JP2020148802A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムにより現像ローラの回転・停止を制御する画像形成装置において、現像ローラの回転時間を正確に算出する。【解決手段】制御部は、画像形成装置の起動時に、位相センサから離間信号を取得しない場合、離間信号を取得するまでカムを回転させ(S411,S432)、離間信号を取得する初期位置でカムを停止させる(S414,S435)カム位置初期化制御を実行する。そして、制御部は、、カム位置初期化制御の実行後、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間から、現像ローラが停止している期間を除外した現像ローラの回転時間DRを算出する(S450)。【選択図】図26

Description

本発明は、現像ローラが感光ドラムから離間可能な画像形成装置に関する。
従来、複数色のトナーを用いてカラーの画像を形成する電子写真式の画像形成装置において、各現像ローラを対応する感光ドラムから離間させることができるものが知られている。例えば、特許文献1の装置においては、中間転写ベルトの移動方向の上流側から、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に、現像ローラが配置され、中間転写ベルトの移動に合わせて、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像ローラを順次対応する感光ドラムに接触させ、トナーの転写が終わると現像ローラを同じ順で順次離間させている。
また、現像ローラの累積回転数が閾値を超えた場合に現像ローラが寿命に到達したと報知する技術が知られている(特許文献2)。
特開2018−45084号公報 特開2013−011693号公報
ところで、現像ローラの回転・停止を一方向に回転するカムによって制御する画像形成装置において、電源がONされたとき等の起動時にカムが初期位置になかった場合は、まず、カムを初期位置へ回転させる。このとき、カムの回転に伴い、現像ローラが回転することがある。
従来、このような画像形成装置の起動時にカムを初期位置に戻す場合の現像ローラの回転を現像ローラの寿命として考慮していなかった。
そこで、本発明は、カムにより現像ローラの回転・停止を制御する画像形成装置において、現像ローラの回転時間を正確に算出することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能な現像ローラと、回転することにより、現像ローラを、接触位置と離間位置との間で移動させるカムと、カムの位相を検知する位相センサであって、カムが現像ローラが離間位置にある所定の位相範囲に位置する場合に離間信号を出力し、カムが所定の位相範囲に位置しない場合に離間信号を出力しない位相センサと、モータと、モータから現像ローラに駆動力を伝達する駆動伝達機構であって、カムと機械的に接続され、現像ローラが接触位置にある場合において、現像ローラに駆動力を伝達し、現像ローラが離間位置にある場合において、現像ローラに駆動力を伝達しないように構成された駆動伝達機構と、制御部と、を備える。
そして、制御部は、画像形成装置の起動時に、位相センサから離間信号を取得しない場合、離間信号を取得するまでカムを回転させ、離間信号を取得する初期位置でカムを停止させるカム位置初期化制御を実行し、カム位置初期化制御の実行後、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間から、現像ローラが停止している期間を除外した現像ローラの回転時間DRを算出する。
このような構成によれば、制御部は、画像形成装置の起動時に、位相センサから離間信号を取得しない場合、離間信号を取得するまでカムを回転させ、離間信号を取得する初期位置でカムを停止させるカム位置初期化制御を実行する。カム位置初期化制御により離間信号を取得するまでカムを回転させる途中で、カムが現像ローラを接触位置に移動させ、駆動伝達機構が現像ローラに駆動力を伝達して回転させる場合がある。このとき、制御部は、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間から、現像ローラが停止している期間を除外した回転時間DRを算出するので、現像ローラの回転時間DRを正確に算出することができる。
前記した画像形成装置において、カムを初期位置から1周して初期位置で停止させた場合に、カムが初期位置から動き始めてから現像ローラが回転し始めるまでの現像ローラが停止している時間をD1、現像ローラが回転し始めてから停止するまでの現像ローラが回転している時間をD2、回転している現像ローラが停止してからカムが初期位置で停止するまでの現像ローラが停止している時間をD3、カム位置初期化制御に掛かった時間をDとして、制御部は、回転時間DRを、
D<D3の場合、DR=0、
D3≦D<D2+D3の場合、DR=D−D3
D≧D2+D3の場合、DR=D2
により算出することができる。
また、カムは、現像ローラの回転軸線と平行な軸周りに回転するカムであり、現像ローラの回転軸線方向に突出する第1カム部を有していてもよい。この場合、画像形成装置は、カムの第1カム部と接触して回転軸線方向にスライド移動し、現像ローラを有する現像カートリッジを押圧するカムフォロワをさらに備えることができる。
また、画像形成装置は、現像カートリッジを支持する支持部材をさらに備えることができる。そして、現像カートリッジは、カムフォロワに押圧されることで回転軸線方向にスライド移動可能なスライド部材を有し、スライド部材は、支持部材に当接して、現像カートリッジを回転軸線方向に直交する方向へ付勢する、回転軸線方向に対して傾斜した斜面を有することができる。
また、駆動伝達機構は、カムとともに回転する第2カム部と、遊星歯車機構を有してなり、モータからの駆動力を現像ローラに伝達する伝達状態と、モータからの駆動力をモータに伝達しない切断状態とで切替可能なクラッチと、揺動可能であり、かつ、第2カム部と接触可能なレバーであって、第2カム部から離間した場合に遊星歯車機構の1つの要素に係合してクラッチを伝達状態とし、第2カム部に接触した場合に1つの要素から離脱してクラッチを切断状態とするレバーと、を備えていてもよい。
前記した画像形成装置において、制御部は、さらに、回転時間DRから、現像ローラの回転量を算出し、回転量の積算値が閾値を超えた場合に、現像ローラが寿命を迎えたと判断することができる。
このような構成によれば、現像ローラの回転時間DRを正確に求めることで現像ローラの回転量を正確に求めることができる。そして、正確な回転量に基づいて現像ローラが寿命を迎えたか否かを正確に判断することができる。
前記した回転量は現像ローラの回転角度であってもよく、現像ローラの回転回数であってもよい。
制御部は、さらに、回転時間DRの積算値が閾値を超えた場合に、現像ローラが寿命を迎えたと判断することもできる。
このような構成によれば、正確に算出された回転時間DRの積算値に基づいて、現像ローラが寿命を迎えたか否かを正確に判断することができる。
前記した課題を解決する画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能であり、接触位置にあるとき回転し、離間位置にあるとき回転しない現像ローラと、現像ローラを、接触位置と離間位置との間で移動させるカムと、カムの位相を検知する位相センサであって、カムが現像ローラが離間位置にある所定の位相範囲に位置する場合に離間信号を出力し、カムが所定の位相範囲に位置しない場合に離間信号を出力しない位相センサと、制御部と、を備えることができる。
そして、制御部は、画像形成装置の起動時に、位相センサから離間信号を取得しない場合、離間信号を取得するまでカムを回転させ、離間信号を取得する初期位置でカムを停止させるカム位置初期化制御を実行し、カム位置初期化制御の実行後、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間から、現像ローラが停止している期間を除外した現像ローラの回転時間DRを算出する。
このような構成によっても、制御部は、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間から、現像ローラが停止している期間を除外した回転時間DRを算出するので、回転時間DRを正確に算出することができる。
本発明によれば、カムにより現像ローラの回転・停止を制御する画像形成装置において、現像ローラの回転時間を正確に算出することができる。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 支持部材、カムおよびカムフォロワの斜視図である。 現像カートリッジの斜視図(a)と、側面図(b)である。 スライド部材を説明する、現像カートリッジの周辺を上から見た模式図であり、カムフォロワが待機位置に位置するとき(a)と作動位置に位置するとき(b)を示す。 支持部材のサイドフレームの内面(現像カートリッジ側)を示す図である。 駆動伝達機構を左上から見た斜視図である。 駆動伝達機構を軸方向に沿って左側から見た図である。 駆動伝達機構を右上から見た斜視図である。 駆動伝達機構を軸方向に沿って右側から見た図である。 クラッチをサンギヤ側から見た分解斜視図(a)と、キャリア側から見た分解斜視図(b)である。 現像ローラが接触位置にあり、クラッチが伝達状態にあるときの離間機構と、レバーと、クラッチと、カップリングギヤとを示す、軸方向から見た図(a)と斜視図(b)である。 図11の状態からカムが回転し、イエローに対応する現像ローラが接触位置で画像形成しているときの、離間機構と、レバーと、クラッチと、カップリングギヤとを示す、軸方向から見た図(a)と斜視図(b)である。 図12の状態からカムが回転し、現像ローラが離間位置にあり、クラッチが伝達状態にあるときの離間機構と、レバーと、クラッチと、カップリングギヤとを示す、軸方向から見た図(a)と斜視図(b)である。 図13の状態からカムが回転し、現像ローラが離間位置にあり、クラッチが切断状態にあるときの離間機構と、レバーと、クラッチと、カップリングギヤとを示す、軸方向から見た図(a)と斜視図(b)である。 図14の状態からカムが回転し、イエローに対応する現像ローラが接触位置に移動し始める直前の状態で一時停止しているときの、離間機構と、レバーと、クラッチと、カップリングギヤとを示す、軸方向から見た図(a)と斜視図(b)である。 印刷ジョブを受信したときの処理の一例を示すフローチャートである。 カラー印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。 カラー印刷をする場合の各センサの出力に基づくYMCクラッチとKクラッチの制御を説明するタイミングチャートである。 カラー印刷をする場合の、カム、離間センサおよび各色の現像ローラの動作を説明するタイミングチャートである。 モノクロ印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。 モノクロ印刷をする場合の各センサの出力に基づくKクラッチの制御とブラックの現像ローラの動作を説明するタイミングチャートである。 カラー印刷をする場合の、現像ローラの離間・接触の動作を説明する図(a)〜(d)である。 カラー印刷をする場合の、現像ローラの離間・接触の動作を説明する、図22に続く図(a)〜(d)である。 モノクロ印刷をする場合の、現像ローラの離間・接触の動作を説明する図(a)〜(c)である。 カムを初期位置から1回転させたときのタイミングチャートである。 画像形成装置の起動時における現像ローラの回転時間および寿命の判定の処理の一例を示すフローチャートである。 現像ローラの回転時間の算出の処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンタであり、本体筐体10内に、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2とを主に備えている。
シート供給部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、シートSを収容するシートトレイ21と、シートトレイ21からシートSを画像形成部30に供給する供給機構22とを備えている。シートトレイ21は本体筐体10から図1の左側に引き出して取り外し可能に構成されている。供給機構22は、本体筐体10内の前部に設けられ、給紙ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、レジストレーションローラ27とを備えている。なお、本明細書において、便宜上、前後等の方向は、シートトレイ21が引き出される図1の左を前として説明する。すなわち、図1の左側を前、右側を後、上下をそのまま上下とし、図1の紙面手前側を右、紙面奥側を左とする。本明細書のシートSは、画像形成装置1が画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
シート供給部20では、シートトレイ21内のシートSが給紙ローラ23により送り出された後、分離ローラ24と分離パッド25との間でシートSが1枚ずつに分離される。その後、シートSは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ27によって先端位置が規制された後、レジストレーションローラ27が回転することで画像形成部30に供給される。シートSの搬送方向における分離ローラ24の下流側には、シートSの通過を検知する給紙センサ28Aが設けられている。シートSの搬送方向におけるレジストレーションローラ27の上流側には、シートSと接触して、シートSの通過を検知するレジ前センサ28Bが配置されている。シートSの搬送方向におけるレジストレーションローラ27の下流側には、レジ後センサ28Cが配置されている。
画像形成部30は、露光装置40と、複数の感光ドラム50と、複数の現像カートリッジ60と、搬送装置70と、定着器80とを備えている。
露光装置40は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを有している。露光装置40は、複数の感光ドラム50を露光する複数のレーザ光を発して、感光ドラム50の表面を走査するように構成されている。
感光ドラム50は、第1色の一例であるイエローに対応した第1感光ドラム50Yと、第2色の一例であるマゼンタに対応した第2感光ドラム50Mと、第3色の一例であるシアンに対応した第3感光ドラム50Cと、第4色の一例であるブラックに対応した第4感光ドラム50Kとを含む。なお、本明細書および図面において、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応して設けられている部材には、色を区別して示す場合に、それぞれ、Y,M,C,Kを付して示す。一方、色を区別しないで説明する場合には、符号にY,M,C,Kを付さず、名称も第1、第2などを省略する。
現像カートリッジ60は、各感光ドラム50に対応して設けられている。具体的には、現像カートリッジ60は、第1感光ドラム50Yにトナーを供給する第1現像ローラ61Yを有する第1現像カートリッジ60Yと、第2感光ドラム50Mにトナーを供給する第2現像ローラ61Mを有する第2現像カートリッジ60Mと、第3感光ドラム50Cにトナーを供給する第3現像ローラ61Cを有する第3現像カートリッジ60Cと、第4感光ドラム50Kにトナーを供給する第4現像ローラ61Kを有する第4現像カートリッジ60Kとを含む。
第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kは、シートSの移動方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。
各現像カートリッジ60は、図1に実線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置にある位置と、図1に仮想線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置にある位置との間で移動可能である。そして、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが、離間位置にある場合に、第2現像カートリッジ60M、第3現像カートリッジ61Cおよび第4現像カートリッジ61Kは、シートSの移動方向の上流側に隣接する感光ドラム50を露光するレーザ光の光路と重なる。具体的には、第2現像カートリッジ60Mは、第2現像ローラ61Mが離間位置にある場合において、第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光の光路と重なり、第3現像カートリッジ60Cは、第3現像ローラ61Cが離間位置にある場合において、第2感光ドラム50Mを露光するレーザ光の光路と重なり、第4現像カートリッジ60Kは、第4現像ローラ61Kが離間位置にある場合において、第3感光ドラム50Cを露光するレーザ光の光路と重なる。
図2に示すように、感光ドラム50は、支持部材90に回転可能に支持されている。また、支持部材90は、第1現像カートリッジ60Y、第2現像カートリッジ60M、第3現像カートリッジ60Cおよび第4現像カートリッジ60Kを着脱可能に支持する。支持部材90は、本体筐体10のフロントカバー11(図1参照)を開くことで形成される開口から、本体筐体10に対して着脱可能である。支持部材90は、感光ドラム50の軸方向に離れて配置された一対のサイドフレーム91と、一対のサイドフレーム91の前部同士を連結する連結フレーム92と、一対のサイドフレーム91の後部同士を連結する連結フレーム93とを備える。一対のサイドフレーム91は、右側のサイドフレーム91Rと、左側のサイドフレーム91Lとを含む。支持部材90には、各感光ドラム50に対向して配置された、感光ドラム50を帯電させるための帯電器52(図1参照)が設けられている。
画像形成装置1は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、複数の感光ドラム50のうち対応する感光ドラム50に接触する接触位置と、当該感光ドラム50から離間した離間位置との間で移動させる離間機構5を有する。離間機構5は、第1色、第2色、第3色および第4色のそれぞれに対応して設けられている。
具体的に、各離間機構5は、現像ローラ61の回転軸線61X(図1参照)と平行な軸周りに回転するカム150(150Y,150M,150C,150K)と、カムフォロワ170とを有する。
カム150は、現像ローラ61の回転軸線方向(以下、単に「回転軸線方向」という。)に突出する第1カム部152Aを有する。
カムフォロワ170は、カム150の第1カム部152Aの端面であるカム面152Fに接触して、図4(b)に示す、現像ローラ61を離間位置に位置させる作動位置と、図4(a)に示す、現像ローラ61を接触位置に位置させる待機位置との間で移動可能である。カムフォロワ170は、カム150の第1カム部152Aと接触して回転軸線方向にスライド移動して作動位置に位置し、第1現像カートリッジ60Y、第2現像カートリッジ60M、第3現像カートリッジ60Cおよび第4現像カートリッジ60Kのいずれかを押圧する。また、カムフォロワ170は待機位置において、現像カートリッジ60から離間する。
図2に戻り、カム150と、カムフォロワ170とは、各現像カートリッジ60に対応して設けられている。カム150およびカムフォロワ170は、左側のサイドフレーム91Lの左右方向外側に配置されている。カム150とカムフォロワ170の詳細な構造については後述する。
支持部材90は、サイドフレーム91R,91Lの上部に、後述するスライド部材64に当接する被当接部94が設けられている。被当接部94は、例えば、感光ドラム50の軸方向と平行な第1方向と、感光ドラム50が並ぶ第2方向との両方に直交する第3方向(上下方向)に沿った軸回りに回転可能なローラからなる。
また、支持部材90は、各現像カートリッジ60に対応して設けられた、押圧部材95を備えている。押圧部材95は、各現像カートリッジ60ごとに、感光ドラム50の軸方向の両端部に設けられている。押圧部材95は、バネ95A(図4(a),(b)参照)により後方へ向けて付勢されており、支持部材90に現像カートリッジ60が装着されると、現像カートリッジ60の突起63Dを押圧して、現像ローラ61を対応する感光ドラム50に圧接させるようになっている。
図3(a),(b)に示すように、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)は、トナーを収容するケース63と、スライド部材64と、カップリング65を有する。
ケース63は、一方の側面に、回転軸線方向に突出する突出部として、第1突出部63Aおよび第2突出部63Bを有する。
第1突出部63Aは、現像ローラ61の回転軸線61Xと同軸に配置され、回転軸線方向に突出している。
第2突出部63Bは、第1突出部63Aから所定距離離れて配置されている。本実施形態では、第2突出部63Bは、第1突出部63Aの上方に配置されている。
第1突出部63Aおよび第2突出部63Bは、ともに、回転軸線方向に平行な軸線周りに回転可能なローラである。
図示は省略するが、ケース63は、他方の側面にも、一方の側面と対称な位置に第1突出部63Aと第2突出部63Bが設けられている。
また、ケース63は、前側の面の上部に、押圧部材95により押圧される突起63Dを有している。突起63Dは、ケース63の、回転軸線方向における両端部に設けられている。
カップリング65は、後述するカップリング軸119と係合して、カップリング軸119から回転駆動力が入力される。
スライド部材64は、ケース63に対して回転軸線方向にスライド移動可能な部材である。スライド部材64は、カムフォロワ170に押圧されることで回転軸線方向にスライド移動可能である。
図4(a),(b)に示すように、スライド部材64は、シャフト181と、第1当接部材182と、第2当接部材183とを備える。第1当接部材182は、シャフト181の一端に固定され、第2当接部材183は、シャフト181の他端に固定されている。
シャフト181は、ケース63に形成された、回転軸線方向に延びる孔に貫通して配置され、ケース63にスライド移動可能に支持されている。
第1当接部材182は、回転軸線方向における端面である押圧面182Aと、回転軸線方向に対して傾斜した斜面182Bとを有する。
押圧面182Aは、カムフォロワ170により押圧される面である。
斜面182Bは、スライド部材64がカムフォロワ170により回転軸線方向に押圧された場合に、支持部材90の被当接部94に当接して、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)をシートSの移動方向に平行な方向へ向けて付勢し、現像カートリッジ60を移動させる(図4(b)参照)。斜面182Bは、シャフト181の一端から他端に向かうにつれて、第2方向における感光ドラム50から対応する現像ローラ61に向かう方向(前方)に位置するように傾斜している。
第2当接部材183は、第1当接部材182の斜面182Bと同様に傾斜した斜面183Bを有している。斜面183Bもスライド部材64がカムフォロワ170により回転軸線方向に押圧された場合に、支持部材90の被当接部94に当接して、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)をシートSの移動方向に平行な方向へ向けて付勢し、現像カートリッジ60を移動させる(図4(b)参照)。
第1当接部材182とケース63の間には、スライド部材64を回転軸線方向の一方、ここでは、左側に向けて付勢するバネ184が配置されている。バネ184は、圧縮コイルバネであり、コイル内にシャフト181が通るようにシャフト181の外側に配置されている。
図5に示すように、支持部材90は、一方のサイドフレーム91Lの内側の面に、支持面としての第1支持面96Aおよび第2支持面96Bを有する。第1支持面96Aおよび第2支持面96Bは、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動するときに、第1突出部63Aおよび第2突出部63Bをそれぞれ下から支持する。第1支持面96Aおよび第2支持面96Bは、シートSの移動方向に延びている。
第1支持面96Aは、第1突出部63Aを支持するように配置されている。第1支持面96Aは、現像カートリッジ60を支持部材90に装着するときの現像ローラ61の案内と上下方向の位置決めの機能を兼ねている。
第2支持面96Bは、第2突出部63Bを支持するように第1支持面96Aの上方に配置されている。
図示は省略するが、支持部材90は、他方のサイドフレーム91Rの内側の面にも、一方のサイドフレーム91Lと左右対称な第1支持面96Aおよび第2支持面96Bを有している。
現像ローラ61が感光ドラム50に接触する接触位置に位置するとき、図5の第1現像カートリッジ60Y、第2現像カートリッジ60Mおよび第3現像カートリッジ60Cのように第1突出部63Aが第1支持面96Aにおける後寄りに位置する。一方、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する離間位置に位置するとき、図5の第4現像カートリッジ60Kのように第1突出部63Aが第1支持面96Aにおける前寄りに位置する。
このようにして、離間機構5は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、接触位置から離間位置に移動させるときに、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、シートSの移動方向の下流側から上流側へ向けて移動させる。
図11(a),(b)に示すように、カム150は、円板部151と、ギヤ部150Gと、端面カム152と、クラッチ制御カム153とを有する。カム150は、回転することにより、対応する現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる部材である。
円板部151は、略円板形状を有し、支持プレート102(図8参照)に回転可能に支持されている。
ギヤ部150Gは、円板部151の外周に形成されている。
端面カム152は、現像ローラ61の離間機構5を構成する、円板部151から突出した部分である第1カム部152Aを有する。端面カム152は、回転軸線方向における端面にカム面152Fを有する。
カム面152Fは、第1保持面F1と、第2保持面F2と、第1案内面F3と、第2案内面F4とを有する。
第1保持面F1は、カムフォロワ170を待機位置に保持する。
第2保持面F2は、カムフォロワ170を作動位置に保持する。
第1案内面F3は、第1保持面F1と第2保持面F2を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面である。第1案内面F3は、カム150が回転するにつれてカムフォロワ170を第1保持面F1から前記第2保持面F2に案内する。
第2案内面F4は、第2保持面F2と第1保持面F1を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面である。第2案内面F4は、カム150が回転するにつれてカムフォロワ170を第2保持面F2から第1保持面F1に案内する。
クラッチ制御カム153は、レバー160と協働してクラッチ120の伝達・切断を切り換える部分である。クラッチ制御カム153は、円柱形状のベース円部153Aと、ベース円部153Aからカム150の直径方向に突出した第2カム部153Bとを有する。クラッチ制御カム153は、円板部151と一体に形成されている。このため、第2カム部153Bは、カム150とともに回転する。
カムフォロワ170は、スライド軸部171と、接触部172とを有する。
スライド軸部171は、本体筐体10に固定された図示しない軸部にスライド移動可能に支持されて、回転軸線方向にスライド移動可能である。スライド軸部171は、付勢部材であるバネ173により、接触部172がカム150のカム面152Fに接触する方向に付勢されている。これにより、カムフォロワ170は、待機位置に向けて付勢されている。バネ173は、引張コイルバネであり、一端がスライド軸部171に掛止され、他端が本体筐体10内に設けられた図示しないバネ取付部に掛止されている。
接触部172は、スライド軸部171から延出して設けられている。接触部172の、回転軸線方向の端面は、カム面152Fに対向し、カム面152Fに接触可能である。
図8に示すように、各カム150Y,150M,150C,150Kは、第1カム部152Aのカム150の回転方向の長さがカム150Yだけが他よりも長い点が異なるだけで、他の構成はほぼ同じである。
各カム150C,150Kは、第1カム部152Aよりも回転中心に近い位置に、円板部151から軸方向に突出する被検出部154を有する。本体筐体10には、ブラックとシアンに対応して離間センサ4K,4Cが設けられている。
離間センサ4K,4Cは、カム150C,150Kの位相を検知する位相センサである。離間センサ4K,4Cは、カム150C,150Kが、第3現像ローラ61C、第4現像ローラ61Kが離間位置にある所定の位相範囲に位置する場合に離間信号を出力し、カム150C,150Kが所定の位相範囲に位置しない場合に離間信号を出力しない。本実施形態においては、便宜上、離間信号を出力する場合をONと呼び、離間信号を出力しない場合をOFFと呼ぶ。離間信号を出力する場合と出力しない場合は、どちらの電圧が高くても構わない。
離間センサ4K,4Cは、検出光を発する発光部4Pと、発光部4Pからの検出光を受光可能な受光部4Rを有する。離間センサ4K,4Cは、発光部4Pと受光部4Rの間に被検出部154が入って発光部4Pの検出光を遮り、受光部4Rが検出光を受光しないときに、ON信号を制御部2に出力し、発光部4Pと受光部4Rの間から被検出部154から外れて受光部4Rが発光部4Pの検出光を受光したときに、OFF信号を制御部2に出力する。なお、カム150Y,150Mにも被検出部154と同様の形状が設けられているが、カム150Y,150Mに対応する離間センサは設けられていないので、これらは、被検出部としては機能しない。
図1に戻り、搬送装置70は、シートトレイ21と感光ドラム50との間に設けられている。搬送装置70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトからなる搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設され、外側の面が各感光ドラム50に対向配置されている。各転写ローラ74は、各感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟持するように搬送ベルト73の内側に配置されている。搬送装置70は、上側の外周面にシートSを載せた状態で搬送ベルト73を移動させることでシートSを搬送し、このときに、複数の感光ドラム50のトナー像をシートSに転写する。
定着器80は、感光ドラム50および搬送装置70の後方に設けられている。定着器80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備えている。シートSの搬送方向における定着器80の下流側には、シートSの通過を検出する排紙センサ28Dが設けられている。定着器80の上方には搬送ローラ15が設けられ、搬送ローラ15の上方には排出ローラ16が設けられている。
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム50の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、各露光装置40から照射される光により露光される。これにより、各感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
また、ケース63内のトナーは現像ローラ61の表面に担持され、現像ローラ61が感光ドラム50に対向して接触するときに、感光ドラム50上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム50上でトナー像が形成される。
次に、搬送ベルト73上に供給されたシートSが各感光ドラム50と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム50上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。そして、シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、シートS上に転写されたトナー像がシートSに熱定着される。
定着器80から排出されたシートSは、搬送ローラ15および排出ローラ16によって本体筐体10の上面の排紙トレイ13に蓄積される。
次に、現像ローラ61を駆動・停止するための構成と、現像ローラ61を感光ドラム50に対して接触・離間させるように動かすための構成の詳細について説明する。
図6、図7に示すように、画像形成装置1は、モータ3と、モータ3から第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kに駆動力を伝達する駆動伝達機構100とを備えている。前記した離間機構5の一部であるカム150は、駆動伝達機構100と機械的に接続されている。駆動伝達機構100は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが離間位置にある場合において、現像ローラ61に駆動力を伝達しないように構成されている。
駆動伝達機構100は、図7に、モータ3の駆動力を現像ローラ61に伝達するための駆動伝達ギヤ列100Dを含んでなり、駆動伝達ギヤ列100Dの駆動力の伝達を制御するための駆動制御ギヤ列100Cと機械的に接続されている。図7、図9において、駆動伝達ギヤ列100Dの各ギヤ同士の噛み合いは、太い実線で示し、駆動制御ギヤ列100Cの各ギヤ同士の噛み合いは、太い破線で示す。
駆動伝達ギヤ列100Dは、2つの第1アイドルギヤ110(110A,110B)と、3つの第2アイドルギヤ113A,113B,113Cと、第3アイドルギヤ115(115Y,115M,115C,115K)と、4つのクラッチ120と、4つのカップリングギヤ117(117Y,117M,117C,117K)とを含んでなる。駆動伝達ギヤ列100Dを構成する各ギヤは、支持プレート102または図示しないフレームに支持されており、感光ドラム50の軸方向に平行な回転軸周りに回転可能である。
モータ3は、回転駆動する出力軸3Aを有している。出力軸3Aには、図示しないギヤが設けられている。
図6に示すように、第1アイドルギヤ110は、大径ギヤ110Lと、大径ギヤ110Lよりも歯数が少ない小径ギヤ110Sとを備える2段ギヤである。大径ギヤ110Lと小径ギヤ110Sは一体に回転する。2つの第1アイドルギヤ110は、出力軸3Aの前側に配置された第1アイドルギヤ110Aと、出力軸3Aの後側に配置された第1アイドルギヤ110Bとを含む。各第1アイドルギヤ110の小径ギヤ110Sは、出力軸3Aのギヤと噛み合っている。
図7に示すように、第2アイドルギヤ113Aは、前側に配置された一方の第1アイドルギヤ110の小径ギヤ110Sと噛み合っている。
第2アイドルギヤ113Bは、後側に配置された他方の第1アイドルギヤ110の小径ギヤ110Sと噛み合っている。
第3アイドルギヤ115Y,115M,115C,115Kは、各色に対応して設けられ、前から後ろに向かってこの順に配置されている。
第3アイドルギヤ115Y,115Mは、それぞれ、第2アイドルギヤ113Aと噛み合っている。
第3アイドルギヤ115Cは、第2アイドルギヤ113Bと噛み合っている。
第3アイドルギヤ115Cと第3アイドルギヤ115Kは、それぞれ、第2アイドルギヤ113Cと噛み合っている。これにより第3アイドルギヤ115Kは、第3アイドルギヤ115Cから第2アイドルギヤ113Cを介して駆動力を受ける。
4つのクラッチ120は、それぞれ同じ構成を有している。各クラッチ120は、第3アイドルギヤ115Y,115M,115C,115Kの一つと噛み合って、第3アイドルギヤ115から駆動力を受ける。クラッチ120の構成については後述する。
各カップリングギヤ117は、クラッチ120の一つと噛み合っている。各カップリングギヤ117は、同軸で一体に回転するカップリング軸119を有している(図6参照)。カップリング軸119は、フロントカバー11の開閉に連動して軸方向に移動可能に構成され、フロントカバー11を閉めると現像カートリッジ60のカップリング65(図3(a)参照)と係合する。
このような駆動伝達ギヤ列100Dにより、イエローのカップリングギヤ117Yは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第2アイドルギヤ113A、第3アイドルギヤ115Yおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、マゼンタのカップリングギヤ117Mは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第2アイドルギヤ113A、第3アイドルギヤ115Mおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、シアンのカップリングギヤ117Cは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第2アイドルギヤ113B、第3アイドルギヤ115Cおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、ブラックのカップリングギヤ117Kは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第2アイドルギヤ113B、第3アイドルギヤ115C、第2アイドルギヤ113C、第3アイドルギヤ115Kおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
図8、図9に示すように、駆動制御ギヤ列100Cは、2つの第4アイドルギヤ131(131A,131B)と、2つの第5アイドルギヤ132(132A,132B)と、切替機構の一例であるYMCクラッチ140AおよびKクラッチ140Kと、2つの第6アイドルギヤ133(133A,133B)と、第7アイドルギヤ134と、第8アイドルギヤ135と、第9アイドルギヤ136と、第10アイドルギヤ137と、カム150(150Y,150M,150C,150K)とを含んでなる。駆動制御ギヤ列100Cを構成する各ギヤは、支持プレート102または図示しないフレームに支持されており、感光ドラム50の軸方向に平行な回転軸周りに回転可能である。
第4アイドルギヤ131は、大径ギヤ131Lと、大径ギヤ131Lよりも歯数が少ない小径ギヤ131Sとを備える2段ギヤである(図8参照)。大径ギヤ131Lと小径ギヤ131Sは一体に回転する。2つの第4アイドルギヤ131は、第1アイドルギヤ110Aの前側に配置された第4アイドルギヤ131Aと、第1アイドルギヤ110Bの後側に配置された第4アイドルギヤ131Bとを含む。各第4アイドルギヤ131の大径ギヤ131Lは、第1アイドルギヤ110の小径ギヤ110Sと噛み合っている。
2つの第5アイドルギヤ132は、第4アイドルギヤ131Aの前側に配置された第5アイドルギヤ132Aと、第4アイドルギヤ131Bの後側に配置された第5アイドルギヤ132Bとを含む。各第5アイドルギヤ132A,132Bは、第4アイドルギヤ131A,131Bの小径ギヤ131Sと噛み合っている。
YMCクラッチ140Aは、イエロー、マゼンタおよびシアンのカム150に駆動力を伝達する系列の駆動制御ギヤ列100Cの、駆動力の伝達・切断を切り換える。すなわち、YMCクラッチ140Aは、カム150Y,150M,150Cの回転・停止を切り替え可能である。YMCクラッチ140Aは、大径ギヤ140Lと、大径ギヤ140Lよりも歯数が少ない小径ギヤ140Sとを備える。YMCクラッチ140Aは、第5アイドルギヤ132Aの前側に配置され、大径ギヤ140Lが第5アイドルギヤ132Aと噛み合っている。
YMCクラッチ140Aは、例えば、電磁クラッチであり、通電すること(ONとする)により、大径ギヤ140Lと小径ギヤ140Sが一体に回転し、通電を止めると(OFFとする)、大径ギヤ140Lが空転して小径ギヤ140Sが回転しない。
Kクラッチ140Kは、YMCクラッチ140Aと同じ構成を有している。Kクラッチ140Kは、ブラックのカム150に駆動力を伝達する系列の駆動制御ギヤ列100Cの、駆動力の伝達・切断を切り換える。Kクラッチ140Kは、大径ギヤ140Lと、大径ギヤ140Lよりも歯数が少ない小径ギヤ140Sとを備える。Kクラッチ140Kは、第5アイドルギヤ132Bの後側に配置され、大径ギヤ140Lが第5アイドルギヤ132Bと噛み合っている。
第6アイドルギヤ133は、大径ギヤ133Lと、大径ギヤ133Lよりも歯数が少ない小径ギヤ133Sとを備える2段ギヤである(図6参照)。大径ギヤ133Lと小径ギヤ133Sは一体に回転する。2つの第6アイドルギヤ133は、YMCクラッチ140Aの前側に配置された第6アイドルギヤ133Aと、Kクラッチ140Kの後側に配置された第6アイドルギヤ133Bとを含む。各第6アイドルギヤ133の大径ギヤ133Lは、YMCクラッチ140AまたはKクラッチ140Kの小径ギヤ140Sと噛み合っている。
第7アイドルギヤ134は、第6アイドルギヤ133Aとカム150Yの間に配置されている。第7アイドルギヤ134は、第6アイドルギヤ133Aの小径ギヤ133S(図6参照)と、カム150Yのギヤ部150Gとに噛み合っている。
第8アイドルギヤ135は、カム150Yとカム150Mの間に配置されている。第8アイドルギヤ135は、カム150Yのギヤ部150Gとカム150Mのギヤ部150Gとに噛み合っている。
第9アイドルギヤ136は、カム150Mとカム150Cの間に配置されている。第9アイドルギヤ136は、カム150Mのギヤ部150Gとカム150Cのギヤ部150Gとに噛み合っている。
第10アイドルギヤ137は、第6アイドルギヤ133Bとカム150Kの間に配置されている。第10アイドルギヤ137は、第6アイドルギヤ133Bの小径ギヤ133S(図6参照)と、カム150Yのギヤ部150Gとに噛み合っている。
このような駆動制御ギヤ列100Cにより、イエローのカム150Yは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第4アイドルギヤ131A、第5アイドルギヤ132A、YMCクラッチ140A、第6アイドルギヤ133Aおよび第7アイドルギヤ134を介して駆動力が伝達される。
また、マゼンタのカム150Mは、イエローのカム150Yから、第8アイドルギヤ135を介して駆動力が伝達される。
また、シアンのカム150Cは、マゼンタのカム150Mから、第9アイドルギヤ136を介して駆動力が伝達される。
そして、YMCクラッチ140Aに通電することにより、カム150Y,150M,150Cは同時に回転し、YMCクラッチ140Aの通電を止めることにより、カム150Y,150M,150Cは、ともに停止する。
一方、ブラックのカム150Kは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第4アイドルギヤ131B、第5アイドルギヤ132B、Kクラッチ140K、第6アイドルギヤ133Bおよび第10アイドルギヤ137を介して駆動力が伝達される。
そして、Kクラッチ140Kに通電することにより、カム150Kは回転し、Kクラッチ140Kの通電を止めることにより、カム150Kは停止する。
ここで、クラッチ120の構成とその機能について説明する。
図10(a),(b)に示すように、クラッチ120は、遊星歯車機構を有してなる。クラッチ120は、モータ3からの駆動力を現像ローラ61に伝達する伝達状態と、モータ3からの駆動力を現像ローラ61に伝達しない切断状態とで切替可能に構成されている。具体的に、クラッチ120は、一つの軸を中心に回転可能な要素であるサンギヤ121、リングギヤ122およびキャリア123と、キャリア123に支持されるプラネタリギヤ124とを備えて構成されている。
サンギヤ121は、ギヤ部121Aと一体に回転する円板部121Bと、円板部121Bの外周に設けられた複数の爪部121Cとを有する。爪部121Cは、尖った先端を有し、この尖った先端が周方向において、一方の回転方向に傾いている。
リングギヤ122は、内周面に設けられたインナーギヤ122Aと、外周面に設けられた入力ギヤ122Bとを有する。
キャリア123は、プラネタリギヤ124を回転可能に支持する4つの軸部123Aを有する。また、キャリア123は、外周面に出力ギヤ123Bが設けられている。
プラネタリギヤ124は、4つ設けられ、それぞれ、キャリア123の軸部123Aに回転可能に支持されている。プラネタリギヤ124は、サンギヤ121のギヤ部121Aに噛み合っているとともにリングギヤ122のインナーギヤ122Aに噛み合っている。
クラッチ120は、入力ギヤ122Bが第3アイドルギヤ115と噛み合い、出力ギヤ123Bがカップリングギヤ117と噛み合っている(図6参照)。
そして、サンギヤ121が回転しないように止められた状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できる伝達状態となる。
一方、サンギヤ121が回転できる状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できない切断状態となる。
クラッチ120が切断状態かつ出力ギヤ123Bに負荷が掛かっている状態で入力ギヤ122Bに駆動力が入力された場合は、出力ギヤ123Bは回転せず、サンギヤ121が空転する。
図9に示すように、駆動伝達機構100は、レバー160をさらに備える。レバー160は、支持プレート102に固定された支持軸102Aに揺動可能に支持されている。
レバー160は、カム150と協働することにより、遊星歯車機構の要素であるサンギヤ121、リングギヤ122およびキャリア123のうちの1つの要素であるサンギヤ121に係合してサンギヤ121が回転しないように規制し、クラッチ120を伝達状態とし、サンギヤ121から離脱してクラッチ120を切断状態とする機能を有する。
具体的に、図11(a)に示すように、レバー160は、回転支持部161と、回転支持部161から延びる第1アーム162と、回転支持部161から第1アーム162と異なる方向に延びる第2アーム163とを有する。
回転支持部161は、円筒形状を有し、その内側に支持プレート102の支持軸102Aが入って、支持軸102Aに支持されている。
第2アーム163の先端は、クラッチ120の円板部121Bの外周面に向けて延びている。レバー160は、図示しないトーションスプリングにより先端がサンギヤ121(円板部121B)の外周面に向かうように付勢されている。第2アーム163は、先端にフック163Aを有する。フック163Aは、サンギヤ121の外周面の爪部121Cに係合してサンギヤ121の回転を規制することが可能である。
レバー160は、第1アーム162の先端部162Aが、第2カム部153Bと接触可能である。レバー160は、第1アーム162の先端部162Aがベース円部153Aと対向してフック163Aがクラッチ120の爪部121Cに係合する係合位置と、第1アーム162の先端部162Aが第2カム部153Bと接触して押し動かされることで、フック163Aが遊星歯車機構の1つの要素であるサンギヤ121の爪部121Cから離脱する離脱位置とに移動可能である。レバー160は、第2カム部153Bから離間して係合位置に位置する場合にクラッチ120を伝達状態とし、第2カム部153Bに接触して離脱位置に位置する場合にクラッチ120を切断状態とする。
この動作について、図11から図15を参照して説明する。なお、図11から図15に示した各部材は、イエローに対応する部材であるが、他の色についても、カム150の位相が異なるのみで、基本的な動作は同じである。
図11(a),(b)に示すように、第1アーム162の先端部162Aは、第2カム部153Bから離間した後に、ベース円部153Aに対向する。すると、第2アーム163のフック163Aは、クラッチ120のサンギヤ121の爪部121Cと係合して、レバー160は係合位置に位置する。クラッチ120は、レバー160によりサンギヤ121の回転が止められるので、入力ギヤ122Bが回転させられたときに出力ギヤ123Bが回転する伝達状態となる。これにより、現像ローラ61には、モータ3からの駆動力が伝達可能となり、モータ3が回転すると、駆動伝達ギヤ列100Dを介して現像ローラ61が回転する。また、カムフォロワ170は、接触部172の端面がカム面152Fの第1保持面F1に位置する。このため、スライド軸部171は、現像カートリッジ60のスライド部材64から離間している(図4(a)参照)。したがって、現像ローラ61は、接触位置に位置する。
図12(a),(b)に示すように、図11(a),(b)の状態からカム150が回転すると、カムフォロワ170の接触部172が第1保持面F1上を滑り、第1案内面F3に近づく。4つあるカム150のうち、特にイエローのカム150Yを現像ローラ61が接触位置にある状態で停止させる場合は、図12(a),(b)のような、接触部172が第1案内面F3に接する位置で停止させる。
現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるとき、カム150Yはさらに回転し、接触部172が第1案内面F3と摺動して第1案内面F3に押し動かされ、図13(a),(b)に示すように、接触部172が第2保持面F2に接触する。このとき、スライド軸部171は、現像カートリッジ60のスライド部材64を回転軸線方向に押し動かす。そして、現像カートリッジ60が支持部材90の反力によって前側に押し動かされる(図4(b)参照)。現像ローラ61は、接触部172が第1案内面F3の第2保持面F2に近い位置にあるときに感光ドラム50から離間する。接触部172が第2保持面F2に接触すると、現像ローラ61は離間位置に保持される。
図14(a),(b)に示すように、現像ローラ61が離間位置に位置した後、カム150はさらに回転し、レバー160の第1アーム162の先端部162Aが第2カム部153Bに接触する。レバー160は、第1アーム162が第2カム部153Bに押し動かされることで揺動し、フック163Aがサンギヤ121の爪部121Cから外れて離脱位置に位置する。クラッチ120のサンギヤ121は、レバー160により回転が止められなくなるので、入力ギヤ122Bが回転させられたときに出力ギヤ123Bが駆動力を伝達しない切断状態となる。これにより、現像ローラ61には、モータ3からの駆動力が伝達不能となり、モータ3が回転しても、サンギヤ121が空転するだけで現像ローラ61は回転しない。
現像ローラ61を離間位置に位置させて維持する場合、図14(a),(b)のようなレバー160が離脱位置にある位置でカム150が停止する。4つあるカム150のうち、特にイエローのカム150Yを現像ローラ61を離間位置にある状態で一時停止させる場合は、図14(a),(b)の状態からさらに回転させる。そして、図15(a),(b)に示すように、接触部172が第2保持面F2のうち第2案内面F4側の端部(接触部172が第2案内面F4に接触する直前の位置)で一時停止させる。
現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、図14(a),(b)または図15(a),(b)の状態から、カム150を回転させる。すると、接触部172は、第2案内面F4を摺動して図11に示すような第1保持面F1と対向する位置に位置する。これにより、スライド軸部171は、バネ173の付勢力によって回転軸線方向に動き、スライド部材64から離れる。スライド部材64は、図4(a)の位置に戻り、現像カートリッジ60は図1の実線の位置に戻る。これによって、現像ローラ61は、感光ドラム50に接触する。現像ローラ61は、接触部172が第2案内面F4の第2保持面F2に近い位置を通過したときに感光ドラム50に接触する(図15(b)参照)。
そして、前記したように、レバー160がベース円部153Aと対向してサンギヤ121と係合する係合位置に位置することで、クラッチ120が伝達状態となる。
本実施形態において、画像形成装置1は、シートSへのトナー像の転写時に、シートSの移動に合わせて、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させ、トナー像の転写後に離間位置に順次移動させる。このため、カム150Y,150M,150Cは、第1カム部152Aの位相が所定角度ずつずれるように組み付けられている(図8参照)。より正確には、カム150M,150Cは、同じ部品が用いられ、カム150Yは、カム150M,150Cよりも第1カム部152Aの回転方向の長さが長い。そして、カム150Y,150M,150Cは、第1カム部152Aの回転方向の下流端の位相が所定角度ずつずれており、カム150Yとカム150Mは、第1カム部152Aの回転方向の上流端の位相が揃っている。
一方、カム150Kは、カム150M,150Cと同じ部品であり、制御部2により、カム150M,150Cよりも所定角度、位相が遅れて動作するように制御される。
制御部2は、画像形成装置1の全体の動作を制御する装置である。制御部2は、CPU、ROM、RAM、入出力部等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各処理を実行する。
本実施形態において、制御部2は、給紙センサ28A、レジ前センサ28B、レジ後センサ28C、離間センサ4K,4Cからの信号に基づいて、YMCクラッチ140AおよびKクラッチ140Kを制御し、現像ローラ61の感光ドラム50に対する接触・離間を制御する。
本実施形態においては、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kは、離間位置にある場合に、シートSの移動方向の上流側に隣接する感光ドラム50を露光するレーザ光の光路と重なるので、画像形成装置1は、上流側に隣接する感光ドラム50の露光を開始する前に接触位置に位置するように構成されている。
第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cについては、前記した、カム150Y,150M,150Cの第1カム部152Aの回転方向の長さの設定と、互いの位相のずれの機械的な設定によって、上流側に隣接する感光ドラム50の露光を開始する前に接触位置に位置するようになっている。具体的には、第1現像ローラ61Yの露光前に、第2現像ローラ61Mを接触位置に位置させるため、カム150Y,150Mは、第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させる以前に第2現像ローラ61Mを第2感光ドラム50Mに接触させるように設定されている。すなわち、第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させる時刻をt1、第2現像ローラ61Mを第2感光ドラム50Mに接触させる時刻をt2として、t2≦t1を満たすように設定されている。本実施形態においては、より具体的に、t2=t1になるように設定されている。
一方、第4現像ローラ61Kについては、カラー印刷時は、第3現像ローラ61Cとの関係で、カム150Kがカム150Cに対して所定角度遅れるように制御部2が制御する。すなわち、制御部2は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを使ってカラー印刷をする場合に、第3感光ドラム50Cの露光を開始する前に、第3現像ローラ61Cを接触位置に移動させるとともに第4現像ローラ61Kを接触位置へ移動させる。そして、第3感光ドラム50Cの現像が終了した後で、かつ、第4感光ドラム50Kの現像が終了する前に、第3現像ローラ61Cを離間位置へ移動させる。そして、第4感光ドラム50Kの現像が終了した後に、第4現像ローラ61Kを離間位置へ移動させる。
一方、制御部2は、第4現像ローラ61Kだけを使ってシートSに画像を形成する場合に、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cを離間位置に維持し、第4感光ドラム50Kの露光を開始する前に、第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させる。そして、第4感光ドラム50Kの現像が終了した後に、第4現像ローラ61Kを離間位置へ移動させる。
また、制御部2は、シートSの搬送と最上流側のイエローの第1現像ローラ61Yの第1感光ドラム50Yへの接触タイミングを合わせる制御を実行する。すなわち、制御部2は、シートSの搬送開始後、シートSが第1感光ドラム50Yに到達する前の期間にカム150Y,150M,150Cを回転させる。そして、離間センサ4CからON信号を取得しなくなった時点(OFF信号になった時点)から第1時間T1経過後の一時停止タイミングであって、第1現像ローラ61Yが第1感光ドラム50Yに接触しない一時停止タイミングでYMCクラッチ140Aを制御してカム150Y,150M,150Cを停止させる。そして、シートセンサであるレジ前センサ28BがシートSの前端の通過を検知した時点から第2時間T2経過後の再開タイミングでYMCクラッチ140Aを制御してカム150Y,150M,150Cを回転させ、第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させて画像形成を実行する。
ここで、制御部2の処理の一例について、図16〜図21を参照して説明する。
図16に示すように、制御部2は、印刷ジョブを受信したとき、印刷ジョブに含まれる1頁目の画像形成がカラー画像か否かを判定する(S1)。制御部2は、形成すべき画像がカラー画像であると判定した場合(S1,Yes)、カラー印刷の処理を実行し(S2)、形成すべき画像がモノクロ画像である(カラー画像でない)と判定した場合(S1,No)、モノクロ印刷の処理を実行する(S3)。そして、ステップS2またはS3で1頁の画像形成が終了すると、印刷ジョブに次の頁があるか判定し(S4)、次の頁がある場合(S4,Yes)、ステップS1からの処理を繰り返し、印刷ジョブに次の頁がない場合(S4,No)、処理を終了する。
次に、図17のフローチャートおよび図18のタイミングチャートを参照して、カラー印刷の処理について説明する。図17および図18では、1枚の印刷をする処理を示している。また、図18では、一番上のイエローの第1現像ローラ61Yの動作のタイミングチャートに重ねて、線種を変えてマゼンタ、イエローおよびブラックの第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kの動作を示している。
ステップS2でカラー印刷の処理をする場合、画像形成動作の前はすべての現像ローラ61が離間位置にある。制御部2は、現像ローラ61を順次、接触位置にするため、まず、YMCクラッチ140AをONにするとともにKクラッチ140KをONにする(S201,t0)。これにより、カム150Y,150M,150C,150Kが回転する。カム150Y,150M,150C,150Kが回転すると、すぐに、離間センサ4C,4KがOFFになる(t31)。そして、制御部2は、給紙ローラ23を所定時間動かして(t51)、シートSをピックアップして搬送を開始する(S202)。
そして、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第1感光ドラム50Yに到達する前の期間に、YMCクラッチ140AをONにしてから第1時間T1が経過したか否か判定する(S210)。制御部2は、第1時間T1が経過したと判定したら(S210,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFにして(S211,t32)、一時停止タイミングでカム150Y,150M,150Cを停止させる。この第1時間T1は、一時停止タイミングにおいて、イエローのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Yの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Y,150M,150Cの回転が再開すると、すぐにイエローのカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第1現像ローラ61Yが接触位置へ向けて動き出すようになっている。
次に、制御部2は、レジ前センサON(t53、シートSの先端がレジ前センサ28Bを通過したとき)から第2時間T2が経過したか否か判定し(S212)、経過したと判定したら(S212,Yes)、YMCクラッチ140AをONにして(S213,t33)、再開タイミングでカム150Y,150M,150Cを回転再開させる。この第2時間T2は、第1現像ローラ61Yによる第1感光ドラム50Yの現像が、搬送されてきたシートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。
また、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間に、Kクラッチ140KをONにしてから第1時間T21が経過したか否か判定する(S220)。制御部2は、第1時間T21が経過したと判定したら(S220,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S221,t42)、一時停止タイミングでカム150Kを停止させる。この第1時間T21は、一時停止タイミングにおいて、ブラックのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Kの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Kの回転が再開すると、すぐにカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第4現像ローラ61Kが接触位置へ向けて動き出すようになっている。なお、第1時間T21と第1時間T1は異なる時間である。
次に、制御部2は、再開タイミングでYMCクラッチ140AをON(t33)にしてから第3時間T3が経過したか否か判定し(S222)、経過したと判定したら(S222,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFにして(S223,t36)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。この第3時間T3は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cのすべてが接触位置に位置するような時間に設定されている。
次に、制御部2は、レジ後センサON(t54、シートSの先端がレジ後センサ28Cを通過したとき)から第2時間T22が経過したかを判定し(S224)、経過したと判定したら(S224,Yes)、Kクラッチ140KをONにして(S225,t43)、カム150Kを回転させる。第2時間T22は、第4現像ローラ61Kによる第4感光ドラム50Kの現像が、搬送されてきたシートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。これにより、第4現像ローラ61Kが接触位置に位置するタイミングが、第3感光ドラム50Cの露光を開始する直前となる。
次に、制御部2は、Kクラッチ140KをON(t43)にしてから所定時間T23が経過したか否か判定し(S226)、経過したと判定したら(S226,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S227,t44)、カム150Kを停止させる。この所定時間T23は、第4現像ローラ61Kが接触位置に位置するような時間に設定されている。
次に、制御部2は、レジ後センサOFF(t57、シートSの後端がレジ後センサ28Cを通過したとき)から第4時間T4が経過したかを判定し(S230)、経過したと判定したら(S230,Yes)、YMCクラッチ140AをONにして(S231,t37)、カム150Y,150M,150Cを回転させ、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cを順次離間させ始める。第4時間T4は、第1現像ローラ61Yにより第1感光ドラム50Yの現像が完了し、さらに、第1感光ドラム50YからシートSへの転写が終わった直後に第1現像ローラ61Yが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
次に、制御部2は、レジ後センサOFF(t57)から所定時間T13が経過したかを判定し(S232)、経過したと判定したら(S232,Yes)、Kクラッチ140KをONにして(S233,t45)、カム150Kを回転させる。所定時間T13は、第4現像ローラ61Kにより第4感光ドラム50Kに現像が完了し、さらに、第4感光ドラム50KからシートSへの転写が終わった直後に第4現像ローラ61Kが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
次に、制御部2は、シアンの離間センサ4CがON信号(離間信号)を出力したか否かを判定し(S240)、ON信号を出力したと判定したら(S240,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFにして(S241,t40)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。
次に、制御部2は、ブラックの離間センサ4KがON信号を出力したか否かを判定し(S242)、ON信号を出力したと判定したら(S242,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S243,t46)、カム150Kを停止させる。
このようにして、1枚の印刷時に各現像ローラ61が、順次離間位置から接触位置に移動し、さらに印刷後に接触位置から離間位置に移動する動作が実現される。具体的には、図19に示すように、画像形成装置1は、時刻t1において第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させ、時刻t2において第2現像ローラ61Mを第2感光ドラム50Mに接触させ、時刻t3において、第3現像ローラ61Cを第3感光ドラム50Cに接触させ、時刻t4において、第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させる。本実施形態においては、時刻t1=t2である。また、t1<t3、t2<t3、t3<t4である。そのため、本実施形態では、時刻t1と時刻t2の間の時間を|t1−t2|、時刻t2と時刻t3の間の時間を|t2−t3|として、|t1−t2|<|t2―t3|を満たす。なお、本発明において、後の時刻は、前の時刻より値が大きいものとし、後の時刻から前の時刻を引いた値は正であり、前の時刻から後の時刻を引いた値は負とする。そして、時刻と時刻を引いた値の絶対値は、時間の長さを意味する。t1とt2の関係は、t2<t1であってもよいので、この場合には、t2−t1は負の値となる。なお、t2<t1であることは必要ではないが、この場合には、第2現像ローラ61Mをより早めに接触位置に移動させることになる。
また、画像形成装置1は、時刻t11において第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yから離間させ、時刻t12において第2現像ローラ61Mを第2感光ドラム50Mから離間させ、時刻t13において、第3現像ローラ61Cを第3感光ドラム50Cから離間させ、時刻t14において、第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kから離間させる。本実施形態においては、t11<t12<t13<t14である。このため、時刻t1と時刻t2の間の時間を|t1−t2|、時刻t11と時刻t12の間の時間を|t11−t12|として、|t1−t2|<|t11−t12|を満たす。
次に、図20のフローチャートおよび図21のタイミングチャートを参照して、モノクロ印刷の処理について説明する。図20および図21では、1枚の印刷をする処理を示している。
ステップS3でモノクロ印刷の処理をする場合、画像形成動作の前はすべての現像ローラ61が離間位置にある。モノクロ印刷の処理中、制御部2は、YMCクラッチ140Aを一切動かさず、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cを離間位置に位置させたままとする。一方、制御部2は、第4現像ローラ61Kを接触位置にするため、まず、Kクラッチ140KをONにする(S301,t0)。これにより、カム150Kが回転する。カム150Kが回転すると、すぐに、ブラックの離間センサ4KがOFFになる(t61)。そして、制御部2は、給紙ローラ23を所定時間動かして(t51)、シートSをピックアップして搬送を開始する(S302)。
そして、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間に、Kクラッチ140KをONにしてから第1時間T21が経過したか否か判定する(S310)。制御部2は、第1時間T21が経過したと判定したら(S310,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S311,t62)、一時停止タイミングでカム150Kを停止させる。この第1時間T21は、一時停止タイミングにおいて、ブラックのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Kの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Kの回転が再開すると、すぐにカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第4現像ローラ61Kが接触位置へ向けて動き出すようになっている。なお、モノクロ印刷における第1時間T21と、カラー印刷における第1時間T1は異なる時間である。
次に、制御部2は、レジ後センサON(t54、シートSの先端がレジ後センサ28Cを通過したとき)から第2時間T22が経過したか否か判定し(S312)、経過したと判定したら(S312,Yes)、Kクラッチ140KをONにして(S313,t63)、再開タイミングでカム150Kを回転再開させる。この第2時間T22は、第4現像ローラ61Kによる第4感光ドラム50Kの現像が、搬送されてきたシートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。なお、モノクロ印刷における第2時間T22と、カラー印刷における第2時間T2は異なる時間である。
次に、制御部2は、Kクラッチ140KをON(t63)にしてから所定時間T23が経過したか否か判定し(S324)、経過したと判定したら(S324,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S325,t66)、カム150Kを停止させる。この所定時間T23は、第4現像ローラ61Kが接触位置に位置するような時間に設定されている。
次に、制御部2は、レジ後センサOFF(t57)から所定時間T13が経過したかを判定し(S332)、経過したと判定したら(S332,Yes)、Kクラッチ140KをONにして(S333,t67)、カム150Kを回転させる。
次に、制御部2は、ブラックの離間センサ4KがON信号を出力したか否かを判定し(S342)、ON信号を出力したと判定したら(S342,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S343,t70)、カム150Kを停止させる。
このようにして、1枚の印刷時に第4現像ローラ61Kが、離間位置から接触位置に移動し、さらに印刷後に接触位置から離間位置に移動する動作が実現される。このとき、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cを離間位置に位置させたままとするので、これらの第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cを無駄に回転させることが無い。
以上のような構成による、具体的なシートSと現像ローラ61の動作を図22〜図24を参照して説明する。
画像形成装置1は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを使ってカラー印刷をする場合に、シートSへのトナー像の転写時に、シートSの移動に合わせて、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させ、各感光ドラム50の現像が終了した後に離間位置に移動させる。
具体的には、図22(a)に示すように、シートSが最も上流側の第1感光ドラム50Yに到達する前に、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kのすべてを離間位置に位置させておく。各現像ローラ61が離間位置にある場合、第2現像カートリッジ60Mは、第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光の光路と重なり、第3現像カートリッジ60Cは、第2感光ドラム50Mを露光するレーザ光の光路と重なり、第4現像カートリッジ60Kは、第3感光ドラム50Cを露光するレーザ光の光路と重なる。
そして、図22(b)に示すように、画像形成装置1は、シートSが第1感光ドラム50Yに近づくと、第1感光ドラム50Yの露光を開始する前に、第1現像カートリッジ60Yおよび第2現像カートリッジ60Mを同時に動かし、第1現像ローラ61Yおよび第2現像ローラ61Mを接触位置に移動させる。これにより、第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光が第2現像カートリッジ60Mと重ならなくなり、第1感光ドラム50Yの露光が可能となる。第1現像ローラ61Yは、第1感光ドラム50Yを現像し、第1感光ドラム50Yからトナー像がシートSに転写される。
そして、図22(c)に示すように、画像形成装置1は、シートSが第2感光ドラム50Mに近づくと、第2感光ドラム50Mの露光を開始する前に、第3現像カートリッジ60Cを動かし、第3現像ローラ61Cを接触位置に移動させる。これにより、第2感光ドラム50Mを露光するレーザ光が第3現像カートリッジ60Cと重ならなくなり、第2感光ドラム50Mの露光が可能となる。第2現像ローラ61Mは、第2感光ドラム50Mを現像し、第2感光ドラム50Mからトナー像がシートSに転写される。
そして、図22(d)に示すように、画像形成装置1は、シートSが第3感光ドラム50Cに近づくと、第3感光ドラム50Cの露光を開始する前に、第4現像カートリッジ60Kを動かし、第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させる。これにより、第3感光ドラム50Cを露光するレーザ光が第4現像カートリッジ60Kと重ならなくなり、第3感光ドラム50Cの露光が可能となる。第3現像ローラ61Cは、第3感光ドラム50Cを現像し、第3感光ドラム50Cからトナー像がシートSに転写される。また、第4現像ローラ61Kが接触位置に位置することで、第4現像ローラ61Kが第4感光ドラム50Kを現像することが可能となる。
そして、図23(a)に示すように、画像形成装置1は、第1現像ローラ61Yによる第1感光ドラム50Yの現像が終了した後で、かつ、第2現像ローラ61Mによる第2感光ドラム50Mの現像が終了する前に、第1現像カートリッジ60Yを動かし、第1現像ローラ61Yを離間位置に移動させる。
そして、図23(b)に示すように、画像形成装置1は、第2現像ローラ61Mによる第2感光ドラム50Mの現像が終了した後で、かつ、第3現像ローラ61Cによる第3感光ドラム50Cの現像が終了する前に、第2現像カートリッジ60Mを動かし、第2現像ローラ61Mを離間位置に移動させる。
そして、図23(c)に示すように、画像形成装置1は、第3現像ローラ61Cによる第3感光ドラム50Cの現像が終了した後で、かつ、第4現像ローラ61Kによる第4感光ドラム50Kの現像が終了する前に、第3現像カートリッジ60Cを動かし、第3現像ローラ61Cを離間位置に移動させる。
そして、図23(d)に示すように、画像形成装置1は、第4現像ローラ61Kによる第4感光ドラム50Kの現像が終了した後に、第4現像カートリッジ60Kを動かし、第4現像ローラ61Kを離間位置に移動させる。
一方、画像形成装置1は、図24(a)〜(c)に示すように、第4現像ローラ61Kだけを使ってモノクロ印刷をする場合、シートSへのトナー像の転写時に、第1色から第4色のうち、ブラック以外の第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cを離間位置に維持する。そして、シートSの移動に合わせて、ブラックに対応する第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させ、第4感光ドラム50Kの現像が終了した後に、離間位置に移動させる。
具体的には、画像形成装置1は、図24(b)に示すように、第4感光ドラム50Kの露光を開始する前に、第4現像カートリッジ60Kを動かして第4現像ローラ61Kを接触位置に移動させる。そして、図24(c)に示すように、第4感光ドラム50Kの現像が終了した後に、第4現像ローラ61Kを離間位置へ移動させる。
次に、画像形成装置1の起動時における現像ローラ61の回転時間の計算および現像カートリッジ60の交換の報知の制御について説明する。
本実施形態において、制御部2は、画像形成装置1の起動時に、離間センサ4C,4Kから離間信号を取得しない場合、離間信号を取得するまでカム150を回転させ、離間信号を取得する初期位置でカム150を停止させるカム位置初期化制御を実行する。ここで、画像形成装置1の起動時とは、画像形成装置1の電源が入れられた場合や、フロントカバー11などのカバー類が開閉された場合や、シートトレイ21が着脱された場合などを含む。
制御部2は、カム位置初期化制御の実行後、カム位置初期化制御においてカム150を回転させた時間から、現像ローラ61が停止している期間を除外した現像ローラ61の回転時間DRを算出する。
具体的には、制御部2は、カム150を初期位置から1周して初期位置で停止させた場合に、カム150が初期位置から動き始めてから現像ローラ61が回転し始めるまでの現像ローラ61が停止している時間をD1、現像ローラ61が回転し始めてから停止するまでの現像ローラ61が回転している時間をD2、回転している現像ローラ61が停止してからカム150が初期位置で停止するまでの現像ローラ61が停止している時間をD3、カム位置初期化制御に掛かった時間をDとして、制御部2は、回転時間DRを、
D<D3の場合、DR=0、
D3≦D<D2+D3の場合、DR=D−D3
D≧D2+D3の場合、DR=D2
により算出する。
ここで、図25を参照して、D1〜D3を説明する。
図25は、離間センサ4C,4KがONになったことでY,M,Cのカム150Y,150M,150CまたはKのカム150Kが停止している状態(初期位置)から、YMCクラッチ140AおよびKクラッチ140KをONにし続けてこれらのカム150を1回転させて再度初期位置で止めた場合のタイミングチャートである。
第1現像ローラ61Yは、時刻t80でYMCクラッチ140AをONにした後、t80〜t81の時間D1だけ停止し、その後、t81〜t82の時間D2だけ回転し、t82〜t89の時間D3だけ停止する。
第2現像ローラ61Mは、時刻t80でYMCクラッチ140AをONにした後、t80〜t81の時間D1だけ停止し、その後、t81〜t83の時間D2だけ回転し、t83〜t89の時間D3だけ停止する。
第3現像ローラ61Cは、時刻t80でYMCクラッチ140AをONにした後、t80〜t84の時間D1だけ停止し、その後、t84〜t89の時間D2だけ回転する。第3現像ローラ61Cは、離間センサ4Cから離間信号が出力されると停止し、このときカム150Cは初期位置になるので、D3は0である。
第4現像ローラ61Kは、時刻t90でKクラッチ140KをONにした後、t90〜t94の時間D1だけ停止し、その後、t94〜t99の時間D2だけ回転する。第4現像ローラ61Kは、離間センサ4Kから離間信号が出力されると停止し、このときカム150Kは初期位置になるので、D3は0である。
これらの時間D1〜D3は、各現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)のそれぞれに対応して記憶部に記憶された定数である。
なお、図25で示した上記のカム150の1回転の動作は、仮に、カム150を初期位置から初期位置まで1回転させた場合の動作である。起動時に実行するカム位置初期化制御においては、起動時にカム150が初期位置にない場合があるので、その場合には、カム150は、1回転せずに初期位置に到達したとき(離間センサ4C,4Kの離間信号が出力されたとき)に停止する。
そして、制御部2は、さらに、現像ローラ61の回転時間DRから、現像ローラ61の回転量を算出し、回転量の積算値が閾値を超えた場合に、現像ローラ61が寿命を迎えたと判断する。ここでの積算値は、現像ローラ61の回転角度であってもよく、現像ローラ61の回転回数であってもよい。例えば、回転時間DRに係数を掛けることで回転角度や回転回数に換算することができる。
ここで、制御部2の処理の一例について図26、図27のフローチャートを参照して説明する。
制御部2は、図26の処理を、画像形成装置1の電源が入れられたなどの起動時に開始する。制御部2は、まず、モータ3をONにして回転させる(S401)。この時点では、YMCクラッチ140AおよびKクラッチ140KはOFFのままなので、各カム150は回転しない。制御部2は、その後、ステップS410〜S417のイエロー、マゼンタ、シアンについての処理と、ブラックについてのステップS431〜S450の処理を並行して実行する。
まず、イエロー、マゼンタおよびシアンについて見ると、制御部2は、離間センサ4CがONであるか否かを判定し(S410)、ONであれば(S410,Yes)、カム150Y,150M,150Cは初期位置にあるので、カム位置初期化制御をせずにステップS425へ進む。
制御部2は、離間センサ4CがONではないと判定した場合(S410,No)、YMCクラッチ140AをONにし(S411)、時間Dの計測を開始する(S412)。そして、離間センサ4CがONになったら(S413)、YMCクラッチ140AをOFFにして(S414)、時間Dの計測を終了する(S415)。そして、ステップ450で現像ローラ61の回転時間DRを算出する。
図27に示すように、現像ローラ61の回転時間DRの算出処理S450において、制御部2は、時間Dが対象となる色の時間D3よりも小さいか否か判定し(S451)、小さいと判定した場合(S451,Yes)、回転時間DRを0とする(S452)。
制御部2は、時間Dが対象となる色の時間D3よりも小さくないと判定した場合(S451,No)、時間Dが対象となる色の時間D3以上で、D2+D3よりも小さいか否か判定する(S453)。制御部2は、時間DがD3≦D<D2+D3を満たすと判断した場合(S453,Yes)、回転時間DRをD−D3とする(S454)。一方、制御部2は、時間DがD3≦D<D2+D3を満たさないと判断した場合(S453,No)、つまり、時間DがD2+D3以上であった場合には、回転時間DRをD2とする。
図26に戻り、制御部2は、各色についてステップS450の現像ローラ61の回転時間DRの算出を実行する(S417)。
また、制御部2は、ブラックについても、イエロー、マゼンタおよびシアンと同様に現像ローラ61の回転時間DRを算出する。
すなわち、制御部2は、離間センサ4KがONであるか否かを判定し(S431)、ONであれば(S431,Yes)、カム150Kは初期位置にあるので、カム位置初期化制御をせずにステップS425へ進む。
制御部2は、離間センサ4KがONではないと判定した場合(S431,No)、Kクラッチ140KをONにし(S432)、時間Dの計測を開始する(S433)。そして、離間センサ4KがONになったら(S434)、Kクラッチ140KをOFFにして(S435)、時間Dの計測を終了する(S436)。そして、ステップ450で現像ローラ61の回転時間DRを算出する。
制御部2は、4色のすべてについて回転時間DRの算出が終了したら、各現像ローラ61について、現像ローラ61の回転時間DRから回転量を算出する(S420)。そして、制御部2は、各現像ローラ61について、回転量を積算した積算値を算出する(S421)。
次に、制御部2は、各色について、積算値が閾値より大きいか否か判定し(S422)、大きい場合には(S422,Yes)、現像カートリッジ60の交換を報知する(S423)。そして、制御部2は、積算値が閾値より大きくないと判定した後(S422,No)、または、現像カートリッジ60の交換を報知した後、ステップS425でモータ3をOFFにし、起動時の処理を終了する。
このような処理により、制御部2は、各色について、カム位置初期化制御における各現像ローラ61の回転時間DRを正確に算出し、現像ローラ61(現像カートリッジ60)の寿命を適切に判定することができる。
以上に説明した画像形成装置1による作用効果について説明する。
画像形成装置1は、第2現像ローラ61Mが第2感光ドラム50Mに接触する時刻t2と第3現像ローラ61Cが第3感光ドラム50Cに接触する時刻t3との間の時間|t2−t3|に比較して、第1現像ローラ61Yが第1感光ドラム50Yに接触する時刻t1と第2現像ローラ61Mが第2感光ドラム50Mに接触する時刻t2との間の時間|t1−t2|が小さい。すなわち、第1色から第3色の現像ローラ61を、一定間隔で対応する感光ドラム50に接触させるのではなく、第1現像ローラ61Yは、第1感光ドラム50Yの現像に間に合うようなできるだけ遅いタイミングで第1感光ドラム50Yに接触させるのに対し、第2現像ローラ61Mは、第2感光ドラム50Mの現像に間に合うタイミングよりも早く、第1感光ドラム50Yの露光が始まる前に、第2現像カートリッジ60Mが第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光の光路と重ならない位置へ移動できるタイミングで第2感光ドラム50Mに接触させる。このため、第2現像カートリッジ60Mは、第2現像ローラ61Mが離間位置にある場合においても、第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光の光路と重なる程度に大きくすることができる。したがって、この構成によれば、現像カートリッジ60の形状の自由度を向上させて、現像ローラ61と感光ドラム50の接触時間を最小限にしつつ、現像カートリッジ60のトナー容量を大きくすることが可能である。
そして、画像形成装置1は、第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yから離間させる時刻をt11、第2現像ローラ61Mを第2感光ドラム50Mに離間させる時刻をt12として、|t1−t2|<|t11−t12|を満たすので、各色の露光・転写が終わり次第、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させることで現像ローラ61と感光ドラム50の接触時間を最小限にすることができる。
また、画像形成装置1は、t2≦t1を満たす。また、画像形成装置1は、|t1−t2|<|t11−t12|を満たす。これらの構成によっても、第1現像ローラ61Yは、第1感光ドラム50Yの現像に間に合うようなできるだけ遅いタイミングで第1感光ドラム50Yに接触させるのに対し、第2現像ローラ61Mは、第2感光ドラム50Mの現像に間に合うだけでなく、第1感光ドラム50Yの露光に間に合うように早めに第2感光ドラム50Mに接触させることができる。
そして、画像形成装置1は、モノクロ印刷時に、ブラックの第4現像ローラ61Kのみを、シートSの移動に合わせて第4感光ドラム50Kに接触・離間させ、ブラック以外の第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cは、対応する第1感光ドラム50Y、第2感光ドラム50M、第3感光ドラム50Cから離間させたままとするので、ブラック以外の第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cと第1感光ドラム50Y、第2感光ドラム50M、第3感光ドラム50Cの接触時間を最小限にすることができ、現像カートリッジ60の寿命を長くすることができる。
そして、画像形成装置1は、カラー印刷処理において、制御部2が、シートSの搬送開始後、シートSが第1感光ドラム50Yに到達する前の期間にカム150Yを回転させ、離間センサ4Cから離間信号を取得しなくなった時点から第1時間T1経過後の一時停止タイミングでカム150Yを一時停止させ、そこから、シートSの移動に合わせてカム150Yの回転を再開させる。このため、回転再開後には、短い時間で第1現像ローラ61Yが第1感光ドラム50Yに接触する。したがって、シートSを第1感光ドラム50Yに搬送する際の待ち時間を短くすることができる。
また、画像形成装置1は、カラー印刷処理において、制御部2が、シートSの搬送開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間にカム150Kを回転させ、離間センサ4Kから離間信号を取得しなくなった時点から第1時間T21経過後の一時停止タイミングでカム150Kを一時停止させ、そこから、シートSの移動に合わせてカム150Kの回転を再開させる。このため、回転再開後には、短い時間で第4現像ローラ61Kが第4感光ドラム50Kに接触する。したがって、シートSを第4感光ドラム50Kに搬送する際の待ち時間を短くすることができる。
また、離間信号を出力しているときのカム150Y,150Kの位相には幅があるが、離間センサ4C,4Kから離間信号を取得しなくなった時点、つまり、離間信号を出力する状態から離間信号を出力しない状態の切り替わりの時点のばらつきは小さい。そこで、この切り替わりの時点を基準として、現像ローラ61Y,61Kを感光ドラム50Y,50Kに接触させる直前に一時停止させることで、一時停止時におけるカム150Y,150Kの位相のばらつきを小さくすることができる。そして、カム150Yの一時停止後に、レジ前センサ28BがシートSの前端の通過を検知した時点から第2時間T2経過後の再開タイミングでYMCクラッチ140Aを制御してカム150Yを回転させ、第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させて画像形成を実行することで、シートSに画像形成をするタイミングに合わせて第1現像ローラ61Yを第1感光ドラム50Yに接触させることができる。また、カム150Kの一時停止後に、レジ後センサ28CがシートSの前端の通過を検知した時点から第2時間T22経過後の再開タイミングでKクラッチ140Kを制御してカム150Kを回転させ、第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させて画像形成を実行することで、シートSに画像形成をするタイミングに合わせて第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させることができる。すなわち、第1現像ローラ61Y、第4現像ローラ61Kを接触させ始める前の一時停止タイミングにおいてカム150Y,150Kの位相のばらつきを小さくし、第1現像ローラ61Yと第1感光ドラム50Yの接触時間および第4現像ローラ61Kと第4感光ドラム50Kの接触時間を短くすることができる。
そして、第2現像ローラ61Mと第2感光ドラム50Mの接触タイミング、第3現像ローラ61Cと第3感光ドラム50Cの接触タイミング、第4現像ローラ61Kと第4感光ドラム50Kの接触タイミングは、それぞれ、第1現像ローラ61Yと第1感光ドラム50Yの接触タイミングに対して機械的に決定されるので、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを対応する感光ドラム50に接触させる時間も短くすることができる。
また、画像形成装置1は、モノクロ印刷処理において、シートSの搬送開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間にカム150Kを回転させ、離間センサ4Cから離間信号を取得しなくなった時点から第1時間T21経過後の一時停止タイミングでカム150Kを一時停止させ、そこから、シートSの移動に合わせてカム150Kの回転を再開させる。このため、回転再開後には、短い時間で第4現像ローラ61Kが第4感光ドラム50Kに接触する。したがって、シートSを第4感光ドラム50Kに搬送する際の待ち時間を短くすることができる。
また、離間信号を出力しているときのカム150Kの位相には幅があるが、離間センサ4Kから離間信号を取得しなくなった時点、つまり、離間信号を出力する状態から離間信号を出力しない状態の切り替わりの時点のばらつきは小さい。そこで、この切り替わりの時点を基準として、第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させる直前に一時停止させることで、一時停止時におけるカム150Kの位相のばらつきを小さくすることができる。そして、一時停止後に、レジ前センサ28BがシートSの前端の通過を検知した時点から第2時間T22経過後の再開タイミングでKクラッチ140Kを制御してカム150Kを回転させ、第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させて画像形成を実行することで、シートSに画像形成をするタイミングに合わせて第4現像ローラ61Kを第4感光ドラム50Kに接触させることができる。すなわち、第4現像ローラ61Kを接触させ始める前の一時停止タイミングにおいてカム150Kの位相のばらつきを小さくし、第4現像ローラ61Kと第4感光ドラム50Kの接触時間を短くすることができる。
また、画像形成装置1は、クラッチ120によって、現像ローラ61が離間位置にある場合に、現像ローラ61の回転を止めることができるので、現像ローラ61の回転を少なくし、トナーの劣化を抑制することができる。
また、画像形成装置1は、レジ後センサ28Cの信号に基づいてカム150を回転させ、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させることで、精度よいタイミングで現像ローラ61の離間を開始することができる。
制御部2は、画像形成装置1の起動時に、カム位置初期化制御を実行し、カム位置初期化制御においてカムを回転させた時間Dから、現像ローラ61が停止している期間を除外した現像ローラ61の回転時間DRを算出するので、現像ローラ61の回転時間DRを正確に算出することができる。
また、現像ローラ61の回転時間DRを正確に求めることで現像ローラ61の回転量を正確に求めることができる。そして、正確な回転量に基づいて現像ローラが寿命を迎えたか否かを正確に判断することができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態において、制御部2は、現像ローラ61の回転量に基づいて現像ローラ61が寿命を迎えたことを判定していたが、制御部2は、回転時間DRの積算値が閾値を超えた場合に、現像ローラが寿命を迎えたと判断してもよい。このような構成によっても、正確に算出された回転時間DRの積算値に基づいて、現像ローラ61が寿命を迎えたか否かを正確に判断することができる
また、前記実施形態においては、4色のトナーを用いてカラー画像を印刷する画像形成装置1を例示したが、3色や5色のトナーを用いてカラー画像を印刷する装置であってもよい。また、画像形成装置は、1色のトナーのみを用いてモノクロ画像を印刷する画像形成装置であってもよい。
また、画像形成装置は、複合機やコピー機であってもよい。
1 画像形成装置
2 制御部
3 モータ
4C,4K 離間センサ
5 離間機構
27 レジストレーションローラ
28A 給紙センサ
28B レジ前センサ
28C レジ後センサ
30 画像形成部
40 露光装置
50 感光ドラム
50Y 第1感光ドラム
50M 第2感光ドラム
50C 第3感光ドラム
50K 第4感光ドラム
60 現像カートリッジ
60Y 第1現像カートリッジ
60M 第2現像カートリッジ
60C 第3現像カートリッジ
60K 第4現像カートリッジ
61 現像ローラ
61Y 第1現像ローラ
61M 第2現像ローラ
61C 第3現像ローラ
61K 第4現像ローラ
61X 回転軸線
64 スライド部材
90 支持部材
94 被当接部
96A 第1支持面
96B 第2支持面
100 駆動伝達機構
100C 駆動制御ギヤ列
100D 駆動伝達ギヤ列
120 クラッチ
121 サンギヤ
140A YMCクラッチ
140K Kクラッチ
150(150Y,150M,150C,150K) カム
152 端面カム
152A 第1カム部
153B 第2カム部
160 レバー
170 カムフォロワ
182B 斜面
183B 斜面
S シート
各現像カートリッジ60は、図1に実線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置にある位置と、図1に仮想線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置にある位置との間で移動可能である。そして、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが、離間位置にある場合に、第2現像カートリッジ60M、第3現像カートリッジ6Cおよび第4現像カートリッジ6Kは、シートSの移動方向の上流側に隣接する感光ドラム50を露光するレーザ光の光路と重なる。具体的には、第2現像カートリッジ60Mは、第2現像ローラ61Mが離間位置にある場合において、第1感光ドラム50Yを露光するレーザ光の光路と重なり、第3現像カートリッジ60Cは、第3現像ローラ61Cが離間位置にある場合において、第2感光ドラム50Mを露光するレーザ光の光路と重なり、第4現像カートリッジ60Kは、第4現像ローラ61Kが離間位置にある場合において、第3感光ドラム50Cを露光するレーザ光の光路と重なる。
次に、図17のフローチャートおよび図18のタイミングチャートを参照して、カラー印刷の処理について説明する。図17および図18では、1枚の印刷をする処理を示している。また、図18では、一番上のイエローの第1現像ローラ61Yの動作のタイミングチャートに重ねて、線種を変えてマゼンタ、シアンおよびブラックの第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kの動作を示している。
そして、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第1感光ドラム50Yに到達する前の期間に、シアンの離間センサ4CがOFF信号を出力した時点から第1時間T1が経過したか否か判定する(S210)。制御部2は、第1時間T1が経過したと判定したら(S210,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFにして(S211,t32)、一時停止タイミングでカム150Y,150M,150Cを停止させる。この第1時間T1は、一時停止タイミングにおいて、イエローのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Yの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Y,150M,150Cの回転が再開すると、すぐにイエローのカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第1現像ローラ61Yが接触位置へ向けて動き出すようになっている。
また、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間に、ブラックの離間センサ4KがOFF信号を出力した時点から第1時間T21が経過したか否か判定する(S220)。制御部2は、第1時間T21が経過したと判定したら(S220,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S221,t42)、一時停止タイミングでカム150Kを停止させる。この第1時間T21は、一時停止タイミングにおいて、ブラックのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Kの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Kの回転が再開すると、すぐにカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第4現像ローラ61Kが接触位置へ向けて動き出すようになっている。なお、第1時間T21と第1時間T1は異なる時間である。
そして、制御部2は、シートSの搬送を開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間に、ブラックの離間センサ4KがOFF信号を出力した時点から第1時間T21が経過したか否か判定する(S310)。制御部2は、第1時間T21が経過したと判定したら(S310,Yes)、Kクラッチ140KをOFFにして(S311,t62)、一時停止タイミングでカム150Kを停止させる。この第1時間T21は、一時停止タイミングにおいて、ブラックのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Kの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。これにより、カム150Kの回転が再開すると、すぐにカムフォロワ170が第2案内面F4に移動し、第4現像ローラ61Kが接触位置へ向けて動き出すようになっている。なお、モノクロ印刷における第1時間T21と、カラー印刷における第1時間T1は異なる時間である。
また、画像形成装置1は、モノクロ印刷処理において、シートSの搬送開始後、シートSが第4感光ドラム50Kに到達する前の期間にカム150Kを回転させ、離間センサ4から離間信号を取得しなくなった時点から第1時間T21経過後の一時停止タイミングでカム150Kを一時停止させ、そこから、シートSの移動に合わせてカム150Kの回転を再開させる。このため、回転再開後には、短い時間で第4現像ローラ61Kが第4感光ドラム50Kに接触する。したがって、シートSを第4感光ドラム50Kに搬送する際の待ち時間を短くすることができる。

Claims (10)

  1. 感光ドラムと、
    前記感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能な現像ローラと、
    回転することにより、前記現像ローラを、前記接触位置と前記離間位置との間で移動させるカムと、
    前記カムの位相を検知する位相センサであって、前記カムが前記現像ローラが前記離間位置にある所定の位相範囲に位置する場合に離間信号を出力し、前記カムが所定の位相範囲に位置しない場合に前記離間信号を出力しない位相センサと、
    モータと、
    前記モータから前記現像ローラに駆動力を伝達する駆動伝達機構であって、前記カムと機械的に接続され、前記現像ローラが前記接触位置にある場合において、前記現像ローラに駆動力を伝達し、前記現像ローラが前記離間位置にある場合において、前記現像ローラに駆動力を伝達しないように構成された駆動伝達機構と、
    制御部と、を備える画像形成装置であって、
    前記制御部は、
    画像形成装置の起動時に、前記位相センサから前記離間信号を取得しない場合、前記離間信号を取得するまで前記カムを回転させ、前記離間信号を取得する初期位置で前記カムを停止させるカム位置初期化制御を実行し、
    前記カム位置初期化制御の実行後、前記カム位置初期化制御において前記カムを回転させた時間から、前記現像ローラが停止している期間を除外した現像ローラの回転時間DRを算出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記カムを前記初期位置から1周して前記初期位置で停止させた場合に、前記カムが前記初期位置から動き始めてから前記現像ローラが回転し始めるまでの前記現像ローラが停止している時間をD1、前記現像ローラが回転し始めてから停止するまでの前記現像ローラが回転している時間をD2、回転している現像ローラが停止してから前記カムが前記初期位置で停止するまでの前記現像ローラが停止している時間をD3、前記カム位置初期化制御に掛かった時間をDとして、前記制御部は、前記回転時間DRを、
    D<D3の場合、DR=0、
    D3≦D<D2+D3の場合、DR=D−D3
    D≧D2+D3の場合、DR=D2
    により算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記カムは、前記現像ローラの回転軸線と平行な軸周りに回転するカムであり、前記現像ローラの回転軸線方向に突出する第1カム部を有し、
    前記画像形成装置は、前記カムの前記第1カム部と接触して前記回転軸線方向にスライド移動し、前記現像ローラを有する現像カートリッジを押圧するカムフォロワをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像カートリッジを支持する支持部材をさらに備え、
    前記現像カートリッジは、前記カムフォロワに押圧されることで前記回転軸線方向にスライド移動可能なスライド部材を有し、
    前記スライド部材は、前記支持部材に当接して、前記現像カートリッジを前記回転軸線方向に直交する方向へ付勢する、前記回転軸線方向に対して傾斜した斜面を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記駆動伝達機構は、
    前記カムとともに回転する第2カム部と、
    遊星歯車機構を有してなり、前記モータからの駆動力を前記現像ローラに伝達する伝達状態と、前記モータからの駆動力を前記モータに伝達しない切断状態とで切替可能なクラッチと、
    揺動可能であり、かつ、前記第2カム部と接触可能なレバーであって、前記第2カム部から離間した場合に前記遊星歯車機構の1つの要素に係合して前記クラッチを前記伝達状態とし、前記第2カム部に接触した場合に前記1つの要素から離脱して前記クラッチを前記切断状態とするレバーと、を備えることを特徴とする請求項1または請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、さらに、
    前記回転時間DRから、現像ローラの回転量を算出し、
    前記回転量の積算値が閾値を超えた場合に、前記現像ローラが寿命を迎えたと判断すること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記回転量は現像ローラの回転角度であること
    を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記回転量は現像ローラの回転回数であること
    を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、さらに、
    前記回転時間DRの積算値が閾値を超えた場合に、前記現像ローラが寿命を迎えたと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 感光ドラムと、
    前記感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能であり、前記接触位置にあるとき回転し、前記離間位置にあるとき回転しない現像ローラと、
    前記現像ローラを、前記接触位置と前記離間位置との間で移動させるカムと、
    前記カムの位相を検知する位相センサであって、前記カムが前記現像ローラが前記離間位置にある所定の位相範囲に位置する場合に離間信号を出力し、前記カムが所定の位相範囲に位置しない場合に前記離間信号を出力しない位相センサと、
    制御部と、を備える画像形成装置であって、
    前記制御部は、
    画像形成装置の起動時に、前記位相センサから前記離間信号を取得しない場合、前記離間信号を取得するまで前記カムを回転させ、前記離間信号を取得する初期位置で前記カムを停止させるカム位置初期化制御を実行し、
    前記カム位置初期化制御の実行後、前記カム位置初期化制御において前記カムを回転させた時間から、前記現像ローラが停止している期間を除外した回転時間DRを算出することを特徴とする画像形成装置。
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