JP2020147617A - 親水性粒子の製造方法 - Google Patents

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【課題】適度な柔軟性を維持しつつ親水性を付与した親水性粒子を容易に得ることを可能にした親水性粒子の製造方法及び親水性粒子を提供する。【解決手段】親水性粒子の製造方法は、10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程を備える。ポリオルガノシロキサン粒子から得られる親水性粒子は、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内である。【選択図】なし

Description

本発明は、親水性粒子の製造方法、及び親水性粒子に関する。
機能性粒子としてコアシェル粒子は、従来から広く検討されており、コア粒子とシェル層の密着性向上のために、コア粒子の表面を改質する物理的又は化学的処理技術として親水化処理が施されることが知られている。
コア粒子の表面を親水化する物理的処理技術としては、例えば、アルゴンレーザー照射、プラズマ処理、オゾン照射等が挙げられる。例えば、特許文献1には、低温プラズマ処理によって表面を親水化した高分子重合体微粒子(コア粒子)を用いて、金属層との密着性を向上させた金属被膜微粒子を得る方法が開示されている。
ところが、このような低温プラズマ処理は、真空下で行われる処理であり、特殊な大型設備が必要となる。また、個々の微粒子の表面全体にムラ無く均一となるようにプラズマを照射(エッチング処理)することが困難であるため、微粒子の親水化処理としては必ずしも適していない。
一方、コア粒子の表面を親水化する化学的処理技術としては、例えば、ガスと接触させる処理技術が挙げられる。例えば、特許文献2には、フッ素ガスと酸素原子を含む化合物のガスとの混合ガスによってビニル系重合体微粒子を処理することで親水化する方法が開示されている。
ところが、上記処理で用いられるガスは、毒性や危険性のあるフッ素ガスを含むため、安全面において懸念点があった。また、高分子重合体粒子をコア粒子として用いた場合、耐熱性が十分に得られず、粒子の使用用途が限られてしまうという課題もあった。
特開2007−184278号公報 特開2010−072492号公報
上記のようなビニル系重合体微粒子に対して、ポリオルガノシロキサン粒子は、例えば、優れた粒径精度と、適度な柔軟性及び耐熱性を有することから、機能性粒子のコア粒子として好適に用いることが可能である。ところが、ポリオルガノシロキサン粒子自体は疎水性であり、このようなポリオルガノシロキサン粒子自体に親水性を付与しようとした場合、適度な柔軟性が失われるという問題があった。
本発明の目的は、適度な柔軟性を維持しつつ親水性を付与した親水性粒子を容易に得ることを可能にした親水性粒子の製造方法及び親水性粒子を提供することにある。
上記課題を解決する親水性粒子の製造方法は、10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程を備える。
この方法によれば、上記10%K値を有するポリオルガノシロキサン粒子を用いることで、酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成しても、急激に硬くなり難く、また、このような酸素濃度の雰囲気下で焼成することで吸水率を好適に高めることができる。
上記親水性粒子の製造方法において、前記焼成工程により、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内の親水性粒子を得ることが好ましい。
上記親水性粒子の製造方法において、前記ポリオルガノシロキサン粒子は、ポリメチルシロキサン粒子であり、前記酸素濃度は、20体積%以上、40体積%以下の範囲内であり、前記焼成工程における焼成温度が300℃以上、480℃以下の範囲内であることが好ましい。
上記親水性粒子の製造方法において、前記焼成工程における焼成時間は、1時間以上、150時間以下の範囲内であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン粒子から得られる親水性粒子は、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、適度な柔軟性を維持しつつ親水性を付与した親水性粒子を容易に得ることが可能となる。
以下、親水性粒子の製造方法及び親水性粒子の一実施形態について説明する。
まず、親水性粒子について説明する。
親水性粒子は、ポリオルガノシロキサン粒子から得られる。ポリオルガノシロキサンは、シロキサン骨格を主体とし、オルガノ基を有する。ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、トリアルコキシシランの縮合物が挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。トリアルコキシシランは、一種又は二種以上を用いることができる。
また、トリアルコキシシランと、テトラアルコキシシラン、ジアルコキシシラン及びモノアルコキシシランから選ばれる少なくとも一種とを組み合わせて用いてもよい。これらシラン化合物や有機置換基の種類を種々選択することで、粒子の機械的特性等の諸物性を任意に設計することもできる。ポリオルガノシロキサンとしては、任意の物性へ調整し易いという観点から、ポリメチルシロキサンであることが好ましい。
親水性粒子の10%K値は、2GPa以上、25GPa以下の範囲内であり、好ましくは2GPa以上、20GPa以下の範囲内であり、より好ましくは5GPa以上、15GPa以下の範囲内である。
例えば、電子部材等のスペーサとして、親水性粒子や、親水性粒子をコア粒子とする複合粒子を用いる場合、層間保持(スペーサ)機能を発揮させるために、親水性粒子の10%K値は、5GPa以上であることがより好ましい。また、親水性粒子を接触させる周辺部材に対して物理的損傷を与え難くするという観点から、親水性粒子の10%K値は、20GPa以下であることがより好ましい。親水性粒子を接触させる周辺部材としては、例えば、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルター、又はITO導電膜や回路等の電気素子が挙げられる。
親水性粒子の吸水率は、2%以上であり、好ましくは5%以上である。親水性粒子の吸水率が2%以上の場合、水中への分散性が良好となり、例えば、親水性粒子の水系処理により被膜を形成する場合、より均一な被膜を形成することが可能となる。ここで、親水性粒子の吸水率が高いほど、ポリオルガノシロキサン粒子の内部を含む粒子全体の改質(親水化)の度合いが高まると推測される。特に、親水性粒子の吸水率が5%以上の場合、粒子の内部まで十分に親水化されると推測され、さらに均一な被膜を形成することが可能となる。
親水性粒子の表面に存在するOH基の量は、Si原子に結合するO原子に対するOH基の比率、すなわち表面原子濃度比(OH/O比)で表すことができる。表面原子濃度比(OH/O比)は、後述する光電子X線スペクトル(ESCA)を用いた定量分析により測定することができる。親水性粒子の表面原子濃度比(OH/O比)は、水中への分散性をより高めるという観点から、0.003以上であることが好ましい。
親水性粒子の粒子径は、コールターカウンター法により求めた平均粒子径において0.5μm以上、200μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲の平均粒子径を有する親水性粒子や、親水性粒子をコア粒子とする複合粒子は、電子部材等において、例えばスペーサとして好適に用いることができる。親水性粒子の平均粒子径は、具体的な用途に応じて設定することができる。例えば、液晶パネル用途のスペーサに親水性粒子を用いる場合、親水性粒子の平均粒子径は、1μm以上、15μm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、有機EL用途のスペーサに親水性粒子を用いる場合、親水性粒子の平均粒子径は、6μm以上、16μm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、PDLC(高分子分散型液晶)用途のスペーサに親水性粒子を用いる場合、親水性粒子の平均粒子径は、7μm以上、25μm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、3Dシャッター用途のスペーサに親水性粒子を用いる場合、親水性粒子の平均粒子径は、25μm以上、50μm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、LED照明用用途のスペーサに親水性粒子を用いる場合、親水性粒子の平均粒子径は、40μm以上、120μm以下の範囲内であることが好ましい。
親水性粒子の粒径分布は、CV値(変動係数)により示される。親水性粒子のCV値は、5%以下であることが好ましく、2.5%以下であるとより好ましい。CV値が5%以下の親水性粒子は、粒子径のばらつきが小さく、スペーサとして好適に用いることができる。また、親水性粒子は、真球形状の単分散粒子であることが好ましい。
親水性粒子は、スラリー分散性に優れた粒子としても利用できるが、欠陥の少ない良好な被膜を表面に形成できるため、複合粒子のコア粒子として用いるのに特に適しており、例えば、導電性粒子のコア粒子として好適に用いることができる。すなわち、親水性粒子の表面に導電性被膜を形成することで、導電性粒子を得ることができる。導電性被膜としては、例えば、銀被膜、金被膜、銅被膜等が挙げられる。導電性被膜は、例えば、無電解めっき法等の水系処理で形成することが可能である。導電性被膜に限らず、硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂被膜を形成すれば、接着性や固着性等の機能を付与した複合粒子を得ることもできる。また、導電性フィラー等の機能性充填材のコア粒子として用いた場合には、親水性粒子の柔軟性に起因する応力緩和特性等の発現も期待できる。
次に、親水性粒子の製造方法について説明する。
親水性粒子の製造方法は、10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程を備えている。吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内の親水性粒子が得られれば製造方法は限定されないが、本実施形態の製造方法によれば、均質な前記吸水率及び10%K値を有する親水性粒子を生産性良く簡便に得ることができる。
ここで、ポリオルガノシロキサン粒子の柔軟性は、オルガノ基(有機成分)により発現されている。すなわち、ポリオルガノシロキサン粒子の10%K値が大きくなるほど、ポリオルガノシロキサン粒子中の有機成分が少ないといえる。上記の10%K値が2GPa以上のポリオルガノシロキサン粒子は、有機成分が比較的少ないため、酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成しても、有機成分の焼成を緩やかに進行させることが容易となる。これにより、ポリオルガノシロキサン粒子中の有機成分の焼成が急激に進行すること、すなわち粒子が過剰に硬質化することや、焼成ムラに起因する柔軟性や親水性のばらつきを容易に回避することができる。
ポリオルガノシロキサン粒子のポリオルガノシロキサンとしては、親水性粒子の説明で述べたものを用いることができる。
親水性粒子の製造方法では、上記の焼成工程により、ポリオルガノシロキサン粒子の有するオルガノ基の一部が酸化分解され、水酸基となることで、親水性粒子が得られる。例えば、酸素濃度が7体積%未満の雰囲気下で焼成しても、有機成分の酸化分解、すなわちポリオルガノシロキサン粒子の親水化が促進されず、親水性粒子を効率的に得ることができない。このため、焼成工程における酸素濃度は、有機成分をより効率的に酸化分解するという観点から、7体積%以上であり、好ましくは15体積%以上であり、さらに好ましくは20体積%以上である。このような焼成工程は、酸素濃度が約21体積%である大気雰囲気下で行うこともできる。なお、焼成工程における酸素濃度は、安全性や設備の簡略化の観点から、40体積%以下であることが好ましい。
焼成工程における焼成温度及び焼成時間は、ポリオルガノシロキサン粒子の種類、10%K値、焼成雰囲気の酸素濃度等に応じて調整することができる。例えば、ポリオルガノシロキサン粒子としてポリメチルシロキサン粒子を用いて、酸素濃度が20体積%以上、40体積%以下の範囲内の雰囲気下で焼成工程を行う場合、焼成温度は、300℃以上、480℃以下の範囲内であることが好ましい。この温度範囲内に設定することで、粒子の柔軟性を維持するとともに親水性を高めることが容易となる。さらに、この温度範囲内において、焼成時間を1時間以上、150時間以下の範囲内とすることで、柔軟性と親水性とを有する親水性粒子の生産性を高めることも容易となる。
上記焼成工程で用いる焼成装置としては、特に限定されず、例えば、電気炉やロータリーキルン等が挙げられる。ロータリーキルンを用いる場合、ポリオルガノシロキサン粒子を撹拌しつつ焼成することができるため、ポリオルガノシロキサン粒子中の有機成分をより均一に酸化分解することができる。これにより、安定した品質の親水性粒子を得ることが容易となる。
親水性粒子の製造方法において、焼成工程の条件は、焼成工程の前後における粒子の物性を測定した結果に基づき調整することも可能である。焼成工程前のポリオルガノシロキサン粒子の平均粒子径と、焼成工程後の親水性粒子の平均粒子径の差は、1μm以内であることが好ましい。焼成工程前のポリオルガノシロキサン粒子の10%K値と、焼成工程後の親水性粒子の10%K値との差は、7GPa以内であることが好ましい。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)親水性粒子の製造方法は、10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程を備えている。この方法によれば、上記10%K値を有するポリオルガノシロキサン粒子を用いることで、酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成しても、急激に硬くなり難く、また、このような酸素濃度の雰囲気下で焼成することで吸水率を好適に高めることができる。したがって、適度な柔軟性を維持しつつ親水性を付与した親水性粒子を容易に得ることが可能となる。
(2)親水性粒子の製造方法において、焼成工程により、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内の親水性粒子を得ることが好ましい。例えば、このような柔軟性と親水性とを有する親水性粒子を容易に得ることができる。
(3)ポリオルガノシロキサン粒子がポリメチルシロキサン粒子である場合、焼成工程における酸素濃度は、20体積%以上、40体積%以下の範囲内であり、焼成工程における焼成温度は、300℃以上、480℃以下の範囲内であることが好ましい。例えば、このように焼成条件を設定することで、ポリメチルシロキサン粒子を原料として、柔軟性と親水性とを有する親水性粒子を容易に得ることができる。さらに、焼成工程における焼成時間は、1時間以上、150時間以下の範囲内であることにより、柔軟性と親水性とを有する親水性粒子の生産性を高めることも容易となる。
(4)親水性粒子は、ポリオルガノシロキサン粒子から得られる。この親水性粒子は、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内である。この構成によれば、例えば、水系の処理によって親水性粒子の表面に機能性被膜を形成することができる。また、親水性粒子は、適度な柔軟性を有することから、例えば、電子部材のスペーサ等に好適に用いることができる。
次に、実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
表1に示すように、10%K値が14.23GPaであり、平均粒子径が7.01μmであり、CV値が1.58%であるポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシロキサン粒子、宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカTS N5N)150gを、マッフル炉(光洋サーモシステム(株)製、KBF728N)を用いて、大気雰囲気下、350℃、1時間の条件で焼成することにより親水性粒子を得た。
(実施例2,3)
表1に示すように、焼成時間を変更した以外は、実施例1と同様にして各例の親水性粒子を得た。
(実施例4)
表1に示すように、10%K値が8.18GPaであり、平均粒子径が3.11μmであり、CV値が2.04%であるポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシロキサン粒子、宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカTS N5aN)150gを、マッフル炉(光洋サーモシステム(株)製、KBF728N)を用いて、大気雰囲気下、350℃、48時間の条件で焼成することにより親水性粒子を得た。
(実施例5)
表1に示すように、焼成時間を変更した以外は実施例4と同様にして親水性粒子を得た。
(実施例6)
表1に示すように、10%K値が5.41GPaであり、平均粒子径が5.23μm、CV値が1.63%であるポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシロキサン粒子、宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカTS N6N)150gを、マッフル炉(光洋サーモシステム(株)製、KBF728N)を用いて、大気雰囲気下、330℃、7時間の条件で焼成することにより、親水性粒子を得た。
(実施例7,8)
表1に示すように、焼成温度及び焼成時間を変更した以外は、実施例1と同様にして親水性粒子を得た。
(比較例1)
比較例1の粒子は、実施例1で用いたポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシロキサン粒子、宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカTS N5N)である。
(比較例2)
表1に示すように、10%K値が1.55GPaであり、平均粒子径が7.08μmであり、CV値が1.57%であるポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシロキサン粒子、宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカTS N7N)150gを、マッフル炉(光洋サーモシステム(株)製、KBF728N)を用いて、大気雰囲気下、350℃、7時間の条件で焼成することにより親水性粒子を得た。
(10%K値、平均粒子径及びCV値の測定方法)
粒子の試料の10%K値は、次のように測定することができる。まず、粒子10個の10%K値を測定し、それら10%K値の平均値を求めた。この測定には、微小圧縮試験機(MCTE−200、株式会社島津製作所製)を用いた。10%K値は下記式(1)によって求められる。
10%K値[N/mm]=(3/21/2)×F×S−3/2×R−1/2…(1)
上記式(1)中のFは、粒子の10%圧縮変形における荷重[N]であり、Sは粒子の10%圧縮変形における変位[mm]であり、Rは粒子の半径[mm]である。
粒子の試料の平均粒子径及びCV値は、コールターカウンター(マルチサイザーIVe、ベックマン・コールター(株)製)を用いて求めた。粒度分布の変動係数(CV値)は、下記式(2)により算出することができる。
CV値(%)={粒子径の標準偏差[μm]/平均粒子径[μm]}×100…(2)
各例の上記物性の測定結果を表1及び表2に示す。
(水分散性の評価)
110mLスクリュー管瓶中にイオン交換水45g及び粒子の試料の乾燥粉体5gを入れ、超音波処理機を用いて、振とうしつつ、室温下、5分間の条件で超音波処理をした。
超音波処理後のスクリュー管瓶の水面を観察し、全ての粒子が液に濡れて水中に分散しているものを良好(○)、水面上に浮遊する粒子が目視できる場合を不良(×)と判定した。その結果を表2に示す。
(表面原子濃度比(OH/O比))
粒子表面に存在するOH基を、光電子X線スペクトル(ESCA)により測定した。粒子表面に存在するOH基の測定は、OH基1個に対して1原子の割合で修飾されるBr原子を定量する下記の分析方法を用いた。この分析方法により、シロキサン骨格を主体とするポリオルガノシロキサン粒子の表面(表層より数nm)における、Si原子に結合するO原子、OH基、C原子(有機基由来)を定量的に比較することができる。
1.OH基の修飾処理
試料を修飾試薬(含臭素ケイ化合物)に浸漬し、室温で一晩放置した。次に、試料をアセトニトリルにて十分に洗浄、ろ過し、乾燥後、サンプリングすることで、粒子表面のOH基をBr基に置換した試料を得た。
2.装置及び測定条件
粒子の試料について、表面の元素含有量を測定した。まず、粒子の試料の粉体を接着テープ(セロハンテープ)上に固定した後、試料台に固定し、X線光電子分光装置内にセットした。X線光電子分光装置により、粉体の表面原子濃度を測定し、粒子表面炭素量(質量%)を算出した。なお、表面原子濃度は、検出元素(C,O,Si,Br)のナロースペクトルにおけるピーク強度を基にして、アルバック・ファイ社提供の相対感度因子を用いて計算した。使用した装置名及び測定条件は以下のとおりである。
装置名:PHI製1600S型X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα 100W、分析領域 0.8×2.0mm
(吸水率の測定)
まず、粒子の試料をガラス製シャーレに入れ、150℃のオーブンで1時間以上乾燥した後、デシケーターの中で室温まで放冷した。その後、電子天秤で15g程度の粒子の試料を秤量した。粒子の試料を秤量したシャーレを150℃で3時間乾燥し、直ちに五酸化リンの入ったデシケーター中で冷却した。室温まで冷却した後、粒子の試料の質量を測定した。このときの質量を吸水前の粒子の試料の質量とした。
次に、粒子の試料を30℃、90%RHに設定した恒温恒湿チャンバーに放置し、吸水させた。24時間経過毎に試料の質量(吸水後の試料の質量)を測定し、下記式(3)により吸水率を算出した。24時間経過前後における吸水率の変化量が0.5%以下になったところで、飽和吸水状態に達したと判断し、測定を終了した。
吸水率[%]=(K2−K1)/K1×100…(3)
但し、上記式(3)中のK1は、吸水前の粒子の試料の質量を示し、K2は、吸水後の粒子の試料の質量を示す。1つの粒子の試料について3回測定を行い、その平均値を吸水率とした。
表1及び表2に示される実施例1〜8の親水性粒子は、10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を原料として用いて、酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程により得られている。各実施例の親水性粒子の10%K値は、20.73GPa以下であり、吸水率は、2.23%以上であった。
これに対して、比較例1の粒子については、焼成工程を行っていないため、各実施例の親水性粒子のような親水性は得られないことが分かる。また、比較例2では、10%K値が2GPa未満のポリオルガノシロキサン粒子を原料として用いている。この比較例2では、ポリオルガノシロキサン粒子を実施例2と同じ焼成条件で焼成した結果、10%K値は、37.60GPaとなった。この結果から、比較例2のポリオルガノシロキサン粒子を焼成した場合、粒子の硬質化が急激に進行するため、各実施例のように柔軟性を有する親水性粒子を容易に得られないことが分かる。
(導電性粒子の作製)
1.金属核の形成工程
実施例1の親水性粒子の試料の表面に金属核を形成した。金属核の形成では、粒子の試料10gを、イソプロピルアルコールとメタノールとの混合溶媒68mLに浸漬し、塩化金酸(HAuCl・4HO)0.086gと3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.14mlを加え、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH)0.036gで還元した。これにより、表面に金属核が形成された粒子を得た。
2.導電性被膜の形成工程
金属核を形成した粒子の試料10gを水523mLに分散させ、3−メルカプトトリエトキシシラン0.073mLを加え超音波を照射し、メタノール450mLと水150mLの混合溶媒に添加した。あらかじめ水60mLと混合しておいた硝酸銀6.043g、及び25質量%アンモニア水溶液121mLを加えた。さらに、37%ホルムアルデヒド液181mLを加えて液中の銀イオンを還元することにより、実施例1の親水性粒子の表面に導電性被膜としての銀被膜を有する導電性粒子を得た。
以上の手順と同様にして、実施例2〜8、及び比較例2の親水性粒子についても、銀被膜を形成することで導電性粒子を作製した。このとき、金属核の形成工程及び導電性被膜の形成工程では、親水性粒子に略同じ厚さの導電性被膜が形成されるように、例えば、導電性被膜の原料となる硝酸銀等の配合量等を親水性粒子の平均粒子径に応じて適宜調整した。
なお、比較例1の粒子については、金属核及び銀被膜を形成する反応が進んだ様子が観察されず、被膜を形成することができなかった。
(導電性粒子の作成結果)
実施例1〜8、及び比較例2の親水性粒子の試料の表面に金属核を形成した粒子は、いずれも赤色を呈していた。
実施例1〜8、及び比較例2の親水性粒子から得られた導電性粒子について、親水性粒子の平均粒子径と導電性粒子の平均粒子径の差から銀被膜の厚さを算出した結果、いずれも0.05μm以上であった。
導電性粒子の表面、すなわち親水性粒子(コア粒子)の表面に形成された被膜の外観について、走査型顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope、JEOL社製、JSM−6700F)を用いて、1画面にて20〜50個の親水性粒子が観察できる程度の倍率を目安に、1000倍〜10000倍の倍率で観察し、以下の基準で評価した。その評価結果を表3に示す。
○:欠陥や不連続箇所を確認できないレベルにまで緻密に被膜形成されている。
△:被膜の一部に欠陥が見られる。
×:被膜が断続的に形成、又は被膜が形成されていない。
(平均電気抵抗値)
導電性粒子の電気接続性について、電気抵抗値を測定することにより評価した。具体的には、微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製)を用いて、20個の導電性粒子のそれぞれについて電気抵抗値を測定し、その測定値の平均値を平均電気抵抗値とした。その結果を表3に示す。
(発現率)
発現率とは、電気抵抗値が計測可能な粒子個数の割合をいう。例えば、被膜の形成不良や剥離、密着不良等により、電気抵抗値が計測不可となった場合、O.R.(測定不可)となる。発現率は、微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製)を用いて、20個の導電性粒子について電気抵抗値を測定し、下記式(4)により算出することができる。
発現率(%)=電気抵抗値が計測できた粒子個数/計測した全個数×100…(4)
発現率を算出した結果を表3に示す。
本発明は、親水性粒子の製造方法に関する。
本発明の目的は、適度な柔軟性を維持しつつ親水性を付与した親水性粒子を容易に得ることを可能にした親水性粒子の製造方法を提供することにある。

Claims (5)

  1. 10%K値が2GPa以上、20GPa以下の範囲内のポリオルガノシロキサン粒子を酸素濃度が7体積%以上の雰囲気下で焼成する焼成工程を備えることを特徴とする親水性粒子の製造方法。
  2. 前記焼成工程により、吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内の親水性粒子を得ることを特徴とする請求項1に記載の親水性粒子の製造方法。
  3. 前記ポリオルガノシロキサン粒子は、ポリメチルシロキサン粒子であり、前記酸素濃度は、20体積%以上、40体積%以下の範囲内であり、前記焼成工程における焼成温度が300℃以上、480℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水性粒子の製造方法。
  4. 前記焼成工程における焼成時間は、1時間以上、150時間以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の親水性粒子の製造方法。
  5. ポリオルガノシロキサン粒子から得られる親水性粒子であって、
    吸水率が2%以上であり、10%K値が2GPa以上、25GPa以下の範囲内であることを特徴とする親水性粒子。
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