JP2020150167A - 素子チップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板および樹脂層を備える積層体を、プラズマエッチングによりダイシングする工程を備える素子チップの製造方法において、得られる素子チップの品質を高める。【解決手段】複数の素子領域および分割領域を備えるとともに、第1の面および第2の面を有する第1の基板と、第2の面側に配置された樹脂層と、を備える積層体を準備する準備工程と、第1の面を保護膜で被覆する保護膜形成工程と、分割領域における少なくとも保護膜を除去して、開口を形成する開口形成工程と、開口から露出する第1の基板を第1のプラズマに晒して、第1の基板をエッチングする基板エッチング工程と、基板エッチング工程の後、第1の基板のエッチングにより形成された溝の底部に露出する樹脂層を第2のプラズマに晒して、樹脂層をエッチングする樹脂エッチング工程と、を備え、第2のプラズマは、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生される、素子チップの製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、素子チップの製造方法に関し、詳細には、基板および樹脂層を備える積層体を、プラズマエッチングによりダイシングする方法に関する。
1枚の基板から、例えばフラッシュメモリ等の多段積層される複数の素子チップを作製する際、基板をダイアタッチフィルム(ダイボンディングフィルムと称される場合もある。)に貼り付けた状態で、ダイシングが行われる場合がある(特許文献1)。ダイアタッチフィルム(DAF)は、例えば、樹脂と無機フィラーとを含む樹脂組成物により形成される。
特開2017−114945号公報
通常、ダイアタッチフィルム(DAF)に貼り付けられた基板のダイシングでは、まず、基板をメカニカルダイシングやステルスダイシングなどの物理的な手法でダイシング(あるいはハーフカット)し、その後、他の方法でDAFが分断される。DAFを分断する方法としては、例えば、クールエキスパンド法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。
パッケージの小型化および薄型化に伴い、基板の薄化が進んでいる。フラッシュメモリなどのデバイスでは、多段積層技術の進展に伴い、基板の厚みは30μm程度にまで小さくなっている。今後さらに、基板の厚みは10μm程度にまで小さくなると考えられる。
クールエキスパンド法では、ダイシング用のテープ(保持テープ)およびDAFに貼着された基板がハーフカットされた後、保持テープを伸張する。基板は、ハーフカットされた位置で分割されて、複数の素子チップが形成される。このとき、基板に貼着していたDAFも分断される。しかし、基板が薄くなると、その物理的な強度も低下する。そのため、基板の損傷を抑制しながら、DAFが分断される程度の伸張力を、保持テープにかけることが難しくなってきている。また、機能の多様化に伴い、基板の材料であるシリコンの結晶方位が多様化したり、シリコンへの注入イオン濃度が高くなっている。そのため、基板の分割する方向が定まらず、DAFの分断方向も不安定になり易い。
レーザーアブレーション法を用いる場合、DAFは粘着性を有するため、バリが発生しやすい。そのため、素子チップの端面とDAFの端面とが面一になり難い。さらに、このバリによって、分断されたDAF同士が再付着することもある。また、レーザ照射は、素子チップ間を狙って行われる。そのため、基板のダイシング後、素子チップの位置をマッピングする必要があり、工程時間が長くなり易い。
さらに、近年、異なる機能を有する複数の基板を樹脂接着剤で貼合せた3次元構造の多層基板が開発されている。このような多層基板のダイシングは、上記のような物理的な手法か、あるいは、レーザ加工とメカニカルダイシングとの組み合わせにより行われる。しかし、多層基板をメカニカルダイシングによって個片化すると、チッピング、デラミネーションが発生し易い。
本発明の一局面は、複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を有する第1の基板と、前記第2の面側に配置された樹脂層と、を備える積層体を準備する準備工程と、前記第1の面を保護膜で被覆する保護膜形成工程と、前記分割領域における少なくとも前記保護膜を除去して、開口を形成する開口形成工程と、前記開口から露出する前記第1の基板を第1のプラズマに晒して、前記第1の基板をエッチングする基板エッチング工程と、前記基板エッチング工程の後、前記第1の基板のエッチングにより形成された溝の底部に露出する前記樹脂層を第2のプラズマに晒して、前記樹脂層をエッチングする樹脂エッチング工程と、を備え、前記第2のプラズマは、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生される、素子チップの製造方法に関する。
本発明によれば、所望の素子チップが高品質で得られる。
プロセスガスに占める酸化炭素ガスの割合と、樹脂層選択比および樹脂エッチング速度との関係の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る製造方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る製造方法を示すフローチャートである。 本発明のさらに他の実施形態に係る製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る第1の基板を模式的に示す断面図である。 搬送キャリアとこれに保持された第1の基板とを模式的に示す上面図である。 図6AのA−A線における断面図である。 接着層を介して接着された第1の基板と第2の基板とを模式的に示す上面図である。 図7AのB−B線における断面図である。 プラズマ処理装置の構造を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態で使用されるプラズマ処理装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る準備工程により準備された積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る保護膜形成工程後の積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る開口形成工程後の積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る基板エッチング工程後の積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る樹脂エッチング工程後の積層体(素子チップ)を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る準備工程により準備された積層体を模式的に示す断面図である。
基板をダイシングする方法として、基板にプラズマエッチングを施して個々のチップに分割する、プラズマダイシングが注目されている。プラズマダイシングにおいて、通常、基板の素子領域はマスクによって保護されており、素子領域を画定する分割領域のみがプラズマによりエッチングされる。マスクは、例えば、基板の表面を保護膜で覆った後、分割領域における保護膜を除去することにより形成される。
プラズマエッチングにおいて、プラズマの発生に用いられるプロセスガスは、加工対象物の材料や厚み等によって変える必要がある。上記のような基板および樹脂材料を含む対象物をプラズマダイシングする場合、主に半導体材料からなる基板をエッチングするためのプロセスガスと、有機物である樹脂材料をエッチングするためのプロセスガスとは異なる。
マスクもまた、レジスト材料と言われる樹脂材料によって形成されている。ただし、このマスクは、プラズマエッチングの対象ではない。つまり、基板と樹脂材料により構成される層(樹脂層)とを含む積層体をプラズマエッチングする場合、樹脂層をエッチングしつつ、マスクをエッチングしないようにすることが求められる。
そこで、本実施形態では、分割領域における第1の基板を除去した後、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生されるプラズマを用いて、樹脂層をエッチングする。これにより、マスクのエッチングを抑制しながら、高いレートで樹脂層をエッチングすることができる。つまり、マスクによる素子領域の保護効果を維持しながら、分割領域における樹脂層を除去することができる。
酸化炭素は、炭素と酸素との化合物であり、例えば、C(x=1〜5、y=1、2)で表される。具体的には、一酸化炭素(CO)、二酸化酸素(CO)、二酸化三炭素、二酸化五炭素等が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いられる。入手しやすい点から、酸化炭素ガスは、CO、COであってよい。
樹脂層のエッチングレートが高くなる理由は、以下のように考えられる。
プロセスガスが酸素原子とともに炭素原子を有する酸化炭素ガスを含む場合、プラズマ処理装置内に発生させたプラズマには、酸化炭素ガスに由来する酸素のイオンやラジカルとともに、酸化炭素ガスに由来する炭素のイオンやラジカルが発生する。炭素のイオンやラジカルの一部は、酸素と反応してCOとなりプラズマ処理装置内から排出される一方、残部は、プラズマ処理装置内(例えば、基板)に炭素成分として付着する。プロセスガスとして十分な量の酸化炭素ガスを供給すると、保護膜の第1の面側の表面には、炭素のイオンやラジカルが衝突する。炭素のイオンやラジカルが保護膜に衝突すると、保護膜の表面には、この炭素のイオンやラジカルに由来する炭素(C)が付着する。
保護膜に酸素のイオンやラジカルが衝突すると、保護膜はエッチングされ得る。しかし、酸化炭素ガスに由来する炭素(C)がその表面に付着していることにより、酸化炭素ガス以外のガスを用いる場合と比較して、保護膜のエッチングレートは低下する。
ここで、分割領域における第1の基板が除去されることにより、積層体には溝が形成されている。樹脂層はこの溝の底部に相当する。炭素のイオンやラジカルのさらに一部は、溝に入り込む。溝に入り込んだ炭素のイオンやラジカルは、溝の底部に向かって移動する過程で溝の側壁に容易に付着する。そのため、炭素のイオンやラジカルは溝の底部(樹脂層の表面)にまで到達し難く、溝の底部における炭素の付着量は少ない。
つまり、炭素の付着により、保護膜および樹脂層のいずれのエッチングレートも低下するが、付着量の多い保護膜のエッチングレートはより大きく低下する。そのため、保護膜のエッチングレートに対する樹脂層のエッチングレート(樹脂層選択比)が大きくなって、樹脂層が選択的にエッチングされる。
なお、保護膜および樹脂層に酸素のイオンやラジカルが衝突すると、保護膜および樹脂層に含まれる炭素の多くは、酸素のイオンやラジカルと反応してCOとなりプラズマ処理装置内から排出される。
樹脂エッチング工程に供される、分割領域における第1の基板が除去された積層体(図13参照)において、第2の面から素子領域における第1の面までの高さ(溝の深さD)は、溝の幅Wの2倍以上であってよい。この場合、樹脂層選択比が大きくなり易く、樹脂層の選択的なエッチングが進行し易い。
溝の深さDは、積層体の厚み方向であって、分割領域の長手方向に垂直な方向の断面から求められる。例えば、上記断面における任意の5箇所について、第2の面から素子領域と分割領域との境界における保護膜の外表面までの高さ測定し、これらを平均化することにより算出できる。溝の幅Wは、上記断面における任意の5箇所について、隣接する素子領域同士の保護膜の外表面を繋ぐ線分の長さ求め、これらを平均化することにより算出できる。溝の幅Wは、分割領域の長手方向に垂直な方向の長さと同義である。
プロセスガスに占める酸化炭素ガスの割合は特に限定されない。保護膜に対する保護効果を考慮すると、酸化炭素の上記割合は、20体積%以上、100体積%以下であってよく、45体積%以上、100体積%以下であってよい。酸化炭素ガスの割合が上記範囲であると、樹脂層選択比が大きくなり易い。特に、酸化炭素ガスの割合が45体積%以上であると、樹脂層選択比が2以上になり易い。そのため、素子領域へのダメージを抑制しながら、分割領域における樹脂層を除去することが容易になる。
プロセスガスは、さらにフッ素含有ガスを含んでよい。これにより、樹脂層の除去効果がより高まる。フッ素含有ガスとしては、例えば、SF、上記フッ化炭素ガスおよびフッ化炭化水素等が挙げられる。プロセスガスは、さらに酸素ガスや、ArやHe等の希ガス等の他のガスを含んでよい。本実施形態では、保護膜に対する保護作用を有する炭素原子を含む酸化炭素ガスを、強いエッチング作用を有するガス(上記のフッ素含有ガス、酸素ガス等)とは独立して添加する。そのため、酸化炭素ガスの濃度を、保護膜の厚み、樹脂層の厚みおよび組成等を考慮して、適宜設定することができる。よって、本実施形態に係る製造方法は、様々な積層体に対して適用できる。
プロセスガスに占める酸化炭素ガスの割合と、樹脂層選択比および樹脂エッチング速度との関係の一例を図1に示す。図1のグラフからわかるように、プロセスガスに占める酸化炭素ガスの割合が増えるにつれて、樹脂層選択比が大きくなる。これは、酸化炭素ガスにより、保護層に炭素が付着していることを示唆している。
このとき、溝の深さDは約130μm、溝の幅Wは約35μmであり、溝の深さDは溝の幅Wの約3.7倍であった。酸化炭素ガスとしてCOを用いた。樹脂層の主成分はポリイミドであり、保護膜の主成分は水溶性ポリエステルである。プロセスガスの他の成分は、OおよびSFである。具体的には、各成分の体積割合(SF:O:CO)を、50:350:0、50:175:175、50:0:350に変えてプラズマエッチングを行い、樹脂層選択比を算出した。樹脂層選択比は、樹脂層のエッチングレート(μm/分)を保護膜のエッチングレート(μm/分)で除して算出した。主成分とは、全成分の50質量%以上を占める成分である。
以下、本実施形態に係る製造方法について、適宜図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態は、複数の素子領域および素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および第1の面とは反対側の第2の面を有する第1の基板と、第2の面側に配置された樹脂層と、を備える積層体を準備する準備工程(S1)と、第1の面を保護膜で被覆する保護膜形成工程(S2)と、分割領域における少なくとも保護膜を除去して、開口を形成する開口形成工程(S3)と、開口から露出する第1の基板を第1のプラズマに晒して、第1の基板をエッチングする基板エッチング工程(S4)と、基板エッチング工程の後、第1の基板のエッチングにより形成された溝の底部に露出する樹脂層を第2のプラズマに晒して、樹脂層をエッチングする樹脂エッチング工程(S5)と、を備える。
第2のプラズマは、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生される。これにより、マスクのエッチングを抑制しながら、高いレートで樹脂層をエッチングすることができる。
図3は、本実施形態に係る他の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態において、樹脂層はダイアタッチフィルム(DAF)であり、エッチングの対象である積層体は、第1の基板とDAFとを含む。準備工程は、第1の基板を、DAFを介して、フレームに固定された保持シートに貼着する工程を含む。以下、フレームとフレームに固定された保持シートとを、搬送キャリアと称す。本実施形態は、これ以外、図2に示される製造方法と同じである。
図4は、本実施形態に係るさらに他の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態において、樹脂層は接着層であり、エッチングの対象である積層体は、第1の基板と接着層とを含む。準備工程は、第1の基板を、接着層を介して第2の基板に接着する工程を含む。本実施形態は、これ以外、図2に示される製造方法と同じである。
まず、本実施形態に係る製造方法で用いられる部材の一実施形態を具体的に説明する。各部材の構成は、これに限定されるものではない。
(第1の基板)
第1の基板は、複数の素子領域と素子領域を画定する分割領域とを備えるとともに、第1の面および第2の面を備える。素子領域は、例えば、半導体層と、半導体層の第1の面側に積層される配線層と、を備える。分割領域における第1の基板をエッチングすることにより、半導体層および配線層を有する素子チップが得られる。
第1の基板の大きさは特に限定されず、例えば、最大径50mm〜300mm程度である。第1の基板の形状も特に限定されず、例えば、円形、角型である。また、第1の基板には、オリエンテーションフラット(オリフラ)、ノッチ等の切欠き(いずれも図示せず)が設けられていてもよい。
半導体層は、例えば、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)等を含む。素子チップにおける半導体層の厚みは特に限定されず、例えば、20μm〜1000μmであり、100μm〜300μmであってもよい。
配線層は、例えば、半導体回路、電子部品素子、MEMS等を構成しており、絶縁膜(第1絶縁膜)、金属材料、樹脂層(例えば、ポリイミド)、レジスト層、電極パッド、バンプ等を備えてもよい。第1絶縁膜は、配線用の金属材料との積層体(多層配線層あるいは再配線層)として含まれてもよい。配線層に配置されるバンプの形状および大きさは特に限定されない。バンプの高さHは、例えば、20μm以上、70μm以下であってよく、バンプの直径Wは、例えば、20μm以上、70μm以下であってよい。
分割領域における第1の基板は、半導体層とともに、例えば、絶縁膜(第2絶縁膜)、TEGといわれるテスト回路、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等を含む金属材料を備えてもよい。第2絶縁膜は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)等を含む。
分割領域の形状は、直線に限られず、所望の素子チップの形状に応じて設定されればよく、ジグザグであってもよいし、波線であってもよい。なお、素子チップの形状としては、例えば、矩形、六角形等が挙げられる。
分割領域の幅は特に限定されず、第1の基板や素子チップの大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。分割領域の幅は、例えば、10μm以上、300μm以下である。複数の分割領域の幅は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。分割領域は、通常、複数本、第1の基板に配置されている。隣接する分割領域同士のピッチも特に限定されず、第1の基板や素子チップの大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。
図5は、第1の基板の一例を模式的に示す断面図である。
第1の基板10は、複数の素子領域101と素子領域101を画定する分割領域102とを備えるとともに、第1の面10Xおよび第2の面10Yを備える。素子領域101は、例えば、半導体層11と、半導体層11の第1の面10X側に積層される配線層12と、を備える。配線層12は、さらにバンプ15を備える。分割領域102は、半導体層11と、半導体層11の第1の面10X側に積層される第2絶縁膜14と、を備える。分割領域102における第1の基板10をエッチングすることにより、半導体層11およびバンプ15を備える配線層12を有する素子チップが得られる。
(搬送キャリア)
搬送キャリアは、フレームとフレームに固定された保持シートとを備える。
フレームは、第1の基板の全体と同じかそれ以上の面積の開口を有した枠体であり、所定の幅および略一定の薄い厚みを有している。フレームは、保持シートおよび第1の基板を保持した状態で搬送できる程度の剛性を有している。フレームの開口の形状は特に限定されないが、例えば、円形や、矩形、六角形など多角形であってもよい。フレームの材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属や、樹脂等が挙げられる。
保持シートの材質は特に限定されない。なかでも、第1の基板が貼着され易い点で、保持シートは、粘着層と柔軟性のある非粘着層とを含むことが好ましい。
非粘着層の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。樹脂フィルムには、伸縮性を付加するためのゴム成分(例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等)、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、導電性材料等の各種添加剤が配合されていてもよい。また、上記熱可塑性樹脂は、アクリル基等の光重合反応を示す官能基を有していてもよい。非粘着層の厚みは特に限定されず、例えば、50μm以上、300μm以下であり、好ましくは50μm以上、150μm以下である。
粘着層を備える面(粘着面)の外周縁は、フレームの一方の面に貼着しており、フレームの開口を覆っている。粘着面のフレームの開口から露出した部分に、第1の基板の一方の主面(第2の面)が貼着されることにより、第1の基板は保持シートに保持される。第1の基板は、後述するダイアタッチフィルム(DAF)を介して、保持シートに保持されてもよい。
粘着層は、紫外線(UV)の照射によって粘着力が減少する粘着成分からなることが好ましい。これにより、プラズマダイシング後に素子チップをピックアップする際、UV照射を行うことにより、素子チップが粘着層から容易に剥離されて、ピックアップし易くなる。例えば、粘着層は、非粘着層の片面に、UV硬化型アクリル粘着剤を5μm以上、100μm以下(好ましくは5μm以上、15μm以下)の厚みに塗布することにより得られる。
(ダイアタッチフィルム(DAF))
DAFは、例えば、樹脂と無機フィラーとを含む樹脂組成物により形成される。
樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂等の感光性を有するフェノール樹脂が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、シリカ等が挙げられる。
DAFの厚みは特に限定されない。DAFの厚みは、取り扱い性等の観点から、10μm〜100μmであってもよく、20μm〜50μmであってもよい。DAFは、例えば、第1の基板よりも大きく、フレームの開口よりも小さい。
図6Aは、搬送キャリアに保持された第1の基板を模式的に示す上面図である。図6Bは、図6Aに示すA−A線での断面図である。搬送キャリア20は、フレーム21とフレーム21に固定された保持シート22とを備える。フレーム21には、位置決めのためのノッチ21aやコーナーカット21bが設けられていてもよい。粘着面22Xの外周縁は、フレーム21の一方の面に貼着し、粘着面22Xのフレーム21の開口から露出した部分に、第1の基板10の一方の主面が貼着される。図6Aおよび図6Bにおいて、第1の基板10はDAF30を介して、保持シート22に貼着されている。プラズマ処理の際、保持シート22は、プラズマ処理装置内に設置されるステージと、粘着面22Xとは反対の非粘着面22Yとが接するように、ステージに載置される。
(接着層)
接着層の材料は特に限定されず、各基板の材料に応じて適宜選択すればよい。接着層の材料としては、例えば、未硬化あるいは半硬化のUV硬化性樹脂、未硬化あるいは半硬化の熱硬化性樹脂、感圧接着剤、熱可塑性樹脂等が挙げられる。UV硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。感圧接着剤としては、例えば、シリコーン樹脂等が挙げられる。
接着層の厚みは特に限定されない。接着層の厚みは、例えば、5μm以上、100μm以下であってよく、5μm以上、15μm以下であってよい。
(第2の基板)
第2の基板は、第1の基板を支持する。
第2の基板の材質は特に限定されない。第2の基板としては、例えば、ガラス基板、樹脂基板、ガラスエポキシ基板、セラミック基板およびシリコン基板等が挙げられる。
第2の基板の厚みは特に限定されない。第2の基板の厚みは、例えば、50μm以上、2mm以下であってよく、100μm以上、500μm以下であってよい。第2の基板の大きさも特に限定されない。第2の基板の最大径は、第1の基板の最大径より大きくてよい。
図7Aは、接着層を介して接着された第1の基板と第2の基板とを模式的に示す上面図である。図7Bは、図7AのB−B線における断面図である。第1の基板10と第2の基板70とは、接着層80を介して接着されている。
樹脂層がDAFである場合以外にも、ハンドリング性の観点から、保護膜形成工程以降、特にプラズマによるエッチング工程以降の工程は、基板を搬送キャリアで保持した状態で行ってよい。
(プラズマ処理装置)
続いて、基板エッチング工程および樹脂エッチング工程で使用されるプラズマ処理装置の一実施形態を具体的に説明する。図8は、プラズマ処理装置の構造を概略的に示す断面図である。図8では、便宜上、搬送キャリアに保持された基板が処理されているが、DAF等は省略されている。プラズマ処理装置の構造は、これに限定されるものではない。
プラズマ処理装置100は、ステージ111を備えている。搬送キャリア20は、保持シート22の第1の基板10を保持している面が上方を向くように、ステージ111に搭載される。ステージ111は、搬送キャリア20の全体を載置できる程度の大きさを備える。ステージ111の上方には、第1の基板10の少なくとも一部を露出させるための窓部124Wを有するカバー124が配置されている。カバー124には、フレーム21がステージ111に載置されている状態のとき、フレーム21を押圧するための押さえ部材107が配置されている。押さえ部材107は、フレーム21と点接触できる部材(例えば、コイルバネや弾力性を有する樹脂)であることが好ましい。これにより、フレーム21およびカバー124の熱が互いに影響し合うことを抑制しながら、フレーム21の歪みを矯正することができる。
ステージ111およびカバー124は、真空チャンバ103内に配置されている。真空チャンバ103は、上部が開口した概ね円筒状であり、上部開口は蓋体である誘電体部材108により閉鎖されている。真空チャンバ103を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、表面をアルマイト加工したアルミニウム等が例示できる。誘電体部材108を構成する材料としては、酸化イットリウム(Y23)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)、石英(SiO2)等の誘電体材料が例示できる。誘電体部材108の上方には、上部電極としての第1の電極109が配置されている。第1の電極109は、第1の高周波電源110Aと電気的に接続されている。ステージ111は、真空チャンバ103内の底部側に配置される。
真空チャンバ103には、ガス導入口103aが接続されている。ガス導入口103aには、プラズマ発生用ガス(プロセスガス)の供給源であるプロセスガス源112およびアッシングガス源113が、それぞれ配管によって接続されている。また、真空チャンバ103には、排気口103bが設けられており、排気口103bには、真空チャンバ103内のガスを排気して減圧するための真空ポンプを含む減圧機構114が接続されている。真空チャンバ103内にプロセスガスが供給された状態で、第1の電極109に第1の高周波電源110Aから高周波電力が供給されることにより、真空チャンバ103内にプラズマが発生する。
ステージ111は、それぞれ略円形の電極層115と、金属層116と、電極層115および金属層116を支持する基台117と、電極層115、金属層116および基台117を取り囲む外周部118とを備える。外周部118は導電性および耐エッチング性を有する金属により構成されており、電極層115、金属層116および基台117をプラズマから保護する。外周部118の上面には、円環状の外周リング129が配置されている。外周リング129は、外周部118の上面をプラズマから保護する役割をもつ。電極層115および外周リング129は、例えば、上記の誘電体材料により構成される。
電極層115の内部には、静電吸着(Electrostatic Chuck)用電極(以下、ESC電極119と称す。)と、第2の高周波電源110Bに電気的に接続された第2の電極120とが配置されている。ESC電極119には、直流電源126が電気的に接続されている。静電吸着機構は、ESC電極119および直流電源126により構成されている。静電吸着機構によって、保持シート22はステージ111に押し付けられて固定される。以下、保持シート22をステージ111に固定する固定機構として、静電吸着機構を備える場合を例に挙げて説明するが、これに限定されない。保持シート22のステージ111への固定は、図示しないクランプによって行われてもよい。
金属層116は、例えば、表面にアルマイト被覆を形成したアルミニウム等により構成される。金属層116内には、冷媒流路127が形成されている。冷媒流路127は、ステージ111を冷却する。ステージ111が冷却されることにより、ステージ111に搭載された保持シート22が冷却されるとともに、ステージ111にその一部が接触しているカバー124も冷却される。これにより、第1の基板10や保持シート22が、プラズマ処理中に加熱されることによって損傷されることが抑制される。冷媒流路127内の冷媒は、冷媒循環装置125により循環される。
ステージ111の外周付近には、ステージ111を貫通する複数の支持部122が配置されている。支持部122は、搬送キャリア20のフレーム21を支持する。支持部122は、第1の昇降機構123Aにより昇降駆動される。搬送キャリア20が真空チャンバ103内に搬送されると、所定の位置まで上昇した支持部122に受け渡される。支持部122の上端面がステージ111と同じレベル以下にまで降下することにより、搬送キャリア20は、ステージ111の所定の位置に載置される。
カバー124の端部には、複数の昇降ロッド121が連結しており、カバー124を昇降可能にしている。昇降ロッド121は、第2の昇降機構123Bにより昇降駆動される。第2の昇降機構123Bによるカバー124の昇降の動作は、第1の昇降機構123Aとは独立して行うことができる。
制御装置128は、第1の高周波電源110A、第2の高周波電源110B、プロセスガス源112、アッシングガス源113、減圧機構114、冷媒循環装置125、第1の昇降機構123A、第2の昇降機構123Bおよび静電吸着機構を含むプラズマ処理装置100を構成する要素の動作を制御する。図9は、本実施形態で使用されるプラズマ処理装置のブロック図である。
第1の基板10のエッチングは、第1の基板10が保持された搬送キャリア20を真空チャンバ内に搬入し、第1の基板10がステージ111に載置された状態で行われる。
第1の基板10の搬入の際、真空チャンバ103内では、昇降ロッド121の駆動により、カバー124が所定の位置まで上昇している。図示しないゲートバルブが開いて搬送キャリア20が搬入される。複数の支持部122は、上昇した状態で待機している。搬送キャリア20がステージ111上方の所定の位置に到達すると、支持部122に搬送キャリア20が受け渡される。搬送キャリア20は、保持シート22の粘着面22Xが上方を向くように、支持部122の上端面に受け渡される。
搬送キャリア20が支持部122に受け渡されると、真空チャンバ103は密閉状態に置かれる。次に、支持部122が降下を開始する。支持部122の上端面が、ステージ111と同じレベル以下にまで降下することにより、搬送キャリア20は、ステージ111に載置される。続いて、昇降ロッド121が駆動する。昇降ロッド121は、カバー124を所定の位置にまで降下させる。このとき、カバー124に配置された押さえ部材107がフレーム21に点接触できるように、カバー124とステージ111との距離は調節されている。これにより、フレーム21が押さえ部材107によって押圧されるとともに、フレーム21がカバー124によって覆われ、第1の基板10は窓部124Wから露出する。
カバー124は、例えば、略円形の外形輪郭を有したドーナツ形であり、一定の幅および薄い厚みを備えている。窓部124Wの直径はフレーム21の内径よりも小さく、その外径はフレーム21の外径よりも大きい。したがって、搬送キャリア20をステージの所定の位置に搭載し、カバー124を降下させると、カバー124は、フレーム21を覆うことができる。窓部124Wからは、第1の基板10の少なくとも一部が露出する。
カバー124は、例えば、セラミックス(例えば、アルミナ、窒化アルミニウムなど)や石英などの誘電体や、アルミニウムあるいは表面がアルマイト処理されたアルミニウムなどの金属で構成される。押さえ部材107は、上記の誘電体や金属の他、樹脂材料で構成され得る。
搬送キャリア20が支持部122に受け渡された後、直流電源126からESC電極119に電圧を印加する。これにより、保持シート22がステージ111に接触すると同時にステージ111に静電吸着される。なお、ESC電極119への電圧の印加は、保持シート22がステージ111に載置された後(接触した後)に、開始されてもよい。
エッチングが終了すると、真空チャンバ103内のガスが排出され、ゲートバルブが開く。複数の素子チップを保持する搬送キャリア20は、ゲートバルブから進入した搬送機構によって、プラズマ処理装置100から搬出される。搬送キャリア20が搬出されると、ゲートバルブは速やかに閉じられる。搬送キャリア20の搬出プロセスは、上記のような搬送キャリア20をステージ111に搭載する手順とは逆の手順で行われてもよい。すなわち、カバー124を所定の位置にまで上昇させた後、ESC電極119への印加電圧をゼロにして、搬送キャリア20のステージ111への吸着を解除し、支持部122を上昇させる。支持部122が所定の位置まで上昇した後、搬送キャリア20は搬出される。
[第1実施形態]
以下、図3に示すフローに対応する製造方法を、適宜図面を参照しながら説明する。
(1)準備工程
まず、ダイシングの対象となる積層体を準備する。
積層体は、第1の基板とDAFとを備えている。積層体は、フレームに固定された保持シートに貼着されている。積層体は、例えば、保持シート上に配置されたDAFに、第1の基板を貼着することにより得られる。DAFは、例えば、DAFの材料である上記樹脂組成物を保持シートの所定の位置に塗布することにより形成される。あるいは、DAFは、あらかじめ所定の形状に成形された後、保持シートの所定の位置に配置されてもよい。
図10は、本実施形態に係る準備工程により準備された積層体を模式的に示す断面図である。積層体は、第1の基板10とDAF30とを備えている。積層体は、フレームに固定された保持シート22に貼着されている。
(2)保護膜形成工程
第1の基板の第1の面に保護膜を形成する。保護膜は、素子領域をプラズマから保護するために設けられる。
保護膜の厚みは特に限定されないが、基板エッチング工程および樹脂エッチング工程において完全には除去されない程度であることが好ましい。保護膜の厚みは、例えば、基板エッチング工程および樹脂エッチング工程において保護膜がエッチングされる量(厚み)を算出し、このエッチング量以上になるように設定される。
保護膜は、例えば、ポリイミド等の熱硬化性樹脂、フェノール樹脂等のフォトレジスト、あるいは、アクリル樹脂等の水溶性レジスト等の、いわゆるレジスト材料を含む。
レジスト材料を、例えばシート状に成型した後、このシートを基板の第1の面に貼り付けるか、あるいは、レジスト材料の原料液を、回転塗布やスプレー塗布等の方法を用いて、第1の面に塗布する。
図11は、本実施形態に係る保護膜形成工程後の積層体を模式的に示す断面図である。第1の基板10の第1の面10Xに、保護膜40が形成されている。
(3)開口形成工程
保護膜に開口を形成して、分割領域における第1の基板を露出させる。
開口は、例えば、フォトレジストにより形成された保護膜のうち、分割領域に対応する領域をフォトリソグラフィ法によって除去することにより形成される。熱硬化性樹脂あるいは水溶性レジストにより形成された保護膜のうち、分割領域に対応する領域をレーザスクライビングによりパターニングして、開口を形成してもよい。
本工程では、分割領域に配置されている第2絶縁膜等を除去して、半導体層を露出させてもよい。すなわち、本工程において、配線層を、素子領域に従って複数に分離してもよい。配線層の分離は、例えば、レーザスクライビング、メカニカルダイシング、プラズマエッチング等により行われる。なお、配線層の分離は、積層体を準備する準備工程で行われてもよい。プラズマエッチングによる配線層の分離は、後述する基板エッチング工程において行ってもよい。この場合、配線層を除去するためのプラズマを発生させる条件と、第1のプラズマを発生させる条件とは異なり得る。例えば、Arを含むプロセスガスを原料とするプラズマにより配線層を除去した後、ボッシュ法が実行される条件に切り替えて第1のプラズマを発生させて、半導体層のエッチングが行われる。
図12は、本実施形態に係る開口形成工程後の基板を模式的に示す断面図である。分割領域102における保護膜40および配線層12が除去されて、開口から半導体層11が露出している。
(4)基板エッチング工程
開口から露出する第1の基板を第1のプラズマに晒して、第1の基板をエッチングする。
前工程で形成された開口を第1のプラズマに晒すことにより、分割領域における第1の基板がエッチングされて、第1の基板は分割される。本工程において、DAFはエッチングされなくてよい。
図13は、本実施形態に係る基板エッチング工程後の積層体を模式的に示す断面図である。分割領域102における半導体層11が除去されて、開口からDAF30が露出している。
第1のプラズマの発生条件は、半導体層の材質等に応じて設定される。半導体層は、例えば、ボッシュプロセスによりプラズマエッチングされる。ボッシュプロセスでは、半導体層が深さ方向に垂直にエッチングされる。半導体層がSiを含む場合、ボッシュプロセスは、堆積ステップと、堆積膜エッチングステップと、Siエッチングステップとを順次繰り返すことにより、半導体層を深さ方向に掘り進む。
堆積ステップは、例えば、プロセスガスとしてCを150sccm〜500sccmで供給しながら、真空チャンバ内の圧力を15Pa〜25Paに調整し、第1の高周波電源から第1の電極への投入電力を1500W〜5000Wとして、第2の高周波電源から第2の電極への投入電力を0W〜50Wとして、2秒間〜15秒間、処理する条件で行われる。
堆積膜エッチングステップは、例えば、プロセスガスとしてSFを20sccm0〜800sccmで供給しながら、真空チャンバ内の圧力を5Pa〜15Paに調整し、第1の高周波電源から第1の電極への投入電力を1500W〜5000Wとして、第2の高周波電源から第2の電極への投入電力を300W〜1000Wとして、2秒間〜10秒間、処理する条件で行われる。
Siエッチングステップは、例えば、プロセスガスとしてSFを200sccm〜800sccmで供給しながら、真空チャンバ内の圧力を5Pa〜25Paに調整し、第1の高周波電源から第1の電極への投入電力を1500W〜5000Wとして、第2の高周波電源から第2の電極への投入電力を50W〜500Wとして、5秒間〜20秒間、処理する条件で行われる。
上記のような条件で、堆積ステップ、堆積膜エッチングステップ、および、Siエッチングステップを繰り返すことにより、Siを含む半導体層は、10μm/分〜20μm/分の速度で深さ方向に垂直にエッチングされ得る。
(5)樹脂エッチング工程
第1の基板が除去されることにより、積層体には溝が形成される。溝の底部からはDAF(樹脂層)が露出している。この露出したDAFを第2のプラズマに晒すことにより、DAFがエッチングされて、DAFを備える素子チップが製造される。素子チップは、保持シートに保持された状態で得られる。
図14は、本実施形態に係る樹脂エッチング工程後の積層体(素子チップ)を模式的に示す断面図である。分割領域102におけるDAF30が除去されて、複数の素子チップ200が形成されている。
基板エッチング工程および樹脂エッチング工程で使用されるプラズマ処理装置は同じであってもよく、異なっていてもよい。同じプラズマ処理装置を使用する場合、両方のエッチング工程は連続して行われてもよい。
第2のプラズマは、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生させる。これにより、保護膜の第1の面側の表面には、炭素のイオンやラジカルに由来する炭素が付着する。これにより、保護膜のエッチングレートは、炭素がない場合と比較して低下する。
一方、基板エッチング工程により形成された溝の底部から露出するDAFに、炭素のイオンやラジカルはほとんど到達できず、DAFの表面(すなわち溝の底部)や溝の側面には、保護膜上に形成されるよりも少量の炭素が付着するのみである。DAFの表面に付着した炭素は、本工程でDAFとともに除去される。一方、溝の側面に付着した炭素は、プラズマエッチングの性質上、樹脂エッチング工程中には除去されない。これにより、樹脂エッチング工程中におけるサイドエッチングが抑制される。溝の側面に付着した炭素は、樹脂エッチング工程後に残存していてもよい。
プロセスガスは、さらにフッ素含有ガスを含む。これにより、DAFの除去効果が高まる。
具体的には、例えば、プロセスガスとしてCO、OおよびSFの混合ガスを、20sccm以上、1000sccm以下で、真空チャンバに供給する。このとき、COの混合ガス全体に占める割合は、20体積%以上、80体積%以下であってよい。Oの混合ガス全体に占める割合は、20体積%以上、80体積%以下であってよい。SFの混合ガス全体に占める割合は、10体積%以上、50体積%以下であってよい。
その他の第2のプラズマを発生させる条件は、DAFの厚みおよび組成等に応じて適宜設定される。
例えば、真空チャンバ内の圧力は0.4Pa以上、20Pa以下であってよい。第1の高周波電源から第1の電極への投入電力は、200W以上、4800W以下であってよい。さらに、第2の電極に50W以上、1000W以下の高周波電力を投入して、第1の基板が載置されるステージにバイアス電圧をかけてもよい。
ステージの温度は低い方が望ましい。例えば、ステージの表面の温度は、15℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。ステージの温度を下げて、第1の基板の温度を下げることにより、溝の側壁に炭素が付着しやすくなり、保護膜のエッチングレートに対する樹脂層のエッチングレート(樹脂層選択比)を上げることができる。
積層体が個片化された後、プラズマ処理装置においてアッシングを行ってもよい。これにより、保護膜、さらには溝の側面に付着した炭素が除去される。
アッシングは、例えば、アッシングガスとしてCFとOとの混合ガス(流量比CF:O=1:10)を150sccm〜300sccmで供給しながら、真空チャンバ内の圧力を5Pa〜15Paに調整し、第1の高周波電源から第1の電極への印加電力を1500W〜5000Wとして、第2の高周波電源から第2の電極への印加電力を0W〜300Wとする条件により行われる。なお、アッシング工程における第2の電極への印加電力は、プラズマダイシング工程における第2の電極への印加電力よりも小さくなるように設定することが望ましい。
保護膜が水溶性である場合、アッシングに替えて、水洗により保護膜を除去してもよい。
プラズマダイシング工程の後、素子チップは、保持シートから取り外される。
素子チップを、例えば、保持シートの非粘着面側から、保持シートとともに突き上げピンで突き上げる。これにより、素子チップの少なくとも一部は、保持シートから浮き上がる。その後、ピックアップ装置により、素子チップは保持シートから取り外される。
[第2実施形態]
以下、図4に示すフローに対応する製造方法を、適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、樹脂エッチング工程におけるエッチングの対象が接着層であること以外、第1実施形態と同様である。
(1)準備工程
準備工程は、第1の基板を、接着層を介して第2の基板に接着する工程を含む。接着層は、例えば、接着層の材料である接着剤を第2の基板の所定の位置に塗布することにより形成される。
保護膜形成工程以降の工程は、DAFを接着層に替えて、第1実施形態と同様に行われる。
図15は、本実施形態に係る準備工程により準備された積層体を模式的に示す断面図である。第1の基板10は、接着層80を介して第2の基板70に接着されている。
本発明の素子チップの製造方法によれば、所望のプラズマダイシングが行われるため、樹脂層および基板を含む種々の積層体から素子チップを製造する方法として有用である。
10:第1の基板
10X:第1の面
10Y:第2の面
101:素子領域
102:分割領域
11:半導体層
12:配線層
14:第2絶縁膜
20:搬送キャリア
21:フレーム
21a:ノッチ
21b:コーナーカット
22:保持シート
22X:粘着面
22Y:非粘着面
30:ダイアタッチフィルム(DAF)
40:保護膜
50:炭素
70:第2の基板
80:接着層
100:プラズマ処理装置
103:真空チャンバ
103a:ガス導入口
103b:排気口
108:誘電体部材
109:第1の電極
110A:第1の高周波電源
110B:第2の高周波電源
111:ステージ
112:プロセスガス源
113:アッシングガス源
114:減圧機構
115:電極層
116:金属層
117:基台
118:外周部
119:ESC電極
120:第2の電極
121:昇降ロッド
122:支持部
123A:第1の昇降機構
123B:第2の昇降機構
124:カバー
124W:窓部
125:冷媒循環装置
126:直流電源
127:冷媒流路
128:制御装置
129:外周リング
200:素子チップ

Claims (6)

  1. 複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を有する第1の基板と、前記第2の面側に配置された樹脂層と、を備える積層体を準備する準備工程と、
    前記第1の面を保護膜で被覆する保護膜形成工程と、
    前記分割領域における少なくとも前記保護膜を除去して、開口を形成する開口形成工程と、
    前記開口から露出する前記第1の基板を第1のプラズマに晒して、前記第1の基板をエッチングする基板エッチング工程と、
    前記基板エッチング工程の後、前記第1の基板のエッチングにより形成された溝の底部に露出する前記樹脂層を第2のプラズマに晒して、前記樹脂層をエッチングする樹脂エッチング工程と、を備え、
    前記第2のプラズマは、酸化炭素ガスを含むプロセスガスにより発生される、素子チップの製造方法。
  2. 前記樹脂層は、ダイアタッチフィルムであり、
    前記準備工程は、前記第1の基板を、前記ダイアタッチフィルムを介して、フレームに固定された保持シートに貼着する工程を含む、請求項1に記載の素子チップの製造方法。
  3. 前記樹脂層は、接着層であり、
    前記準備工程は、前記第1の基板を、前記接着層を介して第2の基板に接着する工程を含む、請求項1に記載の素子チップの製造方法。
  4. 前記樹脂エッチング工程に供される前記積層体において、
    前記第2の面から前記素子領域における前記保護膜の外表面までの高さは、前記溝の幅の2倍以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の素子チップの製造方法。
  5. 前記プロセスガスに占める前記酸化炭素ガスの割合は、20体積%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子チップの製造方法。
  6. 前記プロセスガスは、さらにフッ素含有ガスを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の素子チップの製造方法。
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