JP2020150504A - 電気音響変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周波数特性の調整が可能な電気音響変換装置を提供する。【解決手段】 静電型電気音響変換装置1において、振動体10は、固定極20Uおよび20L間に配置されている。振動体10は、両固定極の周辺にある円環状凸部21Uおよび21Lにより周辺部が挟まれている。また、振動体10は、両固定極の中央付近の円柱状凸部23U_1〜23U_6および24U_1〜24U_6と、円柱状凸部23L_1〜23L_6および24L_1〜24L_6とにより挟まれている。両固定極間の空間は、円柱状凸部24U_1〜24U_6および24L_1〜24L_6の内側の第1の領域31と、その外側の第2の領域32に区分される。第1の領域31は第2の領域よりも凸部間距離が短く、かつ、固定極間ギャップも短い。第1の領域31と第2の領域32の面積比を変えることにより静電型電気音響変換装置1の周波数特性の調整が可能である。【選択図】図2
Description
この発明は、ヘッドフォン等の電気音響変換装置に関する。
電気信号を音響に変換する電気音響変換装置として静電型電気音響変換装置がある。この静電型電気音響変換装置は、空間を挟んで対向した2枚の板状の固定極と、この固定極間に挿入された板状の振動体を有する。振動体には直流バイアスが与えられ、2枚の固定極間には交流の駆動信号が与えられる。この駆動信号の印加により、固定電極間に電界が発生し、振動体が駆動され、放音が行われる。この静電型電気音響変換装置は、ボイスコイルを利用した電磁型電気音響装置のように大音量の放音を行うことは困難であるが、駆動信号の波形に対して忠実な音響波形を発生させることができる利点がある。このため、ヘッドフォン等の高級品に利用される。また、静電型電気音響装置は、再生音の距離減衰が少ないので観光スポット等における案内音声の再生に利用される。
上述した従来の静電型電気音響変換装置は、振動板の全面を全周波数で均等に駆動する構成であるため、周波数特性の調整が困難である問題があった。また、静電型電気音響変換装置は、湿気や埃に弱いため、固定極、振動体を含むユニット保護のために防湿、防塵カバーが不可欠である。しかし、防湿、防塵カバーを用いると、高域の音量が低下する。そして、静電型電気音響変換装置は、周波数特性の調整が困難な構成であるため、高域において低下した音量を補うことができない。さらに静電型電気音響変換装置は、振動体の周辺のみを支持する構成であるため、振幅が最大となる中央付近において振動体が固定極に接触し易い。このため、固定極に接触しない範囲に振動体の振幅が制限される問題があった。
特許文献1に開示された静電型電気音響変換装置では、2つの固定極の対向面内に複数の凸部が均一に分散配置されており、振動体は、一方の固定極側の複数の凸部と他方の固定極側の複数の凸部に挟まれた状態で支持される。この構成によれば、均一に分散配置された複数の凸部により振動体が支持されるため、中央付近において振動体が固定極に接触するのを防止することができる。しかしながら、この特許文献1に開示の静電型電気音響変換装置も、振動板の全面を全周波数で均等に駆動する構成であるため、周波数特性の調整が困難であるという問題がある。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、周波数特性の調整が可能な静電型電気音響変換装置を提供することを目的とする。
この発明は、空間を挟んで対向した第1および第2の固定極と、前記第1および第2の固定極間に配置された振動体とを有し、前記第1の固定極は、前記第2の固定極側に突出した複数の第1の凸部を有し、前記第2の固定極は、前記第1の固定極側に各々突出し、各々の先端が前記第1の凸部の先端との間に前記振動体を各々挟む複数の第2の凸部を有し、前記第1の凸部および前記第2の凸部における凸部の配置密度が、前記第1および第2の固定極の電極面内の位置により異なることを特徴とする電気音響変換装置を提供する。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態である静電型電気音響変換装置1の構成を示す図である。図2は図1のIa−Ia’線断面図である。そして、図1は図2のIb−Ib’線断面図である。この静電型電気音響変換装置1は、ヘッドフォン内のスピーカユニットである。
図1および図2に示すように、静電型電気音響変換装置1は、振動体10と、固定極20Uと、固定極20Lとを有する。本実施形態においては、固定極20Uと固定極20Lの構成は同じである。このため、固定極20Uと固定極20Lを区別する必要が特に無い場合は、符号の末尾の「L」および「U」などの記載を省略する。
振動体10は、PET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)またはPP(polypropylene:ポリプロピレン)などの絶縁性および柔軟性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成した構成となっている。
固定極20は、PETまたはPPなどの塑性および絶縁性を有する合成樹脂のシート(絶縁層)の一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成した構成となっている。また、固定極20は、表面から裏面に貫通する孔25を複数有しており、空気および音波の通過が可能となっている。本実施形態では、固定極20の全面を複数の正三角形に分割した各正三角形の頂点の位置に孔25がある。
固定極20Uおよび20Lは、空間を挟んで対向している。ここで、固定極20Uの導電層は固定極20Uにおける固定極20L側の面にあり、固定極20Lの導電層は固定極20Lにおける固定極20U側の面にある。振動体10および固定極20は、図2の上方向から見て同じ円形の平面形状を有しており、各々の平面形状を重複させた状態で静電型電気音響変換装置1を構成している。
振動体10は、固定極20Uおよび20L間に挿入された状態で支持されている。固定極20Uは、固定極20L側に突出した複数の第1の凸部を有し、固定極20Lは、固定極20U側に各々突出し、各々の先端が第1の凸部の先端との間に振動体10を各々挟む複数の第2の凸部を有する。ここで、第1および第2の凸部の先端には接着剤が塗布され、振動体10はこの接着剤により第1および第2の凸部の先端に固着される。すなわち、振動体10は、第1および第2の凸部の先端において固定されている。
図1に示すように、複数の第2の凸部は、固定極20Lの周辺を占める円環状凸部21Lと、固定極20Lの中心22Lを取り囲む正六角形の頂点をなす各位置にある円柱状凸部23L_1〜23L_6と、この正六角形を外側から囲む正六角形の頂点をなす各位置にある円柱状凸部24L_1〜24L_6とを含む。
また、複数の第1の凸部は、円環状凸部21Lと対向する円環状凸部21Uと、円柱状凸部23L_1〜23L_6と対向する円柱状凸部23U_1〜23U_6と、円柱状凸部24L_1〜24L_6と対向する円柱状凸部24U_1〜24U_6とを含む。なお、図2において、円柱状凸部23U_3、23U_4、24U_3、24U_4については図示が省略されている。
固定極20Uの固定極20L側の面において、円環状凸部21Uのある領域には、導電膜はない。また、固定極20Lの固定極20U側の面において、円環状凸部21Lのある領域には、導電膜はない。固定極20Uおよび20Lの周辺では、絶縁体である円環状凸部21Lの先端部と絶縁体である円環状凸部21Uの先端部が振動体10の周辺部を挟んでいる。
また、固定極20Uにおいて、固定極20Lとの対向面に配置された導電膜には、円柱状凸部23U_1〜23U_6および24U_1〜24U_6を通過させる孔が開口している。また、固定極20Lにおける固定極20U側の面に配置された導電膜にも、同様な孔が開口している。
固定極20U側の円柱状凸部23U_1〜23U_6および24U_1〜24U_6は、固定極20Uの導電膜の孔を通過して振動体10側に突き出している。また、これらの円柱状凸部と対向する固定極20L側の円柱状凸部23L_1〜23L_6および24L_1〜24L_6も、固定極20Lの導電膜の孔を通過して振動体10側に突き出している。
そして、各々導電膜の孔を通過した固定極20Uの円柱状凸部(絶縁体)と固定極20Lの円柱状凸部(絶縁体)が、各々の先端部の間に振動体10を挟んでいる。従って、振動体10の導電膜と固定極20Uの導電膜との間、振動体10の導電膜と固定極20Lの導電膜との間は電気的に絶縁されている。
本実施形態では、固定極20Uおよび20L間の空間が周波数特性の異なる2つの領域に区分されている。1つは固定極20U側の円柱状凸部24U_1〜24U_6と、これらに対向する固定極20L側の円柱状凸部24L_1〜24L_6の内側にある第1の領域31である。もう1つは円柱状凸部24U_1〜24U_6および24L_1〜24L_6と円環状凸部21Uおよび21Lとの間にある第2の領域32である。第1の領域31は、ヘッドフォンがユーザの耳に装着された状態において、ユーザの耳孔に対向するようになっている。第2の領域32はこの第1の領域31を外側から取り囲んでいる。
図1に示す円形の固定極20Lの電極面内において、第1の領域31と第2の領域32との境界線は、円柱状凸部24L_1〜24L_6の径方向外側の円弧区間から径方向内側に進み、孔25の径方向内側を通過しており、頂点近傍が外側に張り出した正六角形状をなしている。しかし、これはあくまでも一例であり、第1の領域31と第2の領域32との境界線は、頂点付近が張り出していない正六角形状であってもよいし、円形状であってもよい。
静電型電気音響変換装置1の周波数特性に影響を与える要素の1つとして振動体10のスティフネスがある。この振動体10のスティフネスは、振動体10の支持構造の影響を受ける。本実施形態では、第1の領域31と第2の領域32とで、振動体10を支持する第1および第2の凸部の配置態様が異なっている。本実施形態において、第1の領域31における振動体10のスティフネスは、第1の領域31における凸部の配置密度、すなわち、単位面積当たりの凸部の数の影響を受け、第2の領域32における振動体10のスティフネスは、第2の領域32における凸部の配置密度の影響を受ける。
図1に示す例において、固定極20に形成された隣接する孔25間の中心間距離をDとした場合、第1の領域31において、固定極の直径方向に並んだ内側の2つの凸部間の距離(例えば円柱状凸部23L_6および23L_3の中心間距離)は2Dである。また、固定極の直径方向に並んだ内側の2つの凸部と、外側の2つの凸部の間の距離(例えば円柱状凸部23L_6および24L_6の中心間距離と、円柱状凸部23L_3および24L_3の中心間距離)も2Dである。これに対し、第2の領域32では、円柱状凸部24U_1〜24U_6および24L_1〜24L_6と、円環状凸部21Uおよび21Lとの間の距離が5D程度ある。このように第2の領域32は第1の領域31よりも凸部の配置密度が低い。この低い凸部の配置密度が第2の領域32における振動体10のスティフネスに大きな影響を与える。このため、第2の領域32における振動体10のスティフネスは、第1の領域31における振動体10のスティフネスよりも低くなり、第2の領域32における振動体10の低域再生限界は、第1の領域31における振動体10の低域再生限界よりも低くなる。
また、本実施形態では、固定極20U側の導電膜と固定極20L側の導電膜との間のギャップ(固定極間の距離であり、以下、固定極間ギャップという)が第1の領域31と第2の領域32とで異なる。具体的には、本実施形態において、第1の領域31における固定極20の絶縁膜は、第2の領域31における固定極20の絶縁膜よりも厚く、第2の領域32よりも第1の領域31の方が固定極間ギャップが短くなっている。
第1の領域31と第2の領域32の各々において振動体10が受ける力Fは次式により定まる。
F=ε0・S・E・Vin/g2 ……(1)
ここで、ε0は固定極20Uおよび20L間の空間の誘電率、Eは振動体10に与えられるバイアス電圧、Sは第1の領域31または第2の領域32における固定極間の対向面積、Vinは固定極間の印加電圧、gは第1の領域31または第2の領域32における固定極間ギャップである。
F=ε0・S・E・Vin/g2 ……(1)
ここで、ε0は固定極20Uおよび20L間の空間の誘電率、Eは振動体10に与えられるバイアス電圧、Sは第1の領域31または第2の領域32における固定極間の対向面積、Vinは固定極間の印加電圧、gは第1の領域31または第2の領域32における固定極間ギャップである。
本実施形態では、第1の領域31における固定極間ギャップg1が、第2の領域32における固定極間ギャップg2よりも短い。従って、本実施形態では、第2の領域32よりも第1の領域31の方が振動体10の受ける力Fが大きくなり、より大きな音圧での発音が可能である。一方、第2の領域32は、第1の領域31よりも固定極間ギャップが長いので、振動体10を第1の領域31よりも大きな振幅で振動させることが可能である。
次に本実施形態の動作について説明する。本実施形態では、振動体10に直流バイアスが与えられるとともに、図示しないアンプにより平衡型交流信号である音響信号が出力され、この音響信号が固定極20Uおよび20Lに対して印加される。この音響信号の印加により固定極20Uと固定極20Lとの間に電位差が生じると、固定極20Uと固定極20Lとの間にある振動体10には、固定極20Uと固定極20Lのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。
具体的には、振動体10にプラスのバイアス電圧が印加されている場合において、音響信号の印加により固定極20Uにプラスの電圧が発生し、固定極20Lにマイナスの電圧が発生すると、振動体10は、固定極20Uとの間の静電引力が弱まる一方、固定極20Lとの間の静電引力が強まる。振動体10において凸部に接していない部分は、振動体10に加わる静電引力の差に応じて固定極20L側に吸引力が働き、固定極20L側へ変位する。
また、音響信号の印加により固定極20Uにマイナスの電圧が発生し、固定極20Lにプラスの電圧が発生すると、振動体10は、固定極20Lとの間の静電引力が弱まる一方、固定極20Uとの間の静電引力が強まる。振動体10において凸部に接していない部分は、振動体10に加わる静電引力の差に応じて固定極20U側に吸引力が働き、固定極20U側へ変位する。
このように、振動体10が音響信号に応じて図2の上方向または下方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音波が振動体10から発生する。発生した音波は、音響透過性を有する固定極20を通過して静電型電気音響変換装置1の外部に音として放射される。
ところで、本実施形態では、第1の領域31と第2の領域32とで、凸部の配置密度および固定極間ギャップが異なる。このため、第1の領域31と第2の領域32とで振動体10の振動の特性が異なったものとなる。具体的には次の通りである。
本実施形態において、第2の領域32における凸部の配置密度は、第1の領域31における凸部の配置密度よりも低い。このため、第2の領域32における振動体10のスティフネスは、第1の領域31における振動体10のスティフネスよりも低くなり、第2の領域32における低域再生限界は、第1の領域31における低域再生限界よりも低くなる。従って、第1の領域31の低域再生限界よりも周波数が低く、第1の領域31内の振動体10を振動させることができない低域においても、第2の領域32の振動体10を振動させることができる。
また、本実施形態において、第1の領域31における固定極間ギャップは、第2の領域32における固定極間ギャップよりも短い。従って、第1の領域31における振動体10は、第2の領域32における振動体10よりも大きな力で駆動される。このため、第1の領域31では、第2の領域32よりも音圧を高めるのが容易である。
また、本実施形態において、低域側再生限界の低い第2の領域32は、固定極間ギャップが第1の領域31における固定極間ギャップよりも長いので、第1の領域31よりも大きな振幅で振動体10を振動させることができる。従って、本実施形態によれば、低域側再生限界の低い第2の領域32において、振動体10の振幅を大きくし、音量を高めることができる。
以上のように、本実施形態によれば、第1の領域31と第2の領域32とで振動体10の周波数特性が異なるので、第1の領域31と第2の領域32との面積比および固定極間ギャップの比を調整することにより静電型電気音響変換装置1の周波数特性、具体的には第1の領域31での再生に適した高域の音圧と第2の領域32での再生に適した低域の音圧を調整することができる。
また、本実施形態において、第1の領域31は、振動体10のスティフネスが高く、かつ、振動体10に与えられる力が強いので、中高音域の再生に適している。また、振動体10のスティフネスが低く、低域の再生に適した第2の領域32が第1の領域31の外側にある。そして、本実施形態では、ヘッドフォンがユーザの耳に装着された状態において、中高域の再生に適した第1の領域31が耳孔に対向する。このため、第1の領域31において放音される中高域の音が耳孔に直接伝わり、中高域の音を適切に頭内定位させることができる。また、第1の領域31の外側の第2の領域32において低域の音を十分な音量で放音することができるので適切な音場再生を実現することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、2つの固定極間の空間を2つの領域に区分したが、3以上の領域に区分してもよい。
図3および図4は、固定極20U’および20L’間の空間を3つの同心の領域31’、32’および33’に区分した静電型電気音響変換装置1’の構成を示している。ここで、図4は図3のIa−Ia’線断面図であり、図3は図4のIb−Ib’線断面図である。
上記実施形態と同様、固定極20U’および20L’の対向面の周辺には相互に突出した円環状凸部21U’および21L’があり、これらの円環状凸部21U’および21L’の各先端部が振動体10の周辺部を挟んで支持している。
固定極20U’および20L’の中心付近には、正六角形の頂点をなす各位置に円柱状凸部23U_1’〜23U_6’および23L_1’〜23L_6’があり、円柱状凸部23U_1’〜23U_6’の各先端部と円柱状凸部23L_1’〜23L_6’の各先端部とが振動体10を挟んで支持している。
また、固定極20U’および20L’の各対向面において、円柱状凸部23U_1’〜23U_6’の外側には円柱状凸部24U_1’〜24U_6’があり、円柱状凸部23L_1’〜23L_6’の外側には円柱状凸部24L_1’〜24L_6’がある。そして、円柱状凸部24U_1’〜24U_6’の各先端部と円柱状凸部24L_1’〜24L_6’の各先端部とが振動体10を挟んで支持している。
第1の領域31’は、円柱状凸部23U_1’〜23U_6’および23L_1’〜23L_6’の内側の領域である。第2の領域32’は、円柱状凸部23U_1’〜23U_6’および23L_1’〜23L_6’と、円柱状凸部24U_1’〜24U_6’および24L_1’〜24L_6’との間の領域である。第3の領域33’は、円柱状凸部24U_1’〜24U_6’および24L_1’〜24L_6’と、円環状凸部21U’および21L’との間の領域である。
この静電型電気音響変換装置1’では、第1の領域31’の凸部の配置密度が最も高い。そして、第2の領域32’の凸部の配置密度は、第1の領域31’の凸部の配置密度より低く、第3の領域33’の凸部の配置密度は、第2の領域32’の凸部の配置密度より低い。このため、各領域の低域再生限界は、第3の領域33’が最も低く、第2の領域32’、第1の領域31’の順に高くなる。
また、静電型電気音響変換装置1’では、第1の領域31’の固定極間ギャップが最も短い。そして、第2の領域32’の固定極間ギャップは、第1の領域31’の固定極間ギャップより長く、第3の領域33’の固定極間ギャップは、第2の領域32’の固定極間ギャップよりも長い。このため、各領域において振動板10の受ける力は、第1の領域31’が最も強く、第2の領域32’、第3の領域33’の順に弱くなる。
静電型電気音響変換装置1’によれば、固定極20U’および20L’間の空間を凸部間距離および固定極間ギャップの異なった3つの領域31’、32’および33’に区分しているので、上記実施形態よりもきめ細かな周波数特性の調整が可能である。
(2)2つの固定極間において、固定極の電極面内の全域に振動体を支持する円柱状凸部を分散配置し、固定極間ギャップを一定に維持した状態で、凸部間距離を電極面内の位置に応じて連続的に変化させてもよい。例えば2つの固定極の周辺部から中央部に進むに従って凸部間距離を徐々に短くする態様が考えられる。
(3)2つの固定極間において、固定極間ギャップと凸部間距離の両方を固定極の電極面内の位置に応じて連続的に変化させてもよい。例えば2つの固定極の周辺部から中央部に進むに従って固定極間ギャップを徐々に短くし、かつ、凸部間距離を徐々に短くする態様が考えられる。
(4)上記実施形態では、中高域の再生に適した第1の領域31を固定極の電極面の中心に位置させたが、この第1の領域31の位置を中心からずらして頭内定位を調整してもよい。
(5)上記実施形態では、固定極および振動体の平面形状を円形にしたが、この平面形状は円形に限定されるものではない。固定極および振動体の平面形状を円形以外の形状、例えば図5に示すように矩形にしてもよい。図5に示す例では、矩形状の固定極を囲む四辺をなす凸部21L”が固定極に設けられている。また、固定極には矩形状の第1の領域31”とその外側を囲む第2の領域32”が設けられている。図5において、上記実施形態と同様、固定極には全面に亙って複数の孔25が設けられ、第1の領域31”内には複数の円柱状凸部23L”が設けられている。図5に示すように、第2の領域32”における凸部の配置密度は、第1の領域31”における凸部の配置密度より低い。図示は省略したが、第1の領域31”における固定極間距離は、第2の領域32”における固定極間距離より短い。従って、上記実施形態と同様な効果が得られる。
(6)上記円柱状凸部および円環状凸部は、上記実施形態のように固定極と一体成形してもよく、固定極とは別個に成形し、固定極に接着してもよい。あるいは上記円柱状凸部または円環状凸部の一方を固定極とは別個に成形し、固定極に接着してもよい。
1,1’……静電型電気音響変換装置10……振動板、20U,20L,20U’,20L’……固定極、25……孔、31,31’,31”……第1の領域、32,32’,32”……第2の領域、33’……第3の領域、21U,21L,21U’,21L’……円環状凸部、21”……凸部、23U_1〜23U_6,23L_1〜23L_6,24U_1〜24U_6,24L_1〜24L_6,23U_1’〜23U_6’,23L_1’〜23L_6’,24U_1’〜24U_6’,24L_1’〜24L_6’,23L”……円柱状凸部。
Claims (3)
- 空間を挟んで対向した第1および第2の固定極と、
前記第1および第2の固定極間に配置された振動体とを有し、
前記第1の固定極は、前記第2の固定極側に突出した複数の第1の凸部を有し、
前記第2の固定極は、前記第1の固定極側に各々突出し、各々の先端が前記第1の凸部の先端との間に前記振動体を各々挟む複数の第2の凸部を有し、
前記第1の凸部および前記第2の凸部における凸部の配置密度が、前記第1および第2の固定極の電極面内の位置により異なることを特徴とする電気音響変換装置。 - 前記第1および第2の固定極の各々は、中央付近に位置する第1の領域と、前記第1の領域を周囲から囲み、前記第1の領域よりも前記凸部の配置密度が低い第2の領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換装置。
- 前記第1および第2の固定極の各々は、前記凸部の配置密度が互いに異なる3種類以上の領域を有することを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換装置。
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