JP2020147677A - 樹脂成形物及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物を提供すること。【解決手段】絶縁性樹脂と、下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、を含有する、樹脂成形物。式(1):(RSiO1.5)n式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂成形物及び樹脂組成物に関する。
近年、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等の電子機器は、動作周波数の上昇及び装置の小型化等が進んでおり、その一方で、動作周波数の増加に伴う伝送損失の増加、配線微細化による遅延時間の増加等の課題がある。
そこで、上記の電子機器に用いられる回路基板用の絶縁膜としては、低誘電率及び低誘電正接といった特性が望まれている。
そこで、上記の電子機器に用いられる回路基板用の絶縁膜としては、低誘電率及び低誘電正接といった特性が望まれている。
例えば、特許文献1には、溶媒可溶性ポリイミド樹脂、中空無機微粒子、及びポリイミド樹脂が可溶な溶媒を含む印刷配線板用絶縁樹脂組成物、並びに、溶媒可溶性ポリイミド樹脂、及び中空無機微粒子を含む印刷配線板用絶縁性樹脂シートが開示されている。
特許文献2には、平均粒子径が0.05〜3μm、空孔率が30〜90%、BET比表面積が30m2/g未満である中空シリカ粒子が、マトリクス樹脂中に分散されてなる低誘電樹脂組成物、及びその低誘電樹脂組成物からなる低誘電膜が開示されている。
特許文献3には、熱硬化性樹脂及び中空粒子を含有し、中空粒子のシェルは架橋性モノマーの重合体及び共重合体、及び架橋性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体のいずれかでなる単層構造を有し、中空粒子の平均粒径が0.1〜30μmで、中空粒子のシェル厚みが0.01〜4μmで、中空粒子の全体積に対する内部空隙の体積比率が40〜80%である樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、平均粒子径が0.05〜3μm、空孔率が30〜90%、BET比表面積が30m2/g未満である中空シリカ粒子が、マトリクス樹脂中に分散されてなる低誘電樹脂組成物、及びその低誘電樹脂組成物からなる低誘電膜が開示されている。
特許文献3には、熱硬化性樹脂及び中空粒子を含有し、中空粒子のシェルは架橋性モノマーの重合体及び共重合体、及び架橋性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体のいずれかでなる単層構造を有し、中空粒子の平均粒径が0.1〜30μmで、中空粒子のシェル厚みが0.01〜4μmで、中空粒子の全体積に対する内部空隙の体積比率が40〜80%である樹脂組成物が開示されている。
回路基板用の絶縁膜には、誘電特性として低誘電率と低誘電正接とが望まれている。これを達成するため、上記特許文献1〜3に示される通り、絶縁性樹脂のマトリックス中に中空粒子を分散し、絶縁膜中に空隙を導入する技術が検討されてきている。
しかしながら、シェル層がシリカで形成されている中空粒子の場合、絶縁膜の強度及び熱寸法安定性の観点では有利ではあるものの、シリカそのものの誘電率が高いために、絶縁膜の誘電特性は満足するものではない。一方、シェル層が有機材料で形成されている中空粒子の場合、絶縁膜の誘電特性は下がりやすいが、中空粒子の耐熱性は低く、絶縁膜の熱膨張性が高くなる傾向にあり、絶縁膜の熱寸法安定性には課題がある。
しかしながら、シェル層がシリカで形成されている中空粒子の場合、絶縁膜の強度及び熱寸法安定性の観点では有利ではあるものの、シリカそのものの誘電率が高いために、絶縁膜の誘電特性は満足するものではない。一方、シェル層が有機材料で形成されている中空粒子の場合、絶縁膜の誘電特性は下がりやすいが、中空粒子の耐熱性は低く、絶縁膜の熱膨張性が高くなる傾向にあり、絶縁膜の熱寸法安定性には課題がある。
そこで、本発明の課題は、シェル層がシリカからなる中空粒子又はシェル層が有機材料からなる中空粒子を含む場合と比較して、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物を提供することである。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 絶縁性樹脂と、
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、
を含有する、樹脂成形物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、
を含有する、樹脂成形物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
<2> 前記中空粒子が2層以上からなるシェル層を有し、前記2層以上からなるシェル層のうち少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む、<1>に記載の樹脂成形物。
<3> 前記2層以上からなるシェル層は、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、<2>に記載の樹脂成形物。
<4> 前記シェル層の平均厚みが1nm以上25nm以下である、<1>〜<3>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<3> 前記2層以上からなるシェル層は、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、<2>に記載の樹脂成形物。
<4> 前記シェル層の平均厚みが1nm以上25nm以下である、<1>〜<3>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<5> 前記絶縁性樹脂が、ポリイミド及びポリアミドイミドならなる群より選ばれる1種である、<1>〜<4>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<6> 前記ポリイミドが芳香族ポリイミドである、<5>に記載の樹脂成形物。
<7> 前記中空粒子が、樹脂成形物の全質量に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、<1>〜<6>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<8> 前記中空粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、<1>〜<7>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<6> 前記ポリイミドが芳香族ポリイミドである、<5>に記載の樹脂成形物。
<7> 前記中空粒子が、樹脂成形物の全質量に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、<1>〜<6>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<8> 前記中空粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、<1>〜<7>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<9> 誘電率が1.4以上2.9以下である、<1>〜<8>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<10> 熱膨張率が1ppm/℃以上20ppm/℃以下である、<1>〜<9>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<11> 空隙率が20%以上80%以下である、<1>〜<10>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<10> 熱膨張率が1ppm/℃以上20ppm/℃以下である、<1>〜<9>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<11> 空隙率が20%以上80%以下である、<1>〜<10>のいずれか1に記載の樹脂成形物。
<12> 絶縁性樹脂又はその前駆体と、
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子と、
を含有する、樹脂組成物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子と、
を含有する、樹脂組成物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
<13> 前記コア・シェル粒子が2層以上からなるシェル層を有し、前記2層以上からなるシェル層のうち少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む、<12>に記載の樹脂組成物。
<14> 前記2層以上からなるシェル層が、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、<13>に記載の樹脂組成物。
<15> 前記シェル層の平均厚みが1nm以上25nm以下である、<12>〜<14>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<16> 前記コア・シェル粒子のコア部が樹脂粒子である、<12>〜<15>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<14> 前記2層以上からなるシェル層が、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、<13>に記載の樹脂組成物。
<15> 前記シェル層の平均厚みが1nm以上25nm以下である、<12>〜<14>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<16> 前記コア・シェル粒子のコア部が樹脂粒子である、<12>〜<15>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<17> 前記絶縁性樹脂又はその前駆体が、ポリアミック酸及びポリアミドイミドならなる群より選ばれる1種である、<12>〜<16>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<18> 前記コア・シェル粒子が、樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、<12>〜<17>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<19> 前記コア・シェル粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、<12>〜<18>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<18> 前記コア・シェル粒子が、樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、<12>〜<17>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<19> 前記コア・シェル粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、<12>〜<18>のいずれか1に記載の樹脂組成物。
<1>又は<2>に係る発明によれば、シェル層がシリカからなる中空粒子又はシェル層が有機材料からなる中空粒子を含む場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<3>に係る発明によれば、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層のみを含む場合に比べ、熱寸法安定性が高い樹脂成形物が提供される。
<4>に係る発明によれば、シェル層の平均厚みが1nm未満又は25nm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<4>に係る発明によれば、シェル層の平均厚みが1nm未満又は25nm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<5>又は<6>に係る発明によれば、絶縁性樹脂がポリイミド及びポリアミドイミドならなる群より選ばれる1種以外である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<7>に係る発明によれば、前記中空粒子が、樹脂成形物の全質量に対して10質量%未満又は80質量%超で含有される場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<8>に係る発明によれば、前記中空粒子の数平均粒子径が100nm未満又は10μm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<7>に係る発明によれば、前記中空粒子が、樹脂成形物の全質量に対して10質量%未満又は80質量%超で含有される場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<8>に係る発明によれば、前記中空粒子の数平均粒子径が100nm未満又は10μm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<9>に係る発明によれば、誘電率が2.9超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れた樹脂成形物が提供される。
<10>に係る発明によれば、熱膨張率が20ppm/℃超である場合に比べ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<11>に係る発明によれば、空隙率が20%未満又は80%超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<10>に係る発明によれば、熱膨張率が20ppm/℃超である場合に比べ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<11>に係る発明によれば、空隙率が20%未満又は80%超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が提供される。
<12>、<13>、<16>、<17>、<18>、又は<19>に係る発明によれば、シェル層がシリカからなる中空粒子又はシェル層が有機材料からなるコア・シェル粒子を含む場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が得られる樹脂組成物が提供される。
<14>に係る発明によれば、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層のみを含む場合に比べ、熱寸法安定性が高い樹脂成形物が得られる樹脂組成物が提供される。
<15>に係る発明によれば、シェル層の平均厚みが1nm未満又は25nm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が得られる樹脂組成物が提供される。
<15>に係る発明によれば、シェル層の平均厚みが1nm未満又は25nm超である場合に比べ、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、樹脂成形物が得られる樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<樹脂成形物>
本実施形態に係る樹脂成形物は、絶縁性樹脂と、下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、を含有する。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
以下、本実施形態に係る樹脂成形物は、単に「樹脂成型物」ともいう。また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを、単に「シルセスキオキサン」ともいい、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子は、「特定中空粒子」ともいう。
本実施形態に係る樹脂成形物は、絶縁性樹脂と、下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、を含有する。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
以下、本実施形態に係る樹脂成形物は、単に「樹脂成型物」ともいう。また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを、単に「シルセスキオキサン」ともいい、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子は、「特定中空粒子」ともいう。
式(1)で表されるシルセスキオキサンは、無機物であるシリカ[即ちSiO2]と有機シリコーン[即ち(R2SiO)n]との中間的な性質を有する物質である。
式(1)で表されるシルセスキオキサンは、無機物であるシリカ[即ちSiO2]と比べ疎水性が高く、吸湿性が低いともいえる。そのため、シリカからなるシェル層を有する中空粒子に比べ、シルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子を含有する方が、低誘電率及び低誘電正接である樹脂成形物が得られるものと考えられる。
一方で、式(1)で表されるシルセスキオキサンは、無機物由来の特長である耐熱性及び硬さを有するもの。そのため、有機材料からなるシェル層を有する中空粒子に比べ、シルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子を含有する方が、熱寸法安定性の高い樹脂成形物が得られるものと考えられる。
以上のことから、本実施形態に係る樹脂成形物は、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、といった効果を奏するものと推測される。
式(1)で表されるシルセスキオキサンは、無機物であるシリカ[即ちSiO2]と比べ疎水性が高く、吸湿性が低いともいえる。そのため、シリカからなるシェル層を有する中空粒子に比べ、シルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子を含有する方が、低誘電率及び低誘電正接である樹脂成形物が得られるものと考えられる。
一方で、式(1)で表されるシルセスキオキサンは、無機物由来の特長である耐熱性及び硬さを有するもの。そのため、有機材料からなるシェル層を有する中空粒子に比べ、シルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子を含有する方が、熱寸法安定性の高い樹脂成形物が得られるものと考えられる。
以上のことから、本実施形態に係る樹脂成形物は、誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電正接)に優れ、且つ、熱寸法安定性が高い、といった効果を奏するものと推測される。
以下、本実施形態に係る樹脂成形物に含まれる成分について説明する。
〔特定中空粒子〕
樹脂成形物に含まれる特定中空粒子は、下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子である。
樹脂成形物において、特定中空粒子は、後述する絶縁性樹脂のマトリックス中に分散してなる成分である。
また、特定中空粒子は、単孔中空粒子(即ち、粒子内部に一つの空孔を有する粒子)及び多孔中空粒子(即ち、粒子内部に複数の空孔を有する粒子)のいずれでもあってもよい。樹脂成形物の空隙率の制御の観点、及び、液浸透性が抑制しやすい観点からは、単孔中空粒子であることが好ましい。
樹脂成形物に含まれる特定中空粒子は、下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子である。
樹脂成形物において、特定中空粒子は、後述する絶縁性樹脂のマトリックス中に分散してなる成分である。
また、特定中空粒子は、単孔中空粒子(即ち、粒子内部に一つの空孔を有する粒子)及び多孔中空粒子(即ち、粒子内部に複数の空孔を有する粒子)のいずれでもあってもよい。樹脂成形物の空隙率の制御の観点、及び、液浸透性が抑制しやすい観点からは、単孔中空粒子であることが好ましい。
(式(1)で表されるシルセスキオキサン)
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
nは、シェル層の強度の観点から、7以上150以下の整数が好ましく、10以上100以下の整数がより好ましい。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。
Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
nは、シェル層の強度の観点から、7以上150以下の整数が好ましく、10以上100以下の整数がより好ましい。
特定中空粒子は、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する。
シャル層に含まれる式(1)で表されるシルセスキオキサンは、加水分解性の3官能シラン化合物の加水分解物である。
加水分解性の3官能シラン化合物としては、例えば、下記式(a)で表される化合物が挙げられる。
式(a):RaSi(X)3
式(a)中、Raは、式(1)におけるRと同じであり、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、3つのXは、それぞれ独立にアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
シャル層に含まれる式(1)で表されるシルセスキオキサンは、加水分解性の3官能シラン化合物の加水分解物である。
加水分解性の3官能シラン化合物としては、例えば、下記式(a)で表される化合物が挙げられる。
式(a):RaSi(X)3
式(a)中、Raは、式(1)におけるRと同じであり、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、3つのXは、それぞれ独立にアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
Xで表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基等が挙げられる。
Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、塩素原子が好ましい。
中でも、Xとしては、加水分解性の観点から、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
なお、式(a)中の3つのXは、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、塩素原子が好ましい。
中でも、Xとしては、加水分解性の観点から、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
なお、式(a)中の3つのXは、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
加水分解性の3官能シラン化合物は、Xとしてアルコキシ基を有する化合物として具体的には、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
加水分解性の3官能シラン化合物は、Xとしてハロゲン原子を有する化合物として具体的には、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が挙げられる。
中でも、反応性の観点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
加水分解性の3官能シラン化合物は、Xとしてハロゲン原子を有する化合物として具体的には、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が挙げられる。
中でも、反応性の観点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
式(1)で表されるシルセスキオキサンは、ラダー型、ランダム型、カゴ型(ケージ型ともいう)のいずれであってもよい。
式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層は、1層のみからなる単層構造であってもよいし、2層以上からなる多層構造であってもよい。
2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層が式(1)で表されるシルセスキオキサンを含んでいればよい。
本実施形態では、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層がシルセスキオキサンを含む層(第1層ともいう)であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む層(即ち第1層)よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む層(第2層ともいう)を有することが好ましい。
より具体的には、特定中空粒子は、2層からなるシェル層を有し、内側の層がシルセスキオキサンを含む第1層であって、外側の層がシリカ(SiO2)を含む第2層であることが好ましい。
シリカ(SiO2)を含む層は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解により形成されることが好ましい。
2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層が式(1)で表されるシルセスキオキサンを含んでいればよい。
本実施形態では、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層がシルセスキオキサンを含む層(第1層ともいう)であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む層(即ち第1層)よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む層(第2層ともいう)を有することが好ましい。
より具体的には、特定中空粒子は、2層からなるシェル層を有し、内側の層がシルセスキオキサンを含む第1層であって、外側の層がシリカ(SiO2)を含む第2層であることが好ましい。
シリカ(SiO2)を含む層は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解により形成されることが好ましい。
特定中空粒子におけるシェル層の平均厚みとしては、特定中空粒子の形状安定性の観点から、1nm以上25nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましく、1nm以上10nm以下であることが更に好ましい。
特定中空粒子の数平均粒子径は、製造が容易である観点、樹脂成形物中の分散性の観点、誘電特性の観点、及び膜強度の観点から、100nm以上10μm以下であることが好ましく、200nm以上9μm以下であることがより好ましく、400nm以上8μm以下であることが更に好ましい。
樹脂成形物中の特定中空粒子におけるシェル層の厚み及び数平均粒子径は、以下の方法で測定される。なお、本実施形態における特定中空粒子以外の中空粒子も同様の方法で測定される。
まず、樹脂成形物の任意の断面を切り出し、測定用試料を準備する。そして、この測定用試料を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製のSEM)及びSEMに標準装備されている画像処理ソフトにて、観察及び計測を実施する。観察及び計測は、測定用試料の断面のうちの中空粒子の100個につき行う。
シェル層の厚みは、中空粒子1個当たり3箇所測定し、その平均値を、測定した中空粒子のシェル層の厚みとする。同様に、100個分の中空粒子のシェル層の厚みを求め、その平均値を「中空粒子におけるシェル層の平均厚み」とする。
また、特定中空粒子の数平均粒子径は、100個分の中空粒子の粒子径を測定して求める。なお、中空粒子の粒子径とは、観察された中空粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すものとする。
なお、本実施形態の樹脂成形物がシート状又はフィルム状の成形物である場合、その厚みも上記のSEM及び画像処理ソフトによる観察及び計測を実施することで求められる。即ち、樹脂成形物を厚み方向に切り出した断面を観察し、任意の3点の厚みを測定し、その平均値を樹脂成形物の厚みとする。
まず、樹脂成形物の任意の断面を切り出し、測定用試料を準備する。そして、この測定用試料を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製のSEM)及びSEMに標準装備されている画像処理ソフトにて、観察及び計測を実施する。観察及び計測は、測定用試料の断面のうちの中空粒子の100個につき行う。
シェル層の厚みは、中空粒子1個当たり3箇所測定し、その平均値を、測定した中空粒子のシェル層の厚みとする。同様に、100個分の中空粒子のシェル層の厚みを求め、その平均値を「中空粒子におけるシェル層の平均厚み」とする。
また、特定中空粒子の数平均粒子径は、100個分の中空粒子の粒子径を測定して求める。なお、中空粒子の粒子径とは、観察された中空粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すものとする。
なお、本実施形態の樹脂成形物がシート状又はフィルム状の成形物である場合、その厚みも上記のSEM及び画像処理ソフトによる観察及び計測を実施することで求められる。即ち、樹脂成形物を厚み方向に切り出した断面を観察し、任意の3点の厚みを測定し、その平均値を樹脂成形物の厚みとする。
(特定中空粒子の製造方法)
特定中空粒子の製造方法としては、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有し、そのシェル層内部が空隙である構造を形成しうる方法であれば特に制限はない。粒径、粒度分布等の制御が容易である観点から、特定中空粒子の製造方法は、テンプレート法(具体的には、コア・シェル粒子を作製した後にコア部を除去する方法)が好ましい。
コア・シェル粒子を作製した後にコア部を除去する方法では、コア部の材質に応じて、コア部の除去方法が異なる。
本実施形態では、特定中空粒子の製造方法には、例えば、有機ビーステンプレート法、有機粒子テンプレート法等と呼ばれる、コア部に樹脂粒子を用いる方法が好ましく適用される。より具体的には、樹脂粒子をコア部にしたコア・シェル粒子を作製した後、コア部を除去する方法を用いることが好ましい。
特定中空粒子の製造方法としては、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有し、そのシェル層内部が空隙である構造を形成しうる方法であれば特に制限はない。粒径、粒度分布等の制御が容易である観点から、特定中空粒子の製造方法は、テンプレート法(具体的には、コア・シェル粒子を作製した後にコア部を除去する方法)が好ましい。
コア・シェル粒子を作製した後にコア部を除去する方法では、コア部の材質に応じて、コア部の除去方法が異なる。
本実施形態では、特定中空粒子の製造方法には、例えば、有機ビーステンプレート法、有機粒子テンプレート法等と呼ばれる、コア部に樹脂粒子を用いる方法が好ましく適用される。より具体的には、樹脂粒子をコア部にしたコア・シェル粒子を作製した後、コア部を除去する方法を用いることが好ましい。
以下、特定中空粒子の製造方法として、樹脂粒子をコア部にしたコア・シェル粒子を作製した後、コア部を除去する方法について説明する。
特定中空粒子の製造方法では、まず、樹脂粒子の表面で、既述の加水分解性の3官能シラン化合物の加水分解物を生成させて式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層を得る。
これにより、樹脂粒子をコア部であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層がシェル層である、コア・シェル粒子が作製される。
特定中空粒子の製造方法では、まず、樹脂粒子の表面で、既述の加水分解性の3官能シラン化合物の加水分解物を生成させて式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層を得る。
これにより、樹脂粒子をコア部であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層がシェル層である、コア・シェル粒子が作製される。
ここで用いる樹脂粒子としては、焼成除去の容易性の観点から、(メタ)アクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、スチレン・(メタ)アクリル樹脂粒子等が挙げられる。
また、樹脂粒子の粒径は、製造する特定中空粒子の粒径に応じて選択すればよい。例えば、樹脂粒子の数平均粒子径は、100nm以上10μm以下が好ましく、200nm以上9μm以下がより好ましく、400nm以上8μm以下が更に好ましい。
また、樹脂粒子の粒径は、製造する特定中空粒子の粒径に応じて選択すればよい。例えば、樹脂粒子の数平均粒子径は、100nm以上10μm以下が好ましく、200nm以上9μm以下がより好ましく、400nm以上8μm以下が更に好ましい。
なお、樹脂粒子の表面で、加水分解性の3官能シラン化合物(好ましくは、前記式(a)で表される3官能シラン化合物)の加水分解物を生成させるためには、樹脂粒子を水系分散媒中に分散し、そこへ、加水分解性の3官能シラン化合物を添加すればよい。そして、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層が目的とする膜厚まで反応を継続する。
樹脂粒子を分散している水系分散媒としては、水、又は、水と水溶性有機溶剤との混合液が挙げられる。ここで、水系分散媒に用いられる水溶性有機溶剤としては、樹脂粒子を溶解しない又は溶解しにくいものが好ましく、具体的には、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)が挙げられる。
水系分散媒が水と水溶性有機溶剤との混合液の場合、混合液中の水の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上99質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下が更に好ましい。
ここで、水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
また、本実施形態において水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
なお、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層の外側には、シリカ(SiO2)を含む被覆層が形成されてもよい。その際は、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層が形成された後に、加水分解性4官能シラン化合物(具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)の加水分解物を生成させればよい。
樹脂粒子を分散している水系分散媒としては、水、又は、水と水溶性有機溶剤との混合液が挙げられる。ここで、水系分散媒に用いられる水溶性有機溶剤としては、樹脂粒子を溶解しない又は溶解しにくいものが好ましく、具体的には、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)が挙げられる。
水系分散媒が水と水溶性有機溶剤との混合液の場合、混合液中の水の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上99質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下が更に好ましい。
ここで、水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
また、本実施形態において水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
なお、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層の外側には、シリカ(SiO2)を含む被覆層が形成されてもよい。その際は、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層が形成された後に、加水分解性4官能シラン化合物(具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)の加水分解物を生成させればよい。
以上のようにして、水系分散媒中には、3官能シラン化合物の加水分解物による被覆層からなるコア・シェル粒子が分散したコア・シェル粒子分散液が得られる。
ついで、得られたコア・シェル粒子からコア部を除去する。
コア部である樹脂粒子の除去には、熱分解又は化学分解が用いられ、樹脂粒子の種類等に応じて、適宜、選択すればよい。
なお、本実施形態に係る樹脂成形物を得る際に加熱を行う場合(例えば、後述する、乾燥後の塗膜を加熱する場合)には、この加熱にてコア部が熱分解されて除去されてもよい。
ついで、得られたコア・シェル粒子からコア部を除去する。
コア部である樹脂粒子の除去には、熱分解又は化学分解が用いられ、樹脂粒子の種類等に応じて、適宜、選択すればよい。
なお、本実施形態に係る樹脂成形物を得る際に加熱を行う場合(例えば、後述する、乾燥後の塗膜を加熱する場合)には、この加熱にてコア部が熱分解されて除去されてもよい。
本実施形態に係る樹脂成形物中の特定中空粒子の含有量は、樹脂成形物に求められる誘電特性及び熱寸法安定性に応じて決定されればよく、例えば、樹脂成形物の全質量に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましく、30質量%以上80質量%以下が更に好ましい。
なお、樹脂成形物中の特定中空粒子の含有量は、特定中空粒子の粒子径に応じて好ましい範囲を設定することが好ましく、例えば、特定中空粒子の数平均粒子径が100nm以上1000nm以下の場合、特定中空粒子の含有量は、樹脂成形物の全質量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、50質量%以上60質量%以下がより好ましい。
また、特定中空粒子の数平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合、特定中空粒子の含有量は、樹脂成形物の全質量に対して、50質量%以上80質量%以下が好ましく、60質量%以上80質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂成形物中の特定中空粒子の含有量は、特定中空粒子の粒子径に応じて好ましい範囲を設定することが好ましく、例えば、特定中空粒子の数平均粒子径が100nm以上1000nm以下の場合、特定中空粒子の含有量は、樹脂成形物の全質量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、50質量%以上60質量%以下がより好ましい。
また、特定中空粒子の数平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合、特定中空粒子の含有量は、樹脂成形物の全質量に対して、50質量%以上80質量%以下が好ましく、60質量%以上80質量%以下がより好ましい。
〔絶縁性樹脂〕
樹脂成形物に含まれる絶縁性樹脂は、樹脂成形物において後述する中空粒子を分散するマトリックスとして機能する成分である。
絶縁性樹脂としては、広義の絶縁性樹脂が制限なく用いられるが、機械的強度、及び耐熱性(特に熱膨張率が低い)に優れ、自身も低誘電率及び低誘電正接を示すことから、ポリイミド及びポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリイミド及びポリアミドイミド以外に用いられる絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂成形物に含まれる絶縁性樹脂は、樹脂成形物において後述する中空粒子を分散するマトリックスとして機能する成分である。
絶縁性樹脂としては、広義の絶縁性樹脂が制限なく用いられるが、機械的強度、及び耐熱性(特に熱膨張率が低い)に優れ、自身も低誘電率及び低誘電正接を示すことから、ポリイミド及びポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリイミド及びポリアミドイミド以外に用いられる絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
(ポリイミド)
絶縁性樹脂として用いられるポリイミドとしては、繰り返し単位にイミド結合を有する樹脂であれば特に制限はない。より具体的には、ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド前駆体ともいう)のイミド化物であれば、特に制限なく用いることができる。
中でも、耐熱性に優れる観点から、イミド結合に直接芳香環が結合した芳香族ポリイミドであることが好ましい。
絶縁性樹脂として用いられるポリイミドとしては、繰り返し単位にイミド結合を有する樹脂であれば特に制限はない。より具体的には、ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド前駆体ともいう)のイミド化物であれば、特に制限なく用いることができる。
中でも、耐熱性に優れる観点から、イミド結合に直接芳香環が結合した芳香族ポリイミドであることが好ましい。
ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
(一般式(I)中、Aは4価の有機基を示し、Bは2価の有機基を示す。)
ここで、一般式(I)中、Aが表す4価の有機基としては、原料となるテトラカルボン酸二無水物より4つのカルボキシ基を除いたその残基である。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系及び脂肪族系のいずれの化合物であってもよいが、芳香族系の化合物であることがよい。つまり、一般式(I)中、Aが表す4価の有機基は、芳香族系有機基であることがよい。
芳香族系のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
脂肪族系のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの中でも、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられ、具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が好ましく、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が更に好ましく、特に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
なお、テトラカルボン酸二無水物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物又は脂肪族テトラカルボン酸をそれぞれ併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物又は脂肪族テトラカルボン酸をそれぞれ併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物である。ジアミン化合物としては、芳香族系及び脂肪族系のいずれの化合物であってもよいが、芳香族系の化合物であることがよい。つまり、一般式(I)中、Bが表す2価の有機基は、芳香族系有機基であることがよい。
ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、ジアミン化合物としては、芳香族系ジアミン化合物が好ましく用いられ、具体的には、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが好ましく、特に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンが好ましい。
なお、ジアミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族ジアミン化合物又は脂肪族ジアミン化合物をそれぞれ併用しても、芳香族ジアミン化合物と脂肪族ジアミン化合物とを組み合わせてもよい。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族ジアミン化合物又は脂肪族ジアミン化合物をそれぞれ併用しても、芳香族ジアミン化合物と脂肪族ジアミン化合物とを組み合わせてもよい。
ポリアミック酸の数平均分子量は、1000以上150000以下であることがよく、より好ましくは5000以上130000以下、更に好ましくは10000以上100000以下である。
ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制されると共に、イミド化した後のポリイミドによる樹脂成形物の成形性も得られやすい。
ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制されると共に、イミド化した後のポリイミドによる樹脂成形物の成形性も得られやすい。
ポリイミド前駆体の数平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定される。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
(ポリアミドイミド)
絶縁性樹脂として用いられるポリアミドイミドとしては、繰り返し単位にイミド結合とアミド結合とを有する樹脂であれば特に制限はない。
より具体的には、ポリアミドイミドは、酸無水物基を有する3価のカルボン酸(トリカルボン酸ともいう)と、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物との重合体が挙げられる。
絶縁性樹脂として用いられるポリアミドイミドとしては、繰り返し単位にイミド結合とアミド結合とを有する樹脂であれば特に制限はない。
より具体的には、ポリアミドイミドは、酸無水物基を有する3価のカルボン酸(トリカルボン酸ともいう)と、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物との重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
ジイソシアネート化合物としては、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
ジアミン化合物としては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態に係る樹脂成形物は、絶縁性樹脂及び特定中空粒子以外に、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、上記に挙げられたもの以外、絶縁性樹脂を得るために用いた成分、及び、特定中空粒子を得る際に用いた成分が含まれる。
本実施形態に係る樹脂成形物は、絶縁性樹脂及び特定中空粒子以外に、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、上記に挙げられたもの以外、絶縁性樹脂を得るために用いた成分、及び、特定中空粒子を得る際に用いた成分が含まれる。
〔樹脂成形物の好ましい特性〕
(誘電率(比誘電率))
本実施形態に係る樹脂成形物は、低誘電率である観点から、誘電率(具体的には、10GHzにおける比誘電率)が1.4以上2.9以下であることが好ましく、2.0以上2.8以下であることが更に好ましい。
(誘電率(比誘電率))
本実施形態に係る樹脂成形物は、低誘電率である観点から、誘電率(具体的には、10GHzにおける比誘電率)が1.4以上2.9以下であることが好ましく、2.0以上2.8以下であることが更に好ましい。
(誘電正接)
本実施形態に係る樹脂成形物は、低誘電正接である観点から、10GHzにおける誘電正接が0.0060以上0.0100以下であることが好ましく、0.0061以上0.0090以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る樹脂成形物は、低誘電正接である観点から、10GHzにおける誘電正接が0.0060以上0.0100以下であることが好ましく、0.0061以上0.0090以下であることがより好ましい。
樹脂成形物の比誘電率及び誘電正接は、以下のようにして測定する。
樹脂成形物について、空洞共振器摂動法により、周波数1GHzにおける複素誘電率を測定し、その実数部(εr’)を比誘電率とする。
また、誘電正接(tanδ)は、実数部(εr’)と虚数部(εr”)の比(εr”/εr’)から求める。
なお、測定装置としては、例えば、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製「ネットワークアナライザ N5230C」、関東電子応用開発社製「空洞共振器1GHz」)を用いる。また、測定には、短冊状の試験片(2mm幅×70mm長)を用いる。
樹脂成形物について、空洞共振器摂動法により、周波数1GHzにおける複素誘電率を測定し、その実数部(εr’)を比誘電率とする。
また、誘電正接(tanδ)は、実数部(εr’)と虚数部(εr”)の比(εr”/εr’)から求める。
なお、測定装置としては、例えば、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製「ネットワークアナライザ N5230C」、関東電子応用開発社製「空洞共振器1GHz」)を用いる。また、測定には、短冊状の試験片(2mm幅×70mm長)を用いる。
(熱膨張率)
本実施形態に係る樹脂成形物は、高い熱寸法安定性を有する観点から、熱膨張率が1ppm/℃以上20ppm/℃以下であることが好ましく、2ppm/℃以上18ppm/℃以下であることがより好ましく、5ppm/℃以上15ppm/℃以下であることが更に好ましい。
ここで、熱膨張率は、JIS K 7197−1991に準拠し、熱機械分析(TMA)を用いて試験片(幅10mm、厚さ50μm、長さ20mm)の温度を常温から180℃まで変化させながら非振動的な圧縮荷重(一定荷重)のもとで求めたTMA曲線(変位量)より算出する。
本実施形態に係る樹脂成形物は、高い熱寸法安定性を有する観点から、熱膨張率が1ppm/℃以上20ppm/℃以下であることが好ましく、2ppm/℃以上18ppm/℃以下であることがより好ましく、5ppm/℃以上15ppm/℃以下であることが更に好ましい。
ここで、熱膨張率は、JIS K 7197−1991に準拠し、熱機械分析(TMA)を用いて試験片(幅10mm、厚さ50μm、長さ20mm)の温度を常温から180℃まで変化させながら非振動的な圧縮荷重(一定荷重)のもとで求めたTMA曲線(変位量)より算出する。
(空隙率)
本実施形態に係る樹脂成形物は、空隙率が20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上80%以下であることがより好ましく、40%以上78%以下であることが更に好ましい。
この空隙率にあることで、優れた誘電特性と高い熱寸法安定とが得られやすい。
本実施形態に係る樹脂成形物は、空隙率が20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上80%以下であることがより好ましく、40%以上78%以下であることが更に好ましい。
この空隙率にあることで、優れた誘電特性と高い熱寸法安定とが得られやすい。
ここで、樹脂成形物の空隙率とは、空隙部を含む樹脂成形物の見かけの体積に占める空隙部の体積の割合(%)であり、以下の式(II)から求められる。
式(II):空隙率(%)=(V1−V0)/V1×100
ここで、V1は、空隙部を含む樹脂成形物の見かけの体積を表し、V0は、固体分(即ち、絶縁性樹脂、特定中空粒子におけるシェル層、及び必要に応じて添加された任意の成分)の質量とその密度から算出される実体積を表す。
式(II):空隙率(%)=(V1−V0)/V1×100
ここで、V1は、空隙部を含む樹脂成形物の見かけの体積を表し、V0は、固体分(即ち、絶縁性樹脂、特定中空粒子におけるシェル層、及び必要に応じて添加された任意の成分)の質量とその密度から算出される実体積を表す。
〔樹脂成形物の用途及び形状〕
本実施形態に係る樹脂成形物の用途は、例えば、回路基板用の絶縁膜(例えば、層間絶縁膜等)の他、高周波用及び/又は高電圧用電線の保護膜等が挙げられる。
中でも、優れた誘電特性と高い熱寸法安定性とを有することから、回路基板用の絶縁膜として好適である。
本実施形態に係る樹脂成形物の用途は、例えば、回路基板用の絶縁膜(例えば、層間絶縁膜等)の他、高周波用及び/又は高電圧用電線の保護膜等が挙げられる。
中でも、優れた誘電特性と高い熱寸法安定性とを有することから、回路基板用の絶縁膜として好適である。
本実施形態に係る樹脂成形物の形状としては、その用途に応じた形状であれば特に制限はない。
例えば、回路基板用の絶縁膜としての用途であれば、フィルム状又はシート状であることが好ましい。なお、本実施形態に係る樹脂成形物がフィルム状又はシート状である場合、優れた誘電特性を示す観点、及び、製造上の観点から、厚みとしては、1μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましく、20μm以上90μm以下が更に好ましい。
厚みの測定は、前述の通り、SEMによる観察及び計測にて行われる。
例えば、回路基板用の絶縁膜としての用途であれば、フィルム状又はシート状であることが好ましい。なお、本実施形態に係る樹脂成形物がフィルム状又はシート状である場合、優れた誘電特性を示す観点、及び、製造上の観点から、厚みとしては、1μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましく、20μm以上90μm以下が更に好ましい。
厚みの測定は、前述の通り、SEMによる観察及び計測にて行われる。
〔樹脂成形物の製造方法〕
本実施形態に係る樹脂成形物の製造方法は、後述する、本実施形態に係る樹脂組成物を塗布液として用い、この塗布液を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、乾燥後の塗膜を加熱してもよい。
また、本実施形態に係る樹脂成形物の製造方法は、上記の方法に限定されず、樹脂成形物の用途及び形状、絶縁性樹脂の種類等に応じて、適宜、選択すればよい。
本実施形態に係る樹脂組成物を用いた樹脂成形物の製造方法の詳細については、後述する。
本実施形態に係る樹脂成形物の製造方法は、後述する、本実施形態に係る樹脂組成物を塗布液として用い、この塗布液を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、乾燥後の塗膜を加熱してもよい。
また、本実施形態に係る樹脂成形物の製造方法は、上記の方法に限定されず、樹脂成形物の用途及び形状、絶縁性樹脂の種類等に応じて、適宜、選択すればよい。
本実施形態に係る樹脂組成物を用いた樹脂成形物の製造方法の詳細については、後述する。
〔樹脂成形物の用途〕
樹脂成形物の用途としては、具体的には、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等の絶縁膜(層間絶縁膜)が挙げられる。
その他、高周波用及び/又は高電圧用電線の保護膜などが挙げられる。
樹脂成形物の用途としては、具体的には、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等の絶縁膜(層間絶縁膜)が挙げられる。
その他、高周波用及び/又は高電圧用電線の保護膜などが挙げられる。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂成形物は、以下の樹脂組成物(即ち、本実施形態に係る樹脂組成物)を用いて製造されることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性樹脂又はその前駆体と、上記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子と、を含有する。
以下、樹脂組成物は、単に「樹脂組成物」ともいう。また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子は、「特定コア・シェル粒子」ともいう。
本実施形態に係る樹脂成形物は、以下の樹脂組成物(即ち、本実施形態に係る樹脂組成物)を用いて製造されることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性樹脂又はその前駆体と、上記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子と、を含有する。
以下、樹脂組成物は、単に「樹脂組成物」ともいう。また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子は、「特定コア・シェル粒子」ともいう。
[特定コア・シェル粒子]
本実施形態に係る樹脂組成物では、特定コア・シェル粒子は、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有していれば特に制限はない。
コア部は、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよいし、空隙であってもよい。
つまり、特定コア・シェル粒子は、内部が空隙である中空粒子(前述の特定中空粒子と同様のもの)であってもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物では、特定コア・シェル粒子は、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有していれば特に制限はない。
コア部は、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよいし、空隙であってもよい。
つまり、特定コア・シェル粒子は、内部が空隙である中空粒子(前述の特定中空粒子と同様のもの)であってもよい。
特定コア・シェル粒子におけるシェル層は、前述の特定中空粒子におけるシェル層と同じものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
即ち、特定コア・シェル粒子は、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層が式(1)で表されるシルセスキオキサンを含んでいればよい。また、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層がシルセスキオキサンを含む層(第1層ともいう)であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む層(即ち第1層)よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む層(第2層ともいう)を有することが好ましい。
より具体的には、特定コア・シェル粒子は、2層からなるシェル層を有し、内側の層がシルセスキオキサンを含む第1層であって、外側の層がシリカ(SiO2)を含む第2層であることが好ましい。
シリカ(SiO2)を含む層は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解により形成されることが好ましい。
即ち、特定コア・シェル粒子は、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層が式(1)で表されるシルセスキオキサンを含んでいればよい。また、2層以上からなるシェル層の場合、少なくとも1層がシルセスキオキサンを含む層(第1層ともいう)であり、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む層(即ち第1層)よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む層(第2層ともいう)を有することが好ましい。
より具体的には、特定コア・シェル粒子は、2層からなるシェル層を有し、内側の層がシルセスキオキサンを含む第1層であって、外側の層がシリカ(SiO2)を含む第2層であることが好ましい。
シリカ(SiO2)を含む層は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解により形成されることが好ましい。
特定コア・シェル粒子におけるシェル層の平均厚みも、前述の特定中空粒子におけるシェル層の平均厚みと同様であり、好ましい範囲も同様である。
本実施形態に係る樹脂組成物中の特定コア・シェル粒子におけるシェル層の厚みは、樹脂組成物から特定コア・シェル粒子を取り出した後、取り出した特定コア・シェル粒子を樹脂中に包埋したものを用意し、これを用いて測定する。樹脂中に特定コア・シェル粒子を包埋したものを用いる以外は、前述の、中空粒子におけるシェル層の厚みの測定と同様にして、特定コア・シェル粒子におけるシェル層の厚みを測定する。
本実施形態に係る樹脂組成物中の特定コア・シェル粒子におけるシェル層の厚みは、樹脂組成物から特定コア・シェル粒子を取り出した後、取り出した特定コア・シェル粒子を樹脂中に包埋したものを用意し、これを用いて測定する。樹脂中に特定コア・シェル粒子を包埋したものを用いる以外は、前述の、中空粒子におけるシェル層の厚みの測定と同様にして、特定コア・シェル粒子におけるシェル層の厚みを測定する。
特定コア・シェル粒子におけるコア部は、樹脂成形物を製造する際に除去しやすいよう、有機材料が好ましく、中でも、特定中空粒子の製造方法の項にて説明した樹脂粒子が好ましい。
特定コア・シェル粒子の数平均粒子径も、前述の特定中空粒子の数平均粒子径と同様であり、好ましい範囲も同様である。
特定コア・シェル粒子における数平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、既述のコールターカウンターLS13、ベックマン・コールター社製)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個数について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を数平均粒子径として測定される。
特定コア・シェル粒子における数平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、既述のコールターカウンターLS13、ベックマン・コールター社製)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個数について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を数平均粒子径として測定される。
本実施形態に係る樹脂組成物中の特定コア・シェル粒子の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以上80質量%以下が好ましい。
ここで、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。
ここで、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。
[絶縁性樹脂又はその前駆体]
本実施形態に係る樹脂組成物には、絶縁性樹脂又はその前駆体が含まれる。
絶縁性樹脂としては、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて挙げられた絶縁性樹脂と同様である。
また、絶縁性樹脂の前駆体としては、例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性樹脂又はその前駆体として、ポリアミック酸及びポリアミドイミドからなる群より選択される1種が好ましく、ポリアミック酸であることがより好ましい。
なお、ポリアミック酸は、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて説明したポリアミック酸が挙げられ、好ましい態様も同様である。
また、ポリアミドイミドは、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて説明したポリアミドイミドが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係る樹脂組成物には、絶縁性樹脂又はその前駆体が含まれる。
絶縁性樹脂としては、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて挙げられた絶縁性樹脂と同様である。
また、絶縁性樹脂の前駆体としては、例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性樹脂又はその前駆体として、ポリアミック酸及びポリアミドイミドからなる群より選択される1種が好ましく、ポリアミック酸であることがより好ましい。
なお、ポリアミック酸は、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて説明したポリアミック酸が挙げられ、好ましい態様も同様である。
また、ポリアミドイミドは、本実施形態に係る樹脂成形物の項にて説明したポリアミドイミドが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係る樹脂組成物中の絶縁性樹脂又はその前駆体の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して20質量%以上90質量%以下が好ましい。
[その他の成分]
本実施形態に係る樹脂組成物には、更にその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、溶剤の他、ポリアミック酸の溶解性を高める有機アミン化合物、ポリアミック酸のイミド化反応を促進する触媒、膜性向上のためのレベリング剤等が挙げられる。
その他の成分としては、上記に挙げられたもの以外、絶縁性樹脂又はその前駆体を得るために用いた成分、及び、特定コア・シェル粒子を得る際に用いた成分が含まれる。
本実施形態に係る樹脂組成物には、更にその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、溶剤の他、ポリアミック酸の溶解性を高める有機アミン化合物、ポリアミック酸のイミド化反応を促進する触媒、膜性向上のためのレベリング剤等が挙げられる。
その他の成分としては、上記に挙げられたもの以外、絶縁性樹脂又はその前駆体を得るために用いた成分、及び、特定コア・シェル粒子を得る際に用いた成分が含まれる。
(溶剤)
本実施形態に係る樹脂組成物に含まれる溶剤としては、絶縁性樹脂又はその前駆体を溶解し、且つ、特定コア・シェル粒子を溶解しない又は溶剤しにくい溶剤が好ましい。
溶剤として具体的には、水、又は、水と水溶性の有機溶剤との混合液が挙げられる。
全溶剤中の水の含有量は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましく、80質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
また、水溶性の有機溶剤としては、一分子中にエーテル結合を持つ水溶性エーテル系溶剤、一分子中にケトン基を持つ水溶性ケトン系溶剤、一分子中にアルコール性水酸基を持つ水溶性アルコール系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の水溶性の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物に含まれる溶剤としては、絶縁性樹脂又はその前駆体を溶解し、且つ、特定コア・シェル粒子を溶解しない又は溶剤しにくい溶剤が好ましい。
溶剤として具体的には、水、又は、水と水溶性の有機溶剤との混合液が挙げられる。
全溶剤中の水の含有量は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましく、80質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
また、水溶性の有機溶剤としては、一分子中にエーテル結合を持つ水溶性エーテル系溶剤、一分子中にケトン基を持つ水溶性ケトン系溶剤、一分子中にアルコール性水酸基を持つ水溶性アルコール系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の水溶性の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。
樹脂組成物に含まれる溶剤の含有量は、特に制限はなく、絶縁性樹脂又はその前駆体の種類、分子量等に応じて、また、樹脂成形物を得る際の条件等に応じて、適宜、決定されればよい。
(有機アミン化合物)
ポリアミック酸の溶解性を高める有機アミン化合物としては、ポリアミック酸を合成する際に用いられるジアミン化合物を除く有機アミン化合物が挙げられる。
有機アミン化合物は、ポリアミック酸のカルボキシ基をアミン塩化して、その溶剤に対する溶解性を高めると共に、イミド化促進剤としても機能する化合物である。
具体的には、有機アミン化合物は、分子量170以下のアミン化合物であることが好ましい。
ポリアミック酸の溶解性を高める有機アミン化合物としては、ポリアミック酸を合成する際に用いられるジアミン化合物を除く有機アミン化合物が挙げられる。
有機アミン化合物は、ポリアミック酸のカルボキシ基をアミン塩化して、その溶剤に対する溶解性を高めると共に、イミド化促進剤としても機能する化合物である。
具体的には、有機アミン化合物は、分子量170以下のアミン化合物であることが好ましい。
有機アミン化合物としては、1級アミン化合物、2級アミン化合物、3級アミン化合物が挙げられ、中でも、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、特に、3級アミン化合物が好ましい。
有機アミン化合物として具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン等が好ましいものとして挙げられる。
有機アミン化合物として具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン等が好ましいものとして挙げられる。
(触媒)
ポリアミック酸のイミド化反応を促進する触媒としては、例えば、酸無水物など脱水剤、フェノール誘導体、スルホン酸誘導体、安息香酸誘導体などの酸触媒が挙げられる。
ポリアミック酸のイミド化反応を促進する触媒としては、例えば、酸無水物など脱水剤、フェノール誘導体、スルホン酸誘導体、安息香酸誘導体などの酸触媒が挙げられる。
〔本実施形態に係る樹脂組成物を用いた樹脂成形物の製造方法〕
本実施形態に係る樹脂組成物を用いた樹脂成形物の製造方法について、以下に説明する。
ここでは、絶縁性樹脂の前駆体としてポリアミック酸を用いた例について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
ポリアミック酸を用いた樹脂成形物の製造方法は、樹脂組成物を準備する工程(以下、樹脂組成物の準備工程ともいう)と、樹脂組成物を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程(以下、塗膜形成工程ともいう)と、乾燥後の塗膜を加熱する工程(以下、加熱工程ともいう)と、を有する、
本実施形態に係る樹脂組成物を用いた樹脂成形物の製造方法について、以下に説明する。
ここでは、絶縁性樹脂の前駆体としてポリアミック酸を用いた例について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
ポリアミック酸を用いた樹脂成形物の製造方法は、樹脂組成物を準備する工程(以下、樹脂組成物の準備工程ともいう)と、樹脂組成物を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程(以下、塗膜形成工程ともいう)と、乾燥後の塗膜を加熱する工程(以下、加熱工程ともいう)と、を有する、
[樹脂組成物の準備工程]
まず、ポリアミック酸及び特定コア・シェル粒子を含む樹脂組成物(本実施形態に係る樹脂組成物)を得る。
具体的には、ポリアミック酸が溶剤に溶解し、更に、特定コア・シェル粒子を溶剤中に分散してなる、樹脂組成物を得る。
まず、ポリアミック酸及び特定コア・シェル粒子を含む樹脂組成物(本実施形態に係る樹脂組成物)を得る。
具体的には、ポリアミック酸が溶剤に溶解し、更に、特定コア・シェル粒子を溶剤中に分散してなる、樹脂組成物を得る。
なお、樹脂組成物の調製の際には、溶剤中でポリアミック酸を合成して得られたポリアミック酸溶液を用いてもよい。
また、樹脂組成物の調製の際には、溶剤中で特定コア・シェル粒子を生成させて得られた特定コア・シェル粒子分散液を用いてもよい。
即ち、樹脂組成物の調製方法としては、ポリアミック酸溶液に特定コア・シェル粒子を分散させる方法、特定コア・シェル粒子分散液にポリアミック酸を溶解させる方法、ポリアミック酸溶液と特定コア・シェル粒子分散液とを混合する方法等が挙げられる。
また、樹脂組成物は、特定コア・シェル粒子が分散した溶剤(例えば、特定コア・シェル粒子分散液)中で、ポリアミック酸を合成することで調製してもよい。
また、樹脂組成物の調製の際には、溶剤中で特定コア・シェル粒子を生成させて得られた特定コア・シェル粒子分散液を用いてもよい。
即ち、樹脂組成物の調製方法としては、ポリアミック酸溶液に特定コア・シェル粒子を分散させる方法、特定コア・シェル粒子分散液にポリアミック酸を溶解させる方法、ポリアミック酸溶液と特定コア・シェル粒子分散液とを混合する方法等が挙げられる。
また、樹脂組成物は、特定コア・シェル粒子が分散した溶剤(例えば、特定コア・シェル粒子分散液)中で、ポリアミック酸を合成することで調製してもよい。
上記のポリアミック酸溶液は、溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合して得られる。なお、ポリアミック酸の溶剤への溶解性を高めるため、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とに加え、前述の有機アミン化合物を用いることが好ましい。
上記の特定コア・シェル粒子分散液は、例えば、溶剤中で、樹脂粒子の表面に、加水分解性の3官能シラン化合物の加水分解物を生成させて式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層を形成することで得られる。
特定コア・シェル粒子分散液を得る方法としては、特定中空粒子の製造方法の項にて説明したコア・シェル粒子分散液を得る方法と同様の方法が用いられ、好ましい態様も同様である。
また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層の外側には、シリカ(SiO2)を含む被覆層が形成されてもよい。その際は、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層が形成された後に、加水分解性4官能シラン化合物(具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)の加水分解物を生成させればよい。
特定コア・シェル粒子分散液を得る方法としては、特定中空粒子の製造方法の項にて説明したコア・シェル粒子分散液を得る方法と同様の方法が用いられ、好ましい態様も同様である。
また、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層の外側には、シリカ(SiO2)を含む被覆層が形成されてもよい。その際は、式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む被覆層が形成された後に、加水分解性4官能シラン化合物(具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)の加水分解物を生成させればよい。
[塗膜形成工程]
塗膜形成工程では、樹脂組成物を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる。
被塗布体としては、特に制限はなく、材質としては、例えば、樹脂、ガラス、セラミック、金属、及びこれらの材料が組み合わされた複合材料が挙げられる。なお、被塗布体は、剥離性を有し、形成された樹脂成形物から剥離されるものであってもよいし、形成された樹脂成形物と共に製品又は部品となる部材(例えば、基板等)であってもよい。
なお、基板としては、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等が挙げられる。
また、被塗布体が、被覆電線用の電線等であってもよい。
塗膜形成工程では、樹脂組成物を被塗布体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる。
被塗布体としては、特に制限はなく、材質としては、例えば、樹脂、ガラス、セラミック、金属、及びこれらの材料が組み合わされた複合材料が挙げられる。なお、被塗布体は、剥離性を有し、形成された樹脂成形物から剥離されるものであってもよいし、形成された樹脂成形物と共に製品又は部品となる部材(例えば、基板等)であってもよい。
なお、基板としては、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等が挙げられる。
また、被塗布体が、被覆電線用の電線等であってもよい。
樹脂組成物を被塗布体上に塗布する方法としては、特に制限はなく、例えば、スプレー塗布、回転塗布法、ロール塗布法、バー塗布法、スリットダイ塗布法、インクジェット塗布法等の各種の方法が挙げられる。
樹脂組成物の塗布量としては、予め定められた乾燥後の塗膜の膜厚が得られる量に設定すればよい。
続いて、形成された塗膜の乾燥を行う。この乾燥により、乾燥したイミド化前の塗膜が形成される。
塗膜の乾燥は、例えば、加熱乾燥、自然乾燥、真空乾燥等の各種の方法が挙げられる。
加熱乾燥の場合、乾燥条件は、例えば、80℃以上200℃以下の温度で10分間以上60分間以下がよく、温度が高いほど加熱時間は短くてよい。
乾燥の際、塗膜に熱風を当てることも有効である。
なお、乾燥の際、目的とする温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させてもよい。
塗膜の乾燥は、例えば、加熱乾燥、自然乾燥、真空乾燥等の各種の方法が挙げられる。
加熱乾燥の場合、乾燥条件は、例えば、80℃以上200℃以下の温度で10分間以上60分間以下がよく、温度が高いほど加熱時間は短くてよい。
乾燥の際、塗膜に熱風を当てることも有効である。
なお、乾燥の際、目的とする温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させてもよい。
[加熱工程]
続いて、塗膜形成工程で得られた塗膜に対して加熱を行う。
つまり、加熱工程では、乾燥したイミド化前の塗膜を加熱して、イミド化処理を行う。また、樹脂組成物が、特定コア・シェル粒子として、コア部として樹脂粒子を有する特定コア・シェル粒子を用いた場合、この加熱工程にて樹脂粒子の熱分解による除去が行われてもよい。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上450℃以下(好ましくは200℃以上430℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミドが得られる。
加熱の際、目的とする温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させることが好ましい。
続いて、塗膜形成工程で得られた塗膜に対して加熱を行う。
つまり、加熱工程では、乾燥したイミド化前の塗膜を加熱して、イミド化処理を行う。また、樹脂組成物が、特定コア・シェル粒子として、コア部として樹脂粒子を有する特定コア・シェル粒子を用いた場合、この加熱工程にて樹脂粒子の熱分解による除去が行われてもよい。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上450℃以下(好ましくは200℃以上430℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミドが得られる。
加熱の際、目的とする温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させることが好ましい。
以上の工程を経ることで、ポリイミド樹脂と特定中空粒子とを含む樹脂成形物が得られる。
なお、必要に応じて、形成された樹脂成形物を被塗布体から剥離してもよい。
また、形成された樹脂成形物は、更に、目的とする用途に応じて、後加工が施されてもよい。
なお、必要に応じて、形成された樹脂成形物を被塗布体から剥離してもよい。
また、形成された樹脂成形物は、更に、目的とする用途に応じて、後加工が施されてもよい。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[樹脂組成物(1)の調製]
数平均粒子径400nmのポリスチレン樹脂粒子の水分散液(固形分率22%)104質量部に対し、水を70質量部、3−(2−アミノエチルアミノ)−プロピル)トリメトキシシランを0.11質量部加えた後、10%アンモニア水溶液11.6質量部を加え、pHを9.6へ調整した。この混合液を75℃に加熱し、攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン5.41質量部を添加し、200分間かけて反応させシェル層を形成し、コア・シェル粒子を含むスラリーを調製した。
このスラリー153質量部に対して、水を43質量部、パラフェニレンジアミンを5.24質量部、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物14.25質量部を加え、50℃に加熱した後、44%メチルモルホリン水溶液33.5質量部を90分かけて滴下した。その後、12時間、50℃のまま攪拌し続けてポリアミック酸の重合を行い、樹脂組成物(1)を得た。
数平均粒子径400nmのポリスチレン樹脂粒子の水分散液(固形分率22%)104質量部に対し、水を70質量部、3−(2−アミノエチルアミノ)−プロピル)トリメトキシシランを0.11質量部加えた後、10%アンモニア水溶液11.6質量部を加え、pHを9.6へ調整した。この混合液を75℃に加熱し、攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン5.41質量部を添加し、200分間かけて反応させシェル層を形成し、コア・シェル粒子を含むスラリーを調製した。
このスラリー153質量部に対して、水を43質量部、パラフェニレンジアミンを5.24質量部、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物14.25質量部を加え、50℃に加熱した後、44%メチルモルホリン水溶液33.5質量部を90分かけて滴下した。その後、12時間、50℃のまま攪拌し続けてポリアミック酸の重合を行い、樹脂組成物(1)を得た。
[樹脂組成物(2)の調製]
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを添加した後、テトラメトキシラン1.1質量部を滴下した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(2)を得た。
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを添加した後、テトラメトキシラン1.1質量部を滴下した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(2)を得た。
[樹脂組成物(3)の調製]
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを10.84質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(3)を得た。
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを10.84質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(3)を得た。
[樹脂組成物(4)の調製]
ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に、スラリー76質量部に対して、水を120質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(4)を得た。
ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に、スラリー76質量部に対して、水を120質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(4)を得た。
[樹脂組成物(5)の調製]
数平均粒子径5μmのポリスチレン樹脂粒子を用いた以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(5)を得た。
数平均粒子径5μmのポリスチレン樹脂粒子を用いた以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(5)を得た。
[樹脂組成物(6)の調製]
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを60質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(6)を得た。
シェル層形成時に、メチルトリメトキシシランを60質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(6)を得た。
[樹脂組成物(7)の調製]
ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に、スラリー15質量部に対して、水を165質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(7)を得た。
ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に、スラリー15質量部に対して、水を165質量部添加した以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(7)を得た。
[樹脂組成物(8)の調製]
数平均粒子径12μmのポリスチレン樹脂粒子を用いる以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(8)を得た。
数平均粒子径12μmのポリスチレン樹脂粒子を用いる以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(8)を得た。
[樹脂組成物(A)の調製]
シェル層形成時に、テトラメトキシラン5.41質量部を滴下する以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(A)を得た。
シェル層形成時に、テトラメトキシラン5.41質量部を滴下する以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(A)を得た。
[樹脂組成物(B)の調製]
有機材料によるシェル層を有する中空粒子(テクポリマー NH、積水化成品工業(株)製)を水に分散してスラリーを調製し、このスラリーを、ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に用いた以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(B)を得た。
有機材料によるシェル層を有する中空粒子(テクポリマー NH、積水化成品工業(株)製)を水に分散してスラリーを調製し、このスラリーを、ポリアミック酸を重合して樹脂組成物を得る時に用いた以外は、樹脂組成物(1)の調製と同様にして、樹脂組成物(B)を得た。
<実施例1>
樹脂組成物(1)を、ガラス基板(松浪ガラス製)上にアプリケーターにて塗布した。塗布された塗膜を、まず、100℃で60分乾燥した後、400℃まで2℃/分で昇温し、400℃で60分保持した。
室温まで冷却した後、膜厚50μmの樹脂成形物を得た。
樹脂組成物(1)を、ガラス基板(松浪ガラス製)上にアプリケーターにて塗布した。塗布された塗膜を、まず、100℃で60分乾燥した後、400℃まで2℃/分で昇温し、400℃で60分保持した。
室温まで冷却した後、膜厚50μmの樹脂成形物を得た。
<実施例2〜8、比較例1〜2>
樹脂組成物(1)を、表1に記載の樹脂組成物(2)〜(8)、(A)及び(B)のいずれかに変えた以外は、実施例1と同様にして、膜厚50μmの樹脂成形物を得た。
樹脂組成物(1)を、表1に記載の樹脂組成物(2)〜(8)、(A)及び(B)のいずれかに変えた以外は、実施例1と同様にして、膜厚50μmの樹脂成形物を得た。
〔比誘電率及び誘電正接の測定〕
得られた樹脂成形物について、前述の方法で、10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
得られた樹脂成形物について、前述の方法で、10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
〔熱膨張率の測定〕
得られた樹脂成形物について、前述の方法で、熱膨張率を測定した。
得られた熱膨張率を、熱寸法安定性の評価指標とした。
得られた樹脂成形物について、前述の方法で、熱膨張率を測定した。
得られた熱膨張率を、熱寸法安定性の評価指標とした。
〔引張破断強度の評価〕
得られた樹脂成形物について、長さ10cm、幅5mmの短冊状にカットし、引っ張り試験機(ストログラフ:東洋精機製作所)により、引張破断強度を測定した。
得られた樹脂成形物について、長さ10cm、幅5mmの短冊状にカットし、引っ張り試験機(ストログラフ:東洋精機製作所)により、引張破断強度を測定した。
上記結果から、本実施例では、比誘電率及び誘電正接が低く、且つ、熱膨張率が小さく、熱寸法安定性に優れることが分かる。
Claims (19)
- 絶縁性樹脂と、
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有する中空粒子と、
を含有する、樹脂成形物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。 - 前記中空粒子が2層以上からなるシェル層を有し、前記2層以上からなるシェル層のうち少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む、請求項1に記載の樹脂成形物。
- 前記2層以上からなるシェル層は、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、請求項2に記載の樹脂成形物。
- 前記シェル層の平均厚みが1nm以上250nm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 前記絶縁性樹脂が、ポリイミド及びポリアミドイミドならなる群より選ばれる1種である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 前記ポリイミドが芳香族ポリイミドである、請求項5に記載の樹脂成形物。
- 前記中空粒子が、樹脂成形物の全質量に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 前記中空粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 誘電率が1.4以上2.9以下である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 熱膨張率が1ppm/℃以上20ppm/℃以下である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 空隙率が20%以上80%以下である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形物。
- 絶縁性樹脂又はその前駆体と、
下記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含むシェル層を有するコア・シェル粒子と、
を含有する、樹脂組成物。
式(1):(RSiO1.5)n
式(1)中、Rは、炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基、又はビニル基を表し、nは7以上150以下の整数を表す。 - 前記コア・シェル粒子が2層以上からなるシェル層を有し、前記2層以上からなるシェル層のうち少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む、請求項12に記載の樹脂組成物。
- 前記2層以上からなるシェル層が、少なくとも1層が前記式(1)で表されるシルセスキオキサンを含む第1層であり、前記第1層よりも外側に、シリカ(SiO2)を含む第2層を有する、請求項13に記載の樹脂組成物。
- 前記シェル層の平均厚みが1nm以上25nm以下である、請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記コア・シェル粒子のコア部が樹脂粒子である、請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記絶縁性樹脂又はその前駆体が、ポリアミック酸及びポリアミドイミドならなる群より選ばれる1種である、請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記コア・シェル粒子が、樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以上80質量%以下で含有される、請求項12〜請求項17のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記コア・シェル粒子の数平均粒子径が100nm以上10μm以下である、請求項12〜請求項18のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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