JP2020147791A - 耐熱フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化性と高温高サイクル疲労特性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】C:0.001〜0.020%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.01〜1.50%、P:0.010〜0.040%、S:0.0001〜0.0100%、Cr:10.0〜16.0%、N:0.001〜0.020%、Al:0.10〜3.0%、Ni:0.01〜0.50%、B:0.0002〜0.0050%、Ti:0.05〜0.30%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、下記(1)式の関係を満足することを特徴とする耐熱フェライト系ステンレス鋼板を採用する。[Si]≧−2[Al]+1 …(1)ただし、式(1)において、[Si]及び[Al]はそれぞれ、Si、Alの含有量(質量%)である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱フェライト系ステンレス鋼板に関する。
自動車の排気系統は、エキゾーストマニホールド、ターボチャージャー、触媒コンバーター、フレキシブルチューブ、フロントパイプ、センターパイプおよびマフラーなどに加え、近年搭載が増加しているEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラー、排熱回収器、DPF(Diesel Particulate Filter)、GPF(Gasoline Particulate Filter)および尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)といった環境対応部品から構成される。これらの排気系部材は、エンジンから排出される高温の排気ガスを通すため、排気系部材を構成する材料には耐酸化性、高温強度、疲労特性など多様な特性が要求される。また、これらの中で内面凝縮水腐食および外面塩害環境に曝される排気系部材には、腐食に対する耐穴開き性に優れた特性が要求される。
上記の中で例えばエキゾーストマニホールドや触媒コンバーターのケースは、特に高温の排ガスに曝されるため、耐熱性を重視した優れたステンレス鋼が使用される。一方、後方に配置させるセンターパイプやマフラー等は、排ガス温度が低くなるため、耐食性を重視したステンレス鋼が使用される。ステンレス鋼の中でオーステナイト系ステンレス鋼は、耐熱性や加工性に優れている。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼は、熱膨張係数が大きいために、エキゾーストマニホールドのように加熱と冷却を繰り返し受ける部材に適用された場合、熱疲労破壊が生じやすい。また、オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼に比べると、スケール剥離性に劣る場合があり、また、高価なNiを多量に含有するためコスト高になる課題がある。よって、自動車の排気系部材には主にフェライト系ステンレス鋼が多用されている。
近年、排ガス規制の強化、エンジン性能の向上、車体軽量化などの観点から、高耐熱性および高耐食性のフェライト系ステンレス鋼が使用されている。耐熱性が重視される排気系部材には、例えばSUS430J1(Nb添加鋼)、Nb−Si添加鋼、SUS444(Nb−Mo添加鋼)、Nb−Cu添加鋼が適用されている(特許文献1)。これらの鋼は、いずれも合金コストが高いNb添加が前提となっており、Nbによる固溶強化あるいは析出強化によって高温強度を高くし、熱疲労寿命を向上するものであった。
一方、後方に配置するセンターパイプやマフラー等は耐食性が重視されるため、SUH409L(Ti添加鋼)、SUS430LX(Ti添加鋼)、SUS436L(Ti−Mo添加鋼)等が使用されている。これらの鋼では、CrやMoにより外面塩害腐食あるいは内面凝縮水腐食に対する耐穴開き性を向上させている。
ところで、近年では車体軽量化による燃費向上、熱効率向上、排ガス浄化のために、排気系統の各箇所に環境対応部品(EGRクーラー、排熱回収機、DPF、GPF等)が搭載される動きが加速しているが、その一方で、排気系統全体の重量が増える傾向にある。各種排気系部材の増加に伴う重量増を押さえて車体軽量化を図るためには、各種排気系部材に使用される鋼板の板厚を減らす、即ち薄肉化することが必要となる。また、排気系統に使用される部品点数が多くなるためコストが増加しており、この対策として素材コストの低減も必要である。しかしながら、素材としての鋼板には、高強度、熱疲労寿命の向上および高耐食化が必要であり、一般的には鋼に合金元素を多量に添加することで高温強度や耐食性を向上させる方法がとられる。この場合、合金コストが高くなる他、鋼板製造性が劣化する場合がある。また、耐食性を向上させる元素が必ずしも高温強度を向上させるわけではなく、コスト増を抑えつつ高強度化と高耐食化を両立し得る鋼は見出されていなかった。
これに対して、耐熱用フェライト系ステンレス鋼として、CuやAlを活用した技術が開示されている。特許文献2には、Nbを無添加とし、Cu添加によってCu析出物を微細分散させることで高温強度を向上させた鋼が記載されている。また、特許文献3には、Al、Ti,CrおよびNi添加量の最適化により熱疲労特性と酸化性に優れた鋼が記載されている。更に、特許文献4と特許文献5には、加工性と酸化性に優れたAl添加フェライト系ステンレス鋼が記載されている。この他、Al添加については、特許文献6と特許文献7にも溶接性や水蒸気酸化特性に対する影響が記載されている。しかしながら、自動車の排気系部材の素材を薄肉化して部品軽量化を図る上で重要となる、高サイクル疲労特性については考慮されていないという問題があった。
自動車の排気系統は、各部品が種々の接合方法で結合されている。エンジンに近い所謂ホットエンド部品と呼ばれている排気系部材では、エンジンの振動や走行時の車体振動が作用するため、排気ガスによる高温環境下で繰り返し応力が作用する。ホットエンド部品における熱疲労は、熱サイクルによって一定歪みが繰り返し作用する低サイクル疲労(破断寿命が10サイクルのオーダー)になるが、比較的低い応力が作用する高サイクル疲労(破断寿命が10〜10サイクルのオーダー)も重要である。また、排気系部材では、高温の排気ガスに曝されるため、高温での高サイクル疲労特性の向上が重要になる。
一方、電気自動車は、電池を搭載してモーターで走行するものであり、電池部品が多数搭載されている。この中で電池ケース、電池モジュール、電池パック、電池セルと呼ばれる発電部品には、ステンレス鋼、アルミニウム、樹脂、Niめっき鋼板等が使用されている。ステンレス鋼を電池ケースに適用した例が特許文献8〜10に記載されている。特許文献8には、オーステナイト系ステンレス鋼箔を素材としたリチウムイオン2次電池用ケースの製造方法が記載されている。特許文献9には、耐熱性に優れた電気自動車搭載用電池ケースにオーステナイト系ステンレス鋼板を適用することが記載されている。更に、特許文献10には、大容量バッテリーの電極材および電極ケースとしてCrを16〜32%添加したフェライト系ステンレス鋼が記載されている。
大容量バッテリーには安全性、軽量化、高性能化が求められており、電池内の短絡や外部衝撃が起きると電解液が燃焼し発火する可能性がある。また、電解液による腐食の懸念もある。そのため、耐熱性及び耐食性の観点から、電池部材に使用される鋼材の成分調整がされている。
電気自動車の場合も、走行中に振動が発生する。振動は電池にも伝わるので、電気自動車に搭載される電池の部材にも、高サイクル疲労が懸念される。
また、電池の発熱や発火は「熱暴走」とも呼ばれる。熱暴走は、何らかの原因により電池内部が発熱し、その発熱が電池内部での化学反応を引き起こして発熱・発火・発煙が生じる現象とされている。電気自動車1台には複数個の電池搭載されるため、1つの電池が熱暴走すると他の電池も連鎖的に熱暴走に至り、場合によっては車両火災に繋がる危険がある。熱暴走によって電池が高温に曝されると、高温でのサイクル疲労が懸念される場合がある。しかしながら、高温でのサイクル疲労については特許文献8〜10では触れられていない。特許文献8〜10では、外部からの振動に伴う高サイクル疲労特性への影響は考慮されておらず、電池部品が高温化した際の信頼性は十分では無かった。これにより、電池部品の薄肉軽量化が進められない状況であった。
また特許文献11には、低比重フェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法が開示されている。特にCr、Al、Siの添加量を調整し、かつ鋼の比重を低くすることで高温強度、耐酸化性、耐食性及び加工性に優れた低比重フェライト系ステンレス鋼が得られることを示しているが、高温の高サイクル疲労特性について言及がない。
特許第5297630号公報 特許第5546911号公報 特許第5700175号公報 特許第4986975号公報 特許第4236503号公報 特許第3474829号公報 特許第5401039号公報 特許第6090923号公報 特開平10−188922号公報 特開2009−167486号公報 特開2018−168457号公報
本発明は、高温での高サイクル疲労特性に優れ、自動車の排気系部材や電池部品の薄肉化に寄与することが可能な、耐熱フェライト系ステンレス鋼板を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]質量%で、
C:0.001〜0.020%、
Si:0.1〜1.5%、
Mn:0.01〜1.50%、
P:0.010〜0.040%、
S:0.0001〜0.0100%、
Cr:10.0〜16.0%、
N:0.001〜0.020%、
Al:0.10〜3.0%、
Ni:0.01〜0.50%、
B:0.0002〜0.0050%、
Ti:0.05〜0.30%を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
下記(1)式の関係を満足することを特徴とする耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
[Si]≧−2[Al]+1 …(1)
ただし、式(1)において、[Si]及び[Al]はそれぞれ、Si、Alの含有量(質量%)である。
[2]前記鋼板が更に質量%で、
Nb:0.005〜0.300%、
Cu:0.01〜0.50%、
Mo:0.01〜3.00%、
V:0.01〜0.50%、
Ca:0.0005〜0.0100%、
W:0.1〜3.0%、
Zr:0.01〜0.10%、
Ta:0.01〜0.10%、
Hf:0.01〜0.10%、
Sn:0.005〜0.500%、
Co:0.03〜0.30%、
Mg:0.0002〜0.0100%、
Sb:0.005〜0.500%、
REM:0.002〜0.200%、
Ga:0.0002〜0.3000%
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする[1]記載の耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
[3]800℃におけるJIS Z 2275(1978年)に規定される平面曲げ疲労試験における疲労強度が50MPa以上であることを特徴とする[1]または[2]記載の耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
本発明によれば、高温での高サイクル疲労特性に優れ、自動車の排気系部材や電池部品の薄肉化に寄与することが可能な、耐熱フェライト系ステンレス鋼板を提供できる。
Si量及びAl量と高温での高サイクル疲労特性との関係を示す図である。
自動車の排気系統では、エンジンの振動や走行時の車体振動が作用するため、排気ガスによる高温環境下で繰り返し応力が加わる。こうした熱疲労は、熱サイクルによって一定歪みが繰り返し作用する低サイクル疲労(破断寿命が10サイクルのオーダー)になるので、排気系部材に適用される鋼板は低サイクルでの疲労特性に優れることが求められる。その一方で、比較的低い応力が作用する高サイクル疲労(破断寿命が10〜10サイクルのオーダー)に対する耐久性も重要である。更に、本発明者らが検討したところ、排気ガスが通る排気系部材の場合、排気ガスによる酸化特性が高サイクル疲労特性に影響を及ぼす事を知見した。
すなわち、耐酸化性が低いと、ノジュール状のスケールが生成して母材の減肉が生じ、高サイクル疲労時の亀裂の起点や伝播を助長する場合があることを本発明者らは知見した。特に、平面曲げモードの高サイクル負荷によって材料表面に引張・圧縮の繰り返し応力が作用するとスケール剥離が生じ易く、疲労寿命を低下させる事を知見した。従来技術では、この様な疲労寿命と酸化性の関係は考慮されておらず、近年の排気ガス温度の高温化や材料の薄肉化によって健在化した課題である。
また、電気自動車に搭載される電池用の部材についても軽量化のための薄肉化の要望があるが、この場合も、外部からの振動による高サイクル疲労が問題になる。特に、電池の発熱に伴う電池の熱暴走を抑止するためには、高温での高サイクル疲労特性を改善する必要があった。
本発明では、比較的低Cr量かつ低Nb量の成分を有する安価なフェライト系ステンレス鋼において、Al、Siの添加量を調整し、また、耐酸化性に加えて高温での高サイクル疲労特性(以下、高温高サイクル疲労特性という)を向上させることを目的として、鋭意研究を推進した。そして、かかる目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
以下、本発明者らが得た新たな知見について説明する。
フェライト系ステンレス鋼板を素材とした排気系部材の高温高サイクル疲労特性には、耐酸化性が影響し、表層の酸化特性やスケール剥離性が疲労亀裂の発生や亀裂伝播に影響を及ぼすことを見出した。また、電池において、1つの電池が発熱あるいは発火した際に他の電池へ熱暴走の連鎖を抑えるためには、電池を構成する電池ケースなどの電池部品に十分な耐酸化性が求められるとともに、電気自動車の運転中の振動による亀裂発生および伝播による破裂を抑制するためには、高温での疲労特性を向上させる必要があることを見出した。
これらのことから、出来る限り合金コストをかけずに耐酸化性と高温高サイクル疲労特性を向上させることを目的として、特にAlやSiの含有量を詳細に調査した。その結果、AlやSi量の含有バランスの適正範囲があることを見出した。また、他元素の含有量を適正化することによって、合金コストを大幅に増加させずに高温高サイクル疲労特性を大幅に向上させることを知見した。
以下、本発明の耐熱フェライト系ステンレス鋼板(以下、単に鋼板とも称する。)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る鋼板の成分組成を限定した理由について説明する。なお、鋼の成分を示す%については、特に断りのない限り質量%を意味する。
Cは、成形性、耐酸化性および耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほどよいため、0.020%以下とする。スケール剥離による高温高サイクル疲労特性の劣化を考慮すると、C量は好ましくは0.009%以下とする。但し、過度のC量の低減は精錬コストの増加に繋がるため、C量の下限を0.001%以上とし、好ましくは0.003%以上とする。
Nは、Cと同様に耐酸化性および耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほどよいため、0.020%以下とする。スケール剥離による高温高サイクル疲労特性の劣化を考慮すると、C量は好ましくは0.015%以下とする。但し、過度のN量の低減は精錬コストの増加に繋がるため、N量は0.001%以上とし、好ましくは0.003%以上とする。
Siは、耐酸化性や高温高サイクル疲労特性を向上させるため、本発明において重要な元素である。本発明では、Siは、加熱時に鋼板表層にSi酸化物を形成し、耐酸化性を向上させる元素であるため、振動が付与された際にスケール剥離部や厚スケール部からの亀裂発生を抑制する。また、Siが高温下での加工硬化能が高いことに起因して亀裂前方の加工硬化が生じやすく、亀裂進展を停滞させる効果があることを知見している。また、Siは脱酸剤としても有用な元素であるとともに、高温強度を改善する元素でもある。加えて、これ以外にも耐食性を向上させるため、Siは0.1%以上を含有させる。スケール剥離性、高温時効劣化の抑制、外面耐食性および高温塩害特性を考慮すると0.4%以上が望ましい。一方、Si量が1.5%超となると靭性が著しく劣化し、鋼板製造時の板破断や部品加工時の脆性割れが問題となる。また、高温化でSiの内部酸化物が過度に発達し、高サイクル疲労亀裂の起点となるため、上限を1.5%以下とする。また、製品としての鋼板の延性が不足すると、部品加工の自由度が低下するため、これを考慮するとSi量は1.3%以下が望ましい。更に、鋼板製造時の酸洗性を考慮すると1.0%未満が望ましい。
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、中温域での高温強度上昇に寄与するため、0.01%以上を含有させる。また、長時間使用中にMn系酸化物を鋼板表層に形成し、スケール密着性や異常酸化抑制効果があるため、Mn量は0.30%以上が望ましい。更に、高温高サイクル疲労特性の向上を考慮すると、Mn量は1.00%超が望ましい。一方、Mn量が1.50%超となると、MnSを過度に形成して疲労亀裂の起点となるため、上限を1.50%以下とする。更に、常温延性を考慮すると、Mn量は1.40%以下が望ましい。
Pは、固溶強化元素であり材料を硬質化させるため、延性や靭性の観点からその含有量は少ないほどよい。また、FeTiP等の析出物が高温高サイクル疲労亀裂の起点になるため、P量の上限を0.040%以下とする。耐食性を考慮するとP量は0.030%以下が望ましい。また、Pの過度の低減は原料コストの増加に繋がるため、下限を0.010%以上とする。更に、製造コストを考慮すると0.015%以上が望ましい。
Sは、耐食性や耐酸化性を劣化させる元素であるため、その含有量は少ないほどよい。しかし、Sの過度の低減は精錬コストの増大を招くため、S量は0.0001%以上とする。S量は0.0005%以上でもよい。一方、S量が0.0100%超の場合、MnS、Ti等の析出物生成に起因して高温高サイクル疲労寿命が低下する他、延性が劣化するため、上限を0.0100%以下とする。また、耐食性を考慮すると0.0030%以下が望ましい。
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。Cr量が10.0%未満では、その効果が発現しないため、下限を10.0%以上とする。一方、Crは本発明で活用するAlやSiと同様に、靭性や加工性を劣化させる元素であるため、Al及びSiを含有させる場合にはCrの多量の含有は困難となる。したがって、鋼板製造時の靭性を確保するためには、Cr量を16.0%以下とする必要がある。また、鋼板製造時の酸洗性を考慮すると15.0%以下がよい。更に、合金コストを考慮すると14.5%以下が望ましい。
Alは、Siと同様に、耐酸化性や高温高サイクル疲労特性を向上させるため、本発明において重要な元素である。本発明では、Alは、加熱時に鋼板表層にAlの内部酸化物を針状に形成し、耐酸化性を向上させる元素であるため、振動が付与された際にスケール剥離部や厚スケール部からの亀裂発生を抑制する。また、Siと同様に、高温下での加工硬化能が高いことに起因して亀裂前方の加工硬化が生じやすく、亀裂進展を停滞させる効果があることを知見している。また、Alは、高温強度や耐酸化性を改善する元素であるとともに、脱酸剤として高温高サイクル疲労特性を劣化させる介在物の清浄度を向上させる元素であるため、0.10%以上含有する。また、スケール剥離性の向上による高温高サイクル疲労寿命の向上を考慮すると0.30%以上がよい。更に、耐食性を考慮すると0.50%超が望ましい。一方、Alは鋼を脆化させる元素であり、3.0%超の含有は鋼板製造時の板破断および部品加工時の割れの問題が生じることから、上限を3.0%以下とする。溶接性を考慮すると、2.8%以下が望ましく、鋼板製造時の表面疵、酸洗性を考慮すると2.5%未満が望ましい。
Niは、隙間腐食の抑制や再不働態化の促進により耐初期錆び性を向上させるため、0.01%以上含有させる。但し、製品としての鋼板の延性を劣化させるためNiの上限を0.50%以下とする。また、Niはオーステナイト生成元素であり、高温でオーステナイト変態を助長し、熱膨張差に起因したスケール剥離が生じる。スケール剥離が顕著に生じると高温高サイクル疲労の起点になることから、Ni量は0.20%以下が望ましい。更に、コストや異常酸化抑制の観点から、0.05%未満が望ましい。
Bは、粒界に偏析して粒界を強化することにより鋼板のプレス加工時の2次加工性を向上させる。また、本発明では、Bの粒界偏析によって粒界強度が向上して高温高サイクル疲労特性を向上させることを知見している。これらの効果は、0.0002%以上含有させることで発現することから、Bの下限を0.0002%以上とする。また、高温強度やスケール剥離性を考慮するとB量は0.0005%以上が望ましい。しかしながら、Bを過度に含有させると、鋼板を硬質化させるとともに、耐粒界腐食性や耐酸化性を劣化させる他、溶接割れが生じるため、0.0050%以下とする。更に、耐食性や製造コストを考慮すると、B量は0.0015%以下が望ましい。
Tiは、C,Nと結合して、耐食性、耐粒界腐食性、常温延性や深絞り性を向上させる元素である。これらの効果は0.05%以上で発現することから、下限を0.05%以上とする。一方、Tiは、表面疵の発生や靭性の低下を招くため、上限は0.30%以下とする。溶接性や加工性を考慮するとTiは0.25%以下がよい。更に、粗大なTiN形成による高温高サイクル疲労特性の劣化や合金コストを考慮すると、Ti量は0.18%未満が望ましい。
以上、本実施形態の鋼板の基本的な成分組成について説明したが、上記成分に加えさらに下記に示す元素1種または2種以上を選択的に含有させると好ましい。また、下記に示す元素は含有させなくてもよく、含有量の下限は0%であってもよい。
Nbは、Tiと同様に、C,Nと結合して耐食性、耐粒界腐食性、常温延性や深絞り性を向上させる元素である。これらの効果は0.005%以上で発現することから、必要に応じてNbを0.005%以上含有させる。一方、過度なNbの含有は溶接時の凝固割れを生じさせ易く、延性も低下するため上限は0.300%以下とする。また、粗大なNb炭窒化物やLaves相と呼ばれる金属間化合物の生成による高温高サイクル疲労特性の劣化を考慮すると、0.200%以下がよい。更に、合金コストを考慮すると0.100%以下が望ましい。
Cuは、600〜800℃程度の中温度域における高温強度向上に有効な元素であるとともに、耐錆性を向上させる元素であるため、必要に応じて0.01%以上含有させる。また、高温高サイクル疲労特性を考慮すると、0.10%以上の含有が望ましい。一方、Cuを過度に含有させることは、常温延性および耐酸化性に支障が生じる。また、靭性を劣化させる元素であり、本発明はAl及びSiを含有させることで靭性が低くなるため、上限を0.50%以下とする。また、酸洗性を考慮すると0.40%以下がよく、合金コストを考慮すると0.30%以下が望ましい。
Moは、耐食性や高温強度を向上させる元素であり、特に鋼板を、隙間構造を有する部材に適用する場合には、隙間腐食を抑制するために必要な元素である。そのため、必要に応じて0.01%以上を含有させる。また、高温強度や高温高サイクル疲労特性を考慮すると、0.40%以上が望ましい。一方、Moは靭性を劣化させる元素であり、本発明はAl及びSiを含有させることで靭性が低くなるため、上限を3.00%以下とする。また、酸洗性を考慮すると2.00%以下がよく、合金コストを考慮すると1.00%以下が望ましい。
Vは、隙間腐食を抑制させる他、微量の含有によって靭性向上に寄与するため、必要に応じて0.01%以上を含有させる。但し、Vを過度に含有させることは、硬質化し成形性を劣化させる他、粗大なV(C,N)が析出することによって高温高サイクル疲労特性の劣化につながるため、上限を0.50%以下とする。尚、原料コストや初期錆び性を考慮すると、0.05〜0.20%が望ましい。
Caは、脱硫のために含有させる場合があり、この効果は0.0005%以上で発現することから、下限を0.0005%以上とする。しかしながら、0.0100%超含有させることにより粗大なCaSが生成し、高温高サイクル疲労特性や耐食性を劣化させるため、Caの上限を0.0100%以下とする。更に、清浄度や製造性を考慮すると、Ca量は0.0010〜0.0020%が望ましい。
Wは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて0.1%以上含有させる。しかしながら、Wを過度に含有させることは鋼板製造時の靭性劣化やコスト増につながるため、上限を3.0%以下とする。更に、高温高サイクル疲労特性や製造性を考慮すると、0.2〜1.0%が望ましい。
Zr、TaおよびHfは、CやNと結合して靭性の向上に寄与するため、必要に応じてそれぞれ0.01%以上含有させる。但し、Zr、TaおよびHfは、0.10%超含有させるとコスト増になる他、製造性を著しく劣化させるため、上限をそれぞれ0.10%以下とする。更に、精錬コストや製造性を考慮すると、Zr、TaおよびHfはそれぞれ、0.01〜0.08%が望ましい。
SnおよびSbは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じてそれぞれ0.005%以上含有させる。ただし、SnおよびSbは、0.500%超含有させると鋼板製造時のスラブ割れが生じる場合があるため、上限をそれぞれ0.500%以下とする。更に、精錬コストや製造性を考慮すると、SnおよびSbは0.005〜0.20%が望ましい。
Coは、高温強度や高温高サイクル疲労特性の向上に寄与するため、必要に応じて0.03%以上含有させる。一方、合金コストの観点から、上限を0.30%以下とする。更に、精錬コストや製造性を考慮すると、0.03〜0.10%が望ましい。
Mgは、脱酸元素として含有させる場合がある。また、Mgは、スラブの組織を微細化させて、溶接部の成形性向上に寄与する元素である。さらに、Mg酸化物は、Ti(C,N)やNb(C,N)等の炭窒化物の析出サイトになり、これらを微細分散析出させる効果がある。これらの作用はMg量が0.0002%以上で発現する。また、靭性向上に寄与するためにも、Mgの下限を0.0002%以上とする。但し、Mgを過度に含有させることは、溶接性や耐食性の劣化につながるため、上限を0.0100%以下とする。また、精錬コストや高温高サイクル疲労特性を考慮すると、0.0002〜0.0010%が望ましい。
REMは、種々の析出物の微細化による靭性向上や耐酸化性の向上の観点から必要に応じて含有させる場合がある。この効果は0.002%以上で発現することから、REMの下限を0.002%以上とする。しかしながら、REMを0.200%超含有させると、鋳造性が著しく悪くなることから、上限を0.200%以下とする。更に、精錬コストや製造性を考慮すると、0.002〜0.01%が望ましい。
REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、周期律表におけるランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加してもよいし、混合物であってもよい。
Gaは、耐食性向上や水素脆化抑制のため、0.3000%以下含有させてもよい。硫化物や水素化物形成の観点から下限は0.0002%以上とする。さらに、製造性やコストの観点から0.0020%以下が好ましい。
本実施形態の鋼鈑は、上述してきた元素以外は、Fe及び不純物からなる。
本実施形態の鋼鈑は、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で他の元素を含有させることが出来る。例えば、本実施形態においては、Bi等を必要に応じて、0.001〜0.1%含有させてもよい。なお、As、Pb等の一般的な有害な元素や不純物元素はできるだけ低減することが好ましい。
また、上記の成分組成に関して、本実施形態ではSiとAl添加量のバランスについて[Si]≧−2[Al]+1の関係を満たす必要がある。ここで、[Si]及び[Al]はそれぞれ、鋼板中のSi及びAlの含有量(質量%)である。耐食性および耐酸化性の観点からは、鋼板中のCr含有量は多い方がよい。しかし、CrはAlやSiと同様に靭性を低下させる元素であるため、多量に含有させることは困難である。さらに、本実施形態では、SiやAlを通常のSUH409やSUS429等に比べて多量に含有させることから、鋼製造時の鋼素材および製品としての鋼板の靭性が課題となる。また、後述する様に、本実施形態においては、比較的Cr量が少ない鋼成分であっても、製品としての鋼板表面の酸化皮膜層にSiやAlが濃化することを活用して、耐酸化性や高温高サイクル疲労特性を確保できるが、比較的低Cr成分であるが故に、SiやAlの含有量に適正量があることを知見した。
図1に、高温での高サイクル疲労特性を評価するため、冷延鋼板(板厚1.5mm)を大気中800℃で平面曲げ疲労試験を行った結果を図1に示す。疲労試験に供した鋼の基本成分は、11.0%Cr−0.005%C−0.3%Mn−0.03%P−0.001%S−0.2%Ti−0.01%Ni−0.0005%B−0.010%Nとした。そして、この基本成分において、Si量を0.11〜1.50質量%の範囲で変化させ、Al量を0.11〜2.84質量%の範囲で変化させた。平面曲げ疲労試験については、圧延方向が軸方向となるようにJIS Z 2275(1978年)に規定された1号試験片を採取した。そして、試験片に対して、両振りで50MPaの負荷応力が作用する様に曲げモーメントを1700回/分で付与した。試験は大気中で行い、試験温度は800℃とした。その他についてはJIS Z 2275(1978年)に準拠した。そして、負荷応力が50MPaとして10回の繰り返しで破断しない場合を合格(〇)、途中で破断した場合を不合格(×)と定義した。
一般的に疲労特性の指標である疲労限は、種々の負荷応力で疲労試験を行い、10回で破断しない応力、もしくは破断する最小応力と破断しない最大応力の平均値で決定される場合が多いが、本発明では自動車排気部品で付与される繰り返し応力として50MPaを10回付与した際の破断有無を判定基準とした。即ち、50MPaで10回付与した際に合格したものは疲労強度が50MPa以上あり、高い疲労特性を有する材料といえる。
これらの試験後のサンプルの外観を観察した結果、既存の11%Cr鋼(SUH409)では部分的に酸化スケールの剥離が生じており、繰り返し負荷によってスケール剥離部が亀裂起点になるため亀裂発生が早く、疲労特性が低いと考えられる。一方、本発明範囲の鋼には上記の様なスケール剥離が見られず、亀裂が発生し難いとともに、AlやSiによる高加工硬化特性が亀裂進展を抑制した結果、高疲労特性を示すと考えられる。図1に示すように、[Si]≧−2[Al]+1の関係を満たす場合に、高温での高サイクル疲労特性に優れていることが判明した。
また、SiよりもAlの方が高温高サイクル疲労特性に対しても有効な理由として、内部酸化層の発達の程度が影響していると推察される。即ち、SiやAlは鋼材に対して内部酸化しアンカー効果でスケール密着性を良くし、疲労亀裂の発生を抑制すると考えられるが、その程度がAlの方が効果的に内部酸化すると考えられる。Siの上限はAlとの関係で[Si]<−[Al]+3の関係を満たすことが望ましい。
以上より、本発明範囲の鋼は高価な元素を多量に添加せずとも優れた疲労特性を有することがわかる。
本実施形態の鋼板の製造方法は、製鋼−熱間圧延−熱延板焼鈍・酸洗−冷間圧延−冷延板焼鈍・酸洗の各工程よりなる。各工程の製造条件については、冷延板焼鈍・酸洗工程以外は特に規定するものではない。すなわち、冷延板焼鈍・酸洗工程以外の工程については、特に制限はなく、従来公知の方法を適用できる。ちなみに、代表的な製造条件を示すと、以下のとおりである。
製鋼においては、上記成分組成を含有する鋼を、転炉溶製し、続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造)に従ってスラブとする。スラブは、所定の温度に加熱され、所定の板厚に連続圧延で熱間圧延される。
熱間圧延後は熱延板焼鈍・酸洗を行うが、熱延板焼鈍工程は省略してもよい。
酸洗後の冷間圧延は、通常のゼンジミアミル、タンデムミルのいずれで圧延してもよいが、鋼板の深絞り性を考慮するとタンデムミル圧延の方が望ましい。冷間圧延においては、ロール粗度、ロール径、圧延油、圧延パス回数、圧延速度、圧延温度などの条件は、本発明の鋼板の各構成・各条件を満たし得るように適宜選択・設定すればよい。
冷間圧延後は冷延板焼鈍(最終焼鈍)を行うが、冷間圧延の途中に中間焼鈍を入れてもよい。なお中間および最終焼鈍はバッチ式焼鈍でも連続式焼鈍でも構わない。また、各焼鈍は、必要であれば水素ガスあるいは窒素ガスなどの無酸化雰囲気で焼鈍する光輝焼鈍でもよいし、大気中で焼鈍しても構わない。
更に、本実施形態に係る鋼板に潤滑塗装を施すことで、更にプレス成形を向上させてもよい。この場合の潤滑膜の種類は適宜選択すればよい。また、最終焼鈍後に形状矯正のために調質圧延やレベラーを付与しても構わないが、加工硬化能の低下を招くことから、なるべくなら、これらの工程は実施しないことが望ましい。
以下に本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
なお、表中の下線部は本発明範囲から外れているものを示す。
表1に示す成分組成の鋼を溶製してスラブに鋳造し、スラブを熱間圧延して4mm厚の熱延コイルとした。その後、熱延コイルを酸洗し、1.2mm厚まで冷間圧延し、再結晶組織となる900~1000℃で冷延板焼鈍後、酸洗を施して製品板とした。
得られた鋼板に対して、電池部品および排気部品を考慮した800℃での高温高サイクル疲労試験を行った。試験方法および判定基準は次の通りとした。
得られた鋼板から、圧延方向が軸方向となるようにJIS Z 2275(1978年)に規定された1号試験片を採取した。そして、試験片に対して、両振りで50MPaの負荷応力が作用する様に曲げモーメントを1700回/分で付与した。試験は大気中で行い、試験温度は800℃とした。その他についてはJIS Z 2275(1978年)に準拠した。そして、負荷応力が50MPaとして10回の繰り返しで破断しない場合を合格(〇)、途中で破断した場合を不合格(×)とした。
表1から明らかなように、本発明で規定する成分組成を有する鋼板は、比較例の鋼板に比べて、高温高サイクル疲労特性に優れていることがわかる。
これより、本発明の鋼板は、自動車排気系部材の素材として使用された場合に、高温の排気ガスに曝される環境においても酸化による減肉や振動による疲労が抑制され、極めて信頼性が著しく高い素材と言える。また、本発明の鋼板を素材とする電池ケースにおいて何らかの反応原因により電池内部が発熱し、更に車体振動が加わって繰り返し負荷が生じた場合においても、亀裂発生および進展が生じず、発火・発煙、更には破裂を引き起こす事が無い。
Figure 2020147791
以上の説明から明らかなように、本発明によれば比較的低Crの成分で耐酸化性や高温疲労特性に優れた安価なフェライト系ステンレス鋼板を提供することが可能である。これを自動車排気部品あるいは電池部品の軽量化に寄与し、社会的寄与は格段に大きい。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.001〜0.020%、
    Si:0.1〜1.5%、
    Mn:0.01〜1.50%、
    P:0.010〜0.040%、
    S:0.0001〜0.0100%、
    Cr:10.0〜16.0%、
    N:0.001〜0.020%、
    Al:0.10〜3.0%、
    Ni:0.01〜0.50%、
    B:0.0002〜0.0050%、
    Ti:0.05〜0.30%を含有し、
    残部がFe及び不純物からなり、
    下記(1)式の関係を満足することを特徴とする耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
    [Si]≧−2[Al]+1 …(1)
    ただし、式(1)において、[Si]及び[Al]はそれぞれ、Si、Alの含有量(質量%)である。
  2. 前記鋼板が更に質量%で、
    Nb:0.005〜0.300%、
    Cu:0.01〜0.50%、
    Mo:0.01〜3.00%、
    V:0.01〜0.50%、
    Ca:0.0005〜0.0100%、
    W:0.1〜3.0%、
    Zr:0.01〜0.10%、
    Ta:0.01〜0.10%、
    Hf:0.01〜0.10%、
    Sn:0.005〜0.500%、
    Co:0.03〜0.30%、
    Mg:0.0002〜0.0100%、
    Sb:0.005〜0.500%、
    REM:0.002〜0.200%、
    Ga:0.0002〜0.3000%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
  3. 800℃におけるJIS Z 2275(1978年)に規定される平面曲げ疲労試験の疲労強度が50MPa以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
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