以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[駅務システム100]
図1は、本発明の実施形態に係る自動改札機1を含む駅務システム100を示すネットワーク図である。図1に示すように、駅務システム100は、自動改札機1、駅サーバ2、センタ装置3、及び、利用者端末4(本発明の携帯端末の一例)によって構成される。図1では、二つの駅8(8A,8B)を示しており、その他の駅についての図示を省略している。各駅8には、複数の自動改札機1、駅サーバ2、券売機7(図11参照)、精算機(不図示)、及び、駅員が使用する駅員端末(不図示)等の駅務機器が設置されている。これら駅務機器は、LAN等のネットワークN1を介して駅サーバ2に通信可能に接続されている。また、各駅8の駅サーバ2は、専用回線、公衆回線等のネットワークN2を介して、鉄道事業者(鉄道会社)が管理するサーバ装置であるセンタ装置3に通信可能に接続されている。
自動改札機1は、駅8の改札口に設置されている。図2に示すように、自動改札機1は、間に改札通路6を形成するように入場用の自動改札機1A及び出場用の自動改札機1Bを対面させてセットで用いられる場合がある。一方の自動改札機1Aは、入場時の進行方向(矢印D10の方向)に沿って前記改札口から改札内に入場する利用者に対して改札処理(入場改札処理)を行う入場用自動改札機としての役割を担う。他方の自動改札機1Bは、出場時の進行方向(矢印D11の方向)に沿って前記改札口から前記改札口の外側の改札外へ出場する利用者に対して改札処理(出場改札処理)を行う出場用自動改札機としての役割を担う。
なお、自動改札機1は、自動改札機1A又は自動改札機1Bが単体として用いられて、一方向に通行する利用者に対して改札処理を行うものであってもよい。この場合、自動改札機1は、後述するQRコード読取部17(図2参照)が改札外側に配置されるように設置された場合に、入場用自動改札機として用いられる。また、自動改札機1は、QRコード読取部17が改札内側に配置されるように設置された場合に、出場用自動改札機として用いられる。
また、本実施形態に係る自動改札機1は、本発明の情報コード読取装置を備える。自動改札機1は、本発明のコード読取装置が適用される機器の一例である。例えば、本発明の情報コード読取装置は、駅務機器のうち券売機7(図11参照)に適用されてもよい。
以下、駅務システム100を構成する自動改札機1、駅サーバ2、センタ装置3、及び利用者端末4の具体的な構成について説明する。
[自動改札機1]
図2は、自動改札機1の外観を示す斜視図であり、図3は、自動改札機1の構成を示すブロック図である。自動改札機1は、駅8の改札口に設置されるものであり、前記改札口を通る利用者に対して改札処理を行う。自動改札機1は、図2に示すように、互いに対向するように設置された自動改札機1A及び自動改札機1Bを備える。本実施形態では、自動改札機1は、改札通路6(図2参照)を通行しようとする利用者が所有する利用者端末4から二次元コードであるQRコード55(図5参照)を乗車券として取得する。以下、乗車券としてのQRコードをQR乗車券55と称する。QR乗車券55は、本発明の情報コードの一例である。自動改札機1は、取得したQR乗車券55が有効であると判定した場合に、QR乗車券55に含まれる乗車券情報に基づく改札処理を行い、取得したQR乗車券55が無効であると判定した場合は、ゲート15を閉鎖して、改札通路6における利用者の通行を禁止する。
ここで、QR乗車券55は、乗車券情報が記録された二値のドットパターンからなる二次元コードであるQRコードであり、乗車券として鉄道事業者から発行されたものである。具体的には、鉄道を利用する利用者の利用者端末4にインストールされた従来周知の乗車券発行アプリケーションにより、利用者端末4が、利用者の識別情報(利用者ID)とともに乗車券の発行要求を鉄道事業者が管理するセンタ装置3に送信する。センタ装置3は、発光要求を取得すると要求内容に応じたQR乗車券55を発行する。前記乗車券情報は、QRコードの識別情報(QRコードID)、利用者を示す利用者ID、乗車駅を示す駅名コード(入場駅ID)、降車駅を示す駅名コード(出場駅ID)、QR乗車券55を発行した発行日付及び発行時刻、QR乗車券55の発行券種、乗車駅から降車駅までの運賃(金額)、QR乗車券55の発行番号などを含む。なお、本実施形態では、本発明の情報コードの一例としてQRコードを例示するが、自動改札機1において利用可能な乗車券が、バーコードなどの一次元コード、QRコード以外の二次元コード、又はその他の情報コードによって実現されていてもよい。
図2及び図3に示すように、自動改札機1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、通信部14と、ゲート15と、ICカード読取部16(図2参照)と、QRコード読取部17と、近接センサ18とを備えており、これらが自動改札機1の筐体10(図2参照)に設けられている。
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。記憶部12には、自動改札機1で実行される後述の情報コード読取処理などの各種処理を制御部11に実行させるための制御プログラム、前記各種処理に用いられる各種のデータが記憶されている。また、記憶部12には、駅サーバ2から自動改札機1に送信される券発行情報が記憶されている。この券発行情報は、入場改札処理時及び出場改札処理時に利用者が提示したQR乗車券55の乗車券情報を照合するために用いられる情報であり、センタ装置3から駅サーバ2を介して自動改札機1に送信される。
表示部13は、制御部11からの指示に従って、改札通路6を通行する利用者に対してメッセージなどの情報を表示する。表示部13は、例えば、液晶パネルを備えている。図2に示すように、表示部13は、自動改札機1の筐体10の上面に配置されている。詳細には、表示部13は、筐体10の上面において、改札通路6(図2参照)における利用者の進行方向(矢印D10又は矢印D11の方向)の前方側に配置されている。本実施形態では、表示部13は、入場又は出場に用いられるゲート15と概ね同じ位置か、又は、ゲート15よりも前記進行方向の前方側に配置されている。利用者の通行が許可される場合、表示部13には、利用者に通行可能であることを示すメッセージが表示される。また、利用者の通行が許可されない場合、表示部13には、利用者に通行不可(禁止)であることを示すメッセージが表示される。また、QR乗車券55の読取処理が適切に行われなかった場合には、表示部13に、読取エラーを示すメッセージ、又は、再度の読取操作を促すメッセージが表示されてもよい。また、自動改札機1が出場用として用いられる場合には、表示部13に、例えば、運賃が不足していることを示すメッセージが表示されてもよい。
通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークに接続し、ネットワークを介して外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。例えば、通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して駅サーバ2との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。また通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークN2に接続し、ネットワークN2を介してセンタ装置3との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
ゲート15は、自動改札機1の改札通路6において前記進行方向の前方側の出口の付近に設置される。ゲート15は、例えば開閉可能な扉である。ゲート15が開放されると、利用者は自動改札機1の改札通路6を通過することが可能となり、ゲート15が閉鎖されると、利用者は自動改札機1の改札通路6を通過することが不可能となる。なお、ゲート15は、物理的な扉に限られず、例えば、ホログラムを用いた立体画像で現された扉であってもよい。また、ゲート15は、音声により利用者の通過を許可又は禁止する音声ゲートであってもよい。
近接センサ18は、筐体10の上面において、前記出口付近に設けられたゲート15よりも前記進行方向の手前側(自動改札機1の入口側)に設けられている。
QRコード読取部17は、筐体10の上面において、前記出口付近に設けられたゲート15よりも前記進行方向の手前側(自動改札機1の入口側)に設けられている。筐体10の前記進行方向の手前側の端部にはICカード読取部16が設けられており、QRコード読取部17は、ICカード読取部16における読取面上において前記進行方向の前方側に設けられている。また近接センサ18は、筐体10の上面において、QRコード読取部17における読取面に近接して設けられている。例えば、図2に示すように、近接センサ18は、QRコード読取部17における読取面上の前記進行方向の前方側(自動改札機1の出口側)においてQRコード読取部17に近接して設けられている。
近接センサ18は、自動改札機1、特にはQRコード読取部17に接近する検出対象物を検知する。具体的には、近接センサ18は、QRコード読取部17の読取面に接近する利用者端末4を検知する。近接センサ18は、誘導方式、静電容量方式、超音波方式、光電方式、磁気方式など周知の方法により利用者端末4を検出可能である。近接センサ18は、利用者端末4がQRコード読取部17の読取面に翳されたことを検知可能なように、QRコード読取部17における読取面上において前記進行方向の前方側(自動改札機1の出口側)に設けられている(図2参照)。なお、近接センサ18は、QRコード読取部17の内部、例えば読取面の裏側に設けられてもよい。近接センサ18は、検出対象物(利用者端末4)を検知すると検知信号を制御部11に送信する。自動改札機1は、近接センサ18に代えて、距離センサを備えてもよい。
QRコード読取部17は、利用者端末4の表示画面50(図5参照)に表示されたQR乗車券(QRコード)55を読み取る。QRコード読取部17は、本発明の情報コード読取部の一例である。具体的には、図3に示すように、QRコード読取部17は、利用者端末4の表示画面50(図5参照)に光を照射する発光部171と、表示画面50に表示されたQR乗車券(QRコード)55を含む画面画像51(図5参照)を撮像してデジタルの画像データ(読取データ)として出力するデジタルカメラなどの撮像部172とを含む。発光部171は、制御部11の発光処理部112の指示に基づいて光を発光(出射)する。例えば、発光部171はLEDで構成される。撮像部172は、制御部11の撮像処理部113の指示に基づいて表示画面50を撮像する。
撮像部172は、QRコード読取部17の読取面に翳された表示画面50を連続して撮像し(読み取り)、各撮像によって得られた複数の画面画像51(撮像画像)の画像データ(以下、単に「画面画像51」と称する場合がある。)を制御部11に送信する。また撮像部172は、QRコード(QR乗車券55)が印刷された紙媒体がQRコード読取部17の読取面に翳された場合に、紙媒体を撮像した撮像画像の画像データを制御部11に送信する。制御部11の読取処理部114は、QRコード読取部17から送られてきた撮像画像からQR乗車券(QRコード)55を読み取り、QR乗車券55に記録された情報(乗車券情報)を取得する。
なお、撮像部172は、表示画面50の全領域の画像を画面画像51として撮像してもよい。
本実施形態では、前記読取面に表示画面50が翳されてから表示画面50が前記読取面から離れるまでの間(所定時間)において、撮像部172が複数枚の画面画像51を撮像する構成を例示するが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、撮像部172は、前記所定時間の動画を撮像するものであってもよい。なお、制御部11は、表示画面50が前記読取面に翳されたか否か、及び、表示画面50が前記読取面から離れたか否かを、近接センサ18の検知信号に基づいて判定することが可能である。
QRコード読取部17により撮像された複数の画面画像51(図5参照)は、制御部11の判定処理部115(図3参照)による判定処理に用いられる。
なお、自動改札機1には、ICカード読取部16(図2参照)が設けられており、利用者は、ICカード形式の乗車券をICカード読取部16に読み取らせる方法などを用いて、自動改札機1を通行することもできる。本実施形態では、ICカード読取部16の構成、及びICカードの読取処理の説明を省略する。
制御部11は、自動改札機1の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動改札機1を制御する。
図3に示すように、制御部11は、検出処理部111、発光処理部112、撮像処理部113、読取処理部114、判定処理部115、通行制御部116、及びゲート処理部117などの各処理部を含む。検出処理部111は、本発明の検出処理部の一例である。発光処理部112は、本発明の発光処理部の一例である。撮像処理部113、本発明の撮像処理部の一例である。読取処理部114は、本発明の読取処理部の一例である。判定処理部115、本発明の判定処理部の一例である。通行制御部116は、本発明の通行制御部の一例である。
制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。言い換えると、前記CPUは、本実施形態に係る後述の情報コード読取処理に応じたプログラムを実行することにより、検出処理部111、発光処理部112、撮像処理部113、読取処理部114、判定処理部115、通行制御部116、及びゲート処理部117などの処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。制御部11又は前記CPUが、情報コード読取処理に対応するプログラムを実行するコンピュータの一例である。
検出処理部111は、利用者端末4を検出する。具体的には、利用者端末4が近接センサ18に接近し、近接センサ18が利用者端末4を検知すると、検知信号を制御部11に送信する。検出処理部111は、近接センサ18から前記検知信号を受信した場合に、利用者端末4を検出する。すなわち、検出処理部111は、前記検知信号に基づいて利用者端末4を検出したか否かを判定する。ここで、近接センサ18は、QRコード読取部17に近接して、QRコード読取部17より前記進行方向の前方側(自動改札機1の出口側)に設けられている(図2参照)。このため、検出処理部111が利用者端末4を検出した時点では、利用者端末4がQRコード読取部17の読取面上に位置していることになる。
発光処理部112は、検出処理部111により検出された利用者端末4に光を照射する発光部171の発光輝度を調整する。具体的には、発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出されていない場合には、発光部171の発光輝度を基準輝度に設定して発光部171に発光させる。なお、発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出されていない場合に、発光部171を消灯させてもよい。前記基準輝度は、例えば紙面(紙媒体)に印刷されたQRコード(QR乗車券55)を読み取る際に紙面に照射する光の発光輝度よりも低い輝度に設定される。すなわち、前記基準輝度は、QRコードを読み取る読取処理が実行される前の待機モードにおける輝度である。
発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出された場合に前記発光輝度を前記基準輝度よりも高い輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。例えば、発光処理部112は、検出処理部111が近接センサ18から前記検知信号を受信すると、前記発光輝度を発光部171が発光可能な最大輝度に上昇させる。これにより、発光部171は、最大輝度で光を利用者端末4に照射する。上述のように、検出処理部111が利用者端末4を検出した時点では利用者端末4がQRコード読取部17の読取面上に位置しているため、発光処理部112は、最大輝度の光を利用者端末4に照射させることができる。
また発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出された場合に、利用者端末4がQRコード読取部17の読取面に近づくに従って徐々に前記発光輝度を上昇させてもよい。例えば、発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出されたときに前記発光輝度を前記基準輝度に設定し、利用者端末4と近接センサ18との間の距離が短くなるに従って前記発光輝度を前記基準輝度から徐々に上昇させ、利用者端末4が近接センサ18に最接近したときに前記発光輝度を前記最大輝度に設定する。これにより、発光部171の発光輝度の急激な上昇を抑えることができるため、発光部171の負荷を低減することができる。また、発光部171が利用者端末4により覆われる面積が増加する程、発光輝度が上昇するため、発光部171の光を利用者端末4の利用者の視界に入り難くすることができる。
ここで、利用者端末4は、周囲の明るさに応じて表示画面50(図5参照)の表示輝度を調整可能な機能(輝度調整機能)を備えている。具体的には、利用者端末4は、利用者端末4の周囲の明るさが明るくなる程、表示画面50の表示輝度を明るく調整し、利用者端末4の周囲の明るさが暗くなる程、表示画面50の表示輝度を暗く調整する。前記輝度調整機能は周知の機能である。本発明の携帯端末は、前記輝度調整機能を備える周知のスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末を適用することができる。
このため、利用者端末4は、発光部171から発光された光を受光すると、表示画面50の明るさ(表示輝度)を発光部171の発光輝度に応じた明るさに調整する。例えば、発光処理部112により前記第1発光処理が実行されて、発光部171から最大輝度の光が発光された場合、利用者端末4は、表示画面50の表示輝度を上昇させる。
また発光処理部112は、前記第1発光処理に続けて、前記発光輝度を前記基準輝度よりも低い輝度に低下させる又は発光部171を消灯させる第2発光処理を実行する。具体的には、発光処理部112は、前記第1発光処理を実行して利用者端末4の表示画面50の表示輝度を所定輝度に上昇させた後に、前記第2発光処理を実行する。
ここで、利用者端末4が備える前記輝度調整機能は、周囲の明るさが変化した場合に所定の時間をかけて徐々に表示輝度を変化させる特性を有する。例えば、周囲が暗い環境から明るい環境に急激に変化した場合、表示画面50の表示輝度は、しばらく暗い状態が維持されその後所定の時間をかけて徐々に明るくなる。一方、周囲が明るい環境から暗い環境に急激に変化した場合、表示画面50の表示輝度は、しばらく明るい状態が維持されその後所定の時間をかけて徐々に暗くなる。
このような輝度調整機能の特性により、発光処理部112が前記第1発光処理に続いて前記第2発光処理を実行すると、利用者端末4では、周囲が明るい環境から暗い環境に急激に変化することになり、表示画面50の表示輝度は、しばらく明るい状態が維持されその後所定の時間をかけて徐々に暗くなる。すなわち、発光処理部112が前記第2発光処理を実行し、発光部171が発光輝度を低下させた直後においては、利用者端末4の表示画面50の表示輝度は高い状態(高輝度状態)が維持される。
撮像処理部113は、検出処理部111により検出される利用者端末4の表示画面50を撮像部172に撮像させる。具体的には、撮像処理部113は、発光処理部112により前記第2発光処理が実行された後(例えば直後)に表示画面50を撮像部172に撮像させる。上述のように、利用者端末4の表示画面50の表示輝度は、周囲の明るさの変化に対して徐々に変化する特性を有するため、撮像処理部113は、発光処理部112により前記第2発光処理が実行された後(例えば直後)に表示画面50を撮像部172に撮像させると、表示画面50が明るい状態(高輝度状態)で撮像することが可能となる。また、撮像部172が表示画面50を撮像する際には、発光部171は前記第2発光処理により発光輝度が低下又は消灯しているため、発光部171の光が表示画面50を反射することを防ぐことができる。これにより、撮像部172は、反射光が入り込まないため表示画面50を適切に撮像することが可能となる。
このように、発光処理部112は、検出処理部111により利用者端末4が検出され、かつQRコード読取部17の読取面が利用者端末4の表示画面50で覆われた場合に、前記第1発光処理を実行し、前記読取面が表示画面50で覆われている間に前記第2発光処理を実行する。そして、撮像処理部113は、前記読取面が表示画面50で覆われている間に表示画面50を撮像部172に撮像させる。
撮像部172により撮像された表示画面50の画面画像51(撮像画像)の画像データは、制御部11に送信される。
読取処理部114は、QRコード読取部17から送信されてきた画面画像51からQR乗車券55(QRコード)を読み取り、QR乗車券55に記録されている前記乗車券情報を取得する。例えば、読取処理部114は、画面画像51から、QRコード55に含まれる3つの切り出しシンボル(ファインダパターン)を抽出し、各シンボルによって特定される矩形領域をQRコードの画像と特定する。そして、読取処理部114は、特定したQRコードを文字列に復号して前記乗車券情報を取得する。
判定処理部115は、読取処理部114により読み取られたQR乗車券(QRコード)55の有効性を判定する。例えば、QR乗車券55の前記乗車券情報に入場駅Aの入場駅IDが含まれる場合において、利用者が利用者端末4により入場駅Aの自動改札機1にQR乗車券55を翳した場合に、入場駅Aの駅サーバ2は、QR乗車券55に記録された入場駅IDに対応する入場駅Aと、利用者が利用する入場駅Aとが一致すると判定し判定結果を自動改札機1に送信する。判定処理部115は、前記判定結果を取得すると、QR乗車券55を有効と判定する。また、QR乗車券55の前記乗車券情報に出場駅Bの出場駅IDが含まれる場合において、利用者が利用者端末4により出場駅Bの自動改札機1にQR乗車券55を翳した場合に、出場駅Bの駅サーバ2は、QR乗車券55に記録された出場駅IDに対応する出場駅Bと、利用者が利用する出場駅Bとが一致すると判定し判定結果を自動改札機1に送信する。判定処理部115は、前記判定結果を取得すると、QR乗車券55を有効と判定する。
また、利用者が利用者端末4により、入場駅Aの自動改札機1にQR乗車券55を翳して入場した後、出場駅Bの自動改札機1にQR乗車券55を翳した場合に、出場駅Bの駅サーバ2は、前記券発行情報に基づいて入場駅Aから出場駅Bまでの利用区間の運賃と、決済に利用する電子マネーの口座残高(チャージ残高)とを比較し、比較結果を自動改札機1に送信する。判定処理部115は、前記運賃が前記口座残高以下である場合にQR乗車券55を有効と判定し、前記運賃が前記口座残高を超える場合にQR乗車券55を無効と判定する。
また、判定処理部115は、QR乗車券55が不正に複製されたQRコード又は使用後のQRコードである場合、QR乗車券55を無効であると判定してもよい。
判定処理部115によってQR乗車券55が有効であると判定された場合、制御部11は、QR乗車券55に含まれる前記乗車券情報に基づいて改札処理、決済処理などを実行する。
通行制御部116は、判定処理部115による判定結果に基づいて、自動改札機1を利用する利用者の通過を制御する。具体的には、通行制御部116は、QR乗車券55が有効と判定された場合に、利用者が改札通路6を通行することを許可する。また、通行制御部116は、QR乗車券55が無効と判定された場合に、利用者が改札通路6を通行することを禁止する。
ゲート処理部117は、ゲート15の動作(開閉動作)を制御する。例えば、改札通路6における利用者の通行が許可された場合、ゲート処理部117は、ゲート15を開放する。一方、改札通路6における利用者の通行が禁止された場合、ゲート処理部117は、ゲート15を閉鎖する。
[駅サーバ2]
駅サーバ2は、駅務室などに設置されるサーバ装置であり、駅8内に属する自動改札機1などの駅務機器を管理する。駅サーバ2は、有線又は無線によりネットワークN1,N2に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN1を介して自動改札機1などの駅務機器との間でデータ通信を実行し、ネットワークN2を介してセンタ装置3との間でデータ通信を実行する。センタ装置3から送信された前記券発行情報は、駅8内に属する全ての自動改札機1に送信されて、自動改札機1の記憶部12内に格納される。
[センタ装置3]
センタ装置3は、駅8を含む鉄道事業を運営する鉄道事業者が管理する中央監視装置であり、鉄道事業者が運営する全ての駅8の駅サーバ2、自動改札機1、券売機7(図11参照)などの駅務機器を管理する。センタ装置3は、無線によりネットワークN2,N3に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN2を介して駅サーバ2との間でデータ通信を実行し、ネットワークN3を介して利用者端末4との間でデータ通信を実行する。
センタ装置3は、利用者端末4上で動作する乗車券発行アプリケーションにより送られてきた利用者ID及び乗車券の発行要求を受信すると、要求内容に応じた前記乗車券情報を含むQR乗車券(QRコード)55を生成して、利用者端末4に発行する。また、センタ装置3は、入場改札処理時及び出場改札処理時に利用者が提示するQR乗車券55との照合に必要な券発行情報を生成して、センタ装置3が管轄する全ての駅8(8A,8B)の駅サーバ2に送信する。
[利用者端末4]
図4は、利用者端末4の構成を示すブロック図である。図5は、利用者端末4の表示部43の表示画面50に表示される情報の一実施例を示す図である。
図4に示すように、利用者端末4は、制御部41、記憶部42、表示部43、通信部44、操作入力部45、輝度センサ46などを備える。利用者端末4は、鉄道を利用する利用者が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末である。
通信部44は、利用者端末4を無線でネットワークN3に接続し、ネットワークN3を介してセンタ装置3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作入力部45は、利用者の操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどのユーザーインターフェースである。利用者は、利用者端末4にインストールされている前記乗車券発行アプリケーションを操作したり、発行済みのQR乗車券(QRコード)55を表示したりする際に、操作入力部45を操作して、所定の指示や情報を入力する。
表示部43は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどディスプレイ装置である。図5に示すように、鉄道を利用する際に必要なQR乗車券55が表示部43の表示画面50に表示される。
輝度センサ46は、周囲の明るさを検出するセンサであり、照度センサ、環境光センサともいう。輝度センサ46は検出結果を制御部11に送信する。
記憶部42は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部42には、制御部41に各種処理を実行させるための制御プログラムや、前記乗車券発行アプリケーションのプログラム、発行済みのQR乗車券55などの各種情報が記憶されている。
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末4を制御する。
図4に示すように、制御部41は、発行処理部411、表示処理部412、輝度調整処理部413などの各種処理部を含む。
なお、制御部41は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
発行処理部411は、前記CPUが前記乗車券発行アプリケーションのプログラムを実行することにより実現される。発行処理部411は、利用者端末4に前記乗車券発行アプリケーションがインストールされることによって、利用者端末4上で機能する処理部である。前記乗車券発行アプリケーションが利用者端末4上で起動され、ログイン画面において登録済みの利用者ID及びパスワードが入力されると、乗車券発行画面が表示される。利用者は、乗車券発行画面において、入場駅(乗車駅)、出場駅(降車駅)、乗車日時などを含む乗車券情報を入力し、その後、発行要求を確定すると、発行処理部411は、発行要求をセンタ装置3に送信する。その後、前記乗車券情報が記録されたQR乗車券(QRコード)55がセンタ装置3から送られてくる。このQR乗車券55は、表示処理部412による表示処理が可能なように、記憶部42に記憶される。なお、入力された乗車駅から降車駅までの利用区間の運賃に関する決済が完了したことを条件にQR乗車券55の発行が行われる場合には、センタ装置3において決済処理が正常に完了した場合に、QR乗車券(QRコード)55が利用者端末4に送信される。前記運賃を出場駅において電子マネーにより決済する場合には、センタ装置3において前記決済処理は不要である。
表示処理部412は、記憶部42に記憶されているQR乗車券55を表示画面50に表示する処理を行う。具体的には、表示処理部412は、利用者端末4の表示部43の表示画面50にQR乗車券55を表示する。
輝度調整処理部413は、周囲の明るさに応じて表示画面50(図5参照)の表示輝度を調整する。具体的には、輝度調整処理部413は、輝度センサ46から取得する検出結果に基づいて、表示画面50のバックライト(LED)の表示輝度を調整する。例えば、輝度調整処理部413は、利用者端末4の周囲の明るさが明るくなる程、表示画面50の表示輝度を明るく調整し、利用者端末4の周囲の明るさが暗くなる程、表示画面50の表示輝度を暗く調整する。
本実施形態では、自動改札機1において前記第1発光処理により発光部171の発光輝度が上昇すると、輝度調整処理部413は、輝度センサ46から取得する検出結果に基づいて、表示画面50の表示輝度を徐々に上昇させる。また、自動改札機1において前記第2発光処理により発光部171の発光輝度が低下すると、輝度調整処理部413は、輝度センサ46から取得する検出結果に基づいて、表示画面50の表示輝度を徐々に低下させる。
[情報コード読取処理]
以下、図6のフローチャートを用いて、自動改札機1の制御部11によって実行される情報コード読取処理の手順の一例とともに、本発明の情報コード読取方法について説明する。図6において、S11,S12,・・・は処理手順の番号(ステップ番号)を示す。なお、以下の情報コード読取処理は、利用者が自動改札機1の改札通路6に進入した際に利用者端末4が近接センサ18に検知された場合に行われる。
なお、本発明は、前記情報コード読取処理に含まれる一又は複数のステップを実行する情報コード読取方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記情報コード読取処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記情報コード読取処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記情報コード読取処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサによって前記情報コード読取処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
ステップS11において、制御部11は、検出対象である利用者端末4を検出したか否かを判定する。制御部11は、近接センサ18から取得する検知信号に基づいて前記判定処理を実行してもよいし、当該検知信号及びカメラ(例えば撮像部172)により撮像される撮像画像に基づいて前記判定処理を実行してもよい。制御部11が利用者端末4を検出した場合(S11:YES)、処理はステップS12に移行する。ステップS11は、本発明の検出ステップの一例である。
ステップS12において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも高い輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。例えば、制御部11は、前記発光輝度を発光部171が発光可能な最大輝度に上昇させる。これにより、発光部171は、最大輝度の光を利用者端末4に照射する。利用者端末4では、発光部171から高輝度の光が照射されると、輝度調整機能が動作して、表示画面50の表示輝度が上昇する。
次にステップS13において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも低い輝度に低下させる又は発光部171を消灯させる第2発光処理を実行する。制御部11が前記第2発光処理を実行し、発光部171が発光輝度を低下させた直後では、利用者端末4の表示画面50の表示輝度は高輝度に維持される。なお、制御部11は、第2発光処理において、前記発光輝度を前記基準輝度に設定してもよいし、前記基準輝度よりも低い輝度に設定してもよい。ステップS12,S13は、本発明の発光ステップの一例である。
次にステップS14において、制御部11は、高輝度状態の利用者端末4の表示画面50を撮像部172に撮像させる。例えば、制御部11は、前記第1発光処理により利用者端末4の表示画面50の表示輝度を上昇させ、続いて前記第2発光処理により発光部171の発光輝度を低下させた直後に表示画面50を撮像部172に撮像させる。ステップS14は、本発明の撮像ステップの一例である。
次にステップS15において、制御部11は、QRコード読取部17から送信されてきた画面画像51からQR乗車券(QRコード)55を読み取り、QR乗車券55に記録されている前記乗車券情報を取得したか否かを判定する。制御部11が前記乗車券情報を取得した場合(S15:YES)、処理はステップS16に移行する。一方、制御部11が前記乗車券情報を取得できなかった場合(S15:NO)、処理はステップS19に移行する。ステップS15は、本発明の読取ステップの一例である。
ステップS16において、制御部11は、QR乗車券55が有効であるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、QR乗車券55の前記乗車券情報、駅サーバ2に記憶される前記券発行情報などに基づいて、入場改札処理及び出場改札処理のそれぞれにおいて取得されるQR乗車券55の有効性を判定する。制御部11によりQR乗車券55が有効と判定された場合(S16:YES)、処理はステップS17に移行する。一方、制御部11によりQR乗車券55が無効と判定された場合(S16:NO)、処理はステップS20に移行する。
ステップS17において、制御部11は、利用者が改札通路6を通行することを許可し、ゲート15を開放する。例えば、入場改札処理において利用者が改札通路6の通行を許可された場合、ゲートが開放されて利用者が改札通路6を通過して改札内に入場する。また例えば、出場改札処理において利用者が改札通路6の通行を許可された場合、ゲートが開放されて利用者が改札通路6を通過して改札外に出場する。
ステップS18において、制御部11は、利用者に通行可能であることを示すメッセージを表示部13に表示させる。この場合、制御部11は、さらにスピーカ(不図示)から通行可能であることを示す音声を出力してもよい。
ステップS19において、制御部11は、読取エラーのメッセージを表示部13に表示させるエラー処理を実行する。その後、処理はステップS11に戻り前記処理を繰り返す。すなわち、制御部11は、QR乗車券55を読み取ることができない場合(読取エラーの場合)、再度、前記第1発光処理(S12)及び前記第2発光処理(S13)を実行し、再度の前記第1発光処理及び前記第2発光処理が実行された後に表示画面50を撮像部172に撮像させる(S14)。制御部11は、QR乗車券55を読み取るまで前記処理を繰り返す。なお、制御部11は、前記読取エラーの状態が所定時間継続した場合に、駅窓口に案内するメッセージを表示部13に表示させてもよい。
ステップS20において、制御部11は、利用者が改札通路6を通行することを禁止し、ゲート15を閉鎖する。例えば、入場改札処理において利用者が改札通路6の通行を禁止された場合、ゲートが閉鎖されて利用者は改札内への入場を禁止される。また例えば、出場改札処理において利用者が改札通路6の通行を禁止された場合、ゲートが閉鎖されて利用者は改札外への出場を禁止される。
ステップS21において、制御部11は、利用者に通行不能であることを示すメッセージを表示部13に表示させる。この場合、制御部11は、さらにスピーカから通行不能であることを示す音声を出力してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る自動改札機1は、利用者端末4を検出すると利用者端末4の表示画面50に高輝度の光を照射して、利用者端末4が備える輝度調整機能を動作させて表示画面50の表示輝度を上昇させる。その後、自動改札機1は、発光輝度を低下させて表示画面50を撮像し、QR乗車券(QRコード)55を読み取る。この構成によれば、利用者は、QR乗車券55を利用する際に利用者端末4において表示画面50の輝度を手動で調整する必要がない。また利用者は、QRコードを利用する際に表示画面50の輝度を自動で調整する機能を備えるアプリケーションを利用者端末4にインストールする必要もない。なお、利用者は、QR乗車券55を発行するためのアプリケーション(乗車券発行アプリケーション)を利用者端末4にインストールしてQR乗車券55を取得してもよいし、鉄道事業者のWEBサイトにアクセスしてメール等によりQR乗車券55を取得してもよいし、前記WEBサイトに乗車券情報を事前登録して券売機7においてQR乗車券55を取得してもよい。
また本実施形態に係る自動改札機1によれば、利用者端末4の表示画面50が明るい状態で表示画面50の撮像画像を取得することができるため、当該撮像画像に含まれるQRコード(QR乗車券55)を確実に読み取ることが可能となる。このように、自動改札機1によれば、QRコードを利用する利用者の操作負担を低減しつつ、QRコードの読取精度を向上させることが可能となる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。以下、本発明の他の実施形態について説明する。
図7は、他の実施形態に係る自動改札機1の構成を示すブロック図である。図7に示す自動改札機1は、図3に示す自動改札機1にさらに、輝度センサ19と端末輝度判定部119とを備えている。
輝度センサ19は、周囲の明るさを検出する。具体的には、輝度センサ19は、制御部11からの指示を取得した場合に周囲の明るさを検出する。例えば制御部11は、検出処理部111により利用者端末4が検出された場合に輝度センサ19に指示を送信し、輝度センサ19は、当該指示を取得すると利用者端末4の表示画面50の明るさ(表示輝度)を検出する。輝度センサ19は検出結果を制御部11に送信する。
端末輝度判定部119は、輝度センサ19の検出結果に基づいて、利用者端末4の表示画面50の表示輝度が所定輝度以上であるか否かを判定する。前記所定輝度は、表示画面50の撮像画像からQRコード(QR乗車券55)を確実に読み取ることが可能な輝度に設定される。端末輝度判定部119は、本発明の輝度判定処理部の一例である。
発光処理部112は、端末輝度判定部119の判定結果に基づいて、発光部171の発光輝度を調整する。具体的には、発光処理部112は、表示画面50の表示輝度が所定輝度以上になるまで前記発光輝度を上昇させる前記第1発光処理を実行する。そして、発光処理部112は、前記表示輝度が前記所定輝度以上になった場合に前記発光輝度を前記基準輝度よりも低い輝度に低下させる又は発光部171を消灯させる前記第2発光処理を実行する。
撮像処理部113は、発光処理部112により前記第2発光処理が実行された後に表示画面50を撮像部172に撮像させる。すなわち、撮像処理部113は、発光処理部112により前記第2発光処理が実行された後、前記表示輝度が前記所定輝度未満に低下する前に表示画面50を撮像部172に撮像させる。
図8は、図7に示す自動改札機1の制御部11によって実行される情報コード読取処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、図6に示す情報コード読取処理と同一の処理については説明を省略する。
ステップS12において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも高い輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。
次にステップS121において、制御部11は、輝度センサ19の検出結果に基づいて利用者端末4の表示画面50の表示輝度を検出し、検出した表示輝度が所定輝度以上であるか否かを判定する。前記表示輝度が所定輝度以上であると判定された場合、処理はステップS13に移行する。前記表示輝度が所定輝度未満であると判定された場合、処理はステップS12に戻り、引き続き発光輝度を上昇させる前記第1発光処理を実行する。前記第1発光処理が繰り返されることにより、前記表示輝度が所定輝度以上になると、処理はステップS13に移行する。
ステップS13において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも低い輝度に低下させる又は発光部171を消灯させる第2発光処理を実行する。制御部11が前記第2発光処理を実行し、発光部171が発光輝度を低下させた直後では、利用者端末4の表示画面50の表示輝度は所定輝度以上に維持される。
次にステップS131において、制御部11は、再び、輝度センサ19の検出結果に基づいて利用者端末4の表示画面50の表示輝度を検出し、検出した表示輝度が所定輝度以上であるか否かを判定する。前記表示輝度が所定輝度以上であると判定された場合、処理はステップS14に移行する。前記表示輝度が所定輝度未満であると判定された場合、処理は再びステップS12に戻り、発光輝度を上昇させる前記第1発光処理を実行する。前記第1発光処理及び前記第2発光処理が繰り返されて、前記表示輝度が所定輝度以上の状態になった場合に、処理はステップS14に移行する。この時点では、自動改札機1の発光部171は低輝度又は消灯の状態であり、利用者端末4の表示画面50は所定輝度以上の高輝度状態となる。
次にステップS14において、制御部11は、高輝度状態の利用者端末4の表示画面50を撮像部172に撮像させる。続くステップS15以降の処理は図6に示す処理と同一である。これにより、制御部11は、表示画面50の撮像画像からQRコード(QR乗車券55)を確実に読み取ることが可能となる。よって、図7に示す自動改札機1の構成によれば、QRコードの読取精度を確実に向上させることが可能となる。
他の実施形態として、自動改札機1は、近接センサ18により検出された検出対象物が利用者端末4であるか紙媒体であるかを判定する構成を備えてもよい。ここで、紙媒体は、QRコード(QR乗車券55)の画像が印刷された紙券である。具体的には、検出処理部111は、近接センサ18から取得する検知信号及びカメラ(例えば撮像部172)により撮像される撮像画像に基づいて、検出対象物が利用者端末4であるか紙媒体であるかを判定する。
この場合、発光処理部112は、検出処理部111により前記紙媒体が検出された場合に前記紙媒体に対する前記発光輝度を上昇させる前記第1発光処理を実行する。具体的には、発光処理部112は、検出処理部111により検出された検出対象物の種別に応じて、発光部171の発光輝度を調整する。例えば、検出処理部111により利用者端末4が検出された場合には、発光処理部112は、前記発光輝度を前記基準輝度よりも高い第1輝度に上昇させる。一方、検出処理部111により前記紙媒体が検出された場合には、発光処理部112は、前記発光輝度を前記第1輝度以下の第2輝度に上昇させる。
また、検出処理部111により利用者端末4が検出された場合には、発光処理部112は、前記第1発光処理に続けて前記発光輝度を低下させる前記第2発光処理を実行し、その後に撮像処理部113が利用者端末4の表示画面50を撮像する撮像処理を実行する。一方、検出処理部111により前記紙媒体が検出された場合には、前記第1発光処理の後に撮像処理部113が前記紙媒体を撮像する撮像処理を実行し、その後に発光処理部112が前記第2発光処理を実行する。すなわち、検出処理部111により前記紙媒体が検出された場合には、撮像処理部113は、発光部171の光が継続して紙媒体に照射されている状態で、前記紙媒体からの反射光を利用してQR乗車券(QRコード)55を読み取る。
図9は、上述の自動改札機1の制御部11によって実行される情報コード読取処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、図6に示す情報コード読取処理と同一の処理については説明を省略する。
ステップS11において、制御部11は、利用者端末4を検出したか否かを判定する。制御部11が利用者端末4を検出した場合(S11:YES)、処理はステップS12に移行する。一方、制御部11が利用者端末4を検出しない場合(S11:NO)、処理はステップS111に移行する。
ステップS12において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも高い第1輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。次にステップS13において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも低い輝度に低下させる又は発光部171を消灯させる第2発光処理を実行する。次にステップS14において、制御部11は、高輝度状態の利用者端末4の表示画面50を撮像部172に撮像させる。その後、ステップS141において、制御部11は、前記発光輝度を基準輝度に設定する。
一方、ステップS111において、制御部11は、紙媒体を検出したか否かを判定する。制御部11が前記紙媒体を検出した場合(S111:YES)、処理はステップS112に移行する。一方、制御部11が前記紙媒体を検出しない場合(S111:NO)、処理はステップS11に戻る。
ステップS112において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも高くかつ第1輝度よりも低い第2輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。次にステップS113において、制御部11は、発光部171の光が照射されている前記紙媒体を撮像部172に撮像させる。その後、ステップS141において、制御部11は、前記発光輝度を基準輝度に設定する。このように、制御部11は、紙媒体を検出した場合には、前記第2発光処理を省略する。
続くステップS15以降の処理は図6に示す処理と同一である。これにより、制御部11は、利用者端末4に表示されたQRコード、及び、紙媒体に印刷されたQRコードを確実に読み取ることが可能となる。
ここで、利用者端末4が前記輝度調整機能を備えていない場合、又は、利用者端末4において前記輝度調整機能が無効に設定されている場合、自動改札機1は、発光部171の光を利用して利用者端末4の表示画面50の表示輝度を調整することができない。この場合、自動改札機1は、図10に示す処理を実行してもよい。図10は、自動改札機1の制御部11によって実行される情報コード読取処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、図6に示す情報コード読取処理と同一の処理については説明を省略する。
ステップS11において利用者端末4が検出された場合、制御部11は、利用者端末4の輝度調整機能が有効であるか否かを判定する。例えば、制御部11は、発光部171にテストパターンの光を発光させて、利用者端末4の表示画面50の表示輝度が変化するか否かを判定して、輝度調整機能が有効であるか否かを判定する。輝度調整機能が有効である場合(S110:YES)、処理はステップS12に移行し、輝度調整機能が無効である場合(S110:NO)、処理はステップS102に移行する。ステップS12以降の処理は、図9に示す処理と同一である。
ステップS102において、制御部11は、発光部171の発光輝度を基準輝度よりも高くかつ第1輝度よりも低い第3輝度に上昇させる第1発光処理を実行する。次にステップS14において、制御部11は、発光部171の光が照射されている表示画面50を撮像部172に撮像させる。なお、前記第3輝度は、例えば、表示画面50を明るく照らすことが可能であり、かつ、発光部171の光が表示画面50で反射することにより撮像画像におけるQRコードの読取精度が低下しない程度の輝度に設定される。ステップS14以降の処理は、図9に示す処理と同一である。このように、制御部11は、利用者端末4の輝度調整機能が有効であるか否かに基づいて、発光部171の発光輝度及び発光方法を異ならせる。
なお、輝度調整機能が無効である場合には、制御部11は、前記第1発光処理において発光部171に点滅光を連続して発光させ、撮像部172に連続して撮像させてもよい。上記の構成によれば、利用者端末4において輝度調整機能が無効である場合であっても、表示画面50に表示されたQRコードを適切に読み取ることが可能となる。
本実施形態に係る自動改札機1の検出処理部111、発光処理部112、撮像処理部113、読取処理部114、判定処理部115、端末輝度判定部119が本発明に係る情報コード読取装置に相当する。なお、本実施形態において、本発明に係る情報コード読取装置を構成する前記各処理部は、センタ装置3に設けられてもよい。
本発明の情報コード読取装置は、情報コードを利用する様々な機器に適用することができる。例えば情報コード読取装置は、空港のチェックイン端末及び搭乗ゲート端末、商品を販売する店舗の店舗端末、飲食店の飲食店端末、宿泊施設、遊戯施設などの施設端末などに適用することができる。
本発明の情報コード読取装置を券売機7に適用した場合の概要を以下に示す。図11は、券売機7の構成を示す斜視図である。券売機7の前面に、発光部171及び撮像部172を含むQRコード読取部17と、近接センサ18とが配置される。また近接センサ18は、QRコード読取部17の上方に近接して配置される。
券売機7は、例えば、利用者端末4の表示画面50に表示されるQRコード55を読み取り、QRコード55に記録された情報(利用者情報)を取得して、乗車券、定期券、又はその他の券の発行処理、電子マネーの入金(チャージ)処理などを実行する。