JP2020149127A - 車両情報提供装置及び車両情報提供システム - Google Patents

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Abstract

【課題】タクシー会社等の車両管理者がマッチングサービス等のサービスを実際の運用に合わせて柔軟に活用できる車両情報提供装置及び車両情報提供システムを提供する。【解決手段】 タクシー車両情報提供システム100は、タクシー車両に搭載された車載器10と、タクシー車両を管理する車両管理装置20と、タクシー車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービスを提供するサービス提供装置30と、サービス提供装置30にタクシー車両の車両情報を提供するサーバー40と、を備える。サーバー40は、車載器10から、タクシー車両の位置情報及びタクシーメータ情報を含む車両情報を取得し、車両管理装置20から、タクシー会社の営業区域の位置を示す営業区域情報を公開条件として取得し、取得した車両情報に示されるタクシー車両の位置が、営業区域内でない場合、当該車両情報をサービス提供装置30に非公開とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車両情報提供装置及び車両情報提供システムに関する。
従来、タクシーの需要と供給をマッチングさせる種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、近年、MaaS(Mobility as a Service)という、複数の交通手段を統合するプラットフォームサービスが検討されている。MaaSにおいては、例えば、駅で電車からタクシーに乗り継ぐ場合、利用者が電車を降りた後、待ち時間なくスムーズに、タクシーに乗車できることが求められる。このため、利用者とタクシーとのマッチングを一層効率的に成立させることが求められている。
特開2017−146808号公報 特開2003−168195号公報 特開2014−130552号公報
ところで、タクシー会社(タクシー営業所)は、法令により営業区域が決められており、営業区域外では原則として利用者を乗車させることができない。しかしながら、例えば上記特許文献1〜3に示された従来のマッチングサービスにおいては、営業区域が考慮されておらず、利用者とタクシーとのマッチングが成立した場合において、実際にはタクシーが営業区域外に位置するため利用者が乗車できないという状況があり得た。特に、マッチングサービス会社が、複数のタクシー会社から提供された情報を取得して利用者とタクシーとのマッチングを行う場合には、この状況が増加し得る。このため、営業区域外に位置するタクシーはマッチングさせない必要がある。また、タクシー会社においては、新人ドライバーの研修を行っている車両等、マッチングサービスを利用したくない場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タクシー会社等の車両管理者がマッチングサービス等のサービスを実際の運用に合わせて柔軟に活用できる車両情報提供装置及び車両情報提供システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両情報提供装置及び車両情報提供システムは、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 車両を利用したサービスを提供するサービス提供装置に車両情報を提供する車両情報提供装置であって、
車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報及び前記車両の利用可否情報を含む車両情報を取得し、
前記車両を管理する管理装置から、前記車両に関する公開条件を取得し、
取得した前記車両情報が前記公開条件を満たさない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする、制御部を備える
ことを特徴とする車両情報提供装置。
(2) 前記公開条件を記憶する公開条件記憶部と、
前記サービス提供装置に公開された前記車両情報を記憶する公開車両情報記憶部と、を備え、
前記制御部は、取得した前記車両情報が前記公開条件を満たす場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録し、満たさない場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録しない
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両情報提供装置。
(3) 前記公開条件は、前記車両が稼働中であることを含み、
前記公開条件記憶部は、いずれの車両が稼働中であるかを示す情報を記憶する
ことを特徴とする上記(2)に記載の車両情報提供装置。
(4) 前記車両は、タクシー車両であり、
前記公開条件は、前記タクシー車両の現在位置がタクシー会社の営業区域内であることを含み、
前記制御部は、前記現在位置が前記営業区域内でない場合において、前記タクシー車両が前記営業区域へ到達すると予想される到達予想時間を算出し、前記車両情報に前記到達予想時間を含めて、前記サービス提供装置に公開する
ことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか一に記載の車両情報提供装置。
(5) タクシー車両に搭載された車載器と、
前記タクシー車両を管理する車両管理装置と、
前記タクシー車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービスを提供するサービス提供装置と、
前記サービス提供装置に前記タクシー車両の車両情報を提供する車両情報提供装置と、
を備える車両情報提供システムにおいて、
前記車両情報提供装置は、
前記車載器から、前記タクシー車両の位置情報及び利用可否情報を含む車両情報を取得し、
前記車両管理装置から、タクシー会社の営業区域の位置を示す営業区域情報を公開条件として取得し、
取得した前記車両情報に示される前記タクシー車両の位置が、前記営業区域内でない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする
ことを特徴とする車両情報提供システム。
上記(1)の構成の車両情報提供装置によれば、車両情報に基づいて車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービス等を提供するサービス提供装置に車両情報を提供する際、予め公開条件を車両情報提供装置に設定しておくことにより、公開条件を満たさない場合には車両情報が非公開とされる。これにより、管理装置において定められた任意の条件で、自動的に車両情報公開の許可/無効を切り替えて、車両管理者がマッチングサービス等のサービスを実際の運用に合わせて柔軟に活用できる。尚、車両は、タクシーに限らず、バス、トラック等の他の車両も、サービスの対象とし得る。
上記(2)の構成の車両情報提供装置によれば、公開車両情報記憶部には、公開条件を満たした車両情報が記憶され、公開条件を満たさない車両情報は記憶されていない。このため、サービス提供装置は、公開車両情報記憶部にアクセスすることにより、有効な車両情報を選択するための煩雑な判断をすることなく、車両管理者の運用に合わせてサービスを提供することができる。
上記(3)の構成の車両情報提供装置によれば、制御部は、例えばタクシー会社のシフト管理表に基づいて車両が稼働中であるか否かを認識し、稼働中である車両の車両情報のみを公開できる。車両が動いている場合であっても、例えば、新人ドライバーの教育中や、車両点検中といった、乗客が利用できない状況では、車両が稼働中でないとして車両情報が公開されないことにより、このような車両と乗客がマッチングされるという不具合を防止できる。
上記(4)の構成の車両情報提供装置によれば、タクシー車両が営業区域外に位置する場合には、車両情報に到達予想時間を含めて公開する。これにより、現在は営業区域外に位置し乗客が利用できないタクシー車両であっても、例えば、20分後には営業区域内に到達して利用可能となることをサービス提供装置に知らせることができる。
タクシー車両が営業区域内に位置することを公開条件とすることにより、タクシー車両と利用者(乗客)とのマッチングにおいて、営業区域外に位置するタクシー車両について車両情報を公開せずマッチングサービスの対象から外すことができる。このため、マッチング成立後に、その車両がタクシー会社の営業区域外に存在するため乗客が利用できない、といった不具合が生じることを防止できる。
さらに、タクシー車両が営業区域内に位置することを公開条件とした場合に、車両情報に到達予想時間を含めて公開することにより、本来公開されないはずのタクシー車両の車両情報についても、利用可能となる予想時間とともに公開される。したがって、マッチングの候補となるタクシー車両を増やしてマッチングサービスの成功率を高め、タクシー車両の実車率を向上できる。
上記(5)の構成の車両情報提供システムによれば、サービス提供装置に車両情報を提供する際、予め公開条件を車両情報提供装置に設定しておくことにより、公開条件を満たさない場合には車両情報が非公開とされる。公開条件として営業区域の位置を示す営業区域情報を設定しておくことにより、タクシー車両と利用者(乗客)とのマッチングにおいて、タクシー車両の実車率及び乗客の利便性を向上できる。すなわち、マッチング成立後に、その車両がタクシー会社の営業区域外に存在するため乗客が利用できない、といった不具合が生じることを防止できる。また、マッチングサービスを利用した場合には迎車料金を不要とできるため、乗客はタクシー車両の利用料金を削減できる。
本発明によれば、タクシー会社等の車両管理者がマッチングサービス等のサービスを実際の運用に合わせて柔軟に活用できる車両情報提供装置及び車両情報提供システムを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本実施形態にかかるタクシー車両情報提供システムの構成を示す図である。 図2は、サーバーによる車両情報の公開/非公開処理手順(1)を示すフローチャートである。 図3は、サーバーによる車両情報の公開/非公開処理手順(2)を示すフローチャートである。 図4は、タクシー車両が営業区域へ移動するイメージを示す図である。 図5は、サーバーによる車両情報の公開/非公開処理手順(3)を示すフローチャートである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。本実施形態では、サービス提供装置が、車両を利用したサービスとして、タクシー車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービスを提供し、車両情報提供装置として機能するサーバーが、タクシー車両の位置情報及び利用可否情報を含む車両情報をサービス提供装置に提供する例を説明する。
図1は、本実施形態にかかるタクシー車両情報提供システム100の構成を示す図である。タクシー車両情報提供システム100は、各タクシー車両に搭載された車載器10と、タクシー車両を管理する車両管理装置20と、タクシー車両と乗客とのマッチングを行うマッチングサービスを提供するサービス提供装置30と、サービス提供装置30にタクシー車両の車両情報を提供するサーバー40(車両情報提供装置)と、サービス提供装置30にタクシー車両のマッチングを要求する情報端末50と、を備える。各車載器10とサーバー40とは、LTE(Long Term Evolution)網等の無線通信網60を介して接続される。また、サーバー40、乗客に所持される情報端末50、車両管理装置20、及びサービス提供装置30は、インターネット70を介して、互いに通信可能に接続される。
車載器10は、タクシーメータ10aと通信機10bとを含む。タクシーメータ10aは、実車時(賃走時)、タクシー車両の走行距離及び走行時間の少なくとも一方で運賃を算出し、運賃を含むタクシー料金を表示ユニットに表示する。また、タクシーメータ10aは、現在の自車両の運行状態を「空車」、「賃走」、「支払い」、「回送」などの状態に区別して把握し管理しており、自車両が空車か否かを示すタクシーメータ情報(利用可否情報)を生成する。さらに、タクシーメータ10aは、公知の技術により自車両の現在位置を示す位置情報を取得する。通信機10bは、タクシーメータ10aから、自車両のタクシーメータ情報及び位置情報を取得して、これらを含む車両情報をサーバー40へ一定の時間間隔で送信する。
車両管理装置20は、各タクシー会社の事務所等に設置された汎用のコンピュータ装置で構成され、タクシー車両の運行状況や運転状況を管理する。また、車両管理装置20は、タクシー会社の営業区域を示す位置情報を含む営業区域情報を、車両情報の公開条件として、サーバー40へ設定する。すなわち、車両管理装置20は、タクシー車両の現在位置が営業区域内である場合に車両情報を公開するという条件を、サーバー40へ設定する。さらに、車両管理装置20は、タクシー会社の実際の運用に合わせて、任意の公開条件をサーバー40へ設定する。公開条件として、例えば、新人ドライバーの教育中や、車両点検中といった、車両が動いていても乗客が利用できない場合は、車両情報を非公開とする、という条件を設定できる。他の例として、売上が伸び悩んでいる車両については車両情報を積極的に公開し、ドライバーの希望によりマッチングサービスを利用したくない車両については車両情報を非公開とする、という公開条件を設定できる。車両管理装置20は、これらの公開条件とともに、ドライバーの勤務状況及びタクシー車両の稼働状況を示すシフト管理表等の情報(いずれの車両が稼働中であるかを示す情報)を、サーバー40へ設定する。
サービス提供装置30は、マッチングサービス提供会社に管理されるコンピュータ装置である。サービス提供装置30は、タクシー会社から公開されたタクシー車両の車両情報を取得する機能、乗客に所持される情報端末50からマッチング要求(配車要求)を受信する機能、受信したマッチング要求に応じて乗客とタクシー車両とのマッチングを実施する機能、及び、マッチング結果を乗客(情報端末50)へ通知し、マッチングされたタクシー車両(車載器10)へ配車指示する機能を有する。尚、配車指示は、サービス提供装置30からサーバー40及び/又は車両管理装置20を介してタクシー車両(車載器10)へ送信されてもよい。
サーバー40は、車載器10が無線通信により送信する車両情報等のデータを中継して車両管理装置20に送信する。この場合、サーバー40は、車載器10や車両管理装置20の代わりに様々なデータ処理を行ったり、該当する車載器10や車両管理装置20に対して警報を出力したりするようなサービスを実施することもできる。また、サーバー40は、タクシー車両の位置情報及びタクシーメータ情報を含む車両情報を車載器10から取得する機能、タクシー車両に関する公開条件を車両管理装置20から取得する機能、及び、取得した車両情報が公開条件を満たさない場合、当該車両情報をサービス提供装置30に非公開とする機能を有する。これらの機能は、サーバー40内部のCPU(制御部)により実行される。また、サーバー40は、取得した車両情報を記憶するデータベースである車両情報記憶部40aと、営業区域情報等といった、車両情報を公開するための公開条件を記憶するデータベースである公開条件記憶部40bと、サービス提供装置30に公開された車両情報を記憶するデータベースである公開車両情報記憶部40cと、を備える。サーバー40は、車載器10から取得した車両情報が公開条件記憶部40bに記憶される公開条件を満たす場合、当該車両情報を公開車両情報記憶部40cに登録する。一方、公開条件を満たさない場合、サーバー40は、当該車両情報を公開車両情報記憶部40cに登録しない、または、すでに登録されていた車両の車両情報を登録から除く。
サーバー40において、タクシー会社が定めた公開条件が予め設定されて公開条件記憶部40bに記憶されている。そして、サーバー40は、各車載器10から定期的に(一定時間間隔で)送信される車両情報を受信する都度、後述する車両情報の公開/非公開処理を行う。各処理は、サーバー40内部のCPUにより実行される。
図2は、サーバー40による車両情報の公開/非公開処理手順(1)を示すフローチャートであり、車両の現在位置が営業区域内である場合に車両情報を公開するという公開条件が設定されている例を示す。サーバー40は、車載器10から車両情報を受信すると、タクシー車両の位置情報及びタクシーメータ情報を取得する(ステップS1)。サーバー40は、タクシーメータ情報が空車であることを示すか否かを判断し(ステップS2)、空車である場合には、車両の現在位置が営業区域内であるか否かを判断する(ステップS3)。営業区域内である場合(ステップS3でYES)、サーバー40は、車両情報を公開車両情報記憶部40cに登録する(ステップS4)。一方、タクシー車両が空車でない場合(ステップS2でNO)、または、タクシー車両の現在位置が営業区域内でない場合(ステップS3でNO)、サーバー40は、車両情報の非公開処理を行う(ステップS5)。すなわち、サーバー40は、車両情報を公開車両情報記憶部40cに登録しない、または、すでに登録されていた車両の車両情報を登録から除く。サーバー40は、ステップS4又はステップS5の処理の後、ステップS1に戻る。
図2に示した処理によれば、公開条件を満たした車両情報が公開車両情報記憶部40cに記憶され、公開車両情報記憶部40cには、乗客が利用できない営業区域外に位置する車両の車両情報が記憶されていない。このため、サービス提供装置30は、公開車両情報記憶部40cにアクセスして乗客とのマッチングを実施することにより、営業区域外に位置する車両をマッチング対象外とするための煩雑な判断・処理を行うことなく、有効なマッチングを実現できる。
図3は、サーバー40による車両情報の公開/非公開処理手順(2)を示すフローチャートであり、車両の現在位置が営業区域外であっても、車両が営業区域内に戻ってくる場合には車両情報を公開するという公開条件が設定されている例を示す。サーバー40は、車載器10から車両情報を受信すると、タクシー車両の位置情報及びタクシーメータ情報を取得する(ステップS11)。サーバー40は、タクシーメータ情報が空車であることを示すか否かを判断し(ステップS12)、空車である場合には、車両の現在位置が営業区域内であるか否かを判断する(ステップS13)。営業区域内である場合(ステップS13でYES)、サーバー40は、車両情報を公開車両情報記憶部40cに登録し(ステップS14)、ステップS11の処理に戻る。一方、タクシー車両が空車でない場合(ステップS12でNO)、または、タクシー車両の現在位置が営業区域内でない場合(ステップS13でNO)、サーバー40は、営業区域内の、現在位置から一番近い地点(営業区域地点)と、現在位置との間の距離を算出する(ステップS15)。
次にサーバー40は、今回算出した距離が、前回算出した距離よりも小さいか判断し(ステップS16)、小さい場合(ステップS16でYES)、タクシー車両が営業区域に向かっているかを判断する(ステップS17)。営業区域に向かっている場合(ステップS17でYES)、サーバー40は、タクシー車両の現在位置及び車速に基づいて、タクシー車両が営業区域へ到達すると予想される時間を算出する(ステップS18)。続いて、サーバー40は、営業区域への到達予想時間及び場所を、車両情報に含めて、公開車両情報記憶部40cに登録し(ステップS19)、ステップS11の処理に戻る。
上述したステップS15〜S19の処理について、図4を参照して説明する。図4は、タクシー車両が営業区域外から営業区域内へ移動するイメージを示す図である。営業区域外に位置するタクシー車両は、基本的には乗客を乗せることができないため、営業区域内に戻ってくることとなる。タクシー車両(車載器10)は、図4に示すように移動する際、定期的にサーバー40へ車両情報を送信している。そこで、サーバー40は、タクシー車両の現在位置と一番近い営業区域地点との距離を定期的に算出して比較し、タクシー車両が営業区域に近づいていることを判定する(図3のステップS15〜S17)。そして、サーバー40は、営業区域への予想到達時間を算出し(図3のステップS18)、予想到達時間とともに車両情報を公開する(図3のステップS19)。
図3に戻り、ステップS15において今回算出した距離が、前回算出した距離よりも小さくない場合または初回算出時(ステップS16でNO)、もしくは、タクシー車両が営業区域に向かっていない場合(ステップS17でNO)には、図2のステップS5と同様に、車両情報の非公開処理を行い(ステップS20)、ステップS11の処理に戻る。
図3に示した処理によれば、タクシー車両が営業区域外に位置する場合には、サーバー40が車両情報に到達予想時間を含めて公開する。これにより、現在は営業区域外に位置し乗客が利用できないタクシー車両であっても、例えば、20分後には営業区域内のある地点に到達して利用可能となることを、サーバー40はサービス提供装置30に知らせることができる。このため、サービス提供装置30によるマッチングサービスの成功率を高め、タクシー車両の実車率を向上できる。
図5は、サーバー40による車両情報の公開/非公開処理手順(3)を示すフローチャートであり、タクシー会社の都合に合わせた任意の公開条件を設定し、営業中の予測情報(空車になった時点の予測データ)を公開する例を示す。サーバー40は、車載器10から車両情報を受信すると、タクシー車両の位置情報及びタクシーメータ情報を取得する(ステップS21)。また、サーバー40は、タクシー会社のシフト管理表等を参照して、タクシー車両の稼働予定を認識し(ステップS22)、タクシー車両が休車であるか否かを判断する(ステップS23)。休車でなければ(ステップS23でNO)、サーバー40は、タクシー車両が稼働中であるかを判断し(ステップS24)、タクシー車両が稼働中である場合(ステップS24でYES)、タクシーメータ情報が空車であることを示すか否かを判断する(ステップS25)。空車でなければ(すなわち営業中であれば)(ステップS25でNO)、サーバー40は、車載器10から、降車地の位置情報を取得する(ステップS26)。尚、空車でない場合には、迎車中等の客待ち状態を含む。続いてサーバー40は、降車地の位置情報及びタクシー車両の車速に基づいて、降車地に到達すると予想される時間(降車地到達予想時間)を算出する(ステップS27)。次にサーバー40は、降車地到達予想時間及び降車地の位置情報を、車両情報に含めて、公開車両情報記憶部40cに登録し(ステップS28)、ステップS21の処理に戻る。
一方、タクシー車両が休車中である場合(ステップS23でYES)、または、タクシー車両が稼働中でない場合(ステップS24でNO)、サーバー40は、図2のステップS5と同様に、車両情報の非公開処理を行い(ステップS29,S30)、ステップS21の処理に戻る。タクシー会社においては、タクシー車両が動いている場合(車載器10が車両情報をサーバー40に送信している場合)であっても、新人教育中や、車両点検中は、乗客を乗せることができないという事情がある。このようにタクシー車両が稼働中でない場合には、車両情報を非公開とすることで、マッチングサービスの対象外とすることができる。
また、タクシー車両が空車である場合(ステップS25でYES)には、サーバー40は、タクシー車両の現在位置が営業区域内か否かを判断する(ステップS31)。サーバー40は、タクシー車両の現在位置が営業区域内であれば(ステップS31でYES)、図2のステップS4と同様に、車両情報を公開し(ステップS32)、営業区域内でない場合(ステップS31でNO)は、図2のステップS5と同様に、車両情報の非公開処理を行い(ステップS33)、ステップS21の処理に戻る。
図5に示した処理によれば、サーバー40は、タクシー会社のシフト管理表等に基づいて車両が稼働中であるか否かを認識し、稼働中である車両の車両情報のみを公開できる。車両が動いている場合であっても、例えば、新人ドライバーの教育中や、車両点検中といった、乗客が利用できない状況では、車両が稼働中でないとして車両情報が公開されないことにより、このような車両と乗客がマッチングされるという不具合を防止できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、サービス提供装置30に車両情報を提供する際、予め公開条件をサーバー40に設定しておくことにより、公開条件を満たさない場合には車両情報が非公開とされる。これにより、車両管理装置20において定められた任意の条件で、自動的に車両情報公開の許可/無効を切り替えて、タクシー会社等の車両管理者がマッチングサービス等のサービスを実際の運用に合わせて柔軟に活用できる。また、公開条件として営業区域の位置を示す営業区域情報を設定しておくことにより、タクシー車両と利用者(乗客)とのマッチングにおいて、マッチング成立後に、その車両がタクシー会社の営業区域外に存在するため乗客が利用できない、といった不具合が生じることを防止できる。したがって、タクシー車両の実車率及び乗客の利便性を向上できる。また、マッチングサービスを利用した場合には迎車料金を不要とできるため、乗客はタクシー車両の利用料金を削減できる。尚、本実施形態では、サービス提供装置30にタクシー車両の車両情報を提供する例を説明したが、本発明の車両情報提供装置及びシステムは、タクシー車両に限らず、バス、トラック等の他の車両の車両情報を提供する場合にも適用可能である。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車両情報提供装置及び車両情報提供システムの特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両を利用したサービスを提供するサービス提供装置(30)に車両情報を提供する車両情報提供装置(サーバー40)であって、
車両に搭載された車載器(10)から、前記車両の位置情報及び前記車両の利用可否情報(タクシーメータ情報)を含む車両情報を取得し、
前記車両を管理する管理装置(車両管理装置20)から、前記車両に関する公開条件を取得し、
取得した前記車両情報が前記公開条件を満たさない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする、制御部(サーバー40内部のCPU)を備える
ことを特徴とする車両情報提供装置(サーバー40)。
[2] 前記公開条件を記憶する公開条件記憶部(40b)と、
前記サービス提供装置に公開された前記車両情報を記憶する公開車両情報記憶部(40c)と、を備え、
前記制御部は、取得した前記車両情報が前記公開条件を満たす場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録し、満たさない場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録しない
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両情報提供装置。
[3] 前記公開条件は、前記車両が稼働中であることを含み、
前記公開条件記憶部は、いずれの車両が稼働中であるかを示す情報を記憶する
ことを特徴とする上記[2]に記載の車両情報提供装置。
[4]前記車両は、タクシー車両であり、
前記公開条件は、前記タクシー車両の現在位置がタクシー会社の営業区域内であることを含み、
前記制御部は、前記現在位置が前記営業区域内でない場合において、前記タクシー車両が前記営業区域へ到達すると予想される到達予想時間を算出し、前記車両情報に前記到達予想時間を含めて、前記サービス提供装置に公開する
ことを特徴とする上記[1]から[3]のいずれか一に記載の車両情報提供装置。
[5] タクシー車両に搭載された車載器(10)と、
前記タクシー車両を管理する車両管理装置(20)と、
前記タクシー車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービスを提供するサービス提供装置(30)と、
前記サービス提供装置に前記タクシー車両の車両情報を提供する車両情報提供装置(サーバー40)と、
を備える車両情報提供システム(タクシー車両情報提供システム100)において、
前記車両情報提供装置は、
前記車載器から、前記タクシー車両の位置情報及び利用可否情報を含む車両情報を取得し、
前記車両管理装置から、タクシー会社の営業区域の位置を示す営業区域情報を公開条件として取得し、
取得した前記車両情報に示される前記タクシー車両の位置が、前記営業区域内でない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする
ことを特徴とする車両情報提供システム(タクシー車両情報提供システム100)。
10 車載器
10a タクシーメータ
10b 通信機
20 車両管理装置
30 サービス提供装置
40 サーバー
40a 車両情報記憶部
40b 公開条件記憶部
40c 公開車両情報記憶部
50 情報端末
60 無線通信網
70 インターネット
100 タクシー車両情報提供システム

Claims (5)

  1. 車両を利用したサービスを提供するサービス提供装置に車両情報を提供する車両情報提供装置であって、
    車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報及び前記車両の利用可否情報を含む車両情報を取得し、
    前記車両を管理する管理装置から、前記車両に関する公開条件を取得し、
    取得した前記車両情報が前記公開条件を満たさない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする、制御部を備える
    ことを特徴とする車両情報提供装置。
  2. 前記公開条件を記憶する公開条件記憶部と、
    前記サービス提供装置に公開された前記車両情報を記憶する公開車両情報記憶部と、を備え、
    前記制御部は、取得した前記車両情報が前記公開条件を満たす場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録し、満たさない場合、当該車両情報を前記公開車両情報記憶部に登録しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両情報提供装置。
  3. 前記公開条件は、前記車両が稼働中であることを含み、
    前記公開条件記憶部は、いずれの車両が稼働中であるかを示す情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両情報提供装置。
  4. 前記車両は、タクシー車両であり、
    前記公開条件は、前記タクシー車両の現在位置がタクシー会社の営業区域内であることを含み、
    前記制御部は、前記現在位置が前記営業区域内でない場合において、前記タクシー車両が前記営業区域へ到達すると予想される到達予想時間を算出し、前記車両情報に前記到達予想時間を含めて、前記サービス提供装置に公開する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両情報提供装置。
  5. タクシー車両に搭載された車載器と、
    前記タクシー車両を管理する車両管理装置と、
    前記タクシー車両と利用者とのマッチングを行うマッチングサービスを提供するサービス提供装置と、
    前記サービス提供装置に前記タクシー車両の車両情報を提供する車両情報提供装置と、
    を備える車両情報提供システムにおいて、
    前記車両情報提供装置は、
    前記車載器から、前記タクシー車両の位置情報及び利用可否情報を含む車両情報を取得し、
    前記車両管理装置から、タクシー会社の営業区域の位置を示す営業区域情報を公開条件として取得し、
    取得した前記車両情報に示される前記タクシー車両の位置が、前記営業区域内でない場合、当該車両情報を前記サービス提供装置に非公開とする
    ことを特徴とする車両情報提供システム。
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