JP2020149934A - 電池モジュール及び電池モジュールの製造方法 - Google Patents

電池モジュール及び電池モジュールの製造方法 Download PDF

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智之 伊藤
悟士 山本
Satoshi Yamamoto
悟士 山本
洋明 加藤
Hiroaki Kato
洋明 加藤
卓矢 山本
Takuya Yamamoto
卓矢 山本
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Abstract

【課題】生産性を高めつつ集約部における配線の断線を抑制できる電池モジュール及び電池モジュールの製造方法を提供すること。【解決手段】電池モジュール10は、二次電池11の蓋部14に載置される下側絶縁部材40と、集約部34aが下側絶縁部材40によって支持されるとともに二次電池11から絶縁されるフレキシブルプリント基板34と、集約部34aを上側から覆って下側絶縁部材40と一体化される上側絶縁部材50と、を備える。上側絶縁部材50は、集約部34aを押圧する弾性部55を有するとともに、集約部34aは、弾性部55によって押圧される部分に撓み部39を有する。弾性部55は、撓み部39を押圧した状態で上下方向Hへ弾性変形可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板を有する電池モジュール及び電池モジュールの製造方法に関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が複数搭載されている。複数の二次電池は、隣り合う二次電池の電極端子同士を接続するバスバーを介して直列接続又は並列接続された電池モジュールを構成する。また、複数の二次電池は、それら二次電池の並設方向の両端側からエンドプレートによって拘束された状態で電池パックのケースに収容されている。また、二次電池の電池ケースには、正極及び負極の積層体である電極組立体、及び電解液が収容されている。
また、電池モジュールには、測定装置が搭載されている。測定装置は、二次電池それぞれの端子間電圧や温度を測定する。測定装置は、監視部と、フレキシブルプリント基板(以下、FPCと記載する)と、を備える。監視部は集積回路であり、各二次電池の端子間電圧や温度を測定し、二次電池の端子間電圧や温度に異常が生じているか否かを監視する。FPCは、二次電池の電極端子同士を接続する各バスバーや、電極端子に接続される配線を集約し、かつ可撓性樹脂によって保持された集約部を備え、集約部は二次電池の並設方向に長手が延びる。また、FPCの集約部は、絶縁カバーによって二次電池から絶縁されるとともに、保護されている。
電池モジュールにおいて、二次電池の充放電に伴って正極や負極が膨張・収縮した場合、膨脹・収縮に伴って二次電池の電池ケースが並設方向に変形する。膨脹に伴う電池ケースの変形に伴い、電極端子の位置が並設方向に変化すると、バスバーや電極端子に接続されたFPCの集約部に対し、当該集約部を長手方向に引っ張る力が作用する。集約部が長手方向に引っ張られたときに、配線が断線することを抑制するため、集約部の長手方向への伸縮を許容する撓み部を設けている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたFPCの集約部は、長手方向に並設された二次電池の並設方向に並ぶ一つ又は二つの二次電池に対応して複数の領域に分けられるとともに、長手方向に隣り合う領域同士の間に撓み部を備える。また、FPCの集約部は、絶縁カバーに収容され、二次電池から絶縁されている。絶縁カバーは、集約部の長手方向、つまり二次電池の並設方向に連結された複数の収容ユニットを備える。各収容ユニットは、集約部の各領域が収容されるFPC収容部と、そのFPC収容部の開口を覆うカバーとを備える。そして、絶縁カバーに集約部が収容されるとともに、集約部の各領域は収容ユニットに収容され、各撓み部は長手方向に隣り合う収容ユニット同士の間に位置している。
特開2013−143281号公報
ところが、特許文献1において、二次電池の充放電に伴い、集約部を長手方向に引っ張る力が作用したとき、撓み部の伸縮を許容させるためには、収容カバーによって撓み部が非拘束状態である必要がある。このため、特許文献1においては、撓み部が収容カバーで拘束されないように、集約部の撓ませ具合を精度良く調節する必要があり、電池モジュールの生産性が低い。
本発明の目的は、生産性を高めつつ集約部における配線の断線を抑制できる電池モジュール及び電池モジュールの製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するための電池モジュールは、電池ケース内に電解液及び電極組立体が収容され、並設方向に並べられる複数の二次電池と、前記並設方向に並ぶ前記電池ケースの上壁部に亘って載置される下側絶縁部材と、前記二次電池それぞれの情報を得るための複数の配線において前記並設方向に延びる部位を集約し、かつ可撓性樹脂によって保持した集約部を備え、当該集約部が前記下側絶縁部材によって支持されるとともに前記二次電池から絶縁されるフレキシブルプリント基板と、前記集約部を上側から覆って前記下側絶縁部材と一体化される上側絶縁部材と、を備え、前記下側絶縁部材及び前記上側絶縁部材のいずれか一方は、上下方向における前記集約部への対向面に前記上下方向に沿って当該対向面から離れる方向へ前記集約部を押圧する弾性部を有するとともに、前記集約部は、前記弾性部によって押圧される部分に、当該弾性部によって押圧される部分以外よりも前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように撓む撓み部を有し、前記弾性部は、前記撓み部を押圧した状態で前記上下方向へ弾性変形可能であることを要旨とする。
これによれば、複数の二次電池のうち、少なくとも一部の電池ケースが並設方向に膨脹したとき、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用するが、この引っ張る力を受けて弾性部が収縮するように変形することで、並設方向への撓み部の伸びが許容される。このため、集約部を引っ張る力は、撓み部が伸びることで吸収される。よって、集約部を引っ張る力を、撓みの無い部分が伸びることで吸収する場合と異なり、集約部の配線が並設方向の途中で断線することを抑制できる。
弾性変形不能な押圧部材で集約部を押圧して撓み部を形成すると、押圧部材による押圧によって集約部が突っ張ってしまい、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用したときの撓み部の伸びが許容されない。このため、撓み部の伸びを許容させるために、押圧部材から撓み部を離間させ、しかも、撓み部の伸びを考慮して撓み部の撓み具合を精度良く調節する必要があり、このような集約部を有する電池モジュールでは生産性が低下してしまう。しかし、下側絶縁部材又は上側絶縁部材に弾性部を設け、その弾性部で集約部を押圧するだけで、並設方向へ引っ張る力が作用したときには伸びが許容される撓み部を形成でき、撓み具合を精度良く調節した撓み部を有する集約部を用いる場合に比べて電池モジュールの生産性が高まる。
また、電池モジュールについて、前記上側絶縁部材は前記弾性部を有し、前記撓み部は、前記下側絶縁部材に向けて突出するように撓み、前記下側絶縁部材は、前記上下方向において前記撓み部を挟んで前記弾性部と対向する位置に前記撓み部が挿入される挿入口を有していてもよい。
これによれば、例えば、下側絶縁部材に挿入口が無く、下側絶縁部材と上側絶縁部材との間の空間に撓み部を含む集約部を配置した場合と比べると、挿入口に撓み部を挿入することにより、上下方向に沿って集約部を下側絶縁部材に近付けることができる。その結果として、集約部を覆う上側絶縁部材も下側絶縁部材に近付けることができ、上下方向への電池モジュールの寸法を小さくできる。
また、電池モジュールについて、各二次電池は、前記電池ケースの内圧が規定圧力を超えた場合に前記電池ケースの内圧を開放する圧力開放弁を前記上壁部に有し、前記上下方向における前記下側絶縁部材と前記上壁部との間には、前記並設方向に並ぶ全ての前記圧力開放弁を覆い、開放された前記圧力開放弁から放出されたガスを流すための排煙通路が設けられており、前記下側絶縁部材は、前記挿入口に連通し、かつ前記排煙通路に突出する凹部を備え、前記凹部に前記撓み部が挿入されていてもよい。
これによれば、撓み部は、下側絶縁部材から排煙通路に向けて凹む凹部内に入り込んでおり、撓み部を入り込ませるための凹部を排煙通路の空間を利用して形成している。このため、例えば、下側絶縁部材が凹部を備えない場合のように、排煙通路の上側で、下側絶縁部材と上側絶縁部材によって撓み部を含む集約部を収容する場合と比べると電池モジュールにおける上下方向への寸法を小さくできる。
また、電池モジュールについて、前記下側絶縁部材は、前記挿入口が開口する端縁のうち前記並設方向に対向する端縁に、前記下側絶縁部材よりも軟質の緩衝材を備えていてもよい。
これによれば、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用し、集約部が挿入口の端縁に摺接しても緩衝材によって集約部の損傷を抑制できる。
また、電池モジュールについて、前記挿入口が開口する端縁のうち前記並設方向に対向する端縁は丸みを付けた形状であってもよい。
これによれば、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用したとき、集約部が挿入口の端縁に摺接しても、端縁が丸みを付けた形状であることから集約部の損傷を抑制できる。
また、電池モジュールについて、前記対向面から前記集約部に向けて前記弾性部が突出する方向を当該弾性部の突出方向とすると、前記弾性部は、前記突出方向の先端に前記弾性部を備える前記上側絶縁部材又は前記下側絶縁部材よりも軟質の弾性部用緩衝材を備えていてもよい。
これによれば、集約部が弾性部によって押圧されても、弾性部用緩衝材によって集約部の損傷を抑制できる。
また、電池モジュールについて、前記弾性部用緩衝材の端縁は丸みを付けた形状であってもよい。
これによれば、集約部が弾性部によって押圧されても、丸みを付けた弾性用緩衝材によって集約部の損傷を抑制できる。
また、電池モジュールについて、前記二次電池と共に前記並設方向に設けられ、前記電池ケースが前記並設方向において膨脹した場合、前記並設方向に収縮する弾性材を有し、前記並設方向の両端に位置する各二次電池の外側にはエンドプレートが配置されるとともに、一対の前記エンドプレートは拘束部材によって前記並設方向に拘束されており、一対の前記エンドプレートの間において前記並設方向へ前記電池ケースが最も膨脹したときの前記撓み部の伸び量を最大伸び量とし、前記撓み部を押圧する前記弾性部が収縮できる最大収縮量は、前記撓み部が前記最大伸び量で伸びたときの前記弾性部の収縮量よりも大きく設定されていてもよい。
これによれば、撓み部が弾性部によって押圧された状態で、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用したとき、撓み部の伸びる途中で弾性部が収縮しなくなることを抑制できる。つまり、撓み部が最大に伸びる以上に弾性部は収縮でき、集約部の配線が並設方向の途中で断線することを抑制できる。
上記問題点を解決するための電池モジュールの製造方法は、電池ケース内に電解液及び電極組立体が収容され、並設方向に並べられる複数の二次電池と、前記並設方向に並ぶ前記電池ケースの上壁部に亘って載置される下側絶縁部材と、前記二次電池それぞれの情報を得るための複数の配線において前記並設方向に延びる部位を集約し、かつ可撓性樹脂によって保持した集約部を備え、当該集約部が前記下側絶縁部材に支持されるとともに前記二次電池から絶縁されるフレキシブルプリント基板と、前記集約部を上側から覆って前記下側絶縁部材と一体化される上側絶縁部材と、を備える電池モジュールの製造方法であって、前記下側絶縁部材及び前記上側絶縁部材のいずれか一方は、上下方向における前記集約部への対向面に、前記集約部を前記上下方向に沿って前記対向面から離れる方向へ前記集約部を押圧する弾性部を有し、前記並設方向に並べられた複数の前記二次電池の前記上壁部に載置された前記下側絶縁部材に前記上側絶縁部材を一体化し、前記下側絶縁部材と前記上側絶縁部材とで前記集約部を覆う工程では、前記弾性部によって前記集約部を前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように押圧し、前記弾性部によって押圧される部分に、当該弾性部によって押圧される部分以外よりも前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように撓む撓み部を形成するとともに、前記弾性部を、前記撓み部を押圧した状態で前記上下方向へ弾性変形可能に配置することを要旨とする。
これによれば、被覆工程を経て製造された蓄電モジュールにおいては、複数の二次電池のうち、少なくとも一部の電池ケースが並設方向に膨脹したとき、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用するが、この引っ張る力を受けて弾性部が収縮するように変形することで、並設方向への撓み部の伸びが許容される。このため、集約部を引っ張る力は、撓み部が伸びることで吸収される。よって、集約部を引っ張る力を、撓みの無い部分が伸びることで吸収する場合と異なり、集約部の配線が並設方向の途中で断線することを抑制できる。
弾性変形不能な押圧部材で集約部を押圧して撓み部を形成すると、押圧部材による押圧によって集約部が突っ張ってしまい、集約部に対し並設方向へ引っ張る力が作用したときの撓み部の伸びが許容されない。このため、撓み部の伸びを許容させるために、押圧部材から撓み部を離間させ、しかも、撓み部の伸びを考慮して撓み部の撓み具合を精度良く調節する必要があり、このような集約部を有する電池モジュールでは生産性が低下してしまう。しかし、下側絶縁部材又は上側絶縁部材に弾性部を設け、その弾性部で集約部を押圧するだけで、並設方向へ引っ張る力が作用したときには伸びが許容される撓み部を形成でき、撓み具合を精度良く調節した撓み部を有する集約部を用いる場合に比べて電池モジュールの生産性が高まる。
本発明によれば、生産性を高めつつ集約部における配線の断線を抑制できる。
実施形態の電池モジュールを示す分解斜視図。 実施形態の電池モジュールを上側絶縁部材+を除いた状態で示す平面図。 凹部周辺を示す部分斜視図。 上側絶縁部材を弾性部から示す部分斜視図。 上側絶縁部材、フレキシブルプリント基板及び下側絶縁部材を示す断面図。 集約部を引っ張る力が作用したときの状態を示す部分断面図。 (a)は下側絶縁部材に集約部を載置した状態を示す部分断面図、(b)は弾性部によって集約部を押圧する状態を示す部分断面図。 弾性部を有する下側絶縁部材を示す部分断面図。
以下、電池モジュール及び電池モジュールの製造方法を具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1又は図2に示すように、電池モジュール10は、複数の二次電池11を備える。二次電池11は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池である。二次電池11は、電池ケース12を備える。二次電池11の電池ケース12は、扁平な四角箱状である。複数の二次電池11は、それら二次電池11の並設方向Xに電池ケース12の厚さ方向が沿うように並べられている。なお、電池モジュール10は、EVやPHVの電源として搭載されている。
電池ケース12には電極組立体12a及び図示しない電解液が収容されている。電極組立体12aは正極と負極を備えている。電池ケース12は、電極組立体12aを収容する有底箱状のケース本体13と、ケース本体13の開口部を閉塞する板状の上壁部としての蓋部14とから構成されている。ケース本体13は、矩形板状の底板13aと、当該底板13aから立設する四角筒状の周壁13bとを有する。そして、電池ケース12の厚さ方向は、底板13aの短手方向である。
蓋部14の外面からは、正極電極端子15及び負極電極端子16が突出している。正極電極端子15及び負極電極端子16は、図示しない導電部材を介して電極組立体12aに電気的に接続されている。なお、蓋部14の外面に沿って正極電極端子15と負極電極端子16が並ぶ方向を、二次電池11及び電池モジュール10の幅方向Yとする。
二次電池11では、正極と負極との内部短絡や、過充放電などによって、電極組立体12aの一部が発熱し、この電極組立体12aの発熱反応が制御不能に繰り返される状態、所謂、熱暴走に陥ることがある。二次電池11が熱暴走した状態では、二次電池11の温度は自発的に上昇し続ける。すると、電解液が分解され、電池ケース12内にガスが発生し、電池ケース12の内圧が上昇する。
蓋部14には、電池ケース12の内圧が規定圧力を超えるまで上昇したときに、破断して電池ケース12の内圧を開放するための圧力開放弁17が設けられている。なお、「規定圧力」は、電池ケース12の内圧が高まったときに、電池ケース12の内圧によって電池ケース12が破損する前に圧力開放弁17が破断するような圧力に設定される。そして、電池ケース12の内圧が上昇し、圧力開放弁17が破断すると、電池ケース12内からガスが噴出する。圧力開放弁17は、二次電池11の幅方向Yにおける正極電極端子15と負極電極端子16の間に配置されている。そして、電池モジュール10においては、複数の圧力開放弁17が並設方向Xに一列に並んでいる。
複数の二次電池11は、並設方向Xに隣り合う一対の二次電池11同士を一組として正極電極端子15同士及び負極電極端子16同士が並設方向Xに隣り合うように配置されている。並設方向Xに隣り合う二次電池11の正極電極端子15同士と負極電極端子16同士は、板状のバスバー18によって並列接続されている。また、並列接続された一組の二次電池11は、他の一組の二次電池11と異なる極の電極端子とバスバー18によって接続され、複数の二次電池11は、直列接続されている。
複数の二次電池11は、2枚のエンドプレート20によって並設方向Xの両側から挟持されている。エンドプレート20は、それぞれ矩形板状である。一方のエンドプレート20の四隅に通された通しボルト21は、それぞれ他方のエンドプレート20の四隅を貫通している。他方のエンドプレート20を貫通した各通しボルト21にナット22が螺合されている。通しボルト21に対するナット22の螺合により、複数の二次電池11が一対のエンドプレート20によって並設方向X両側から拘束されている。よって、通しボルト21及びナット22が拘束部材を構成する。なお、図5に示すように、並設方向Xに隣り合う電池ケース12同士の間には、弾性材19が介在している。弾性材19は、二次電池11と共に並設方向Xに設けられている。
各二次電池11の電池ケース12は、正極や負極の膨脹に伴って電極組立体12aによって内側から押圧される場合がある。電池ケース12が電極組立体12aによって押圧された場合、電池ケース12は、並設方向X及び幅方向Yへ変形する。電池ケース12が並設方向Xにおいて膨脹した場合、弾性材19は並設方向Xに収縮する。よって、電池ケース12は、一対のエンドプレート20の間において弾性材19の変形が許容できる範囲で変形する。
図2に示すように、電池モジュール10は、測定装置30を備える。測定装置30は、二次電池11それぞれの端子間電圧や温度といった二次電池11の情報を測定する。測定装置30は他方のエンドプレート20の外面に配置された基板31と、基板31に実装された監視IC32と、基板31に設けられたコネクタ33と、コネクタ33に接続されたフレキシブルプリント基板34と、を備える。監視IC32は、各二次電池11の端子間電圧や温度を測定し、二次電池11の端子間電圧や温度に異常が生じているか否かを監視するための集積回路である。
フレキシブルプリント基板34は、基板31に接続される複数の配線35が可撓性樹脂に保持された構造を有する。フレキシブルプリント基板34は、並設方向Xに長手が延びる集約部34aと、集約部34aから枝分かれし、長手が幅方向Yに延びる複数の分岐部34bとを有する。集約部34a及び分岐部34bはそれぞれ可撓性を有する。
集約部34aは、複数の配線35それぞれにおける並設方向Xに延びる部位が集約された部分を可撓性樹脂で保持して構成されている。分岐部34bは、複数の配線35それぞれにおいてバスバー18に接続される部分を可撓性樹脂で保持して構成されている。コネクタ33は、他方のエンドプレート20に配置され、集約部34aを構成する配線35と基板31とを接続する。
図1に示すように、電池モジュール10は、複数の二次電池11の蓋部14に載置される下側絶縁部材40を備える。下側絶縁部材40は絶縁性を有する樹脂製である。下側絶縁部材40は、並設方向Xに長手が延びるとともに、幅方向Yに短手が延びる略板状である。下側絶縁部材40は、幅方向Yの両側にバスバー支持部41を備えるとともに、幅方向Yにおける一対のバスバー支持部41の間に位置する区画部42を備える。このため、下側絶縁部材40は、幅方向Y一端から他端に向けて一方のバスバー支持部41、区画部42、及び他方のバスバー支持部41が順に並ぶ形状である。
各バスバー支持部41は、長手が並設方向Xに延びる板状である。図3に示すように、各バスバー支持部41は、正極電極端子15又は負極電極端子16が貫通する貫通孔41aを複数備える。複数の貫通孔41aは、並設方向Xへ等間隔おきに設けられている。
図1又は図3に示すように、各バスバー支持部41には、貫通孔41aを貫通した正極電極端子15及び負極電極端子16に接続されるバスバー18が支持されている。
区画部42は、幅方向Yにおける一対のバスバー支持部41の間から立ち上がる形状である。区画部42は、バスバー支持部41それぞれから立ち上がる第1区画壁43と、一対の第1区画壁43におけるバスバー支持部41からの突出端同士を繋ぐ第2区画壁44とを有する。
そして、上記構成の下側絶縁部材40は、区画部42が、並設方向Xに並ぶ全ての圧力開放弁17を覆うとともに、一方のバスバー支持部41が、並設方向Xに並ぶ全ての二次電池11の幅方向Y一端側に載せられ、他方のバスバー支持部41が、並設方向Xに並ぶ全ての二次電池11の幅方向Y他端側に載せられている。よって、下側絶縁部材40は、並設方向Xに並ぶ複数の蓋部14に亘ってそれら蓋部14に載置されている。
図1又は図5に示すように、区画部42と各二次電池11の蓋部14の外面との間には排煙通路45が形成され、排煙通路45内に圧力開放弁17が臨む状態である。排煙通路45の長手は、並設方向Xに延びる。並設方向Xにおける排煙通路45の両端は外部に向けて開放されている。よって、圧力開放弁17が破断し、電池ケース12内からガスが噴出した場合、噴出したガスは排煙通路45に流れ込み、排煙通路45を流れて電池モジュール10の外へ排出される。
図3又は図5示すように、下側絶縁部材40は、区画部42の第2区画壁44の内面44aから排煙通路45に向けて有底四角筒状に突出する収容凸部46を複数備える。複数の収容凸部46は、並設方向Xへ等間隔おきに設けられている。収容凸部46は、幅方向Yに沿った第2区画壁44のほぼ全体に亘って設けられている。収容凸部46は、幅方向Yに長手が延びる矩形板状の底部46aと、底部46aの一対の長縁部から第2区画壁44に向けて突出した第1壁部46bと、底部46aの一対の短縁部から第2区画壁44に向けて突出した第2壁部46cとを有する。一対の第1壁部46bは、並設方向X、つまり第2区画壁44の長手方向に対向し、一対の第2壁部46cは、幅方向Y、つまり第2区画壁44の短手方向に対向する。
下側絶縁部材40は、底部46aと、一対の第1壁部46bと、一対の第2壁部46cとで囲まれた凹部47を複数備え、複数の凹部47は、並設方向Xへ等間隔おきに設けられている。凹部47は、区画部42の外面としての第2区画壁44の外面44bから凹む。下側絶縁部材40は、凹部47に連通する挿入口48を備える。挿入口48は、第2区画壁44において凹部47が開口する部分でもある。このため、凹部47と挿入口48は互いに重合しているといえる。
並設方向Xへの挿入口48の開口幅を第1開口幅W1とする。第1開口幅W1は、並設方向Xに対向する一対の第1壁部46b同士を最短距離で結ぶ直線の長さである。また、幅方向Yへの挿入口48の開口幅を第2開口幅W2とする。第2開口幅W2は、幅方向Yに対向する一対の第2壁部46c同士を最短距離で結ぶ直線の長さである。
図5に示すように、下側絶縁部材40において、第2区画壁44の外面44bと、第1壁部46bの内面46dとを繋ぐ部位を挿入口48が開口する端縁48aとする。挿入口48の端縁48aには緩衝材49が設けられている。緩衝材49は、下側絶縁部材40の材質よりも軟質な材料によって形成されており、本実施形態では緩衝材49はゴム製である。また、緩衝材49は、並設方向Xに沿う断面視では丸みを付けた形状である。
そして、図1に示すように、区画部42における第2区画壁44の外面44bには、フレキシブルプリント基板34の集約部34aが載置されている。なお、区画部42と集約部34aとが重なる方向は上下方向Hである。また、フレキシブルプリント基板34の分岐部34bは、区画部42の各第1区画壁43の外面及び各バスバー支持部41の外面に沿ってバスバー18に向けて延び、各バスバー18に接続されている。
電池モジュール10は、上下方向Hにおいて、フレキシブルプリント基板34を下側絶縁部材40と反対側、つまり上側から覆う上側絶縁部材50を備える。上側絶縁部材50は、絶縁性を有する樹脂製である。上側絶縁部材50は、並設方向Xに長手が延びるとともに、幅方向Yに短手が延びる略板状である。上側絶縁部材50は、幅方向Yの両側に第1カバー部51を備えるとともに、幅方向Yにおける一対の第1カバー部51の間に位置する第2カバー部52を備える。このため、上側絶縁部材50は、幅方向Y一端から他端に向けて一方の第1カバー部51、第2カバー部52、及び他方の第1カバー部51が順に並ぶ形状である。また、上側絶縁部材50は、幅方向Yの両端縁に、各第1カバー部51の長手方向に延びる第3カバー部53を備える。
各第1カバー部51は、長手が並設方向Xに延びる板状である。第1カバー部51の並設方向Xへの寸法は、バスバー支持部41の並設方向Xへの寸法と同じである。第1カバー部51の幅方向Yへの寸法は、バスバー支持部41の幅方向Yへの寸法より小さい。そして、各第1カバー部51は、上下方向Hにおいて、下側絶縁部材40を挟んだ二次電池11の反対側、本実施形態では上側からバスバー18及び分岐部34bの一部を覆う。
第2カバー部52は、幅方向Yにおける一対の第1カバー部51の間から立ち上がる形状である。第2カバー部52は、第1カバー部51それぞれから立ち上がる側壁52aと、一対の側壁52aにおける第1カバー部51からの突出端同士を繋ぐ天板52bとを有する。そして、第2カバー部52は、並設方向X一端側から見た側面視がコ字状である。
並設方向Xへの側壁52aの寸法、つまり側壁52aの長手方向への寸法は、並設方向Xへの第1区画壁43の寸法と同じである。また、上下方向Hへの側壁52aの寸法、つまり側壁52aの短手方向への寸法は、上下方向Hへの第1区画壁43の寸法より小さい。
並設方向Xへの天板52bの寸法、つまり天板52bの長手方向への寸法は、並設方向Xへの第2区画壁44の寸法と同じである。また、幅方向Yへの天板52bの寸法、つまり天板52bの短手方向への寸法は、幅方向Yへの第2区画壁44の寸法より大きい。
第2カバー部52の内側には、下側絶縁部材40の区画部42が入り込んでいる。そして、第2カバー部52の天板52bと、区画部42の第2区画壁44とは上下方向Hに重なり合い、第2区画壁44は、天板52bによって覆われている。また、第2カバー部52の側壁52aと、区画部42の第1区画壁43とは幅方向Yに重なり合い、第1区画壁43における第2区画壁44寄りの部位は、側壁52aによって覆われている。
図1に示すように、並設方向Xへの第3カバー部53の寸法、つまり第3カバー部53の長手方向への寸法は、並設方向Xへのバスバー支持部41の寸法と同じである。また、上下方向Hへの第3カバー部53の寸法、つまり第3カバー部53の短手方向への寸法は、バスバー支持部41の外面、つまり上面から正極電極端子15及び負極電極端子16の突出端までの寸法より大きい。
一対の第3カバー部53がバスバー支持部41の外面に支持されることにより、各第1カバー部51の内面、つまり下面は、各バスバー支持部41に支持されたバスバー18から上下方向Hへ離間するとともに、正極電極端子15及び負極電極端子16の突出端から上下方向Hへ離間している。
また、一対の第3カバー部53がバスバー支持部41の外面に支持されることにより、図5に示すように、第2カバー部52の天板52bは、第2区画壁44の外面44bから上下方向Hへ離間している。このため、第2カバー部52の天板52bは、第2区画壁44の外面44bに重合した集約部34aから上下方向Hへ離間している。上下方向Hに沿った第2区画壁44の外面44bと、天板52bの内面58と、一対の側壁52aの内面との間には集約部配置空間Fが区画されている。上下方向Hへの集約部配置空間Fの寸法、所謂高さは、上下方向Hへの集約部34aの寸法である厚さより大きい。このため、集約部配置空間Fでは、上下方向Hへの集約部34aの変位が許容されている。
図4に示すように、上側絶縁部材50は、集約部34aへの対向面としての天板52bの内面58から突出する弾性部55を備える。弾性部55は、幅方向Yに長手が延びる矩形板状の押圧部材56と、押圧部材56を天板52bの内面58から離れる方向へ付勢する複数の付勢部材57とを有する。
並設方向Xへの押圧部材56の寸法、つまり、押圧部材56の厚みは、挿入口48の第1開口幅W1より小さく、幅方向Yへの押圧部材56の寸法は、挿入口48の第2開口幅W2より小さい。また、付勢部材57はコイルバネである。付勢部材57は、幅方向Yへ等間隔おきに設けられているが、等間隔おきに設けられていなくてもよい。各付勢部材57の軸方向の一端は天板52bの内面58に固定され、各付勢部材57の軸方向の他端は、押圧部材56の上端に固定されている。
また、天板52bから弾性部55が突出した方向を突出方向Tとすると、突出方向Tにおける弾性部55の先端、つまり押圧部材56の先端には弾性部用緩衝材56aが設けられている。弾性部用緩衝材56aは、上側絶縁部材50の材質よりも軟質な材料によって形成されており、本実施形態では弾性部用緩衝材56aはゴム製又はシリコン製の軟質材である。また、弾性部用緩衝材56aの先端縁は、並設方向Xに沿う断面視では丸みを付けた形状である。
図5に示すように、弾性部55は、押圧部材56によってフレキシブルプリント基板34の集約部34aを下側絶縁部材40に向けて押圧し、上下方向Hに沿って天板52bの内面58から離れる方向へ集約部34aを弾性的に押圧している。そして、集約部34aは、弾性部55によって押圧された部分に撓み部39を有する。撓み部39は、集約部34aにおいて、弾性部55によって押圧される部分以外に比べて上下方向Hに沿って天板52bの内面58から離れるように撓む。
撓み部39は、集約部34aの長手方向の複数箇所に設けられている。撓み部39は、並設方向Xに沿う集約部34aの一部が、幅方向Yの全体に亘って挿入口48を介して凹部47に入り込んだ部分に形成されている。そして、撓み部39は、幅方向Yから見て緩やかに湾曲している。なお、撓み部39が挿入口48を介して凹部47に挿入されるとともに、その撓み部39を押圧する押圧部材56も、挿入口48を介して凹部47に挿入されている。
後述するが、集約部34aに対し、当該集約部34aを並設方向Xに引っ張る力が作用していない状態では、各付勢部材57は撓み部39を弾性的に押圧しており、付勢部材57が収縮する方向及び伸張する方向へ弾性変形可能である。このため、押圧部材56は、各付勢部材57の付勢力によって撓み部39を収容凸部46の底部46aに向け付勢している。
そして、集約部34aを並設方向Xに引っ張る力が作用していない状態において、弾性部55の付勢部材57が収縮できる最大値を最大収縮量とする。また、一対のエンドプレート20の間において並設方向Xへ電池ケース12が最も膨脹したときの撓み部39の伸び量を最大伸び量とする。この場合、最大収縮量は、最大伸び量で弾性部55の付勢部材57が収縮したときの収縮量よりも大きく設定されている。
また、集約部34aに対し、当該集約部34aを並設方向Xに引っ張る力が作用していない状態では、撓み部39は、収容凸部46の内底面である底部46aから上下方向Hに離間しているとともに、収容凸部46の内側面である内面46dからも並設方向Xに離間している。このため、撓み部39は、収容凸部46の内面46dに対し離間し、凹部47内で拘束されていない。
次に、電池モジュール10の作用について説明する。
さて、電池モジュール10の使用時、二次電池11の充放電に伴って正極や負極が膨張した場合、膨脹に伴って二次電池11の電池ケース12が並設方向Xに変形する。膨脹に伴う電池ケース12の変形に伴い、正極電極端子15及び負極電極端子16の位置も並設方向Xに変化する。すると、正極電極端子15又は負極電極端子16に接続されたバスバー18の位置も並設方向Xに変化し、その変位したバスバー18に接続された分岐部34bにより、集約部34aには、並設方向Xへ引っ張る力が作用する。この引っ張る力を受けて撓み部39が、撓む前の形状に戻ろうとする。
すると、図6に示すように、集約部34aを引っ張る力を受けて弾性部55の付勢部材57が収縮するように変形し、並設方向Xの撓み部39の伸びが許容される。その結果、集約部34aにおける撓み部39以外の部位が第2区画壁44の外面44bに沿って若干移動する。すると、集約部34aを引っ張る力は、撓み部39が伸びることで吸収される。
一方、膨脹から収縮に伴う電池ケース12の変形に伴い、正極電極端子15及び負極電極端子16の位置も並設方向Xに沿って膨脹前の位置に戻る。すると、集約部34aも、引っ張られる力が作用する前の状態に戻り、付勢部材57の付勢力によって押圧部材56を介して集約部34aが押圧され、撓み部39も伸びる前の状態に戻る。
次に、電池モジュール10の製造方法を説明する。
複数の二次電池11が一対のエンドプレート20と通しボルト21及びナット22によって並設方向Xに拘束された状態において、全ての二次電池11の蓋部14に亘るように下側絶縁部材40を載置する。このとき、各バスバー支持部41の貫通孔41aに正極電極端子15又は負極電極端子16を貫通させる。そして、各バスバー支持部41に、貫通孔41aを貫通した正極電極端子15及び負極電極端子16に接続されるバスバー18を支持させる。そして、正極電極端子15及び負極電極端子16とバスバー18を溶接等によって接続する。
次に、図7(a)に示すように、区画部42の第2区画壁44上にフレキシブルプリント基板34の集約部34aを載置する。図示しないが、分岐部34bをバスバー18に溶接等によって接続し、集約部34aを区画部42上に移動規制した状態に配置する。
次に、集約部34aの上側から上側絶縁部材50を被せ、下側絶縁部材40に上側絶縁部材50を一体化し、下側絶縁部材40と上側絶縁部材50とで集約部34aを覆う。この工程が被覆工程である。この被覆工程では、図7(b)に示すように、各弾性部55の押圧部材56によって集約部34aを凹部47に向けて押圧する。すると、付勢部材57が収縮方向へ弾性変形し、収縮した付勢部材57の原形状への復帰力により、集約部34aが弾性的に押圧される。その結果、集約部34aに撓み部39が形成されるとともに、電池モジュール10が完成する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上側絶縁部材50は、弾性部55を備え、この弾性部55は集約部34aを押圧して撓み部39を形成している。このため、二次電池11の電池ケース12が並設方向Xに膨脹したとき、集約部34aに対し並設方向Xへ引っ張る力が作用するが、この力を受けて弾性部55の付勢部材57が収縮するように変形することで並設方向Xへの撓み部39の伸びが許容される。このため、集約部34aを引っ張る力は、撓み部39が伸びることで吸収される。よって、集約部34aを引っ張る力を、撓みの無い部分が伸びることで吸収する場合と異なり、集約部34aの配線35が並設方向Xの途中で断線することを抑制できる。
(2)弾性変形不能な押圧部材で集約部34aを押圧して撓み部39を形成すると、押圧部材による押圧によって集約部34aが突っ張ってしまい、集約部34aに対し並設方向Xへ引っ張る力が作用したときの撓み部39の伸びが許容されない。このため、撓み部39の伸びを許容させるために、押圧部材から撓み部39を離間させ、しかも、撓み部39の伸びを考慮して撓み部39の撓み具合を精度良く調節する必要があり、このような集約部34aを有する電池モジュール10では生産性が低下してしまう。しかし、本実施形態のように、上側絶縁部材50に弾性部55を設け、その弾性部55で集約部34aを押圧するだけで、並設方向Xへ引っ張る力が作用したときには伸びが許容される撓み部39を形成でき、撓み具合を精度良く調節した撓み部39を有する集約部34aを用いる場合に比べて電池モジュール10の生産性が高まる。
(3)下側絶縁部材40は、撓み部39を挟んで弾性部55と上下方向Hに対向する位置に挿入口48を備え、この挿入口48に撓み部39が挿入されている。例えば、下側絶縁部材40に挿入口48が無く、下側絶縁部材40の区画部42と上側絶縁部材50の天板52bとの間に撓み部39を含む集約部34aを配置した場合と比べると、挿入口48に撓み部39が挿入されることにより、上下方向Hに沿って集約部34aを下側絶縁部材40に近付けることができる。その結果として、集約部34aを覆う上側絶縁部材50の天板52bも下側絶縁部材40に近付けることができ、上下方向Hへの電池モジュール10の寸法を小さくできる。
(4)集約部34aは下側絶縁部材40の第2区画壁44に重ねて配置されており、撓み部39は、上下方向Hに沿って第2区画壁44から排煙通路45に向けて凹む凹部47内に入り込んでいる。凹部47を排煙通路45の空間を利用して形成しているため、例えば、下側絶縁部材40が凹部47を備えない場合のように、排煙通路45の上側で、撓み部39を含む集約部34aを収容する場合と比べると電池モジュール10における上下方向への寸法を小さくできる。
(5)下側絶縁部材40は、挿入口48の端縁48aに緩衝材49を備える。このため、集約部34aに対し並設方向Xへ引っ張る力が作用し、集約部34aが挿入口48の端縁48aに摺接しても緩衝材49によって集約部34aの損傷を抑制できる。
(6)弾性部55は、押圧部材56の先端に弾性部用緩衝材56aを備える。このため、集約部34aが弾性部55によって押圧されても、弾性部用緩衝材56aによって集約部34aの損傷を抑制できる。
(7)弾性部55の弾性部用緩衝材56aの先端縁は丸みを付けた形状である。このため、集約部34aが弾性部55によって押圧されても、丸みを付けた弾性部用緩衝材56aによって集約部34aの損傷を抑制できる。
(8)二次電池11の電池ケース12が並設方向Xに変形していない状態では、撓み部39は、弾性部55によって押圧されている。そして、撓み部39を押圧している弾性部55の付勢部材57が収縮できる最大収縮量は、撓み部39が最大伸び量で伸びたときの付勢部材57の収縮量よりも大きく設定されている。このため、集約部34aに対し並設方向Xへ引っ張る力が作用したとき、撓み部39の伸びる途中で弾性部55の付勢部材57が収縮しなくなることを抑制できる。つまり、撓み部39が最大に伸びる以上に弾性部の付勢部材57は収縮でき、集約部34aの配線35が並設方向Xの途中で断線することを抑制できる。
(9)撓み部39を押圧している弾性部55は、付勢部材57によって弾性変形可能である。このため、電池モジュール10を搭載したEVやPHVが振動したとき、その振動を付勢部材57の伸縮によって吸収でき、集約部34aに加わる負荷を軽減できる。
(10)被覆工程では、上側絶縁部材50によって集約部34aを覆うとき、弾性部55で集約部34aを押圧することで撓み部39を形成できる。つまり、上側絶縁部材50を下側絶縁部材40に組付けると同時に、集約部34aに撓み部39を形成できる。例えば、上側絶縁部材50を下側絶縁部材40に組付ける前に、集約部34aを挿入口48に向けて治具で押し込んで撓み部39を形成した後に上側絶縁部材50を下側絶縁部材40に組付ける場合と比べると、治具による撓み部39の形成工程が不要となり、電池モジュール10の生産性が高まる。
(11)被覆工程では、上側絶縁部材50によって集約部34aを覆うとき、弾性部55で集約部34aを押圧することで撓み部39を形成できる。例えば、弾性変形不能な押圧部材で集約部34aを押圧して撓み部39を形成する場合と比べると、押圧に伴う付勢部材57の収縮により、集約部34aに加わる負荷を軽減できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図8に示すように、弾性部55を下側絶縁部材40に設けてもよい。この場合、下側絶縁部材40の弾性部55は、集約部34aへの対向面となる第2区画壁44の外面44bに、上下方向Hに沿って当該外面44bから離れる方向へ集約部34aを弾性的に押圧する。この場合、撓み部39は、弾性部55によって押圧される部分以外に比べて上下方向Hに沿って第2区画壁44の外面44bから離れるように撓む。
○ 弾性部55は、押圧部材56の先端に弾性部用緩衝材56aを備えていなくてもよい。
○ 弾性部55の先端となる押圧部材56の先端は、丸みを付けた形状でなくてもよい。
○ 挿入口48の端縁48aに沿う緩衝材49は無くてもよい。この場合、挿入口48の端縁48aを丸みを付けた形状にするのが好ましい。このように構成すると、集約部34aに対し並設方向Xへ引っ張る力が作用したとき、集約部34aが挿入口48の端縁48aに摺接しても、端縁48aが丸みを付けた形状であることから集約部34aの損傷を抑制できる。
○ 挿入口48の端縁のうち、並設方向Xに対向する端縁48aに加え、幅方向Yに対向する端縁にも緩衝材49を設け、挿入口48の端縁全体に緩衝材49を設けてもよい。
○ 電池ケース12が、厚さ方向の側面に開口部を有するケース本体13と、そのケース本体13の開口部を閉塞する蓋部14とを備える構成である場合、上壁部は、ケース本体13の上側壁によって形成されていてもよい。
○ 弾性部55の数は1つでもよい。また、弾性部55の数が複数の場合は、その数は適宜変更してもよいし、並設方向Xに等間隔おきでなくてもよい。
○ 下側絶縁部材40とは別部材の区画部によって排煙通路45を区画してもよい。
○ 下側絶縁部材40は、一対のバスバー支持部41を備えず、区画部42だけの構成であってもよい。
○ 下側絶縁部材40は区画部42を備えず、平板状であり、蓋部14の上面に直接載置されてもよい。この場合、電池モジュール10は、排煙通路45を備えず、二次電池11は圧力開放弁17を備えない構成となる。
○ 上側絶縁部材50の各第3カバー部53に、下側絶縁部材40のバスバー支持部41に掛止する掛止部を設け、掛止部により、下側絶縁部材40から上側絶縁部材50が外れ難い構成としてもよい。
○ 上側絶縁部材50の天板52bの内面58からゴム板や板バネを集約部34aに向けて突設し、ゴム板や板バネによって弾性部を形成してもよい。さらには、天板52bの内面58から複数のコイルバネを集約部34aに向けて突設し、それらコイルバネそのものによって弾性部を形成してもよい。
○ 電池モジュール10の製造において、下側絶縁部材40に弾性部55を備える場合は、被覆工程では、下側絶縁部材40の弾性部55上に集約部34aを載せた状態で、集約部34aを第2区画壁44に向けて押し付けて集約部34aに撓み部39を形成してもよい。
T…突出方向、X…並設方向、10…電池モジュール、11…二次電池、12…電池ケース、12a…電極組立体、14…上壁部としての蓋部、17…圧力開放弁、19…弾性材、20…エンドプレート、21…拘束部材を構成する通しボルト、22…拘束部材を構成するナット、34…フレキシブルプリント基板、34a…集約部、35…配線、39…撓み部、40…下側絶縁部材、45…排煙通路、47…凹部、48…挿入口、48a…端縁、49…緩衝材、50…上側絶縁部材、55…弾性部、56a…弾性部用緩衝材、58…対向面としての内面。

Claims (9)

  1. 電池ケース内に電解液及び電極組立体が収容され、並設方向に並べられる複数の二次電池と、
    前記並設方向に並ぶ前記電池ケースの上壁部に亘って載置される下側絶縁部材と、
    前記二次電池それぞれの情報を得るための複数の配線において前記並設方向に延びる部位を集約し、かつ可撓性樹脂によって保持した集約部を備え、当該集約部が前記下側絶縁部材によって支持されるとともに前記二次電池から絶縁されるフレキシブルプリント基板と、
    前記集約部を上側から覆って前記下側絶縁部材と一体化される上側絶縁部材と、を備え、
    前記下側絶縁部材及び前記上側絶縁部材のいずれか一方は、上下方向における前記集約部への対向面に前記上下方向に沿って当該対向面から離れる方向へ前記集約部を押圧する弾性部を有するとともに、
    前記集約部は、前記弾性部によって押圧される部分に、当該弾性部によって押圧される部分以外よりも前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように撓む撓み部を有し、
    前記弾性部は、前記撓み部を押圧した状態で前記上下方向へ弾性変形可能であることを特徴とする電池モジュール。
  2. 前記上側絶縁部材は前記弾性部を有し、前記撓み部は、前記下側絶縁部材に向けて突出するように撓み、前記下側絶縁部材は、前記上下方向において前記撓み部を挟んで前記弾性部と対向する位置に前記撓み部が挿入される挿入口を有する請求項1に記載の電池モジュール。
  3. 各二次電池は、前記電池ケースの内圧が規定圧力を超えた場合に前記電池ケースの内圧を開放する圧力開放弁を前記上壁部に有し、前記上下方向における前記下側絶縁部材と前記上壁部との間には、前記並設方向に並ぶ全ての前記圧力開放弁を覆い、開放された前記圧力開放弁から放出されたガスを流すための排煙通路が設けられており、前記下側絶縁部材は、前記挿入口に連通し、かつ前記排煙通路に突出する凹部を備え、前記凹部に前記撓み部が挿入されている請求項2に記載の電池モジュール。
  4. 前記下側絶縁部材は、前記挿入口が開口する端縁のうち前記並設方向に対向する端縁に、前記下側絶縁部材よりも軟質の緩衝材を備える請求項3に記載の電池モジュール。
  5. 前記挿入口が開口する端縁のうち前記並設方向に対向する端縁は丸みを付けた形状である請求項4に記載の電池モジュール。
  6. 前記対向面から前記集約部に向けて前記弾性部が突出する方向を当該弾性部の突出方向とすると、前記弾性部は、前記突出方向の先端に、前記弾性部を備える前記上側絶縁部材又は前記下側絶縁部材よりも軟質の弾性部用緩衝材を備える請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の電池モジュール。
  7. 前記弾性部用緩衝材の端縁は丸みを付けた形状である請求項6に記載の電池モジュール。
  8. 前記二次電池と共に前記並設方向に設けられ、前記電池ケースが前記並設方向において膨脹した場合、前記並設方向に収縮する弾性材を有し、前記並設方向の両端に位置する各二次電池の外側にはエンドプレートが配置されるとともに、一対の前記エンドプレートは拘束部材によって前記並設方向に拘束されており、一対の前記エンドプレートの間において前記並設方向へ前記電池ケースが最も膨脹したときの前記撓み部の伸び量を最大伸び量とし、前記撓み部を押圧する前記弾性部が収縮できる最大収縮量は、前記撓み部が前記最大伸び量で伸びたときの前記弾性部の収縮量よりも大きく設定されている請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の電池モジュール。
  9. 電池ケース内に電解液及び電極組立体が収容され、並設方向に並べられる複数の二次電池と、
    前記並設方向に並ぶ前記電池ケースの上壁部に亘って載置される下側絶縁部材と、
    前記二次電池それぞれの情報を得るための複数の配線において前記並設方向に延びる部位を集約し、かつ可撓性樹脂によって保持した集約部を備え、当該集約部が前記下側絶縁部材に支持されるとともに前記二次電池から絶縁されるフレキシブルプリント基板と、
    前記集約部を上側から覆って前記下側絶縁部材と一体化される上側絶縁部材と、を備える電池モジュールの製造方法であって、
    前記下側絶縁部材及び前記上側絶縁部材のいずれか一方は、上下方向における前記集約部への対向面に、前記集約部を前記上下方向に沿って前記対向面から離れる方向へ前記集約部を押圧する弾性部を有し、
    前記並設方向に並べられた複数の前記二次電池の前記上壁部に載置された前記下側絶縁部材に前記上側絶縁部材を一体化し、前記下側絶縁部材と前記上側絶縁部材とで前記集約部を覆う工程では、
    前記弾性部によって前記集約部を前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように押圧し、前記弾性部によって押圧される部分に、当該弾性部によって押圧される部分以外よりも前記上下方向に沿って前記対向面から離れるように撓む撓み部を形成するとともに、前記弾性部を、前記撓み部を押圧した状態で前記上下方向へ弾性変形可能に配置することを特徴とする電池モジュールの製造方法。
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