JP2020147513A - 皮膚用化粧料 - Google Patents

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【課題】塗布後のみずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感があり、塗布中につっぱりがない皮膚用化粧料を提供する。【解決手段】次の成分(A)〜成分(D)を含有し、成分(C)と成分(D)の質量の含有比(C)/(D)が0.1〜10であることを特徴とする、皮膚用化粧料。成分(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、成分(B)メチルグルセス−20およびメチルグルセス−10より選択される1種以上、成分(C)スクワラン、成分(D)トリメチルグリシン【選択図】なし

Description

本発明は、塗布後のみずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感があり、塗布中につっぱりがない皮膚用化粧料に関するものである。
近年のスキンケア市場においては、様々な目的や効果を謳う化粧料が数多く上市されている。これらは、季節や流行りなどの影響を受けて、消費者の購入意欲を掻き立てるような内容に変化する。その中でも、一年を通して一定のニーズがあり、重きを置かれる重要な使用感の一つとして、しっとり感が挙げられる。
化粧料のしっとり感を向上させる技術は数多く存在し、比較的容易にしっとり感を向上させることができるものの、塗布中に皮膚がつっぱって不快であるという欠点がある。しっとり感を向上すればするほど、つっぱりも同時に強くなってしまうため、しっとり感とつっぱりのなさを同時に付与する化粧料が強く望まれている。また、これらの化粧料には、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感など、複合的な快適性も大いに求められる。なお、本発明における吸い付き感とは、化粧料を塗布した皮膚と、塗布していない皮膚を接触させた際の、あたかも両者が吸い付き合うような皮膚同士のなじみのよさを意味する。
しっとり感を付与する成分としては、一般的に、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールが例示される。これらの含有量を多く調製すれば、塗布後にしっとり感を十分に得ることができるが、塗布中は皮膚がつっぱるため、乾くまで不快感が続く。一方で、これらを少なく調製すれば、しっとり感を得にくくなり、消費者のニーズと合致しない化粧料になってしまう。以上より、従来技術においては両者を十分に満足することが困難であった。
特許文献1には、トリメチルグリシンなどの水溶性保湿剤と、スクワランなどの液状油を多く含有する、べたつきがなく皮膚にやわらかいハリ感を付与する水中油型乳化化粧料が開示されている。
特許文献2には、トリメチルグリシンなどの電解質とアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含有する、保存安定性と塗布時の使用感が良好な皮膚用化粧料が開示されている。
特開2015−59114号公報 特開2011−1297号公報
特許文献1に記載の技術は、しっとり感を強く得ることができるものの、ガム系水溶性高分子と乳化剤が同一系に含有されることにより、べたつきが生じる。また、塗布中における、つっぱりのなさに関しては検討されていない。
特許文献2に記載の技術は、しっとり感を強く得ることができるものの、キサンタンガムと単糖類が同一系に含有されることにより、べたつきが生じる。また、塗布中における、つっぱりのなさに関しては検討されていない。
そこで、本発明の課題は、塗布後のみずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感があり、塗布中につっぱりがない皮膚用化粧料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、成分(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、成分(B)メチルグルセス−20およびメチルグルセス−10より選択される1種以上、成分(C)スクワラン、成分(D)トリメチルグリシンを含有する皮膚用化粧料を提供することによって、本発明に至った。
本発明により、塗布後のみずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感があり、塗布中につっぱりがない皮膚用化粧料を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
本発明は、次の成分(A)〜成分(D)を含有し、成分(C)と成分(D)の質量の含有比(C)/(D)が0.1〜10であることを特徴とする、皮膚用化粧料である。
成分(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
成分(B)メチルグルセス−20およびメチルグルセス−10より選択される1種以上
成分(C)スクワラン
成分(D)トリメチルグリシン
本発明による皮膚用化粧料には、成分(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(以下、成分(A)とする)を含有する。
本発明に用いる成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、塗布後のみずみずしさの観点から、0.1〜1%が好ましい。成分(A)の含有量が0.1%を下回ると、経時安定性を得にくい恐れがあり、1%を上回っても、みずみずしさがそれ以上強くなる見込みが薄い。
本発明による皮膚用化粧料には、成分(B)メチルグルセス−20およびメチルグルセス−10より選択される1種以上(以下、成分(B)とする)を含有する。
本発明に用いる成分(B)は、メチルグルセス−20、メチルグルセス−10が挙げられる。中でも塗布後の吸い付き感の観点から、メチルグルセス−20が好ましい。これらは1種以上を選択して含有されてもよい。
本発明に用いる成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、塗布後の吸い付き感の観点から、0.5〜10%が好ましい。成分(B)の含有量が0.5%を下回ると、吸い付き感を得にくい恐れがあり、10%を上回ると、べたつき感を得る恐れがある。
本発明による皮膚用化粧料には、成分(C)スクワラン(以下、成分(C)とする)を含有する。
本発明に用いる成分(C)の含有量は、塗布後のさらさら感の観点から、0.2〜20%以上が好ましく、0.4〜20%以上がより好ましく、2〜20%以上がさらに好ましい。成分(C)の含有量が0.2%を下回ると、さらさら感を得られずきしみが生じ、好ましくない。また、成分(C)の含有量が20%を上回っても、さらさら感がそれ以上強くなる見込みが薄い。
本発明による皮膚用化粧料には、成分(D)トリメチルグリシン(以下、成分(D)とする)を含有する。
本発明に用いる成分(D)の含有量は、塗布後のしっとり感の観点から、0.2〜20%以上が好ましく、0.4〜20%以上がより好ましく、1〜20%以上がさらに好ましい。成分(D)の含有量が0.2%を下回ると、しっとり感を得られず好ましくない。また、成分(D)の含有量が20%を上回っても、しっとり感がそれ以上強くなる見込みが薄い。
本発明に用いる成分(C)と成分(D)の含有比(C)/(D)は、塗布中のつっぱりのなさの観点から、0.1〜10が好ましく、0.2〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。含有比(C)/(D)が0.1を下回ると、塗布中にべたつきが出て皮膚がつっぱり、10を上回ると、塗布中にきしみが出て皮膚がつっぱる。
本発明による皮膚用化粧料の剤形は、特に限定されるものではないが、液体、ジェル、水中油型エマルション等である。本発明による皮膚用化粧料の剤形がジェルまたは水中油型エマルションである場合、粘度は特に限定されるものではないが、50,000mPa・s以上であることが好ましい。粘度が50,000mPa・s未満の場合、経時安定性を損なう恐れがある。
本発明における粘度は、常法により調製した当該化粧料をサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、25℃で24時間静置した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB−10M、東機産業株式会社製)により、M4号ローターを用いて25℃、6rpmで1分間回転させた後に測定したものである。
本発明による皮膚用化粧料は、本発明の効果を奏していれば、その他、水、油剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、増粘剤、溶剤、保湿剤、ビタミン類、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、キレート剤、抽出液、発酵液、湿潤剤、着色剤、香料等を含有することができ、これらは1種以上含有してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
表1〜4に示される評価試験において、成分および含有量を種々変更しながら皮膚用化粧料を常法により調製した。
(評価方法)
パネラー10名が皮膚用化粧料を使用し、各項目に関して官能評価を行った。パネラーが項目毎に5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、下記判定基準に従って判定した。
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
(第1評価試験)
第1評価試験において、成分(A)の含有量に関して皮膚用化粧料を評価した。表1に、皮膚用化粧料の成分とその含有量および評価結果を示す。
表1に示す実施例1〜4より、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感およびつっぱりのなさに関して良好な結果を得た。
(第2評価試験)
第2評価試験において、成分(B)の種類および含有量に関して皮膚用化粧料を評価した。表2に、皮膚用化粧料の成分とその含有量および評価結果を示す。
表2に示す実施例5〜9より、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感およびつっぱりのなさに関して良好な結果を得た。
(第3評価試験)
第3評価試験において、成分(C)の種類、含有量および成分(C)と成分(D)の含有比(C)/(D)に関して皮膚用化粧料を評価した。表3に、皮膚用化粧料の成分とその含有量および評価結果を示す。
表3に示す実施例10〜17より、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感およびつっぱりのなさに関して良好な結果を得た。
(第4評価試験)
第4評価試験において、成分(D)の種類、含有量および成分(C)と成分(D)の含有比(C)/(D)に関して皮膚用化粧料を評価した。表4に、皮膚用化粧料の成分とその含有量および評価結果を示す。
表4に示す実施例18〜25より、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感およびつっぱりのなさに関して良好な結果を得た。
以下に皮膚用化粧料の実施例26を記載する。
実施例26により得られた皮膚用化粧料は、みずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感およびつっぱりのなさに関して良好な結果を得た。
実施例25
成 分 含有量(%)
(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.40
(B)メチルグルセス−20 2.00
(C)スクワラン 4.00
(D)トリメチルグリシン 2.00
EDTA−2Na 0.05
クエン酸 0.01
グリセリン 4.00
カルボマー 0.20
1,3−ブチレングリコール 10.00
キサンタンガム 0.10
ヒドロキシエチルセルロース 0.40
メチルパラベン 0.30
ジメチコン 2.00
パルミチン酸エチルヘキシル 2.00
アルギニン 0.60
ハマメリス葉エキス 0.10
ピリドキシン環状リン酸 0.10
サクシニルアテロコラーゲン 0.10
アスコルビルグルコシド 0.10
エクトイン 0.10
酵母エキス 0.10
水 残分
合 計 100.00
本発明は、塗布後のみずみずしさ、吸い付き感、さらさら感、しっとり感があり、塗布中につっぱりがない皮膚用化粧料を提供できる。

Claims (1)

  1. 次の成分(A)〜成分(D)を含有し、成分(C)と成分(D)の質量の含有比(C)/(D)が0.1〜10であることを特徴とする、皮膚用化粧料。
    成分(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
    成分(B)メチルグルセス−20およびメチルグルセス−10より選択される1種以上
    成分(C)スクワラン
    成分(D)トリメチルグリシン
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