいが有機物に作用し、ピロリジンやトリメチルアミン等のアルカリ臭が生じる。
(2)かんすい加えることで、小麦に含まれるグルテンが収斂し、コシや滑らかさが向上する。
(3)かんすいが小麦に含まれるフラボノイド系色素に作用し、中華麺特有の淡黄色に呈色する。
(麺帯の製造方法)
以下に、麺帯の製造方法を例示するが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
以下に、麺帯の製造方法を例示するが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
(1)原料配合及び混捏
主原料に食塩を含有する練り水を給水し、これを混捏して、食塩濃度の異なるドウ(A)及びドウ(B)をそれぞれ製造する。ここで、グルテン形成に要する時間を考慮すると混捏時間は5分以上とすることが好ましい。また、混捏に使用するミキサーの種類には特に限定はなく、バッチ型ミキサーやフロージェットミキサー等を適宜使用できる。その他原料は、その性質に合わせて主原料又は練り水にあらかじめ添加しておくことができる。例えば、蕎麦粉であれば主原料、かんすいであれば練り水に添加するのが一般的である。
主原料に食塩を含有する練り水を給水し、これを混捏して、食塩濃度の異なるドウ(A)及びドウ(B)をそれぞれ製造する。ここで、グルテン形成に要する時間を考慮すると混捏時間は5分以上とすることが好ましい。また、混捏に使用するミキサーの種類には特に限定はなく、バッチ型ミキサーやフロージェットミキサー等を適宜使用できる。その他原料は、その性質に合わせて主原料又は練り水にあらかじめ添加しておくことができる。例えば、蕎麦粉であれば主原料、かんすいであれば練り水に添加するのが一般的である。
(2)複合及び圧延
工程1
工程1は、ドウ(A)から素麺帯(A)、ドウ(B)から素麺帯(B)をそれぞれ製造し、これらを複合して表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程である。食塩の濃度差に応じてグルテン形成に差が生じるため、素麺帯(A)と素麺帯(B)は異なる条件(混捏時間や熟成間を変更する等)で製造してもよい。
工程1
工程1は、ドウ(A)から素麺帯(A)、ドウ(B)から素麺帯(B)をそれぞれ製造し、これらを複合して表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程である。食塩の濃度差に応じてグルテン形成に差が生じるため、素麺帯(A)と素麺帯(B)は異なる条件(混捏時間や熟成間を変更する等)で製造してもよい。
また、本発明においては、素麺帯(A)と素麺帯(B)を複合して複合麺帯を製造する必要がある。素麺帯(A)と素麺帯(B)を複合せずに次の工程(折り畳み工程)に移行すると、折り畳み中に素麺帯同士が剥離するなどの問題が生じ、図3や図4に示すような繰り返し構造を安定的に実現できない。
工程2
工程2は、複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折りし、折り畳む工程である。食塩濃度の低い領域ではグルテン形成が進みにくい。このため、複合を実施せず、繰り返し構造を設けない場合には、麺が反り返ったり、切れやすくなってしまう。
工程2は、複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折りし、折り畳む工程である。食塩濃度の低い領域ではグルテン形成が進みにくい。このため、複合を実施せず、繰り返し構造を設けない場合には、麺が反り返ったり、切れやすくなってしまう。
複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折りすることにより、図3や図4に示した通り、麺帯中に食塩濃度の高い領域と食塩濃度の低い領域を、表裏両面にバランスよく分布させることができる。なお、図4は折り畳み法への理解を深めるために、一方の素麺帯に染料を加えて麺帯を製造したものである。
次に、工程2について図1〜3を用いて詳細に説明を行う。
図1〜3において、白色面は素麺帯(A)に由来する面、灰色面は素麺帯(B)に由来する面と仮定する。ここで、複合麺帯の長軸方向に対し等間隔(W2)、且つ角度(θ)の平行な複数の折り畳み線を設ける(折り畳み線の間隔(W1))。この折り畳み線に沿って1回折り畳んだ(白色面を谷折りした)ものが図2の折り畳み麺帯である。さらに、この折り畳み線に沿って“段折り”、すなわち、谷折りと山折りを繰り返すことによって得られたものが図3の折り畳み麺帯である。
図1〜3において、白色面は素麺帯(A)に由来する面、灰色面は素麺帯(B)に由来する面と仮定する。ここで、複合麺帯の長軸方向に対し等間隔(W2)、且つ角度(θ)の平行な複数の折り畳み線を設ける(折り畳み線の間隔(W1))。この折り畳み線に沿って1回折り畳んだ(白色面を谷折りした)ものが図2の折り畳み麺帯である。さらに、この折り畳み線に沿って“段折り”、すなわち、谷折りと山折りを繰り返すことによって得られたものが図3の折り畳み麺帯である。
なお、本発明における“等間隔”及び“平行”とは、高い精度を要求するものではない。麺の製造過程においては、間隔のズレや、角度の多少の違いによる平行の歪みは当然生じるためである。したがって、間隔については平均の間隔に対して±20%、平行のゆがみについては、平均角度に対して±∠10°程度は許容範囲である。
また、折り畳み線は、実際に線を引くことを要求するものではなく、折り返し間隔や角度が製造条件から特定されれば充分である。また、製造条件が不明な場合であっても、折り畳み麺帯の折り畳みを解いた際に、複合麺帯上に現れる折り畳み線が等間隔且つ平行であった場合には、本発明において折り畳み線があったものとみなす。
工程3
工程3は、 折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程である。複合麺帯を折り畳んだだけでは、麺帯として一体化しておらず、麺線に加工することができないためである。
工程3は、 折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程である。複合麺帯を折り畳んだだけでは、麺帯として一体化しておらず、麺線に加工することができないためである。
(3)切り出し工程
切出し工程は、切り刃ロール等を用いて上記麺帯から麺線を得る工程である。麺線の形態には特に制限はなく、生麺、茹で麺、冷凍麺、乾麺、及び即席麺(フライ麺、ノンフライ麺を含む)などいずれの形態でもよい。
切出し工程は、切り刃ロール等を用いて上記麺帯から麺線を得る工程である。麺線の形態には特に制限はなく、生麺、茹で麺、冷凍麺、乾麺、及び即席麺(フライ麺、ノンフライ麺を含む)などいずれの形態でもよい。
(4)後工程
(4−1)茹で麺
生麺を蒸煮及び/又はボイル(以下「蒸煮等」と称する)することで茹で麺を製造することができる。生麺線を蒸煮等することによって、生麺線に含まれる澱粉がα化される。小麦粉等に含まれる澱粉は、生澱粉と呼ばれ分子構造が緻密で消化が悪いが、水を加えて加熱すれば分子構造が崩れてα化澱粉となり消化しやすくなる。なお、処理温度には特に制限はなく、常圧の水蒸気で蒸煮する場合やボイルする場合の処理温度は95〜100℃、過熱水蒸気を用いる場合には100〜350℃で処理するのが一般的である。
(4−1)茹で麺
生麺を蒸煮及び/又はボイル(以下「蒸煮等」と称する)することで茹で麺を製造することができる。生麺線を蒸煮等することによって、生麺線に含まれる澱粉がα化される。小麦粉等に含まれる澱粉は、生澱粉と呼ばれ分子構造が緻密で消化が悪いが、水を加えて加熱すれば分子構造が崩れてα化澱粉となり消化しやすくなる。なお、処理温度には特に制限はなく、常圧の水蒸気で蒸煮する場合やボイルする場合の処理温度は95〜100℃、過熱水蒸気を用いる場合には100〜350℃で処理するのが一般的である。
(4−2)冷凍麺
次に、茹で麺を水洗いし、好ましくは水切りした後に、速やかに凍結させることで、冷凍麺を製造することができる。麺線の凍結は、冷凍麺塊の形状を定めるために型枠に入れた状態で凍結するのが一般的であるが、その他の当該技術分野で周知の凍結方法も採用できる。また、できるだけ速やかに麺線を凍結することが好ましい。速やかに凍結させることで、茹で上げ直後の麺線の水分勾配を維持したままで凍結することができ、調理後にコシのある独特の食感・麺質を実現できる。
次に、茹で麺を水洗いし、好ましくは水切りした後に、速やかに凍結させることで、冷凍麺を製造することができる。麺線の凍結は、冷凍麺塊の形状を定めるために型枠に入れた状態で凍結するのが一般的であるが、その他の当該技術分野で周知の凍結方法も採用できる。また、できるだけ速やかに麺線を凍結することが好ましい。速やかに凍結させることで、茹で上げ直後の麺線の水分勾配を維持したままで凍結することができ、調理後にコシのある独特の食感・麺質を実現できる。
(4−3)乾麺
生麺を常法により乾燥させることで、乾麺を製造することができる。乾燥方法に特に限定はなく、乾麺の製造において一般的に使用されている乾燥方法を適用することができる。具体的には、低温での送風乾燥、熱風乾燥、マイクロ波乾燥などが挙げられる。これらを組み合わせて実施することもできる。
生麺を常法により乾燥させることで、乾麺を製造することができる。乾燥方法に特に限定はなく、乾麺の製造において一般的に使用されている乾燥方法を適用することができる。具体的には、低温での送風乾燥、熱風乾燥、マイクロ波乾燥などが挙げられる。これらを組み合わせて実施することもできる。
(4−4)即席麺
茹で麺を常法により乾燥させることで、即席麺を製造することができる。乾燥方法に特に限定はなく、即席麺の製造において一般的に使用されている乾燥処理を適用することができる。具体的には、フライ(油揚げ)乾燥のほか、熱風乾燥、真空凍結乾燥、マイクロ波乾燥、低温での送風乾燥といったノンフライ乾燥があげられる。これらを組み合わせて実施することもできる。
茹で麺を常法により乾燥させることで、即席麺を製造することができる。乾燥方法に特に限定はなく、即席麺の製造において一般的に使用されている乾燥処理を適用することができる。具体的には、フライ(油揚げ)乾燥のほか、熱風乾燥、真空凍結乾燥、マイクロ波乾燥、低温での送風乾燥といったノンフライ乾燥があげられる。これらを組み合わせて実施することもできる。
次に、本発明の実施例について説明をするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
小麦粉(中力粉)1000gに、食塩32gと、かんすい(リン酸3ナトリウム:ピロリン酸ナトリウム=3:1)8gを溶解した練り水430mlを加えて、これをミキサーでよく混捏し、その後熟成と圧延を実施して厚み13mmの素麺帯(A1)を製造した。また、食塩を8gに減量した以外は素麺帯(A1)と同様の条件で厚み13mmの素麺帯(B1)を製造した。さらに、素麺帯(A1)と素麺帯(B1)を複合して厚さ13mm、幅300mmの複合麺帯(C1)を製造した。
食塩濃度及び素麺帯の厚さを表1の通り変更し、素麺帯(A2)〜(A8)、素麺帯(B2)〜(B8)、及び複合麺帯(C2)〜(C8)を製造した。なお、表中の麺帯の厚さは実測値、食塩濃度は計算値である。
ここで、複合麺帯(C7)は食塩濃度に差のない通常の複合麺帯である。また、食塩濃度の極めて高い素麺帯(A9)については麺帯状に加工することができなかった。
次に、折り畳み法により、複合麺帯(C1)〜(C8)から麺帯(D1)〜(D8)を製造した。 折り畳み法の条件は以下の通りである。
複合麺帯(C)の幅:300mm
折り畳み角度(θ):∠80°
間隔(W1)(折り畳み後、圧延前の麺帯幅):350mm
圧延後の麺帯‘(D)の厚さ:1.2mm
複合麺帯(C)の幅:300mm
折り畳み角度(θ):∠80°
間隔(W1)(折り畳み後、圧延前の麺帯幅):350mm
圧延後の麺帯‘(D)の厚さ:1.2mm
切り刃ロールを用いて麺帯(D1)〜(D8)から麺線(1.2mm×2.8mm)を切り出し、この麺線を沸騰した湯で3分間茹でた。この茹で麺について、塩味が強化されているかどうかを、熟練したパネラー20名が以下の基準に従って評価した。評価結果は表2の通りである。
○(良い/塩味が強い):麺帯(D7)と比較して、塩味が強いと感じた者が17名以上。
△(普通/差がない):麺帯(D7)と比較して、塩味が強いと感じた者が11名以上、16名以下。
×(悪い/塩味が弱い):麺帯(D7)と比較して、塩味が強いと感じた者が10名以下
△(普通/差がない):麺帯(D7)と比較して、塩味が強いと感じた者が11名以上、16名以下。
×(悪い/塩味が弱い):麺帯(D7)と比較して、塩味が強いと感じた者が10名以下
塩濃度の差が大きいほど塩味が強化される傾向だった(D1、D2、D8を比較)。また、素麺帯(A)と素麺帯(B)の厚さが相違している場合であっても塩味は強化された(D1、D4〜D6)。
なお、表中には示していないが、D6はD1と比較すると塩味が強く食感(コシ)が劣っていた。このことから、食塩濃度差が大きいほど塩味が強化されるが、食塩を添加し過ぎると食感が悪化することがわかる。
Claims (4)
- 食塩を含む素麺帯(A)と、素麺帯(A)よりも食塩濃度の低い素麺帯(B)とを複合して、表と裏で食塩濃度の異なる複合麺帯を製造する工程と、
複合麺帯の長軸方向に対して等間隔、且つ斜めに平行な複数の折り畳み線に沿って段折し、折り畳む工程と、
折り畳んだ複合麺帯を少なくとも1回以上圧延する工程と、
を含んでなることを特徴とする折り畳み麺帯の製造方法。 - 素麺帯(A)と素麺帯(B)の食塩濃度の差が0.5重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の折り畳み麺帯の製造方法。
- 麺帯全体としての食塩濃度が3.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の折り畳み麺帯の製造方法。
- 請求項1〜3いずれか一項に記載の折り畳み麺帯の製造方法により得られた麺帯を、麺線状に切出すことを特徴とする麺線の製造方法。
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