JP2020149679A - 電池貸出システム、車両、サーバおよび電池貸出方法 - Google Patents

電池貸出システム、車両、サーバおよび電池貸出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両に搭載されるバッテリのユーザへの貸出において、バッテリの劣化の進行を抑制する。【解決手段】電池リースシステム100は、バッテリ15をユーザに貸し出す。電池リースシステム100は、バッテリ15が走行用に搭載される車両1と、バッテリ15のリースに対してユーザが支払うリース料金を管理する課金サーバ2とを備える。車両1は、ユーザがリース料金を支払う場合に、バッテリ15の劣化の進行の度合いを示す容量維持率Qが規定量変化する間だけ車両1の走行を許可する。【選択図】図10

Description

本開示は、電池貸出システム、車両、サーバおよび電池貸出方法に関し、より特定的には、車両に搭載される走行用のバッテリをユーザに貸し出す技術に関する。
バッテリの貸出(リースまたはレンタル)を行うシステムが提案されている。たとえば特開2003−288539号公報(特許文献1)は、電子機器または家電製品に搭載されるレンタル電池パックの使用に対して課金する課金システムを開示する。この電池パックの課金システムでは、レンタル電池パックの使用状況に応じた課金、具体的には1回当たりの充放電料金と充放電回数とを掛けた料金の課金が行われる。
特開2003−288539号公報
車両に搭載される走行用のバッテリに関してもユーザに貸し出すことが考えられる。車両はユーザが所有しつつバッテリのみをユーザに貸し出してもよいし、バッテリを貸し出すとともに車両(バッテリ以外の部分)を貸し出してよい。
このようなバッテリ貸出事業を行う場合、バッテリの劣化が進行するほど、バッテリの所有者である事業主体(リース会社やレンタル会社)にとってのバッテリの経済的な価値が低くなる。特に、バッテリは、ある程度劣化しても回収して再利用(後述するリユースまたはリビルド)することが可能であるが、過度に劣化したバッテリは再利用することができなくなり、その価値が大きく低下する。したがって、事業主体にとっては、できるだけバッテリの劣化の進行を抑制することが望ましい。
特許文献1に開示された課金システムと同様の手法で、ユーザに貸し出されるバッテリに課金することも可能である。しかし、バッテリの劣化の進行度合いは、バッテリの充放電回数だけで決まるものではない。たとえば、ユーザの運転の仕方によってはバッテリの大電流での充放電が行われ、バッテリの劣化が進行しやすくなる。あるいは、車両が置かれた環境が高温であるほどバッテリの劣化が進行しやすくなる。特許文献1に開示された手法では、バッテリの充放電回数しかバッテリの使用態様が考慮されておらず、ユーザがバッテリの劣化を意識しづらい。よって、ユーザがバッテリの劣化の進行を抑制する動機付け(インセンティブ)が弱い。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両に搭載されるバッテリのユーザへの貸出において、バッテリの劣化の進行を抑制する(緩やかにする)ことが可能な技術を提供することである。
(1)本開示のある局面に従う電池貸出システムは、バッテリをユーザに貸し出す。電池貸出システムは、バッテリが走行用に搭載される車両と、バッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を管理するサーバとを備える。車両は、ユーザが貸出料金を支払う場合に、バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標(容量維持率など)が規定量変化する間だけ車両の走行を許可する。
上記(1)の構成においては、バッテリの劣化の進行が貸出料金に応じた度合いだけ許容されるように車両の使用が制限される。このことは、バッテリの劣化が進行した場合、貸出料金を支払ってバッテリの使用を継続するかどうかをユーザが選択することを意味する(詳細は後述)。このようにバッテリの劣化の進行に伴い金銭的な負担が生じるようにすることで、ユーザは、できるだけバッテリの劣化が進行しないように車両(バッテリ)の使用態様に留意するようになる。したがって、上記(1)の構成によれば、バッテリの劣化の進行を抑制できる。
(2)本開示の他の局面に従う車両は、車両の走行用のバッテリと、バッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を管理するサーバと通信するように構成された通信機と、ユーザが貸出料金を支払う場合に、バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ車両の走行を許可する制御装置とを備える。
(3)制御装置は、ユーザが貸出料金を支払わない場合には、車両の走行を禁止する。
上記(2),(3)の構成によれば、上記(1)の構成と同様に、バッテリの劣化の進行を抑制できる。
(4)本開示の他の局面に従うサーバは、車両に搭載される走行用のバッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を管理する。サーバは、車両と通信するように構成された通信装置と、ユーザが貸出料金を支払う場合に、バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ車両の走行を許可するための通知を車両に行うように構成された演算装置とを備える。
上記(4)の構成によれば、上記(1)の構成と同様に、バッテリの劣化の進行を抑制できる。
(5)演算装置は、指標と貸出料金とを紐付けて管理し、指標に応じて貸出料金を決定する。
(6)演算装置は、バッテリの劣化が進行していることを指標が示すほど、指標が規定量変化する間の貸出料金を低くする。
上記(6)の構成においては、バッテリの劣化が進行するほど、指標が規定量変化する間の貸出料金(いわば貸出料金の単価)が低くなる。バッテリの劣化が進行するほど車両が走行可能な距離(EV走行距離)が短くなり、バッテリの価値が低下するので、上記(6)の構成によれば、それに応じて貸出料金が割り引かれる。これにより、貸出料金に関するユーザの納得感を高めることができる。
(7)演算装置は、バッテリの劣化の進行に伴い指標が所定値を超えると、指標が所定値である場合と比べて、指標が規定量変化する間の貸出料金を高くする。
指標が所定値を超えると、バッテリの劣化が過度に進む可能性がある。したがって、上記(7)の構成のように指標が所定値を超えると貸出料金を割高にすることで、ユーザが車両の使用を継続しにくくなる。その結果、ユーザから事業主体(リース会社など)にバッテリが返却される可能性が高くなるので、事業主体がバッテリを回収して再利用することが可能になる。
(8)演算装置は、車両の走行許可が終了するまでに車両が走行可能な距離に関する第1の情報をユーザに提供する。
上記(8)の構成によれば、車両の走行許可が終了するまでに車両が走行可能な距離に関する第1の情報を事前にユーザに提供することで、車両が急に走行不可となる状況(いわば不意打ちの状況)を防止できる。これにより、ユーザの満足度を向上させることができる。
(9)演算装置は、ユーザによるバッテリの使用状況に基づいて定められる、バッテリに蓄えられた電力を用いて車両が走行可能なEV(Electric Vehicle)走行距離を増加させるための第2の情報をユーザに提供する。
(10)第2の情報は、車両の1日当たりの走行距離とEV走行距離とに基づいて定められる、バッテリの推奨充電頻度に関する情報である。
(11)第2の情報は、バッテリのSOCが基準値よりも高い状態でバッテリが放置された時間に基づいて定められる、時間スケジュールに従って実行されるタイマー充電を含むバッテリの推奨充電態様に関する情報である。
上記(9)〜(11)の構成によれば、推奨充電頻度または推奨充電態様に関する第2の情報をユーザに提供することで、ユーザは、充電頻度を不必要に高くしないようにしたり、充電にタイマー充電を活用したりすることができる。詳細は後述するが、これによりバッテリの劣化の進行を抑制できるので、バッテリの貸出料金を低減できる。その結果、ユーザの満足度を向上させることができる。
(12)本開示のさらに他の局面に従う電池貸出方法は、車両に搭載される走行用のバッテリをユーザに貸し出す方法である。電池貸出方法は、バッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を決定するステップと、ユーザが貸出料金を支払う場合に、バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ車両の走行を許可するステップとを含む。
上記(12)の方法によれば、上記(1)の構成と同様に、バッテリの劣化の進行を抑制できる。
本開示によれば、ユーザに貸し出されるバッテリの劣化の進行を抑制する(緩やかにする)ことができる。
実施の形態1における電池物流モデルを示す図である。 実施の形態1に係る電池リースシステムの全体構成を概略的に示す図である。 車両および課金サーバの構成をより詳細に示す図である。 バッテリの劣化態様の一例を示す図である。 実施の形態1におけるバッテリのリース態様を説明するための図である。 料金プランAを説明するための図である。 料金プランAにおけるバッテリの容量維持率とリース料金との関係を示す図である。 料金プランBを説明するための図である。 料金プランBにおけるバッテリの容量維持率とリース料金との関係を示す図である。 実施の形態1における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。 電池情報のデータ構造の一例を示す概念図である。 リース契約情報のデータ構造の一例を示す概念図である。 実施の形態1の変形例における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。 料金プランCにおけるバッテリの容量維持率とリース料金との関係を示す図である。 料金プランDにおけるバッテリの容量維持率とリース料金との関係を示す図である。 実施の形態3における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。 情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
本開示において、バッテリは、複数のモジュール(複数のブロックとも呼ばれる)を含む組電池である。複数のモジュールは、直列に接続されていてもよいし並列に接続されていてもよい。複数のモジュールの各々は、直列または並列に接続された複数のセル(単電池)を含む。
本実施の形態では、複数の車両から使用済みのバッテリが回収され、回収されたバッテリが再利用される。以下では、使用済みのバッテリの回収から、再利用されたバッテリの販売までの物流の態様を「電池物流モデル」と称する。
一般に、バッテリの「再利用」は、リユース、リビルドおよび資源リサイクルに大別される。リユースの場合、回収されたバッテリは、必要な出荷検査を経て、そのままリユース品として出荷される。リビルトの場合、回収されたバッテリは、たとえば一旦、モジュールに分解される。そして、分解されたモジュールのうち、性能回復後に利用可能となるモジュール(そのままで利用可能なモジュールであってもよい)が組み合わされ、新たなバッテリが製造される。新たに製造されたバッテリは、出荷検査を経て、リビルト品として出荷される。これに対し、資源リサイクルでは、各セルから再生可能な材料が取り出されるため、回収されたバッテリが他のバッテリとして使用されることはない。
本開示におけるバッテリの「再利用」とは、バッテリのリユースまたはリビルドを意味する。なお、リビルドの場合、バッテリを構成する複数のモジュールのうちの少なくとも一部が別のモジュール(交換用モジュール)に交換される。交換用モジュールは、基本的には、回収されたバッテリから取り出された再利用可能なモジュールであるが、新品のモジュールであってもよい。
[実施の形態1]
<電池物流モデル>
図1は、実施の形態1における電池物流モデルを示す図である。図1を参照して、この電池物流モデルでは、車両71〜73にそれぞれ搭載された使用済みのバッテリ710〜730が回収される。回収されたバッテリ710〜730は、回収業者81、検査業者82、性能回復業者83、製造業者84、販売店85(またはリサイクル業者86)による工程を経て再利用される。この工程では、バッテリに関する各種情報が再利用サーバ9により管理される。そして、あるユーザの車両7に搭載されたバッテリが、再利用されたバッテリに交換される。
より詳細には、回収業者81は、車両71〜73から使用済みのバッテリ710〜730を回収する。なお、図1では、紙面の都合上、3台の車両のみを示すが、実際には、より多くの車両からバッテリが回収される。回収業者81は、回収されたバッテリを分解し、バッテリから複数のモジュールを取り出す。各モジュールには、当該モジュールを特定するための識別情報(ID)が付与されており、各モジュールの情報が再利用サーバ9によって管理されている。そのため、回収業者81は、バッテリから取り出された各モジュールのIDを、端末(図示せず)を用いて再利用サーバ9へ送信する。
検査業者82は、回収業者81によって回収された各モジュールの性能検査を行なう。具体的には、検査業者82は、回収されたモジュールの特性を検査する。たとえば、検査業者82は、満充電容量、抵抗値、OCV(Open Circuit Voltage)、SOC(State Of Charge)等の電気的特性を検査する。そして、検査業者82は、検査結果に基づいて、再利用可能なモジュールと再利用不可能なモジュールとを分別し、再利用可能なモジュールについては性能回復業者83へ引き渡し、再利用不可能なモジュールについてはリサイクル業者86へ引き渡す。なお、各モジュールの検査結果は、検査業者82の端末(図示せず)を用いて再利用サーバ9へ送信される。
性能回復業者83は、検査業者82によって再利用可能とされたモジュールの性能を回復させるための処理を行なう。一例として、性能回復業者83は、過充電状態までモジュールを充電することによって、モジュールの満充電容量を回復させる。ただし、検査業者82による検査において性能低下が小さいと判断されたモジュールについては、性能回復業者83による性能回復処理を省略してもよい。各モジュールの性能回復結果は、性能回復業者83の端末(図示せず)を用いて再利用サーバ9へ送信される。
製造業者84は、性能回復業者83によって性能が回復されたモジュールを用いてバッテリを製造する。本実施の形態では、バッテリを製造するための情報(組立情報)が再利用サーバ9において生成され、製造業者84の端末(図示せず)へ送信される。製造業者84は、その組立情報に従って、車両7のバッテリに含まれるモジュールを交換して、車両7のバッテリを製造(リビルド)する。
販売店85は、製造業者84によって製造されたバッテリを車両用として販売したり、住宅等で利用可能な定置用として販売したりする。本実施の形態では、車両7が販売店85に持ち込まれ、販売店85において、車両7のバッテリが製造業者84により製造されたリユース品またはリビルド品に交換される。
リサイクル業者86は、検査業者82によって再利用不可能とされたモジュールを解体し、新たなセルやその他製品の原料として利用するための再資源化を行なう。
なお、図1では、回収業者81、検査業者82、性能回復業者83、製造業者84および販売店85は、互いに異なる業者としたが、業者の区分はこれに限定されるものではない。たとえば、検査業者82と性能回復業者83とが一の業者であってもよい。あるいは、回収業者81は、バッテリを回収する業者と、回収されたバッテリを解体する業者とに分かれていてもよい。また、各業者および販売店の拠点は、特に限定されるものではない。各業者および販売店の拠点は別々であってもよいし、複数の業者あるいは販売店が同一拠点にあってもよい。
<電池リースシステム>
本実施の形態では、バッテリの価値の低下を防ぐととともに、再利用可能なバッテリの回収量を増加させるべく、バッテリをユーザにリースするシステムが構築される。このシステムを「電池リースシステム」と称する。
なお、機器や設備等の物品の所有権を自身が有したまま、その物品を他者に貸し出す取引として、リースとレンタルとが知られている。一般に、リースとは、貸出先の個人や企業が選択した物品をリース会社が購入し、その物品を貸出先に対して比較的長期(通常、数年間程度)に亘り賃貸する取引のことを言う。レンタルとは、レンタル会社が既に所有している物品を貸出先が必要とする期間(通常、リース期間よりも短い期間)、賃貸する取引のことを言う。以下ではバッテリのリースを例に説明するが、リースに代えてバッテリをレンタルしてもよい。
図2は、実施の形態1に係る電池リースシステムの全体構成を概略的に示す図である。図2を参照して、電池リースシステム(電池貸出システム)100は、複数の車両1と、課金サーバ2とを備える。複数の車両1の各々と課金サーバ2とは、双方向の通信が可能に構成されている。
以下では説明の簡略化のため、ある特定の1台の車両1(図中左側の車両1)に注目して説明する。この車両1は、車両1のユーザのスマートホン3とも双方向通信が可能に構成されている。さらに、課金サーバ2とスマートホン3とも双方向通信が可能に構成されている。
図3は、車両1および課金サーバ2の構成をより詳細に示す図である。図3を参照して、本実施の形態では、車両1が電気自動車である構成を例に説明する。しかし、車両1は、他の電動車両(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車または燃料電池車)であってもよい。車両1は、充電ケーブル4により車両外部の充電器5に電気的に接続することが可能に構成されている。
車両1は、モータジェネレータ11と、動力伝達ギヤ121と、駆動輪122と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)13と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)14と、バッテリ15と、インレット161と、AC/DCコンバータ162と、充電リレー163と、ユーザインタフェイス17と、DCM(Data Communication Module)18と、車載ネットワーク19と、ECU(Electronic Control Unit)10とを備える。
モータジェネレータ11は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ11の出力トルクは、動力伝達ギヤ121を通じて駆動輪122に伝達され、車両1を走行させる。また、モータジェネレータ11は、車両1の制動動作時には、駆動輪122の回転力によって発電できる。モータジェネレータ11による発電電力は、PCU13によってバッテリ15の充電電力に変換される。
PCU13は、コンバータおよびインバータ(いずれも図示せず)を含んで構成される。PCU13は、ECU10からの指令に従って、バッテリ15に蓄えられた直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ11に供給する。また、PCU13は、モータジェネレータ11が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリ15に供給する。
SMR14は、PCU13とバッテリ15とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR14は、ECU10からの指令に従って、PCU13とバッテリ15との間での電力の供給と遮断とを切り替える。
バッテリ15は、車両1の駆動力を発生させるための電力を供給する。また、バッテリ15は、モータジェネレータ11により発電された電力を蓄える。バッテリ15は、複数のモジュールを含んで構成された組電池である。複数のモジュールの各々は、複数のセルを含む。本実施の形態において、各セルはリチウムイオン二次電池である。なお、リチウムイオン二次電池の電解質は、たとえば液系であるが、液系に限らず、ポリマー系であってもよいし全固体系であってもよい。
バッテリ15には、バッテリ15の状態を監視する監視ユニット151が設けられている。具体的には、監視ユニット151は、いずれも図示しないが、電圧センサと、電流センサと、温度センサとを含む。電圧センサは、バッテリ15の電圧を検出する。電流センサは、バッテリ15に入出力される電流を検出する。温度センサは、バッテリ15の温度を検出する。各センサは、その検出結果をECU10に出力する。ECU10は、各センサによる検出結果に基づいて、バッテリ15の劣化状態を示す指標を算出する。この指標については後述する。
インレット161は、充電ケーブル4の充電プラグ(図示せず)が接続可能に構成されている。
AC/DCコンバータ162は、インレット161と充電リレー163とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。AC/DCコンバータ162は、充電器5から充電ケーブル4およびインレット161を介して供給される交流電力を直流電力に変換して充電リレー163に出力する。
充電リレー163は、AC/DCコンバータ162とバッテリ15とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。充電リレー163は、ECU10からの指令に従って、AC/DCコンバータ162とバッテリ15との間での電力の供給と遮断とを切り替える。
なお、充電器5から供給される電力により車両1の充電(外部充電)のための構成は、図3に示した構成に限定されるものではない。たとえば、充電器5が直流電力を供給する充電器(いわゆる急速充電器)である場合には、AC/DCコンバータ162を設けなくてもよいし、AC/DCコンバータ162に代えてDC/DCコンバータ(図示せず)を設けてもよい。
ユーザインタフェイス17は、車両1に関する各種情報をユーザに提供したり、ユーザの様々な操作を受け付けたりすることが可能に構成されている。ユーザインタフェイス17は、たとえばカーナビゲーションシステムのタッチパネル付きモニタにより実現される。
DCM18は、課金サーバ2と無線での双方向通信が可能に構成されている。また、DCM18は、車両1のユーザのスマートホン3とも無線で通信することが可能に構成されている。なお、DCM18は、本開示に係る「通信機」に相当する。
車載ネットワーク19は、たとえばCAN(Controller Area Network)などの有線ネットワークであり、ユーザインタフェイス17とDCM18とECU10とを互いに接続する。
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、入出力ポート103とを含む。ECU10は、各センサからの信号の入力ならびにメモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。本実施の形態においてECU10により実行される主要な制御として、バッテリ15の劣化状態を示す指標の算出結果に応じて車両1の使用を制限する制御が挙げられる。この制御についても後述する。なお、ECU10は、本開示に係る「制御装置」に相当する。
課金サーバ2は、複数の車両1に関するデータに基づいて、後述する演算処理を実行するように構成されている。課金サーバ2は、各々がデータベースサーバである電池情報データベース21およびリース契約情報データベース22と、通信モジュール23と、サーバ内ネットワーク24と、アプリケーションサーバ20とを備える。なお、課金サーバ2は、本開示に係る「サーバ」に相当する。
電池情報データベース21は、各車両1に搭載されたバッテリ15の状態を示す情報である「電池情報」(図11参照)を格納する。リース契約情報データベース22は、各車両1に搭載されたバッテリ15に関するリース契約を締結する際に取得される情報である「リース契約情報」(図12参照)を格納する。
通信モジュール23は、車両1に搭載されたDCM18との無線での双方向通信が可能に構成されている。また、通信モジュール23は、車両1のユーザのスマートホン3とも無線で通信することが可能に構成されている。なお、通信モジュール23は、本開示に係る「通信装置」に相当する。
サーバ内ネットワーク24は、電池情報データベース21とリース契約情報データベース22と通信モジュール23とアプリケーションサーバ20とを互いに接続する。
アプリケーションサーバ20は、ECU10と同様に、CPU201と、メモリ202と、入出力ポート203とを含む。アプリケーションサーバ20は、バッテリ15をユーザにリースするための各種演算処理を実行する。アプリケーションサーバ20により実行される主要な処理は、バッテリ15のリースに対してユーザが支払うリース料金Fを管理する処理であるが、この処理については後に詳細に説明する。なお、アプリケーションサーバ20は、本開示に係る「演算装置」に相当する。
<電池劣化>
以上のように構成された電池リースシステム100においては、時間が経過するに従ってあるいは車両1の走行距離が長くなるに従って、バッテリ15が劣化する。よって、バッテリ15の劣化の進行度合いを把握するため、バッテリ15の劣化状態を示す指標が算出される。本実施の形態では、バッテリ15の容量維持率Qが指標として用いられる。バッテリ15の容量維持率Qとは、初期状態(たとえば製造時)におけるバッテリ15の満充電容量C0に対する、現時点におけるバッテリ15の満充電容量Cの割合を表す(Q=C/C0)。
初期状態における満充電容量C0は、バッテリ15の仕様により既知である。一方、現時点における満充電容量Cは以下のように算出できる。たとえば車両1の外部充電時に、ECU10は、監視ユニット151から、充電開始時におけるバッテリ15のOCVと、充電終了時におけるバッテリ15のOCVと、充電開始時から充電終了時までの間のバッテリ15の充電電流量ΔAhとを取得する。さらに、ECU10は、メモリ102に予め記憶されたSOC−OCV曲線を参照することで、充電開始時におけるOCVと充電終了時におけるOCVとの差をSOC差ΔSOCに換算する。そして、ECU10は、SOC差ΔSOCと充電電流量ΔAhとの比率と、SOC差=100%と満充電容量Cとの比率とが等しいとする下記式(1)に従って、バッテリ15の満充電容量Cを算出する。
C=ΔAh/ΔSOC×100 ・・・(1)
バッテリ15の容量維持率Qの算出タイミングは、車両1の外部充電時に限定されず、外部充電時以外(車両1の通常の走行時等)であってもよい。たとえば、バッテリ15の温度頻度分布、バッテリ15のSOC頻度分布、車両1がバッテリ15に蓄えられた電力を用いて走行可能な距離(EV走行距離)、ならびに、バッテリ15の電流負荷および充電電流量ΔAh等に関する情報をECU10が取得し、順次メモリ102に格納する。これらのパラメータが容量維持率Qに及ぼす影響(各パラメータと容量維持率Qとの間の相関関係)を事前実験により求めておくことで、上記各パラメータから容量維持率Qの減少量を算出し、現時点での容量維持率Qを算出できる。
なお、バッテリ15の劣化状態を示す指標として、バッテリ15の容量維持率Qに代えてまたは加えて、バッテリ15の満充電容量C(単位:AhまたはWh)を用いてもよいし、車両1のEV走行距離(単位:km)を用いてもよい。
図4は、バッテリ15の劣化態様の一例を示す図である。図4および後述する図5において、横軸は、バッテリ15の初期状態からの経過時間を表す。横軸を車両1の走行距離に読み替えてもよい。縦軸は、バッテリ15の容量維持率Qを表す。
図4には、ある車両1に搭載されたバッテリ15の容量維持率Qが減少する様子が実線で示されている。しかし、容量維持率Qの減少レート(単位時間当たりの減少量)は、バッテリ15の使用態様に応じて異なり得る。たとえば、点線で示すように、ユーザの運転の仕方によってはバッテリ15の大電流での充放電が行われ、容量維持率Qの減少レートが速くなる。あるいは、車両1が置かれた環境が高温であるほど容量維持率Qの減少レートが速くなる。
バッテリ15の劣化が進行するほど、バッテリ15の所有者であるレンタル会社にとってのバッテリ15の経済的な価値が低くなる。図1にて説明したように、バッテリ15は、ある程度劣化しても、回収して再利用(リビルド)することが可能である。しかし、過度に劣化したバッテリ15は資源リサイクルに回さざるを得ない。よって、バッテリ15の過度の劣化を抑制することで、バッテリの経済的価値を維持するとともに、再利用可能なバッテリ15の回収量を増加させることが望ましい。その一方で、一般的なカーリースでは、車両のリース契約で定められた期間(それに加えてまたは代えて車両の最大走行距離)に応じてリース料金が決まるので、ユーザがバッテリの劣化の進行を抑制する動機付け(インセンティブ)が弱いと言える。
そこで、本実施の形態においては、ユーザがリース会社に支払うリース料金(本開示における「貸出料金」に相当)に応じた分だけバッテリ15の容量維持率Qの減少が許容される。そして、車両1の使用に伴い減少した容量維持率Qが、リース料金に応じて許容される範囲の下限値に達すると、ユーザが追加のリース料金を支払わない限り、容量維持率Qのそれ以上の減少を防止すべくバッテリ15の充放電が禁止される。つまり、車両1が走行不能となる。したがって、ユーザは、リース料金の支払いを低減すべく、容量維持率Qの減少レートをできるだけ緩やかにしようとするため、バッテリ15の劣化が抑制される。その結果、バッテリ15の過度の劣化を抑制し、バッテリ15の経済的価値を維持するとともに、再利用可能なバッテリ15の回収量を増加させることができる。
<車両の使用許可および使用停止>
図5は、実施の形態1におけるバッテリ15のリース態様を説明するための図である。図5A〜図5Dには、バッテリ15の容量維持率Qが減少する典型的な様子を表す予想曲線Lpreが1点鎖線で示されている。この例では、車両1に搭載されるバッテリ15が新品であり、開始時刻t0におけるバッテリ15の容量維持率Qが100%である例について説明する。ただし、バッテリ15は中古品(すなわち開始時刻t0における容量維持率Qが100%未満)であってもよい。
図5Aを参照して、まず、ユーザとリース会社との間でリース契約が締結される。このリース契約に従ってユーザが初期リース料金を支払うと(あるいは支払いに同意すると)、車両1の使用開始が許可される。この例では、容量維持率Qが100%から95%まで減少する期間、ユーザが車両1を使用可能となる。
車両1の使用に伴い、バッテリ15の容量維持率Qが減少する。図5Bに示す例では、実際の容量維持率Q(Lactを付して実線で示す)が予想曲線Lpreに従って減少し、時刻t1においてQ=95%に達する。そうすると、車両1のユーザに対して、容量維持率Qが95%から90%まで減少する期間のリース料金を支払うかどうかの問合せが行われる。ユーザがリース料金を支払うと、容量維持率Qが95%から90%まで減少する期間、ユーザが車両1を使用可能となる。
続いて図5Cを参照して、この例では時刻t1以降の容量維持率Qの減少レートが予想曲線Lpreに従う容量維持率Qの減少レートよりも速く、時刻t2においてQ=90%に達する。そうすると、ユーザに対して、次の期間(容量維持率Qが90%から85%まで減少する期間)のリース料金を支払うかどうかの問合せが再び行われる。ユーザがリース料金を支払うと、この期間もユーザが車両1を使用可能となる。
最後に図5Dを参照して、時刻t2以降は容量維持率Qの減少レートが予想曲線Lpreに従う容量維持率Qの減少レートよりも緩やかであり、時刻t3においてQ=85%に達する。ここでも同様に、ユーザに対して次の期間(容量維持率Qが85%から80%まで減少する期間)のリース料金を支払うかどうかの問合せが行われる。この例では、ユーザはリース料金を支払わない。その結果、車両1は走行不能となり、ユーザが車両1を使用することができなくなる。
このように、本実施の形態においては、容量維持率Qが予め定められた規定量(図5の例では5%)だけ減少する期間(以下、「劣化期間」とも呼ぶ)のリース料金をユーザが前もって支払うと、ユーザは、その劣化期間、車両1を使用できる。その一方で、ユーザがリース料金を支払わない場合には、ユーザは、車両1を使用することができなくなる。この場合には、車両1は、バッテリ15の所有権を有するリース会社に返却される。リース会社は、車両1の返却に伴い、バッテリ15を回収できる。そして、リース会社は、回収されたバッテリ15の劣化の進行度合いに応じて、そのバッテリ15を再利用するかどうかを判断できる。
なお、図5では、ユーザがリース料金を支払う度に容量維持率Qの5%減少が許容される例を説明した。しかし、5%との数値は例示に過ぎず、適宜設定され得る。また、容量維持率Qの減少量が一定値であることは必須ではなく、劣化期間毎に容量維持率Qの減少量を異なる値に設定してもよいし、ユーザが容量維持率Qの減少量を選択できるようにしてもよい。
<リース料金体系>
リース料金Fの料金体系として、以下に説明するように複数の体系(プラン)を導入できる。本実施の形態では、一例として、料金プランAおよび料金プランBが導入される。
図6は、料金プランAを説明するための図である。図6および後述する図8において、横軸は経過時間を表す。左側の縦軸は、バッテリ15の容量維持率Qを表す。右側の縦軸は、バッテリ15のリース料金Fを表す。
図7は、料金プランAにおけるバッテリ15の容量維持率Qとリース料金Fとの関係を示す図である。図7ならびに後述する図9、図14および図15において、横軸は、バッテリ15の容量維持率Qを表す。縦軸は、バッテリ15のリース料金Fを表す。
図6および図7に示すように、料金プランAでは、容量維持率Qに拘わらずリース料金Fが定額である。これに対し、料金プランBにおいては、容量維持率Qが規定量減少する期間(劣化期間)におけるリース料金Fが容量維持率Qに応じた値に決定される。
図8は、料金プランBを説明するための図である。図9は、料金プランBにおけるバッテリ15の容量維持率Qとリース料金Fとの関係を示す図である。
図8および図9を参照して、料金プランBでは、バッテリ15の容量維持率Qが減少するに従ってリース料金Fが低額になる。より詳細には、容量維持率Qが100%から95%までの期間のリース料金FはWに設定される。容量維持率Qが95%から90%までの期間のリース料金Fは、Wよりも低いXに設定される(W>X)。容量維持率Qが90%から85%までの期間のリース料金Fは、Xよりもさらに低いYに設定される(W>X>Y)。容量維持率Qが85%を下回ってからのリース料金Fは、最も低いZに設定される(W>X>Y>Z)。
バッテリ15の容量維持率Qが低くなるほど、車両1のEV走行距離が短くなるので、バッテリ15の価値が低くなる。したがって、料金プランBのように容量維持率Qが減少するに従ってリース料金Fも低く設定することで、リース料金Fに関するユーザの納得感を高めることができる。
なお、本実施の形態のように2つの料金プランA,Bを準備することは必須ではなく、料金プランAのみを準備してもよいし、料金プランBのみを準備してもよい。
<電池リースフロー>
図10は、実施の形態1における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。図10および後述する図13では、図中左側に車両1のECU10により実行される一連の処理を示し、図中右側に課金サーバ2のアプリケーションサーバ20により実行される一連の処理を示す。なお、以下では簡単のため、ECU10により実行されるステップの実行主体を車両1と記載し、アプリケーションサーバ20により実行されるステップの実行主体を課金サーバ2と記載する場合がある。各ステップは、車両1(ECU10)または課金サーバ2(アプリケーションサーバ20)によるソフトウェア処理によって実現されるが、車両1または課金サーバ2内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
図2、図3および図10を参照して、図中左側に示す車両1による一連の処理は、たとえば所定条件が成立した場合(たとえば、車両1のユーザがタッチパネル付きモニタ等であるユーザインタフェイス17を用いて車両1のリースを希望する旨の操作を行った場合)に実行される。図中右側に示す課金サーバ2による一連の処理は、たとえば所定の制御周期が経過する毎に定期的に実行される。
まず、車両1と課金サーバ2とは、必要な情報を相互に通信することによって、車両1のリース契約を締結するための処理を実行する(S101,S201)。より具体的には、課金サーバ2では前述のように、電池情報が電池情報データベース21に格納されているとともに、リース契約情報がリース契約情報データベース22に格納されている。
図11は、電池情報のデータ構造の一例を示す概念図である。図11を参照して、電池情報は、たとえば、バッテリ15を識別するための識別番号(電池ID)と、バッテリ15の仕様(たとえば、バッテリ15のメーカ、型番、直列/並列の接続数および接続関係、最高許容電圧、最高許容電流および使用温度範囲など)に関する情報(電池仕様)と、バッテリ15の容量維持率Qに関する情報とを含む。容量維持率Qに関する情報は、車両1(バッテリ15が中古品である場合には以前にバッテリ15が搭載されていた車両)の外部充電時等に受信した情報に基づいて適宜更新されている。
図12は、リース契約情報のデータ構造の一例を示す概念図である。図12を参照して、リース契約情報は、たとえば、車両1を識別するための識別番号(車両ID)と、電池IDと、リース契約の開始日に関する情報と、リース契約の満了日に関する情報と、リース契約の料金体系に関する情報と、ユーザの支払い情報とを含む。料金体系に関する情報とは、容量維持率Qとリース料金Fとの関係を規定した情報であり、具体的には料金プランAや料金プランBなどの情報である。ユーザの支払い情報とは、車両1のリース料金を支払うためのユーザの銀行口座やクレジットカードなどの登録情報である。
ユーザは、自身が希望する契約開始日および契約満了日を入力するとともに、希望する料金体系(料金プラン)を選択する。また、ユーザは、自身の支払い情報を登録する。そうすると、車両1は、車両IDおよび電池IDとともに、ユーザにより入力された上記の各情報を課金サーバ2に送信する。課金サーバ2は、車両1からの情報に基づき、新規のユーザに関してはリース契約情報を登録する。あるいは、課金サーバ2は、既に登録済みのユーザに関してはリース契約情報を更新する。
図10に戻り、S102において、ユーザは、ユーザインタフェイス17に対して、初期リース料金(容量維持率Q=100%から95%まで減少する劣化期間におけるリース料金)の支払いに同意するか否かの操作を行う。そうすると、車両1は、ユーザが初期リース料金の支払いに同意しているかどうかをユーザインタフェイス17の操作結果に基づいて判定する。なお、S102(および後述するS108)では、ユーザインタフェイス17に代えてスマートホン3に対するユーザ操作が行われてもよい。
ユーザが初期リース料金の支払いに同意していない場合(S102においてNO)には、車両1は、処理をS111に進める。S111では、車両1の使用開始が許可されておらず、車両1は走行不能である。たとえば車両1のイグニッションオン(IG−ON)操作を行うことができず、それによりバッテリ15の充放電が禁止される。
ユーザが初期リース料金の支払いに同意すると(S102においてYES)、車両1は、車両1の使用を開始するための認証(本開示における「通知」に相当)を課金サーバ2に要求する(S103)。この認証には、電子認証(デジタル認証)の分野における公知の技術を用いることができる。課金サーバ2は、車両1から要求を受けると、ユーザに車両1の使用許可を与えてよいかどうかを確認する。たとえば、課金サーバ2は、リース契約情報を参照し、ユーザに支払い能力があるかどうかをリース契約情報(ユーザの登録口座やクレジットカード等の情報)に基づき確認する。そして、ユーザに車両1の使用許可を与えてよいと判断すると、課金サーバ2は、車両1の使用開始を許可する認証を車両1に送信する(S202)。車両1は、課金サーバ2から認証を受けると使用可能となる(S104)。具体的には、車両1のIG−ON操作が可能となってバッテリ15の充放電が許可され、車両1が走行可能となる。
その後、車両1の使用に伴い、バッテリ15の容量維持率Qが次第に減少していく。車両1は、バッテリ15の容量維持率Qを算出し(S105)、算出された容量維持率Qが規定量だけ減少したかどうかを判定する(S106)。この規定量は図5に示した例では5%に設定され、最初の劣化期間には容量維持率Qが100%から95%まで減少したかどうかが判定される。容量維持率Qが規定量だけ減少していない場合(S106においてNO)には、車両1は処理をS105に戻す。これにより、S105,S106の処理が繰り返し実行される。
容量維持率Qが規定量だけ減少すると(S106においてYES)、車両1は、容量維持率Qが規定量だけ減少する次の劣化期間(たとえばQ=95%から90%まで低下する期間)におけるリース料金を課金サーバ2に問い合わせる(S107)。課金サーバ2は、車両1からの問合せに応答して、次の劣化期間におけるリース料金をユーザと契約した料金プラン(料金プランAまたはB)に応じて算出し、その算出結果を車両1に返す(S203)。このリース料金の算出手法については図6〜図9にて詳細に説明したため、ここでの説明は繰り返さない。車両1は、課金サーバ2から受けたリース料金をユーザに提示し、ユーザが当該リース料金の支払いに同意しているかどうかを判定する(S108)。
ユーザがリース料金の支払いに同意すると(S108においてYES)、車両1は、次の劣化期間においても車両1の使用を継続するための認証を課金サーバ2に要求する(S109)。課金サーバ2は、車両1からの要求を受けると、S202の処理と同様の処理を実行する。すなわち、課金サーバ2は、ユーザに支払い能力があるかどうかに基づいて、ユーザに車両1の使用許可を与えてよいかどうかを判断する。
課金サーバ2は、ユーザに車両1の使用許可を与えてよいと判断すると、ユーザが車両1の使用を継続するための認証を車両1に送信する(S204)。車両1は、課金サーバ2からの認証を受けると(S110においてYES)、処理をS104に戻す。これにより、ユーザが車両1を継続して使用することが可能となる。その後、S104〜S110の処理が繰り返し実行される。
これに対し、ユーザがリース料金の支払いに同意していない場合(S108においてNO)には、車両1は、処理をS111に進める。S111では車両1の使用許可が打ち切られ、車両1を走行させることができなくなる。その結果、車両1がリース会社に返却されることとなる。
ただし、車両1が突如走行不能になると、ユーザが車両1をリース会社に返却することができなくなる可能性がある。そのため、車両1は、ユーザがリース料金の支払いに同意していない場合であっても、車両1を走行不能とするまでに一定の猶予をユーザに与えてもよい。たとえば、ユーザが次の劣化期間のリース料金の支払いに同意しない操作を行ってから車両1を所定期間(たとえば数日間)は走行可能としたり所定距離(たとえば数十キロ〜数百キロ)は走行可能としたりすることができる。
以上のように、実施の形態1においては、バッテリ15の容量維持率Qが規定量減少する度に、リース料金Fを支払って次の劣化期間にも車両1の使用を継続するかどうかをユーザが選択する。このようにすることで、容量維持率Qの減少に伴い金銭的な負担がユーザに生じるため、ユーザは、容量維持率Qができるだけ減少しないように車両1の使用態様に留意するようになる。たとえば、ユーザは、バッテリ15の大電流での充放電を避けるように車両1を運転したり、高温環境下でのバッテリ15の劣化の進行を抑制するように車両1を保管したりする。これにより、バッテリ15の過度の劣化を抑制できる。
[変形例]
実施の形態1では、バッテリ15の容量維持率Qが規定量減少した場合に、車両1から課金サーバ2に対して次の劣化期間におけるリース料金を問い合わせる例を説明した。変形例では、容量維持率Qが規定量減少したかどうかを課金サーバ2側で管理する例について説明する。
図13は、実施の形態1の変形例における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。図13を参照して、S301〜S304,S401,S402の処理は、実施の形態1におけるS101〜S104,S201,S202の処理(図10参照)とそれぞれ同様であるため、説明は繰り返さない。
使用開始が許可された車両1は、S305においてバッテリ15の容量維持率Qを算出(決定)し、その算出結果を課金サーバ2に送信する。そうすると、課金サーバ2は、容量維持率Qが規定量減少したかどうかを判定する(S403)。車両1は、容量維持率Qをたとえば定期的に課金サーバ2に送信し、課金サーバ2は、容量維持率Qが規定量減少するまで待機する(S403においてNO)。
容量維持率Qが規定量減少すると(S403においてYES)、課金サーバ2は、次の劣化期間におけるリース料金を車両1に送信する(S404)。この処理は、実施の形態1におけるS203の処理と同様である。
なお、課金サーバ2から車両1に対して、バッテリ15の容量維持率Qが規定量だけ実際に減少するのを待たずに、次の劣化期間におけるリース料金に関する情報を提供してもよい。より詳細には、課金サーバ2は、車両1に搭載されたバッテリ15の過去の容量維持率Qの減少レートから将来の容量維持率Qの減少レートを予測することが可能である。したがって、課金サーバ2は、容量維持率Qの実測値が規定量減少するのに先立ち(たとえば容量維持率Qが規定量減少することが予測される時点よりも所定期間だけ前に)、次の劣化期間におけるリース料金を車両1に送信してもよい。これにより、ユーザは、車両1の使用を継続するかどうかを判断するための時間的な猶予を得ることができる。
S306においてユーザがリース料金の支払いに同意すると(S306においてYES)、車両1は、次の劣化期間においても車両1の使用を継続するための認証を課金サーバ2に要求する(S307)。以降のS308,S309,S405の処理も実施の形態1におけるS110,S111,S204の処理と同様である。
以上のように、実施の形態1の変形例においては、バッテリ15の容量維持率Qが規定量減少したかどうかの判断が課金サーバ2により行われる。実施の形態1の変形例においても実施の形態1と同様に、バッテリ15の過度の劣化を抑制できる。
[実施の形態2]
図8および図9では、バッテリ15の容量維持率Qが減少するに従ってリース料金Fも低額になる料金プランBを説明した。料金プランBによれば、バッテリ15の劣化に伴い車両1のEV走行距離が短くなることがリース料金Fに反映されるので、リース料金Fに関するユーザの納得感を高めることができる。一方で、バッテリ15の過度の劣化を防止する観点からは他の料金体系を採用することも可能である。実施の形態2においては、料金プランA,Bに加えて(あるいは代えて)、料金プランC,Dがさらに導入される。
なお、実施の形態2における電池リースに関する処理を示すフローチャートは、実施の形態1またはその変形例におけるフローチャート(図10または図13参照)と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図14は、料金プランCにおけるバッテリ15の容量維持率Qとリース料金Fとの関係を示す図である。図14を参照して、料金プランCでは、バッテリ15の劣化初期においては料金プランBと同様に、バッテリ15の容量維持率Qが減少するに従ってリース料金Fが低額になる。より詳細には、容量維持率Qが100%から95%までの期間のリース料金FはWに設定される。容量維持率Qが95%から90%までの期間のリース料金Fは、Wよりも低いXに設定される。容量維持率Qが90%から85%までの期間のリース料金Fは、Xよりもさらに低いYに設定される。容量維持率Qが85%から80%までの期間のリース料金Fは、最も低いZに設定される。
図9にて説明したように、料金プランBでは、容量維持率Qが80%を下回ってからもリース料金Fが最低額Zに設定される。これに対し、料金プランCにおいては、容量維持率Qが80%を下回ってからのリース料金Fが最低額Zよりも高く設定され、図14に示す例ではYに設定される。
このように、バッテリ15の容量維持率Qの減少が進み、車両1のEV走行距離が短くなっているにも拘わらずリース料金Fを高く設定することは、ユーザにとっては、価値が低下したバッテリ15に対して、その価値に見合う金額よりも高い料金を支払っていることになる。よって、車両1の使用を停止し(車両1のリースを中止し)、車両1をリース会社に返却する動機付けがユーザに生じる。これにより、リース会社は、過度に劣化が進行する前にバッテリ15を回収し、回収したバッテリ15を再利用するかどうかを判断することが可能になる。
図15は、料金プランDにおけるバッテリ15の容量維持率Qとリース料金Fとの関係を示す図である。図15を参照して、料金プランDでは、容量維持率Qが80%を下回って以降、容量維持率Qが減少するに従ってリース料金Fが高額になる。より詳細には、容量維持率Qが80%から75%までの期間のリース料金FはYに設定される。容量維持率Qが75%から70%までの期間のリース料金Fは、Xに設定される。容量維持率Qが70%を下回ると、リース料金Fが最も高いWに設定される。
料金プランDによれば、バッテリ15の劣化が進むほど、バッテリ15の価値に見合う金額に対するリース料金Fが相対的に高くなる(言い換えると、リース料金Fが割高になる)。よって、ユーザにとっては、バッテリ15の劣化が進むほど、車両1のリースを中止して車両1をリース会社に返却する動機付けが大きくなる。これにより、リース会社は、過度に劣化が進行する前に回収されるバッテリの数量(回収量)を一層増加させることができる。
以上のように、実施の形態2によれば、バッテリ15の容量維持率Qが5%減少する度に、次の劣化期間における金銭的負担が生じるため、ユーザは、容量維持率Qができるだけ減少しないように車両1を使用するようになる。これにより、バッテリ15の過度の劣化を抑制できる。
さらに、実施の形態2においては、バッテリ15の容量維持率Qの減少が所定値(図14および図15の例では80%)を超えると、容量維持率Qが所定値である場合と比べて、リース料金Fが高く設定される。このように、バッテリ15の価値とリース料金Fとの間の乖離を意図的に生じさせることで、ユーザが車両1をリース会社に返却する動機付けが生じる。したがって、バッテリ15の回収量を増加させる(バッテリ15の回収率を向上させる)ことができる。
[実施の形態3]
実施の形態3においては、課金サーバ2から車両1(ユーザ)に対して、バッテリ15のリース終了に関する情報を提供したり、車両1のEV距離を増加させるための情報を提供したりする構成について説明する。
図16は、実施の形態3における電池リースに関する処理を示すフローチャートである。図16を参照して、このフローチャートは、S603の情報提供処理をさらに含む点において、実施の形態1におけるフローチャート(図10参照)と異なる。それ以外の処理は、実施の形態1における対応する処理と同様であるため、説明は繰り返さない。
S505において、車両1は、バッテリ15の容量維持率Qを算出し、その算出結果を課金サーバ2に送信する。課金サーバ2は、この例では車両1からの容量維持率Qに関する情報の受信をトリガとして、情報提供処理を実行する。課金サーバ2は、情報提供処理の結果、得られた情報を車両1に送信する(S603)。情報提供処理の詳細については図17にて説明する。
なお、情報提供処理の実行タイミングは、容量維持率Qの受信時に限られない。情報提供処理は、たとえば予め定められた期間が経過する毎(毎日、1週間毎、1ヶ月毎、半年毎など)に実行されてもよい。情報提供処理により得られた情報の送信先は、車両1に限られず、ユーザのスマートホン3であってよい。また、ユーザが自宅等でPC(Personal Computer)を用いて閲覧可能なウェブサービスによって上記情報をユーザに提供してもよい。
図17は、情報提供処理の一例を示すフローチャートである。図示しないが、バッテリ15のSOCに関する情報が車両1から課金サーバ2に定期的に送信されている。
図17を参照して、S701において、課金サーバ2は、車両1の使用許可が終了する(バッテリ15のリースが終了する)までに車両1が走行可能な距離を予測する。以下、この距離を「残り走行距離」とも称する。車両1の残り走行距離は、たとえば以下のように予測できる。
課金サーバ2は、バッテリ15の容量維持率Qが減少する典型的な様子を表す予想曲線Lpre(図5参照)を予めメモリ202に有している。課金サーバ2は、車両1から受けた実際の容量維持率Qに基づいて予想曲線Lpreを補正する。たとえば、ある時刻での実際の容量維持率Qが同時刻での予想曲線Lpre上の容量維持率Qよりも低い場合、課金サーバ2は、予想曲線Lpreを下方に(今後の容量維持率Qの減少レートが大きくなる方向に)補正する。逆に、同じ時刻で比較した場合に実際の容量維持率Qが予想曲線Lpre上の容量維持率Qよりも高い場合、課金サーバ2は、予想曲線Lpreを上方に(今後の容量維持率Qの減少レートが小さくなる方向に)補正する。そして、課金サーバ2は、補正後の予想曲線Lpreに基づいて、容量維持率Qが規定量だけ減少する時期を予測する。そうすると、課金サーバ2は、容量維持率Qが規定量だけ減少する時期(何日後など)と、車両1の1日当たりの走行距離の実績値とに基づき、車両1の残り走行距離を予測できる。課金サーバ2は、予測した残り走行距離を車両1に送信する。
S702〜S707の処理は、バッテリ15の推奨充電頻度に関するアドバイスを車両1に提供するための処理である。S702において、課金サーバ2は、車両1のEV走行距離に対する、車両1の1日当たりの走行距離の実績値の比率R1を算出する。
車両1のEV走行距離とは、バッテリ15に蓄えられた電力を用いて(もし、車両1がエンジンを備える場合にはエンジンを動作させずに)車両1が走行可能な距離である。車両1のEV走行距離としては、バッテリ15の容量および車両1の電費に基づく仕様値(カタログ値)を用いてもよいし、車両1において計測された実績値を用いてもよい。車両1の1日当たりの走行距離の実績値としては、たとえば、過去の1日当たりの走行距離の平均値を用いることができる。あるいは、曜日や外気温などの条件が類似している過去の1日当たりの走行距離を用いてもよい。
課金サーバ2は、算出した比率R1を1未満の2つの判定値(この例では1/3および1/2)と比較する。比率R1が1未満である場合、車両1の1日当たりの走行距離の実績値が車両1のEV走行距離よりも短い。そのため、車両1の全ての走行をEV走行によって賄うことが可能であり得る。そして、全ての走行をEV走行によって行ってもなお、バッテリ15に蓄えられた電力に余裕がある可能性がある。
一般に、バッテリは、SOCが基準値(たとえば80%)よりも高い状態で放置された時間が長いと、その分だけ劣化が進行しやすい。よって、バッテリ15の劣化を抑制するためには、バッテリ15の充電頻度を過度に高くしないことが望ましい。バッテリ15の蓄電電力に余裕がある場合には、バッテリ15の充電を敢えて非実施とすることで、バッテリ15が高SOC状態となるのを避けることができるためである。
比率R1が(1/3)未満である場合(S703においてYES)、課金サーバ2は、処理をS705に進める。S705において、課金サーバ2は、ユーザによる車両1の典型的な使い方であれば、3日に1回程度の充電頻度とすればよい旨の情報を車両1に提供する。
また、比率R1が(1/3)以上かつ(1/2)未満である場合(S704においてYES)、課金サーバ2は、処理をS706に進める。S706において、課金サーバ2は、ユーザによる車両1の典型的な使い方であれば、2日に1回程度の充電頻度とすればよい旨の情報を車両1に提供する。
一方、比率R1が(1/2)以上である場合(S704においてNO)には、課金サーバ2は、推奨する充電頻度の目安となる値を車両1に送信しない。比率R1が(1/2)以上であるなど1に比較的近い場合には毎日充電することで、車両1の走行中にバッテリ15の電力が枯渇する状況を防止できる。
続くS708〜S713の処理は、バッテリ15の推奨充電態様に関するアドバイスを車両1に提供するための処理である。具体的には、課金サーバ2は、バッテリ15の劣化の進行を抑制する観点から、車両1におけるバッテリ15の充電態様としてタイマー充電が好ましいか通常充電が好ましいか(あるいは、それらの充電をどのように組み合わせればよいか)を判断し、その判断結果を車両1に送信する。
なお、タイマー充電とは、ユーザが設定するなどした時間スケジュールに従ってバッテリ15を充電する充電態様である。通常充電とは、車両1に充電ケーブル4が接続されるなどしてバッテリ15が充電可能な状態となると、時間スケジュールに従うことなく(いわば成り行きで)バッテリ15の充電を開始する充電態様である。
前述のように、バッテリ15の劣化を抑制するためには、バッテリ15が高SOC状態で放置される時間をできるだけ短くすることが望ましい。したがって、S708において、課金サーバ2は、バッテリ15の総使用時間に対する高SOC状態での放置時間の比率R2を算出する。バッテリ15の総使用時間の長さは、バッテリ15の製造時(車両1の製造時であってもよい)から現在までの経過時間を計時することにより取得され得る。高SOC状態での放置時間は、バッテリ15が高SOC状態である時間の現在までの累積値を算出することにより算出され得る。課金サーバ2は、算出した比率R2を2つの判定値(この例では20%および40%)と比較する。
比率R2が20%未満である場合(S709においてYES)、課金サーバ2は、処理をS711に進める。S711において、課金サーバ2は、車両1におけるそれまでのバッテリ15の充電態様(タイマー充電および通常充電の使い分け)でバッテリ15の劣化の進行を好適に(高いレベルで)抑制できているとして、現在の充電態様を継続することが望ましい旨の情報を車両1に提供する。
また、比率R2が20%以上かつ40%未満である場合(S710においてYES)、課金サーバ2は、処理をS712に進める。S712においても、課金サーバ2は、車両1における現在の充電態様を継続することが望ましい旨の情報を車両1に提供する。それまでのバッテリ15の充電態様でバッテリ15の劣化の進行をある程度は(平均レベルには)抑制できているためである。
一方、比率R2が40%以上である場合(S710においてNO)には、バッテリ15が高SOC状態で放置される期間が長過ぎ、バッテリ15の劣化が進行しやすい状況にある。したがって、課金サーバ2は、処理をS713に進め、タイマー充電をより活用することが望ましい旨の情報を車両1に提供する。通常充電では、バッテリ15の充電が完了してから次に車両1が走行開始するまでの期間が長くなり得る。この間、バッテリ15が高SOC状態で放置されるので、バッテリ15の劣化が進行しやすい。これに対し、タイマー充電を活用し、車両1が走行開始する直前にバッテリ15の充電が完了するように時間スケジュールを設定すると、タイマー充電を活用しない場合と比べて、バッテリ15が高SOC状態で放置される期間が短くなる。よって、バッテリ15の劣化の進行を抑制できる。S711〜S713のいずれかの処理が終了すると、課金サーバ2は、図16に示したフローチャートに処理を戻す。
以上のように、実施の形態3においては、課金サーバ2からユーザに、バッテリ15のリース終了までの車両1の残り走行距離に関する情報(本開示に係る「第1の情報」に相当)が提供されたり、バッテリ15の劣化を抑制するための推奨充電頻度または推奨充電態様に関する情報(本開示に係る「第2の情報」に相当)が提供されたりする。ここでは3種類の情報を提供する例について説明したが、いずれか1種類または2種類の情報のみを提供してもよい。また、実施の形態2にて説明したフローチャート(図13参照)において上記3種類の情報のうちの少なくとも1つを提供してもよい。
実施の形態3に係る電池リースシステムでは、ユーザが前払いしたリース料金に相当する分だけバッテリ15の劣化が進行すると、ユーザは車両1を使用することができなくなる。しかし、バッテリ15の劣化がどの程度進行しているかをユーザ自身で把握することは難しい。そのため、ユーザが車両1を使用できる残り走行距離が不明であるとユーザが不満を抱く可能性がある。そこで、車両1の残り走行距離に関する情報を前もってユーザに案内することで、車両1が急に使用不可となる、ユーザにとって、いわば不意打ちの状況を防止できる。これにより、ユーザの満足度を向上させることができる。
また、推奨充電頻度または推奨充電態様に関する情報をユーザに提供することで、ユーザは、バッテリ15の充電頻度を不必要に高くしないようにしたり、バッテリ15の充電にタイマー充電を活用したりすることができる。これによりバッテリ15の劣化の進行を抑制できるので、前払いしたリース料金で走行可能な距離(残り走行距離)を増加させることができる。その結果、ユーザの満足度を向上させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 ECU、101,201 CPU、102,202 メモリ、103,203 入出力ポート、11 モータジェネレータ、121 動力伝達ギヤ、122 駆動輪、13 PCU、14 SMR、15 バッテリ、151 監視ユニット、161 インレット、162 AC/DCコンバータ、163 充電リレー、17 ユーザインタフェイス、18 DCM、19 車載ネットワーク、2 課金サーバ、20 アプリケーションサーバ、21 電池情報データベース、22 リース契約情報データベース、23 通信モジュール、24 サーバ内ネットワーク、3 スマートホン、4 充電ケーブル、5 充電器、9 再利用サーバ、100 電池リースシステム、7,71,73 車両、710〜730 バッテリ、81 回収業者、82 検査業者、83 性能回復業者、84 製造業者、85 販売店、86 リサイクル業者。

Claims (12)

  1. バッテリをユーザに貸し出す電池貸出システムであって、
    前記バッテリが走行用に搭載される車両と、
    前記バッテリの貸出に対して前記ユーザが支払う貸出料金を管理するサーバとを備え、
    前記車両は、前記ユーザが前記貸出料金を支払う場合に、前記バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ前記車両の走行を許可する、電池貸出システム。
  2. 車両であって、
    前記車両の走行用のバッテリと、
    前記バッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を管理するサーバと通信するように構成された通信機と、
    前記ユーザが前記貸出料金を支払う場合に、前記バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ前記車両の走行を許可する制御装置とを備える、車両。
  3. 前記制御装置は、前記ユーザが前記貸出料金を支払わない場合には、前記車両の走行を禁止する、請求項2に記載の車両。
  4. 車両に搭載される走行用のバッテリの貸出に対してユーザが支払う貸出料金を管理するサーバであって、
    前記車両と通信するように構成された通信装置と、
    前記ユーザが前記貸出料金を支払う場合に、前記バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ前記車両の走行を許可するための通知を前記車両に行うように構成された演算装置とを備える、サーバ。
  5. 前記演算装置は、前記指標と前記貸出料金とを紐付けて管理し、前記指標に応じて前記貸出料金を決定する、請求項4に記載のサーバ。
  6. 前記演算装置は、前記バッテリの劣化が進行していることを前記指標が示すほど、前記指標が前記規定量変化する間の前記貸出料金を低くする、請求項5に記載のサーバ。
  7. 前記演算装置は、前記バッテリの劣化の進行に伴い前記指標が所定値を超えると、前記指標が前記所定値である場合と比べて、前記指標が前記規定量変化する間の前記貸出料金を高くする、請求項6に記載のサーバ。
  8. 前記演算装置は、前記車両の走行許可が終了するまでに前記車両が走行可能な距離に関する第1の情報を前記ユーザに提供する、請求項4〜7のいずれか1項に記載のサーバ。
  9. 前記演算装置は、前記ユーザによる前記バッテリの使用状況に基づいて定められる、前記バッテリに蓄えられた電力を用いて前記車両が走行可能なEV(Electric Vehicle)走行距離を増加させるための第2の情報を前記ユーザに提供する、請求項4〜8のいずれか1項に記載のサーバ。
  10. 前記第2の情報は、前記車両の1日当たりの走行距離と前記EV走行距離とに基づいて定められる、前記バッテリの推奨充電頻度に関する情報である、請求項9に記載のサーバ。
  11. 前記第2の情報は、前記バッテリのSOCが基準値よりも高い状態で前記バッテリが放置された時間に基づいて定められる、時間スケジュールに従って実行されるタイマー充電を含む前記バッテリの推奨充電態様に関する情報である、請求項9に記載のサーバ。
  12. 車両に搭載される走行用のバッテリをユーザに貸し出す電池貸出方法であって、
    前記バッテリの貸出に対して前記ユーザが支払う貸出料金を決定するステップと、
    前記ユーザが前記貸出料金を支払う場合に、前記バッテリの劣化の進行の度合いを示す指標が規定量変化する間だけ前記車両の走行を許可するステップとを含む、電池貸出方法。
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